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更新日:2013年12月20日

知事会見(平成25年(2013年)12月20日(金曜日)11時00分~11時45分会場:県庁)

項目

知事からの説明

  1. 部局長会議の開催について

取材者からの質問

  1. 来年度当初予算要求概要について
  2. 市町村への権限移譲について
  3. 年末年始について
  4. 教職員の懲戒処分について(1)
  5. 東京都知事辞任について
  6. 教職員の懲戒処分について(2)
  7. 今年を振り返って
  8. 教育委員会制度改革について
  9. エネルギー基本計画原案について(1)
  10. 入山税報告書の取りまとめについて
  11. エネルギー基本計画原案について(2)
  12. 企業局水力発電事業について
  13. 淫行処罰条例について

本文

知事からの説明

 1 部局長会議の開催について

長野県知事 阿部守一
それでは、12月20日の会見を始めさせていただきます。私の方からはまず、部局長会議で報告された案件を2つ、お話しを申し上げたいと思います。
1点目は、今年度のスノーリゾート信州のプロモーションについてであります。スキーシーズンが始まって、今もだいぶ雪、降ってきましたけれども、長野県、昨シーズンを上回るスキー客、スキー場の利用者数を目指してプロモーションを展開してまいります。今年の目玉として、明日21日、あさって22日「信州初滑り&クリスマスプレゼント 滑ろう!当てよう!泊まろう!キャンペーン」を行ってまいります。県内のスキー場でこの2日間にリフト1日券、あるいは2日以上の券、シーズン券、こうしたものを購入いただいた方に応募券を差し上げて、それをスキー場の応募箱に入れていただくということで、このキャンペーンにご参加をいただく形にしております。商品につきましては、長野県の全スキー場共通リフトシーズン券、あるいはリフト券付き宿泊券、スキー・スノーボード等々豪華な景品を用意しております。抽選につきましては、24日の火曜日、午後1時からこの場所で行います。私も抽選に参加を致します。ぜひ、明日、あさって、初滑りという方もいらっしゃると思いますので、ぜひ大勢の方に信州のスキー場にお越しをいただきたいと思っております。
それから、2点目でありますが、ふるさと信州風景百選の前期審査の状況と「ふるさと風景育成の集い」の開催のお知らせでございます。長野県の美しさ、県内外に発信していこうということで、ふるさと信州風景百選の選定を行ってきております。2回に分けて募集しておりますが、その内の前期分、この4月から9月末までに応募いただいたものについての概況を取りまとめたところであります。応募581件ということで、10月に行われました、489名の公募選定委員によります地域審査において、142件が候補箇所として選定をされました。11月には、東京農業大学名誉教授の進士五十八(しんじ・いそや)さん、グラフィックデザイナー・画家の原田泰治さん、創作人形作家の高橋まゆみさんら、10人の有識者の皆さんで総合審査を行っていただきました。前期分の候補箇所の魅力等について、個別評価を行ってもらっております。後期分がまだありますので、最終的には来年の夏ごろにトータルとして、100カ所の美しいふるさと風景を選定していきたいと思います。応募いただいた皆さま方には、心からお礼を申し上げたいと思いますし、また後期分については、現在募集中でございますので、ぜひ、多くの皆さんに、やっぱりふるさとの誇るべき風景はここだ、ということをどんどんですね、発信をして応募をしていただければと思っております。よろしくお願い致します。また、明日21日の土曜日、伊那市の伊那文化会館を会場として、「ふるさと風景育成の集い」を開催致します。伊那市は今年の11月に景観行政団体に移行したということもありまして、来年4月の景観計画の施行を控えて、現在、行政・住民一体となった景観形成を進めていこうということで取り組んでいただいております。そうした観点で、今回のイベント、共催という形で行ってまいります。当日は、県の景観審議会長であります進士五十八(しんじ・いそや)さんによります「信州ふるさと風景の創り方」と題した基調講演をお願いしております。また、百選の総合審査にもかかわっていただいております原田泰治さん、伊那食品工業会長の塚越寛(つかこし・ひろし)さん、アートディレクター・エッセイストの結城昌子(ゆうき・まさこ)さん、そして地元の景観住民協定者団体代表の山口通之(やまぐち・みちゆき)さんらによりますパネルディスカッション、住民が主体的に風景の魅力づくりに関わる観点でのパネルディスカッションを行ってまいります。ぜひ、ふるさとの景観、長野県の美しさ、というものを多くの皆さんに考える機会にしていただければと思っております。この景観百選の取り組み等も含めてですね、長野県の価値、強みであります美しさというものをしっかり内外に訴えかけていく取り組みをしていきたいと思いますし、こうした取り組みを通じてですね、一人でも多くの皆さんに長野県の素晴らしさというものを改めて感じていただくようにしていきたいと考えております。
私の方からは以上でございます。

取材者からの質問

 1 来年度当初予算要求概要について

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
改めて予算要求についてお伺いするんですが、この10年ですとかなり多い要求ではあったんですけれども、今後知事査定でどのように臨まれるのかということと、それから先立つものがないことには予算は執行できないわけでありますので、昨日の知事会の雰囲気等も含めてですが、財源確保の見通しについて、どのように現時点で思われているのかをお願いします。

長野県知事 阿部守一
要求額が多いというのは、例えば「しあわせ信州創造プラン」のプロジェクトのコア事業についてはシーリングの枠外にするというような形で、要求ベースでほとんど出てこないということは査定の段階で調整する余地がないという話ですから、伸ばすべきところはしっかり伸ばすということでやるときに、最初から要求ベースがシュリンク(萎縮)しているというのは良くないだろうと思っています。限られた予算の中でやり繰りしていかなければいけないわけでありますけれども、一つは分権を進めなければいけないわけですけれども、いまだにかなりの財源を国に依存している部分が多いわけでありますから、しっかりと国の財源を確保していくと、これは地財対策で、まずは一般財源総額をしっかり確保してもらうと、これは昨日知事会でも知事会長から総務大臣にお願いをしていますけれども、そういう意味で大枠ベースで地方財政全体の枠をしっかり確保してもらうということが必要だろうと思いますし、それに加えて、われわれ長野県としてもできるだけポジティブに財源確保の取り組みをしていかなければいけないと思っております。国の補正予算等もあります、先ほども少子化対策の交付金を積極的に使えるように検討しろということで、部局長会議で指示しましたけれども、そうしたことも含めて、まず財源確保の取り組みはしっかりやっていく必要があるだろうと思っております。加えて歳出の面でも、必要なものについてはしっかりと予算付けをすると同時に、必要性の薄いようなものについては縮小、廃止ということでメリハリを付けていくということが重要だろうと思っています。そうした観点で査定はしていきますし、今、予算要求概要等に対して県民の皆さまからのご意見も募集しておりますので、そうしたご意見も参考にしながら最終的な予算を固めていきたいと思っております。

 2 市町村への権限移譲について

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
先ほどの部局長会議でも、意欲のあるところに分権というんですか、権限の移譲をしていくという、知事は「新たな動き」とおっしゃいましたか、新しい動きだと受け止めていらっしゃいましたけれども、県内を見回した場合、なかなか市町村レベルとなると、お金がちゃんと付いてくるのかどうかとか体制の問題もあるんでしょうが、市町村の方とするとなかなか、口では「分権、分権」と言っていても実際のところなかなか進まない、市町村に対しての分権ですね、県への分権というより、という面もあるのですが、この県と市町村との関係、知事も見直しといいますか検討するようにというふうに担当部署には指示しているとは思いますが、そこら辺、改めて分権、特に市町村に対する分権ということについて今のところのお考えを今一度お伺いします。

長野県知事 阿部守一
県から市町村への権限移譲は、かなり進めてきているとは思いますが、とはいえ相対的に国と地方の関係で国の権限が地方にまだまだ移譲されていないという中で、私は単純に権限が国から県、県から市町村へいく事だけではなくて協働で取り組むとかですね、ものによっては広域自治体の方がやるとかですね、そういう役割分担をはっきりさせていくということも合わせて重要だと思っております。そういう意味で、これは新しい自治のあり方を検討しようということで担当の地方分権推進室を中心に部局横断的にそうした検討も行ってきておりますので、長野県の場合は他の県よりも町や村が多い、小規模自治体が多いという特色があるわけでありますので、そういう特色を十分踏まえた対応を考えていきたいと思っております。

 3 年末年始について

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
あともう1点、今年の年末、日の並びが良くてですね9日休みという方も多いとは思うんですが、スキーの話もありましたが、知事は年末、おけがもされましたがご予定は。

長野県知事 阿部守一
私は残念ながら骨折したんでスキー場に行きたいけど、スキーに行って転ぶわけにはまだしばらくいかないので、行けないなと思っているので、大変残念ではありますけれども、多くの人たちにはぜひスキー場、足を運んでいただきたいと思います。私は、県内に少し、2日ぐらい泊まりに県内の旅館に泊まろうと思っていますけれども、あとは基本的に公舎にいるという予定にしています。

4 教職員の懲戒処分について(1)

日本放送協会(NHK) 渡辺史織 氏
今週、文部科学省のまとめで昨年度の公立学校の教職員の懲戒処分の件数のまとめが出たんですけれども、昨年度の話ではあるんですが改めて数字で見ると、長野県全国で4番目に多いということでそれについて改めて知事の受け止めをお願いしたいのと、昨日もまた懲戒免職という重い処分が3人の教諭にあったということで、それについてもご意見をお願いします。

長野県知事 阿部守一
これは教員の不祥事が相次いでいるということで教育再生に取り組もうとやってきているわけですけれども、改めてこれまでの処分件数を見ると極めて多いなと思いますので、改めて私としても、また教育委員会としても気を引き締めて教育再生に取り組む必要があるだろうと思います。これは、私とか教育委員会がやっているだけでは仕方ないので、やはり現場の学校、校長の皆さんあるいは先生方もですね、やはり一緒になって問題意識を共有してもらうということが重要だろうと思っています。教育委員会、櫻井委員長あるいは伊藤教育長、率先して現場の皆さんとも意見交換してもらっていますので、そういう中で個々の先生方が自分事として当事者意識を持ってこれからの学校の在り方、あるいは自分たちの教員の規律の在り方ということについてはしっかり考えていってもらいたいと思いますし、県としては、あり方検討会議で出されてきている提言、着実に具体化をしていきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 渡辺史織 氏
また、新年に向けて教育再生の取り組みにどのような姿勢で取り組んでいきたいのかということについてお願いします。

長野県知事 阿部守一
これは何というか、教育行政に対する信頼が大きく損なわれている状況でありますから、まずは教育委員会あるいは学校現場の先生たちと一緒になって信頼を回復するべく取り組んでいくということに尽きると思います。

5 東京都知事辞任について

日本放送協会(NHK) 渡辺史織 氏
もう一つ別の件で、東京都の猪瀬知事の辞職についてお伺いしたいんですが、同じ知事というお立場でそれをどのように見ていらっしゃるかということと、東京オリンピックの招致、中心になって取り組まれてきた知事が今回辞職するということで、今後どのような影響があると、長野県としても東京オリンピックの開催に協力していきたいということでしたので、どのような影響が出るというふうに考えていらっしゃるかお願いします。

長野県知事 阿部守一
まず、猪瀬知事は長野県のご出身ですので、そういう意味で県内にも多くの皆さんが猪瀬知事の都知事としての活躍に期待をされていた方も大勢いらっしゃったと思いますし、私も直接的に学校の同級生だったんだというような人たちとも話をしたこともありますけれども、そういう意味では、こういう事態で就任から約1年で辞職せざるを得なくなったということは、ある意味大変残念なことだと思います。ただ、私も報道等で見ている限りではありますけれども、この間の状況を見るとご自身で辞職をご決断されるということもやむを得ない状況だろうと思っています。オリンピックについては、これは東京オリンピック・パラリンピック、長野県も冬季オリンピックを日本中の皆さんに応援していただいて開催した県でありますから、ぜひ東京オリンピック・パラリンピックについてはしっかりと一緒になって応援をしていきたいと思っていますし、このオリンピック・パラリンピックの効果を長野県にもプラスに生かせるような取り組みをしていきたいと思っています。「しあわせ信州シェアスペース」を銀座につくるのも、一つは東京オリンピック・パラリンピックで世界の注目が東京に集まってくるということを受けて対応していこうというところもあるわけでありますので、そういう意味で知事が替わっても、ぜひこの東京オリンピック・パラリンピックは成功をしていただきたいと思いますし、われわれもできる限りの協力はしていく必要があるだろうと思っています。

6 教職員の懲戒処分について(2)

テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
先ほどの教員の処分の関係で、昨日の発表では、免職処分が7人で、前の年の同じ時期よりも1人減っただけだと、懲戒処分は29人で同じ時期より2人減っただけということで、再生に取り組まれている最中で、おそらく県民の方、あんまり減ってないんじゃないかなというような状況も見て取れるかと思うんですが、知事はその辺どう受け止めてらっしゃって、これから同じことをやっていてもだめだと思うんですけど、何が必要だとお考えでしょう。

長野県知事 阿部守一
これはタイムラグがあるんで、何ていうか、先ほども言いましたけど、あり方検討会議の提言もまだこれから具体化をさせていかなければいけないわけであります。何ていうか、どうしても何か新しい制度とか仕組みとか入ってくることに対しての抵抗感というのもなくはないとは思いますけれども、今のまま漫然と対応していくだけではですね、長野県の教育は私は変わっていけないと思いますんで、ぜひ、現場の教員の皆さん、一生懸命頑張ってらっしゃる方がほとんどでありますので、そうした皆さんと思いを共有して取り組んでいきたいと思います。これが例えばですね、提言されたことを実行してもですね、なおかつ処分者がいっぱいいますよということであれば、それは対応の仕方がまずいんだろうと反省しなきゃいけないですけれども、今まだこれから提言された事項、具現化していこうという段階ですから、まずはそこしっかりやっていく必要があるだろうと思っています。

7 今年を振り返って

テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
おそらく早急にそれを実行してほしいというのは県民の意見、思いだと思いますが、あと、ちょっと変わって、まだ仕事納めまでは1週間ありますが、知事も先ほど骨折されたとかいろいろ、1年振り返って、最終年度、知事はどんな1年でしたでしょうか。

長野県知事 阿部守一
最終年度とかっていう感じではなくて、そうですね、どんな1年だったか、どんな1年だったかっていうのは、先日も今年の漢字、「創」っていう形でお話しさせていただきましたけれども、何というか、村井知事から県政引き継いで、県の大きな総合計画自体はそのまま維持をした形で前半県政進めてきました。そういう中でいろいろ私の視点も入れ込んで取り組んではきましたが、全体的に県としての方針として、例えば、今回の「しあわせ信州創造プラン」では政策推進の基本方針3つ定めて、これでやっていきましょうと、その点については県議会のご理解も得て、そして進めていこうとなったんで、私とすれば、今年1年っていうのは、そういう意味でいろんな新しい創造的な取り組みについてポジティブに取り組むことができた1年だったなと感じています。もちろん、「しあわせ信州創造プラン」を作ったこと自体そういうことでありますが、山の日の制定であったり、県立大学の基本構想の取りまとめであったり、何ていうか、新しいものを生み出すことについてかなり時間を費やしたという感覚を持ってますんで、そういう意味では、クリエイティブな方向性の議論を行った1年だったなあと、しあわせ信州シェアスペースとかも含めてですね、そういうのが私の、ちょっと厳密に今年何があったということを振り返っての発言ではないですけれども、今パッと問われると私の感覚的にはそういう感覚だなあと思っています。

テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
来年は、一期目残す数カ月ですが、力を入れてやるところ、知事の中で何かありましたら教えてください。

長野県知事 阿部守一
そうですね。これは継続してやらなければいけないことがいっぱいありますし、今、申し上げたように今年はどちらかというと新しい方向付けをしたことが、たくさんありますのでそうしたものをしっかりと形にしていくということが重要だろうと思っています。

 8 教育委員会制度改革について

読売新聞 松本由佳 氏
教育に関して補足でお聞きしたいのですが、先ごろ中教審が教育の最終権限者を首長に移譲するというような内容の答申をまとめたのですけれども、長野県もいろいろな教育の課題がありますけれども、阿部知事としては、こういった権限移譲に関してどのようなお考えがあるかお聞きしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
手元に答申のそのものを持っていないので、正確な表現にならないかもしれないですけれども、中教審で私も知事会を代表して発言をさせていただいた方向性は大きく二つあって、一つは、首長に責任と権限をしっかり持たせてほしいと、政治的中立等懸念があるところについては教育委員会が諮問会議というか審議会的、第三者的な機関として関わることでクリアできるのではないかということと、それからもう一つは、国の関与が強まることがないようにという二つであります。教育委員会と首長との関係性については、首長に権限を持たせる方向での答申案にはなっているわけでありますけれども、しかしながら、執行機関を教育委員会のままにするという意見も強い意見としてあったということで併記をされているという状況でもありますので、今後国においてどういう議論がなされるのかということはしっかりと見ていかなければいけないだろうなと思っています。首長と教育委員会とか教育関係者の視点が、少し、私も中教審で他の教育委員会関係者の人たちの意見を横で聞きながら感じたのは、何というか建前論と実質論が混在してしまっているのではないかなと、われわれ首長は日頃から教育委員会あるいは教育長といろいろな形でコミュニケーションを取っていますから、もちろん執行機関としては教育委員会でありますけれども、予算を編成する権限はわれわれ首長が持っていますから、そういう意味で、例えば教育長と首長とのコミュニケーションというのは平素から大事な話だと思っています。ただ、法律上の文面とか形式的なところを見ると、なんとなく執行機関は教育委員会だから教育長は教育委員会の指揮命令に従って首長の影響は排除しましょうとか、排除しませんとかとそういう話になっていますけど、実際、同じ職場で予算の関連性もあるし、首長だって教育行政をどうしたいかといいう思いを持って首長になっているわけですから、そういう意味では日頃のコミュニケーションはいろんな形で行われているので、制度の立てつけと実態というものが、乖離(かいり)することがないようにしてもらうことがやっぱり一番重要ではないかなと改めて感じています。

9 エネルギー基本計画原案について(1)

市民タイムス 渕上健太 氏
先日、国のエネルギー基本計画というのが了承されたということで、その中で、野田政権の時に原発ゼロというのが打ち出されていた方向とはまた違う形で原発を基盤となるエネルギーとまた改めて位置づけたという内容であるということなんですが、それについての知事の所感をお伺いしたいんですが。

長野県知事 阿部守一
エネルギー基本計画の原案が経済産業省から示されたということで、エネルギー政策の方針については国がしっかり示すべきだということを申し上げてきたわけですが、原案という形で示されているわけで、国民的な議論を十分行っていってもらうということがまず必要だろうと思います。原発に関しては例えば重要なベース電源という形で位置付けられている一方で、依存度を可能な限り低減させるという形になっているわけで、これは読みようによってはいろいろな読み方ができるだろうと思います。そういう意味では将来的にどういう形のエネルギーにどれだけ依存してそれをいつまでに行っていくかということをはっきり示して、そしてエネルギーについてはわれわれも自然エネルギーの普及拡大をしっかり行っていこうということで取り組ませていただいていますし、これは事業活動を行っている皆さんであったり、一般の国民であったりも、例えば非常にエネルギー価格が高騰する中でいろんな意味で関心を強く持っているのが原発との関係もありますし、エネルギー価格という面でも多くの国民が関心を持っている分野でありますから、そういう意味でこれこそまさに国の考え方を丁寧に説明していただいた上で、しっかりとした国民のコンセンサスを得ながら方向付けを決めてもらうということが重要だろうと思います。

市民タイムス 渕上健太 氏
県の方でも国の政策と呼応しながら固定価格の買取り制とか生かした形での自然エネルギーの普及を進めてきていると思うんですけれども、そういった県の施策が今後影響というかやりづらさというか県の施策の方向性とは少し動きが異なるような基本計画だと思うんですけれども、それについて今の段階で何かありますか。

長野県知事 阿部守一
われわれは「しあわせ信州創造プラン」で環境エネルギー自立地域の創造ということをうたっているわけで、その方向についてはしっかりと堅持して進めていきたいと思っています。これは地域の自立度とか地域の経済的側面を考えたときに必要だと思っています。今回示された原案でエネルギーの需給構造を分散型にしていこうと、われわれはまさに巨大なエネルギーシステムではなくて分散型エネルギーにしていこうと、そういう方向性については強く打ち出していっていただきたいと思いますけれども、ただそれに伴う地域経済への効果等について必ずしも十分な言及がなされていないと思っていますので、今後それぞれの地域、それぞれの都道府県で自然エネルギーの普及拡大ということにかなり力を入れて取り組んできていますので、かつて政府がエネルギー政策を考えていたときの状況とは地域もかなり積極的にエネルギー政策をそれぞれの都道府県、あるいは市町村でも進めようという意識が高まってきていると思いますので、そういうことも踏まえた計画を最終的には取りまとめてもらうことが必要ではないかなと思います。

 10 入山税報告書の取りまとめについて

毎日新聞 福富智 氏
昨日、県の税制研究会が登山者らに任意の協力金を徴収することを提案する報告書の報告書の骨子案を示しました。それで最終的な報告書は今年度の末くらいになると思われますが、現時点での知事のお考えと今後の対応をどうしていくのかをお伺いしたいんですが。

長野県知事 阿部守一 
これは私はまだちゃんとした報告を受けていないので、そういう意味ではなんともコメントできないなと。私も報道で見ている範囲ですので、ちゃんと議論の中身とか報告書を受けて、またしっかりと発言したいと思います。

 11 エネルギー基本計画原案について(2)

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
先ほどのエネルギーの基本計画にちょっともう少しお尋ねしたいのですけれど、知事おっしゃるように原発重要なベース電源としつつも、将来に向けては依存度を下げるというふうに読めるということなんですけれども、確かに多分政府もそういう言い方をしていると思うのですけれども、その点は震災後、脱原発の流れなんかも大きく生まれてきたところで今回もその原発を少なくしていく流れと逆行するんじゃないかというような批判を受けている部分もあるかと思いますし、あとは安倍政権が原発輸出の流れを強めていたりすることとも関わりあるかと思うのですけれども、知事は将来的には低減させるというところでこの点には現時点では理解を示してらっしゃるという、原発活用の方向性についても理解を・・・

長野県知事 阿部守一
現時点で理解を示しているか、そこら辺が必ずしも判然としていないなと、原発依存度可能な限り逓減するっていうことは可能な限りというのは役所的な文書からいえば非常に幅が広いわけですよね。可能な限りというのは本当に極力やって、ここまでぎりぎりだっていうこともありうれば可能な限りと文面は書いているけれども、今までの延長線上ぐらいしかやらないという可能な限りもあるので、そこの政府としての意気込みとか考え方をしっかり示してもらうってことが重要じゃないかなと。そういうことが示されないと国民的議論もできなければ本当に安定的なエネルギーの中で、そして原発依存度をしっかり減らす方向にかじを切れているのかどうかというのは、必ずしも判然としていないだろうと思っています。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
改めてなんですけども、知事は将来的にはゼロとかいう方向性が望ましいというふうに思われているんでしたっけ、すみません。

長野県知事 阿部守一
これは原発の問題については、私は可能な限り少なくしていくと。少なくともあれだけの事故が起きてしまったわけですから、これまでと同じような形で原発をつくり続けるというようなことは有り得ないだろうと私は思います。しかしながらその反面、経済的な側面を考えればどういうエネルギー源で安定的なエネルギー確保を図っていくのかということをしっかり打ち出してそれに向かって国民が力を合わせていかなくてはいけないわけですから、そういう意味ではこのエネルギー基本計画の在り方というのは、これまで以上に重要な中身だと思っています。そういう意味では原子力発電、あるいは再生可能エネルギーそういうものについて、例えば可能な限りだとかですね最大限の導入を加速とかですね、そういうところはやっぱりもっと具体的な形で示していただくということがわれわれも自然エネルギーの普及拡大をしっかり進めていきたいと思っていますので、そういうところをより具現化・具体化して示していただいた上で、しっかりとした国民的議論が行われるということが重要だろうと思っています。

 12 企業局水力発電事業について

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
あとちょっと若干違うんですけれど、要求概要と同時に公表された事業見直しで企業局の水力発電事業で得られた利益を県の一般会計の方に回して、繰り入れて環境の事業に使っていくというのは、そういう事業見直しの案が示されているかと思うのですけれど、これは昨年企業局の売却の方針をいったん白紙に戻して、より活用していくんだという方向性の一環かと思うんですけれども、この辺の判断されたのは、今どの段階かっていうのはあれなんですけど、知事としてこの流れっていうか狙いっていいますか、もし受け止めがあればお願いしたいんですけども。

長野県知事 阿部守一
その話はかなり前から議論をしてきている話で、いつかっていうのはちょっと今正確には覚えてないですけれども、長野県の企業局、電気事業これまで行ってきてる中で、中部電力に事業売却という方向で進んできたわけですけども、やっぱりそれは先ほど申し上げましたように、エネルギーの地域分散化とかですね、あるいは長野県として自然エネルギーの普及拡大をしていこうというときに、企業局の電気関係の職員の知見というのは非常に重要な県としての資産でありますから、そういう意味で方向を変えて、存続と、そして、むしろ逆に、固定価格買取制度で電力売電価格が収益が十分上げられることを活用して、しっかり電気事業を拡大をしていこうということで取り組んできています。そういう中で、得られた収益についてはやっぱり自然エネルギーの分野に有効に使っていこうと、これ企業局から一般会計に繰り出してもらって、使っていこうということで目に見える形で企業局を存続させたメリットというものを出していきたいと思っています。

 13 淫行処罰条例について

信濃毎日新聞 山越悌治 氏
先日なんですが、弁護士会の方で特定秘密保護法の関係で声明を出されたのと一緒に、淫行処罰の関係についても県の条例の制定に反対する意見書を発表されまして、改めてのことだと思うんですけれども、その中で指摘されているのが特定秘密保護法と同様に淫行処罰に関する条例っていうのは以前にもちょっと会見で質問した経緯があるんですけれど、罪刑法定主義に反すると淫行の規定が曖昧(あいまい)で、捜査機関の解釈次第で処罰できる恐れがあるっていうような懸念を改めて示されているんですが、ちょっと何度も聞いて恐縮なんですけど、改めて知事のお考えをお伺いしたいんですけれども。

長野県知事 阿部守一
まずそういう条例を作るということでなんか案が出ているわけでもなければ、今慎重に検討してもらっているところですから、要するに罪刑法定主義に反するとおっしゃっているのか分からないですけれども、何ら条文がないのに罪刑法定主義に反するとかっていう、まだまだそういうところに至ってないんで、そのことについては私が今コメントするような状況ではないだろうなと思います。

信濃毎日新聞 山越悌治 氏
その中で、新たな刑事罰が必要な事実は県内に見当たらないんじゃないかというような指摘もあるんですけど、現行法で対応できるんじゃないかという指摘もあるんですけど、その辺の認識はどうでしょう。

長野県知事 阿部守一
そこは、だからいろんなご意見ご議論がある中でどういう形が望ましいかっていうことを考えていこうというのが今のスタンスでありますから、なんていうかこの条例を作ります、こういう条文ですっていうことを示しているんであれば、それについて、いやそれはこうです、ああですって、私がこの場で申し上げなければいけないし、説明責任果たさなきゃいけないと思いますけど、そういうものが今あるわけではないんで、そういう意味ではなんとも言いようがないなっていうのが正直な状況であります。

長野県知事 阿部守一
はい、ありがとうございました。

お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7110

ファックス:026-235-7026

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