ホーム > 県政情報・統計 > 県概要 > 知事の部屋 > 知事会見(動画とテキストでご覧になれます) > 2013年度知事会見録一覧 > 知事会見2013年10月25日
ここから本文です。
更新日:2013年10月25日
1 部局長会議を開催、信州食材の東京での発信、中国渡航、新たなチャイルドラインカードの配布について
長野県知事 阿部守一
それでは、10月25日の会見を始めさせていただきます。私の方から冒頭4点お話をしたいと思います。
まず1点目、部局長会議それから行政財政改革推進本部のご報告であります。部局長会議では、本日予算編成方針報告等がございました。平成26年、現時点での試算ではありますけれども、財源不足額101億円ということで引き続き厳しい財政状況が続く見通しではありますけれども、「しあわせ信州創造プラン」の2年度目という形になります。政策推進の基本方針に基づいてプラン推進のため財源を重点配分をしていきたいと思っています。先ほど、部局長会議で私から財政課長の説明の後、補足的に申し上げたのは、部局連携しっかり強化して横断的に対応してもらいたいということと、それから、まだ年度途中であります、そういう中で来年度事業を考えていくわけですけれども、ぜひ成果を上げるという観点で今年度事業についても着実にですね、達成目標等掲げて取り組んできているわけですから、そちらについても十分意識して取り組んでもらいたいという話をさせていただきました。今回の予算要求に当たっては、「しあわせ信州創造プラン」を進めていく上で必要だと考えられるプロジェクト、そして職員に政策研究してもらってますから職員による政策研究。さらには、一人1改善提案事業の具体化、こうしたものについてはシーリングの対象外ということで所要額について要求をしてもらうということに致しました。12月には予算要求の概要を公表して県民の皆さまからの意見募集を行いたいと思います。その上で新年度予算案を取りまとめて県議会にお出しをしていきたいと思っております。今、プロジェクト事業等の議論しておりますけれども、「しあわせ信州創造プラン」に掲げた方向性については、しっかり踏まえながらもですね、従来の枠組みにとらわれず部局横断的に県民の皆さんの期待に応えられる予算編成をしっかり行っていきたいと思っています。
それから、県民協働による事業改善についての実施の報告がありました。10月19日、20日二日間にわたりまして、有識者の方々、県政モニターの方々、延べ62名の方に点検者という形で4班に分かれて加わっていただきまして、事業改善の議論を行いました。点検結果見ると比較的初日の事業は、事業規模拡大というものが多かったように思いますが、二日目の方はむしろ行政が実施する必要がないのではないかというような意見であるとか縮小という意見もあって、さまざま非常に幅広い評価が出ているなと思っています。今後私どもとしては、点検の評価区分だけではなくて、点検シートに個々のご意見等も記載をしていただいておりますので、そうしたものを踏まえてまずは各部局が点検者の声を踏まえた検討を十分行ってもらった上で私としてしっかり対応方針を定めて公表していきたいと思っています。県職員の傍聴がもっと必要じゃなかったかというようなご意見等も当日出ておりましたので、来年度、そうした点も含めて改善すべき点については、さらに工夫をしていきたいと考えています。
それから、組織改正について行政財政改革推進本部を開催を致しまして来年度からの組織改正に向けての県としての本庁組織の改正案を決定を致しました。今回の組織改正の視点としては、「しあわせ信州創造プラン」を着実に推進をしていくための組織、県民の期待に応え、時代の要請に柔軟に対応できる組織、そして分かりやすく簡素で効果的な組織と、こうしたものを基本的な考え方に据えて取り組んでまいります。細部の検討等もさらに行った上でですね、11月議会に条例改正案を提出して県議会にご審議をいただいた上で来年度から新しい本庁組織をスタートさせていきたいと思っています。組織の在り方というのは、これが唯一絶対という解は無いわけでありますので、時代の変遷等に応じてしっかり組織の在り方、常に考えていく必要があると思いますし、また組織といういわゆる箱の問題だけではなくてですね、県の職員が部局横断的な視点を持ち、柔軟に対応する、そうした風土を作っていくということも重要だと思っておりますので、この組織改正と併せて職員の政策研究等も進めてきておりますので、学習する組織というか常に進化する組織風土というものも併せて作っていきたいと思っております。今申し上げたのが部局長会議、そして行政財政改革推進本部についての報告でございます。
それから、大きな2点目でありますけれども、信州産食材ワインの発信についてお話を申し上げたいと思います。お手元にプレスリリースの資料を配布させていただきましたけれども、今年もホテルオークラ東京のレストラン「さざんか」。鉄板焼きのレストランでありますけれども、におきまして11月1日から30日の1カ月間、信州フェスティバルを開催していただくことになりました。期間中、おいしい信州ふーど(風土)をふんだんに使ったメニューを提供していただくことになります。今回で3回目ということになります。これまで2回開催しておりますけれども、利用客の皆さま方の反応も好評ということで、信州産の農畜産物に対する高い評価をいただいております。今年もホテルオークラのご協力で引き続き開催していただくという形になりました。信州プレミアム牛、あるいは信州黄金シャモ、信州サーモン、りんご、伝統野菜、こうしたものを使用していただきますし、また、長野ワインも提供していただくことになっております。期間中、信州メニューをご注文いただいた先着50名のお客さまにシナノゴールド等のプレゼントを用意しております。ホテルオークラでこうした企画をしていただけるということは、全国に向けても、あるいは世界に向けての発信力という点でも大きな効果があると思っております。ホテルオークラ東京のご協力に感謝をすると同時に、ぜひ、大勢の皆さま方に「さざんか」へ足を向けていただければありがたいと思っております。
それから、もう1点、これも発信の話でありますけれども、「長野ワインフェスイン東京」の開催についてということでございます。信州ワインバレー構想のプロモーション事業の目玉ということで、このたび首都圏の皆さま方に長野ワインの魅力を知っていただくという観点で「長野ワインフェスイン東京」を開催致します。来月、11月17日日曜日、東京渋谷表参道のバツアートギャラリーで開催致します。このイベント、県内から19社のワイナリーが、ご参加をいただく予定にしております。ワインの種類としては、約60種類を予定しています。長野県内にワイナリー多いわけでありますけれども、このように多くの県内のワイナリーが、一堂に会して、県外でイベントを打つというのは、今回初めての試みでございます。また、長野ワインは、高品質でありますが、他方で少量品種が多いわけであります。日頃、東京では、なかなかお飲みいただく機会が少ないワインもあります。そうした希少なワインをお試しいただくいい機会だと思いますし、また、今回ご用意しているワインの中には、国際的なワインコンクール等で優秀な成績を取ったもの、国産ワインコンクールの金賞を取ったものであるとかですね、あるいは先般、ソムリエコンクールで最優秀になられたバッソさん、長野県にお越しいただきましたが、非常に高い評価をいただいたワイン等もあります。そうした優れたワインを、ぜひ、この機会に大勢の皆さま方に味わっていただくと同時に、長野ワインの質の高さをしっかりと発信をしていきたいと思っております。今回、ワイナリーの醸造家の方々からそれぞれのワインに対する思いをお話しいただくという機会、あるいは、試飲するだけではなくて、実際にご購入もいただけるという形にしております。また、信州ジビエの発信も今行っておりますけれども、信州ジビエをはじめとした県内産食材を使ったワインとマッチした料理、おいしい料理の提案をすることによって、大勢の皆さま方に長野県のワインと食を味わっていただきたいと思っております。会場は表参道ということで、国内外のさまざまなトップブランドの集積している場所であります。クリエーター、デザイナー、感度・発信力の高い人々が多く集まる場所でもございますので、こうした場所で長野ワインをしっかりと発信をしていきたいと思っています。会場内では、長野ワインの知識を深めていただくワークショップを行いますし、また、厳選された信州ブランド、これ、ワインに限らず、チーズ、ジビエ、生ハム、ジャム、そうしたものをご購入していただくことができる長野セレクトショップ、あるいは、長野県産の食材を使った料理を楽しんでいただくことができる長野カフェ、そうしたものも併設をしていきたいと思っております。どうかメディアの皆さま方には、ぜひこのイベントをですね、県内外に、広く発信をしていきたいと思いますので、ご協力をいただければ大変ありがたいと思っております。
それから大きな3点目でございます。10月27日から6日間、私が中国訪問をさせていただくということについてでございます。10月27日から11月1日までの6日間、河北省との友好提携30周年事業ということ、そして、今回それに合わせてですね、中部広域観光推進協議会のハイレベルミッションの団長ということで中国を訪問致します。日程の前半につきましては、河北省との30周年事業ということで、河北省との間では、昨年度から事務レベルで協議を行っておりますが、中国人民対外友好協会はじめ日中関係の団体、そして駐日中国大使館、程大使はじめ大使館の皆さま方にも側面からご支援いただきまして、今回、張慶偉(ちょう・けいい)河北省長と会談をする予定にいたしております。少人数で今回訪問するわけでありますけれども具体的なテーマにつきましては、これまでの30周年を振り返って、友好提携の重要性を再確認すると同時にですね、将来に向けて互恵的な関係、ウインウインの関係をしっかり築けるような会談にしていきたいと思っております。日中友好協会はじめ県内交流団体の幹部の皆さま方にもご同行いただく予定にしております。従来から実施しております青少年交流に加えまして、今後は経済交流、あるいは環境面、医療・介護・福祉、そして観光、こうした分野で良好な関係を築くことができるようにしていきたいと考えております。また、訪中の後半につきましては、中部北陸9県3市、そして民間の皆さま方と一緒に中部広域観光推進協議会のハイレベルミッションの団長として、北京・上海に訪問してまいります。行政機関あるいは航空会社等に対しまして、長野県を含む中部北陸地域の観光PRをしっかりと行ってきたいと思っております。河北省との関係につきましては、30年にわたる交流の歴史、大変重いものがあると思っております。長年培ってきた交流がますます発展するように、緊密な関係を河北省とさらに築いていくことができるような前向きな会談にしていきたいと考えているところでございます。
それから、大きな4点目でございます。新しいチャイルドラインカードの配布についてと、これ皆さんにお配りしていますかね。長野県チャイルドライン推進協議会と私ども長野県が協働して子どもたちにチャイルドラインの存在を周知するという観点で、市町村の教育委員会の皆さん等の協力を得て、このチャイルドラインカード、県内の全ての小学校、中学校、高校、特別支援学校の児童・生徒に配布をしていきたいと思っています。このカード、27万枚作成をします。赤い羽根の共同募金、企業の寄付、それから県の補助金等で作成をして、うち、24万8千枚、児童・生徒に配布をさせていただきます。チャイルドライン開設、県内は10年目ということでありますけれども、特に今年はデザインを一新して、小中学生向け、高校生向け、2種類カードを作成致しました。44の都道府県でチャイルドラインの電話相談が設置されて、行われているわけでありますけれども、チャイルドラインと行政が協働して、全ての児童・生徒に配布する取り組みを行っているのは、全国で私ども長野県だけだと伺っております。そうしたかいもあって、長野県は子どもたちからの相談件数が非常に多い件数をいただいております。ぜひ、子どもたちの悩みごと、相談ごと、抱え込まずにこのチャイルドラインに電話をしていただいて、長野県の子どもたちが少しでも前向きに生きていけるような環境を作っていきたいと思っています。今日はチャイルドラインすわの宮澤節子さんとチャイルドラインながのの美谷島恵子さんにお越しいただいていますので、お二方から少し宣伝をしていただいてよろしいでしょうか。
NPO法人すわ子ども文化ステーション チャイルドラインすわ 専務理事 宮澤節子 氏
今日はありがとうございます。先ほど知事さんの方からご紹介いただきましたけれどもここ長野県では行政の方へ協力していただきまして、私たちと一緒に子どもたちにカードを届けるという事業を行っております。先ほどご紹介しましたけれども、今回は2種類、中学高校向けのデザインを一新しまして、このようにかけてくださいということで、今お配りしているところです。私たち、今長野県には3団体ありまして、長野・諏訪・上田ということで、月曜日から土曜日まで開局しております。昨年度1万676件受けまして、その中で会話成立が半分くらいということであります。子どもたちがたくさんのいろんな悩みごと、それから生きにくい状況が伝わってきます。相談機関の電話というのは、かなりたくさん、今市町村にもございますけれども、やはり子どもたちが自分の気持ちを言えるという、そういう電話という点では、圧倒的にチャイルドラインが支持されています。72.5%という数字は、チャイルドライン認知率ということでは、本当に子どもたちたくさんチャイルドラインを知っていただいている。それから、このカードを集めて、いつもどこかでなにかあった時にということで子どもたちのかばんの中に入っております。やっぱり一番支持されているのは、ここに4つの約束事があります。秘密を守るよ、どんなことでも一緒に考える、それから、名前は言わなくていい、切りたいときは切ってね、ということで、子どもを主体とした子どもの電話ということで、日本で本当にたくさんの支持を集めております。こうした事業ができるというのも協働という大きな仕組みの中にあるのではないかと思います。10年間子どもたちにカードを送り続けてきた、そのことが子どもたちにとって、やっぱり何かあった時にここにかけようという橋渡しになっているのではないかなと思います。また、来年度チャイルドラインとしましてもいろんな取り組み、それから子どもたちに信頼される電話として、どのようにしたらいいかということも推進協議会を通じまして検討しております。ですからまた、新しい一歩を踏み出せるように私たちも努力してまいります。本当に今日はありがとうございました。これがポスターですけれども、学校に全て配布しまして、子どもたちはこのポスターを見て電話をかけたという子どもたちもおります。そんな中で、やっぱり何か身近に自分の気持ちを話せる居場所ということで、これからも子どもたちに寄り添って活動を続けていきたいと思っておりますので、ぜひご支援いただきたいなと思います。どうも今日はありがとうございました。
長野県知事 阿部守一
ありがとうございました。
チャイルドラインのカードの配布についても、ぜひ大勢の子どもたちが分かるように、そして悩みがあるときはこの電話番号に電話をしてもらうことができるように皆さんにもご協力いただければありがたいと思っております。私の方からは以上でございます。よろしくお願いします。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
当初予算編成方針のポイントなんですけれども、時期的に来年度は知事の任期の最後ということもありますが、県の場合はいろんな場合あると思いますが市町村の場合は、選挙がある場合は骨格予算というのも考えたりするんですけれども、そういったことなくいよいよ積極的にやられていることの表れと思うんですが、改めて来年度に向けた意気込みというかをお聞きします。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたように、「しあわせ信州創造プラン」の2年目ということになりますので、これは県議会でもお認めいただいた県政の方向性がですね、しっかり着実に推進するように取り組んでいきたいと思っています。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
この事業改善なんですけども、われわれのマスコミの至らぬ点もあったかもしれないですけれども、なかなかこの事業仕分けの頃と比べると、内容はいろいろ事業改善そのものの制度としての改善というのはいろいろ図られたんでしょうけども県民の関心度という点では、なかなかこう薄かったという点はどうしても否めないと思うんですが、この制度そのものについてが県民との協働の県政、県民を巻き込んだ県政という点でいくとですね、ちょっと残念な感じもしたんですが、そこら辺どのようにされていきたいというふうに知事はお思いでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、これ先ほども言ったように県職員ももっと傍聴するなりインターネットで見てもらうなり、今日の部局長会議ではDVDでも見れるから見てほしいということを行政改革課の方から言っていますけれども、部局長会議でも言ったように県職員にとっては一つの気付きの場だと思っていますので、そこはさらに工夫をしていきたいと思います。それから県民の皆さま方への周知が今回なかなか十分行われなかったかなという反省もありますので、来年に向けてはそこは工夫をしていきたいと思います。何て言うか、点検者としてご参加いただいた方々の感覚、私も最後にご発言いただいた部分で受け止めている感じだと非常に協働の場、あるいは自分の意見を県政に伝える場としては有意義だったという受け止めが多かったんじゃないかと思いますので、できるだけ多くの県民の皆さんがですね、こうした取り組みに触れていただいて、県政をより身近なものに感じていただくことができるように、そしてわれわれもですね、一人ひとりの県民の皆さま、さまざまな思いがあります。今回の評価結果を見てもさまざま分かれているわけで、行政がやる必要がないんじゃないかという意見もあれば、充実した方がいいんじゃないかという同じテーマについてもそう分かれているわけでありますので、われわれとしては県民の皆さんの声、そして声なき声、そうしたものも踏まえてしっかり方向付けができるように常に取り組んでいきたいと思っています。以上です。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
ちょっといろんな散漫とした質問で恐縮なんですが、やっぱりこの伊豆大島のこの災害というのは、ちょっとわれわれ一般住民からしてもショックというか、僕個人はそうだったんですが、市町村の自治事務というのはそれはそれで重要なんですが、なんであのように避難できなかったのかなあということを考えた場合、やっぱりこう県知事という知事という立場で、あの場合は都知事かもしれません、再三要請もしたということですけれども、結果的にそうならなかったということを考えるとですね、長野県に置き換えてもですね、こういった場合がもしあったとしたら、知事というのも一つ大きな役割になると思うんですが、先ほど市町村長との連絡、直接できるようにというお話もありましたけれども、長野県に置き換えた場合、知事として災害どのように対応されていくか、法的ないろいろなものは分かるんですが、市町村長の意思というのを重視するということもあると思うんですが、県知事とすればそういった現場現場、伊豆大島のことをちょっと例にして知事とすればどのような対応を考えてらっしゃるかということをお聞きしたいんですが。
長野県知事 阿部守一
まず、伊豆大島の台風災害でお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げたいと思いますし、また、大勢の方、避難されたり避難しないということで島に残られる方、さまざまな対応あるわけでありますけれども、また台風が近づいている中でですね、これ以上被害が拡大しないように祈っております。また復旧等がしっかり進むようにですね、これまた私どもとしては期待をしておりますけれども、今お話ありましたが、先ほど部局長会議でも少し申し上げましたが、昨日、猪瀬都知事と関東知事会の場で首長同士の連携・連絡の重要性ということをご発言をされていました。やはりいざ大災害というときには、トップの方針が非常に重要だというご認識の上に立ってのご発言だと思いますけれども、私も同じ思いであります。長野県北部地震、栄村で大地震起きた際には当日早い段階で島田村長と直接電話で話をさせていただきましたし、消防庁ともですね直接電話でお話をさせていただいております。事務ベースでの情報共有、やりとりということももちろんしっかり行っていかなければいけないわけでありますけれども、最終的に、例えば避難勧告等を行う責任がある市町村長の皆さんが、何を、例えば県に期待しているかとかですね、何に不十分さを感じているかということを、やっぱり直接伺うということもあわせて重要だと思っておりますので、今後もそうした点については意を用いていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
法律上は首長、地元の市町村長が判断できない場合は県知事も避難勧告できるというような、確か、なっていたと思うんですが、場合によっては市町村長がちゃんと判断しないときは県知事が避難勧告したって、それは僕は、避難勧告という言葉はともかくとして、避難を住民に促してもいいんじゃないかなあというふうにも思ったりもしたんですが、知事いかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それは、例えば、東日本大震災のように役場機能が喪失するということもあり得るわけですから、当然、そうした場合には県として通常の対応だけでは十分ではない場合ということもあり得ると思います。災害、いろんな予見しきれないことが起こり得るわけでありますから、そのときどきの状況判断のもと、的確な対応に努めていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
もう1件だけすみません。国政の方で今日、特定秘密保護法案が閣議決定されて、今日中に国会提出の予定なんですが、国の法律、国の機関に対する法とはいえ、これから実際成立するとなると、いろんなことが地方行政にも及ばないとも限らないとは思うんですが、この法律について知事の所感がありましたらお願い致します。
長野県知事 阿部守一
これ、マスコミ等で報道されているのは承知していますけれども、法案自体の条文を私直接見てないんで、正確にコメントするのはなかなか難しいなと思いますけれども、基本的に、国民の知る権利ということは大前提に置いた上で、法制上の制度設計を行うということが私は必要だろうと思っています。
信越放送(SBC) 清水秀行 氏
才教学園の関係ですけども、先日監査委員から勧告がありましたけども、現在の知事のお考えをお聞かせください。補助金の返還についてですが。
長野県知事 阿部守一
監査委員から勧告があったわけでありますので、私としてはこの勧告をしっかり受け止めて内容を十分把握した上でですね、県としての対応を確定していきたいと思っています。
信越放送(SBC) 清水秀行 氏
もう一点ですけども、またですね、教員の不祥事がありまして、今回は高校の教諭が万引きで逮捕されたということで、今年度に入って5人目ということなので、歯止めがかからない状況もあるかと思いますけども、そのことについて知事の受け止めをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
これは教育委員会と一緒になって教員の不祥事防止、非違行為をなくそうということで取り組んできている中で、またこうした事件が起きてしまったということは大変残念でありますし、県民の皆さま方には申し訳なく思っています。事実関係しっかり確認した上で、再発防止をとるということを、教育委員会には求めていきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 渡辺史織 氏
先ほどの才教学園のお答えの中で、勧告をしっかり受け止めというところがあったと思うのですけれども、勧告の内容について、知事はこの内容を尊重して県としての対応を決めていかれるのかどうか、その辺をお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
今回の勧告については、例えば返還の金額とか、そうしたものが全てこうだと監査委員側で確定をされていない部分がありますので、私どもとしては勧告の内容は受け止めつつも、事実関係等については必要な調査をさらに行った上で結論を出してきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 渡辺史織 氏
必要な調査というと具体的にどういった調査をされるというのは、お考えがありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
教員免許外の授業の実態がどうだったのか、われわれとして判断していく上で必要な事項についてわれわれとしての認識というか、判断を確定させた上で、対応方針を決めていきたいと思っております。
信濃毎日新聞 須田充登 氏
今、意見募集をしているいわゆる公契約条例についてお伺いしたいのですが、当初は請負業者の労働者の賃金の下限を定めるようなことも検討の俎上(そじょう)に上がっていたわけですけれども、そうした規定は今回公表されている概要には載っていないということで、いろいろな意見交換をした結果こういうふうになっているというふうには聞いているのですが、知事の口から改めてこういう概要になったということの説明をいただきたいのですが。
長野県知事 阿部守一
今、パブリックコメント中ですので、県としての最終案は県民の意見を伺った上で条例案を確定させていきたいと思っております。そういう中で、今回賃金等を含めた労働環境の確保ということも重要な視点だと思いますが、それに留まらず、障害者雇用であるとか、男女共同参画の推進であるとか、そうした社会的な要請も多岐にわたっておりますので、今回の契約に関する条例に関しましても、こういった取り組みを積極的に行う企業を育成していくという視点が重要だと考えています。
信濃毎日新聞 須田充登 氏
その適正な労働条件の確保という意味においては、先行した自治体が定めている条例に比べると、労働界からは実効性が不十分じゃないかという声もチラホラ聞かれるのですけれども、知事は実効性についてはどういうふうにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今回、労働賃金の支払いのところは総合評価の観点で、労働賃金の支払いを評価していこうということで考えているわけですけれども、これまでそういった取り組みを行っている自治体の例を見ると、労働賃金支払いの誓約を総合評価で加点するということとしている工事については、ほとんどの契約者が労働賃金支払いの誓約をしていると伺っています。そういった観点で、総合評価方式においても実行性を確保することはできると考えています。
読売新聞 佐藤寛之 氏
才教学園の関係なのですけれども、担当課の方でも、何度か、既に調査に入っているという中で、今後のスケジュール感のようなものがあれば。あと、監査委員の方からも12月27日までにという話がありますが、早ければ11月に答えを出すとか、その辺りお考えがあればお願いします。
長野県知事 阿部守一
まだいつまでということで申し上げる段階でないわけですけれども、この件については、これまでも申し上げてきている通り、過去の取り組みについては県として厳正に対処していかなければいけないと思っております。反面、実際に現時点でも学園で子どもたちが学んでいるわけでありますから、将来に向けて子どもたちの教育環境が維持できるようにしていくという観点も重要だろうと思います。そうした両面をしっかり踏まえて対応を考えていきたいと思っています。
毎日新聞 小田中大 氏
先に才教学園の方でちょっと関連でお伺いしますけれども、いつまでということは今まだ申し上げられないというふうに知事おっしゃられましたが、学園側の第三者委員会の調査報告結果ですとか、今回の監査委員の一部まだ出ていないところもありますけれども、結果が出たというところで、他の機関においてはもうすでに結果がさまざま出ていると思うのですが、県の方で事件が発覚してから相当程度時間が経っていると思いますが、調査に時間がかかっている理由をおっしゃっていただきたいと思います。
長野県知事 阿部守一
それじゃあ担当課長の方からご説明したいと思います。
総務部情報公開・私学課長 久保田俊一
調査につきましては関係者の聞き取りでありますとか、あるいは学校訪問して行ってきているわけでありますけれども、まだ一部関係者に聞き取りができていない点、それから学校に対する調査につきましても今精査している中でですね、さらに調査をしたいということがございますので、その点についてこれから調査をした上で確定していきたいと思っています。
毎日新聞 小田中大 氏
別件に移ります。来年度の予算の編成方針の関係でなんですけれど、紙でいうと4ページ目のところに「投資的経費の中で新規の施設建設について従前では当面行わない」ということで、ただ、「既存施設の統廃合については勘案して行っていく」というところに「中期総合計画のプランに沿った取り組みについては」というところの一文が加わりました。従前よりは一歩足を先に進めて投資的経費についても執行していくという方針が出たと思うのですけども、知事の中で例えば具体的にこういう課題について使うものがあるのかもしれないという点があればお伺いしたいのですが。
長野県知事 阿部守一
これまさにここに書いてある通り、「しあわせ信州創造プラン」の中でも例えば県立大学について、位置付けて施設整備も当然必要になってくるわけでありますから、そういう意味では「しあわせ信州創造プラン」に沿った取り組みについては今回投資的経費についても必要なものは予算化をしていくことが重要だろうと思っています。
毎日新聞 小田中大 氏
あと最後一点すいません。組織改正についてお伺いします。まず今回の答申の形に沿って組織改正案がまとめられましたけれども、知事としては今回の組織改正というのはどういう点に力点があって立てられたというふうに改めてお伺いしたいのですけれども。
長野県知事 阿部守一
そうですね、さっき行政財政改革推進本部で県としての方向性決定したわけでありますが、本庁組織の改正として大きな部分として、まず課以下のところは条例事項ではないのでまた別途ですね、内部でよく検討していかなくてはいけないと思いますけど、一つは部レベルでは企画振興部、それから県民文化部、産業労働部内容名称等が変ってくるわけであります。一つは企画振興については、私はかねてから申し上げているように長野県77の市町村があって非常に多様な文化、産業そうしたもので成り立っている県であります。そうした地域の振興をしっかり支えていくことが重要だと思っておりますので、そういう観点から地域振興的な視点をしっかり県政の組織の中にも入れていくということは大変重要だと思っています。それから県民文化部ということで、長野県、文化的、文化芸術という面では県民の取り組みであったり、あるいは地域の伝統文化そうしたものは非常に強い、そして素晴らしいものが多い県だと思っておりますけれども、やや県政という視点から見たときには弱かったのではないかと思っております。こうした観点で文化の視点をしっかり強めていくと同時にですね、児童福祉、青少年の健全育成、そうした観点を部局横断的に取りまとめていく組織として県民文化部という新しい部を作っていきます。それから、産業労働部は産業振興全体、産業に関わる部局はさまざまあるわけではありますけれども、そうしたものに横串を刺していこうという観点で、産業振興部という形で、商工労働部を模様替えしていこうと考えています。加えて、今日の本庁組織の改正についての方針決定の中では、一定の権限を持った産業政策監をおいて担当部長という表現になっておりますけれども、答申で示されているようなですね、部局横断的な課題に対応していくという観点で、こうした担当部長についても新しく必要な部分については設置をしていきたいと。何というか、組織の効率性というものはできるだけ維持しながらもですね、効果を上げられる、成果を上げることができる組織にしていきたいと思っています。
毎日新聞 小田中大 氏
分かりました。おそらく最後になりますが、会議を拝見していたのですが、知事が建制順に比較的こだわっていらっしゃった印象を受けたのですが、あのこだわりはどういう理由でこだわられたのかというのはお伺いできますか。
長野県知事 阿部守一
別に強い意味でこだわっているというわけではなく、原案を必ずしもあそこで申し上げたように全否定しているわけではないですが、庁内議論が十分かということを確認したということであります。
毎日新聞 小田中大 氏
それは結構なんですけれども、会議の中では確かにほぼ実質的な議論というよりは、建制順の話が質疑の中では7割以上をを占めたような気がするのですが、関課長の方にどういうふうになっているのかというのをお伺いされたかと思うのですが、現行の中で違和感を感じる理由をお伺いしてもよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
これは合理的な理由があれば、私は別にこの案でも構わないと思いますが、これも行政財政改革本部で私申し上げましたけれども、県民文化部が所管をしようとしていることは、かなりの今の部分企画部からいくものが多いと。私の観点から見たときには、縦串横串という言い方が適切かどうかというのはありますけれども、例えば従前の企画部あるいは総務部というのは、どちらかというと横串組織で、健康福祉であったり環境であったり、観光、農政そうしたものはどちらかというと縦系列であるわけですので、この県民文化部をどういう位置付けでみるかということで、少しポジショニングが変わってくるのではないかなと。そこのところは、所管業務かどうかということだけではなくて、どういう位置付けにしていくかという観点をわれわれしっかり持った上で位置付けていこうというのが私の主旨であります。
毎日新聞 小田中大 氏
いわゆる一般省庁というか中央省庁で言いますと、建制順というのは、並び順が例えば大臣であれば、大臣のクラスも関わってくるのではないかという言われ方をしていますけれども、今回その県民文化部を上に上げるというのはそういう意味合いであるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
全くそういう意識はないですね。別にこれは上が偉くて、下が偉くないとかそういう発想は全く私はないですし、県の組織自体もたぶんそういう発想にはなっていないと思いますので、そうした視点は皆無ですね。私は少なくとも。
信濃毎日新聞 山越悌治 氏
予算編成方針の関係と事業点検の絡む話なのですが、今回の事業点検で、個別の事業について言うと、特にC班のメールマガジン発行事業については、行政が実施する必要なしとされた方が7人おられて、事業規模縮小の方も5人おられて、しかも観光部についてだけなのですが、有識者の方まで行政が実施する必要性はなしと判断された方が何人かおられたということで、これをどう来年度予算の編成に反映させていくかというところがポイントになってくると思うのですが、事業点検を今回本格実施をして、去年は12月の実施だったと思うのですけれども、今回は予算編成に反映できるようにこの時期に実施したと思うのですが、事業点検の重みという点でどのように対応されていくのか、もう1回確認をしたいのですが。
長野県知事 阿部守一
これは、まさに結果を踏まえて、まずこれだと例えば観光部が、どうそのときのやりとりを受けてですね、考えるかということだと思いますが、私として判断するときには当然この点検者の点検結果を念頭に置いた上で、方針を決めていきたいと思います。前にも申し上げたと思いますけども、点検者の意見と違う方向でもしやるとすればですね、それはしっかりとした説明責任を果たさなければいけないだろうなと思っています。
信濃毎日新聞 山越悌治 氏
あとですね、予算編成方針の方で、7ページになるんですけど、財政見通しという図がありまして、確かあのちょっと記憶違いだったら申し訳ないんですけれども、歳入の所で県税地方交付税臨時財政対策債となっているんですが、去年は確か建設事業債と臨時財政対策債、臨財債を一緒にして県債だったような気もするんですが、ここに位置付けた。
長野県知事 阿部守一
分かりません。ちょっとそこは私は全く意識してない。ちょっと平木財政課長の方から。
総務部財政課長 平木万也
今のご指摘の点につきましては、臨時財政対策債につきましては、ご案内のとおり地方交付税の振り替えでございますので、そういった趣旨からも今年度の起債に対しましては、地方交付税の方に起債替えをさしていただいたということでございます。
信濃毎日新聞 山越悌治 氏
やはりあの、臨財債に対する問題意識があって、ここに今年から変えたということなんですか。
総務部財政課長 平木万也
あの、臨財債そのものに対する問題意識は、従前から申し上げている通りで、変わっておりません。この点、起債につきましては、今申し上げたとおり、地方交付税と臨財債というものが一体ということで、今回こういう記載をさせていただいたということでございます。
信濃毎日新聞 山越悌治 氏
あと別件でですね、昨日の夜までに、県立大の関係で、公開意見交換会が3回開かれているんですが、その中でも、一般の方だったと思うんですけど、その今回の意見交換会が、一般の方じゃないかもしれないんですが、今回の意見交換会がですね、どうやって反映されていくのかという疑問があって、準備室の方では、あくまでも基本構想は骨であって、肉付けしていくんだという話があったんですが、基本構想自体は変わらない、どんなに意見を言っても変わらないということでいいんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは、前回の県議会でも答弁させていただいた通りで、その基本構想っていうものは、何ていうんだろう、議論を進めていく上の土台、骨格の部分でありますから、それをいつまでたってもひっくり返すとか、覆すとかそういう感覚で位置付けてはいません。ただ、これも県議会でご答弁しましたけれども、例えば、これからまだカリキュラムの具体化っていうのは全然これからの課題でありますし、基本構想の中にもですね、今後検討しましょうということも多々書かれています。で、あるいはその例えば、学部学科の在り方みたいなところは、これ文部科学省の認可をもらわなければいけないという中で、さまざま協議をしていく中で、最終的に確定をさせなければいけない話でありますし、またあの、例えば予算等についても、われわれとしての考え方を示した上で、最終的には県議会がご判断すると、例えばこれは過大じゃないかとかですね、過小じゃないかとかですね、そういうことも当然あの、ご議論としてはあり得る話だと思いますんで、そういうことを経た上で、大学の形が確定されるということになるわけでありますので、そういう意味で基本構想を何というか、いつまでも過去にさかのぼって変えていますという話ではありませんが、ま、しかしながら基本構想自体もまだ検討プロセスの中で、まとまっているものでありますから、将来に向けて今後の具体的なカリキュラムの検討であったり、文科省との協議であったり、議会の議論であったり、そうしたものを経た上で、大学の形が確定されるということであります。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
今の部分の確認なんですが、構想そのもの、基本構想そのものっていうのは、もちろん変更がないということが分かったんですが、内容的には、修正される部分っていうのがあるかもしれないっていうふうに受け止めたのですが、私どもは、そういうことでよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
内容的には修正というか、まぁ、今申し上げた通りで、これも何度も申し上げておりますけれども、私と、私知事としてですね、基本構想を決めて、これを踏まえて随時進めていこうということでやっているわけでありますので、私としてはベストの案だと考えてやっています。
長野県知事 阿部守一
ありがとうございました。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください