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更新日:2019年1月15日
長野県知事 阿部守一
それでは7月8日の会見を始めさせていただきます。私の方からは3点お話をしたいと思います。
まず1点目は本日先ほど6月定例県議会閉会ということであります。6月23日からの会期だったわけでありますけれども、補正予算案あるいは各条例案等議案のご議決をいただきました。また人事の選任案についてもご同意いただいたわけでありますので、さまざまご意見いただきましたが、成立した予算のできるだけすみやかかつ適正な執行に努めていきたいと思っています。特に震災の復旧支援の関係の予算が大きなウェイトを占めているわけでありますので、栄村を中心とする被災地・被災者支援をしっかりと行っていきたいと思っています。またいわゆる経済対策、融資制度の枠の拡大等もありますが、併せて観光キャンペーンの予算も盛り込んでおりますので、先般も上高地にお伺い致しましたけれども、上高地で土砂災害あるいは松本で地震ということで観光でお越しになる方にやや大丈夫かなという思いを持たれている方もいらっしゃると思いますので、早急に上高地の道路については片側ではありますけれども十分な交通に耐え得る復旧をしているところでありますし、松本市も全体としては大勢のお客様に十分お越しいただける環境だと思っていますので、そうした点についてもしっかりとPRしながら「涼しい夏旅さわやか信州」というキャッチフレーズのもと、夏の観光キャンペーンに取り組んでいきたいと思っています。
それから2点目でございますけれども、電気自動車のカーシェアリングを7月9日から開始をしたいと思っております。環境にやさしい観点、CO2を排出しないという観点からも電気自動車、電力需要のひっ迫ということはありますけれども、私は中長期では地球温暖化への対応ということも併せて進めていかなければいけないと思いますので、電気自動車の普及推進をするという観点でレンタカー事業者の皆様方にご協力いただいてカーシェアリングを行っていくと。電気自動車2台を、平日それからイベント等には県が活用すると。お休みの日には県民の皆様方や観光客の皆様方にレンタカーとしてシェアをするということで、日産自動車のリーフと三菱自動車のi-MiEV(アイ・ミーブ)の2台をカーシェアリングしたいと考えております。平日は県としてさまざまな普及啓発活動にも使わせていただきます。小中学校あるいはこどもエコクラブにおける環境学習のサポート、さらには市町村のイベントにおける試乗会の開催といったようなことも行ってまいります。その一方で休日は観光客あるいは県民の皆さんにご利用いただくという形で、県とカーシェアリングすることで、レンタル料金を通常の価格よりも安い価格で乗っていただける機会を提供したいということであります。7月9日から来年の3月31日まで実施をする予定でございますので、ぜひ多くの皆様方に体験をしていただければありがたいなと思っております。
それから3点目でありますけれども、皆様方のところに資料をお配りできていないかと思いますけれども、昨日第2回のピークカットチャレンジを行いました。その速報値ということで申し上げたいと思います。前年相当日、前年の相当している週のほぼ気温が同じ日との比較ということでありますけれども、22年の7月6日と比べた削減率ということで申し上げたいと思います。昼間のピーク時間帯、午後1時から4時までの平均でマイナスの9.8パーセント、それから夜間これは8時から10時まででありますけれども、こちらが削減率が7.2パーセントということで前回よりも大きな削減率という数値のデータになっています。前年の相当日の気温にもやや影響されるところはあると思っておりますが、昨年7月6日の昼間の3時間平均の気温が28.3度、昨日7月7日の1時から4時までの3時間平均が28.0度ということですから、これは長野市の気温でありますけれどもほぼ同じ気温という状況であります。あわせまして県庁においてもデータを出しておりますけれども、1時から4時までの3時間平均の削減率がマイナスの21.3パーセント、それから、職場の場合は夜間は残業している人たちということになるのであまりデータとして重要性はやや弱いかと思いますけれども、8時から10時の2時間平均でマイナスの7パーセントという状況になっています。引き続き夏場に向けての県民の皆様方のご協力、ご理解をいただきたいと思いますし、ピークカットチャレンジは7月26日に第3回目を行いますので、ぜひご協力をいただければと思っております。私の方からは以上です。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
先ほどの6月定例会で補正予算案が可決しまして、今回の定例会では経済対策についてさらに踏み込んだ対応ということで、かなり県内経済に対する危機感というのが先生方から示されたのだと思います。それで補正が通ったところですけれども9月県会に向けていわゆる経済対策を念頭に置いた9月補正の考え方について、財政規律等の問題等もあると思うのですけど知事のお考えをお伺いしたいのですが。
長野県知事 阿部守一
まだ今日6月補正予算のご議決をいただいたところなので、9月補正をうんぬんする状況ではないと思っています。ただご指摘のように県内震災の影響もありますし、先ほど申し上げました、例えば観光業の関係も外国からのお客様を中心にやはりかなり影響があるということは間違いないと思いますので、そうした県内経済の動向については引き続き注視をしていきたいと思っています。その上で、国もまだこれから補正予算の検討も震災復興中心になるのだろうとは思いますけれども、私ども栄村を中心に被災地でもありますから、そうした国の動きもにらみながら対応していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
分かりました。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
話変わって、先ほど連合長野の近藤会長が今期で勇退されるということを正式に表明されまして、知事においては、知事選等で推薦を受けるというような形でかかわった方で、県政においても各所で協力関係を提携されてきた部分あると思うのですが、近藤会長の勇退について知事の方からコメントがあればお伺いしたい。
長野県知事 阿部守一
連合の近藤会長には、私はさまざまな場面でお世話になったと思っております。県政においても審議会の委員等々としてですね、非常に前向きで積極的なご意見等もいただいてきているわけでありますので、私としては8年、非常に長い間いろいろな形で長野県政全般にもご貢献いただいたと思っておりますし、労働界全体のリーダーとして、非常に県政全般に対しての貢献をいただいたということで大変感謝をしているところであります。
日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
改めて6月定例会終えての今のお気持ちとですね、今回の補正予算、ほとんどが地震とですね震災に対する対策の費用、予算となっているわけなので、今後の災害に対する取り組み、どのようにお感じになっているのかをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
まず前段の方は、私の方から提案をさせていただいた議案については、すべて原案通り了承、ご議決いただいたところでありますので、そういう意味では大変ありがたいなと思っています。予算についてはできるだけ早期に、かつ十分効果が上がるように執行していきたいと思っています。それから災害対策ですけれども、今回の予算についてもちろんしっかり対応していかなければいけないと思っておりますが、原子力災害の話あるいは広域的な災害に対する応援体制のあり方も含めて、考えていくべき課題は多々ありますので、そうしたさまざまな論点について県庁全体で十分議論をして防災計画の見直し等につなげていきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
あとすみません、もう1点なのですけれども、先日の松本市の地震でサイトウ・キネン・フェスティバルの会場の一つの予定であった音楽文化ホールの方の工期が延びるということが明らかになってサイトウ・キネン・フェスティバルそのものへの影響も出ていると、住宅だけじゃなくて文化面でもですね、今回の地震影響が出ているということなのですけれども、これについて何かお考えというか対策等あったらお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
地震の影響はいろいろなところに出ていると思いますが、まずは県として行うべき対応について、もっぱら今回の松本の地震は松本市が中心となって対応いただいていますので、県としては応援をする側という形でありますけれども、先ほど来申し上げているように観光面等の影響は松本市と一緒になってしっかりとPRをしていかなければいけないと、松本市においての復旧作業において県として応援しなければいけないことがあれば、それはできることは何でも応援していくという形で対応していきたいと思っています。
日本経済新聞 川名如廣 氏
ピークカットチャレンジで目標を上回る結果が出ているということなのですが、これ実際に夏に電力需給ひっ迫してきて非常に危険な状態になってきたら中電と連携されまして県民への迅速な周知を図るということなのですが、具体的にここまで9パーセント減だとか効果出ているので、大規模停電を防ぐためにもぜひ節電をお願いしたいだとかですね、そういうような具体的にどうやって周知するのかというのは今お考えあったらお聞かせください。ひっ迫した時に県民の人に説明を・・・。
長野県知事 阿部守一
これは中部電力の方でも「でんき予報」を出していただいていますので、これはメディアの皆さんにも情報提供されているのだと思います。もちろん私どももそういう明日、あるいは本日ですね、極めて厳しい状況だということであれば、関係方面への改めてのお願いということもしていかなければいけないと思いますし、一番県民の皆様方に伝わりやすいのはメディアの皆さんを通じてだと思いますので、もし本当に大変だということが生じればその時は会見を行うなどして協力してほしいという呼びかけ等も行わなければいけないのではないかと思っています。
日本経済新聞 川名如廣 氏
そういう時には自らお願いの場を設け、われわれに対してかもしれませんけれども・・・。
長野県知事 阿部守一
本当にこのままでは計画停電どころかいつ停電してしまうか分からないというような状況、万が一そういう事態になれば県民生活にも経済活動にも多大な影響を及ぼす話になりますから、そういう時にはまたしっかりとお願いをさせていただきたいと思います。
毎日新聞 仲村隆 氏
今のピークカットチャレンジの関連の話でちょっと細かいお話を伺いたいのですが、今おっしゃっていた効果のパーセンテージの話なのですが、これ前年と比べた数字で出されているかと思うのですけれど、このピークカットチャレンジ自身の事業の効果としての数字として、これは把握されていないのでしょうか。つまり、前年の数字と比べるということは、一般の方々、今回の原発災害のような関連で一般の方も含めて事業者等が節電にかなり努力されているという実態があると思うのですよね。そうするとその実態から考えると去年と単純に比較しただけではこの事業の評価ということについては、パーセンテージとして数字が正確に評価できるものかというところがあると思うのですが。
長野県知事 阿部守一
そうですね。何というか単純な比較だけでは一律一概には評価できない部分は正直言ってあると思っています。そういう意味で前回の時も全体の数字と合わせていろいろな個別の取り組みとか県庁のデータとかお出しをさせていただいているかと思いますけれども、多角的な分析はもちろん必要だと思っています。ちなみにこれ前日対比、今年の7月6日と7日のデータだと削減率で5.4パーセントという形で対前年相当日でも減っていますし対前日でも減っているというのが昨日の状況です。これはいろいろな角度から分析をしなければいけないと思いますし、全体の数字だけではなくて、個々の取り組み事例というものもぜひ共有をしていく中でより一層取り組みを広げていただければと思っています。
毎日新聞 仲村隆 氏
逆に今回の発表の中で今おっしゃっていたような5.4パーセントですか、そういう実質的な部分よりもどちらかというと先ほどおっしゃっていたような9.8パーセントであるとか8時から10時の7.2パーセントという高い数字が出てしまうことで、この数字が独り歩きしている、つまりピークカットチャレンジ事業がこれだけ効果があったという過信をされるような恐れがあるのではないかというように感じたものですから、それで伺ったのですけれども。
長野県知事 阿部守一
前回もここでは速報でよく分析しなければという話で申し上げたと思いますので、これはいろいろな角度からの見方があると思うので、私はただ単に今回昼間の時間帯9.8パーセントなのでもろ手を挙げてこれで十分ですねということでは必ずしもないだろうなと。例えば県庁ではもっと取り組めるのではないかとか、あるいはそれぞれのご家庭でもさらに工夫をしていただけるところがあるのではないかというところもあるので、しかしながら全県としての数値としてどういう状況だったかという一つの目安としてお示しをしているということでご理解をいただければと思います。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
県がやっている水力発電事業なのですけれども中電への事業譲渡を検討されているということですが、震災後電力をめぐるような状況はだいぶ変わったのですけれども、それを加味した上でまだ事業譲渡ということなのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは中部電力とこれまで協議をしてきているという経過があります。ご指摘のように中部電力を取り巻く経営環境もかなり激変してきていますし、エネルギー全体を取り巻く状況というものもだいぶ変わってきていますので、そうした中で今後どうしていくのかということについては、適切に考えていかなければいけないと思っております。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
もう一つまったく違う質問で恐縮なのですけど、明日から朝日新聞主催の夏の高校野球が始まるのですけれども、暑い中がんばる選手へのメッセージと、あと何か高校野球への思い入れというようなことがあれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
日本全体が何となく元気が無くなっているという感じを受けますので、ぜひ、若い高校球児たちのパワーで日本全体を元気にしていってもらいたいと思います。個人的な感想というのは、私もいろいろな県でいろいろと勤務してきましたから、その土地土地でいろいろな形でいろいろな応援をしてきたなということは大変懐かしく思い出すところもありますので。おそらく夏の多くの人たちの記憶の中に、高校野球というのは溶け込んでいるのではないかと思っています。
朝日新聞 浅野有美 氏
2点お伺いします。一つは今回のカーシェアリングのことと、あとリニアのことについてです。
カーシェアリングのことについては、2点ありまして、この貸し出しとなるといつも問題になってくるのが、充電場所というのがあるのですけど、これはどのようにどういう場所で充電できるのか、何カ所ぐらいご用意されているのかというのを教えてください。そのカーシェアリングについては、今節電と言われつつ電気自動車の普及も進めなきゃということでちょっと難しいところだとは思うのですが、今後としてはどれくらい県内で広めたいとか、あとそういう充電場所の拡大も含めてどういうお考えなのか教えてください。
長野県知事 阿部守一
充電カ所数は今いくつあるのかな、担当の方から説明します。
環境部温暖化対策課新エネルギー推進係長 室賀荘一郎
充電カ所数につきましては、県の施設につきましては長野合同庁舎に1カ所と松本合同庁舎に1カ所を設置済みとなっております。あとは、この貸店舗の方でも充電をしております。
長野県知事 阿部守一
民間も含めた全県の数ということですよね。
朝日新聞 浅野有美 氏
やっぱり運転していて切れて困ったりということが結構あったりするので。
長野県知事 阿部守一
ドライブをしていて途中で充電したくなっても無いという話では利用が進まないので、それの宣伝もしなければいけないのでそっちの話をぜひしてください。
環境部温暖化対策課新エネルギー推進係長 室賀荘一郎
今、順次民間の充電器につきましても、こういったオリックスさんみたいなところですとか、メーカー、日産さんですとか三菱の方で順次設置をしております。実際にどのくらいの設置になっているかというのはまだすべては把握をしていない状況になっております。ただ、今後、協議会をこちらのプレスリリースの方にもございますけれども、協議会を立ち上げ致しまして、そちらの方で検討していくということで、既存の使い方の問題、また、今後どうやって設置をしていくのかと、そういったことを協議していきたいと思っております。まだ始めたばかりということで今後検討してまいります。
長野県知事 阿部守一
レンタカーを借りる時に、どこで充電できるかっていう地図は渡さないのですか。それがないと非常に借りた人はおそらく困るのではないかと思うのだけど。
環境部温暖化対策課新エネルギー推進係長 室賀荘一郎
それも検討して準備したいと思います。把握も含めて検討したいと思います。
長野県知事 阿部守一
どれくらい広めるのかという数値目標は必ずしも定めていませんが、都道府県レベルでは神奈川県が非常に熱心に取り組んできていますけれども、私はどちらかというと都市型ではなくて観光地型、郊外型の電気自動車普及地域にできないかと思っていますので、今回のカーシェアリング、わずか2台ということではありますけれども、こういう実験を見ながら、より効果的な拡大策について検討していきたいと思っています。
朝日新聞 浅野有美 氏
県で取り入れるのは初めてですか。
長野県知事 阿部守一
県としては初めてです。カーシェアリングという形は初めてですし、県が直接利用に供するというのも初めてです。
朝日新聞 浅野有美 氏
ありがとうございます。
朝日新聞 浅野有美 氏
もう一点、リニアの件ですが、先月あった県協議会の決議ですが、JRに対してはその場で出されたと思うのですが、国に対してはまだだったと思うのですが、そのご予定は何かありますでしょうか。先月の県の協議会で決議文というのはJRと国に対してあったと思うのですけれども、JRに対してはその場で出されたと思うのですけれども、国に対しては今後出されていく予定は何かありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先般、協議会の時にJR東海は同席をしていただいていたので、その場で協議会としての要請はお渡しをさせていただきました。国に対しては、県議会等もあったので、7月13日(水曜日)にリニア中央新幹線建設促進長野県協議会としての要請を行う予定にしております。詳細については別途プレスリリースを行わせていただく予定にしております。
信濃毎日新聞 東条勝洋 氏
今のいくつかの質問の確認なのですけれども、水力発電の県の企業局の売却の話で、適切に対応していかなければならないということですけれども、基本的には売却方針は変えないで生じる問題に対応していくということでしょうか。もう一言しっかり聞きたかったのですけれども。
長野県知事 阿部守一
これは交渉中の話でありますから、相手方もあるので私があまり踏み込んだ発言は差し控えたいと思っています。ただ、先ほど申し上げたように中部電力側の事情もいろいろ変わってきていると思っていますし、われわれを取り巻く、長野県を取り巻く、自然エネルギー普及拡大をしなければならないということを、私はぜひ進めていきたいと思っていますので、そうした状況の中で適切に対応したいということであります。具体的にどうこうするという話は県だけの話ではなくて、相手方と交渉中の話しですからこれ以上踏み込んだ発言はここでは差し控えさせていただきたいと思います。
信濃毎日新聞 東条勝洋 氏
あと、電気自動車のことで一つ確認なのですけれども、観光地型、郊外型の普及というのは具体的に言うとどういう形でしょうか。
長野県知事 阿部守一
それはいろいろこれから考えていかなくてはいけないわけですけれども、例えば私は長野県の観光地、片方で自然エネルギーの普及拡大と言っていますし、長野県はもともと環境に優れた地域という印象を多くの人達に持っていただいているところですから、そういうところで観光するのに電気自動車で、排気ガスもないですし、CO2も出さないと。ちょっと今、電力状況の中では、やや電気需要増大させるのではないかという議論になるかもしれませんけれども、そういう観点で長野県の地域イメージ、あるいは観光地のイメージと合うような形での普及拡大というものが検討できないかなと問題意識は持っています。
信濃毎日新聞 東条勝洋 氏
分かりました。
中日新聞 大平樹 氏
すみません、水力発電の話、くどくて恐縮なのですけれども、今、県で出している計画は、来年度から段階的に売却していくというのが現状だと思います。そこは変わらないということでいいのか、今時点で。それを変えることも今、視野に入れているということなのか、どっちなのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それは交渉中ですので、すべて段取りがセットされて動いているわけでは現時点ではないわけですから、そういう意味では先ほど申し上げたさまざまな種々の状況変化の下で、どうしていくかということは、私としては十分考えながら対応していきたいと思っています。
中日新聞 大平樹 氏
今表に出ているもの以外のことでも考えがあるということで、よろしいですか。
長野県知事 阿部守一
ですからそこは今まで対外的に説明してきたとおりの考え方で進む可能性をすべて否定しているわけじゃないですけれども、しかしながら、これは中部電力側の事情も変わってきていますし、われわれ側のエネルギーというか、発電需要というものに対しての、私も議会でも答弁申し上げましたけども、企業局の電気関係の職員のノウハウというのは自然エネルギー普及拡大には非常に役に立つ人材だと思っていますので、そうしたもろもろの要素を考えながら取り組んでいきたいということであります。
中日新聞 大平樹 氏
一連の社会実験なのですけれども、まず1点お伺いしたいのが県庁の削減率が非常に高いように思えてですね、これまでも温暖化対策でかなり節電の取り組みをされてきたと思うのですけど、民間に比べて削減率が高いのはどういうふうにとらえていらっしゃるのか。これまでの努力はまだ絞れるところがあったということについて、どういうふうにとらえていらっしゃるのか。
長野県知事 阿部守一
まだ絞れるところがあったということの裏返しかもしれないですけれど、これちょっと担当の方で、詳細な状況が分かればお願いします。
環境部温暖化対策課温暖化対策係長 小林真人
実際の県庁の管理に関しては、管財課で行っているところでございますが、私どもで聞いているところでは、特に県庁舎に関しては、空調、冷房に係る電力需要というのが、大きく左右して、例えば昨日の場合ですと、かなり気温は高くなりましたが、そこを省エネチューニングという形で調整を行いまして、冷房に係る電力需要をかなり抑制を図ったということで、かなりの電力の削減につながっているというように聞いているところでございます。
中日新聞 大平樹 氏
私の伺いたかったのは、これまでも節電というか、温暖化対策というのを県が先頭に立ってやってこられてきたはずで、それでも工夫すればこれだけ下がった、これまでは一体何だったのでしょうかというところが、ちょっと疑問がわいて・・・。
長野県知事 阿部守一
これまでの取組というのは、どうだったのですかね。私もその辺は良く分からないですけれども。省エネという掛け声はずっと掛けてきているのですかね。
環境部温暖化対策課温暖化対策係長 小林真人
ご案内のとおり、長野県庁の中では環境マネジメントシステムを導入しまして、各所属、各庁舎において節電のみならず省エネルギーの取り組みを行ってきたところですが、今年は特にピーク時間帯の抑制というところに、特に電気に重点を置いてやっています。ですから冷房の需要もそうですし、これまでやってこなかったところでは、照明に関しての間引きも、これまで通常に行っていた取組以上のことをやっております。そうしたものも今回の成果に表れているのではないかと思います。
長野県知事 阿部守一
これまででピークカットという考え方は初めてだと思います。電力需給が時間帯によってだいぶ変わるので、要は24時間頑張り続けるのは結構しんどいですけれども、ピーク時間帯をカットすれば一定の供給量があるわけですから、これで乗り越えようというのがピークカットの考え方なので、昼間の3時間、夜の2時間に集中して取り組んだということはこれまでなかったので、そういう意味ではピークカットという観点では成果があったのだと思います。知事室も蛍光灯をはずしたり、扇風機でずっとやっていますし、よほどのお客様でない限りはなるべく上着も着ないで対応させていただいていますので、これまで以上に知事室だけに限らず他の部局も踏み込んで取り組んでいる成果だと考えています。
中日新聞 大平樹 氏
節電の意識が高まっていて、いろいろなところで空調だとか照明の節電が行われているのですが、行き過ぎた節電、熱中症の患者も増えていることもあって、節電に対するリスクは県としてどういうものがあるのでこういうところに気を付けてほしいとか考えはありますか。
長野県知事 阿部守一
私もなるべく節電の話をする時には、今お話いただいたように、無理をされないようにというお話をさせていただいていますけれども、例えばお年寄りの方が無理にがんばって熱中症にかかられるようなことがあっては元も子もないと思っていますので、またあまりこれはあのお年寄りに限らず無理していると長続きしないと思うので、いろいろな工夫をしながら、あるいは楽しみながらというと語弊があるかもしれないですけれども、緑のカーテンとか、本当に何ていうか生活に潤いも得ながら進めていただきたいなと思っています。
中日新聞 大平樹 氏
例えば、お年寄りの熱中症というのもそうですけど、例えばどういうところのリスク分析をされているのか、例えば照明を間引くことによってどういう影響があって、そういうことからこういう人は気をつけなければいけないねというような、そういうところの分析というのは県の方でしているのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
リスク分析というのは、照明を落とした時のですか。
中日新聞 大平樹 氏
例えば医療機関を除外していらっしゃるっていうのもそうでしょうし、例えば都内なんかでは駅のエレベーター、エスカレーターがかなり止まっていて、足の悪い人はかなり困るだろうというのはありますし、長野県でこれをやることによる、何というか社会的弱者の人にどういう影響が出るというところまで何か分析をされたうえでのお考えなのかっていうのは。
長野県知事 阿部守一
それは個別具体的にすべての事象についての分析というのは特に行っていないです。しかしながら一般論として、今直ちに停電になってしまうという状況ではないわけですから、行き過ぎた形での対応を行っていただく必要はないだろうと思います。逆にピークカットチャレンジを行っている中で、こういう支障があると、こういう不都合が生じてしまったということがあれば、それは個別に見直しをしていかなければならないのかなと思います。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
県議会のですね、会派に交付されている政務調査費についてですね、今年改選前後の今年4月分のですね、支出について、いくつか疑問点や課題が浮かびまして、県議会、議長の招集で今日ですね、緊急の各党を開かれて、厳格な運用であるとか、県民から疑義を持たれないような執行というのをですね、決定された経緯があるのですけれども、一義的には議会の中の話ではありますけれども、知事も予算編成の権利を持っている、予算編成権者でいらっしゃるので、無駄のない執行という面からですね、何か注文すべきことがあればご発言いただきたいのですが。
長野県知事 阿部守一
政務調査費の使い方については、議会の方でルールを作った上で運用されていると認識しています。これは県民の皆様方からいただいた税金の中から、議会の皆様方の活動のためにということで政務調査費と予算があるわけですから、当然県民の皆さんの理解、信頼が得られるような使い方をしていっていただきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
ありがとうございました。
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