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更新日:2019年1月21日

知事会見(平成23年(2011年)8月26日(金曜日) 11時00分~11時50分 県庁:会見場)

項目

阿部知事からの説明

  1. 部局長会議を開催、中央新幹線計画段階環境配慮書に対する長野県の意見を提出

取材者からの質問

  1. 長野県政この一年の主な取り組みについて(1)
  2. 国政について
  3. 自然エネルギーについて(1)
  4. 中央新幹線計画段階環境配慮書に対する意見書について
  5. 自然エネルギーについて(2)
  6. 長野県政この一年の主な取り組みについて(2)
  7. 東日本大震災避難者支援について
  8. 長野県政この一年の主な取り組みについて(3)
  9. 地域戦略会議について
  10. 長野県政この一年の主な取り組みについて(4)

本文

阿部知事からの説明

1 部局長会議を開催、中央新幹線計画段階環境配慮書に対する長野県の意見を提出

長野県知事 阿部守一
 8月26日の会見を始めさせていただきたいと思います。私の方からは大きく2点、本日の部局長会議の内容とそれから中央新幹線計画段階環境配慮書に対する県の意見を提出しますという2点であります。
 1点目の部局長会議ですが、今日のテーマは基本的に報告事項でありました。まず「未知を歩こう。信州2011観光キャンペーン」、この後引き続いてその発表をやりますのでそちらで詳しくお話しをしていきたいと思いますが、夏場は「涼しい夏旅さわやか信州」ということでキャンペーンを行ってきておりますけれども、これから年末にかけて切れ目のない観光キャンペーンをしっかり行って一人でも多くの皆様方を長野県、信州にお迎えしたいと思っております。
 それから2点目が「自殺対策全国キャラバンinながの」ということで、これについては私も参加をさせていただくことにしております。自殺者の数はここ数年非常に高水準で推移しているということを受けて、政府としても自殺対策に力を入れて取り組んでいるわけでありまして、今年の3月の5日から全国キャラバンがスタートされたと。ただ直後に東日本大震災があったわけでありまして、地方での開催は明日の長野県での開催が最初という形であります。長野県としてもさまざまな相談体制の整備等も含めてこの自殺という問題にしっかり向き合わなければいけないと思っております。そうした一環でこれは既にプレスリリースをさせていただいているわけですけれども、改めてもう一回私の方から「暮らしと健康の相談会」というものを9月に行います。失業あるいは倒産、多重債務あるいは家庭の問題、そうした課題について弁護士の皆さんが相談に乗っていただくと。併せまして保健師による健康相談を行うということで、本当にいろいろな課題、悩みを抱えていらっしゃる県民の皆様に対して無料で暮らしと健康の相談の機会を提供するというものであります。この9月、自殺予防週間が9月の10日から16日ということでもありますので、それに併せて各保健福祉事務所ごとに曜日を決めて開催を致しますのでぜひ課題、悩みを抱えていらっしゃる方々においてはこの機会に弁護士あるいは保健師にいろいろなご相談をしていただければと思っております。ぜひそうした点を県民の皆さんに伝わるようにご協力いただければありがたいと思っております。
 それから3点目が「全国農業担い手サミット」長野県で11月の15日、16日の2日間開催をする予定になっております。先般私も実行委員会の皆様方から大会会長ということでおおせつかりましたので、しっかりと農業者の皆さんの経営改善あるいは地域農業の振興に資するサミットになるように応援をしていきたいと思っております。
 それから「長野県政この一年の主な取組」ということで総務部の方でまとめていただいた資料が報告されました。この会見も就任1年目ということでは今日が最後という形になるわけでありまして、メディアの皆さんはじめここにいらっしゃる皆さんにもこの一年いろいろな形でご協力賜わりましたことを改めてお礼申し上げたいと思います。県民の確かな暮らしを守り県民主権の実現を目指すということを県政の柱に据えて取り組んできたわけでありますけれども、公約として訴えてきた大きなテーマ、例えばドクターヘリの2機目の配備でありますとか、信州型事業仕分けの実施でありますとか、あるいは教育再生としての例えば「次世代サポート課」の設置あるいは30人規模学級の中学校への導入、あるいは昨今の経済雇用状況を受けての切れ目のない経済対策ということで、お約束をさせていただいたことについては県職員の協力もあり着実に進めてこれた一年だったと思っております。しかしながらまだまだ取り組むべき課題は多くあるわけでありますし、新しい長野県のビジョン、中期計画も策定をしてまいりますので、ぜひ県民の皆様方と共有できるしっかりとした目標、ビジョンを掲げてさらなる長野県の発展のため、そして長野県に暮らされている皆さんの幸せを増大するという観点で引き続き努力をしていきたいと思っています。取り組み状況は私が公約集で掲げた100項目についての自己評価ということも報告してもらいましたけれども、これまで取り組んできたものについては、実施済みだという形で評価してしまおうと思えばできなくはないわけですけれども、私としてはやはりさらに強化、充実を図らなければいけない観点がかなりあるという思いから既に実施しているものでも、さらに充実、強化が必要だという部分に多く自己評価をさせていただいております。こうした認識については今日も各部局長にもお話ししましたけれども、各部局とも認識を統一して取り組んでいきたいと思っているところであります。以上が部局長会議の報告ということでございます。
 それからもう1点、中央新幹線の計画段階環境配慮書に対する意見ということでございます。中央新幹線の環境配慮書についての長野県としての意見、これは皆様方のお手元にお配りしたような形で提出をしたということであります。内容をご覧いただければと思いますけれども、特に私の思いとして一つは、地域の皆さんが懸念されていることについては県としてもしっかりと意見を言っておかなければいけないということで、水源の問題あるいは景観の問題という下伊那地域、あるいは木曽地域の方々の懸念されているような点についても県としての意見として盛り込ませていただきました。今回この通常の、通常という言い方が適切ではないかもしれませんが、新しく超電導磁気浮上方式といういわゆるリニア新幹線ということでありますので、在来型の鉄道とは違った観点の問題点があるだろうということで一番目の、意見の1ページの一番目のところに具体的には電力消費の問題でありますとか、あるいは磁界の影響についての問題、そうしたことについての意見を出させていただいております。この夏もそうですしこれから省電力、あるいは省エネルギーということがこれ日本全体として、長野県としてももちろんでありますけれども、日本全体として取り組むべき課題という状況の中で、電力消費の低減あるいは二酸化炭素の排出削減と、こういうものに対してもしっかりと取り組んでいただくことが重要だと考えております。それから併せて南アルプスの下を通る、非常に長大なトンネルが想定されているわけでありますので、南アルプスの隆起速度はそこに書いてあるように「日本国内では突出した値ではない」という記述はされておりますけれども、しかしながら隆起速度がもたらす地殻内の応力分布や変形の実態などに留意し、施工上のリスクを把握した上で慎重に計画を検討するべきだ、ということでしっかりとした安全面、防災面での配慮ということも3月11日の東日本大震災で「想定外でした」という話では済まないわけでありますので、そうした点についてもしっかりとした対応を求めているところであります。ぜひJR東海におかれては真摯な検討、対応をしていただきたいと思っています。私の方からは以上でございます。

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取材者からの質問

1 長野県政この一年の主な取り組みについて(1)

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 先程部局長会議で報告された知事の選挙公約のですね、自己評価に関してですけれども、拝見すると今もおっしゃられたように充実、強化が必要なものはだいたい48項目、だいたい半数近くを指摘しておられるのですが、ことの軽重付けるのはなかなか難しいと思うのですけれども、その中でも2年目に向けて、これにはすぐに取り組んでいかなければいけないというようなものがいくつかあったら教えていただきたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 これにはすぐというか、100項目中3項目が今後着手予定ということでほとんどが実施あるいは検討、着手済みということですので、これまでの方向性をさらに加速化あるいは具体化していくということが重要だと思っています。これは私が選挙のときに訴えたものですので、この項目についての成果というのをきっちり出していくということが大事だと思っていますが、それと併せて県知事という立場で県の組織全体として県民と共有できる目標設定を中期(総合)計画の策定を通じて行っていきたいと思っておりますので、ここで掲げた事業をさらに進めていくということと並行して新しいビジョンづくり、新しい目標設定、そこに私としてはぜひ力を注いでいきたい。その中で私が公約として訴えてきたようなものをさらに強化、具体化を進めていきたいと思っています。具体的に言えば、例えば自然エネルギーの普及、拡大ということで、ここにも信州エネルギー需給戦略ということを公約上うたっていたわけでありますけれども、昨今のエネルギー需給の、エネルギー全体を日本全体としてどうしていくかというような課題も含めてですね、持続可能性ある、そして長野県の豊かな自然エネルギー源を、十分活用できるものを、エネルギー問題としてだけではなくて、社会の仕組みあるいは産業・経済の活性化そうしたものにつなげるという観点から一層進めていかなくてはいけないと思っておりますし、それから先程教育再生の観点で中学校への30人規模学校の導入とか、次世代サポート課の設置ということも申し上げましたが、しかしながらまだ子ども達に対するサポートという観点では、例えば発達障害の子ども達とか不登校の子ども達に対する支援、サポートということもまだまだ具体化しなければいけない課題は多いわけでありますし、そもそもこれは教育委員会でしっかり考えていただかなくてはいけないわけですけれども、学力の問題とか体力の問題とかそうした基礎的な課題もあるわけでありまして、そうした子ども達を取り巻く環境の改善ということにもさらに力を入れる必要があると思っています。また、いろいろな施策を進めていくうえでの、今、円高が非常に進行してしまっているわけでありますけれども、長野県の経済全体、地域を元気にしていくという観点からのさらなる取り組み、対策ということも行っていかなければいけないわけでありまして、ここで昨年県民の皆様方にお約束したことをベースにさらに発展をさせていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 分かりました。

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2 国政について

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 話変わって、今日午後にも首相の退陣表明がされる見込みになっておりまして、代表選ということになります。去年の今頃も同じような雰囲気だったと思うのですけれども、ここ数カ月のその政権の状況についての知事のご感想とですね、今後の代表選経て政権が新しい枠組みになっていくと思いますが、そこに対する注文等がありましたらお聞かせ下さい。

長野県知事 阿部守一
 そうですね、原発事故への対応等から多くの国民の皆さんがいろいろな不安を抱えている状況でありますから、ぜひ国民の期待と信頼にしっかりと応える新しい政権、新しい内閣をつくっていただきたいと思っています。取り組んでもらうべきテーマというのはさまざまあると思いますが、短期的にはやはり災害復旧、栄村も含めてですね東日本大震災の復旧復興ということと併せて経済対策ですね。非常に厳しい経済雇用情勢、特に円高でもありますので、これは中央政府レベルでしっかりとした方向付けと取り組みをぜひ行っていただく必要があると思っています。それと併せてやはり時代の大きな転換点でありますから中長期的な視点に立った大きな制度改革というのも行っていただく必要があるわけでありまして、これは社会保障と税の一体改革、あるいは地方分権、そうした骨太のですね、社会経済状況の変革に向けた取り組みもぜひ腰を据えた体制で取り組んでいただきたいと強く願っております。

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 3 自然エネルギーについて(1)

中日新聞 小松田健一 氏
 1点だけお尋ねします。おそらく今日の参議院本会議で再生可能エネルギー特別措置法案が成立する見込みです。長野県としても自然エネルギーを進めていくうえでは非常に重要な法案になると思うのですが、法案成立に関して知事のご見解伺えればと思います。

長野県知事 阿部守一
 再生可能エネルギー法案は、自然エネルギーを普及拡大させていくといううえで大変重要な法案だと思いますので、そういう意味で成立していくということは自然エネルギーの普及拡大に向けて一歩踏み出すという形になろうかと思います。ただ、具体的な買取価格とかはこれから設定されることになるわけでありますので、ぜひこれは国民各界各層、そして私ども多くの都道府県や市町村が自然エネルギーの普及拡大に向けた取り組みを行っていこうという意識を持っているわけですので、ぜひ地方公共団体の意見も聞いた上で再生可能エネルギー、自然エネルギーの普及拡大にしっかりとしたサポートとなるような価格設定をぜひ行ってもらいたいと思います。

中日新聞 小松田健一 氏
 それはつまり、地域の事業者がこれから太陽光発電等に取り組んでいくうえでビジネスベースに乗るような価格設定をということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは、いつまでも行政が補助金を出さなければいけないような状況では、広く普及拡大していくというのはなかなか難しいと思いますので、そういう観点でビジネスモデルをしっかりと構築、いろいろなエネルギーがあるので、一様ではないと思いますけれども、しっかりと構築できるような形にしていただくということが重要だと思っています。

中日新聞 小松田健一 氏
 一方で産業界には、負担増となることへの警戒感が非常に強いわけですが、この点についてはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 電力消費が著しい業種については、今回の法案策定の議論の中で一定の配慮をするという形になっておりますので、そうしたことと併せて電力を多く需要されている企業に過度な負担がかからないような配慮をするという前提でありますから、そうしたことも政府としてしっかり取り組んでいただきながら進めていっていただきたいと思っています。

中日新聞 小松田健一 氏
 もう1点だけ、今課長が陪席されているのでちょっとお尋ねしますが、県内の市町村に開発適地についての聞き取りをやってらっしゃったと思いますがその現状についてどうなっておりますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 現状というのは、今の進ちょく・・・。

中日新聞 小松田健一 氏
 回答、進ちょく状況ですね。

長野県知事 阿部守一
 回答は基本的に得ているところですけれども、ご質問の内容は、どういう趣旨でしょうか。

中日新聞 小松田健一 氏
 6月議会では確か860ヘクタールの用地があるというようなお話がありましたが、その後、そういった点について進展はあったのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 自然エネルギーの普及拡大の観点の一つとしてメガソーラーの適地を市町村に照会してきたという現状がございます。これから、今の再生可能エネルギー法案の成立等が行われればですね、これは企業ベースの動きというのもさまざま出てくると思いますので、そうした中で県としてこれは企業のニーズと地域のニーズ、そうしたものをマッチングさせていくそうしたことが必要になってくると思っています。ですから、今、可能性のある用地というのを把握をしておりますけれども、今申し上げたような状況の中でさらに具体的な取り組みにつなげていくように今、検討を行っているという状況です。

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4 中央新幹線計画段階環境配慮書に対する意見書について

日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
 今日のJR東海への計画段階環境配慮書に対する長野県の意見なのですけれども、こちら提出したと過去形でおっしゃっていますが、これは今日いつ頃提出されたということなのでしょうか。それから、こちら、今回この時期にこの意見書を改めて提出した意義について知事自身はどのようにお感じになっているのかということと、この意見書をもとにJR東海にどのような配慮というか対策を取ってはいいかというお考えの部分をお聞かせ下さい。

環境部環境政策課長 寺澤信行
 意見書の施行でありますけれども、まだしていません。午前中には施行になると思います。そういう手順で進めています。

長野県知事 阿部守一
 過去形になっているのは今の時点では先走っているということで、大変失礼しました。速やかに提出致します。それからこの時点でというのは、計画段階環境配慮書に対する意見募集をJR東海行っていますからそれに対して県として意見を出す。この後より具体的な方法書という形で出てきますので、それに対してもさらに法的なプロセスをしっかり踏んだうえで意見を言っていくという形になると思います。あと、最後の質問は何でしょうか。

日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
 県としても改めて意見書を出したということで、JR東海側に求めていくスタンスについてお伺いします。

長野県知事 阿部守一
 求めていくスタンスは、先程も言いましたようにここに配慮すべき点を書かせていただいたわけでありますので、これからの具体的な法に基づくアセスメントにつきましてもしっかりとこういう点についても配慮してもらうことが重要だと思っておりますし、とりわけリニア方式ということで、通常の鉄道事業とは違う課題というのもあると思います。そうした違う点についての不安感を持っていらっしゃる方もいるわけでありますので、そうした疑問の声にもしっかりと答えていただくということが重要だと思っています。

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5 自然エネルギーについて(2)

信濃毎日新聞 東条勝洋 氏
 再生エネルギーとメガソーラーの関連の質問ですが、今、メガソーラーの誘致についてはさらに具体的な取り組みにつなげていくと言われたのですけれども、その具体的な取り組みについてもう少しお伺いしたいなと思っていまして、どういうことをどれ位のスケジュール感で進めていきたいと考えてますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それは自然エネルギー全般ですか。

信濃毎日新聞 東条勝洋 氏
 メガソーラーについて。

長野県知事 阿部守一
 メガソーラーは何度もこの場でも何度も言っているように、メガソーラー自体が唯一絶対の選択肢でもないし、メガソーラーの設置自体が自己目的化している話ではないわけでありまして、自然エネルギーを普及、拡大させていくといううえでの、1つの要素だと思っています。そういう意味で、自然エネルギー全般について今、庁内の本部も作って取り組んでいるわけでありますので、私としては9月県議会に向けて、1つは経済対策として打ち出す中で自然エネルギーあるいは省エネルギー関係のものも出していきたいと思っていますし、そうした本部の検討を踏まえて、来年度当初予算に向けてはさらに自然エネルギー関連の施策というものもしっかりと柱立てをして打ち出していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 東条勝洋 氏
 メガソーラーの具体的な誘致についてなのですけれども、当初、5月に知事がソフトバンクの孫社長とともに記者会見をされまして、その後、市町村の間で期待が高まった環境があると思うのですけれども、その後若干数カ月を経て動きが表に出てこない状況になっている中で、市町村側には今、どうなっているのかという誘致の動きに対する期待があると思うのですが、そういった期待にどう答えていくのか。どういうおつもりですか。

長野県知事 阿部守一
 まず、孫社長との会見はメガソーラーの話ではなくて自然エネルギー協議会ですから、そこを切り離していただかないと、そこの話をごちゃまぜになってしまうと話がおかしいなということです。メガソーラーの話については、市町村からも適地を募集しておりますし、企業の側でもいろいろな動きが出ていますので、先程、申し上げましたようにそうしたものをつなげる方向で今、検討をしている状況です。その方向性、具体化についてはできるだけ早く皆さんにお伝えしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 東条勝洋 氏
 具体的に企業に売り込みに行ったり、県として積極的に誘致はしていきたいという考えでしょうか。それともどちらかというと待っているというかですね、こういった土地があるのだよという情報を提供するなどして、公平性の問題も出て来ると思うのですけど。

長野県知事 阿部守一
 そこも含めて今後しっかりご説明をしていきたいと思っています。ただこれは県がやっていくという、県が関わるという観点から言えばやはり地域にとって非常にメリットのある形ということも当然視野に入れていかなければいけません。それと同時に他方で企業の考え方なり思いというのが、それぞれいろいろな考え方があると思いますので、そうしたものを一定程度把握した上で、県としての方向付けをしっかり行いたいと思っていますので、その点についてはまた別の場でしっかりと公表していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 東条勝洋 氏
 分かりました。

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6 長野県政この一年の主な取り組みについて(2)

中日新聞 小松田健一 氏
 就任1周年に当たって、一点お尋ねなのですが、県議会あるいは市町村その他各種支持団体等と良好な関係を今後築いていくために、知事はどのようなことが必要だというふうにお考えになっておられるでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 良好な関係を私は、これは県議会でも市町村長でもその他いろいろな関係団体との間でもやはり信頼関係をしっかり持っていくということが重要だと思っています。もちろん意見の違いとか見解の違いはあるので、そこは県民の皆様に見える形でですね、しっかり議論していくということが大事だと思っていますが、他方で仕事を一緒にしていく、あるいは、共にいろいろな政策を進めていく上での信頼感というのは重要だと思っていますので、そういう意味ではこれまでも心がけてきましてけれども、できるだけしっかりと対話する機会を作っていくということがこれからも重要だと思っています。市町村長の皆さんとの懇談会とか、あるいは、議会の皆さんとの意見交換とかですね、そういうものについては引き続きしっかりと行っていきたいと思っています。

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7 東日本大震災の避難者支援について

信濃毎日新聞 百瀬平和 氏
 東日本大震災の避難者支援のことで伺いたいのですが、現在も1,200人の方が県内に避難されていまして、県では短期的な緊急雇用とか、アパートの期限付きの借り上げであるとか、さまざまな支援を実施していると思うのですが、一方で避難が長期化するにつれて、県内に移住、定住をしていこうと考える方が出てきているように思いますし、そういった方々に話を聞くと慣れない県内で長期的に住める場所や働ける場所をどう確保できるのかを心配する声が強く出ていると思います。そういった点も含めて、もっと長いスパンで見た場合に県内の避難者を長期的にどう支援していくのか、あるいは、今、避難者受入支援チームを設置したり東日本大震災支援県民本部があったりしますけれども県の支援体制をどうしていくのか、ちょっと長いスパンになりますがビジョンをお聞かせ願いたいのですけれども。

長野県知事 阿部守一
 大震災後のある意味で緊急避難的な部分から、少しは中長期的な対応ということで、切り換えて、フェーズが変わっていかなければいけないのだろうと思っています。そういう意味では、ちょっと私としては今、生活支援という観点では「信州絆」プロジェクトということで、民生委員、児童委員の皆さんを中心にサポートしてきていただいているわけでありまして、そのこと自体は大変ありがたいと思っています。ただ、他方でこれから中長期に向けて、ちょっとまだ、特に原発周辺の皆様方は、政府全体としての方針が必ずしも定まっていない中で、まだ不安な部分が多いのではないかと思いますが、そうした皆さんの声をしっかり県としても、あらためて把握するということが必要ではないかなと思っていますので、実際に避難されていらっしゃる皆様の思いとか考えを起点に考えなければいけない話だと思いますので、そうした現状把握、意見把握ということをまずはやっていきたいと思います。

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8 長野県政この一年の主な取り組みについて(3)

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 就任1年に当たっての関連でまたお聞きしたいのですけれども、県と市町村との関係という観点で、知事は県と市町村との協議の場である地域戦略会議の設置など、さまざまな取り組み、今進められているかと思うのですけれども、そういった取り組みを通じてこの1年間、県と市町村との関係というものが、どういった点で変化した、あるいはこういったところ、もう少し変えなければいけないなという思いがあれば、その点についてお考えをお聞かせ願いたいのが1点と、あと県と市町村との関係の現状について、どういうふうに現在評価されているかという点についてお聞きします。

長野県知事 阿部守一
 県と市町村との関係は、私は県と市町村の協議の場も、まだ1回開催しただけでありますけれども、形式的な会議ではなくて、ざっくばらんな意見が出るような形でセットさせていただいて、いろいろ忌憚(きたん)のない意見交換ができたのかなと思っています。それと合わせた各地方事務所単位でも市町村長の皆さんとの意見交換をさせていただいていますので、そうした観点で私と市町村長の皆さんの意思疎通というのは、いい形で行われていると私は思っています。県、市町村関係をどうしていくかということは、これは国と地方の関係も同じなのですけれども、別に県と市町村が良好な関係であることが必ずしもいいことには、これは住民から見たときには、ならないわけでありまして、権限配分のあり方とか、県と市町村の協力のあり方とかですね、具体的な成果、結果に結びつけていかなければ、県民にとってメリットは無いという話しでありますから、先程、言ったように市町村長の皆様方との対話はこれまでしっかり行ってきましたし、そういう意味での信頼関係はできていると思っておりますけど、例えば住民に身近な仕事をどういうふうに分担していくのか、あるいは県と市町村との協議の場でも、当初1回目のときに議題になった広域的な応援体制を県と市町村どうやって組んでいくのか、そういう具体的な施策を県、市町村協働でさらに進めていくことで、県民の皆さんにも具体的なメリットを感じていただけるようにしていかなければいけないと、そういう観点ではまだこれからやらなければいけないことは、例えば県、市町村の、国と地方の分権の話でも言っていますけれども、県、市町村との関係のあり方をどうして行くのかということであるとか、あるいは災害時の連携体制をどうしていくのか、そういった個々具体的なテーマをいつまでということではなく、永遠にやり続けなければいけない話しだと思いますけれども、私は県、市町村関係は県民にとってメリットがある形にもっていくというような姿勢で引き続き取り組んでいきたいと思っています。

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 分かりました。

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9 地域戦略会議について

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 関連してですね今、各広域で地域戦略会議が順次立ち上がっているかと思うのですが、その関連で市町村長の方々等から予算的な裏付けというものが必要なのではないかという意見ですとか、既存の広域連合の広域計画などが既にあるので、それにさらに上乗せして計画地域ビジョン等を作る意味というのは、どんなことなのだろうかという点については、多少疑問というのですかね、そういう声もなくもないのですけども、その辺についての受け止めと、あと予算について、地域ビジョンに盛り込んだ事業の実施に向けた予算付けについて、今後どんなふうに具体化していくのか、その辺の考え方についてお願いします。

長野県知事 阿部守一
 まず、屋上屋になるようなビジョンは必要ないと思っています。今回は県としての中期計画を作っていくという状況でもありますから、例えば広域連合の計画と別に行政にありがちなのは、別のものを作るとあえて同じようなことでも、また別のものを作らなければいけないから、別のものを作ったような形をとることがありますけども、本当に地域で必要なことであれば、別に今まで言ってきたことだとか、今までの計画がそれをさらに進めるということでも、私は何ら差し支えないだろうなと思います。そうしたものを具体化する上での予算的な措置という話については、これは一つは中期計画を作る段階では、中期計画を推進するための予算のあり方をどうするべきかというのは、並行して考えなければいけないと思っていますし、それと合わせて、より地方事務所単位に予算についてもしっかりとした権限、発言権、提案権、そうしたものをまずは持ってもらえるようなことを考える必要があると思っていますので、それは今総務部の方で検討中です。

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 地方事務所の予算の提案権に関しては、例えば来年度予算編成に向けて、時期的には来年度予算編成にも関与できるような形で検討されているということなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは検討中ですから、結論的な話は申し上げられないですけれども、基本的に地域の考え、或いは地方事務所で必要と思っている施策、そうしたものについて県の予算編成の中でしっかりと反映できるような仕組みを作っていくことは大事だと思います。その方向で検討しています。

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 分かりました。ありがとうございます。

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10 長野県政この一年の主な取り組みについて(4)

日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
 知事就任一周年を振り返っての部分で、知事が就任された去年の9月以降に設置された、外部の委員とか県民の方含めて県内のさまざまな問題について検討する検討組織が、お伺いしたところ16組織つくられていて、さらに知事がおっしゃっていた縦割りをなくすということで部局横断組織ということで4つの組織、計20の組織が知事の判断でつくられた組織があるわけですが、一部の組織については温暖化対策課とか次世代サポート課の設置へと結びつく成果を上げているわけですけれども、一部の組織ではつくられた時期も時期ですので具体的に施策に反映せずに検討されているという協議会等も多いと思うのですけれども、庁舎外の人から意見を聴くということは知事の公約に掲げられていた県民主権とか官民協働という方針に合っていると思うのですが、例えば今後施策反映への迅速化という観点でこういった協議会を今後知事はスピードアップして施策に反映させていくには、知事自身この1年間を振り返って今後どのように進めていきたいなというふうにお感じになっているかお伺いしたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 いろいろな施策があって、すぐにできるものとなかなかできないものといろいろあるので、一概には語れないですけれども、例えばこういうものについてどうかという何か例があれば。

日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
 個別の例えというわけではないのですけれども、例えば、知事がリーダーシップといいますかですね、この方針を決めるという形で進められるものもあれば、意見を聞かなくてはいけない部分というのもあると思うのですけども、例えばそういった検討会、外部の意見を聞くというのは非常に大切なことと思うのですがやはり、外部の方が招集されるということで会合が当然のことながら1カ月単位、2カ月単位となっていくと、いうことで、今後さらに施策に反映させる上でスピードアップしていくために・・・。

長野県知事 阿部守一
 一般論ということであればですね、一般論で遅れている進んでいるということはなかなか正直お答えできないですけれども、これは私の感覚でいえばですね、やはり遅いですよね、対応が遅い。それは、今まで委員会をつくったら月に一回くらい開催する、あるいは2カ月に一回くらい開催するというペースで、長野県として取り組んできたということはあるのではないかと。あるいは予算の時期までに間に合わせればいいのではないかというペース配分がいろいろなところでみられるというのが私の率直な意見ですので、今後行政改革というのは、別に組織の統廃合だという話ではなくて、むしろそういった議論のあり方とかですね、議論の迅速化とかですね、そうしたことをやっていかなければいけない話でありますので、できれば皆さんの方から見ていてこの検討は本当に遅いじゃないのと、どうなっているのということがあれば、逆にどんどん言って、具体的に言ってもらいたいですよね。そうすれば私の方からどうしてこんなに時間かかるのだということで、その当該委員会の座長の方なりですね、当該所管部局としっかりとお話をして、それは検討に時間がかかってやむを得ないものなのかどうかというのは判断していきたいと思います。何ていうか行政の判断ペースというか議論のペースは、年度単位で発想していることが多いので、そういう所を変えていくということも、私はこれからの行政改革の中では必要ではないかなと思いますので、ぜひ気が付いたことがあれば、具体的に教えていただけるとありがたいです。

日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
 今度策定される中期総合計画の中では、こういった検討会の内容なども含めて、総合的に策定されていくという流れになるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 中期総合計画のあり方をどうするかということにも関わってくると思いますけれども、他方で法律とか条例に基づく個別計画というのはいろいろあるわけです。そうしたものと同じようなものを作っても仕方がないと私は思っていますので、そういう意味では、より上位概念の上位計画であることを明確にして、やはり県として目指すべき方向性を県民の皆さんと一緒になって、共有して、目標を共有して、ビジョンを共有して、一緒になって取り組めるものにしていくという観点で、ぜひ策定をしていきたいと、ですから、私の感覚とすれば、あれもこれも非常に全ての分野に目配りして作ってですね、結局県民の皆さんとお話しても、中期計画が一体何を目指そうとしているのか分かっていただいている方がほとんどいないというような状況にはしないようなものにぜひしたいと思っています。そこは、これからの努力と工夫をしなければいけない点かなと思っています。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

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企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7110

ファックス:026-235-7026

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