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更新日:2015年6月22日
長野県知事 阿部守一
12月9日の会見を始めさせていただきたいと思います。私の方から3点冒頭お話しを申し上げます。
まず1点目ですが県議会11月定例会が先ほど閉会を致しました。提出した議案につきましてはそれぞれご議論いただいた上でご議決をいただいたということで大変ありがたいと思っております。直ちに11月補正、9月補正に経済対策それぞれ盛り込んでいるわけでありまして合わせて事業費ベースで157億円の経済活性化策を含む予算ということで迅速な執行に努めて着実に効果が上がるように努力をしていきたいと思っております。
それから2点目でありますけれども、皆さんのところにお配りをさせていただいているかと思いますけれども、来年度当初予算要求概要の公表を来週行っていきたいと思っております。昨年から財政課だけではなくて各部局がそれぞれ説明をしていくということにさせていだいているわけでありますので、今回も月曜日から金曜日まで順次説明をして公表をしていきたいと思っております。また今回は地方事務所長からの施策提案というのもありました。そして事業仕分けの本格実施もありましたので地方事務所長からの施策提案への対応状況、それから事業仕分け対象事業に関する予算要求の状況についても併せて公表をしたいと思っております。年明けの1月13日まで県民からご意見を伺うパブリックコメントを実施を致しますので、できるだけ多くの皆様方に関心を持っていただいてご意見をちょうだいできるとありがたいなと。ぜひ私は県民参加型の行政運営をしていきたいと思っておりますので、こういう機会にどんどん大勢の皆様方からご意見ご提案をいただければありがたいと思っております。
それから3点目でありますが、来年度の国の施策・予算に対する提案・要望ということで来週の月曜日、火曜日、12日、13日、国に対して提案・要望を行いに行ってきたいと思っております。政府、関係省庁それから民主党陳情要請対応本部等にお伺いをしてまいりたいと思っております。提案先や提案の項目については発表資料をお付けをしているかと思いますけれども、長野県北部地震、東日本大震災に対する復旧復興支援ということ、それから原発事故への対応と、これは通常とは違う内容に当然のことながらなっているわけでありますが、その他も地方財政の確立であるとか教職員の定数改善であるとかあるいは地球温暖化対策とか再生可能エネルギーの導入等々、私としては国にいつまでもお願いに行かなければいけないという状況こそまず改善しなければいけないと思いますが、今は国が財政を握ったり制度を握ったりしているわけでありますのでそうした中で長野県として実現したいことを実現するために国に対して強く求めていきたいと思っております。今回、県と市町村の協議の場で森林について議論をしたときに野生鳥獣被害への対応ということを一緒になって要請に行こうという話になりましたので、市長会長それから町村会長と一緒にこの点については要請をしてきたいと思っております。また併せて三遠南信道路の建設促進期成同盟会、私が会長でありますので併せて三遠南信道路の建設促進についても国に働きかけをしていきたいと思っております。私の方からは以上でございます。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
1点目は予算編成の関係で1月13日までパブリックコメントを実施ということなのですがその後の総務部長、それから副知事、知事査定となっていく経過については昨年ベースでは事後的に審査の結果を公表するような形だったと思うのですけども、特段変更はなく例年と同じような形で知事査定後の発表という形をとるのかいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そこは特段変更ないです。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
はい。分かりました。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
それから話は変わって、今県会でですね、いわゆる事業仕分けの件について、改革・新風の倉田代表からですね、現行どおりの継続については、このまま来年度に予算計上された場合には、なかなか賛成しにくいというような発言もあったんですけれども、議会側には毎回やるものではないとかですね、そういった意見もあったりして知事は従前ちょっと抽象的な話になっているというような感想を述べられたと思うのですが、改めて仕分けに関するですね、県会側の反応も含めて、知事の現在のご見解をお伺いしたいのですけれども。
長野県知事 阿部守一
信州型事業仕分けは、私としては、国の仕分けが単に予算をばさばさ切るというイメージが非常に強かったので、信州型ということであえて銘打って、前向きな見直しにつなげていくと、もちろん廃止したり縮減したりする事業も当然あるわけですけれども、前向きに見直しをしていくものもあるよということで実施をしてきているわけでありまして、私とすれば、ここの場でも何度かお話しをさせていただいていると思っておりますけれども、事業仕分けのあり方というのは、唯一絶対これが正解というものは必ずしもないわけで、先行実施のときとそれから本格実施のときも、判定人方式を取り入れてやるということで、私としては、進化・改善をしてきていると思っています。そういう中で、これからどうしていくかというときには、やはりこれもここで申し上げているように、透明性、公開性それと第三者性、この点についてはしっかりと堅持しなければいけないと思っておりますので、議会の中でのご意見が、どういう点に着目をされてのご意見かということがよく分からないので、なんともそのとおりですというのがいいのか、そうじゃないですと言うのがいいのかよく分からないですけれども、私の考え方としては以上言ったような点については、しっかりと持ちながらあり方を考えていくということだと思っています。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
そうするとあり方というのは、現在のものを発展・改善していくという考え方もあるでしょうし。
長野県知事 阿部守一
より良いものにしていくという観点はあると思います。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
はい。分かりました。
中日新聞 小松田健一 氏
仕分けについてですが、今、知事がより良いものにしていくということをおっしゃいましたが、つまり平成24年度以降も仕分けは実施したいというのが現在の知事のお考えなのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。ここでも、いろいろご質問があって、例えば事業仕分けという名前がいやだと言う人達もいなくはないわけですけれども、私としては基本的に執行機関というか知事として、事業のあり方というのは常に見直していく、検証していくということが必要と思っておりますので、そうした観点でこれまでやってきている信州型事業仕分けの基本的な考え方については、継続をしたいと思っています。
中日新聞 小松田健一 氏
そうしますと平成24年度当初予算には、仕分けの関連予算を計上する方向で、これから財政当局で検討するということでよろしいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
要求が上がってきたのを私の所で調整することになるので、例えば、今回の事業仕分けも判定人方式をやって、その判定人と仕分け人との関係のあり方とか、例えば判定人の方はまったく議論に参加できないし、仕分け人は逆に議論はできるけれども、基本的に仕分け人の意見は判定に反映させないというようなことでやっていますので、そういうところは検討する余地はあるだろうとは思いますし、事業の名称が事業仕分けがいいのか、事業の再検証がいいのかという議論はあるかもしれないですけれども、基本的に事務事業のあり方を第三者の目線で、そして公開の場で行っていくということは、私は重要なテーマだと思いますししっかりとやっていきたいと思っています。
中日新聞 小松田健一 氏
ありがとうございました。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
その関係で県のやっている評価制度、事務事業の評価に関しては、知事は必ずしもその効果の面でですね、過去の会見でも、多少疑問視する部分も話されたことあると思うのですが、次年度の組織改編、それから制度を見直す中で、現行の制度については、ちょっと検討していく考えがあるのかどうか。
長野県知事 阿部守一
ええ。これは議会でも政策評価のあり方みたいな議論がありますけれども、長野県においては中期総合計画の進行管理と一体になっているので、それは今の中期計画を維持していくという観点では、それは表裏一体になっているのかなと。ただ私としては、政策評価なり事務事業評価のあり方というのは、本当に十分機能しているのかどうかというのは、今後よく検討していかなければいけない課題だと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
今の事業仕分けの話ですけど、今のところはですね、名称の話が1点ありましたが、知事としては以前名称にはこだわらないというお話はありましたが、一方で信州型事業仕分けというのはですね、知事の公約の柱でもあったわけですし、その言葉が2回、定着してきている面もあるのかもしれませんが、知事の現在の考え方としては名称含めて、信州型事業仕分けという名称で続けたいという現時点でのお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そこは、私はどうもその議論が感覚的な話ではいけないと思っていまして、むしろどうやって本当に県民の皆さんの目で事業を見てもらえるかということが一番大事だと思っています。そういう意味で名称がこうだからおかしいとかとそういう議論にまったく組みするものではありません。むしろ中身をちゃんと表せるような名称でも私はいいと思いますけれども、ただ県民の皆さんには信州型事業仕分けということで言ってきているわけですから、そこはそういうことをやってきたということは前提にしながら検討していくということだと思います。信州型事業仕分けに対して、いろいろなご議論がありますけれども、私は信州型事業仕分けの内容を改善していくと、常にブラッシュアップしていくということが基本だと思っていますので、名称の話は実質の話からするとあまり重要ではない話、ただ県民の皆様方になんとなく届き方が悪くなってしまうような名称では仕方がないので、私は信州型事業仕分けが県民の皆さんの中に定着しているのであればそれを維持していくという選択肢も当然重要な選択肢の一つだと思いますけれども。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それから次に中身の話なのですけれども、先ほど知事がおっしゃられたのは今までの仕分けのですね、公開性であるとか外部の視点などを確保してより良い方向にというお話だったかと思いますけれども、議会側で、特に改革・新風さんの方でおっしゃってらっしゃるのは現行の事務事業評価にですね、第三者評価の視点を入れていくというようなおっしゃり方をされてらっしゃって、アプローチはもともとがどちらからというのがあるのかもしれませんけれども、おっしゃっている視点とすれば、第三者の視点を入れるということころまでは共通するわけですよね。そうすると若干、どこでどう違うのだろうというちょっとよく分からない、まだはっきりしない面もありますけれども、知事が今まで県会会派であるとか予算要望などで提案されているものと、ご自身が今までやってこられた事業仕分けとの違いというのは今どんなところで感じてらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
それはいろいろな意見があって何が本質的な問題としてご指摘いただいているのか十分私は理解できていないですね。例えばもともとの議論を思い起こせば、例えば仕分け人が外部の構想日本の仕分け人はけしからんという話もあれば、コストパフォーマンスが悪いのではないかという話もあれば、いろいろな議論があって、私はそうした意見には納得は全然していないですけれども、県民の皆さんの前で結論を出して方針を出していくというようなやり方というのは、今までの事務事業評価というのはどれだけメディアの皆さんも評価されているのか私もよく分からないですけれども、私が少なくとも政策を考える上ではあまり役立てていないですよね。中期計画が進んでいるか進んでいないかというのは、それは別に面倒くさい評価をしなくたって、数値目標の設定の仕方がしっかりしていれば、分かる話でありまして、むしろ個々の事業のこれは本当にこんなやり方でいいのかとかですね、そういうことをつまびらかに議論していただいているのが事業仕分けです。これはしかも第三者の視点というので県の職員以外がやっているわけですから、そういう意味では事務事業評価と事業仕分けというのは私はまったく似て非なるものだと思っていますので、今までやってきているものを途中で中途半端に終わらせるということは私は基本的には考えないですけれども、さっき言ったように事業評価のあり方もその新しい中期計画を作るわけですから、セットで見直していかなければいけない課題だと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
最後に、もう一つ議会から主張としてあるのはですね、知事が最初にやられたときの、今年の1月のですね、先行実施の際には対象になった事業というのはですね、村井県政時代、前県政時代に編成されて執行された予算決算が対象になったわけですけれども、本年度の途中からそうですし、仮に来年度やれば完全にそうなるんだと思いますが、今後は阿部県政として編成した予算が事業仕分けの対象になるということで、議会側に意見としてあるのは、自身が編成した事業を対象にするというのは、手戻りではないですけれども事前に予算査定の段階で必要性であるとかっていうことは議論すべきことであって、事後にもう1回やるのは手戻りじゃないかというような主張があるかと思うんですが、それについては今のところ知事はどういうふうにお考えになられたり、それはこう役割が違うんだであるとかっていうどんなご説明をされますか。
長野県知事 阿部守一
本当にそういう意見あるのですかね。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
あります、あります。
長野県知事 阿部守一
自分で組んだ予算だから見直しをしてはおかしいという理論が成り立つとすれば、あらゆる事務事業見直しは、それはおかしいという話になるという感覚が私はありますけれど。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
言葉足らずだったかもしれないですが、議会側で言われているのは全否定というよりは、それを毎年やることへの否定的な意見というか・・・。
長野県知事 阿部守一
来年度予算に向けて事務事業をどう見直すかというのは、毎年やっているわけですよね。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
議会側がおっしゃっているのは、費用も含めてなんでしょうけれども3年に1度であるとか数年に1度ぐらいにすべきではないかという先ほどのような・・・。
長野県知事 阿部守一
3年も経ったらもう世の中激変しているわけで、1年たっても世の中私は相当変わっていると思いますから、それは30年前ぐらいの感覚であれば私はそういう議論が成り立つと思います。要するに右肩上がりで今年より来年の方が税収が増えるから今までの仕事はそのまま置いておいて、プラスアルファで仕事を増やしていきましょうという時代もかつてはあったと思いますけれども、そういうときはあまり事務事業を見直すよりはむしろ新しい事業を一生懸命考える方が重要だったと思いますけれども、私は予算年の右肩上がりかどうかという話だけではなくて、やはり世の中のあり方というのもどんどん変わっていくわけですから、しかも今の事業仕分けだって別に全事業の仕分けをやっているわけじゃないわけです。私は県民の皆さんの思いとか考え方というのは、事業仕分けを2回やって「ああこんな事業を県がやっていたんだ」と、実は「これ非常にいいよね」という意見もあるわけです。あるいは「こんなの無駄じゃないか」と両方意見あるわけですけれども、税金で仕事をやっているわけですけれども、やはりわれわれのやっている仕事というのは、これまでもあまり伝えられてきていないと思っていますから、私はだから公開性、第三者性を大事にしながら事業のあり方を考えるということが必要だと思っていますし、私が組んだ予算について見直す必要がないっていうのは、理由がないのではないかなと思います。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
一連のお話やルールを伺っていますと、非常にその今までのと言いますか引き続き事業仕分けをやりたいという意欲が非常に感じられるお話でしたけれども、そうしますと逆にどういうところを今後については見直す論点になり得るというふうにお考えですか。
長野県知事 阿部守一
それはこれから、事業仕分けの今年の結果もこれから出していくわけですから、そうしたものも含めて考えていかなければいけないと思いますけれども、さっき言ったように判定人方式、これ県としては全国で初めて導入したわけですけれども、結構やっぱり課題もあるかなとも思っています。それから、広い長野県の中で長野と伊那で今回やりましたけれども、そういう会場、複数会場で今回かなり事業数も多くやったので、事務的には正直、行政改革課の職員を中心に大変だったと思いますけれども、そういう効果とか事務負担とかそういう側面はよく考えていかなければいけないだろうなと思いますし、何というか私としては、県の事務事業に県民の声、県民の目線というのをどう入れていくのが一番いいのかという観点で考えていきたいなと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
週明けの予算要望の今のメニューがいくつか書いてあるのですけれども、もし今お聞きできる範囲で伺えればと思うのが二つありまして、一つは2番の福島第一原発事故に伴う対応というのはどんなものを想定されているのかというのと、8番の温暖化対策と再生可能エネルギー導入というのはどんなことを提案されるご予定があるのか、もし今伺える範囲でお願いしたいと思います。
長野県知事 阿部守一
原発の方は、先の知事会のときにも申し上げたわけですけれども、政府には私は責任を持って、そして厳格な基準でスピード感を持って対応してもらいたいということをお話しさせてもらいましたけれども、基本的に今回も同じような話で、例えば原子力災害の対策については国として明確な基準を定めて、全国統一的な対応をするようにと、そして国民全体に分かりやすく説明をしてほしいということとか、あるいは原子力災害による風評被害とか、輸出規制等の影響を最小限に止めるために情報提供とか輸出品への証明等について国が責任をもって対応することとか、あるいは緊急時のモニタリング体制、これは今後の防災の話ですけれども、原子力安全防災対策については原発の立地隣接県、原発立地県以外においても国が責任をもって実施することとかですね、そういう一連のことについて要請をしようということであります。それからもう一つ、温暖化対策と再生可能エネルギーの導入については、まさにこれから議論がされていくわけでありますので、持続可能な社会を実現するのにふさわしいエネルギー政策を早期に確立するようにということ、それから地方公共団体がこれからさまざまな地球温暖化対策を行っていくわけでありますので、そうした財源の確保、さらには再生可能エネルギーを拡大するための仕組みの構築と、自然エネルギーの導入、拡大も含めて、国としてしっかりとした仕組みあるいは支援策を講じるようにという内容です。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
はい、それとあと1点、別の話で、いま南アフリカのCOP17ですか、日本の立場としては、もう今日だか閉会だという話ですけど、京都議定書で日本でできた温暖化防止の枠組み、軒並みEUとかはじめとして延長の方向に議論があると伺っているのですが、まあ日本の立場としては主要国の参加が見込めないので、離脱、離脱ではないそうなのですけど、日本としては義務を負うことはできないと、京都議定書を延長する義務を引き継ぐことはできないというような報道があるのですが、知事も温暖化対策に力を入れていらっしゃるお立場で、この日本の立場というのはどういうふうにご覧になるでしょうか。
長野県知事 阿部守一
京都議定書に対しての政府の今の方針は十分承知していないですけれども、しかしながらこれは私は地球温暖化の問題というのは、むしろ日本が中心になって積極的に引っ張っていかなければいけないテーマだと思っています。かつて横浜市にいたときにアフリカ開発会議を横浜で開催したときに、私も会議に参加しましたけれども、先進国は経済成長との兼ね合いでの議論というのが当然あるわけでありますけれども、いわゆる発展途上国にとってみれば現実に地球温暖化による干ばつだとか水害だとか気候変動による生活、命にかかわるような事象がすでに起きてきているという状況ですから、われわれ電気をふんだんに使って便利な生活をしている国々こそがまさにこの温暖化の問題に責任を持って向き合うと。日本のいろいろな省エネ技術というのは、私は世界の中でもトップクラスの技術力を持っているところが多いわけでありますから、むしろそうした気候変動、温暖化対策の中で強いリーダーシップをとることによって、私は日本の経済的な側面にもプラスにつなげることができるのではないかと。そこの日本の姿勢が温暖化に対して後ろ向きだとか、弱腰だという形に見られるということは、私はいろいろな意味でマイナスではないかなと思います。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
そういう意味では今回の日本の政府の対応というのはどうかなという感想はお持ちですか。
長野県知事 阿部守一
日本政府は京都議定書の目標は守らないと言っているのでしょうか。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
来年で確か第一約束期間が終わるので、その後の自動的な延長というか、それには乗らないというふうに確か。
長野県知事 阿部守一
日本は日本としての言い分はもちろんあって、EUの京都議定書における目標設定の仕方がそれは日本としても、ほかの国々と比べて厳しすぎるのではないかという議論は当然あると思います。しかしながら、温暖化対策というのは世界の国々が共通して取り組まなければ意味がない話ですから、何とかまとめる方向での、努力を最大限していくということが政府においては強く求められると思います。
朝日新聞 野津彩子 氏
先ほどから話が出ている仕分けについて関連してお尋ねしたいのですけれども、まず、先ほどの話の中で県の事務事業評価について疑問視しているというふうにおっしゃっていたのですけれども、どういう部分について疑問視していらっしゃって、それがどうあるべきだと思っているかということと、あと先ほどこれも出た話で判定人方式の課題があるというふうにおっしゃっていたのですが、それについてどういうふうに考えていらっしゃるか具体的に教えてください。
長野県知事 阿部守一
まず、事務事業評価の課題というのは、ひとつは事務量が多い。職員が一生懸命に作って、それは定着はしているようでありますけれども、それで実際の施策展開なり、あるいはそれを通じて県民にどの程度事業のあり方が伝わっているのかということを考えたときに、伝わっているのでしょうか、ほとんど伝わっていないのではないかと思うのです。それは役所が自分で作って、自分で評価してということでは伝わりようもないし、総合計画審議会で議論はしていただいていますけれども、あそこでの議論は基本的に進ちょく管理の話になっているわけで、やはり仕組みとしてそもそもどこがおかしいのか、いいのかという、そういう議論がなされなければ、県民にいくら分かってください、こういうことをやっていますと言っても伝わらないのではないか、という根本の問題意識を私は持っているのですけれども、メディアの皆さんは政策評価とか事務事業評価はどれくらい見ているのでしょうか。まさに皆さんの感覚と県民の感覚は多分同じ感覚だというのが私の思いです。事業仕分けについてはこれだけ良くも悪くも議論になっているわけで、県民の皆さんも事業仕分け良かったねとか今後どうするのかと関心を持ってもらえているわけですから、そういう意味では全然違うのではないかと思います。それから判定人方式の課題ですけれども、よく事業仕分けで言われる議論の中に全然知らない人が議論して何だということがよく言われるわけですけれども、事業に関係ない人、あるいは事業をよく知らない人の意見というのも本当は大事だということで、判定人方式を導入しました。しかしながら今回のいろいろな話を聞いている中で、やっぱり判定人の方からは、少し自分の意見も言いたいという方もいらっしゃるし、さっきも言いましたけれど仕分け人の方々も議論するだけでなんとなく結論にはあまり関われないということで、ちょっとそこら辺のあり方というのは、まだ必ずしも確立はされていないなと思っているので、そうした点についてはどういう形がいいのかということも含めて考えなければいけないのかなと思っています。
朝日新聞 野津彩子 氏
ありがとうございます。最初の事務事業評価については、評価の基準だとかやり方に関して疑問視しているというよりかは、その結果のい生かし方について十分ではないかなとお考えということでよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。あと政策評価、事業仕分けと評価と同じようなところもあると思うのです。しかし、職員の自己評価がベースというのは、私も公務員をやっていましたけれど、自分がやっている政策はそれは効果が上がっていると普通は書きますよね。明らかにいろいろなところから批判を受けていたり、自分達がそもそもこれはもうやめた方がいいのではないかと思っているのは、評価を低くするのが普通の感覚だと私は思いますね。それだと私は意味がないのではないかなと思うので、書類もしっかり整っているし一生懸命やっていることはまちがいないのだけれども、私のところに例えば評価がAだとかBだとか見せられて、なるほど、だからじゃあこうしましょう、という感覚には率直に言ってならないなと。仕分けで出ている議論、論点は私は率直になるほどと思うことが多いですけれども、そういうところはやっぱり違うのではないかなと思います。
朝日新聞 野津彩子 氏
分かりました。
朝日新聞 野津彩子 氏
10月の終わりに改革・新風から仕分けを発展させた形ということで県民モニター制度の提案があったときに、知事がそれを前向きに受け止めて、仕分けとは別のものというふうに会見でその後におっしゃっていたとは思うのですけれども、モニター制度自体は前向きに受け止めていたように感じるのですけれども、それについては何か来年度予算に向けて検討したりとか、具体的に今進めている段階なのか検討しているのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、私は広く県民の皆さんから県政に対してご意見を聞かせていただくということは、いろいろな手段を通じて行っていくことが必要だと思いますので、そういう意味では、県政モニターというご提案に対しては前向きに対応をあのときもさせていただいたと思っていますし、ぜひご提案いただいた趣旨が生かせるような形を今後考えていきたいと思っています。
朝日新聞 野津彩子 氏
今具体的に何か進んでいる話というのはありますか。
長野県知事 阿部守一
それは、要求の所で出てくるではないのかな。これはたぶん要求の話の中に出てくるので、そのときにちょっと私が精査してこれをやるっていう話でまだやっているわけではなく、そういう方向の検討はするようにということで言っていますので、また要求のときに聞いてもらえればと思います。よろしいですか。
朝日新聞 野津彩子 氏
分かりました。ありがとうございました。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
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