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更新日:2014年12月26日
長野県知事 阿部守一
それでは、12月26日、今年最後の会見を始めさせていただきたいと思います。私の方からは特段テーマはありません。本日仕事納めの日ということで、こういう形で定例会見を開かせていただくのも今年で38回目ということであります。記者の皆さま方には、さまざまな意味でお世話になりました。1年間のご協力に心から感謝申し上げたいと思います。先ほど仕事納めの式でも申し上げましたが、今年の長野県は災害に相次いで見舞われる、残念な年になってしまいました。2月の大雪災害、7月の土石流災害、9月の御嶽山噴火災害、11月の神城断層地震災害ということで、多くの災害が起きてしまったわけでありますけれども、犠牲になられた方々のご冥福を改めてお祈り申し上げます。そして、被災された皆さま方、1日も早く普通の生活に戻っていただくことができるように、行政としても全力を尽くしていきたいと思いますし、心からお見舞い申し上げたいと思います。災害対応は現在も継続中でありますが、仮設住宅も多くの関係者の皆さま方のご尽力で、比較的早期に完成し、ご入居いただける見通しになっています。被災された皆さま方がお正月を少しでも心穏やかにお迎えいただきたいと思っています。そして、来年は災害のない穏やかな年になることを心から期待しています。ただ、期待をするだけでは知事としての役割は果たせませんので、それと同時に来年は防災・減災、そうした対策に力を入れて取り組んでいく年にしていきたいと思っています。加えて、政府も地方創生、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を出してきておりますので、県としても地方創生に正面から向き合って人口減少をできるだけ食い止めつつ、人口減少社会の中でも地域や産業が活力を持って元気な長野県になるべく取り組んでいきたいと、そういう年に来年はしていきたいと考えております。昨日発表させていただきました子育て支援戦略もそうした一環として全力で市町村の皆さんと協力して取り組んでいきたいと考えています。私の方からは今年の最後の発言として以上とさせていただきたいと思います。よろしくお願い致します。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
1点は今もお話がありました地方創生に絡んでの話になりますけれども、与党の税制改正大綱も来週には出るようですし、これから地方創生の具体的な事業それから具体的な取り組みというのが見えてくるところあるんだと思いますけれども、地方創生に取り組んでいく上で現在の政府の姿勢の中では新しい取り組みがどんどん出てきている一方で、比較的これまで長く言われてきた地方分権の部分というのがあまり見えないところもあるんだと思うのですけれども、地方創生における地方分権の意味合いであるとか必要性についてのご認識というのは、現時点でどんなふうにお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
地方分権は、本当に長い間分権型社会を作る必要があると言われ続けながら、なかなか遅々として進んできてないと思っています。機関委任事務の廃止も含めて、いろいろな制度、しくみの改善は図られてきていますけれども、例えば財源の地方への移譲等を含めて、根幹的な部分はまだまだ十分ではないと感じています。地方創生の議論の中で、われわれ地方が、まずしっかりと知恵を出していくということが大事だと思いますし、そうした地方の力を発揮する中で、多くの国民の皆さま方がもっと地方に権限を、もっと地方に財源を、というふうに共感いただける、思っていただけるようなことを、われわれ自身、地方公共団体自身がやっていくことが、まずは必要だろうと思います。それと同時に、ぜひ、政府においては、地方を国の思っている方向に引っ張るということだけではなくて、それぞれの地域の特色があるわけでありますから、そうした個性や特色がしっかり伸びる取り組みをしていく上では、さらなる分権、財源を含めた権限、財源の移譲が不可欠だということを十分理解していただいた上で、さまざまな施策に取り組んでいただきたいと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
今おっしゃった、地方の個性であるとか特色のある取り組みを進めていく上では、国が考えている地方創生の交付金を使い勝手の良いものにしていく必要があると思いますけれども、比較的今まで民主党政権から代わって以降、いわゆるひも付きの補助金ではない、地方の側で自由に使い道を考えられるような交付金というのは、比較的抑えめだったような印象があるのですけれども、今度の交付金への評価、それから今後の地方分権への交付金の果たす意味合いなどはどのように感じていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
まだ、具体的に何に活用できるのかという、どういう中身を提案していけば交付金の対象になるのかという全体像が判然としていないので、評価は今の時点ではなかなか難しいと思っています。一般論として言えば、個々の補助金があまりにも事細かにルール化をしていることから比べれば、交付金にして地方の自由度が高まるという方向性は、望ましい方向性だと思っています。さらにその先の話からすれば、本格的な税財源の移譲が必要になってくると思いますが、これは国も財政状況が厳しい中で、国・地方を通じた財政再建どうしていくかという議論の中で、しっかり決められていかなければいけないものだと感じています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
分かりました。それから別の質問になりますが、来年の話になりますけれども、来年の4月には統一地方選があります。二元代表制の下では知事が今年再選を果たされたのと同時に、今度は県議会が改選の時期を迎えます。先日の11月県会の一般質問の中での答弁では、基本的には何か特定の方を応援することはないとお話をされていたかと思いますが、時期が若干変わってきたので現時点でのお考え方を改めて伺いたいのと、どんな県議選になってほしいというふうに、時期はまだ3カ月、4カ月先になりますけれども、お考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まず私自身の関わりという点は、これは県議会で答弁したとおりですね。県議の皆さま方とはいろんな形でお付き合いをさせていただいてはきていますけれども、選挙運動を直接私が出掛けていって応援するという考えはありません。そしてどういう県議選であってほしいかというのは、知事の立場で考えたときには、やはりどういう長野県にしていくのかと、これは私も自分の選挙のときもそうでありますけれども、子どもたちや若者たちが夢と希望を持つことができる長野県にしたいというお話をいろいろなところでさせていただきました。それぞれの候補者の皆さま方がどういう長野県にしていきたいのか、将来の長野県のあり方というものをしっかりと提示をいただいて、そうしたものを県民の皆さまが選択できる選挙というのが望ましいと思いますし、そうして選ばれた県議の皆さま方と、また県議会の場でさまざま議論、県民の思いをお互い踏まえた上で議論することができれば望ましいと感じています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
分かりました。最後の質問をしますけれども、今年はこれから年末、明日以降仕事始めまで比較的長いお休みになる、役所の方はお休みになると思うのですが、知事はこの年末年始どんなふうに過ごされるご予定でいらっしゃるのか、特に小諸の方に建てられたお家も完成したというふうに伺いますし、どういうふうに過ごされるのか伺いたいのですが。
長野県知事 阿部守一
まず県内の温泉に少しだけ行きます。加えて小諸の家にも当然行って家族と過ごす予定にしています。それから、できれば今家族と相談中でありますけども、木曽であるとか白馬であるとか、被災地の応援に少しでもなればという思いを込めて出掛けることも考えたいと思います。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
最後の所は支援にもつながる話で、まだ家庭内検討中なんだと思いますけれども、例えばスキーに行かれるとか、念頭に置いていらっしゃるのはどういうことを。
長野県知事 阿部守一
家族で会議しないと、私が一存で決めてしまうと怒られてしまうのかもしれませんけれども、1つはスキーに行くということ、それから木曽には木曽漆器はじめ、買い物に出掛けようかと思っていますので、そこはまたよく相談して決めたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 清木まりあ 氏
1年お疲れさまでした。御嶽山のことでお伺いしたいんですけれども、来年雪解けの時期を迎えて入山規制も緩和される可能性もある中で、それに向けてどのように備えて対策をされていきたいか教えてください。
長野県知事 阿部守一
これはまず、地元の皆さんの思いとして、今の4km規制なんとかならないかという思いがあります。これは、地域の思い、現状というものは私どもの方からも気象庁にはお伝えしています。その上で気象庁が慎重に判断をされてくると思います。今回4kmにかかってないスキー場についてはオープンしているわけでありますけれども、今後規制が緩んだときに、スキー場、あるいは春からは御岳ロープウェイへの影響ということも考えていかなければいけないわけでありますが、やはり県としてはお越しいただく観光客の皆さま方が安心してお越しいただけるような対応、今回もマイアスキー場ではいろんな災害時の対応をしていただいておりますけれども、そうしたものを地域の皆さんと一緒に考える中で、安心してお越しいただけるような環境をつくっていくということが重要だと考えています。そういう話でよろしいでしょうか。
日本放送協会(NHK) 清水まりあ氏
例えば具体的にどんなふうな対策を考えてらっしゃるかというのも、もしあれば。
長野県知事 阿部守一
今行われている対策としては、いざ噴火の状況が変わったときの情報伝達の仕組みでありますとか、あるいはヘルメットの配備、避難場所の周知。そうした噴火の規模が拡大したときの対応についても周知をしていく、そういうさまざまな対応を現在オープンしているスキー場は取っていただいているわけでありますので、4km圏内が縮小した場合には、当然他の施設においても同じような対策を検討する中で、お客さまを迎えていくということが必要だろうと思っています。
読売新聞 戸田貴也 氏
関連して御嶽山の関係で今知事もおっしゃったように、地元の方々はいわゆる再生に向けて一歩を踏み出している段階だと思うんですけれども、来年はまさしくその再生を大きく踏み出すような時期になってくると思いますが、知事としていろんなさまざまなメニューがあると思うのですけれども、特に王滝村であれば観光面でどのような支援ができるのか。そして、県としてどのような1年にしていきたいのか思いをお聞かせ願えますか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。直接的に影響受けているのは木曽町と王滝村になるわけでありますけれども、特に御嶽山に今入山規制かかっているという状況の中では、御嶽山を直接の目的地として観光客を迎え入れるという環境にはなかなかなっていないと思っています。そういう意味では、木曽地域はさまざまな資源がありますので、例えば木曽の街道には大勢の外国からも観光客お越しいただいているわけでありますので、そうした点については日本国内だけではなくて、世界にもしっかりわれわれ県としても発信をしていかなければいけないと思っています。そして王滝村についてはほとんどの方たちが御嶽山にある意味で生業を依存している地域でもあります。当初王滝村をモデルに、村の再生モデルを検討していこうという取り組みも進めようとしていた経過もありますので、村全体がどういう村で進んでいこうとするのかということを県としてもしっかりと後押ししていきたいと思います。今年の対応としては、それぞれ一億円を県としても基金の原資を出して復興のための基金を作っていただいております。そうしたものも有効に活用しながら、地域の復興を進めていってもらいたいと思いますし、県も引き続き町・村の相談に乗りながら、一緒になって復興を支援していきたいと思っています。
読売新聞 戸田貴也 氏
別件になるんですけども、御嶽山がらみではあるんですが、登山届についてですね、来年2月の議会には登山安全条例の提出を目指されているということをこの間表明されましたけども、岐阜については同じく足並みを揃えてというか、義務化という点では一緒なんですけど、罰則規定については知事もおっしゃるとおり、今まで知事も慎重なご姿勢を示されていますし、ただ、一点お聞きしたいのは、もし仮に長野が罰則規定を設けない場合であれば、岐阜側であれば罰則規定を設ける、長野が罰則規定を設けないと、いわゆるその部分では足並みが揃わないということになると思うのですが、そうなっても、齟齬(そご)がないように恐らく調整会議等でいろいろな調整をされると思うのですが、足並みが揃わなかった場合にどのように対応していくのか、これは仮定の話なので本当に恐縮なのですけども、そうなった場合はどのように対応していくのか、もし想定があれば教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。山の安全条例については、まず、できるだけ早くと言っているようにどの議会でともまだ明確に申し上げてきていません。今われわれが検討している条例は、他の県は非常に地域も限定されていますし、条例の中身も限定されていますが、私ども考えているのはもう少し幅広いエリア、そして規定の中身も単に入山届を出しましょうということだけではない条例にしようと思っていますので、そういう意味で、しっかりと検討した上で、しかしながらできるだけ早く取りまとめていきたいと思っています。今、お話がありました罰則うんぬんの話については、まだわれわれとして罰則を付ける、あるいは付けないということを結論を出しているわけではないところでありますので、仮定の話ということにはなってしまうわけではありますけれど、私どもが対象として考えていかなければいけないのは、岐阜県だけではないと思っています。長野県の山はさまざまな県と共有しているわけでありますので、岐阜県がこうだからそれに必ずしも合わせるということではなくて、他の県も視野に入れてどういう対応をするべきかということを長野県は長野県としてしっかり考えていくということだと考えています。
長野県知事 阿部守一
どうも一年間ありがとうございました。皆さん良いお年をお迎えください。ありがとうございました。
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