乳幼児・小児(生後6か月から11歳)へのワクチン接種Q&A
長野県新型コロナウイルスワクチン接種アドバイザーチーム
目次
必要性について
ワクチンの種類について
接種対象について
副反応について
ワクチン接種後について
その他
Q&A
Q1 小児ワクチンは接種した方がいいのでしょうか。接種しなくても問題ないのでしょうか。
- 発症・重症化予防のため、接種を推奨しています。
- 小児においても、新型コロナウイルスの感染で割合は少ないものの、肺炎や酸素が必要となる中等症、集中治療室での治療が必要な重症例が確認されています。ワクチンには新型コロナウイルスの発症・重症化を予防する効果が期待されますので、特に基礎疾患を有するなど、重症化リスクが高いお子様には、接種を強くおすすめしています。
- また、身近に重症化リスクが高い方がいる場合にも、意義があると考えられています。
- それぞれのお子様の状況に応じ、メリット(期待できること)とデメリット(副反応)をご家族でしっかり話し合い、接種を受けるかご判断ください。判断に迷う場合や気になる点がありましたら、かかりつけ医にご相談ください。
Q2 安全性や副反応が心配なので、子どもには必要性が低いならワクチンを接種させたくないと思っていますが、ワクチンを接種するメリットは大きいのでしょうか。
- オミクロン株流行期において、海外からの報告では、ワクチン2回接種による5-11歳小児の入院と死亡を防ぐ効果は、約40-80%というデータがあります。
- なお、ワクチンを2回接種した方の発症予防効果については、接種後1か月までは60%の予防効果があります。一方で、2か月たつと30%程度に低下することも報告されています。
- また、生後6か月から4歳の小児についても、3回目接種後7日以降、73.2%の発症予防効果が報告されています。
- この他、家族など身近に重症化リスクが高い方がいる場合、ワクチン接種により免疫を持つことはその人を守ることにもつながるため、メリットは大きくなると言えます。
Q3 なぜ、小児のワクチン接種に「努力義務」が適用されたのでしょうか。
- 小児については、「小児におけるオミクロン株の感染状況が確定的ではなかったこと」「オミクロン株については小児における発症予防効果・重症化予防効果に関するエビデンスが必ずしも十分ではないこと」から、予防接種法上の努力義務は適用されていませんでした。
- その後、小児におけるオミクロン株の感染状況やオミクロン株に対するエビデンスが蓄積されたことから、令和4年8月8日および9月2日に開催された厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会において議論され、努力義務が適用されることとなりました。努力義務に関する考え方は、下記の厚生労働省HPをご確認ください。(https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0126.html(別ウィンドウで外部サイトが開きます))
- なお、生後6か月から4歳の小児に対するワクチン接種が令和4年10月24日から始まっていますが、すべての対象者に努力義務が適用されています。
Q4 ワクチンを接種するかどうか、子どもと相談して保護者の意思に基づいて判断するようになっていますが、どこか相談できるところはありますか。
- 接種を受けるか判断できない場合は、まずはかかりつけ医にご相談ください。
- また、接種に関して不安なことは、県のコールセンター(電話:026-235-7380)でも相談を受け付けています。
Q5 高齢者と住んでいますが、子どももワクチン接種をした方がいいのでしょうか。
- まずは重症化リスクの高い高齢者や親の世代で、ワクチン接種を行うことが重要です。ワクチンを接種していない場合、または3回目・4回目の接種がまだの場合はワクチンの接種を検討していただき、その上でお子様の接種を検討してください。
Q6 小児に接種するワクチンは「ファイザー社製」となっていますが、他のメーカーを希望することはできますか。
- 現在、承認されている小児用ワクチンは、ファイザー社製ワクチンのみです。
- 5歳から11歳の小児用のワクチンは、通常3週間の間隔で2回接種し、2回目の接種から5ヶ月以上経過後に3回目の接種をします。接種する有効成分の量は、12歳以上で接種する量の3分の1になります。
- 生後6か月から4歳の小児用のワクチンは、初回接種として3回接種を行います。通常1回目接種から3週間以上経過後に2回目、2回目接種から8週間以上経過後に3回目の接種をします。有効成分の量は、12歳以上で接種する量の10分の1になります。
- なお、上記の接種間隔を超えた場合は、できる限り速やかに接種を実施することをお願いしています。
Q7 生後6か月から11歳の小児でも、オミクロン株対応ワクチンは接種できますか。
- 令和5年3月から、5歳~11歳の小児についてもオミクロン株対応ワクチンの接種が可能となりました。接種できる方は初回(1・2回目)接種を完了し、最後の接種から3か月以上経過した方となっています。
- 乳幼児(生後6か月~4歳)については、現時点では日本で薬事承認されていないため接種することはできませんが、従来株のワクチンでも、オミクロン株流行期における有効性が確認されていますので、今打てるワクチンでの接種をご検討ください。
Q8 基礎疾患を持っていても、ワクチン接種は可能でしょうか。また、ワクチン接種を見合わせた方がいい疾患があったら教えてください。
Q9 子どもがアレルギー体質ですが、ワクチンを接種しても大丈夫でしょうか。
- 食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎や花粉症、じんま疹などのアレルギー体質であっても、接種を受けることはできます。また、接種するワクチンの成分に関係のないものに対するアレルギーを持つお子様も接種は可能です。
- 過去にアレルギー反応やアナフィラキシーを起こしたことがある場合は、予診票にご記入いただくとともに、原因の医薬品等やその時の状況をできるだけ詳しく問診する医師にお伝えください。重いアレルギーで医療機関にかかっている場合には、接種の可否について事前にかかりつけ医に相談してください。
Q10 1回目の接種後、2回目の接種前に12歳の誕生日がきました。どうしたらよいでしょうか
- 11歳以下と12歳以上では、接種するワクチンの種類が異なります。1回目を5歳~11歳の小児用ワクチンで接種した場合には、2回目も1回目と同じ量の5歳~11歳の小児用ワクチンを接種します。
- 同様に、1回目の接種後2回目接種前に5歳の誕生日が来た場合には、2回目・3回目ともに生後6か月~4歳の小児用ワクチンを接種します。
Q11 ワクチンを接種して、どのような副反応があるのでしょうか。また、副反応が出た場合、対応していただける体制を整備しているのでしょうか。
- 12歳以上と同様、接種部位の痛みやだるさ、頭痛、発熱等の症状が確認されていますが、ほとんどが軽度又は中等度であり、これまでの国内・国外の小児接種のデータからは、重大な副反応の報告は見られていません。
- 5-11歳の年齢層でもワクチン後の心筋炎は極めてまれ(100万接種に1-4件)に報告がありますが、通常自然に回復します。一方で、新型コロナに感染した後に心筋炎を起こす率は100万人当たり1300人(0.13%)というデータがあり、明らかにワクチン接種後よりもしばしば起こりえます。
- しかし、日常生活に支障をきたす程の発熱、痛み、だるさが生じた場合や、接種を行ってから1週間以内に胸痛、息切れ、動悸などを認めた場合、2~3日を超えてだるさなどが続く場合、その他気になる症状が出現した場合は、接種した医療機関、かかりつけ医、夜間救急、休日当番医、もしくは県コールセンター(電話:026-235-7380)にご相談ください。
Q12 何年後かに、ワクチンを打ったことにより何か副反応が出ないか心配です。
- 長期的な影響については、現時点で明言はできませんが、ワクチンの性質から影響は考えにくいとされています。
- ファイザー社製のワクチンの中には生きたウイルスは入っておらず、それによって人間の遺伝子の情報に変化が加わることもありません。こうしたワクチンの仕組みからは、接種後1年以上が経ってからの副反応は想定されていません。
- なお、インフルエンザワクチンなど一般的に広く接種されているワクチンは何十年も前から研究されており、長期的な副反応は認められていません。
Q13 解熱鎮痛剤は大人と同じ薬局で買えるもので大丈夫ですか。
- 基本的にはお子様に使える解熱剤はアセトアミノフェンになります。市販薬を用いることもできますが、小児用市販薬は総合感冒薬のように複数の成分が混ざっているものも多く、薬局の薬剤師に相談するか、かかりつけ医に相談することをおすすめします。
- なお、ワクチン接種後の症状が出る前に解熱鎮痛薬を予防的に内服することは、現在のところ推奨されていません。
Q14 ワクチン接種後は、学校を休ませた方がいいのでしょうか。また、休ませるとしたら何日ぐらいでしょうか。
- ワクチン接種後に発熱した場合は登校を避けてください。
- また、接種後2~3日、できれば1週間程度、発熱等の副反応を疑う症状に気をつけて、激しい運動を控えて過ごすことが望ましいです。
Q15 ワクチン接種後、気を付けることを教えてください。
- 接種後数日以内は、接種部位の痛みや倦怠感、頭痛、発熱等の症状がみられることが多いため、このような症状に注意しながら過ごす必要があります。
- また、ワクチン接種当日の入浴は特に問題ありません。
- なお、ワクチンの効果は100%ではないことから、引き続きマスクの着用など、基本的な感染対策の継続をお願いします。
Q16 ワクチンを接種できる場所はどこになるのでしょうか。
- 原則として、住民票所在地の市町村(住所地)の医療機関や接種会場で接種を受けていただきます。医療機関や接種会場を探すには、お住いの市町村のホームページや広報などをご確認ください。
- また、やむを得ない事情で住所地でのワクチン接種ができない場合は、住所地以外で受けていただくことができる場合があります。具体的な手続きは、市町村にお問い合わせください。
- なお、基礎疾患等で入・通院をしているお子様が、かかりつけ医で接種を行う場合は、「住所地外接種届」なしで接種が可能です。
Q17 様子を見てからワクチン接種を検討したいと考えていますが、接種可能時期はいつまででしょうか。
- 無料で接種を行う期間は、令和6年3月31日までの予定です。
- 初回接種として、5歳~11歳の小児は2回、生後6か月~4歳の小児は3回接種を完了する必要があります。接種を希望される方は、接種間隔を考慮し予約をお願いします。
Q18 MR(麻しん・風しん)や日本脳炎などのワクチン定期接種と時期が重なる場合、注意することはありますか。
- 原則として、新型コロナワクチンとそれ以外のワクチン(インフルエンザワクチンを除く)は、同時には接種できず、互いに、片方のワクチンを受けてから2週間の接種間隔を空ける必要があります。
- このため、新型コロナワクチン1回目の前2週間から2回目接種後2週間まで最低7週間は、他のワクチンの接種ができませんので、あらかじめ計画を立てた上での予約をお願いします。特に1歳以下のお子様は他のワクチンの定期接種日程が混み合うことから、接種スケジュールに迷う場合は、かかりつけ医または市町村の予防接種担当課へご相談ください。
- なお、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンについては、単独で接種した場合と比較して、有効性及び安全性が劣らないとの報告があること等を踏まえ、令和4年7月22日に開催された厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会において議論され、同時接種が可能となり、接種間隔を空ける必要もなくなりました。

Q19 接種時に必要なものは何ですか。
- 生後6か月5~11歳のワクチン接種では、原則、保護者の同伴が必要となります。予診票に保護者の署名が必要となり、署名がなければワクチンの接種はできません。
- また、接種当日は母子健康手帳の持参をお願いします。この他、送付された接種券等一式とお子様の本人確認書類(健康保険証、マイナンバーカード等)を忘れずにお持ちください。
参考出典:厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会資料
厚生労働省HP、日本小児科学会HP
厚労省チラシ「新型コロナワクチン接種後の副反応への対応方法」など