エイズ・性感染症
ここでは、感染症の中でも主に性行為を経て感染するエイズ・性感染症について紹介しています。なお、保健福祉事務所ではこれらの感染症について、匿名・無料で相談・検査を行っています。
エイズ・性感染症相談専用電話番号(0264-24-2220)
※担当の保健師が対応します
エイズ
エイズとは
エイズ(AIDS:AcquiredImmune Deficiency Syndrome)は、日本名を「後天性免疫不全症候群」といい、様々な病原菌から私たちの身体を守っている免疫機能(抵抗力)が破壊されてしまう病気です。エイズウイルス(Human Immunodeficiency Virus=ヒト免疫不全ウイルス)の侵入を受けた人をHIV感染者といい、病気が進んで身体の抵抗力が著しく弱まり、健康な人には発症しにくい感染症(カリニ肺炎など)にかかるなど症状が現れた人をエイズ患者といいます。
感染ルートは主に次の3つです。
- 感染している人とのセックス
- 感染している人との注射の回し打ち
- 感染した母親から胎児への感染
エイズについて不安や心配のある方は、ためらわずに相談・検査を受けましょう。
エイズに関するQ&A
- エイズはどうすれば防ぐことができますか?
現時点では、エイズは性行為感染症(STD)の1つとして考えられ、その予防には「セーファ・セックス」(より安全なセックス)を心がけることが大切です。具体的な行動としては、多数の人とのセックスは避ける、コンドームを使用する、出血を伴うようなセックスは控える、などです。
- HIVに感染するとすぐにエイズになるのですか?
感染後、一定期間は症状が現れません(潜伏期)。しかし、症状が発生しない間でも性交渉などによって他人にうつす可能性はあります。この潜伏期を経て、エイズ関連症候群という状態(リンパ節腫脹・発熱・下痢・体重の減少・倦怠感・寝汗等)になり、さらに病状が進行してエイズを発症します。
- 感染したかどうか、どうしたらわかるのですか?
血液検査をしなければわかりません。ウイルスが体に入った後にできる「抗体」があるかどうかで判断します。この「抗体」ができるのには、感染後6~8週間、長い場合は12週間ほどかかります。検査は、感染が疑われる機会があった後、12週間(3か月)経ってから受けましょう。
STD
STD(性感染症)とは
Sexually Transmitted Diseases(性感染症)の略で、主として性行為で感染する病気の総称です。エイズのほかに、梅毒・淋病・クラミジア感染症・性器ヘルペスなど、20以上の病気がこれにあてはまります。近年、STD患者(とくにクラミジアや淋病など)は若い世代を中心に増加傾向にあります。STDを放置すると不妊症や先天性奇形などの原因となるだけでなく、炎症で粘膜が傷つきやすくなるなどの理由でHIVウイルスにも感染しやすくなります。しかし、たいていのSTDは治療で治すことができます。早期に正しく治療をすれば、後遺症が残る危険性はほとんどありません。疑わしい人はすぐに医療機関(男性は泌尿器科・女性は婦人科)か保健福祉事務所へ相談しましょう。
主なSTDについて解説します
梅毒
- 概要・感染経路
性交時に出来た皮膚や粘膜の小さなキズから病原体(梅毒トレポネーマ)が侵入して感染をおこします。胎内感染すると、流産や早産を起こしやすくなり、生まれた場合もいろいろな全身症状を示します。
- 症状
感染後、数日から三週間後に陰部・口唇・舌・乳房・手指などに小さく硬い痛みのないしこりができ、それがしばらく経つと潰瘍になります(第1期)。
淋病
- 概要・感染経路
病原体(淋菌)が、尿道・性器・眼などの粘膜に付着しておこる病気です。性行為の他、手指やタオル等を介して、また浴場の床に座って感染する場合もあります。
- 症状
(男性)感染後1週間以内に発病します。尿道から黄色い膿が出たり、排尿時に強い痛みがあります。治療せずに放置すると、尿道や精管を狭め、ひどい場合は男性不妊の原因となります。
(女性)尿道炎の場合は感染後数日で尿道口から膿が出たり、排尿時の痛みで気付きますが、子宮頸管炎の場合は症状を自覚しないことがあります。卵管感染等を起こし、不妊の原因となります。
クラミジア
- 概要・感染経路
感染症この病原体(クラミジア・トラコマチス)は、従来トラコーマ結膜炎の病原体として知られていましたが、最近では非淋菌性尿道炎(男性)、子宮頸管炎(女性)の原因病原体として注目されています。産道で赤ちゃんに感染すると、結膜炎や肺炎を起こします。
- 症状
(男性)自覚症状は、軽い尿道のかゆみや不快感程度。症状の全くみられない場合もあります。
(女性)頸管炎の症状はおりものの増加、不正出血、下腹痛など。症状を欠いてほとんど気付かない場合もあります。頸管炎は、不妊症や異常分娩の原因となります。
関連リンク
長野県感染症情報