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更新日:2023年4月25日
環境保全研究所
湖沼の水質保全対策や公共用水域の水質調査など、水質・土壌の保全に関する検査業務や調査研究を実施しています。
諏訪湖は、下水道の整備など様々な取組によって水質浄化が進んできておりますが、なお一層の水質浄化に向けた取組を進めています。(第8期諏訪湖水質保全計画)
近年諏訪湖では湖岸域でのヒシ大量繁茂等による貧酸素水域が発生しており、湖沼環境の改善を目指して調査に取り組んでいます。
また、市街地や農地、山林などのいわゆる非特定汚染源に由来する汚濁負荷の削減が課題となっており、これらの汚濁負荷の削減対策に向けた調査を行っています。
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諏訪湖水質調査の様子 |
諏訪湖の流入河川のひとつである宮川 |
野尻湖の水質保全対策を進めるため、周辺流域から湖への流入汚濁負荷の実態を調べています。(第6期野尻湖水質保全計画)
さらに、失われた水草帯の回復状況を調査するため、沿岸域の水草の状況をモニタリングしています。
また、野尻湖の水環境保全のための啓発事業のひとつとして、信濃町の小学生を対象に野尻湖クリーンラリーが開催されており、当部では河川の水生生物及び野尻湖のプランクトンが観察できるブースを出展しています。
野尻湖水草復元研究会(外部サイト)では、野尻湖の浄化の象徴として、絶滅したホシツリモの復活と、水草帯の復元による生態系の回復の研究に取り組んでいます。
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野尻湖の水草のモニタリング | 野尻湖の水草を撮影する様子 |
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水質調査が行われている木崎湖 |
県内の公共用水域の水質汚濁状況を常時監視するため、主要河川・湖沼の調査を行っています。
各種開発による水質汚濁が懸念される河川で、農薬等の汚染実態調査を行っています。
これらの調査結果については、河川・湖沼等の水質測定結果として取りまとめられています。
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双子池水質調査の様子 |
酸性雨による中・長期的な影響を把握するために、人為的な汚染の少ない山岳地の湖沼(北八ヶ岳双子池)で水質調査を行っています。
詳しくは酸性雨モニタリング(陸水)調査のホームページをご覧ください。
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せせらぎサイエンス指導者研修会 (烏川(安曇野市)での様子) |
身近な水辺の生き物の観察を通じて地域の水環境を知り、水環境保全意識の高揚を目指す体験学習活動「せせらぎサイエンス」の指導者育成を目的として「せせらぎサイエンス指導者研修会」が開催されており、当部から講師を派遣しています。
研修内容は、河川の水生生物による水質調査方法について、教室での講習と水辺での実習を行います。
これまでの主な参加者は環境関係のボランティアなど一般参加者、小学校関係、市町村機関及び県機関関係者です。
詳しくは県庁水大気環境課までお問い合わせください。
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柱状採泥器による採泥 |
諏訪湖の水質は、一定の改善傾向をみるに至っていますが、湖沼環境保全の点からみて不可欠な底質環境の改善については、その変化の実態についての調査例が少なく、特に沿岸域では不明な点が多くあります。そのため、諏訪湖の底質環境の実態把握を行うとともに、過去の状況と比較、考察します。
また、底層水の貧酸素化、底層溶存酸素量を低下させる大きな要因の一つである湖底泥による酸素消費速度(SOD)の実態を把握します。
<概要・成果>
SOD調査結果概要(2019-2021)【速報値】(PDF:794KB)
<報告書>
諏訪湖底質環境に関する調査(2018)報告書~沿岸域の実態把握~(PDF:1,395KB)
諏訪湖底質環境に関する調査(2019-2020)報告書~水生植物帯の実態把握、過去のシジミの生息域の実態把握~(PDF:1,956KB)
諏訪湖底質環境に関する調査(2021)報告書~底泥酸素消費速度(SOD)の実態把握~(PDF:1,204KB)
上記報告書は、県が諏訪湖創生ビジョンの実現に向けて実施した諏訪湖の環境改善に係る調査結果をまとめた「諏訪湖創生ビジョン推進事業調査結果報告書」に掲載されています。
諏訪湖の環境改善を効果的に推進するために、汚濁物の流出特性や湖内の物質循環を的確に把握する必要があります。降雨時や晴天時における湖への汚濁負荷量に関するデータを収集し、基盤となる物質収支の把握を試みます。
水質汚濁事故の原因究明等の業務では、原因物質を素早く特定することが望まれます。現在のところ、様々な技術上の制約があるため、特定しにくい物質が存在します。国立環境研究所や他県の環境研究所と共同して、原因物質を素早く特定するシステムの構築等を行います。
県水質測定計画に基づき実施している河川水中の農薬分析について、現状では個別分析が多く分析業務に係る労力が大きいため、液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による多成分同時分析法を検討・確立し、農薬分析に係る業務の効率化・集約化を図ります。
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野尻湖の湖内の水草 (写真はクロモなど) |
野尻湖はかつて水草が豊富な湖でしたが、船の航行障がいを解消する目的でソウギョを放流したことにより水草帯が喪失しました。その後水草の復元をめざした活動により、近年復元の兆しが見られるようになりました。生物多様性や水環境を保全する上で重要な役割を果たしている水草の生育状況等を把握するとともに、長期的な水質保全活動につなげるための基礎的情報を収集します。
身近な湖沼環境の評価手法を検討するため、湖沼の濁りに着目し、沿岸域において透視度を中心に水質調査を実施します。具体的な湖沼フィールドとしては諏訪湖を対象とし、透視度と他の水質項目との関係性などから、住民が水環境を実感できるわかりやすい水環境評価の指標を開発します。
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