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更新日:2015年6月22日
長野県知事 阿部守一
9月30日の知事会見を始めさせていただきたいと思います。私の方からは4点お話を致したいと思います。
まず1点目は県議会の状況でありますけれども、本日から一般質問、32名の方からご質問をいただきましたけれども、終了ということで来週からは委員会に議論の場が移るわけでありますけれども、緊急経済活性化対策を含めて補正予算案、提出議案さらにご議論いただいてご議決を賜りたいと思っております。また今日の本会議で提出をさせていただきました人事案件、人事委員、教育委員、公安委員それから土地利用審査委員会委員のご同意をいただきまして大変ありがたいなと思っております。それぞれの委員の皆様方にはぜひご活躍をしていっていただきたいと思っております。
それから2点目でございますけれども、議会でも放射性物質の取り扱いについていろいろとご質問等いただいたわけですけれども、長野県として新しく食品の放射性物質検査を行っていきたい。これは今までは県内産の農作物、農畜産物について検査を行ってきたわけでありますけれども、県外から入ってくる県外産の農畜産物についても検査を行っていきたいと、お子さんを抱えていらっしゃる方、妊婦の皆様方、さまざまな不安の声もあるわけでありますので県としてもできるかぎりのことをしてまいりたいということで、10月上旬にも検査をスタートさせていきたいと思っております。初回は牛乳、農産物をピックアップして行っていきたいと考えているところであります。今回の補正予算案でもお願いをさせていただいておりますけれども、今後、検査機器等も充実をさせていくわけでありますので、それに伴って放射性物質の検査についてもできるだけきめ細かく行っていくようにしていきたいと考えております。なおこれは全国的な状況を見ると、自らの県産の農作物については当然のことながら多くの県が行っているわけでありますけれども、私ども長野県の周辺で他の自治体、他の都道府県の農作物の検査を行っているのは新潟県ぐらいですね。県レベルだと新潟県、岩手県、京都府、大阪府というような形になっておりますので、長野県としてはこうした県と並んで他県産のものについても実施をしていきたいと考えております。
それから3点目でありますけれども、既に報道等でお伝えいただいているところもありますけれども、明日10月1日から2機目のドクターヘリの運航開始を致します。明日の10時から信州大学医学部附属病院で運航開始式が開かれる予定になっておりまして、私も出席をしたいと考えております。「信州ドクターヘリ松本」という名称で運航してまいりますけれども、基地病院は信州大学医学部附属病院、運航会社は中日本航空という形でございます。基地病院をどこにするかということで議論をしたわけでありますけれども、1月28日に基地病院を信州大学医学部附属病院にするという決定からきわめて短期間で運航開始が可能になったわけでありまして、これも信州大学医学部附属病院、あるいは中日本航空さらには現在配備をしております佐久総合病院、あるいは消防関係の皆様方のご理解、ご協力があってこそというふうに考えておりますので、この場をお借りして関係の皆様方には感謝を申し上げたいと思っております。また長野県としては2機の運航という形になりますが、2機とも県内全域を対象にして運航をする予定であります。ただし消防本部からの第一次要請先につきましては東北信が佐久、中南信は松本、信州大学医学部附属病院ということで考えているところでありまして、それから転院搬送につきましては転院先がドクターヘリの基地病院である場合にはその病院のドクターヘリを優先して活用するということでございます。これまで1機体制のときは、重複要請があって出動できないというようなこともあったわけでありますが、今後はそうしたケースは少なくなってくると思いますし、中南信地域の救急現場にもこれまで以上に早期に対応をすることが可能になると考えております。この2機体制を有効に生かして長野県の救命救急のさらなる充実を図っていきたいと考えているところでございます。
それから4点目でございますけれども、明日から1カ月間「秋の味覚 信州フェスティバル」というのをホテルオークラ東京の鉄板焼き「さざんか」で開催を致します。老舗ホテルの御三家とも言われるホテルオークラの中で1カ月間に渡って信州プレミアム牛肉を中心としたフェスティバルを開催するということで今回初めての試みでございます。このフェスティバルでは信州プレミアム牛肉を中心として、信州サーモン、信州産の野菜、マツタケといった長野県の特産品を使ったコース料理で秋の信州の味覚を大勢の人に味わっていただきたいと思いますし、また長野県の肉をはじめとする農畜産物の品質の高さというものをこの機会に、大勢の皆さんに伝えていきたいと考えております。ぜひメディアの皆様方におかれましてはこのフェスティバルの広報についてもご協力をいただければ大変ありがたいと思っているところであります。以上私から4点申し上げました。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
今日の一般質問の答弁でEPZ(防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲)に関する答弁あったと思うのですけれども、新潟、静岡それから石川とも協議を進めたいというお話でした。それでEPZに関しては各自治体でエリアの見直し、もしくは独自に広げるというような作業もやっているのですが、まだその度合いというのはばらつきがある状況だと思うのですけれども、100キロ圏内まで広げてという今回の意味合いというのは、考えられる可能性というか備えとして100キロ圏内程度までは県内として準備をしていかなければいけないだろうというそこら辺の知事の心づもりというのはどうだったのか教えてほしいのですが。
長野県知事 阿部守一
EPZの範囲がどうなるかということは、これはまた別の議論だと思いますけれども隣接地域、至近の地域において原子力発電所を有している地域とは、今まではどちらかというと原発立地県の中で、立地県の方も中で収まると思っていたと思いますし、われわれもそこまで広範囲に影響が及ぶという想定をしていなかったわけですけれども、今回の福島原発の事故の状況を見ると、これは今でも東日本全体に広範囲にさまざまな影響が生じているわけでありますから、少なくとも先ほど申し上げた3つの原発、3つの県との間の情報交換、意思疎通についてはしっかりと行っておく必要があると考えています。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
分かりました。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
それと今日、人事案件が同意可決しまして、まず今回の人事について人選された方々についてですね、おっしゃられる範囲で期待された部分とか教えていただきたいというのと、1日付けで任期付職員の採用が決まっておりますけれども、これについても同じように知事の考えというのをお伺いしたいのですけど。
長野県知事 阿部守一
今回人事案件で人事委員、公安委員、教育委員お一人ずつ選任同意いただいたわけでありますけれども、今回はたまたますべて女性というかたちでありまして、私の中でもある意味で意識して女性の委員を増やしていこうと思っているところもありますし、先ほども本会議の答弁でも申し上げましたけれども、やはりそれぞれの分野について情熱を持って取り組んでいただける方ということで私としては選任をさせていただいたところであります。それから、任期付職員については温暖化対策課に配置ということで、この原発事故以来ですね、エネルギー政策それから温暖化対策、省エネルギー対策、温暖化対策課自体この4月に新しくつくった課でありますけれども、当初想定していたものに比べて加速度的というか急速に事務量が増えているということもありますし、とりわけエネルギー政策あるいは低炭素社会づくりというものは、これは国の動きも極めて速い中で国や他の地域との連携協力ということも大変重要だということで、今回、国家戦略室にいた田中氏を任期付職員として任命するということであります。これまでの経験を生かして活躍をしていただきたいと思っています。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
分かりました。
日本放送協会(NHK) 横井悠 氏
知事が先ほど実施を表明された県外産の農作物等についての放射性物質の検査なのですけれども、これ実施の測定の場所とか頻度、あるいは測定する農作物をどう選定するかなどですね、もうちょっと具体的に実施計画についてお話をお伺いできればと思うのですけれども。
長野県知事 阿部守一
これは、県民の皆さんの声があるので私としてはできる限りのことをやっていきたいということで実施をしようというものであります。従って、先ほど申し上げたように検査機器がこれから予算案を認めていただいた後、11月に増設ということとの関連もありますので、具体的な頻度、対象品目については今後決定をしていきたいと考えています。
日本放送協会(NHK) 横井悠 氏
基本的に対象はですね、農作物、野菜とあと牛乳ということで・・・
長野県知事 阿部守一
基本的に食べるものは幅広く対象にしたいと思っております。とりわけ例えば長野県だと県産品だと海の魚とかいうのは全然長野県関係ないわけですけれども、そうしたものも含めてですね、広く検査を行うように考えていきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 横井悠 氏
あと、重ねて、もしまだ決まってなければあれなのですけれども、今のまだ環境保全研究所では測定機器は1台しかないということで11月ぐらいに納入されるということなのですけれども、測定は県内で行うということ、それともまた民間の検査機関とかに委託するようなかたちで最初は進めていくのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
広く検査を行うように考えていきたいと思っています。これは、担当課の方からご説明させていただきます。
健康福祉部食品・生活衛生課長 小林明彦
検査の実施機関ですけれども、11月に1台増設されますが、10月から開始の中では、環境保全研究所に現在ある機器を使って進めていくということです。他の検査も入っていますので、空いた時間、日程等調整しながら進めていきたいと考えております。
毎日新聞 仲村隆 氏
先ほどおっしゃっていたドクターヘリの2機目の配備の関係のお話ですけれども、これで2機そろったということで、体制的にもかなり楽になる部分あるかと思うのですけれど、防災ヘリ等では、他県との相互運用をよくされていますけれども、ドクターヘリについては、他県との協議を進めていかれるのでしょうか。例えば、具体的に言えば、岐阜県とは、まったくそういうお話っていうのは今までなかったと思うのですが。
長野県知事 阿部守一
他県との共同活用というのは、私も重要な視点だと思っています。長野県1機を2機体制にしたという形で、その運用状況も見て、今後の課題だと考えているところであります。防災ヘリのドクターヘリ的な運用ということについても併せて取り組んでいきたいと思っています。
毎日新聞 仲村隆 氏
今現在でも、共同運用されていらっしゃる周辺の県もあるわけですよね。
長野県知事 阿部守一
県境の時は、応援をお願いしている時もありますが、特に協定を結んでいるという形ではないですよね。担当課の方からご説明します。
健康福祉部医療推進課長 山本智章
今、お話ありました隣県との共同運用というお話ですけれども、共同運用ということでは、今は、やってはいないですけれども、群馬県ですとか、愛知県を中心とした中部の5県と意見交換ですとか情報交換をしましょうということで、今年の7月とか8月にそれぞれ担当者が集まって打ち合わせを始めたところでございます。
毎日新聞 仲村隆 氏
ありがとうございました。
中日新聞 小松田健一 氏
食品、県外産農畜産物の検査の件ですが、そもそも各産地で食品の放射能というのは調査をしているわけで、暫定規制値を超えた時点では出荷されないわけですが、それでもあえて、県内に入ってくるものをわざわざ検査する必要があるのかどうかというのがあると思うのですけど、そこはいかがなものでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。基本的には、出荷側の方で検査しているというのが今の実態であります。安全確認ということであれば、政府の規制値を超えたものについては、基本的に出荷されないということがあくまでも前提であります。今回行うのは、そうしたことを前提として、より安全を求める人たち、お子さんをお持ちの方とか、妊婦の方とか、そういう方たちは、いったい自分たちが口にしているものは、どんな状況なのか、でき得る限り詳しい情報をより多く欲しているという方々もいらっしゃるわけですので、そうした観点で検査を行うと。基本的にそういう意味で規制値を超えるものが出るということは想定していないわけですけれども、仮に規制値以下であっても、まったく不検出のものなのか、あるいは検出されるようなものなのか、そうしたことも含めて情報をできる限り公表していきたいと思っています。
中日新聞 小松田健一 氏
これも質問ありましたが、具体的な制度設計はいつ頃まとまるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
10月上旬から検査をスタートさせていきたいと思っていますので、早急に品目等については決定をして、次のステップで11月に機器の増設をしていくということを予定していますから、その段階で改めて、より充実した形をどう組んでいくかということを検討していくことになります。
長野放送(NBS) 野平崇 氏
昨日、知事の答弁の中で長野市の浅川ダムの断層の調査を行うということがあったのですが、改めて、これまで県の方はやらないと言ってきた中で、行うとしたその意味というのを、改めて、ちょっともう一度お願い致します。これまでは、断層の調査を行わないというような方針で県は進めてきたと思うのですけれども。
長野県知事 阿部守一
安全性の確認については、行いながら進めていくということは議会の場でも私は答弁してきたと思っていますし、例えば、ダム自体が最終的に湛水試験までやった上で安全性の確認をしていくということですから、これはもう工事に着手しているからといってそのまま何もしないということだけではなくて、随時安全性の確認等について行っていくということが基本的なスタンスであります。今回、F-V断層の安全性の再確認ということで行おうと思っているわけですけれども、東日本大震災も受けて地震に対する不安ということをお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、浅川ダムの問題はずっと長野県において議論され続けてきて、私としては今後、手続き的にこうだったのではないか、もっとこうすれば良かったのではないかということが無いように進めていくことが重要だと、安心感を持っていただく、あるいは住民の皆さま方と行政、県政との信頼という問題からも重要だと思っていますので、今回、このF-V断層について掘削を行って再確認をしていくということであります。
長野放送(NBS) 野平崇 氏
もし、調査の中で危険だという判断がされた場合には工事がどうなってしまうのかなということがあるのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
当然、再確認でありますから、これまで安全であるという前提で進めてきたわけでありますので、しかしながら万が一にもいろいろな事態は想定されるわけでありますから、それは県政の責任者としてはいかなる結果が出ようが真摯(しんし)に向き合って、県民の皆さまにご説明しながら対応を考えるということだと思っています。
長野放送(NBS) 野平崇 氏
工事の中断もあり得るということ。
長野県知事 阿部守一
再確認ということでありますから、可能性としてそういうことを排除しているわけでは当然ないわけであります。しかしながら、今の時点でそこまでやるやらないという話はちょっと先走り過ぎた話ですので、まずは再確認をきちんと行っていくということを私としては最優先でやっていきたいと思っています。
長野放送(NBS) 野平崇 氏
ありがとうございました。
読売新聞 香取直武 氏
また、放射性物質の検査の話に戻るのですけれども、検出された場合の対応ですけれども、暫定基準を超えることは想定されていないということですけれども、仮に微量なものでも検出された場合はどういう対応になるのか、つまり、その県のものはシャットアウトするということなのか、流通は認めるけれども、あとは消費者の自助責任に任せるという意味なのか、その辺をお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
それは、暫定値以下のものであれば、今は流通されているわけですから、そこまで踏み込んで止めるということにはならないと思います。しかしながら、国の基準があっても、もっと具体的な情報を知りたいという方々もいらっしゃるわけですから、情報についてはしっかりと出していくということが必要だと思いますし、当然、われわれの方で検査した結果については産地の側にもこういう結果が出ているよということは情報提供していく必要があると思います。
読売新聞 香取直武 氏
分かりました。販売などは原則認めるということだと思うのですけれども、確かにどんなに微量でも口に入れるのは嫌だという方が多分いらっしゃる一方で、仮にそういった検査結果が出て、それが風評被害の引き金なる危険性もあるという気がするのですが、その点いかがでしょう。
長野県知事 阿部守一
情報提供と風評被害というのは、受け取り方によって紙一重的なところが確かにあるかもしれませんけれども、国民、県民の皆様が今望んでいるのは、やはり正確な情報だと思います。それに対して行政としては、過剰な反応をすることがないように求めていかなければいけないと思いますが、それと同時にやはり事実関係というものはできるだけ包み隠さず、できるだけいろいろなデータを集めてそれについては全て公表していくことが基本だと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
一般質問を通じて、企業局の電気事業をめぐっては県会側からもどちらかと言えばですね、これまでの民営化計画について慎重な立場と言いますか、それを売らずに県で保有し続けることを望む意見というのが相次ぎましたけれども、こうした県会側の反応について知事はどういうふうにお考えでいらっしゃるか、教えてください。
長野県知事 阿部守一
一般質問をされた方々のご意見は、確かに今までの譲渡については立ち止まって考える必要があるのではないかという形のご意見が多かったと思いますが、県議会議員の皆さんも、質問されていない方も含めてさまざまなご意見があるのではないかと思いますので、これは議会でも答弁申し上げていますように、今のエネルギー政策の今後の動向とか、公営企業のあり方とか、将来に向けての収支見通しとか、そういうものを検討する中で方向性を定めて行きたいと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それから、今日の答弁の中で、昨日までの答弁の中にですね、結論の時期であるとかについては、表明ありましたけれども、今日、検討体制については庁内に研究会を設けてというようなお話でしたけれども、これはどういう構成でですね、どなたが責任者でやられるのか教えてください。
長野県知事 阿部守一
それちょっとまだ具体的にはこれからですが、エネルギー政策の方向性みたいな話も含めて考えていかなければいけないので、これは企業局だけではなくて、例えば環境部であるとか、他の部も一緒になって電気事業をどうあるべきか、ということは考えていく必要があると思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
今、環境部も一緒にということでしたけれども、比重をですね、企業局の発電事業、電気事業のですね、今後に置くのか、それとも今おっしゃったようなエネルギー政策の方に置くのかによって、よく国の審議会でもそうかも知れませんけれども事務局をどこに置くかというのは一つのポイントになる点だと思いますけれども、今お考えなのは企業局サイドに置くお考えですか、それとも環境部側に事務局を置くお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは、私は、実は電気事業のあり方というのは一般質問の中でもメガソーラーとの関係のご質問等もありましたけれども、まずは今まで進めて行こうとしてきた中部電力への譲渡の話をどうするのかという議論が先行だと思っています。それ以外、その議論をせずに他の部分の議論というのは基本的にできないし、やるべきではないだろうと思いますので、中部電力への譲渡をどうするかという議論の中で、もちろん幅広い視点からの検討はしなければいけませんけれども、まずはそうした今の方向性をどうするかという議論になりますから、そういう意味では企業局を中心とした検討という形になろうかと思います。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それからもう1点ですね、先ほどもお話しありました、昨日答弁をされた浅川ダムのですね、断層の調査に関しては、過去の調査においてもですね、専門家の間でなかなか評価が分かれたりであるとかということが繰り返された経緯もありますけれども、今回、県の方でお考えの掘削の調査については、評価はどういう方にですね、どういう体制で行ってもらうとお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
私としては、今までの議論の経過に基本的に関わってこなかった専門家の方にぜひ見ていただいて、意見を言ってもらいたいと思っております。今までいろいろな議論があった部分でありますので、私とすれば、あとあと不十分だったのではないかという形になるのが最も避けなければいけないことだと思っておりますので、そういう意味でこれまでの経過に全くしがらみのない方に判断をして、判断と言うか意見を言ってもらうということが必要ではないかと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
今おっしゃった、あとあと不十分だったと言われないようにという意味では、例えば複数にチェックを求められるだとか、そうしたことをお考えなのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
具体的にどなたにお願いするかということは、これからでありますけれども、私は第三者性が担保される方に見ていただいて、もちろん最終的にどうするかという取り扱いの判断は県として、私が責任を持ってやるわけでありますけれども、専門家のご意見という形では、今までの浅川ダム建設に関わってこられた方以外の方の意見をお伺いしたいと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
確認ですけれども、そうしますと複数の方ということになりますか。
長野県知事 阿部守一
複数の方が良いのか、お一人の方で十分なのか、あるいはお一人の方プラスこれまで関わった専門家の方の意見と突合するのかですね、そこはあまり大勢の人が見ていくことが必ずしも良いとは思わないので、私としては、本当にある意味で中立的な立場の方で専門性をしっかり持った方で、ご判断いただくということが重要だと思っています。
中日新聞 妹尾聡太 氏
原発事故への対応に関連して2点伺います。一つ目がですね、今日なのですけれども、愛知県と中部電力との間で浜岡原発の事故とか異常時に備えて、そういう通報体制、連絡体制などを盛り込んだ覚書(おぼえがき)というのを締結されたということで、長野県としてもですね、こういう合意文書、文書の形で中部電力始め、東電、それから北陸電力などにもですね、そういうものを求めていくというお考えはありますでしょうか。それが1点目です。
長野県知事 阿部守一
電力会社に対しては発災直後、安全対策についての申し入れをさせていただいているところでありますし、今後長野県の防災体制というのを考えた時に当然、原発を稼動させている電力会社の皆さんとの連携というか情報伝達も含めて不可欠だと思っていますので、ちょっと愛知県の中身がどういう中身かわからないですけれども、いずれにしても電力会社との情報伝達のあり方も含めて、きっちりとした形で確認していくことが重要だと思っています。危機管理部の方で補足することがあれば。
危機管理部危機管理防災課長 池田秀幸
ただいま知事が申し上げましたように、長野県としても3月に、中部電力、北陸電力それから東京電力さんにですね、それぞれ原子力発電所の安全対策についての申し入れを行っておりまして、その後、引き続き事務レベルでは連絡体制のあり方などについて協議をしているところでございます。中部電力さんとはですね過日信濃毎日新聞さんにも出ましたけれども、一応事務レベルでの連絡体制の確認事項はされておりますが、それは覚書(おぼえがき)というかどのような形にするのか、あるいは文書でするのか、それはいずれにしても調整中でございます。他の二つの電力会社とも現在調整中でございますので、また協議など整いましたら当然、皆様方にもお示しをしたいというふうに考えております。
中日新聞 妹尾聡太 氏
関連して、原子力災害対策特別措置法においては、原発で事故があった場合に長野県への通報の義務は無いというふうに聞いているのですけれども、そういう状況にあってですね口頭ではなくて、何か形に残しておくというのは安心感にもなるし、それから地域防災計画に位置付ける上でも意味があるのかなと思うのですが、その辺知事いかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
私も同じ意見ですね。今の法体系が原発周辺あるいは原発立地県との間だけ、非常にいろいろ細かい取り決めをなすような形になっていますけども、今回の福島原発の事故を見たときに、それだけでは必ずしも十分ではないというのが、多くの方の認識だと思いますし、私もそういう認識に立っていますから、そういう意味では長野県においても、長野県に影響をおよぼす恐れがある原発、電力会社との間はきっちりとした形の文書の形でどういう連絡をするのかとか、常時どういう形で意思疎通をするのか、そういうことは取り決めておくことが必要だと思っております。
中日新聞 妹尾聡太 氏
それともう一点。一般質問で放射性物質を含んだ廃棄物8千ベクレル以下であれば県内への受け入れもやむを得ないとおっしゃったかと思うのですけれども、それに対して改めてその意味というか意義、お考えを伺いたいと思います。
長野県知事 阿部守一
これは県民の皆さんの安全を守るということが最優先であると思っております。他方で、先ほども食品の放射性物質の検査の話を申し上げましたけれど、例えば暫定規制値を超えている、超えていないかの議論はあるわけですけれども、超えていないものは例えば食品でも流通してしまっているのが現状なわけでありまして、そういうことを考えればみだりに放射性物質を含んだものを拡散させるということは、それは抑制しなければいけないわけでありますけれども、しかしながら一定程度のものについては安全性を確保したうえで処理していくことを考えていかなければ、いろいろな被災地の災害対応も進みませんし、それだけではなくて通常の経済活動も進まなくなってしまう恐れがあると思っております。そういう意味で私としては処理場のモニタリングというものをきっちり行いながら、異常値が検知されないように目を光らせながら、受け入れていくということもやむを得ないと考えているところであります。元より基準が厳しいのか甘いのか、甘すぎるのではないかというご意見もありますけれども、私は都道府県レベルが厳しくしたり緩くしたりするというのはこれは逆に住民の皆さんの不安感をあおるということになりかねないので、仮に今の規制レベルが緩すぎるのではないか、ということであればそれは国において変えなければいけない、もしそういう判断を県としてすれば国に対してしっかりとものを申していかなければいけないと考えていますけれども、現時点では先ほど申し上げたとおりの考え方で、モニタリングを前提としての受け入れ、国の基準の範囲内での受け入れという形で考えているところであります。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
農産品の放射線検査の件で、これはどこの地域のものを対象にするのかということで、いたずらにその特定の地域ばかりのものを検査すると、その結果の如何に問わずまた風評被害を助長してしまうような気もするのですが。
長野県知事 阿部守一
そうですね。これは幅広くやっていくことが必要だろうと思います。例えば他の都道府県の検査をやっている自治体ということで、新潟県は広く行っていますけれども、茨城、千葉、栃木、群馬、埼玉、福島、岩手、山形、北海道、宮城に加えて私たちの長野県も対象になっておりますから、特定の地域だけではなくて幅広く行っていくということが必要だろうと思っています。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
今のイメージですと、だいたい東日本というような感じですか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。九州とか沖縄をやってもあまり意味が少ない、例えば空間放射線量を見てもほとんど関係ない地域もあるわけでありますので、当然広くとは言いながらもおのずと広さの範囲というものは、例えば放射線物質がこれまで農産物から検出されているような地域とかですね、そういう形にはなろうかと思います。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
もう一点別件で、北陸新幹線の延伸で、長野の地元では、長野新幹線の名前を残してほしいという要望が出ておりますが、これについて県はどう考えてらして、今後どんな働きかけをする予定でしょうか。
長野県知事 阿部守一
新幹線の名称の話については、これは地域の皆さん、それから地元の自治体において意見があるということは承知しております。これはなんていうか、私としては長野県にとっていい形にしていくというのが重要だと思っていますが、私がいつ何をどう言うべきかということについては、状況をよく判断して考えていきたいなと思っています。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
ありがとうございました。
読売新聞 香取直武 氏
先日、昨日ですか、JR東海の社長がですね、秋口ぐらいから沿線自治体と駅の負担についての交渉みたいなことがあって、その前の報道でも沿線自治体と協働してですね駅の負担についての交渉に始めるというような話もあったので、県としての進ちょく状況を教えていただければ。お願いしたいのですけど。
長野県知事 阿部守一
駅設置費用・・・。
読売新聞 香取直武 氏
駅設置費用についての交渉。
長野県知事 阿部守一
進ちょく状況というのは、まずはJR東海が考え方を取りまとめられるということになると思いますので、それを受けての対応という形になろうかと思います。関係する県は長野県だけではないので、他の県とも連携をしながら対応していくということが重要ではないかなと思っています。
読売新聞 香取直武 氏
それにしても、窓口は何か自治体側が窓口を一本化するとかですね、そういう形で交渉するというイメージなのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それは、一本化とか、平行ではないですかね。例えば一緒に集まって話をするということはもちろん有り得ると思いますけれども、誰かが代表者になってという形にはなかなかなじまないのではないかと思いますけれども。
読売新聞 香取直武 氏
交渉自体はもう場合でやっていくということ・・・。
長野県知事 阿部守一
そこまでは、まだ何の具体的な提案も無いので、そこの段階にはまだ至っていません。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
先ほど、原発事故を想定したですね、電力会社との間の取り決めの話ですけれども、先ほど知事は覚書(おぼえがき)であるとか協定になるのかちょっと分かりませんが、文書の形で残したいというようなお話でしたけれども、現況は中部電力さんとの間では、先ほど課長からもお話がありました通り、事務レベルでは何かあれば即、長野県にも通報してもらうとういう体制は一応事務レベルで確認ができているわけですけれども、現行のものをですね、そのまま文書にすることをお考えなのか、それとも愛知県とですね中電さんがされてらっしゃるような定期的な連絡会議の開催であるとか、そうしたもう少し内容的にも煮詰める部分があるのかどのようにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
ちょっと愛知県の中身を私は見ていないので愛知県との関係はよくわからないですけれども、少なくとも原子力防災対策について地域防災計画に位置付けていこうということにしているわけでありますから、原発事故が起きた時の情報伝達のあり方抜きに計画というのは作れないと思っています。そういうことを考えれば、これから原子力防災対策を議論する中で、どのような平常時の関係を持つべきなのか、それから事故等が発生した時にどういう形で情報伝達をしていくのか、これはうちの県の計画だけに位置付けても仕方ない話ですから、当然関係電力会社やあるいは国との関係も含めてですね、そこら辺は確認してしっかりと取組をしていくということが不可欠だと思っています。
長野県知事 阿部守一
よろしくお願いします。
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