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更新日:2015年3月27日

知事会見(平成27年(2015年)3月27日(金曜日)11時20分~12時00分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

取材者からの質問

  1. 御嶽山噴火災害行方不明者の捜索について(1)
  2. 火山研究人材の確保について(1)
  3. 信州型自然保育認定制度について
  4. 御嶽山噴火災害行方不明者の捜索について(2)
  5. 火山研究人材の確保について(2)
  6. 御嶽山噴火災害行方不明者の捜索について(3)
  7. 御嶽山噴火災害への知事の思い
  8. 本庁と現地機関の在り方について
  9. ICTの利活用戦略について
  10. 県議選への知事の対応について

本文

知事からの説明

 部局長会議を開催(長野県強靭化計画の策定、ながの子ども・子育て応援総合計画、第6期長野県高齢者プランの策定、第4期長野県障害福祉計画の策定、長野県ICT利活用戦略、信州型自然保育認定制度の創設、長野県多文化共生推進指針、平成25年度県民健康・栄養調査の結果概要、長野県サービス産業振興戦略について)、御嶽山噴火災害行方不明者の捜索再開について

長野県知事 阿部守一
 
それでは3月27日の会見を始めさせていただきます。
 まず本日、昨年の御嶽山の噴火から早くも半年という期間が経過を致しました。犠牲になられた皆さま方に改めてお悔やみを申し上げると同時に、被災された皆さま方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。現時点でも行方不明の方がいらっしゃるという現状であります。この場でも何度かご質問をいただいておりますけれども、今後の再捜索については、火山噴火の状況あるいは雪解けの状況、こうしたことをにらみながら検討していきたいと考えています。また、先ほどの部局長会議でも報告があり、私の方からもいくつか指示を出させてもらいましたけれども、御嶽山の噴火災害を踏まえて、政府において火山災害対策について検討してきていただきました。その報告がまとまりましたので、私ども長野県としては、国の報告も踏まえ率先して火山の安全対策に全力を挙げていきたいと思っています。今日は部局長会議がある中で重要なお話がいくつもありましたが、1つ1つ詳細にコメントをするとそれだけで時間がなくなりますので簡単にお話させていただいて、あと皆さんからご質問があればお答えをしていきたいと思います。
 部局長会議の協議事項4点、「長野県強靭(きょうじん)化計画の策定」、それから「ながの子ども・子育て応援総合計画の策定」、それから「第6期長野県高齢者プランの策定」、それから「第4期長野県障害福祉計画の策定」ということであります。
 強靭化計画につきましては、これは日本全体で取り組んでいかなければいけない課題ではありますが、特に長野県、昨年さまざまな類型の災害を経験したわけでありますので、そうした教訓をしっかり生かす中で長野県としての強靭化計画を取りまとめて、より安心・安全な長野県づくりに努めていきたいと思っています。
 それから、昨年「子ども支援戦略」を取りまとめたわけでありますけれども、「子ども・子育て応援総合計画」は、結婚支援から困難を抱える子どもの支援まで非常に幅広い計画になっています。着実にこの計画を推進していかなければいけないわけでありますけれども、と同時に、個別の分野については少し踏み込んだことを考えて具現化をしていかなければいけないと思っております。例えば子どもの貧困対策については、詳細な子どもたちの実態を把握する中で、貧困対策については別途計画策定をしていきたいと思っておりますし、部局長会議でも申し上げましたけれども、先般、助産師会の皆さま方とも意見交換をさせていただく中で、特に妊娠出産支援のところ、非常にこれからの子育て支援の中で重要なポイントだと考えております。そういう意味で、助産師の皆さま方の活躍支援も含めて、この点についても総合計画の記載にとどまらず、より具体的な取り組みを検討していきたいと思っております。いずれにしても地方創生の中で子ども支援・子育て支援をどうするかということは大変重要なテーマでありますので、この総合的な計画、そして、よりブレークダウンされた個別のプラン、戦略、こうしたものについて着実に進めていきたいと考えています。
 それから高齢者プラン、それから障がい者プラン、これは部局長会議でも県民向けには少し分かりやすく示してもらいたいということ、それから財政的、例えば介護保険で賄われる部分も大きいわけでありますけれども、そうした見通しもあわせて、今後整理をしっかり行っていきたいと思っています。それから、報告事項としていろいろございました。先ほどの御嶽山の噴火を踏まえた火山防災対策の推進、これは先ほど申し上げたとおりであります。
 それからICT利活用戦略、長野県はこれまで比較的ICTの活用は他県に比べて必ずしも進んでいるとはいえない状況だと思っておりました。今回、具体的に実行するという観点でICTの利活用戦略を取りまとめたわけでありますので、まずはここに記載されたことについてはしっかりと取り組んで、成果を上げていきたいと思っています。
 それから、信州型自然保育制度の認定制度、これもいろいろ私も注文を出させてもらう中で、委員会の皆さま方にも知恵を出していただいて、いい制度が取りまとめられたと思っています。長野県は、やはり強みとか特色をしっかり生かして地域の発展につなげていかなければいけないわけでありますけれども、特に子どもたちの教育あるいは子育て、こうした部分と長野県の豊かな自然環境、これをしっかりと結びつけない手はないだろうと思っております。そういう観点で信州型自然保育の制度については、これから、まずは認定申請を受け付けていきますけれども、それと同時に長野県の子育てを教育の一つの大きな特徴としてしっかり根付かせるように県としても例えば人材育成の支援であるとか、こうした自然保育に取り組んでいらっしゃる皆さま方のPRであるとかこうしたことに積極的に取り組んでいきたいと考えています。
 それから、多文化共生推進指針についても関係の皆さま方のご議論の中で取りまとめていただきました。特に重点が置かれている項目がいくつかありますが、その中でも次世代の育成という点は、私としては極めて重要なテーマだと思っています。子どもたちの居場所、あるいは学校教育の枠組みには必ずしもしっくりとあてはまってきていない子どもたちの存在があるわけであります。そうした子どもたちの支援というものを県としてしっかり考えていこうという取り組みを進めていますけれども外国籍の子どもたちに対する支援というものも同じような視点でしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
 それから、県民健康栄養調査の結果が出たわけでありますけれども、この結果については、これから本格的に関係の皆さま方にもご協力いただきながら信州ACE(エース)プロジェクトを進めてまいりますけれども、進めていく上での大きなバックデータにしていきたいと思いますし、また、進めた成果というものもこうした調査を通じてフィードバックして、さらなる取り組みにつなげていきたいと思っています。
 最後、サービス産業振興戦略については、長野県はこれまで、稼ぎ頭としてのものづくり産業に最もウエイトをおいていました。しかしながら雇用の場としても、あるいは県内総生産に占めるウエイトにしても、サービス産業、第3次産業のウエイトが高くなる中で、県としてもしっかりこのサービス産業に目を向けていこうということで、サービス産業振興室を作ってこの戦略の取りまとめを行ってきました。ここに打ち出されている視点だけがもちろんサービス産業振興のすべてではないわけでありますけれども、まずは県としての取り組みの一歩として情報技術IT、そしてヘルスケア健康関連、さらにはスモールビジネス、こうした3つの重点軸を中心にサービス産業の振興に取り組んでいきたいと思っています。
 今日は年度末ということもあり、計画とか戦略とか非常に多いわけでありますけれども、計画を取りまとめることで一仕事終わったということではなくて、ここからがスタートでありますので、この具体化をどうしていくかということについて各部局、汗を流してしっかり取り組んでいきたいと思っています。
 私の方からは以上であります。よろしくお願いします。

取材者からの質問

 1 御嶽山噴火災害行方不明者の捜索について(1)

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 
噴火から半年が経過するということでそちらに関連した質問を伺いたいのですが、1つは先ほど冒頭におっしゃっていらっしゃった捜索再開のタイミングの話です。この会見の場でも何度かおっしゃってらっしゃるんですけれども、1つは雪解けの状況、火山噴火の状況などを総合的に考えていくということだとは思いますが、1つ入山規制の状況との兼ね合いという意味では、完全に規制が解除されないと再開はできないという理解なのか、それとも例えばこれまで4kmから3kmに縮小されたところですけれども、この縮小がある程度、例えば1km、2kmであるとか、そうした縮小が残る段階であってもケースによっては捜索を再開するという可能性もあるのか。そのお考えはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私としてそうした可能性を排除して考えているわけではありません。規制がかかっているから直ちに何もできないということではないだろうと思っています。ただ、これは関係機関の皆さま方とはしっかり相談しなければならない話でありますし、仮に捜索を行うとすれば、これは捜索に当たられる方々の安全確保ということは、当然最優先で考えていかなければいけない課題でありますから、そうしたこととの兼ね合いの中で、判断していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 分かりました。それから捜索を再開する場合の規模の話ですけれども、昨年の秋、10月に大規模捜索を年内については打ち切る表明をされた時には、基本的に再開する場合というのは地元の警察、消防が中心で、当時は自衛隊への災害派遣要請というのがありましたが、それについては基本的に行わない考え方を示されていらっしゃったと思います。その考え方については基本的に変わらないというか現実に難しいのかもしれませんが、変わらないということでよろしいのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
基本的には同じ考えです。これから具体的にどういう捜索活動を行っていく必要があるのかということを検討する中で全体的に考えていかなければいけないと考えていますが、前回はまさに災害応急対策、災害救助という形でありましたけれども、今後検討していくのはそういう状況とはかなり異なる状況になってまいりますから、そうしたことも踏まえて体制のあり方については考えていきたいと思っています。

 2 火山研究人材の確保について(1)

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 
それから、噴火の教訓をどういうふうに生かしていくかの1つになるかと思いますが、部局長会議でもご発言されていらっしゃいましたけれども、この間、火山研究者の不足ということが問題点としてクローズアップされてきました。背景には例えば大学であるとか行政の研究予算の縮小などもあったようですけれども、先ほどの部局長会議でのお話では、県としてできること、独自に国の方に検討の場に地方の声も取り入れるようにということはおっしゃるというのが1つと、それからもう1つ、県として独自にできることがないかということを考えられるというふうにおっしゃいました。想定されることとしてはいくつかあると思いますが、どんなことを念頭に置きながら、選択肢として念頭におきながら、今後そうした独自の取り組みを検討されるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
そうですね。これは前回私が中央防災会議の火山防災対策のワーキンググループに参加した際にも会議の場で関係の皆さま方から人材の確保が一番の課題だというお話がありました。これだけ火山が多い長野県あるいは日本において、そうした専門家が必ずしも十分存在していないということは、国においてもしっかり考えてもらわなければいけない課題であると同時に、われわれ自身も考えなければいけない問題だと思います。これは私のアイデアベースの話でありますけども、例えば地方創生の中で奨学金制度、地元に戻って就職すれば奨学金免除しますよ、というようなことも検討されているわけであります。こういう火山学者として地域の火山に専門家として貢献するような人材について一定の公費で支援していくというようなことも、場合によってはあり得るんじゃないかと思います。もとより火山の問題だけではなくて、どういう人材が地域に必要なのかという全体の中での検討も必要ではありますけれども、そうしたことも含めてこれから国、あるいは地方でしっかり考えなければいけないテーマだと思います。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 
おそらく、今のもアイデアのいくつかあるうちの1つなんだと思いますけれども、来週、また木曽の方で研究機関がすぐに誘致するというのは難しい中で、研究者の方も集まっていただいて会議ももたれたりします。1つは、そうした研究の場を県として誘致したり設けたりするのもそうした人材を確保したり育成する上では選択肢というかアイデアベースでは上がるのかと思いますけれども、現況なかなか今誘致の話というのはすぐには難しい中で、県としてこの研究機関の設置であるとか誘致であるとかの今後の見通しというのはどんなふうに見てらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
そうですね、われわれ常時観測、調査研究してもらえるような施設の誘致ということで働きかけをしてきていますけれども、これからも継続していきたいと思います。ただ、他方で現実問題として今申し上げたような人材不足といったような課題もある中で、そうしたものと並行して対応を考えていかなければいけないと思っています。当面は火山学者の皆さんであるとか、あるいは気象庁、今回の火山防災対策の推進の報告の中では機動的な観測の実施体制の強化ということもうたわれていますので、そうした関係機関との連携、あるいは顔の見える関係づくり、こうしたことをしっかり行っていきたいと思っています。 

 3 信州型自然保育認定制度について

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 
信州型自然保育認定制度についてお尋ねします。冒頭でもおっしゃっておられましたが、人材育成への財政的な支援だったり、あるいは自然保育に取り組んでいる施設のPR、積極的に取り組むといったお話をいただきました。取材してみても現場で、県外からこういったところで子育てをしたいという親御さんがたくさんいらっしゃったりとか、あるいは保育に非常に関心の高い大学生が、将来保育士を目指していく方が長野県内の野外保育施設で研修に来てたりするような現場を見ています。2つお尋ねしたいんですが、人材育成の財政的支援といった、そういった措置というのは、例えばどのくらいの時期までに策定していきたいといったお考えがあるのかどうかといったことと、あと、あるいは他にこういったことも広げていきたい、こういった施策も展開していきたいといった知事のお考えをお尋ねできませんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
今回は26年度中に認定制度をつくろうということで関係の皆さんに頑張っていただいて、制度創設することができました。これ自体は私は非常に大きな成果だと思いますし、知事の立場として大変ありがたく、うれしく思っています。今後のステップとしては、やはり他の地域の模範となるような取り組みに発展させていかなければいけないと思います。それが、日本で最初にこの認定制度をつくった私たちの責任でもあると思っています。そういう意味で、これから具体的に認定申請が上がってきて、当初の段階で何校認定になるか分かりませんけれども、そうしたところでの人材育成の取り組み等についてもしっかり応援できるような予算措置も講じていかなければいけないと思っています。県民文化部にはしっかり、十分な予算を要求しろと、私は査定する側でもありますが、ちゃんと要求しろという話もさせてもらっていますので、そういう中で自然保育されてる方々、あるいは今ご質問にもありましたけれども、自然保育に関心を持たれている方々、そうした皆さんのニーズに応えられるような取り組みにつなげていきたい。そうしたことができるような予算確保をしていきたいと思っています。

 4 御嶽山噴火災害行方不明者の捜索について(2)

信濃毎日新聞 竹村研人 氏
 
御嶽山の噴火災害に関連して、半年経ったわけなんでけれども、今後も捜索の話も先ほど出ましたけれども、関連して捜索開始の当時に知事の方ではすぐにでも対応ということを本部員会議での最初にもおっしゃっていたと思うんですけれども、当時はその日のうちに山頂の方まで捜索を、その日のうちに山頂の方面まで捜索をしたいというお考えは知事の方ではあったんですかね。当時のことを振り返って恐縮ですが。

長野県知事 阿部守一
 
これは人命が懸かっている話でありますから、当然できることならすぐに救助ということを考えましたけれども、しかしながら火山ガスの問題であるとか、噴火の状況、噴石が飛んだという後で、その後どうなる状況かということが必ずしも判然としていない中で、しっかりとした体制を整えた上での救助活動に進んでいったというのが当時の対応であります。これは今、いろんな資機材等も予算で確保させていただいていますけれども、当時としてできる限りの最大限の対応をさせていただいたと考えています。

 5 火山研究人材の確保について(2)

長野放送(NBS)中村大輔 氏
 
御嶽山の噴火の関係で、研究者が足りないというのは十分承知しておりまして、育成するのも時間がかかると思うんですけれども、ある研究者の方が、そうはいっても都道府県レベルで研究者とは言わないまでも、かなり火山の状況とか現場に詳しい人を、職員さんを養成していけば、ある程度気象庁といわゆる火山を持った自治体との今回認識の乖離(かいり)が、こんなに人がいるとは思わなかったという話も聞くんですけれども、そうした中で、県レベルでそうした職員さんが1人でもいらっしゃれば、ちょっとした異変でもちょっと規制をかけようかどうかみたいな意見を言えるんじゃないかと。それは御嶽山だけにかかわらず、他の県内にある火山にもそうした知見を役立てるんじゃないかというようなお話を伺ったことがございまして、そういった意味で、研究者とは言わないまでも県職員としてそういったかなり詳しい方を養成するようなお考えというのは今のところございますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
県の職員の中にそういう職員を育てるとか、あるいは研究者を県の職員として採用するみたいなやり方もないわけではないだろうと思います。市町村においてのそうした対応はなかなか難しいと思いますので、行うとすれば都道府県が行うのが望ましいのかなと思います。ただ、どれだけの業務があるか、あるいはそうした専門的な知見を持った人を採用したときに、年中噴火が起きるわけでもないし、起こってもらっては困るわけでありますから、平常時の観測等については気象庁であったり大学であったりが専門的に行っていますので、そうしたところとの連携をしっかり行わないと、知識の、あるいは経験の向上が図られませんから、県単独ではなくて先ほど申し上げた研究人材の確保全体を考える中で、都道府県の役割はどこにあるのかということを位置づけていく必要があるんじゃないかなと思います。そういう意味で先ほども部局長会議でこの具体的な検討の場を作っていくと。人材のポスドク人材との確保育成。火山研究分野の全体の活性化を進めるという話で国においてもその辺、検討されていくと思いますので、そういう観点で地方としても意見を言わなければいけないと思いますし、われわれが協力できるところは協力していくということで国と連携を図って人材の確保育成に努めていくことが必要だと思っています。

 6 御嶽山噴火災害行方不明者の捜索について(3)

読売新聞 戸田貴也 氏
 
御嶽山関連で恐縮です。まず、先ほどの捜索活動の体制について、再開後について、いわゆる先ほどおっしゃったように災害救助というのが今までのスタンスだったと思うのですが、今後は状況が異なるとおっしゃっていて、そういった場合、今までは県が主体的な役割を果たされたと思うんですが、今後その役割が変わっていくのか、例えば市町村がメインになっていくのかとかそういった県の役割の変化ってお考えがあれば教えていただきたいのと、あと、今、行方不明者6人がいらっしゃって今までは費用負担とかは置いておいたところがあると思うんですが、今後、いわゆる状況が異なる中で、そういった費用負担を求めることであるとか、どういったお考えをお持ちなのか教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。これは関係の機関の皆さんと相談していかなければならない話だと思います。ただ、私は基本的には県として前回捜索救助させていただいています。県が中心になって関係機関のご協力を仰ぐ中で対応してきていますので、現時点でそれを大幅に変えていくという形はどうなのかなと。同じような関係性の中で取り組んでいきたいと思っています。それから費用負担の話については、例えば災害時のさまざまな関係機関の応援の時の、例えば緊急消防援助隊のスキームであるとか、あるいは自衛隊の災害派遣のスキームであるとか、そういうものとは今後は別の形になってくると思います。そういう意味でそうした負担のあり方ということも併せて考えていく必要があると思っています。

 7 御嶽山噴火災害への知事の思い

日本放送協会(NHK) 保科賢一 氏
 
ちょうど発生時の時間の近くになるのですけど、ちょうど発災から半年ということで、率直に、ここの半年間なかなか捜索自体が一カ月間その後見守るしかなかったという状況の中で知事としての思い、捜索から今後に向けての思いの変化というのが何かあれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。まず大勢の皆さま方が犠牲になられたということをわれわれ重く受け止めて、火山防災対策に全力を尽くそうということで27年度予算の中でも防災対策予算、かなりしっかり入れさせていただきました。加えて登山安全条例も含めて今回の国の動きも含めて、さらにしっかりと責任ある対応をしていきたいと思います。犠牲になられた方の山を愛する思い。御嶽山を愛する思い。そうしたものをわれわれしっかり受け継いて安全対策、そして御嶽山がまた大勢の皆さまにお越しいただけるような環境づくりをしっかり行っていきたいと思います。そして、行方不明のご家族の皆さま方の思いにもこれからも寄り添って対応していきたいと思っています。

 8 本庁と現地機関の在り方について

中日新聞 小西数紀 氏
 
県議選を前にした質問なんですけれども、県庁の本庁と地方事務所というか現地機関の関係の在り方なんですが、2月県議会の中でも新年度から地域振興局の検討がスタートするということで、リニアの現地のお話ですと、権限移譲する項目、こういうことが可能性があるというようなのを列挙されてたと思うんですけれども、知事としてはどういうような権限が、今後地方事務所であったり現地機関であったりに移譲されるべきであるかという大きな方針というものがあればお伺いしたいというのと、県議さんの中には現地機関の強化という方針とはまたちょっと違った第二県庁を作るべきではないかとか、副知事さんを南信において、というような考えもありますけれども、この考え・構想についての知事の所見をお伺いできればと思います。

長野県知事 阿部守一
 
そうですね。まず現地機関、私の基本認識を申し上げれば、長野県は大変広い県土面積を有している県でありますから、そういう意味では、例えば飯田、下伊那の皆さま方が、県庁にいろんな手続きにいらっしゃるというのは、非常に物理的にも時間的にも金銭的にもいろいろ負担があるという現状があります。そういう中で、できるだけ現地で対応できるものは対応していこうということが重要な視点ではないかと思います。ただその時に、県と市町村との関係もありまして、県で担わなくてもむしろ市町村に移譲すれば、その方が効率的、効果的という事務も当然あり得ると思いますので、これは市町会、町村会、市町村の皆さま方ともご相談していかなければいけないわけでありますけれども、市町村との関係の在り方も視野に入れる中で、県の現地機関の在り方というのは考えていかなければいけないだろうと思います。そういう意味で、具体的にこの事務あの事務ということではなくて、やはり住民の皆さま方の利便性の確保、そして市町村との関係の在り方、さらには行政としての効率性、こうしたものを全体として考える中で、方向付けをしていく必要があると思っています。それから、第二県庁という話については、県議会でもご質問をいただいてきております。第二県庁というのが記号というかキーワードとして一人歩きしている感がありますけれども、どういう実質を備えれば、地域の住民の皆さま方にとって県としての役割が最大限果たせるのか、あるいは県政について身近に感じてもらえるのか、こういう観点で現地機関の在り方を考えたいと思います。例えば、本庁のかなりの権限が現地機関に行けば、場合によってはそれはある意味で第二県庁になるのかもしれませんし、県庁といった時には、本来は執行機関だけではなくて、議会の在り方みたいなことまで、もっと大きな意味で考えれば、本当は広がっていく話でありますけれども、愛知県で取り組まれている東三河県庁を拝見すると、必ずしもわれわれ分権の視点が、長野県の方が遅れているという感覚では受けとめていません。ただ、そうした打ち出しであるとか、あるいは副知事がいるとか、そういう点はわれわれの今の取り組みとは違っているわけでありますけども、そうした点については今後副知事2人体制にまた4月1日から戻りますけども、今後地域担当も決めていきます。その中で副知事がこれまで以上に地域に目を向けて行動してもらうようにしますけれども、そういう中で何が足りないのか、どうした方向が望ましいのか、こうした点についてしっかり考えていきたいと思っています。

 9 ICTの利活用戦略について

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 
ICT利活用戦略についてお尋ねします。IT人材の地方への移住だったり、2地域居住とか非常に長野県とかあるいは地方に軸足を置きながら東京で暮らすような人たちが非常に増えてきていて、いろんな事業が立ち上がっているように感じます。1つお尋ねしたいのですが、リニア中央新幹線が飯田に、長野県駅ができる中で、長野県駅ができることとICT利活用戦略について関連させていくといいますか、そういった時間的な距離が東京から非常に近くなるということを知事としてICT利活用戦略の中で関連付けるというか、そういった方向性というのは、お考えなどございますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
概念の中での関連性というのは将来的には当然ありうると思います。ただ今回のICT利活用戦略自体が29年度までの3年間の戦略ということでありますので、まだリニアが開通するはるかに前のところまでの戦略ということであります。そういう意味ではこの戦略でまずICTの利活用を長野県としての大きな一歩を踏み出すことと併せて、今後伊那谷をどうするかということを地元の市町村、関係の皆さま方とお話する中で、当然こうした視点も含めて、例えばICT企業の戦略的誘致みたいな話も含めて考えて行きたいと思います。

 10 県議選への知事の対応について

信越放送(SBC) 清水秀行 氏
 
県議選への対応で、お答えの前後で質問出ていたら恐縮なんですが、改めてですけども、知事として立候補を、現在まだ予定者ですけども立候補した候補について個別に応援する考えがあるのか、またその激励のメッセージなどについてはどのような対応をとるのか、お考えをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 
そうですね、これも何度もお答えさせていただいてきていますけれども、これから県議選が始まるわけでありますけども、選挙期間中、私自身が個別に応援するということは全く考えていません。

信越放送(SBC) 清水秀行 氏
 
メッセージというか、為書き等含めどのような対応を。

長野県知事 阿部守一
 
例えば後援会の集まりみたいなものがあるときに、今までご依頼があればメッセージを当然知事と県議会議員というお立場で付き合わさせていただいておりますので、そういう観点でメッセージは出させていただいています。ただ、県議選の告示以降は私の名前でメッセージを出すという考えはありませんし、為書きも出さないという形で対応していきたいと思っています。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

お問い合わせ

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