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更新日:2019年1月7日
長野県知事 阿部守一
私の方から3点お話をしたいと思います。
まず1点目、先程、部局長会議を開催致しました。第3次長野県男女共同参画計画の決定ということで、部局長会議に参加されていた、傍聴されていた方もいらっしゃると思いますが、23年から27年度の計画という形で、活力ある男女共同参画社会の実現ということでいくつかの重点プロジェクトを定めて、達成目標も取り決めたということです。女性の活躍の支援、ワーク・ライフ・バランスの推進、県民との協働による男女共同参画意識の醸成ということで、これは県だけで達成できる話ではないので、ぜひ県民のいろいろな方々にも折に触れてお話をするなり、お願いをするなりして県全体で取り組んでいきたいと思っています。それから報告事項として何点かありましたけれども、公共事業の評価結果でありますとか、あるいは河川整備の関係で黒沢川、駒沢川の治水・利水の対応方針についての報告とそれから浅川ダムの議論、さまざまな議論がありましたけれども、いずれにしても浅川の治水を考える上では内水対策が重要だということは、多くの皆様方の共通の認識でありますので、県としても内水対策にしっかりと取り組んでいくということで、これから住民説明会をスタートさせていくわけでありますけれども、建設部の方から、内水対策についての考え方についての報告がありました。これについてはこの後、建設部の方から具体的なご説明を皆さんにしたいと思っています。
それから大きな2点目でございますけれども、自然エネルギー協議会への参加ということで、一昨日、東京で19道県とそれからソフトバンクが参加して自然エネルギー協議会を設立していこうという発表を行わせていただきました。長野県、太陽エネルギーについてもあるいは小水力エネルギーあるいはバイオマスエネルギー、さまざまな自然エネルギーの可能性に富んだ地域だと考えておりますので、こうした地域のエネルギーを十分に生かすことによって、もちろんエネルギー問題に対する対応策という側面もありますし、私はそれと同時に身近な資源、地域にある資源というものを活用することによって、より安全、安心な社会、今の中央集権的なエネルギーシステムというのはどうしても長野県以外の要因でいろいろなことが決まってしまうと、そうしたもの、それから原発の問題も含めてどうしても非常にいろいろな部分がブラックボックスであったり、住民から遠いところの話にならざるを得ないわけですけれども、やはり身近なところにある身近な資源をエネルギーとして活用することによって、私は社会のあり方も極めて巨大なシステムを前提とした中央集権型の社会システムからより自立、分散型のエネルギーシステム、社会システムに変えていくと。そのための一つの要素としてこの自然エネルギーの活用ということも重要なこれからの長野県を考えるにあたってのテーマだと思っておりますので、発表のときにも申し上げましたけれども、自然エネルギーの普及、拡大というのが日本においてなかなか進んでこなかった、ヨーロッパ、例えばドイツとか、あるいは昨日中国大使館の参事官にお越しいただきましたけれども、中国も急速に自然エネルギーの普及に努めていらっしゃるわけですけれども、なかなか日本で進んでいかなかった要因っていうのは、一つは政治的なコミットメントとか、政策的に原発がまず最優先という形になっていたという部分と、もう一つは制度、仕組みが自然エネルギーを促進していこうという方向になかなか変わっていっていないという要因があったと思いますけれども、多くの都道府県知事が同じ方向を向いて取り組むということで、この自然エネルギーの普及、拡大にもぜひ弾みをつけていきたいと、強力な取り組みを行っていきたいと思っています。実際の設立は7月の上旬頃を目途に実際の設立が行われるという形になろうかと思います。それと合わせて長野県では官民一体となって自然エネルギーを進めていこうということで、まだ正式な名称は決まっていませんけれども、官民あるいは地域のNPOの皆さんにもお入りいただくようなプラットホームを作ろうということで何度も準備会を重ねてきていますので、そうした他の都道府県との連携それから県内のいろいろな企業の皆さんとかNPOの皆さんとかそうした方々との連携でこの自然エネルギーの普及、拡大に努めていきたいと思っています。
それから3点目ですが、6月1日FDA就航一周年記念セレモニーを松本空港で行わせていただきます。それに引き続いて福岡での私も伺って、トップセールスそれから名古屋でもトップセールスを行っていきたいと思います。まず6月1日、FDA就航1周年記念セレモニーということで6月1日の3時半から松本空港のターミナルビルの中で、1周年を記念してのセレモニーを行いたいと思っています。FDAの皆さんの協力の中で、松本空港、今現時点で福岡便、札幌便が飛んでいるわけですけれども、ぜひ、県民の皆様方には、積極的にご利用いただきたいと思いますし、長野県、信州の空の玄関として、積極的に他の地域の皆様方からもご利用いただけるようにPRに努めていきたいと思っています。そういう観点で福岡に伺って、福岡市長、福岡県知事の所にも直接お伺いしたいと思いますし、併せて新聞社あるいはラジオへの出演ということで、福岡の皆さんに信州まつもと空港の認知度向上それから長野県のPRを行ってきたいと思っております。併せて、福岡市の中央卸売市場にお伺いして、信州、長野県の県産品のPRも行ってきたいと思っております。また、引き続いて名古屋市で観光物産展を行います。6月3日オープニングセレモニー、私も名古屋にお伺いして、観光宣伝、物産のPRを行ってきたいと思っております。私からは以上でございます。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
先程出た自然エネルギーの関係で、エネルギーの協議会と別にソフトバンク側がですね、建設費を工面してのメガソーラー計画の話も一方であったと思うのですが、先程出た県内では、NPO等を含めた準備会で自然エネルギーを核にしたサイクルというのを検討していくことになると思うのですが、現時点で、ソフトバンクが申し出ているメガソーラー計画というのは、県にとっては選択肢の一つという位置付けなのか、それともそれに乗っかった検討をしていきたいと考えているのか確認したかったのですが。
長野県知事 阿部守一
メガソーラーの設置を進めていきたいという考え方は、孫社長の方で思っていられるということですけれども、長野県として自然エネルギーを普及拡大していく上で、いろいろな選択肢があると思っています。メガソーラーの設置をするということだけについてみても、一カ所で巨大なものをつくるのか、もう少し何カ所かに分散させるのかとか、そういう事業をやるときにどういう事業スキームでやるかとか、詰めていかなければいけない点は、いろいろあると思っていますので、私としては、候補地、適地があれば検討していきたいと考えていますけれど、自然エネルギーの普及拡大というのは、もとよりメガソーラーの話だけではなくて、水力の問題とかバイオマスの問題とか、いろいろなエネルギー源をどう活用していくかということで広くとらえたいと思っていますので、メガソーラーの設置について、長野県としても検討は進めていきたいと思っておりますけれども、それだけが唯一の選択肢ではないだろうなと思っています。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
分かりました。そうは言っても大規模な工事が必要になると思うので、今のところ知事の中で、例えば年度内とか、数年内に、そういった、もしできるならやりたいと、そういう目標っていうのはあるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
自然エネルギーの普及拡大は、ある意味で待ったなしで進めていかなければいけない課題だと思いますので、そういう意味では、できうる限り迅速にいろいろなことを進めていく必要があると思います。仮にメガソーラーの設置ということになれば、地元の市町村の協力も必要になってくるので、市町村とも十分話をする中で進めていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
先程の部局長会議でも用地の問題をあげられていましたけれども、一方で、大規模な施設ができた場合に固定資産税とか、市町村とどうしていくか税政的な問題も出てくると思うのですが、民間とか入ってきた場合に、そういったものの減免を求める動きもあるかもしれないですけれども、この辺について知事が考えを持っていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
自然エネルギーの普及拡大は、制度的な部分の課題がいくつかあると思っています。電力会社との関係でいえば、ちょうど3月11日の東日本大震災の発災の時に、法案が閣議決定された再生可能エネルギーの全量買い取り、どういう価格設定にしていくかということは、経済産業大臣の決める話になっていますけれども、これから法案が審議されて、実際に全量買い取り制度がスタートしていくことになるであろうと思っています。それは、強く期待しておりますけれども。その際に買い取り機関であるとか、買い取り価格であるとか、そうした議論がこれから行われることになっているわけですから、そうしたものが、より自然エネルギーの普及拡大に強いインセンティブが与えられるようなものになれば、私としては大変ありがたいと思っていますし、そうした全体的な動きとの兼ね合いで、例えば自治体として、どこまでインセンティブを付与するのかということも並行して考えていかなければいけない課題だろうと思っています。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
あと1点。話変わりまして、今日、黒沢川と駒沢川の治水利水の対応方針が部長会議で出されていましたが、さかのぼって、2002年1年の田中さんの脱ダム宣言以降ですね、九つくらいでしたかね、ダム、それぞれ流域協等を作って検討されて、現状、角間を除いて、浅川ダムは造ることになりましたけれども、その他は、軒並みダム計画っていうのはなくなっているという現状になっています。それで田中県政の評価は、過去にも何度か聞いたのですが、こと脱ダム宣言に対する知事の評価をお伺いしたいのと、それから今後の河川整備のあり方について、知事なりのビジョンというか考え方というのをお聞かせいただきたい。
長野県知事 阿部守一
浅川ダムの建設の議論で会見をさせていただいた時も申し上げたように、私は、できるだけダムによらない治水を追求する必要があるし、私自身そういうスタンスで取り組んでいきたいと思っています。そういう観点で脱ダム宣言は、宣言と個別のダムの判断をどうするかということが、非常にないまぜになって議論されてしまったところがあるので、そういう意味では、考え方と個別の判断というのが、同じレベルで論じられてしまった感が、私はあるのではないかと思いますけれども、基本的には、脱ダム宣言は、できうる限りコンクリートのダムによるべきではないという書き方になっていたと思いますけれども、私としては、基本的には考え方としては、同じ方向性だろうと思っています。ただ、個別の問題を議論するときには、これまでの経過であるとか、ダムによる必要性とか有効性の判断とか、いろいろな個別具体的な判断をしていかなければいけない部分があると思いますので、宣言で直ちに一刀両断に個別の問題を論じるということは、なかなかなじまないと思っております。
長野朝日放送(abn) 藤沢徳男 氏
先程の部長会議であった浅川の関係なのですけれども、細かい話はあとで建設部のお話があるということですけれども、今後、周辺住民、下流域の住民の生命、財産を守るという意味では非常に重要な内水対策の柱かなと思うのですけれども、これについて知事はどのように考えて今後どのように下流域の生命、住民の命を守っていこうという姿勢なのかということをお願いできますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
浅川の問題は、ダムを造る、造らないというところにばかり焦点が当たりすぎてきた感があると思っていまして、外水対策としてのダムをどうするかということだけではなくて、やはり内水はんらんをどうくい止めて対応していくかということが実は浅川にとっては非常に重要な観点であるわけですから、今回私どもとして住民の皆様方にわれわれの考え方をご説明するわけでありますので、ぜひ、住民の皆様方に理解、協力を得られるような形で進めて、総体としての浅川の治水の安全性が高まるように引き続き取り組んでいきたいと思っています。
長野朝日放送(abn) 藤沢徳男 氏
いろいろ話があっちゃこっちゃしちゃって恐縮なのですけれども、節電の関係の今度、作戦ということで県内一斉の取り組みがあると思うのですけれども、何か具体的なメニュー化というのは今のところどうなっているのかという点をお聞きしたいのですけれども。
長野県知事 阿部守一
先程の部局長会議でも私の方からも環境部長の方にお願いしましたけれども、これは県民全体で取り組んでいただかなければいけない話ですから、まず何をやっていただくのか、そしてどうやって伝えていくかということについては十分工夫をしたいと思っています。取り組んでいただく例としては、エアコンの設定温度の問題であるとかあるいは照明は不要なものについては消してもらうとか、いろいろ細かいことも含めて具体的に分かりやすくこれからお伝えしていくようにしたいと思っています。
日本経済新聞 川名如廣 氏
自然エネルギーの普及、推進についてです。県内の企業の産業振興にどのようなふうに同時に進めていけるか知事のお考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
長野県は、ものづくり産業、製造業が基幹産業として成り立ってきた地域です。私としては、いろいろな観点で自然エネルギーの普及拡大を県として旗印に掲げていくということがプラスに働くだろうと、あるいはプラスに働かせなければいけないと思っています。例えば、昨日もある企業の方とも話しましたけれども、太陽光の関係の企業の方だったですけれども、県がそういう方向で進んでいくのであれば企業としても協力できたり、あるいは提案できることもあるというお話もありますので、これは先程言ったプラットホームを今、設立準備中ですけれども、その中に企業の関係者にもぜひご参画いただきたいと思っています。そういう中で、われわれ行政として取り組むべきことと、あわせて企業の皆さんに協力してもらいたいこと、逆に企業の皆さんが考えていることで行政が何らかのアクションを起こせば拡大するようなことがあれば、一緒になって取り組めるようにしていきたいと。そういうことを通じて県内経済の活性化、あるいは企業の活動の活性化、そうしたことに結び付けていきたいと思っています。
それから、それと合わせて長野県は、本来環境に優れた県だというのは、日本の方であれば同じようなイメージを持っていただいている地域ですから、そういう地域がさらに率先して地産地消型、自分のところの身近なエネルギー、自然エネルギーを活用していく県であるということを訴えて、あるいは省エネルギー、小電力もそうですけれどもそうした環境にやさしい取り組みを進めていくということを発信することによって総体として長野県全体の価値を高めて観光を含めた誘客というかお客さんにお越しいただくことにもつなげていきたいと思いますし、そうしたことは十分可能ではないかなと思っています。
中日新聞 小松田健一 氏
自然エネルギーの件で1点だけお尋ねしますが、全量買取制度を前提とすると、恐らく電力会社はその部分を電気代に上乗せしてくるはずで、結果的に一般利用者のコストを増やすだけに終わってしまいかねないことになるのですが、その辺のリスクは、知事は認識されていますか。
長野県知事 阿部守一
もちろん、普及拡大にするコストを誰かが負担しなければいけないという部分が当然あるわけで、私は今までの太陽光パネルの普及のやり方みたいなものは、実は補助金でインセンティブを与えてきていましたよね。補助金でインセンティブを与えているというのは、われわれの税金が使われているわけでありまして、私は実はそういう形で普及させるよりは、むしろ使った電力に応じてとか、負担するような形で広く負担をしていただくことの方が社会全体としてはより望ましい形になるのではないかと思っています。自然エネルギー、例えば太陽光の普及拡大が進まない一つの要因というのは、やはりコストが高いということがよく言われますけれども、それはより普及が進めば、今の時点で太陽光でも毎年毎年単価自体が下がってきているということもありますけれども、さらに普及拡大が進めば当然コストも下がってくると。確かに当面電力価格の上昇が行われる可能性というのは当然否定できない部分があると思いますけれども、そこは今回の法律の中で、これは国会の中でしっかりと議論をされていく話だと思いますが、私は一定程度の負担増をあえて行っても、実は前倒しで自然エネルギーを普及していく方が石油、石炭に依存する極めて不安定というか、例えば石油、石炭の価格というのはわれわれがコントロールできない世界ですから、中長期的には資源が少なくなれば価格は上昇していくであろうと見込まれますし、さらには原子力発電も今回のような事故が起きれば、仮に原子力発電をこれから維持していくとしても周辺対策のコスト等を含めれば、あるいは今回の賠償のスキーム、どういう形で最終的になるのか分かりませんけれども、これまで言われていた以上のコストがかかる、あるいは最終的な核燃料の処理をどうしていくのかと、あるいは廃炉にしていく部分のコストをどうするかというところまでの負担を考えれば、かなり原子力についても、あるいは将来的には石油、石炭についてもコストがどんどん下がっていくという方向のベクトルでは少なくともないだろうなと。その一方で自然エネルギーというのは、これからその方向で進めば技術革新も進められる余地はあるわけですし、また普及拡大することによってコストが下がっていく。中長期的にはコストが下がっていくという方向になるわけですので、そういう意味で比較考量したときに何と言うか、極めて短期的な視点でのコストの増あるいは負担の増に対して抵抗感を持つことよりも、むしろ中長期的な将来像を考えてその方向で一定の負担増は受け入れて進めていく方が私は望ましいと思います。ただこれ、エネルギー政策全体にかかわる話でありますから、もちろん国民的な議論を行った上で政府として決定がなされる話だと思いますけれども、私の意見はどうかと聞かれれば、今言ったように短期的なことよりは、むしろ中長期的にこの国のエネルギーをどうしていくかという観点で進んでいく方が望ましいと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
今の自然エネルギーの関連で、確認になるかも分かりませんが、今、いろいろ県の自然エネルギー推進の枠組みですとかいろいろ大きく動いているかと思うのですが、国の方でも自然エネルギーの比率を高めていくとかっていう首相の話もありますけれども、県内についてはエネルギー需給率と言いますか、その辺を近くこのぐらいまでっていうようなそういう目標を掲げるおつもりはあるでしょうか。
長野県知事 阿部守一
官民一体のプラットホームをつくっていこうということでも取り組んでいますので、私としては、できるだけ共有できる目標があった方がいろいろな取り組みを進めていきやすいなと思っています。今の時点で直ちに何パーセントという形の目標設定はしていませんけれども私としてはできる限り具体的な目標を作るように取り組んでいきたいなと思います。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
基本的にはプラットホームが設置された中で遠からずという理解でよろしいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
どこでどう議論するのがいいかなというところがありますけれども、長野県はちょうど総合計画を作ろうと考えて総合計画審議会で議論をスタートしていただいている時期でもありますので、私としては環境というのは一つの長野県の目指すべき取り組みの大きな柱だと思っていますので、そうした総合計画審議会で中期計画をどうするかということとの兼ね合いの中で考えていきたいと思います。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
続いてすみません。リニアの関連でいくつかお尋ねしたいのですが、昨日も先ほど知事が触れられたように検討の場が早期の設置に政務官の方も意欲を示していらっしゃるようですがこの中で県が想定される参加の枠組みというのは交通事業者であったり地域であったり国であったり、いろいろなところの参加を求めてよりその実現性を高めていくというか、そういうことを想定していらっしゃるかと思うのですが、そういった想定の中で今現時点で知事としてはいろいろな県内の中南信の総合交通体系とかいうことも向上させていくために、その場で実現性を高めるには県として、あるいは地域として、あるいは事業者として、どんなことが実現の鍵になっていくというふうにお考えか伺いたいのですが。一つは中央東線の高速化ということを例に挙げれば、今これまでやってらっしゃる活動の中では都内の抜本的う回路が必要だとか、いろいろな大きな実現に向けてはハードルも高いかと思うのですけれども、そういうことをどれくらいのスパンでどういうふうに実現していくかという実現の方策といいますか、そういうことには各者どんなことが必要か、どんな努力が必要なのかなという、ちょっと抽象的なのですけれども。
長野県知事 阿部守一
各者の努力はちょっと私は正直、なかなか各者にどういう努力が必要かよくわからないですけれども、まずは国が中心になって、スキームというか場を設置してもらうということが非常に重要だと思っています。というのは交通体系の話も長野県単独のエリアよりもうちょっと幅広いエリアで考えてもらわなければいけない点というのもありますし、分権のときにもいろいろ申し上げておりますけれども、やはりさまざまな交通関係の許認可権というのは良くも悪くも国が持っているということもあるわけですから、どうしても自治体レベルではなくてやはり国がしっかりとそうした場をつくって取り組んでもらうということが私は重要だと思っています。今回そういう方向で進めてもらえるということで大変ありがたいと思っていますが、それと合わせて県としては地域の考え、これはそれぞれの地域がこれからどう取り組んでいくか、これから何が必要か、その交通体系の観点から十分お伺いしなければいけないと思いますけれども、そうしたものを取りまとめて検討の俎上(そじょう)に乗せていくということが必要ですし重要だと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
あとすみませんもう1点、整備計画決定が出ましたので、現時点で飯田駅の現駅併設の地元の主張について時系列でちょっと進みましたので知事のお考えがありましたらどういうお考えなのか伺いたいのですが。
長野県知事 阿部守一
それはまだ今の時点ではJR東海の考え方も分かりませんので、今の時点で私がお話しすることはありません。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
ありがとうございます。
読売新聞 香取直武 氏
今のリニアの関係なのですが、検討の場についてなんですけれども、これから2027年とか2045年とか極めて長いスパンで物事が動いていくと思うんですが、その中で検討の場というのはどのくらいのスケジュールで何がしかの結論を出すのが望ましいのか、例えば1年なのか、それとも本当に営業が始まるまで検討の場というのは残してほしいと思ってらっしゃるのか、その辺はいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それはものによりけりだと思います。リニアの開業に合わせて行うべきことは、それは長期的に考える話になるかもしれませんし、それとあわせて直ちに利便性を向上していくことが必要ですし可能であるものについては別に前倒しで実行していただくということも必要なものもあるかもしれないので、今の時点でいつまでにどうこうということが一律に決まっている話ではないなと思っています。
読売新聞 香取直武 氏
分かりました。あといろいろあって直線ルートと今回決まったわけですけれども、改めて直線ルートのルートそのものについてどう評価されているかというのを一度伺いたいのですけれども。
長野県知事 阿部守一
長野県としてはBルートでこれまで長い間取り組んできたという経過もありますので、私としてもそうしたこれまでの取り組みとか地域の思いというのはやはり頭に置いてこれからもいろいろな取り組みはしていかなければいけないだろうと思っています。今回、小委員会あるいは審議会でいろいろな角度から議論された上で今回のルートが答申されて、政府もそれに基づいた整備計画を作られたわけですから、私としてはそうしたものを尊重していきたいと思っています。これからより具体的な建設のプロセスに入っていくわけですのでそれにあたってはより地域の声を反映したものになるように引き続き要請はしていかなければいけないなと思っています。
読売新聞 香取直武 氏
直線ルートというのはよかったと思いますか、悪かったでしょうか。
長野県知事 阿部守一
良かった悪かったという単純な話ではないだろうなと思いますけれども。それはいろいろな形でメリット、デメリットはあるわけで、今回の審議会でも両方のルートを比較考量された上での結論ということですから、私が個人的に良かった悪かったというふうに単純に割り切れる話ではないだろうなと思います。
読売新聞 香取直武 氏
分かりました。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
先程の自然エネルギー協議会とそれからメガソーラーの話についてですけれども先程の部局長会議では知事の方からもそうした発表後、何人かの首長さんから一緒に協力してやっていきたいという声が届いているというお話でしたけれども今の時点では具体的にどんな声が届いていらっしゃるのか。例えば用地の話であるとか、それとも理念に賛同するという話なのか、どのような声が届いているのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それはちょっと個別の話なので、あまり具体的な話は今の段階では申し上げにくいですけれども、例えばうちの地域はこういう電力需要があるので、そういうところに自然エネルギーを生かしていくことができないかとか、あるいはこういう用地で太陽光発電なりが可能性があるのではないかとか、いろいろな形の話は伺ってはきています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
具体的な事業に向けてはメガソーラーの話が既に一つ選択肢として上がっているので伺うのですけれども、知事の方からは適地、候補地があればということでしたけれども、これからいろいろな情報を集めていく上だったり、市町村からも声を届けてもらうためにはこんな場所が県としてはいいと考えているのだけれどもというような、一定の基準を投げかけることで情報が集まりやすくなるということもあるかと思いますが、例えば広さでこれくらいの所が欲しいとか、何か、県として今の時点で最低限考えている基準みたいなものがあれば示していただきたいのですが。
長野県知事 阿部守一
これは市町村には、今も話しているとういうことでよろしいでしょうか。市町村にはわれわれの取り組みの方向性についてはお伝えしてきていますので、もしあれでしたら、温暖化対策課長から今の状況を・・・。
環境部温暖化対策課長 中島恵理
市町村に対しては個別に問い合わせのあったところもありますけれども、これから市町村に対して少し調査という形で適地の可能性があるのかというところは声をかけていきたいと思っておりますし、個別に問い合わせがあったところはお話を伺っていきたいと考えております。
長野県知事 阿部守一
よろしいでしょか。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
今の点で、課長に伺えばよいのかもしれませんけれども、調査という形で声をかけていきたいというのは、例えば77市町村に一定の県としてはこういう考えですと、市町村に適地があれば上げてくださいというような全市町村調査というような形を想定されているのでしょうか。
環境部温暖化対策課長 中島恵理
基本は全市町村に対して調査を行うことを考えております。先程の条件ということですが、メガソーラーというのは1つの事業の案ではありますので、規模としては1メガあたり大体2.5ヘクタールくらい必要と聞いておりますので、その程度、あるいはそれ以上の場所があるのか等含めて調査をしていきたいと考えております。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
とすると、今回の調査はメガソーラーの適地が中心で、小水力発電については可能性調査を既に県でされていると思うので、今回はメガソーラーの適地についての全市町村調査というように考えればよいでしょうか。
環境部温暖化対策課長 中島恵理
基本はメガソーラーを想定しておりますが、長野県は太陽光だけではなくて水力、バイオマス等も豊富にありますので、それ以外の適地もあれば合わせてというように考えておりますが、中心はメガソーラーかと考えております。
毎日新聞 仲村隆 氏
今のお話の関連になるのですけれども、先ほどおっしゃってた自然エネルギーの関連の話で、補助金のお話がちょっとされてましたけれども、インセンティブを課すことで普及を目指すよりもというようなお答えをされてましたけれども、例えば市町村によっては、一般家庭の太陽光パネルの設置について、かなりの独自の補助金を課すことで普及をかなり進めてらっしゃるような自治体さんもかなり出てきてますけれども、それについてはいかがお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
補助金で普及することを私は否定するつもりはないですが、本来はその、制度として、個別の自治体が頑張ってやるというよりは、むしろエネルギー政策はどうあるべきかという議論の中で、制度としてインセンティブ、自然エネルギーが普及しやすいような仕組みにしておけば、個々の自治体が、個別に、お金のあるところはいっぱいできるし、そうじゃないところは、なかなかできないというような仕組みを作らなくても済むし、むしろこれは、個々の自治体がどれだけ頑張るかという次元の話ではなくて、日本全体がエネルギーをどうしていくかという次元で論ずるのが、私は本来あるべき姿だと思いますので、個々の自治体の取組を否定するわけではないですし、今まで制度の普及に弾みがつかないという中で、そういう補助金制度を、私も横浜にいたときにいろいろなことをやりましたけども、そういう取り組みをしていくこと自体は進めていかなければいけないと思う反面、とはいえもっと本質的なところは変わらないと、なかなか爆発的な普及にならないなと思っているので、そういう意味での全量買い取り制度の仕組みが、今回閣議決定されているということは、非常に重要だと思いますので、そうした機を捉えて、しっかり政府に対しても要望していくと。制度的な取り組みを求めていくということが重要だと思っています。
毎日新聞 仲村隆 氏
一般家庭の太陽光パネルの設置というのは、一般的に申し上げて、メガソーラーに比べて、ニッチですとか、先程おっしゃっていたように、大規模なシステムが必要ない、用地的にも比較的問題なく、トータルとしてかなりの発電量が見込めるという部分があると思うのですけど、そういった意味合いで、一般家庭に普及させていくという意味合いでは、やはり設置のために、一般家庭が一時的に多額の費用が必要とする中で、補助金というのはかなり有効な手段だと思うのですけども。
長野県知事 阿部守一
ですから、補助金を否定しているわけでは全然ないわけありますが、例えば飯田の「おひさまシンポ」とかは、市民出資で太陽光の普及を進めたりしていますけれども、単に補助金を出さなければ広まらないということではなくて、お金の回し方をどうするとか、あるいは電力の料金の在り方として、例えばグリーン電力を選択的に購入できるとか、私は多少お金を高く払っても、自然エネルギーで作られた電気を買いたいのだというようなことができれば、それはそれで負担をしたい人が負担をしつつ、自然エネルギーが普及するということにもなるわけで、そういう意味では私は補助金自体を全て否定するわけではないですけども、あまりにも日本の仕組みというか、太陽光とか自然エネルギーに限らないですけども、補助金を出す、出さないということだけで、世の中のインセンティブを付与されてきているわけですけども、もっと踏み込んだ形の、市民出資を取り入れ、私は市民出資みたいな形ができれば、地域にお金が還元する仕組みになると思いますので、市民出資が進められないかとか、あるいは先程言ったように、購入する電力の選択的なシステムができないかとか、より制度的なものに踏み込んだ検討をしないと、単に補助金があればいいという話ではないだろう。もっと広い観点でいろいろな検討をする余地があるのではないかというように思います。
信越放送(SBC) 花岡晃子 氏
リニアの話に戻るのですが、昨日政務官の会見で検討の場の設置についても言及ありましたけれども、以前に知事がそういった場がつくられた場合に丸腰で行くわけにもいかないということをおっしゃったかと思います。これは県として検討の場に臨むときにどういった提案をする必要があると考えているのかという点をお聞きしたいのですけれども。例えば駅であるとか、周辺の整備であるとか、既存の交通とのアクセスであるとか、そういったところまでのある程度の青写真というか、長野県としての提案というものを作って、検討の場なり、JR東海に示すという必要性についてはあると考えていられるのか、その辺りを教えていただきたい。
長野県知事 阿部守一
今言われたように、何も考え方がなく臨んでも仕方がないと思いますので、当然長野県としてはこういうことを行うべきだということは考えて望まなければいけないと思っています。それは地域のお考えもいろいろあるので、そうしたものを踏まえてどう進めていくかということはこれから考えていきたいと思っています。
信越放送(SBC) 花岡晃子 氏
現時点でこの程度までは長野県の案を作りたいというような気持ちというのはございませんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先程も話にあったように中央東線の高速化であるとか飯田線をどう活用していくことができるのかとか、幾つか観点はあるだろうと思います。これは私の意見をどうするかということではなく、むしろ中南信地域の皆さんが何を期待してどういう方向にもっていきたいかということを十分踏まえた上で考えなければいけないと思いますので、私が思いつきのようにここで申し上げる話ではないだろうなと思います。
信越放送(SBC) 花岡晃子 氏
そういった地域の意見なり要望を聞いたうえで、必要があればそういったものをまとめて提案するっていうような流れになっていくということなのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まとめてというか地域の声をまずは前提にして、考えをまとめていくという形になると思います。
朝日新聞 浅野有美 氏
今のリニアのことに関してなんですけれども、JR東海さんの計画によれば、環境アセスは年内だと、始めたいとなると、ある程度もう場所が決まってくると思うのですよね。そうなってくると地域の声を聞くというのにも、もう本当に今すぐでも始めないと時間が足りないとは思うのですけれど、そのあたりはもう具体的に何か考えていらっしゃるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
私はスケジュールありきでは困るということは申し上げているわけですが、そうした前提の中で地域の声というのもJR東海には十分聞いてもらうということが必要だというふうに思っています。具体的な話、もし交通政策課長の方であれば。
企画部交通政策課長 小林透
今の地域の声をということにつきましては、今、知事から申し上げましたように、JR東海の山田社長とのお話の中でも出たところでお話したところでございますので、昨日夜、整備計画の決定が出たというのを踏まえて、これから地域に対して、JR東海に直接お話をするのかとか、したいかどうかとか、いうところも含めて、今後お考えをお伺いをしていきたいと、いうふうに考えているところであります。以上です。
朝日新聞 浅野有美 氏
もう1つよろしいですか。自然エネルギー協議会のことでなんですけれども、ちょっと確認になるのかもしれないのですが、今、県の方でつくられている省エネ・自然エネルギー推進本部の方なのですけれども、これとプラットホームの関係というのはどういう形になるのでしょうか。本部の下に置くとか、そういう形になるのか、まったくもう別物として動いていくことになるのか。
長野県知事 阿部守一
全く別物というのもちょっと変ですけれども、本部は県庁の中の組織ですし、プラットホームは、これはなんというか行政がやるということでなくて民間の皆さんが主導で、進めていかれる形になるので、県とそこのプラットホームは連携して取り組んでいくという形のイメージです。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
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