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更新日:2014年5月23日
長野県知事 阿部守一
5月23日の会見を始めさせていただきます。私の方からは部局長会議の報告5点とその他2点、お話をさせていただきたいと思います。
まず、部局長会議の報告等についてでございます。まず、1点目。特殊詐欺非常事態宣言の発令、そして、被害防止対策の強化についてお伝えしたいと思います。プレスリリースにありますとおり、本日、特殊詐欺非常事態宣言を発令致します。本件の特殊詐欺被害、昨年10億8千万円余ということで、大変残念なことに過去最高の被害額になってしまいました。今年に入っても4月末の時点で4億円を超える被害が発生している状況でありまして、昨年を上回る極めて深刻な状況であります。こうしたことから、県としても特殊詐欺被害の防止に向けて、昨年2月に出しました多発警戒情報を上回る非常事態宣言を発令して、県と警察、市町村のほか、各種団体が相互に連携を図りながら、県民一丸となって、特殊詐欺被害の防止に取り組むため、直接県民の皆さま方に呼び掛けるものでございます。別紙3にございますように直接高齢者の皆さま方に情報が届けられるよう、県警の皆さま方は、独居高齢者宅の全戸訪問によります留守番電話設定等の推奨を行っていただきます。また、知事部局においても県警と協力して、狙われている地域への電話等による集中啓発、独居外高齢者宅への訪問による注意喚起を市町村、各種団体等へ要請をしてまいります。県の職員により親族、近隣の高齢者宅への訪問による注意喚起を行ってまいります。高齢者の見守り活動が全市町村で取り組んでいただくことができるよう広く協力を求めたいと思っております。また、警察におきましては、きめ細かな防犯指導の実施、あるいは、市町村、各種団体等と協力して街頭啓発活動に取り組んでいくこととしております。県民の皆さま方には、特に高齢者への見守り活動、声かけへの協力、そして、親族にご高齢の方がいる場合には電話の留守番設定をしていただくなど、特殊詐欺を発生させない環境づくりに一緒になって取り組んでいただきたいと思っています。以上が特殊詐欺非常事態宣言でございます。
それから、2点目。部局長会議の報告事項の2点目でありますが、シナノゴールドのイタリアにおける商業栽培開始についてでございます。本県の果樹試験場が育成いたしましたシナノゴールド、黄色い品種でありますけれども、平成19年にイタリア南チロルにございますVOG、南チロル果物生産者協同組合、それからVI.P、ヴァルヴェノスタ協同組合という生産者団体に試験栽培を認めて行ってきたところでございますが、今回、商業栽培が開始されることになりました。私も平成23年9月にイタリアを訪問して、基本的な事項について合意をしたわけでありますが、基本事項、基本合意に基づいて、農政部で許諾の詳細について交渉をしてまいりました。今回、商業栽培に関して覚書を締結することになりました。日本の果樹品種が海外で試験栽培された例はございますが、商業的に一定の規模で実際に果実が販売されるのは初めてと聞いております。イタリア訪問で私どももいろんな働きかけ、宣伝を行ってきましたが、今回、覚書の締結に結びついたことを大変うれしく思っております。今回の覚書によりまして、シナノゴールドにつきましては、ヨーロッパにおきましては「yello(イエロ)」という商品名で販売されることになります。Y、E、L、L、Oですね。イエロ。黄色のイエローとあいさつのハローからなる造語でございます。黄色が持つ明るく楽しいイメージを連想させ、20代から30代の若者世代をターゲットとして、世界的に通用するブランドを目指していこうというものであります。現地での試験栽培の評価については、果実の外観、品質、そして貯蔵性ともに優れていると、さらに消費者の評価も高いという報告を受けております。南チロルは長野県の6倍の生産量を誇るイタリアのリンゴ栽培の中心的な産地でございます。その地で本県が育てた品種が高く評価されたことは、大変喜ばしいことだと考えています。今後、シナノゴールドの栽培が拡大していくことを強く期待し、望むところでございます。これは、世界への貢献ということをしあわせ信州創造プランの中で位置付けているわけでありますけれども、長野県のリンゴを長野ブランドとして育てていくべくさらに努力をしていきたいと考えております。
それから、部局長会議の報告事項の3点目でありますが、ふるさとの森林(もり)づくり県民のつどいでございます。今年度のふるさとの森林(もり)づくり県民のつどいは、6月7日土曜日に、富士見町の富士見パノラマリゾートにおきまして開催致します。第65回長野県植樹祭という形でございます。全国植樹祭を平成28年に開催予定ということでありますが、全国植樹祭の決定後初めての植樹祭でございます。式典におきましては、全国植樹祭のPRということも含めて、地元のみどりの少年団の皆さんによります、ドングリの種まき、あるいは震災復興支援のための苗木の種まき等を行ってまいります。また、森林整備活動を約1時間にわたりまして1.2ヘクタールの面積にコナラやミズナラ等の広葉樹約6000本を植えていきたいと思います。災害に強い森林の造成、そしてシカの獣害被害を防除するための防除柵の設置等も行ってまいります。また、4月に本県にお越しいただきました映画監督、WOOD JOB!(ウッジョブ!)の矢口史靖(やぐちしのぶ)監督にもご参加をいただいて、植樹をしていただくことにしております。午後は、「信州山の日」のイベント、そして緑の基金主催の森林教室等も行います。ぜひ、大勢の皆さま方にお集まりをいただければと思っています。
それから、部局長会議の報告事項の4点目でありますが、南アルプス国立公園指定50周年記念式典についてでございます。明日、伊那市の伊那文化会館におきまして、南アルプス国立公園の指定50周年を記念した式典等が開催されます。環境省に加えまして、山梨、静岡そして私ども長野県、3県そして地元の10市町村で実行委員会を組織し、実施するものであります。私も出席をする予定にしております。11時半から50周年を祝う式典を行って、その中で自然公園の保護、そして適正な利用について顕著なご功績があった皆さま方に対する環境大臣表彰が行われます。本県からも南アルプスの関係者が表彰されると伺っております。併せて南アルプス国立公園関係功労者に対しての特別表彰もございます。午後からは女優の市毛良枝さんによります講演会や、「南アルプスの未来」というテーマでのトークイベントが行われる予定になっております。南アルプスジオパークあるいはユネスコエコパーク等、山を活用した地域の振興に熱心に取り組んでいる地域でございます。国立公園の50周年ということを契機にして、さらに一層こうした取り組みが盛り上がっていくことを期待しておりますし、長野県としても「信州山の日」の制定を契機として地域の皆さんと一緒になって取り組んでまいります。この50周年記念式典についても、ぜひ大勢の皆さま方のご参加をお待ちしております。
それから部局長会議の報告事項、最後の5点目でありますが「行政職員のための統計活用基礎研修」の実施についてであります。統計の利活用推進の新たな試みとしまして、県、それから市町村職員を対象とした統計活用基礎研修を、東北信地区と中南信地区の2会場で、7月下旬と8月上旬の2回開催をいたします。統計処理・解析・分析、そうしたものはこれからの政策作りにおいては不可欠なスキルだと考えております。この研修におきましては、主に行政施策の企画・立案に携わる職員を対象として、人口データ等を題材にして統計データの有効活用、そして統計ユーザー、利用者としてのスキルアップを図っていきたいと思っております。ぜひ政策力アップにつなげてまいりたいと思っております。
それから先ほどの山の日に関連しまして、山に関するブリーフィングを開始しているわけでありますが、信州の山に関するイベント情報等について、昨日5月22日にブリーフィングの第3回目を行いました。今回は初めて市町村からもご参加いただいて、これは長野県からだけの発信ではなくて、市町村にもご参加いただいて、川上村の「金峰山(きんぽうざん)開山祭」について、川上村のゆるキャラ「レタ助」も参加してPRをしていただいたところであります。これからも引き続き市町村の皆さま方にもご参加を募る中で、この信州の山の情報発信に取り組んでいきたいと思っています。ぜひご協力をお願い致します。
それから、以上が部局長会議関連でございますが、部局長会議以外で2点お話を申し上げたいと思います。まず1点目でございますが、第9回食育推進全国大会の開催についてでございます。お手元の資料をご覧いただければと思います。「第9回食育推進全国大会 ~しあわせ信州食育フェスタ2014~」を6月21日・22日の2日間にわたりまして、長野市のエムウェーブで開催をする予定にしております。この大会のテーマ『「健康長寿」は食育から ~食べる、学ぶ、楽しむ“信州の食”“日本の食”~』というテーマに沿いまして約180の食育関係団体が参加をして、ブースの出展、シンポジウム、体験型イベントを行ってまいります。約2万人の方々の来場を見込んでおります。シンポジウムにおきましては、テレビの料理番組等でもおなじみの服部幸應(ゆきお)さん、「世界一受けたい授業」などメディアに多数登場されていらっしゃいます順天堂大学の白澤卓二教授、「長野県の長寿の秘密」というご著書も書いていただいておりますが、白澤卓二教授、さらには「おいしい信州ふーど(風土)大使」の玉村豊男さんなど関係の皆さま方に「健康長寿を支える信州の食を考える」というテーマについてお話をいただく予定にしております。健康長寿日本一の長野県から健康づくりの基盤としての食育の重要性を強く訴えてまいります。また信州の食材を使った料理体験でありますとか、県内各地の郷土料理の紹介・試食、地産地消の学校給食の取り組みの展示、昔ながらの食器であります「箱膳」を使った和食の基本形の体験等、来場された皆さま方が楽しみながら学んでいただけるようなイベントを多数準備しております。また富士見高校の生徒の皆さんによりますミツバチの飼育を通じての食の大切さを子どもたちに伝える取り組みの紹介等、県内の食、あるいは農に関係する大学・高校からも日頃の活動や成果の発表してもらう、あるいは実演をしてもらうことを予定しております。ぜひこの機会に県内外から長野県の食育を知っていただき、そして信州の食が全国に広く広がって、さらに県民にとっては健康長寿の長野県がさらに進むような取り組みにしていきたいと思っております。ぜひ大勢の皆さま方にご参加・ご体験いただければと思っております。
それからもう1点「高野塾」、「清水塾」の開催であります。お手元に資料をお配りしているかと思いますが、「信州おもてなし未来塾」そして「信州・観光地域づくりマネジメント塾」でありますが、塾長のお名前を取ってあえて「高野塾」、「清水塾」と呼ばせていただきたいと思います。おもてなし向上を牽引するリーダー養成を行います「高野塾」、そして観光地域づくりを牽引する中核的人材を養成する「清水塾」、この2つの塾を開講致します。「高野塾」、「信州おもてなし未来塾」につきましては、人とホスピタリティ研究所代表で、ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニー日本支社長を経験されてきた高野登さんを塾長として、5月26日から開講いたします。今のところ受講予定者は38名でございますが、この塾におきましては「素直さ、誠実さ、他人を理解する力」など「感性と心の筋力」を鍛え、世界水準のおもてなし実践力をつけていただくということが特徴でございます。また受講生の皆さま方、宿泊・飲食施設、交通機関、これは「おもてなし」が重要な分野ではありますが、そうした分野だけではなく金融機関、警備会社に至るまでさまざまな業種の方がご参加いただく予定になっております。ぜひそれぞれの業界、地域で実際にリーダーとして活躍、そして実践をしていただくようにつなげていきたいと思っております。それから「清水塾」、「信州・観光地域づくりマネジメント塾」でありますが立教大学観光学部兼任講師の清水愼一さんを塾長として5月29日から2期目の講座をスタートさせます。受講者自らが地域で実際に関係者を巻き込む演習を行っていただいて、修了後観光地域づくりに取り組む際には、経済団体、シンクタンク等で「信州観光地域づくり支援機構」、観光協会の野原理事長が会長をしておりますが、この地域づくり支援機構がバックアップをして、実際の取り組みを進めていきたいと思っております。今回第二期ということでありますので、第一期の修了生も講師の一員として参加をしてもらう形にします。人が人を育てるという良い循環をつくっていきたいと考えております。以上が「高野塾」、「清水塾」の開講でありますが、いずれも長野県の観光地域づくりを盛り上げていくためには、不可欠なものだと思っております。受講される皆さま方には、ぜひ高い志を持って、受講してもらいたいと思いますし、こうした人材育成、長野県としてはさまざまな分野でこれからもしっかり力を入れて取り組んでいきたいと思っております。私の方からは以上であります。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
先ほど山の日の関連のお話があったので、1点そちらに関連した内容ですが、国の方の山の日、祝日法の改正案というのが今日参院本会議で可決・成立する見通しとなっています。県の方の「信州山の月間」の間にも重なりますけれども、まず成立の見通しについて、どう受け止めていらっしゃるかというのと、今後の県としての関わり方などお考えのところをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
国民の祝日としての山の日の制定も私どもとしては知事会等を通じて求めてきたところでありますので、そういう意味では大変ありがたいこと、うれしいことだと思っております。「信州山の日」もありますが、これは県内でありますから、全国的に山の日ということができれば、さらに長野県の山、信州の山に対する関心、そして行ってみたいなと思われる方が増えると思います。そういう意味で、今「世界水準の山岳高原観光地づくり」を目指しておりますけれども、そうした取り組みと相まって、この国の山の日についても積極的に生かす方向で取り組んでいきたいと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
分かりました。それからまた別件になりますが、知事選に絡んで、先週の会見以降、社民党さんから推薦が決まりました。それから日本維新の会さんからも決まりました。この推薦については基本的には同じように受けていかれるというお考えを先日示していらっしゃいましたけれども、社民党さんからは政策協定などを結んでいらっしゃって、政策協定などについても各党から求めがあった場合には基本的に応じていくということなのか、それともそれは個別のケースバイケースで考えたり、協議したりしていくことなのか、その辺りの位置付けはどんなふうにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは各政党それぞれやり方がさまざまだと思っておりますので、ケースバイケースの対応という形になろうかと思います。私とすれば、この場で申し上げているように、応援は広くいただくことがありがたいと思っておりますが、知事として選ばれれば、すべての県民の皆さまの代表として特定の政党に縛られることなくというかですね、一党一派に偏することなく、全県民を支える、全県民のために仕事をするという観点で、しっかり頑張っていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
もう1点ですね、明日自民党の県連大会が諏訪市で開かれまして、知事もご出席の方向と伺っていますけれども、今回、知事ご就任後は初めての出席になられますが、政権与党でもありますし、それから県議団の方で知事選について推すという、阿部さんを推されると決定されていらっしゃるところですから、明日はどんなお立場で、知事でもあり、また政治家でもあり、両面あるかと思いますが、どんなお立場でご出席されて、臨まれるというお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
基本的には知事の立場でご案内いただいていると思いますので、県知事の立場で出席をしたいと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
政権与党との関係になられるわけですけれども、ごあいさつなど、こんな姿勢で臨まれるというのを、先ほど一党一派に偏らないというお話もありましたけれども、初めての県連大会になるのですが、そちらの方、あいさつなどですね、スタンスとしてはどんな姿勢で臨まれますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
いろんな方に呼ばれて、祝辞等を申し上げさせてきていただいていますけれども、申し上げる話は基本的に同じ趣旨になると思います。特に今回選挙も近づいているということもありますので、私自身これまでを振り返って、これは大勢の皆さま方からご協力いただく中で、自民党も含めてですけれども、県政運営を進めてくることができたということは大変ありがたいと思っております。そういう意味で、特に知事としてあいさつをさせていただく予定でありますから、特段変わったことを申し上げるということにはならないだろうと思います。
テレビ信州(TSB) 酒井龍人 氏
今の知事選の明日の自民党の県連大会についてお伺いしたいんですが、前回選では自民党さんは阿部知事の対立候補を支援したという形の中で、出席されて明日推す方針が固められると思うんですが、今の関連で、どんなお立場って言ったらあれなんですけれども、改めて、前回選で対立候補を支援した自民党さんの党の県連大会に出られるお考えっていうのをもう一度確認したいんですが。
長野県知事 阿部守一
前回選挙という感覚はあんまり私は無いですよね。知事に当選したときからずっと申し上げていますけれども、立候補表明のときも申し上げたかもしれませんけれども選挙というのは個人としての阿部守一がいいかどうかとですね、応援するかどうかっていう話でありますけれども、私は知事の仕事が別に1票入れた人であろうが、入れた人じゃなかろうがですね、あるいは応援してくれた人でもしてくれてない方でも、すべて県民の皆さま方は私から見れば一緒になってより良い県を作っていく仲間だというふうに思ってますんで、そういう意味で、そういう質問を受けることも多いですけれども、全くそういう感覚はないですね。全くそういう感覚はないっていうのは、4年前に選挙で私を応援したからどうだとか、応援しなかったからどうだとかというような感覚はないということであります。
テレビ信州(TSB) 酒井龍人 氏
分かりました。ちょっと話は変わるんですけれども、今の特殊詐欺の関係なんですが、これ過去最悪のペースで今推移して4億円突破しているということで、知事のお考えとして、これだけ急増している背景っていうんですかね、お考えをお聞かせいただきたいと思いますが。
長野県知事 阿部守一
そうですね、これやはり警察、あるいは県民文化部からも話を聞いてますけれども、やはり手口が巧妙というかですね、何と言うか、本当だというふうに思わせるというやり方が巧妙になっているということが一つ大きな要因だろうと思います。また、やはり人口構成全体が高齢化してお年寄りが増える、そして、中には独居老人の方も独居高齢者の方も増えるという状況の中で、やはりそういう人からのアプローチに対して、善意というかですね、そういう思いで対応されて被害に遭ってしまうという方が増えているという状況だろうと思います。これ報道等で見ていると、なんで引っ掛かっているのという感覚が大勢の方あるんじゃないかと思いますけれども、自分だけは大丈夫だという思いじゃなくてですね、もしかしたら、そういうこと、そういう誘いがですね、自分のところにも来るんじゃないかということを常に意識をしていていただくとありがたいなと思ってますし、今回、警察、市町村とも連携してできる限り個別にですね、メディアの皆さま方にもぜひこういう部分は報道していただきたいと思いますが、加えて個別の高齢者のお宅への訪問ということも精力的にやっていきたいと思いますので、そういう中でしっかりとこの特殊詐欺が減る、そしてなくなるように取り組んでいきたいと思ってます。
テレビ信州(TSB) 酒井龍人 氏
すみません、最後1点、先ほどの部局長会議で出た話ですが、県庁の先日の火災の関係で、防火対策に対して緊急通知されたということなんですけれども、この辺、具体的にどんなことをされていくのかっていう、訓練も前倒しされるということなんですが、その辺ちょっとお伺いしたいんですが。
長野県知事 阿部守一
そうですね、今回5月17日午後7時45分頃、県庁本館棟で出火をしたということで、このことについては、私どもとしては、大変、周囲の皆さま方、関係の皆さま方に申し訳ない事態だったと思っております。われわれとすれば、今後の防火体制、まだ出火原因、必ずしも特定されているわけではありませんけれども、県、県庁組織として防火体制強化をしていかなければいけないと思っております。庁舎の防火体制、それから安全管理につきまして、徹底をしていくということに関して、県庁内の財産管理者等に対して通知をしたところでございます。警察、消防の調査には、私どもしっかり協力していきたいと思っておりますし、これからもですね、火災予防もそうでありますが、災害時の対応等も含めて、今回のことから導き出される教訓については、しっかりと次に活かしていきたいと思っております。
日本放送協会(NHK) 清木まりあ 氏
山の日のことでお伺いしたいんですけれども、今日、祝日の方が成立となると再来年から祝日の方施行されるということなんですけれども、そうすると再来年から国の祝日の山の日と県の独自の山の日と二つあるということで県民としてはちょっと混乱してしまうのか、もしくは県の山の日っていう存在感がちょっと薄れてしまうんではないかという心配もありますけれども、その点はいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
はい。先ほども申し上げましたように、「信州 山の日」は、これは県民対象と、これ国民の祝日は全国民対象ということでありますので、他の県でも山の日既に制定されているところもありますが、相乗効果を発揮できるようにわれわれ取り組んでいきたいと思ってます。「信州 山の月間」ということで国の山の日も含む1か月間を山の月間としていろんなイベントを行っていきたいと思っておりますし、特に国民の祝日としての山の日ができれば、どうしても「信州山の日」は県外にも発信をしていきますが、県外の皆さま方からすると、それは一長野県の日ということでありますが、今回国民全体の祝日ということになれば、やはり山というものに対する日本国民全体の関心が向けられると思いますので、そういう部分をわれわれとしては積極的に生かしてですね、「信州山の日」と、それから国民の祝日の山の日がそれぞれより充実した形になるようにしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
特殊詐欺の非常事態宣言について伺いたいんですけれども、以前も出して今回2回目ということなんですけれども、昨年1年間でも過去最多の被害が出てですね、今回このタイミングで出すという理由は何かあるんでしょうか。つまり昨年1年間の統計でもう過去最悪というのが出ておるんですけど、若干、この5月というタイミングが遅いのかなあとは思うんですけど、その点はどうですか。
長野県知事 阿部守一
非常事態宣言、特殊詐欺に関して出すのは、今回初めてであります。前回、昨年出しておりますのは、警戒情報ということであります。これは24年度に比べて件数大幅に増えてきているということで警戒情報という形で出したわけですが、今回、非常事態宣言ということで出すのは今回が初めてであります。先ほど申し上げましたように、この4月末までの認知件数、被害額、これ昨年を上回るペースだということで、やはりこの時点でですね、しっかりと県民の皆さま方に私どもの現状を伝えると同時にですね、少しでも被害が少なくなるように、県警、そして市町村と一緒になって全県でしっかりこの特殊詐欺について向き合っていこうと、そういう思いで今回非常事態宣言を出すということに致しました。
信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
それとですね、今回、宣言を出すに伴って具体的な県としての対策というのは何か考えていますか。さらに県警もですね、いろんな手を使って防止の呼びかけをしてるんですけれども、そのすみ分けだとかっていうのは、どのようにしようとか思っていますか。
長野県知事 阿部守一
それ既に先ほど申し上げたと思いますが、もう1回改めて申し上げますが、まず、県警本部、独居高齢者の皆さま方のお宅、全戸訪問する予定であります。68,000世帯に対して全戸訪問して、留守番電話の設定の推奨と、特殊詐欺被害防止に向けた働き掛け、お願いをしてきたいと思います。また、地域安全活動に関する協定を締結している企業がございます。そうした企業とも連携して、この特殊詐欺の被害防止に努めていきたいと思います。また、県としては、県警とも協力して市町村に独居外、独居高齢者宅は県警が対応してもらいますので、独居外高齢者宅に対する注意喚起の要請をしてまいります。それから、県警の情報に基づいて、狙われている、狙われやすい地域。そうした地域に対して、電話、はがき、そうしたもので集中的な啓発を行ってまいります。また、高齢者宅を訪問される機会がございます民生児童委員の皆さま方やホームヘルパー、自治会役員、こうした方と協働して高齢者の見守り体制を強化していくということも要請をしてまいります。こういう活動を通じてですね、やはり一人ひとりの高齢者の皆さま方に問題意識が伝わるような取り組みをしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
すみません、繰り返しになるかもしれないんですけれども、そういう高齢者への呼びかけというのは既にやっておるんですけれども、何か具体的に、例えば今回新たに予算を付けて何か事業をするとか、呼びかけの事業をするとかそういうことは考えてらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
一般的な対応はやってきてると思いますけれども、先ほど申し上げているような話については、今回の非常事態宣言を踏まえて、県警、県でやっていくというものでございます。ちょっと担当課の方から詳しくご説明したいと思います。
県民文化部県民協働課消費生活室長 逢沢正文
今回改めて予算は付けておりませんけれども、従来の予算、それとマンパワーと言いますか、個別訪問というようなことが中心になりますので、そういったことで個々の、知事も今申し上げたとおり、高齢者の皆さんに情報が届くような取り組みで、撲滅といいますか減少を図っていきたいと考えております。
長野県警察本部生活安全部生活安全企画課地域安全推進室長 碓井英夫
私どもの考えているのは、電話対策というような文言が出ておりますけれども、犯行グループの証言なんかを聞きますと、とにかく「電話に出ればこちらのもの」というような話があります。これに伴いまして、とにかく直接電話に出ない対策を考えようということで、私ども考えているのがですね、独居高齢者宅をお伺いして、それでまたその方たちのお許しを得て、留守番電話サービスの設定までやると。そうすれば直接犯人からの電話を受けることがない、というような具合がありますので、今までのようなお訪ねして啓発するだけでなく、もう一歩進んだ電話対策の施策を考えているところであります。以上であります。
長野県知事 阿部守一
はい。ありがとうございました。
信濃毎日新聞 小出真人 氏
また山の日関連で申し訳ないんですが、先ほど知事もおっしゃったように、今回、山の日の2016年からの祝日というのが「信州 山の日」の追い風になって、大きな誘客を呼ぶとは思うんですが、その一方で多くの人が山に入ることで、遭難だったりとか、環境破壊だったりとかという課題もあると思うんですが、その誘客以外でですね、これから県が取り組んでいかなければいかない課題と、それに対してどう県が取り組むのかというようなところを、教えていただければと思います。
長野県知事 阿部守一
これも、今年の予算でも、遭対協の夏の活動期間を延ばしたりとかですね、それから山岳診療所に対する県としての支援を増額したりとかですね、遭対協(長野県山岳遭難防止対策協会)の装備についても充実していくという取り組みをしてきているわけであります。先般、ゴールデンウィークに、山の入口にこういうマップを作って掲示しましょうというお話もさせていただいたわけでありますけれども、直接的な効果かどうかは別として、対前年比で減少した、遭難件数が減少したという部分もありますので、さらに私どもとすれば、安全な登山。これはわれわれの取り組みと実際に山に登られる皆さま方の心掛けも重要だと思います。装備というものも必要でありますので、そうした部分がしっかりと伝わるように取り組んでいきたいと思います。前回もお話しましたが、グレーディングということで、例えば、体力と技術力とそれがどれくらいのレベルにあればこうした山に登れるかということも、われわれは分かりやすくお示ししていこうと思ってますし、そういう取り組みが非常に進んだ形だろうと思っています。ぜひそういうところを皆さまにはどんどんPRしていただければありがたいと思っております。
信濃毎日新聞 佐藤大輔 氏
来週月曜日なんですけど、松代の方で中央日本四県サミットということで初開催と伺いました。今回、長野県が主に呼びかけてこういう新たな枠組みを設けられたということなんですが、知事、このサミットで、どういうことを話題として取り上げたいのか、そもそもこのサミットを呼び掛けた思いというのを教えていただければと思います。
長野県知事 阿部守一
そうですね。大きく2つですかね。やはり長野県は、今山の日のご質問等もありましたけれども、観光資源として抱えている、そして環境保全としてやっていかなければいけない山岳は、多くを他県と共有しているわけであります。世界水準の山岳高原観光地を作っていこうということも、もちろんわれわれ長野県がしっかり進めていかなければいけないわけでありますが、周辺の県とも問題意識を共有して取り組んでいくことが、より効果的な取り組みになるだろうと思っておりますし、また、地理的に長野県は日本のど真ん中に位置しているわけでありますが、これからの産業・観光・人の交流、そうしたことを考えていったときに、これまでのどちらかというと東西ライン、東西軸だけではなくて、もう少し太平洋側そして日本海側との連携というものを強く意識していく必要があるだろうと思っています。こうしたことから、まず問題意識を共有して同じ共通の認識のもとで取り組みを進めることができればいいのではないのかということで今回、新潟、山梨、静岡の各県知事に呼びかけさせていただいて、サミットを行うことになりました。ぜひ具体的な成果を得られるような会にしていきたいと思っています。
長野朝日放送(abn) 後藤啓太 氏
シナノゴールドの件ですけれども、改めて商業栽培開始ということで、お受け止めとですね、これで長野県にもたらされる効果、メリットはどんなところにあるとお考えかお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
シナノゴールドの商業栽培、非常に私はうれしいことだと思っていますし、長野県の果物というものが世界的に認知されていく大きな契機になり得ると思っています。そういう意味で、農業面においてもプラスであると同時に、長野県の品種、シナノゴールドという、売り出す商標名はイエロでありますけれども、シナノゴールドという名称も併せて記載されていくという形になりますので、長野県を併せて発信していく良いツールになり得るだろうと思っています。こうした効果をぜひしっかりと生かしていきたいと思っています。
長野朝日放送(abn) 後藤啓太 氏
EU等周辺地域の販売拡大なんていうことも書いてありますけれども、目標というか、どんなところを目指していきたいか、最終的にはどういうふうに思っていますか。
長野県知事 阿部守一
南チロルの生産者団体の皆さま方が、これからどこまでプランニングをしていただくかといくことにもよるわけでありますけれども、私どももいろんなブランドづくり等については、これまでも相談を一緒にしながら取り組んできているわけでありますので、先ほどの資料の中にもあったかと思いますけど、南チロル地方だけで、生産量は日本全体のリンゴの生産量に匹敵する以上の規模感でありますから、一地域と提携したというよりは、日本全体の生産量以上のところと提携するということですから、非常に大きな効果があり得ると思っています。
長野朝日放送(abn) 後藤啓太 氏
話が変わって、知事選の件ですけれども、今、立候補表明をされているのは知事お一人で、他の候補者の擁立作業というのもあるという話なんですけれども、一般論でも構わないですけれども、知事選とか首長の選挙は、政策を戦わせるという意味でも、選挙戦になった方がいいかどうかというのはどういうふうにお考えですか。
長野県知事 阿部守一
選挙戦になった方がいいかどうかは、私があまりコメントするような話ではないかもしれませんが、有権者の立場からすれば選択肢があった方がいいと、逆の立場から考えれば私はそう思います。私とすれば、選挙というのは県民の皆さま方からの負託をいただけるかどうかということでありますから、これまでの取り組みをお伝えするのと同時に、私の考え方についてしっかりと県民の皆さま方にお伝えしていく場にしていきたいと思います。
朝日新聞 井口恵理 氏
国政の話になってしまいますが、2期目に教育に力を入れていきたいということなので伺わせてください。先日教育委員会制度を見直す地方教育行政法の改正案が衆議院の本会議で可決されて、今国会で成立する見通しですけども、これからこれが成立すれば、知事や市町村長の権限が強まることになります。教育行政に対して知事のお考えを反映させることができやすくなりますけども、一方教育への政治の介入を懸念する声もあります。これについて知事がどのようなお考えをお持ちなのかをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
私は教育行政の責任を明確にすべきだということをずっとこれまで言ってきております。そういう意味では少し前進だという感覚で受け止めています。私が責任の明確化と言っているのは、教育委員会と首長、それから県と市町村、あるいは国、そういったさまざまな機関が関わっている教育行政は、県民の皆さま方から見ても多分分かりにくい構造であるなと思っていますので、そういう意味ではより責任の所在を明確にした方がいいと思っております。今回首長と教育委員会が一緒になって、首長の教育についての関わり方が少し前進したということは、責任の明確化という観点よりはむしろ選挙で選ばれた首長の考え方が反映しやすくなるという意味では前進だろうなと思います。政治的中立性の話が言われるわけでありますけど、私とすれば教育に強い関心を持っていますけども、教育の中身を、思想的な教育をしなければいけないから教育に関心があるというよりは、むしろどういうふうに教育の質を高めていくか、今の状況ですと知事は予算を付ける権限はあっても、教員の研修をどうしようかというところに直接的な権限がない。研修予算を付ける権限はありますけど、中身について一緒に議論する権限がないので、そういうところは積極的に意見を言っていきたいと思います。政治的中立性っていう、例えばどういう政党を支持しましょうかっていう話を教育委員会と話すつもりは全くないわけでありますから、その政治的中立性が懸念されるということが長野県において心配になるということは全くないと思います。
読売新聞 松本由佳 氏
先ほどご紹介ありましたとおり、明日記念式典が行われます南アルプスの国立公園制定が6月1日で50周年ということですけども、来月にユネスコのエコパークも登録ということで、地元では将来的には世界自然遺産もというような希望があるように聞いて取り組んでいらっしゃるようですけれども、知事としては50周年の意味と、未来に向けてどんな課題があって、どういうふうに取り組んでいかれたいかお考えをお聞きしたいです。
長野県知事 阿部守一
長野県は多くの自然公園を抱えている中で、国立公園は自然環境を守っていくと同時に生かしていくという両面が未来に向けて必要だろうと思っています。そういう意味では、例えば南アルプスでも有害鳥獣被害、鹿の被害等が出ている中で、そうしたものをどう防いでいくかということにも対応していかなければいけませんし、またその反面、大勢の皆さま方に美しい自然環境に親しんでもらえる基盤、基礎を作っていくということが必要になってきていると思います。長野県は世界水準の山岳高原観光地づくりということを政策を進める上で重要なテーマとして位置付けておりますので、地域の皆さん、地元の市町村のご意見もしっかり受け止める中で、本当にこの南アルプスが、日本全体、そして世界からも注目され、そして親しまれる地域にしていきたいと思います。
市民タイムス 渕上健太 氏
山の関係ですが、先ほど知事からも紹介があったように山のグレーディングを導入するという方向が決まっていると思うのですが、今日午後の遭対協の総会でもそういった方針が決まると聞いていますが、都道府県でグレーディングを導入するのは全国初というふうに聞いていまして、かなり画期的なことだと思うんですが、一方で安全向上に役立つ一方で、そのかなりグレード分けするということで県としての責任も生まれてくると思うんですが、改めてどういった形で遭難防止に役立てていきたいか、あの、知事の考えをお聞きしたいんですが。
長野県知事 阿部守一
ごめんなさい。改めて…。
市民タイムス 渕上健太
どういった形で遭難防止に役立てたいか知事のお考えをお聞きしたいんですが。
長野県知事 阿部守一
はい。やっぱり多くの皆さま方が長野県の山にお越しいただけるということは良いこと、ありがたいことではあるものの、反面、なかなか技術力が伴わなかったり、体力が伴わない方が安易に登山をして、遭難されるということは、これはご本人にとってもマイナスなわけであります。そういう意味で、私どもとしてはいろんな角度でですね、情報提供していくということが必要だろうと思っています。この連休から主な入山口に、こういう場所で遭難が起きていますよということを、ビジュアルにお示しする取り組みを始めましたし、グレーディングも、いろんなご意見がある中で、しっかり登山者に対して、呼びかけていく一つの重要なツールとして生かしていきたいと思っています。もとよりこれ一つだけで安全性が確保されるというものではないので、いろんな取り組みを講じることによって、少しずつ長野県の山の安全性を高めていきたいと思っています。
市民タイムス 渕上健太 氏
隣県とつながっている登山道というのもかなりあると思うんですけれども、将来的には知事として、例えば、富山、岐阜の方の登山道がつながる部分についても隣県と協力してグレーディングという形になっていくのが望ましいというふうに今お考えでしょうか?
長野県知事 阿部守一
そうですね。ちょっとグレーディングの他県との連携というのはまだ考えてはいないですけれども、先ほど申し上げましたように、今度の4県知事が集まったときにも、山の話を考えていかなければいけないと思っていますので、そういう中でやっぱり私は山岳県長野としては、われわれがやっぱり山の在り方というものを発信していく立場だろうと思っています。今までなかなかあまりそういう取り組みになりきれていないところは大きな反省点ではありますけれども、山のいろんな取り組み、私ども長野県から発信をして、そして全国に広げていくという形でしていくのが望ましいと思っていますので、今回のグレーディングについても、ぜひ他の県にも紹介をしていきたいと思います。
長野県知事 阿部守一
はい。ありがとうございました。
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