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更新日:2015年6月23日
■新県立大学基本構想(概要)(PDF:174KB)
■新県立大学基本構想(本文)(PDF:240KB)
■新県立大学基本方針(PDF:209KB)
■高等教育全体の振興策(案)(PDF:102KB)
■管理栄養士受験資格の取得に関する県の考え方(PDF:54KB)
長野県知事 阿部守一
新しい県立大学の基本構想について、とりまとめをさせていただきましたので、会見でお伝えをさせていただきたいと思います。
私の方から県立大学の基本的な考え方についてお話をする前に、私のところでこの構想でいこうということで固めさせていただきましたが、若干準備委員会に出した段階のものと、いくつか変わっている部分がありますので、その点について、増田室長の方からご説明させていただいて、その後全体的な考え方について、私の方からお話をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
総務部県立大学設立準備室長 増田隆志
お手元のところに新県立大学基本構想としてお配りしてございますが、設立準備委員会に訂正されました原案から何カ所かの修正がございます。概ねの、大きな方向性での修正ではございませんけれども、設立準備委員会では、健康文化学科に対する慎重に検討すべきという意見は文章自体に反映されていないのですが、それ以外のご意見としては、内容については良いとした上で、より大学あるいは学部・学科を設置する趣旨、意図、それから姿勢というものを明確化すべきではないかというご趣旨のご意見が多かったと思います。また、今後の基本構想の段階の次の実際の作り込みにあたって、それを実現するために具体的にこういう取り組みをしていくというご趣旨のご意見を頂戴しているところです。そのうちの前者につきまして、何カ所かを修正させていただきました。細かい文章につきましては、全体の中に溶け込んでおりますので、一つ一つの説明はしづらいのでございますが、まず趣旨の中に先ほど申しましたように、県立大学をつくる意義、それから現在の県立大学をつくる、人材育成を求める状況・時代背景といったものを盛り込んでおります。それから自立した人材育成を目指すのだということを言葉として明示したりしてございます。それから、趣旨あるいは内容の中で、既に触れられていたところなのですが、女性とか高齢者、これから社会で大いに活躍していくことが望まれるし、高齢化社会が進行するということで、そこの人材育成に力を入れていくということを明示しております。また、趣旨のところで言いますと、2ページの趣旨の最後の3行を見ていただければと思うのですが、大学の設置にあたっての姿勢、新しい大学をつくるものであるという姿勢をここで明確にうたっているところでございます。以降、理念につきましては、先ほど申しました自立した人材の育成ですとか、年齢・性別に関わらず教育をしていくというような趣旨のことをうたっております。3ページの人材育成の目標につきましても、ここは趣旨は同様なのですけれども、グローバルな人材育成を行っていくのだと、自立した人材、それからグローバルな視野を持った人材を育成していくということを明示してございます。それから教育内容・方法につきましては、例えば1年次の原則全寮制と表示させておりますけれども、そういった教育内容を明確に分かるように表現を直してございます。4ページは同様に全員が海外プログラムを履修ということで特長を分かるような表示に改めてございます。それから5ページの入学者選抜のところは、入学者選抜に対する現在の大学自身が抱える課題に抜本的に取り組むのだというところを明示してございます。ここも委員のご意見を受けて修文したところでございます。それから6ページの社会人のキャリア開発のための学習支援、多様な学習機会の提供というところにも、年齢や性別を問わずということを強調してございますし、7ページの大学運営でございますが、これは基本構想の特長でもございますが、大学のガバナンスの確立という表現に直してございます。学長のリーダーシップが発揮できる運営体制を確立するという趣旨を明確にしたものであります。それから県内大学等との連携のところを重点ということを明示致しました。それから8ページにまいりまして、サテライト・ラボという表現にとどまっていたのですけれども、サテライト・キャンパスやサテライト・ラボ等の検討ということにしてございます。それから同様のページなのですが、地域貢献のところでグローバル社会における地域課題の解決ということで、グローバル社会におけるということを強調した上で、センターの名前をいずれも仮称でございますけれども、グローバルビジネス創出センターと改め、中段以降に産学官の連携による長野発のグローバルビジネスの創出に取り組む、あるいはインターンシッププログラムを行うという具体的な書き込みをしてございます。実践に向けた具体的なものを書き込んだところであります。それから9ページ学部・学科以降につきましては、それぞれ学部の趣旨・意図について、より明確化するために何カ所かの修文をしているところでございます。例えばグローバルビジネスにおきましては、世界市場における活動ですとか、それから10ページの健康文化学科につきましては、「健康文化」を世界に発信し、健康な社会づくりを牽引(けんいん)していくということを明示するなどでございます。それから11ページにまいりまして、先ほど申しましたグローバルビジネス創出センターの名称変更と内容の具体的な書き込みということで、名称の変更それから長野発のグローバルビジネス創出及びインターンシッププログラム実施というものを具体的に書き込んでいるところでございます。以上でございます。
長野県知事 阿部守一
修正したところについて、お話をさせていただきましたけど、あまり細かいところばかりお話をしていても仕方がないところがありまして、今回の大学の設置に向けた取り組みについて、今一度皆さんと一緒に振り返らせていただきたいと思いますが、まずそもそもこの新県立大学の設置については、非常に長い間議論されてきたところであります。平成4年の2月の定例県議会で、県立短期大学4年制大学昇格に関する請願書、これは大勢の12万人の署名が添えられて県議会で採択をされたわけであります。その後、平成13年の2月県議会におきましても同趣旨の請願が採択されました。その後、平成19年度の包括外部監査の中で、この短期大学4年制化についての提言がされたわけであります。全国における短期大学の現状を踏まえると、短期大学のまま存続するということは廃学への道を歩むこととなりかねない、4年制大学への移行を検討していくことが望まれるというご指摘を受け、村井前知事の時代の平成22年2月に「長野県短期大学の将来構想に関する検討委員会」というものが設置されて、具体的な検討がスタートされたわけであります。平成22年に県として大学教育についてのアンケートを行わせていただいております。長野県の大学教育についてのアンケート調査ということで、高校生、あるいは企業、県民の皆さんにご意見を伺ったわけでありますけれども、高校生、そして企業の皆さんは約6割、そして一般県民の皆さんは広く全体としては約7割が新しい公立4年制大学の設置を希望あるいは必要ということで、ご回答されているわけであります。必要、あるいはどちらかといえば必要を合わせると、県民全体で68.5パーセント、保護者だけに限ると、74.5パーセントという数字になっているわけであります。将来構想検討委員会では、こうしたアンケート結果等も踏まえて、議論を進めて一昨年7月、「長野県の高等教育をより一層充実するため、短期大学を改組し、新たな公立4年制大学に転換することが必要」という報告書をまとめて、その報告書を受ける形で、昨年2月に県立大学を設置していこうという方針を決めさせていただいたわけであります。その後、5月に県立大学設立準備委員会を設置して、約1年検討してきたわけでありますけれども、この度新しい県立大学の基本構想案がとりまとめられたわけでありまして、私としてはその案について先ほど申し上げました一部修正を加えた上で県としての構想にしていくということで決定をしたところでございます。
皆さんに資料をお配りしているかと思いますが構想とは別に新県立大学基本方針という紙をお配りしているかと思いますが、2枚紙の表裏で全部で4ページのものがあろうかと思いますが、構想だけだと全体像がなかなか分かりづらいので、基本方針ということで全体的な考え方をまとめさせていただきましたのでお話をしたいと思います。
まずは四角のところに書いてありますのがこれ基本的な考え方であります。グローバルな視野を持ち、ビジネスや地域社会にイノベーションを創出していく、自立した人材を育成していくと、そのことをもって長野県の発展に貢献する大学をつくるという観点で基本構想に基づく新しい県立大学を設置していきたいと考えています。これも私もいろんなところでお話しさせてきていただいていますが、地域の課題、あるいは長野県の課題、そうしたものを解決していく、乗り越えていく、あるいは新しい産業や地域の活性化の方向を導いていく。その上で必要な視点というのは一つはグローバル、もう一つはイノベーションだと考えています。これは長野県の基幹産業である製造業、多くの企業が海外との関係抜きには語れなくなっているわけではありますが、製造業に限らず、観光業でありますとか農業も含めて、今やグローバルな視点、グローバルな視野を持たずに、産業の将来、地域の将来は語れないという時代であります。またかつてのように右肩上がりの経済成長の中で、皆が同じ方向感を持って、とにかく大量画一的な生産をして富を得ようという時代はもう過去のものになっているわけでありまして、新しい時代を創りだしていく、新しい価値を創造していく、そういうイノベーションが強く求められる時代になってきているわけでありまして、そうした意味で、このグローバルでイノベーション、グローバルな視野を持ってイノベーションを起こし、そして自立できる、そうした人材をつくっていくということが、長野県の発展にとっては不可欠であると考えております。また、合わせて、今申し上げたような視点は、一人県立大学だけが担うものではないと思っております。
長野県内の高等教育全体、信州大学、私立大学等も含めて、県内の高等教育全体の振興を図る中で、長野県の発展を目指していかなければいけないと考えておりますし、加えて、大学を改革していくということが長野県の教育、高校、あるいは小中学校の教育に対してもプラスの効果を与え得るものだと考えています。その下に県立大学設置の目的、3点ほど書いてあります。1番目、県内経済の発展と地域社会の未来を担う自立した人材の育成ということで、ここは今申し上げた視点であります。それから2点目、県政推進のための知の拠点ということで、これは長野県のさまざまな行政課題、そうしたものを解決していく上で、人材そして知というものが極めて重要であると考えております。新しい総合計画、「しあわせ信州創造プラン」でも人と知の基盤づくりということで高等教育の振興をうたっているわけでありますけれども、この県立大学、長野県の知の拠点という位置付けで育成を図っていきたいと考えています。それから、3点目、県内高校生の進学の選択肢の拡大ということで、残念ながら長野県の大学収容力は非常に低い水準にあります。また実際に大学進学者の8割以上は県外大学に進学しているという状況であります。このこと自体、私立大学の皆さんと問題意識を共有しなければいけない問題だと私は考えておりますが、先ほどのアンケート調査等からもですね、県内の大学に対するニーズというものは非常に高いものがありますし、そうしたニーズに対してしっかりと応えていくということが重要だと思っております。余談になるかもしれませんが、全国的に大学議論がされてきています。私、一番の問題は大学に対して国民の満足度が非常に低いということが問題だろうと考えています。もちろん各大学いろいろ改善をしているわけでありますけれども、なかなか、例えばですね、日本の大学に良く言われるのは、私も昔自分が大学生になって感じましたけれども、大学に入るまでは一生懸命勉強して、そこから後は何となく卒業できちゃうと、そんな大学が社会や企業のニーズを満たせるわけはないだろうと私は感じております。日本全体、全国的なアンケート等を見てもですね、やはり大学教育に対する国民の満足度は低いわけでありまして、そういうところをやはり、変えていかなければいけないと、そういう変えていく上での一つの先駆的な取り組みとして、この県立大学のプロジェクトに邁進(まいしん)をしていきたいと思っています。また県内の大学収容力が低いということが書いてありますけれども、日本全体を見たときに日本の進学率というのは国際的にみても高くないと、低いと言われています。これから成熟社会を迎えるにあたって、日本は支援がないとずっと言ってきているわけです。ずっと言ってきているのであればもっと教育についてですね、しっかりと投資をしていかなければいけないだろうと、人材育成に対して真剣に向き合っていかなければいけないだろうというのが私の思いであります。これは一人長野県だけが意気込んでも難しい側面はありますが、しかしながら幸いなことに全国レベルで大学改革の動きが出てきているわけでありますから、そうした機をとらえて、長野県からこうした大学改革をしっかり進めていくと、高等教育の在り方を見つめ直していくということは極めて重要でありますし、必要なことだと考えております。そういう観点で新しい県立大学、志を高く持って取り組んでいきたいと考えております。それから2ページ目のところでありますけれども、今の話とも関連しますが、新しい大学の特色ということで4点ほど書いてありますが、1つがグローバル社会に対応できる人材育成ということで、そこにも書いてございますけれども、やはりこれから長野県の産業、あるいは長野県が地域としてですね、活力を持ち続けていく上では海外とのつながりというのは極めて重要だと思っています。そういう観点で教育方法の中には海外プログラムの履修を全員に義務付けると、あるいは留学生を積極的に受け入れると、それからいわゆる教養教育、そうしたものに力を入れていくと、また入学者選抜にはTOEFL、TOEIC等を活用していくと、そういうことを通じて実践的な英語力をしっかり身に付けることができる教育プログラムにしていきたいと考えています。それから2点目地域のイノベーションを創出する人材を育成しますということで、これについては地域の資源を最大限に生かしていかなければいけないと思っております。県内企業、自治体と連携して課題を自ら発見して解決していく課題探求型の授業、あるいは教員も象牙の塔の中の人たちばかりではなくてですね、実践的実務家教員を積極的に採用していきたいと考えています。そういう中で長野県の現実の課題、現実の状況というものをフィールドにしながら、実践的な教育を進めていきたいと考えています。それから3番目、学生が徹底的に勉学に励む仕組みづくりをつくりますということで、大学生の学習時間、アメリカなんかと比べると圧倒的に少ないと、これは教育のシステムだけではなくて社会全体が考えていかなければいけない部分だと思いますが、しかしながら、大学に入って目的意識をしっかり持って、勉強してもらう環境をつくっていくということが極めて重要だと思っています。そうした観点で少人数教育、学生支援の充実ということはもとより、1年生については全て寮に入れるという方向で取り組んでいきます。また進級卒業にあたっては何となく留年さえしなければ、何となく進めるというような話ではなくて履修成果を厳格に評価をしていきたいと考えています。それから4番目、大学改革を先駆的に実践ということで、入学者選抜方法の改革、大学ガバナンスの確立ということでこれまで大学改革なかなか進まなかった要因の1つは学長がリーダーシップを発揮しにくいガバナンス体制があるということをよく言われる話でありますので、今回の県立大学におきましては、創設時からそうした部分については、しっかりと対応した仕組みづくりを行っていきたいと考えております。それから3ページ目、各学科の目的と特色ということで、総合マネジメント学科、こども学科、健康文化学科の2学部3学科ということで考えていきたいと思っておりますが、総合マネジメント学科、まさにイノベーションを創出できるリーダー育成の学科にしていきたいと考えております。長野県の産業もグローバルな視点での人材を強く求めているわけでありますので、そうしたものに対してしっかりとコミットできる大学にしていかなければいけないと思っています。それからこども学科については、これは高度な専門性を持って地域の子育てをマネジメントできる人材をつくっていこうということで、近年発達障害を含めてですね、子どもたちを取り巻く環境は非常に厳しいものがあります。私も保育園、あるいは幼稚園を回ったりして保育園の先生方と話をすると、非常に例えば発達障害に対する専門性の必要性を多くの方たちが感じてらっしゃいますし、例えば児童相談所の業務等を見てもですね、非常に児童虐待の問題等を含めて、これは単に子どもたちを温かく見守り育てるということだけではなくて、法律上の知識等も強く求められる時代になってきています。その中でしっかりと子育てをマネジメントできるリーダー養成が不可欠だと考えていますので、そうした学科にこども学科はしていきたいと思っております。それから健康文化学科、これも長野県の健康長寿を築いてきた健康文化の担い手を育成していこうということで、健康社会と食健康と2つコースを設置して取り組んでいこうと考えております。長野県の新しい「しあわせ信州創造プラン」の中でも、この健康づくりということは県政の大きな目玉ということで位置付けておりますし、世界的な視点から見たときには、長野県の誇るべきものがこの健康長寿であると考えております。そうした中で、この健康長寿の長野県を世界に向けても発信し、そして牽引していくことができるリーダー、人材というものを養成していきたいと考えています。この点については、松本大学からは管理栄養士課程についての意見があるわけですが、それについては別の紙でご説明したいと思っています。それから3ページの下のところでありますが、先ほど申し上げました学長のリーダーシップが発揮できる運営体制ということで、運営の形態については公立大学法人という形にしていきたいと考えております。また、教員の評価制度、任期制とそうした教員の資質を高めていく上で必要な制度、仕組みについてもしっかり検討を行っていきたいと考えています。それから4ページは先ほど申し上げた学部・学科の話で定員は240名という形で考えています。それからその下の各種センターでございますが、地域への貢献ということもあり、言語教育センター、キャリア開発支援センター、生涯学習センター、グローバルビジネス創出センターというような各種センターを設置していきたい、名称はまだ仮称でございますが、とりわけ最後のグローバルビジネス創出センターは、先般の準備委員会等でも強く意見を出されております。新しいビジネスを創出していくことができる人材育成の拠点としていきたいと考えております。それから場所、施設については、現在の短期大学所在地を基本に考えてまいりますが、サテライト・キャンパス等のご意見もあります。また、用地的にやや手狭な感も現在の場所はあるわけでありますので、そうしたことも含めて他の場所での設置も検討してまいります。そうした施設整備計画を策定する中で、29年4月開学目標でありますけれども、具体的な施設整備を明確にしていく中で、開学時期については設計をしていきたいと考えています。それから次の高等教育全体の振興策(案)という紙をお配りしているかと思います。
先ほど申し上げましたように、今回の県立大学の設置は、長野県の発展への貢献という観点で考えておりますが、そうした観点では県立大学だけではなくて、高等教育全体を振興していくことが大変重要だと考えております。そういう中で、まず「しあわせ信州創造プラン」の中でも高等教育全体の振興を打ち出させていただいているところでありますし、そこに書いてあるように具体的な取り組みを今後大学、経済界の皆さんと一緒になって取り組んでいきたいと思っております。産学官協働人財育成円卓会議、これは企業の皆さんと大学関係者の皆さんが一堂に会して、大学教育の在り方等を考えていく場にしていきたいと考えておりますし、また政策全般にわたって、産学官の連携をこれまで以上に進めていきたいと思っています。それから高校との連携ということで、先ほど私立大学と高校との意見交換会を6月13日に実施を致しましたが、関係の皆さんから話を聞くと非常に良い場だったと伺っております。あまり今まで形式的なつながりしかなかったことを今回の県立大学の設置を契機にして変えていきたいと考えております。それから大学と高校が連携した学びの提供であるとか、あるいは大学同士が共同して魅力をPRしていくような取り組み、さらには地域貢献、長野県の私立大学が大変地域貢献を一生懸命やってきていただいていることが多いわけでありますし、信州大学も地域に対してしっかりと目を向けていただいております。そういった大学を支援していくといった観点から、長野県版COCについても検討していきたいと思っておりますし、私立大学との連絡会議も定期的に行っていきたいと思っております。最後、県の担当部署の明確化と書いてありますが、まさに県の組織見直しを行っているところでありますので、今回の県立大学の設置の方向性を契機としまして、そして高等教育全体を振興していくという観点で、この部署についてはしっかりと位置付けを行って、明確にしていきたいと考えております。
それから、次の健康文化学科についての県の考え方というペーパーをお配りしているかと思いますが、先般も住吉学長と直接お目にかかって、非常に長時間お時間をいただいてお話をさせてきていただきました。管理栄養士課程については競合するということで、大学としては反対だというご見解ではありますが、大学全般については、大学をつくるということであれば、本当に志が高い学生が集まる、そうした大学にするべきだというご意見を強くいただいているところであります。そうした考え方、私立大学の皆さま方ともかなり意見交換をさせてきていただいておりますので、そうしたことも踏まえて先ほどのグローバル化への対応であるとか、本当に一生懸命勉強せざるを得ない環境づくりであるとか、そういうところについては県として特色を出していかなければいけないと思っておりますし、今後構想を具体化するにあたっても、そうした部分についてはこだわりを持って取り組んでいきたいと思っておりますし、そうした取り組みを責任を持って行っていくことが、これまで県立大学に対して私立大学の皆さま方から出された意見に応えていく道だと強く感じています。個別の学科としての管理栄養士養成課程がありますが、私どもとしては健康文化学科に設置する食健康コース、このコースについてもグローバルな視野を持ちイノベーションを創出できる人材という点については、他の学科と共有、共通していると考えておりますので、その点において、この特色をしっかり持つことによって、松本大学の課程とは差別化、違いを出すことができるのではないかと考えております。入学者の選抜におきましても一定の英語力、TOEFL・ TOEICの活用ということも住吉学長からもご提案いただいております。具体的な点数のレベルをどうするかということについては、ご意見をいただいたりしていますが、私としてはこの辺については、これからカリキュラムを具体化していくにあたって、詳細をつめていきたいと思っております。それから教育内容についても、実践的英語力の習得あるいは海外プログラム必修ということで、こうした方向に対して意欲のある学生について、県立大学としては受け入れていきたいと、1年生の全寮制についてはもちろんこの学科についても同じ対応であります。それから職域の拡大については、健康長寿の長野県ということは県政全体で進めていく課題でありますから、単に大学ができるからそうした方向を志向するということだけではなくて、長野県の政策全体で食であるとか健康について力を入れて取り組んでいきたいと思いますし、またそうした観点の中で職域の開拓についても一緒になって取り組んでいくことができればと思っております。最後、高等教育全体の振興については、これは健康文化学科、管理栄養士の課程についても全く同じ考え方で、一緒になって取り組ませていただければと思っております。
駆け足でお話しましたが、私どもとしては、この県立大学基本構想、高い志、強い意志を持って、私立大学の皆さま方の懸念に応えられるような取り組みをしっかり行っていきたいと思っておりますし、何よりも一番重要なのは、長野県の将来の発展を考えたときに、こうした人材、高等教育機関、そして知の拠点をつくっていくということが、県民の皆さま方の期待、ニーズに即したものであると考えておりますので、こうした方針で進めていきたいと考えております。どうぞよろしくお願い致します。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
まず、基本的なことからお聞きしたいのですが、グローバルな視野を持ち、ビジネスや地域で創出するとあるんですが、グローバルというのは日本語でいうとどういう意味なのか。イノベーションというのもどういう意味なのか。端的な日本語でいうとどういう意味なのか。それからマネジメントの名称もありますが、このマネジメントという言葉の、私には分からないので解説をお願い致します。
総務部県立大学設立準備室長 増田隆志
なかなか一言でというと、それぞれいろいろと定義があるので、言葉を重ねさせていただきますけれども、グローバルですから、全地球的とか、全球的とか委員の皆さまからは言われております。つまり申し上げるまでもないですけれども、地球規模でものを考えていく時代、国境というものがなくなる中で、地球規模で考えていく時代と委員の皆さまからも言われているところでございます。
イノベーションの方は、これはもう、新しいものを、新しい価値を創出していくということとほぼ同義語で使ってございますけれども、既存のいろいろな要素を組み合わせる中で、新しい価値を見出していく、それが産業であったり、暮らし方だったり、地域の仕組みだったりするということでイノベーションという言葉を使ってございます。マネジメントは組織として力を発揮できるための、その仕組みと考えています。組織として成果を導くための仕組みといいますか、方策といいますか、そういう意味です。
長野県知事 阿部守一
教科書的な定義でいうと、そういう話にもなるかもしれませんが、この間、準備委員会で議論してきてもらっています。私として感じているのは、例えばグローバルに近い言葉として、国際化という話がありますが、国際化というのは、国と国との関係性というものをより意識した形になるわけでありまして、既に産業活動だとか、人の移動とか、国と国の国境を意識しない形が期待されているわけでありますので、そういう意味でグローバルという形の方が、国際よりは私は適当であるかなと感じています。
イノベーション、これは先ほどから申し上げておりますけれども、新しい価値をつくっていく、新しい視点で新しい価値をつくっていくと、そういうことが重要であります。日本の産業、これまで海外の産業にキャッチアップしていくということで取り組んできた中で、新しいイノベーションを起こさなければいけない時代にきていると思っています。例えば、何でアイパッド、私も使っていますが、アップルが作って、日本ではそういう物を先駆的に作れなかったのかということも言われているわけでありまして、これまでにない物を作り出していく創造性というのが、非常に重要だと思っております。これは、ものづくりだけではなくて、社会のシステム全般について言える話だと思っておりますし、マネジメントについても、単に組織内マネジメントということだけではなくて、地域のマネジメントという観点も重要だと思っております。私が知事として仕事をして常に感じていますのは、地域の資源をマネージできる人材が極めて少ないんじゃないかと、蛸壺化し過ぎてしまっているのではないかということを感じておりますので、そうした問題意識の中で、このグローバル、イノベーション、マネジメントという部分については、具体化をしていきたいと思っております。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
これは希望なんですけれども、新聞ですと、日本人というか、長野県民は、特に信濃毎日新聞は新聞ですので、分かり易い日本語で当ててもらえると有難いというのと、なかなか一言で言い表せないのであれば、注みたいなのがあるといいのかなあと思います。
長野県知事 阿部守一
分かりにくいというところも確かにあるかもしれないんですが、新しい大学像、新しい価値をつくっていくということで、準備委員会でこういう文言を使っているところでありますので、私としては、そういう分かりにくい文言を分かってもらえるような形にしていくということも、必要かなと思っております。ただ、この名称はまだ、確定をさせているわけではないんですね。まあ、少し、今頂いたご意見も含めて、どういう呼称が本当にいいのかということを、しっかり考えていきたいと思っております。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
続きです。食健康コースの方なんですけれども、入学定員40名を下回る入学定員としていく、となっていますけれども、具体的にどのようにこれを決定していくつもりですか。教えてください。
長野県知事 阿部守一
カリキュラムの作り込み等をこれから具体的に行っていくわけでありますので、そうした中で確定をしていきたいと思っております。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
全体的にそうなのかも知れませんが、時期的に、目途はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
総務部県立大学設立準備室長 増田隆志
まだ、いつということではありません。これからカリキュラムを作り込む作業に入っていきますので、その過程で明らかにしていきたいと思っております。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
カリキュラムの過程というのはおよそどの位の、全体的なスケジュール感とも言ってもいいんですが。
総務部県立大学設立準備室長 増田隆志
スケジュール感で言えば、今年から来年にかけて編成方針の大きなものを固めて、来年度中、それからその次の年に若干ずれ込みながら、具体的な教育課程を定めていくということになろうかと思います。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
経営系も、学部学科についても、私立大からは競合すると異論のあるところなんですけれども、今後、そういった意見の出ている私立大、まあ他の私立大も含めてかも知れませんが、どのように理解を深めていく、または説明されるご予定ですか。
総務部総務参事 高田幸生
経営系の学科をお持ちの大学からもですね、少し重複するんじゃないかというご意見を頂いておりますけれども、これも先程来から説明申し上げてますように、全体を通してですね、グローバル社会の中でビジネスができる力を育成していくという方針を通しておりますので、その中でですね、例えば、入学の方針の中で、育成する人材像を明確化する、とですね、また、学生層が異なってくるのではないかと考えております。具体的には例えばTOEIC、TOEFL等の活用を行う等で、英語力を考慮する入学選抜を行う等、でございます。
テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
金曜日に知事、松本大学の住吉学長と懇談されて、これを受けると、おそらく強行的な決定かなという印象を受けると思いますが、その辺りはいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
県としても、先ほど申し上げたような、大きな経過の中で、順次検討を進めてきたわけでありますし、今年に入ってからは、私立大学の皆さんとはかなり、私が行ったところだけ目につくかもしれませんけれども、かなり頻繁にお会いをさせて頂く中で、意見交換をさせてきて頂いております。私の私立大学の皆さんと話した感じの受け止めですが、前回住吉学長とお話ししたり、あるいは、前々回は各私立大学に設立準備委員会にお越し頂いて、ご意見を出して頂いてきているわけですけれども、やるのであれば、私立大学のできないところをしっかりやってほしいというのが基本的なご意見ではないかなと。管理栄養士のところは、直接競合だという話はありますけれども、その他全体については私大ができないようなところをやって、うんと特色がある大学にすることによって、私大とのですね、差別化を図ってもらいたいということが、大きな方向としてはご意見だろうと考えておりますので、私の方としては、これまでもそうした観点で、何度も修正をしたところでありますし、今回も大学側のご意見を入れて表現を変えているところもあるわけであります。そういう意味で、後は、私が感じているのは、私立大学と県との信頼関係をしっかり構築していくことが重要かなということと、先程来申し上げているように、県内の高等教育全体の振興を責任をもって、一緒に取り組むこと。それから、県立大学については、構想で出されていることを、なしくずし的に変えていくというようなことでは、これは、私立大学の信頼を得られませんから、むしろ先ほどから申し上げているように、非常に高等教育の在り方を変えていくという強い意志を持ってですね、しっかりとした、これまでの準備委員会の委員の皆さんから出されてきているような、志の高い大学像をしっかり堅持していくと、そのことが私立大学の皆さんのご意見に応える道だと考えております。
テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
住吉学長は管理栄養士の養成課程は、競合して、全くその辺は飲めないというふうにおっしゃっておりましたが、その点は知事はどのように説明しようとお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは、お話し申し上げましたけれど、まず、今までのですね、全くないところに新しく降って湧いたように、4年制大学をつくるという議論じゃなくて、これまで県立の短期大学が栄養士を養成してきています。実際に栄養士になられた方の中から、最近のデータで見ると毎年10人位は管理栄養士を取られる方がいらっしゃるという現実があります。そうすると仮に新しい4年制大学は、栄養士について全く触れないという形になると、今の現状よりも長野県内の供給ルートは細ってしまうという形になると思っています。先ほど申し上げましたように、長野県の進むべき方向は、健康長寿世界一を目指すという、これは「しあわせ信州創造プラン」にも位置付けているわけでもありますし、産業分野別の動向を私も見ていると、やはりこれからは、健康・医療・福祉、そうした分野の人材層が伸びていく、高齢化社会ですから当たり前ですけれども、必然的にそうしたウエイトが高くなってくるわけであります。そういう中で、私としては、松本大学とはですね、協力関係をしっかり築く中で、長野県の健康長寿社会を支えていくと、そういう姿勢で、松本大学の皆さんとは、これからもですね、しっかり意見交換をしながら、細部の設定を行っていきたいと思っております。
テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
もう一つ、松本大学では、受験生が取られるのではないかという大きな懸念を持っていますが、先ほどの知事の見解だと、今の状況からさほど変わらないという意見、というか見解でしょうか。影響というのはどうでしょうか。
長野県知事 阿部守一
さほど変わらないかどうかというのは、受験される受験生側の意識にかかると思いますが、私から再三申し上げているのは、単に管理栄養士を取るための課程ではないですよということを申し上げているわけであります。英語力、英語抜きの試験はありえないと思っていますし、入学後も実践的英語力を身に付けるような勉強をしてもらう。それから、卒業後もですね、これはグローバルな視点で、長野県の食文化、健康文化、そういうものを発信し、高めていく、そういう人材に育っていってもらいたいと考えているところでありますので、そうしたことをしっかり認識していただいて、ぜひ、皆さまからもですねそうした点について伝えいただいた上で、それは受験生が選択する話だと思います。
毎日新聞 小田中大 氏
そもそも素案段階で管理栄養士課程については外されていたわけで、その点を今回含めた理由を教えてください。
長野県知事 阿部守一
前回の素案の段階では、管理栄養士は入ってなかったわけですけれども、健康文化研究センターということで健康文化については、この大学もしっかり貢献して行こうという方向付けはさせていただいていました。その後、準備委員会の議論あるいはパブリックコメントの中で、やはりもう少し健康と食については単なるセンターではなくて、学部・学科にする必要があるんじゃないかというご意見が多数あったところであります。そうしたご意見も踏まえてですね、私どももいろんな角度から検討させていただきましたが、そうした結果として、前々回の準備委員会の場において、学部・学科としての設置についてご議論いただいた上で、前回の準備委員会で方向が取りまとめられたと、それを踏まえて私として決定したということであります。
毎日新聞 小田中大 氏
知事としては昨年の9月の定例会において、ニーズは高くないというようにおっしゃられたわけですね。その中で、カリキュラム上でも一体感が非常に少なくなると自らおっしゃられたわけですよね。その点を変更した理由を教えていただきたい。
長野県知事 阿部守一
これは、まず、新しく総合計画を作る中で健康長寿をしっかり長野県の価値として打ち出していこうということが一番大きな変更要素だと思っています。そうした中で私自身もですね、そうした答弁させていただきましたけれども、長野県の健康の問題、食の問題、いろいろしっかり調べる中で、先ほども申し上げましたように、例えば栄養士免許しか持っていない短大の卒業生が、努力してですね、管理栄養士の資格にチャレンジして、かなりの人が合格しているというような事実関係等も私は改めて認識をさせていただいて、その上で、県民の皆さまの声、そして、これは私が一人でああだこうだ決めるんじゃなくて、議論していただくために準備委員会をつくっているわけでありますから、そうした準備委員会でのご議論も踏まえて方針を出させていただいたということであります。
毎日新聞 小田中大 氏
そうしますと、昨年9月の定例会の時点での認識とは現状認識が変更があったということなんですれども、その際の答弁の内容については、ご自身としては考えとしては撤回されるということですか。
長野県知事 阿部守一
撤回するとか、それは、その時点での認識を述べたわけでありますし、その後新しい総合計画をつくる中でですね、議論を深める中で私としての考え方を準備委員会の意見も踏まえて決定したということでありますから、当時の答弁がまったく違っているということでは必ずしもないだろうというように思っています。
毎日新聞 小田中大 氏
その中でですが、当時から総合計画自体についてはおつくりになられる作業をしているわけで、その中で健康長寿というのは既に述べられていたわけでありますよね。9月の段階から現状が変更するということはなかなか難しいと思うんですけれども、要は県としてのリサーチが甘かったということがあるのかというのが一点、要は管理栄養士になる生徒さんがいてというのは、従来からあったわけでありますよね。その点については認識が甘かったんではないかということを、どのように考えていらっしゃるのか。
それで、結果的に今回管理栄養士課程を今回含めたわけで、その点については松本大学さんもそうですし、設置することについては松本大学さんは反対しているし、設置しないことについては六鈴会や県議の方々が反対していると、どっちにしても混乱するんですけど、あえて変更したことによって、私大側としては不信感が生まれたと思うんですけど、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
事務的に議論の経過があれば、またちょっと説明してもらいたいと思いますけれども、先ほどから申し上げているように、われわれとしては松本大学の意見は、意見として承っていますけれども、そうした意見に対して私どもとしての考え方の方向性を示させていただいているところであります。
構想を決定したことに対して、それを覆すというようなことであれば、これはいささかいかがなものかというご指摘を受けると思いますけれども、あくまでも準備委員会で検討する、しかも構想素案というものとしてお示しした段階での私どもの考え方でありますから、その後様々な検討を経てですね、変わったことに対してプロセスを捉えてですね、これはおかしいんじゃないかというご意見、確かに大学側の方からすると、そうした不信感を導き出してしまった一つの要因であるというように思いますんで、そういうところについては私自身松本大学に対してはですね、県は徹頭徹尾、正しかったんだと、私どもの考え方を丸飲みしろというように申し上げるつもりはありませんけれども、一般的な議論の経過として、これは県民等を含めた方々に対してはしっかりとしたプロセスを踏みながら進めてきているというように私は考えております。その点について大学の皆さま方が、お考えがあるんであれば、そうした部分については丁寧にですね、理解をいただくようにしていかなければいけないだろうというように思います。
毎日新聞 小田中大 氏
今日配られた、食健康コースにおける管理栄養士受験資格の取得に関する県の考えというものがあるんですけれども、これは確認なんですけれども、準備委員会の時には食健康コースをとった場合においても、管理栄養士課程については選択制になるのではないかという見通しを言われたかと思うんですが、その点は、そういう認識でよろしいでしょうか。それとも、食健康コースをとったら必ず管理栄養士を取るのか。
総務部県立大学設立準備室長 増田隆志
そこのところは、準備委員会では、いろいろなご意見といいますか、明確なご意見は無かったと思いますけれども、これからカリキュラムを検討していく中で、確定していくことだと思っています。ただ、基本的にはこの食健康コースというのは、食の専門性というものの一定程度のものを身に付けていくことを前提としています。
毎日新聞 小田中大 氏
この中で1の(3)ですね、職域の拡大というところで、職域の確保に向けて取り組みを行うということを書かれていらっしゃるんですけれども、これはどういうものを想定していらっしゃるのでしょうか。職域というのは。
総務部県立大学設立準備室長 増田隆志
管理栄養士の方あるいは栄養の専門家が、今いわゆる給食施設ですとか病院も含めてですね、そういったところで活躍していらっしゃって、管理栄養士の重要性というものも、高まっているわけなんですけれども、さらに今回は先ほどからありますようにグローバルな視点を持って、あるいは産業へ積極的に進出できる人間、食あるいは健康の観点から、というところを目指しますので、例えば食料品関連の産業ですとか、あるいは観光といったようなものも含めて、食や健康の観点から、職域を広げていくことを想定した文言になっています。
またその際に、健康の観点からですね、既に先行している他の県内大学と連携して、食や健康という観点から一緒に拡大に取り組んでいきたいということであります。
毎日新聞 小田中大 氏
管理栄養士を取れる課程を置くということにおいて、さっきの9月の話に戻ってしまって恐縮なんですけれども、カリキュラム上とか一体感が無いと、管理栄養士課程自体について非常に専門性が高い課程であるとおっしゃられたわけですね、今回それを含めたことにおいて、自身がおっしゃっていた一体性とかですね、その点をどのようにクリアしたとお考えですか。
長野県知事 阿部守一
一体性については先ほど申し上げたように、グローバルな視野を持って、イノベーションを起こせる人材というのは、健康発達学部の方も共通でありますから、そういう意味で今回の県立大学については二学部の体制にしていこうと考えておりますけれども、その点については共通していると、一体化していると。
これまでの議論というのはどうしても管理栄養士は管理栄養士だけ取る課程をつくるかのような議論が繰り返されてきたと思っています。私は、それだったらつくる必要がないとはっきりと思っていますから、そういう観点で前回ご答弁させていただいていますけれども、今回、本当に勉強させる大学にしていこうということで準備委員会の委員の皆さま方も同じ認識でありますから、単に管理栄養士課程を取るということだけではなくて、グローバルな視点、ノベーション人材と、そういう視点をかけて一体感を持たせた上でつくっていこうという方向付けであります。そういう意味では、当初議論されていたものとは必ずしも私の感覚は同じものではないだろうというように思っています。
総務部県立大学設立準備室長 増田隆志
先ほど説明の中で、職域の中で、地域の食育という観点を、説明を落としました。地域に食育を広めるという観点も重要な拡大要素、重要な点だと思っています。
市民タイムス 渕上健太 氏
先ほども質問があったんですけれども、金曜日に学長とお会いされて、週末を挟んで今日の午前中に発表ということで、やや唐突感を抱く方も多いんじゃないかと思うんですけれども、知事としては今日の構想発表というのは、学長とお会いする時点で日程的には固めていたという理解でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、今回私は学長とお会いして、私の思いを正直に申し上げれば、高等教育振興等の話もあるわけですので、松本大学とは引き続き、対話、協力をしていくことができる関係性でありたいということを強く願って直接お会いをさせていただきました。今日こういう形でお話をさせていただいているわけでありますけれども、具体的な日にちこそ申し上げていませんでしたけれども、方向性については近々定めさせていただかざるを得ないという趣旨のお話はさせていただいていますし、全体的に先ほど申し上げたような流れで議論を深めてきたわけでありますので、今準備委員会から案が出されましたという段階で、例えば明日から一般質問が始まりますけれども、その時に私としての考え方、私大学のみなさんからいろいろ意見がある中でですね、私自身知事としての考え方を示さないことには、これは話が進んでいかないということで私としてはこのタイミングで会見を開かせていただいて、皆さんに、皆さんというのは県民の皆さんにですね、考えを伝えさせていただいているところであります。
市民タイムス 渕上健太 氏
あと会談、会談というか学長とお会いして3時間に及ぶ中で結局平行線になったというふうにと聞いているんですけれども、今回の構想案から構想になった段階で学長の意向というかその他の私大も含めた、こう何か反映されている部分があると思うんですね。
長野県知事 阿部守一
管理栄養士課程を作るか作らないかのところは、残念ながらわれわれと最終的に意見が異なったままでありますけれども、しかしながらかなりこの間大学のみなさんとやり取りをさせていただく中で、反映をさせてきていただいております。ちょっと具体的に。例えばですね、私から申し上げれば、住吉学長からは前回の準備委員会の時にですね、基本的には新しい大学のビジョンが今後の社会の在り方を展望しながらそれに応えた大学を作りたいという視点、委員の先生方の希望が貫かれており、私たちの考え方との共通点が多いと。管理栄養士課程は別のお立場ですけれども、全体としてはそういうコメントをされているわけであります。委員の先生方の希望が貫かれておりというのは、先程来申し上げているような、グローバルとかイノベーションとかですね、私立大学ではなかなか実現が難しいようなところについてしっかりと取り組めという趣旨でありますから、そういうところについては、私はむしろ、各私大の御意見はありがたい御意見だと実は思っております。マスコミだけ、報道だけを見ていると何か私立大学と県が違う見解という感じの表現となっていますが、私としては冒頭からずっと申し上げているように、志の高い、今までの大学像とは一線を画した大学を作らなければいけない。そうでなくては意味がないと思っていますから、そうした点については、実は私立大学のみなさんとは同じような思いであると思っています。それから、例えばですね、松本大学から受験資格としてTOEFL、TOEICの点数基準を設定すればいいんじゃないかという御意見もあったので、TOEFL、TOEIC等の活用ということを入れさせていただいていますし、また大学運営については長野大学の方から協働連携の取り組みを行っていってはどうかというご提案もあったので、そうしたものも今回の案には入れさせていただいています。それから、長野大学の学長からは、方法としての教養と。これは必要性はみな認識しているけれども、なかなか実際にやっていくのは難しい部分があるので、そこをしっかりやれということですので、今回の案にも方法としての教養教育を充実していくと書かせていただいて、この点についても具体化をしていきたいと思っておりますし、また帰国子女とか社会人、留学生の定員枠を設けてはどうかという松本大学のご提案についても、社会人、帰国子女、留学生の定員枠の設定を検討していきますということで位置付けておりまして、私どもとしては私立大学とのこれからの連携関係、協力関係ということは重要だと思っておりますので、なおかつ私の感覚からすると、まさに今申し上げたような視点こそが新しい大学に求められている部分だと思っておりますし、私立大学ではなかなか取り組めない部分だと思いますので、そうした点については強く打ち出した上で、しっかりと具体化を図っていきたいと思っています。
市民タイムス 渕上健太 氏
今回の構想で、7ページ目の県内大学との連携を重点と、前回の原案だと重点で終わってなかったと思うんですけれども、そうやって言っていいか分からないのですが、それについて、管理栄養士の受験資格を取得するにあたっての単位って非常にたくさんあると思うのですが、そういった部分も含めて例えば単位互換とかも検討対象になっているのでしょうか。
総務部県立大学設立準備室長 増田隆志
県内大学と連携をして、あるいは単位互換ですとか、単位制度を活用して、充実した教育内容にしていくというのは大変重要なことだと思っています。ただ、今のお話のありました管理栄養士の必修課程についての単位互換とかですね、制度的な問題も含めて十分検討していく必要があろうと思っています。
市民タイムス 渕上健太 氏
今回の構想の食健康コースの部分なんですけれども、食育のリーダーの育成ですとか、国際的な食の安全管理に関する理解や知見を得られる人材育成という表現もあるんですけれども、例えば管理栄養士という資格よりも、例えば衛生管理とかですと、例えばハサップ(HACCP)とか、また別の、もう少し違う分野の専門性なんかが必要になるという印象も受けたのですが、管理栄養士の食健康コースの中には、そういった衛生管理等テーマが出てくるとかその辺はどういうふうに考えたらよいかどうか教えてもらいたいのですが。
総務部県立大学設立準備室長 増田隆志
先程来お話ございますように、管理栄養士の養成課程を持って全てとするコースではございませんので、いろいろなところで、そのグローバル性も含めてですね、学んでいく必要があろうと思っています。この安全管理のところはですね、これから特に海外を対象とした食の流通とかビジネスを考える上で、この安全管理というものは、もちろん国内もそうですが、非常に重要な観点なので、産業への展開というものを含めて、あるいは地域の食の安全を考えた際に、ここは重要だという委員の御指摘をいただき、ここに盛ったものです。具体的にどういう施策が必要かということや、どういった教科を学んでいくかは、今後作り込みをしていくことだと思っております。
卒業に必要な124というのが基準だと思うのですけれども、ある意味その124にこだわらずに、多くの単位をここで取得するということも視野にこのコースは考えています。
市民タイムス 渕上健太 氏
全体的なことなんですけれども、今後の県内の私大との共存ということを訴えていらっしゃると思うのですけれども、具体的なイメージというかですね、知事もおっしゃられたように今回新大学については、非常にグローバルですとか国際的な素養を身に付けるですとか、国際的、グローバル的という一つの大きな方向性を出して、取れる資格としては共通するけれども、松大はそういうものを強く打ち出していない現状があるとは思うのですけれども、その国際的とかグローバル化とかそういう意味合いでもって差別化、区別化して、共存共栄というようなイメージで考えてらっしゃるという、大きく考えてそういうことでよいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、他の私大のみなさんから言われている点もそうした部分、例えばグローバル教育、徹底した英語教育だとか、例えば松本大学からTOEFL、TOEICで一定の点数以上にしろと、具体的な点数のご提案もあったりして、そこはこれから具体的にカリキュラムを詰める中で考えていかなきゃいけないと思っていますけれども、それは一つの大きな差別化する要素だと大学の皆さんは考えていらっしゃるかなと受け止めております。われわれはもちろん、差別化する大学をつくるのが目的ではなくて、今長野県として必要な大学をつくるということが主でありますけれども、しかしながらそうした中で私大学の皆さま方のご意見を聞く中で、差別化できるところはしていきたいと思っています。
単位数の話もありましたけど、事務方はなかなか単位数の話は踏み込んで言えないとは思いますけれども、私は標準単位数だけで卒業できるという大学ではなくて、ここに書いてあるようなことをやるとすれば、相当程度カリキュラムを充実させなくてはいけないと思っていますので、そういう意味でも、そういう部分でも違いは出てくるだろうと思っております。
日本経済新聞社 学頭貴子 氏
2点お願いしたいんですけれども、まず1点目なんですが、ここにある基本構想、基本方針を実現していくためには、ガバナンスの話もありましたけれども学長の人選がかなり現実的な鍵になってくるのかなと思うのですが、もちろんこれからだとは思うんですけれども、知事、現状、学長の人選についてどういう方針で今後考えていかれると、現状の考えを教えていただきたいのと、もう1点は、事業規模なんですが、管理栄養士課程を追加したことで当初よりも多少膨らむのかなと思うんですけれども、もちろんこれもこれからだと思うのですが、限られた財源の中でどのくらいというか、規模感を教えていただければと思いますが。
長野県知事 阿部守一
そうですね、学長の話は今後最も重要な部分だと思っていますので、私としては新しい県立大学としてグローバル、イノベーションそういう考え方を具現化していただけるような方をしっかり選任してお願いをしていきたいと思っております。
それから事業規模については、さきほど施設整備の話でまだ未確定なところであると申し上げましたが、そういうところも精査した上で確定をさせていきたいと考えておりますので、今の段階でいくらだということはちょっとなかなか申し上げられないなと思っております。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
議論が管理栄養士の問題に集中していますけども、最初に話が出たように、全体的にやっぱりこれ、何回読んでも分からないんですよね。それで、グローバル、マネジメント、それからイノベーション。こういう横文字を散りばめただけで、これで県民に理解できると思っているのかどうかということを聞きたいんですけど、例えばですね、公共経営コース。「住民、NPO、企業、行政等が参画する地域づくりをマネジメントする」というのは、どういうことですかこれ。
それから、「グローバルな視野を持ちながら、地域課題を発見し、解決する」というのはどういうことでしょうか。それから、「政策立案や公共的なサービスの担い手となることのできる地域社会のリーダーを育成する」とは、どういう進路が待っているんでしょうか。多額の県民の税金を注ぎ込んでつくる大学で、こんな、どういう大学なのか、どういう進路があるのか、それが分からないまま、これを県民に判断しろというのは無理だと思います。これをどういうふうに分かりやすくしていくのか、それをぜひ説明してもらいたいと思います。
長野県知事 阿部守一
全く分からないという議論だと、それは準備委員会での議論をよく目を通していただくことが必要なんではないかなと私は率直に感じますし、今日の私どもの説明だけでは十分には分かりにくいということであれば、私どもも丁寧に説明すると同時に、先ほどから申し上げているようにカリキュラムの具体的なつくり込みの中で、入口、出口、そして学習内容ということを詰めていかなければいけないわけでありますので、そういうところをしっかりやっていきたいというように思いますが、総合マネジメント学科のところについては、公共とビジネスに分けていますけれども、やっぱり基本はグローバルの視点でマネジメントできる人材ということで、対象となる出口は、私はかなり広いと思っております。
一分野の専門性ということを身に付けるのではなくて、さまざまな資源をつなぎ合せて価値を創造できる人材ということを目指しているわけでありますので、そういう意味で出口がなんとか系の企業だけだとか、そういう話ではなくて、広く長野県の企業あるいは行政も含めた公的なセクター、そうしたものが対象となり得るというように考えております。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
具体的に進路というのは、健康発達学部の方はいろいろ資格が取れるものが明示されているので分かりやすいんですけれども、例えばこの公共経営コースというのは、どんな進路が想定されているのですか。公務員になるということですか。
長野県知事 阿部守一
公務員になる方も、もちろんいると思います。だけど、単純に安定志向で公務員になるような人材をつくってもしょうがないと私は思っています。むしろ地域の課題がさまざまあります。NPOの活動であるとかソーシャルビジネスがさまざま出てきています。そうしたものに対してしっかりと貢献できるような人材をつくっていくということが重要であろうと思っています。
とかくですね、どうもこの議論をすると資格が取れれば就職ができるみたいな話は、全く間違っていると思っています。いろんなデータで見るとですね、学生は資格を取りたいという方が多いんですけれども、現実の企業であったりのニーズは、必ずしも資格が必要だということではなくて、本当に自分の力で立って、自分の力で考えることができる人間を供給してほしいと、今回の準備委員会等の議論でもですね、そういう方向で議論がされてきているわけであります。そういう意味で、従来のなんとか学部と言うと、一番分かりやすいのかも知れませんが、実は私はそこのところは先ほども言いましたけれども、分かりにくい、今までとは分かりにくいところに一つこの大学をしっかりつくっていく価値があるんだろうと思っています。ただ、分かりにくさというところは表裏で、だったら学生に伝わるのかというご懸念はあると思いますので、そこのところはわれわれしっかり具体化してですね、伝えていくように努力をしていきたいと思っております。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
この6月の県会中の決定というのは、短期的な部分では分かるんですが、そもそもこの時期にどうして構想を決定しなければならないのか。こういったいろいろな議論のある中で、あえてこの時点で決定する理由を教えてください。
長野県知事 阿部守一
先ほどお答えしていると思うんですけれども、今までいろいろ議論をしてくる中で、県立大学をどういう大学にしていくかということについてはかなり議論が整理されてきたと思っております。そういう中で、準備委員会の中で取りまとめがされたと、もちろん私のところで新しい視点を入れていくということもあり得ると思いますし、今回実際にですね、まとめた案とは違う部分を私が入れ込んだところもあるわけですけれども、しかしながら基本的な考え方については準備委員会で議論されているものと私は同じ考え方であります。そういう意味で、いたずらに時間をかけることなく方向付けをしていくということが重要だろうというように思っておりますし、今6月県議会開会中でありますが、明日から一般質問ということで、そこでご議論いただく上でもですね、「これは準備委員会の案です」ということでは率直に言って私として責任あるご答弁できないわけでありますので、私としての考え方を県民にお伝えをした上で、県議会でご議論いただくのが適当だというように考えております。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
開学時期ですけれども、平成29年4月の目標ということですけれども、開学の時期を意識してのこの時期の決定なんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
開学の時期を意識してのということもですね、もちろんどんどん延びればですね、教員集めであったり、あるいは施設整備であったり、そういうものは順繰りで遅れていくわけでありますから、そういう意味で方向性が固まったものに対して、私の段階でですよ、準備委員会で方向付けがなされたのに、私の段階で徒に時間を浪費するということは許されないというように思っております。当然私も準備委員会の議論を途中で伺う中で、私なりに考え方を整理してきたわけでありますので、そういう意味で今回、私の考え方も含めてお示ししたということであります。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
当初の案では、スケジュール感で言えば、日程感で言えば、昨年中ということもありましたけれども、それはともかくとしても、その時のスケジュール案では構想案を決定してから構想決定までは2カ月の幅を置いていて、この間それなりにきっと世論ですとかいろいろなことを踏まえた中である程度知事としての決定するまでの猶予があったわけですが、速やかに決定するということにおいて、手続的に正当であったかどうか。それはどうでしょうか。
長野県知事 阿部守一
手続きはいろいろなやり方があると思います。最終的には予算を伴う話になるわけでありますから、私がいくらやりたいと言っても県議会の例えば予算議決が行われなければゴーサインにはならないわけでありますから、そういう意味では県としての意思が完全にフィックスされた段階ということではないわけでありますけれども、冒頭申し上げたように知事としての考え方をしっかり示さないことには今後の議論が展開していかないだろうというように私は思っておりますので、そういう意味で、この段階でですね、私としての考え方、準備委員会の考え方ですということで私が第三者的に対応していくことはできない課題だと思っておりますので、私自身が当事者になった上でしっかりと議論を深めていくということは必要だと思っております。
総務部県立大学設立準備室長 増田隆志
一点だけすいません。先ほど知事の方から事務局から補うことがあればということで、素案から今回の案の過程で、準備委員会としても、素案の時点で、健康文化、長野県の健康長寿を継承発展させていくことに対しての重要性は委員の皆さんからも議論があって、それで、学部・学科を設置して人材育成をするべきだという議論もございました。その中で、当時は1学部として立てて、カリキュラム構成も想定する中で、健康文化研究センターというものを提示し、その後、今回検討の過程で、むしろ2学部にして、学部・学科を特長付けて、それに合った教育をしていったらどうかというご意見を頂戴し、今回の案になっているという、委員会の中でもそういう過程がありますので、また事務局の方に必要であれば、問い合わせいただければと思います。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
1学部から2学部という大きな変化があったわけですから、もう一度世論といいますか、県民意見公募をするなり、そういったことも必要だったのではないかなと思うのですが、その点はいかがですか。
総務部県立大学設立準備室長 増田隆志
事務局としましては、今回の健康文化の課程をどうするかという議論で、パブリックコメントをして、お伺いをし、また議論をいただく中で学部・学科を立てるべきだろうというご意見もいただき、それに対して検討した結果でございますので、意見を伺い議論をしてきた結論というように考えております。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
今後一般質問があったり、各大学とのやり取りもあったりするわけでありますけれども、それをどのような形で反映していくのでしょうか。それは具体的に言えば整備方針であったり、整備計画であったり、そういったところに反映されてくるのでしょうか。結果的に、今の基本構想から、変わる点もあり得るということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
基本構想ですから、細部のところについては先ほどから申し上げているように、これから具体化に向けた検討をしなければならないことがさまざまあります。そういう中で、基本はもうこの方向で進めていきたいというのが私の思いでありますが、しかしながらこれは議会等のプロセスで、例えば予算が付かないとか、そういうことになったときにこの通りにやれるかと言えばそれはできないわけでありますから、現実的に、変更が全く無いのかと言われれば、それは無くはないわけでありますけれども、私、県の理事者としては、こうした方向で進めていきたいという案でございます。
長野日報 佐々木陽一 氏
知事は昨年から徹底的な議論ということと、スタートに当たって多くの県民の理解を得てスタートさせなければいけないという話をされたと思うのですが、今のその点の受け止めはどうですか。
長野県知事 阿部守一
これは徹底的に議論していかなければいけないということで準備委員会の委員長である副知事にそうした議論をしてくれということで言ってきています。そうしたことを踏まえて議論をしてもらったというように思っていますが、先ほど申し上げたように私大とのやり取りとかですね、もう少し、率直に言ってやりようがあったんではないかなと思います。ただ、この時点において、これから同じようなことを議論していくことが望ましいのかというように考えたときに、一定程度論点は出てきております。私どもの考え方もお伝えし、私大関係者の皆さまの考え方もお伺いをしてきておりますので、いたずらに議論を先延ばしすることなく方向付けをした上で、進めていくところを進めていかなければいけないというのが私の感覚であります。
高等教育の振興等については引き続きしっかりと私大とも意見交換していきたいと思いますし、県としての構想、考え方については県民の皆さまにできるだけ分かりやすく伝えていく努力というのはこれからもしていかなければいけないと思っております。
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