ホーム > 県政情報・統計 > 県概要 > 知事の部屋 > 知事会見(動画とテキストでご覧になれます) > 2015年度知事会見録一覧 > 知事会見2015年9月16日

ここから本文です。

更新日:2015年9月16日

知事会見(平成27年(2015年)9月16日(水曜日)11時15分~12時29分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

取材者からの質問

  1. 木曽地域の観光振興支援について
  2. 長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略(案)について
  3. 子どもを性被害から守るための条例モデル案について
  4. 県民協働による事業改善について
  5. 安全保障関連法案について
  6. 御嶽山噴火災害の復興支援について(1)
  7. 御嶽山噴火災害の復興支援について(2)

本文

知事からの説明

 部局長会議を開催(平成27年9月県議会定例会に提出する予算案・条例案について)、「長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略(案)」、平成27年国勢調査の実施、地域製造業が取り組む技術革新について

長野県知事 阿部守一
 それでは、9月16日の会見を始めたいと思います。
 まず、部局長会議の中で決定しました予算案・条例案についてお話ししたいと思います。先ほど開催致しました部局長会議におきまして、9月県議会に提出する補正予算案、そして条例案について決定させていただきました。まず補正予算案の概要についてお手元に資料をお配りさせていただいているかと思いますけれども、今回、地方創生、人口定着・確かな暮らしの実現に向けた施策の展開、それから災害からの復興を支援、さらには県政課題に対応した社会資本の整備と、大きくこうした3点の柱で予算を編成しております。補正予算の規模は、一般会計、特別会計含めて67億円余ということでございます。また、併せまして、県単独公共事業に係る債務負担行為10億円余を設定させていただいているところであります。今回の補正予算の主な内容でございますが、「人口定着・確かな暮らしの実現に向けた施策の展開」ということで、その中に4つ柱を立てさせいただいています。「信州の強みを活かした観光振興」、それから「創業しやすい環境づくりの推進と企業誘致の強化」、「信州創生を担う人材の確保・育成」、そして「多様な働き方・暮らし方の創造」ということで、後でご説明を致します長野県としての人口定着・確かな暮らし総合戦略も意識をして予算を編成したところでございます。
 まず、観光でございます。地域の活力、産業を活性化していく上で、さまざまな分野でございますけれども、やはり長野県が持つ資源、ポテンシャルを生かしていく上ではさらに観光振興に力を入れていかなければいけないと考えています。そういう中で、今回の予算の中でもお手元の資料にございますように、例えば石川県知事との対談の中でも新しいゴールデンルートを一緒に作っていきましょうというお話もさせていただいておりますので、石川県、富山県とも連携して新ゴールデンルート形成に向けた発信強化を行っていきたいと思いますし、また忍者に関係する他の県とも一緒に協議会を結成していく方向でありますけれども、忍者を活用した観光誘客の推進ということで取り組んでいきたいと思います。加えて、長野県として特色ある観光ということでアウトドア・アクティビティの推進にも力を入れていきたいと考えています。アウトドア、世界共通用語でもございます。長野県の資源を見たときに、世界中から大勢の皆さま方がお越しいただく上では、単に景観がいい、温泉があるということだけではなくて、このアウトドア・アクティビティのポテンシャルを生かした取り組みをさらに進めていきたいと思っています。当面アウトドア・アクティビティ体験を含む旅行商品の造成であるとか、あるいはアウトドア・アクティビティの情報発信するサイトの開設という形で進めてまいりますけれども、さらに踏み込んだ施策に結び付けていかなければいけないと思っています。それから木曽地域の復興という観点での観光振興ということにも力を入れていかなければいけないと考えております。まもなく御嶽山噴火から1年が経過をしようとしているわけでありますけれども、昨今の観光地利用者統計を見ても木曽地域の観光産業の復旧、利用者数が低迷した状況が続いていると認識をしています。こういう中で、やはりしっかりと対応を取っておかなければいけないと考えています。そういう意味で、今回補正予算で4,000万円計上させていただきまして、お手元の資料にも書いてございますように、特産品やギフト券の購入に使える地域限定優待券の発行でありますとか、あるいは木曽地域の観光の将来を考えるイベントの開催等を行っていきたいと考えています。今回の補正予算上は4,000万円でありますけれども、国の地域住民生活等緊急支援交付金としての事業5,000万円をこちらに充当していきたいと思っていますし、加えて地元からは1,000万円拠出してもらうということで、総額1億円の事業で木曽地域の当面の観光の復興、振興を行っていきたいと考えております。今、ご存じのとおり御嶽山については入山規制かかっている状況でありますけれども、私どもとしてはこの御嶽山の観光資源としての重要性に着目して、世界水準の山岳高原観光地のモデル地域に指定しております。現在、木曽町、王滝村と一緒になって世界水準の滞在型観光地づくりのビジョンの策定を進めております。10月ごろを目途にビジョンを取りまとめて、県も地域の皆さん、地元の市町村と一緒になって、この木曽地域、御嶽山周辺地域の復興・振興、そしてさらには次のステップとしての世界水準を目指した観光地づくりに取り組んでいきたいと考えています。それから、あとはG7交通大臣会合であるとか、あるいは国際フラワーフォーラム、こうした国際会議についても観光誘客につなげる取り組みということで予算計上させていただいているところであります。
 それから2点目の「創業しやすい環境づくりの推進と企業誘致の強化」ということで、創業に向けた相談体制、あるいは専門家派遣の強化、さらには首都圏での効果的なPR、こうしたことを実施して創業を促進していきたいと考えております。また併せまして、県外からの本社の誘致を推進するという観点で、国の制度の対象とならない小規模な本社誘致・本社移転に対する助成金について県独自の制度として新たに構築して、全体として国の制度も活用しながら、県としての取り組みも行いながら、本社等の移転促進を図っていきたいと考えています。
 それから信州創生を進めていく上では、人材の確保・育成ということが極めて重要であります。そういう観点から、今回の予算におきましても企業と専門人材とのマッチングを支援するためのプロフェッショナル人材戦略拠点の整備でありますとか、あるいは介護人材、これから大幅な需要が見込まれるわけでありますけれども、この介護人材の定着に向けた取り組みをさまざまな観点から支援するための事業、そして信州で学ぶ魅力の発信を通じて、長野県の大学等に県外から学生を呼び込む取り組み、こうしたことに力を入れて取り組んでいきたいと考えています。地方創生の中で、やはり長野県の1番の問題点は、高校を出るとほとんどの人たちが県外に出ていってしまうという状況であります。出ていった人たちをいかにUターンさせるか、あるいは本当は出ていかなくてもいいような人たちを出て行かないようにするための県内の高等教育の振興、そうしたものと併せて、今回計上しているような他の地域から学生を呼び込む、こうしたことについてしっかりと取り組むことによって、若い世代の長野県での人口定着を目指していきたいと考えています。それから併せて、白馬高校国際観光科、来年の4月に開科の準備を進めているところでありますので、それに要する費用、今回は白馬高校国際観光科、全国募集していきます。これも県外から若い人たち呼び込むという観点でも重要な政策だと思っておりますので、パンフレットの作成等を行ってしっかりとした準備を行っていきたいと考えています。
 それから「多様な働き方・暮らし方の創造」ということであります。まずは遠隔地で勤務できる環境の整備をするためのテレワークに必要なシステムの整備でありますとか、あるいは日本創生のための将来世代応援知事同盟の12県が合同で若い世代に地方の魅力を伝えるための「いいね!地方の暮らしフェア」、こうしたものを行っていきます。また県民文化部をつくって文化振興基金を設置して文化行政にも力を入れてきておりますけれども、地方創生という観点からも、他地域から人を呼び込んで文化振興していこうという意味合いも込めて、今回はアーティスト・イン・レジデンスin信州モデルの構築事業にも予算を計上させていただいているところでございます。アーティスト・イン・レジデンスin信州、AIRIS(アイリス)モデル事業と呼んでいこうと思っていますけれども、このアーティスト・イン・レジデンス、今後計画的・継続的に事業展開を図っていかなければいけないと思っております。このことによって、文化芸術による地域の活性化、さらには交流人口の拡大、移住・定住の促進に文化の観点からもアプローチをしていきたいと考えています。当面今回は、大町市のアーティスト・イン・レジデンス事業をモデル事業という位置付けにして、県も積極的に関わる中で、県と大町市との協働によりモデル事業を推進していきたいと考えています。
 それから災害からの復興支援でございますが、木曽の復興については先ほど申し上げたとおり、短期的な当面の対策だけではなくて中長期を見据えた取り組みまでしっかり県として地域と連携して取り組んでいきたいと思っています。それから神城断層地震の被害・被災を受けた地域に対しての復興支援ということについても継続的に行っていかなければいけないと考えております。公共施設の復旧復興、産業の振興ということも引き続き行ってまいりますけども、それと併せて重要な課題でありますのが住宅の問題でございます。災害公営住宅の対象の拡大については、これまでも政府に対して県からも求めてきたわけでありますが、なかなか災害復興住宅の要件緩和をしていただくことができないという状況であります。そういう中で緊急に地域の自治体は公営住宅建設をしていかなければいけないわけでありますので、今回、県として被災者向けの公営住宅建設促進事業ということで、県の単独事業で市町村の公営住宅の建設を助成していこうという形に整理をさせていただきました。今回、当面小谷村の事業が具体化しておりますので、予算には小谷村の事業を対象に予算計上させていただいているところでございます。通常の公営住宅の補助率、国庫補助は2分の1ということになっております。災害公営住宅については一般災害の場合の公営住宅の国庫補助率が3分の2ということで、通常の公営住宅に比べると6分の1補助率がかさ上げされているということに着目して、今回、県としても全体の6分の1を支援することによって市町村負担の軽減を図っていきたいと考えております。公営住宅の建設、復興の重要な要素でもございますので、県としても市町村にできる限り協力をしようということでこういう制度を今回つくったところでございます。
 それから、県政課題に対応した社会資本整備ということでございます。県単独公共事業につきましては43億4,500万円計上させていただいております。これは災害の被災箇所の復旧であるとか、あるいは道路河川等の計画的な修繕、こうしたものを盛り込んでいるわけでありますが、今回新しい視点、公共事業のあり方というのも時代とともに考えていかなければいけないと思っておりますが、県政テーマに対応した形で県の公共事業を使っていこうということで、2点新しい視点を盛り込んでいます。一つが観光地へのアクセス性向上のための道路整備、それからもう1点が信州ACE(エース)プロジェクト推進のためのウォーキングロード等の整備ということでございます。これについては建設部の方で公共事業、県政課題にしっかり対応した形を検討してほしいという私からの求めにしっかり応えてこうした事業を構築してもらったこと、大変ありがたく思っております。先ほど部局長会議でも申し上げましたけれども、観光振興、県としての重要なテーマでありますので、今後とも関係部局挙げて取り組んでいきたいと思いますし、今回のこの建設部の取り組みはその大きな第一歩だと思っております。また、もう一つの県政課題であります健康づくり、これも単に健康福祉部の健康福祉部による健康づくりではいけない、といつも言ってきているわけでありますけれども、今回、この建設部の事業の観点でもACEプロジェクトを進めていこうということで予算計上させていただいているところであります。これからも県全体で取り組むべき課題については部局横断的にしっかりと検討して、それぞれの部局で予算が必要なところについて予算計上する中で推進をしていきたいと考えています。
 それからその他ということでいくつか書かせていただいておりますが、中信地区の特別支援学校の再編に向けた分教室等の整備、これは過密化等さまざまな課題が指摘されてきたわけでありますので、教育委員会の方で方向付けをしていただきましたので、今回予算計上して推進をしていこうというものでございます。また「国民の祝日『山の日』記念全国大会」、来年上高地で開催される予定になっておりますが、松本市と協力してこの推進を図っていこうということで、必要な予算を今回計上させていただいたところでございます。今後の検討によって具体的な事業内容出てくると思いますので、そうしたものに合わせて、さらに県としても財政的な負担を含めてしっかり対応していきたいと考えています。それから林務部、大北森林組合の問題に関連して、かねてからのコンプライアンス推進参与の設置ということで申し上げてきておりましたが、その設置に必要な予算についても今回計上させていただいたところでございます。
 その他にもいろいろございますけれども、今回、冒頭申し上げましたように、人口定着・確かな暮らしの実現に向けて、新たな視点も含めてかなり重要な予算を盛り込ませていただくことができたのではないかと思っております。県議会の皆さま方にも十分ご説明をしてしっかりとご理解いただく中で、予算の成立を期していきたいと考えております。
 それから条例案でございますけれども、一部改正条例2件でございます。一つ目が長野県環境影響評価条例の一部を改正する条例案ということでございます。事業者が早期の検討段階においても環境配慮を行うようにするため、計画段階環境配慮書を作成して住民等に意見を求める手続きを新たに導入してまいります。また、太陽光発電と、これまで想定していなかった種類の事業が出てきておりますので、そうした大規模な開発にも対応することができるよう対象事業を拡大してまいりたいと考えております。また都市公園条例の一部改正条例、これはドローンの問題が出てきて検討を始めたわけでありますけれども、都市公園利用者の安全・安心を確保するという観点で、危険迷惑行為等を禁止する行為に加えるための条例改正でございます。早口で説明してまいりましたけれども、補正予算案に計上した事業、あるいは条例案の具体的な内容については後ほど担当部局に取材をしていただければ、さらに詳しいご説明をさせていただくことができると思いますのでよろしくお願い致します。
 それから人口定着・確かな暮らし実現総合戦略についてでございます。皆さま方のところにも資料一式お配りをさせていただいているかと思いますけれども、本日、地方創生総合戦略案として、「人口定着・確かな暮らし実現総合戦略(案)」を公表させていただいて、10月15日までパブリックコメント募集をしていきたいと考えています。これまで、さまざまな皆さんと意見交換をしてまいりました。昨年9月に人口定着・確かな暮らし実現会議を立ち上げて、まずこの会議の中でもいろいろご意見をいただきました。また庁内においても各部局を巻き込んで精緻な検討してまいりました。そうしたことに加えまして、延べ71団体と意見交換をこれまでさせていただいておりますし、また県議会の研究会からのご提案等も踏まえて、今回の戦略案を策定させていただいているところでございます。私も若い世代の皆さんとのタウンミーティングということで、将来の長野県どうあってほしいかということも意見交換させていただく中で、そういったところで出てきたような意見、あるいは具体的な意見ではなくても、感覚、そうしたことも踏まえて、長野県の将来像を現時点で望ましい、望まれる方向性というものを取りまとめさせていただいたところでございます。今後は県議会でもご議論いただくことになると思いますし、また、人口定着・確かな暮らし実現会議でもこれを基に意見交換をさせていただきたいと思います。さらに県民の皆さま方からのパブリックコメント等も踏まえまして、最終的には10月中にこの総合戦略を決定、今は案の段階でありますが、この案を取りたいと考えております。これはいろいろなところで申し上げてきておりますけれども、県だけでできるものではありません。広く県民を含めて、さまざまな企業や団体の皆さんにも協力いただいて、市町村ともしっかりと連携をして「オール信州」で取り組むベースとしての戦略にしていきたいと考えております。当面10月に決定を致しますが、さらに今回、市町村ともしっかり連携をさせていかなければいけないと思いますので、そういう意味では、さらなる関係団体と意見交換や今後の市町村との議論を踏まえた施策の追加等もあり得ると思います。そうしたものを含めて、今年度中にもう1回改定をすることを予定しているところでございます。今回の案について、概要を付けさせていただいておりますのでそちらをご覧いただければと思いますけれども、長野県の人口見通しでありますけれども、そこの右上のところに書かせていただいておりますけれども、今、2000年をピークに人口減少に転じてきているところでございます。2010年、215万人人口であるわけですけれども、今後、特段の政策を講じなければ、2060年には129万人に減少すると、約90万人弱減少していくという、大変大きな減少が見込まれているところでございます。こうしたことを何とか食い止めようということでありますが、われわれもしっかり取り組みますし、国においても積極的なこの地方創生の取り組みを期待したいと思いますが、そうした取り組みを進めることによって、2060年に今のまま放っておくと129万人のところ、160万人以上161万人レベルに食い止めていこうと、そしてその後150万人程度で人口を定常化させていこうというのが人口の将来展望でございます。また、われわれ健康長寿県の長野県として、いささか実態に合ってないなと感じておりますのが、一般的に生産年齢人口の捉え方が15歳から64歳という形になっています。われわれの統計上も国の統計に合わせて、そういう形で国の生産年齢人口を捉えているわけでありますが、この数字を見ると2010年は59.7%でありますが、長期的には55%程度に減っていくという見通しであります。ただ、この年齢区分はいくつかの点で実態と合ってないのではないかと思っております。一つは高校進学率が9割を超えているという状況の中で、15歳以上が生産年齢人口というのはいささか実態に合っているのかという問題意識があります。また、長野県は長寿県であり、かつ高齢者の就業率が高い県であります。そういう意味で、65歳を超えても働いていらっしゃる方が大勢いるわけであります。そういう意味で、長野県独自の人口区分として20歳から74歳を生産年齢人口に変わる年齢区分として捉えることで、この高齢者が活躍できる社会に向けた取り組みを進めていかなければいけないと思っております。かねてから人生二毛作世界の実現ということを申し上げてきておりますけれども、やはりこれからの社会を乗り切っていく上では、こうした人口の捉え方についても変えていく必要があるだろうと思います。そこに記載しておりますように20歳から74歳のくくりで捉えますと全体の60%を超える部分で定常化していくという見通しになっておりますので、長野県としてはそうした社会の在り方を目指していろいろな取り組みを進めていきたいと思っております。
 それから今回の総合戦略、国の地方創生の基本方針がありますので、自然減を抑制する、社会増を目指していく、地域の産業を元気にする、まちをしっかりつくっていく、まち・ひと・しごと創生本部で旗を振ってもらっているように、どこでも同じことを目指していくわけでありますので、どこの地域が作っても同じような政策が出てきかねないものだと思っております。もちろんベースの政策として、いたずらに他の地域と違うことをやればいいと思っておりませんけども、しかしながら、東京には東京の、長野県には長野県の強みや特色があるわけでありますので、そうしたものもしっかり意識をした戦略をつくらなければ意味がないだろうと思っております。そういう意味で、私どもそうした観点から地域の個性を際立たせていこうという観点で、この戦略自体は5カ年の戦略だということで国が決めているのでしょうがないですけれども、しかしながら中長期の視点を持って取り組んでいこうということで今回の戦略をつくっています。そういう意味合いを込めて、この概要の左側にあります信州創生の基本方針という部分を書かせていただいておりますし、ここに掲げているような社会を目指していくということを長野県の共通目標にしていきたいと考えています。この信州創生の基本方針案、2060年の信州創生に向けた施策構築の考え方、未来の姿、そして中長期的な方向性としての信州らしさを伸ばす突破策、こうしたことを記載させていただいているところでございます。少しずつお話を致しますと、基本方針を六つ掲げております。
 一つ目が「人生を楽しむことができる多様な働き方・暮らし方の創造」ということでございます。東京に住むのがいいのか、長野県に住むのがいいのか、これは人の選択の仕方次第だろうと思っています。もちろん東京に暮らすことに幸せを感じる方もいれば、長野県に住むことにより幸せを感じる方もいらっしゃるだろうと思います。ただ、私は確実に言えることは暮らし方や働き方もこれまで以上に多様なものになっていくだろうと思いますし、またそうでなければ、本当に豊かな暮らし、豊かな生活、豊かな人生、そうしたものは送ることができないだろうと思っております。私ども長野県は、先ほど申し上げましたように年を取っても働く方が多い環境にございます。また、例えば半農半X的な働き方をされる方、あるいは二地域居住であったり、あるいは長野県の生活環境・自然環境に憧れて移住されてらっしゃる方が非常に多い地域でもございます。そういう意味で、長野県からさまざまな働き方や暮らし方を創造していきたいと思っています。そういう取り組みとして、いろいろな取り組みを具体化させていきたいと思っています。
 二つ目が「若者のライフデザインの希望実現」ということでございます。若い世代の人たちと話しをすると、本当は結婚したくても仕事が安定してないので結婚していいのか迷っている若者、あるいは本当はもっと子どもが欲しいけれども経済的な問題その他でちゅうちょしている人たち、今、人口の問題にわれわれ行政は取り組んでいるわけでありますけれども、個人の願い、個人の希望、そうしたことをもっと実現しやすくすることによって、強制することなくもっと大勢の人が結婚していく、あるいは子どもを出産していく、家庭を持って幸せに暮らしていく、さまざまなことが実現していくだろうと思っています。そういう意味で、私どもとしては若い人たちが夢と希望を持って、結婚や子育ての希望実現に向けて暮らしていくことができるような環境整備を長野県として行っていきたいと思っています。
 それから3番目でありますけれども、「活力と循環の信州経済の創出」ということでございます。どこの地域でも経済や産業を活性化させるということが重要なテーマであるわけでありますけれども、日本全体の人口、あるいは長野県の人口自体が減少していく中で、これから産業の活力を維持していく上で、今までと同じようなことを漫然とやっているだけでは、需要がどんどん減っていくのは確実なわけですから、それでは未来が開けてこないだろうと思っています。そういう意味で、一つは海外や県外から稼いでくる、利益を獲得してくる、そうした視点をまず強く持たなければいけないと思っておりますし、そうした観点でいろんなことを考えなきゃいけないと、そういうことを考えると、例えば、そこに価格決定力のある製造業の転換と書いてありますけれども、もちろん高品質の製品を製造していくということは重要なことでありますが、価格自体を他の地域に決定されるような産業をつくっても安定性が増していかないだろうと思っております。オンリーワンのものづくりのような視点で価格決定の主導力を持てるような製造業をしっかり育てていくというようなことも含めて、県外、あるいは海外からしっかりと稼げるような産業を育てていきたいと思っております。また、労働生産性の向上という観点でこれから人口が減少していく中で活力を維持していく上では、やはりさまざまな産業分野の労働生産性、特に製造業の生産性は世界的にも優れた水準にあると思っておりますけれども、サービス産業を含めて生産性の向上に課題がある分野がございます。こうした幅広い分野においての生産性の向上をしっかり図っていかなければいけないと思っております。それから、観光の話は先ほど部局長会議で申し上げました今回の予算の中にもかなり入れておりますけれども、特にインバウンド、海外、特に周辺のアジア圏は人口が日本とは逆に増えている。そして、経済的にもどんどん発展をしている、拡大している。そういう地域の活力を長野県に取り込むことができなければ、人口が減少している地域が発展していくということはなかなか難しいと思いますので、そうした外の活力をしっかりと取り組んでいきたいと思います。 
 それからもう1点は、そこに地消地産と書きましたけれども、地域内で経済をしっかり循環をさせていくということが大事だと思っています。いろいろなところでも申し上げていますけども、長野県で木材活用したいと思っても、一遍県外へ出たところをもう1回持ってくるとか、あるいはこれだけいろんな農業が振興している、発展しているわけでありますけれども、その割に地元で消費されている割合はこの水準で本当にいいのかとか、いろいろなことを地域内の経済循環という観点から考えていかなければいけないだろうと思っています。特に、地産地消ではなくて地消地産と言っているのは、地元でつくっているものを地元で消費しましょうというのが地産地消でありますけども、地消地産といっているのは地元で消費するものをなるべく地元でつくりましょう、あるいは地元でつくっているものに替えていきましょうという視点を込めて使わせていただいているところであります。こうした部分については、広く県民の皆さま方と一緒にバイ(buy)信州運動等も含めて展開をしていきたいと思っています。
 それから4番目の「信州創生を担う人材の確保・育成」ということであります。今申し上げた産業を活性化する上でも、地域の活力を維持していく上でも、最後は人であります。そういう意味で、かつて教育県といわれた、今でも私は教育県だと思っていますけども、長野県としては、やはりこの人材の確保・育成に相当程度力を入れていかなければいけないと思っております。県立大学の構想・設立向けた取り組みを進めているところでございますが、県立大学だけに限らず、県内の高等教育の振興については、これまで以上にしっかり力を入れて取り組んでいかなければいけないと思っておりますし、クリエイティブ人材の確保、あるいはさまざまな分野でのプロフェショナル人材の確保、こうしたことにも力を注いでいかなければいけないと思っております。加えて、長野県を愛する人たちが定着してもらう、一遍県外へ出て行っても戻ってきてもらえるような取り組みも含めて、この人材の確保・育成に取り組んでいかないといけないと思っております。産業分野ごとに見ていくと、今有効求人倍率が1をずっと超えている状況にありますが、極めて人手不足感がある業種もあります。そうした分野にしっかりと人が確保できるような取り組みも含めて、ここにミスマッチ解消ということ書いてありますけれども、県として関係の事業者の皆さま方と一緒になって、取り組んでいきたいと考えています。
 それから5番目でありますが、「賑わいある快適な健康長寿のまち・むらづくり」ということでございます。やはり人が定住する、定着するためには、快適で賑わいがあるまちをつくっていくということが重要だと思っています。そういう観点で、一つは長野県は健康長寿県でもあります。人が定住する上で重要な要素は医療と教育だとかねてからずっと思っておりますが、このまちづくりの観点でも、医療の充実、こうしたことをしっかりと位置付けて取り組んでいきたいと思っておりますし、加えて、地域の足の確保、交通問題、こうしたことについても県としてこれまで以上に踏み込んだ対応を行うことによって快適な地域づくりに向けた取り組みを進めていきたいと考えています。
 それから最後6番目ですが、「大都市、海外との未来志向の連携」ということでございます。人口問題を考えるときに、とかく大都市と地方の人の取り合いみたいな構図になってしまったり、あるいは他の地域とのただの競争になってしまったりとか、そういうことになりかねないテーマでありますけれども、そうしたスタンスは全く誤っていると思っています。むしろ大都市とも連携する、他の県とも連携する。そして、海外の地域ともしっかり協力する。そういうことによって、相互にWin-Win(ウィンウィン)の関係を築いていくことが長野県の発展にとっても不可欠だと考えておりますので、そういう意味で、あえて大都市・海外との未来志向の連携ということをこの地方創生の総合戦略の中にしっかり位置付けさせていただきました。二地域居住者が多いのが長野県特色でもありますし、大都市と近接しているという優位性を生かした取り組みができることが長野県の一つの強みでもありますので、そうしたことも強く意識した政策を進めていきたいと思いますし、先ほど産業分野のところで申し上げましたが、これからますます海外とのこういう連携は長野県の発展にとって重要な要素であります。今年は国際関係再構築年ということで位置付けて、私も韓国訪問させていただいたり、昨日も台湾彰化県の県長をお迎えさせていただいたり、あるいはアメリカの中西部会に出席して中西部のアメリカ各州の知事とお話をさせていただいたりしておりますけれども、やはり海外としっかりと連携し、そして、お互いWin-Winの関係を作っていくということが長野県の産業や地域を元気にしていく上で不可欠だと思っておりますので、この点についてもこれまで以上に力を入れて取り組んでいきたいと考えております。この基本方針の部分が長野県としてのある意味、特色の分野でありますので、少し詳しくお話をさせていただきました。
 右側の方に基本目標、施策展開と書かせていただいておりますけれども、今回の大きな目標として4つのくくりで基本目標を設定しております。人口の自然減に歯止めをかけるという観点で合計特殊出生率を平成31年に1.68まで上げていこうという目標であります。また、社会増に転換させることを目指して、今、社会移動、どちらかというと東京オリンピックを目掛けて大都市圏が元気になっている時代でありますので、どちらかというと大都市部に引き寄せられる環境下ではありますけれども、平成31年までに、今の社会移動のマイナス3,700人を約半分に近い2,000人まで減らしていこうという目標にしております。また、仕事と収入の確保という観点では、労働生産性の向上、そして、人口減少下ではありますけれども就業率を向上させていこうという目標設定をさせていただいております。また、地域の活力確保という観点では公共交通機関の利用回数、これは人口が減少していく中ではありますけれども、1人当たりの回数を増やしていく。そして健康寿命についても、今、日本で1番の健康長寿県でありますけれども、さらに延伸をさせていこうと、こういう基本目標を掲げているところでございます。いずれも野心的な設定だと思っておりますし、これは県だけでは達成できるものばかりではありません。市町村、関係団体、そして広く県民の皆さま方と問題意識を共有して相当な努力と覚悟で取り組んでいきたいと考えています。それから施策展開については、今申し上げた自然減への歯止め、社会増への転換、仕事と収入の確保、そして人口減少下での地域の活力確保、こうした観点で政策を組み立てておりますし、また、施策の進捗(しんちょく)を評価するという観点で、それぞれ重要業績評価指標(KPI)の設定を致しているところでございます。最後、推進体制のところに4点書いてございますけれども、何度も言っておりますように、これをオール信州で進めていきたいと思います。また、市町村、長野県、特に小規模な市町村も多いところがございますので、状況に応じてモデル事業的なものを行ったり、あるいは底上げ的な支援を行ったりということで、市町村ともしっかり連携をしてこの取り組みを進めていきたいと考えています。また、オール信州で取り組む上では、この実現会議をハブとして、さまざまな政策の推進組織、例えば移住だったら楽園信州の組織等もありますけれども、いろんな組織と連携する中で全体としてこの総合戦略の実現を目指していきたいと思っておりますし、県はさまざまな団体とのコーディネート役もしっかりと果たしていきたいと思っています。
 以上、雑ぱくな説明で恐縮でありますけれども、長野県として特色をかなり出した総合戦略を取りまとめることができているのはないかと思っています。ぜひこれに対してさまざまなご意見をいただく中で、さらにいい形として実現総合戦略を取りまとめてまいりたいと思っています。
 それから国勢調査についてお話をしたいと思います。来る10月1日を調査期日と致します平成27年国勢調査が実施されます。今、人口の問題に焦点を当てた総合戦略の話を致しましたけれども、まさにこの国勢調査から出てくるデータ、極めて重要なデータばかりだと思っております。そういう意味で、ぜひ県民の皆さま方にはこの調査に広くご協力をいただきたいと考えております。特に今回の調査においては、利便性向上、負担軽減という観点から、パソコン等で回答できるオンライン調査システムが導入されています。オンラインの回答数は全部で1,000万世帯を超えるものと見込まれているようでありまして、世界最大級のビッグチャレンジだといわれています。今後、この総合戦略を策定し、これから進めて状況チェックしていく上でもこのデータは大変重要なデータになりますので、ぜひご協力をお願いしたいと思います。オンライン調査については通常の調査票の調査に先行して9月10日から20日の間の実施ということになっておりますので、ぜひ改めてこの点ご承知いただいてご協力いただければと思っています。
 それからもう1点、工業技術総合センターの関連で、地域製造業が取り組む技術革新についてのご紹介でございます。工業技術総合センターを中心に技術支援をしてきているわけでありますけれども、今回、企業と共同開発して、優れた成果としてご紹介をしたいのが陶器の技法を生かした樹脂プラスチック製食器の製品化についてでございます。製品を開発した信濃化学工業株式会社さまにおかれましては、以前から病院や老人保健施設等で使用される業務用の樹脂製食器を製造していらっしゃいます。使用される方の生活の質を高めていこうということで、この手作り感や温もりなど感性的に豊かさを感じさせる高品位な樹脂製食器の製造手法を確立されたところでございます。実際の陶器と違って樹脂でございますので、落としても割れることを心配することなしに陶器の風合いを感じていただける素晴らしい製品だと考えております。具体的な説明については工業技術総合センターの横道所長の方から説明してもらいたいと思います。

工業技術総合センター所長 横道正和
 私ども工業技術総合センターでは、年間で約1万5,000件の技術相談を受けまして、その全てに対して対応し、企業の技術課題の解決に向けた支援を行っておるわけでございます。今回発表する信濃化学工業株式会社さまの取り組みもそうした技術相談からスタートしたものでございまして、樹脂食器を手にする方もその食器によって食事をより豊かに楽しんでもらえるようにという視点で開発を進め、その実現の手法として陶器に着目したものでございます。具体的には、陶芸家が樹脂食器の利用シーンを見据えながら作陶した素焼き、その素焼きの形状を私ども工技センターの高精度の測定器で計測し、そのデータから型を作ることで非常に良いものが作れるようになりました。この方法を製造の工程に取り入れることで、手づくり感やぬくもりを感じられて見た目でも楽しめる完成価値、また付加価値の高い樹脂食器の開発につながったわけです。そしてこの工程を特許化するということもしていただきました。信濃化学工業さまのように完成価値を高めたいなどのニーズをはっきり認識されていても、自社の技術だけではそれを実現できないといった場合に、私ども工業技術総合センターでは、中小企業さまがなかなか単独では保有できない高度な分析機器・測定機器など、あるいは私どもの職員のノウハウ、そして技術、そういったものを提供して今後も成果につながる後押しをしっかりと行ってまいります。午後に記者会見を予定しておりますが、そこでは製品開発の経緯や製品の特徴の説明、あるいは繊維そのものの展示も行います。従来の製品との違いや手触りといったものも体験していただきますので、ぜひ多くの皆さまにご参加いただければと思います。以上でございます。

長野県知事 阿部守一
 どうもありがとうございました。引き続き企業の皆さんのさまざまな技術開発についても、県としてしっかりと応援していきたいと思いますので、また午後の会見の方についてもぜひご参加をいただければと思います。私からは以上でございますので、よろしくお願いします。

取材者からの質問

 1 木曽地域の観光振興支援について

信濃毎日新聞 村澤圭一氏
 大きく5点お願いしたいんですが、最初に補正予算の御嶽山の観光振興のところで、知事の8月に再捜索の際に、実際木曽の方に入られたり、現状を見ていらっしゃると思うんですが、今、木曽地域の現状をどのように見ていらっしゃるかというのと、先ほどお話があって、将来を見据えた場合に世界水準の観光地を目指していくという長期的な視野を見た場合に、今回のこの予算付けというか、前出しというか、どういった位置付けになりますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 木曽の現状については、私も実際に再捜索のときにも王滝村に宿泊を致しましたけれども、極めて危機的な状況だという認識を持っています。特に木曽地域の中でも王滝村は観光が主力産業、御嶽信仰の皆さんに対する宿泊であったり、あるいは御嶽山に登られる方への対応であったり、そうしたことが中心になっておりますので、これはまさに地域の在り方そのものを県としてもしっかり一緒に考えていかなければいけないという問題意識を持っています。そういう観点で今回の補正予算、先ほど申し上げたように、この予算上出てくるのは4,000万円ですけれども、総事業費は1億円の規模で、できる限りの対策はしっかり行っていきたいと思っています。今回、取り組んでいくのが、今落ち込んでいる状況でありますので、そういう意味では、一つは回復させると、観光誘客を元の水準に戻していくという観点での回復対策。それからもう一つは木曽地域のイメージアップ等も含めた振興対策。この二つをまずは当面しっかり行っていきたいと思っています。加えて先ほど申し上げましたように、木曽町、王滝村の地域の将来のあるべき姿というものを世界水準の山岳高原地域づくりの観点で、県も一緒になって考えていこうと思っています。これまでも検討してきているわけでありますけれども、いくつか観点があると思っています。一つが山岳信仰の地域でありますので、神秘的な雰囲気を生かしていく体験プログラムができるのではないか。あるいは先ほどアウトドア・アクティビティ の話もしましたけれども、アウトドアに適した地域がいっぱいあるわけでありますので、そうした観点での観光振興ができるんじゃないかと。さらには、伝統の食文化、すんき漬けをはじめとしてさまざまありますので、やはり食の発信もできるのではないか、さらには木曽の街道文化の活用、こうしたことを中心にこの地域のビジョンを今つくっているところでありますので、そのビジョンを受けて、県としても、山岳高原観光地づくりと、復興という意味も込めてこれからもしっかりと支援をして、そして、支援するだけではなくて県も一緒になって取り組んでいきたいと思っています。

 2 長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略(案)について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 次に総合戦略についてお聞きしたいんですが、市町村と他機関との連携についてお伺いしたいんですが、何度も繰り返しおっしゃられたように県だけではとてもできないというか、他のところを巻き込んでいかなきゃいけないと思うんですが、市町村とか他機関を巻き込んで来年3月までに熟度を高めるというか、そういった観点からどのようにこの計画を煮詰めていくと考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 今回の策定に向けて地域戦略会議等で市町村長の皆さんとは意見交換させていただく中で、盛り込んだ政策もそうした中から出てきたものも入れさせていただいています。例えば医療福祉人材を圏域で共同確保する仕組みの構築についても、佐久地域の地域戦略会議で出されたご意見等も踏まえて、入れているわけでありますけれども、県の戦略案を今回まとめたわけでありますので、県としての方向性に即して市町村にもぜひ協力してもらいたい部分があります。それから、市町村においても、今まさに最終的に取りまとめ段階に入っている市町村が多いと思いますけれども、市町村が取り組む中でも、県も一緒になって取り組んでいった方がいいものもあると思いますので、そういう意味で、この総合戦略案を作る段階でも聞いておりますし、先ほど申し上げたように、年度末に向けてもう1回改定をしようと思っています。それは今回の戦略を踏まえて、市町村とさらに意見交換をして、一緒にやるべき事業、あるいはさらに追加が必要な事業があればさらに盛り込んだ上で、最終的なものをもう1回改定していきたいと思っていますので、その中で市町村のさらなる意見も反映をしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 総合戦略にもう1点、財政的な裏付けについてお聞きしたいんですが、来年度、今のところ国の方針だと全国で1,100億円規模程度で、実際これだけのものを5年間でやっていくとすれば財政的にはかなりの規模になるかと思うんですが、ちょっと極端な言い方ですけど国の交付金の措置がない場合でも、これを実現していくとなれば、県単独で5年間臨んでいくという考えでいらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 われわれ長野県として、今回の人口問題に対応するにはこうした取り組みが必要だということで取りまとめています。もちろん財源については、交付金で対象にしてもらえるということが1番いいことだと思いますけども、今、国においても、交付金に限らず国の補助制度等も地方創生に向けて各省知恵出していると感じています。そういう意味で交付金だけではなくてさまざまな国の補助事業等も活用していかなければいけないと思いますし、また県としても財源やりくりをすることも、単に人に依存するだけでなくて考えていかなければいけないだろうと思っています。この財源の話は国が交付金をいっぱい増やしてもらうに越したことはないというところはありますけれども、国も地方も厳しい財政状況の中で、何ていうか単純に全部純増ですというわけにはいかないと思いますので、必要な事業のスクラップアンドビルド等を行いながら、着実に推進していきたいと思っています。

 3 子どもを性被害から守るための条例モデル案について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 別の質問で、淫行処罰のモデル条例、明日座長の方から知事にご説明があるかと思うんですが、先日まとまった案の内容についてちょっとお聞きをしたいんですが、一つは罰則をそもそも設ける条例案自体が示されたこと自体について、知事ご自身としてどのように考えていらっしゃるかまず教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 まだ私のところで受け取ってないので、受け取ったものをちゃんと見た上で、コメントをさせていただきたいと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 モデル条例案があるなしにかかわらず、現時点で罰則を設ける条例というものも必要性自体はどのように考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 これについては長野県、いわゆる青少年健全育成条例、他県と同じようなものは作らずに県民運動でやってきたという長い歴史があるわけでありますので、そのこと自体は評価されるべきものだと思いますし、尊重されなければいけないと思っています。ただ、世の中の環境が大きく変化をしてきている中で、これまでと同じような対応だけで本当に十分なのかという問題意識でこの一連の検討が始まってきているわけでありますので、そういう意味でこれはいいけどこれはだめという予断を持たずに検討してきています。どうしてもこの議論が、私いつも気になっているのは、罰則をどうしますかっていうところだけが論点になっていますけども、今回の一連の取り組みは予防としての教育であったり啓発であったり、あるいは被害を受けた人たちへの救済であったり、そうしたことまで広く含めてパッケージで取り組もうということでありまして、その処罰をどうするかっていうのはその一つの一部のお話であります。そういう意味では、やはり全体的にどうするかということをしっかり考えていく中で、この条例についても位置付けを考えていくということが重要だと思っています。

 4 県民協働による事業改善について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 あと2点だけ、県民協働の事業改善なんですが、先ほどの部局長会議でも報告がありましたが、傍聴人ですとかインターネットのアクセス数が減っている。実際傍聴した人数が減っているっていうのは1点あるんですが、内容がやっぱり従来の信州型の事業仕分けに比べて、正直緊張感がないというか、廃止を前提にしてないということもあるのか、事業のPRに終始してしまっている感があるんですが、このままの形態で続けていくというふうに考えていらっしゃいますか。それとも先ほどの実際県民の関心も必ずしも高まっている状況ではないと思いますので、その辺はどのようにお考えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 今回、昨年よりも傍聴者が少なくなっているというのはどういう要因なのかしっかり把握しなければいけないと思います。事業改善の在り方自体はこれが唯一絶対だという話のものはないわけでありますので、常に改善は心掛けていきたいと思います。今回のやり方については改善をさせていただいています。いろいろな調査を見ても、例えばしあわせ信州創造プランの内容がよく伝わってないとか、県と県民との距離感っていうのはいろいろなところで、私は正直言って課題ではないかなと思っています。これは県の職員には発信力ということでずっと言っていますけれども、この事業改善やるときだけPRして「はい、来てください」と言ってもそれは無理な話で、やはり県政に対して常日頃から県民の皆さんに関心を持っていただけるというような取り組みを地道にやっていかないといけない。これは私が例えば県政タウンミーティングとかやっていますけども、そうしたことだけではなくて、すべての職員が県の発信役だと思ってもらえるような県組織を作っていかなきゃいけないし、メディアの皆さんの前ですから言いづらいですけども、やっぱどうしても行政組織っていうのは情報を出すことに対しては後ろ向きになりがちな風土があると思っています。それだとやっぱり県民からのリアクションも期待できないので、そういうところも広く改善しながら、やっぱり本当の意味で県民とキャッチボールをしながら県民と対話する県政を作っていかないといけない。これはなかなか一朝一夕にはできづらい問題ではありますけれども、ただ着実には進めていきたいと思っています。

 5 安全保障関連法案について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 もう1点、審議中の安全保障法制について何度もお聞きしているんですが、今週かなり山場という状況を考えて、ちょっと2点お伺いしたいんですが、従来、今のその審議の状況については、主権者である国民の理解が得られるよう審議を尽くす必要があるんではないかというご発言をされてきたかと思うんですが、その状況を踏まえて今週中にも審議、採決になりそうという現状というのはそれはどのように見てらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 私はやはり、日本国憲法の平和主義、国民主権、こうしたものはこれからもしっかり維持されなければいけないと思っていますし、9条のところの議論に終始している感がありますけれども、前文の憲法解釈の指針にはなり得る文章でありますので、そういうところまでしっかり含めた考え方を示すことが国民に対しての説明を尽くすことになるのだろうと思っています。今の制度の下では、国民が国会議員にある意味で授権しているわけでありますから、国権の最高機関である国会が国民の代表者としてしっかりと検討して報告を出してもらうということが基本だと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 審議は尽くされたというふうにはお考えになりますか。議論等見てらっしゃって。

長野県知事 阿部守一
 これは国民主権でありますから国民がどう判断するか。今までの世論調査を見れば十分な理解が広まっているとは言えない状況だと思っていますけれども、最終的に国会がどういう結果を出すのかということに対して、主権者たる国民がどう判断するかということだと思います。

 6 御嶽山噴火災害の復興支援について(1)

テレビ信州(TSB) 中村守 氏
 御嶽山の噴火関連の話なんですけれども、11月に県が示した復興支援策の中に、御嶽山火山研究所の誘致というものがあるんですけれども、これについての現在の進捗状況についてお聞かせいただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 この間、県として国に対して出した政府機関誘致の中にも入れさせてもらっていますし、大学との連携も今進めていますので、危機管理部からお話ししたいと思います。

危機管理防災課長 竹内善彦
 現在、国の方に研究所の誘致について要望して、また国の方ともヒアリングをしていく予定になっております。

テレビ信州(TSB) 中村守 氏
 研究機関とか専門家とも連携っていうことが重要になってくるかと思うんですけれども、その辺り知事としてはどんなお考えでいらっしゃるのかもお聞かせいただきたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 御嶽山噴火災害については、まず名古屋大学の山岡先生にはいろいろアドバイスをいただきながら、この間の対応等も行ってきていますし、これからもやはり火山についてはどうしても県としての知見が必ずしも十分でないところがあります。そして加えて火山ごとに、浅間山は浅間山の特徴があって、御嶽山は御嶽山の特徴があるわけで、一律に論じられないところがありますので、それぞれの火山に精通した専門家のご意見、あるいは気象庁等とも十分連携を図りながら、さまざまな対策を講じて進めていきたいと思っています。

テレビ信州(TSB) 中村守 氏
 やはり知事としては改めてこの研究所の存在というのは必要だというふうにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 われわれとしては必要だと思っていますし、加えて中央防災会議の中でも議論されていますけれども、やはり研究者自体が日本全体で必ずしも十分ではないのではないかと言われていますので、ぜひ国全体で問題意識を持って取り組んで、問題意識を持っていただいていますけれども、具体的な取り組みを進めてもらいたいと思っています。

 7 御嶽山噴火災害の復興支援について(2)

長野放送(NBS) 野平崇 氏
 今の御嶽山の関係で、間もなく1年を迎えるということで、火山防災の中では知事は先ほど国の方にも何度も要望なんかがありましたが、この1年間で火山防災の関係で、意義があったというか、御嶽山噴火があったので教訓があってこの1年でこういった議論が進んだとか、そういったものは今どう感じていますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず、国においては活火山法の改正も含めて、この御嶽山噴火の応急対策にも全面的に内閣府をはじめ関係省庁には協力いただきましたし、その後の火山防災対策という面でも、この1年間で格段の進化があったのではないかと思っています。加えて、われわれ長野県としても、それぞれの地域で協議会をしっかり動かす中で対応を検討してきているところでありますし、県としても今年の当初予算でもシェルター設置であったり、あるいは火山の入り口の看板設置だったり、そうした基本的な部分の予算措置を講じています。ただ、まだ例えば、携帯不感地域があったりするので、そういうのは、今、通信事業者にはお願いはしていますけども、これから情報の伝達であったり、シェルターの設置であったり、あるいは御嶽であれば山小屋の復旧であったりさまざまやるべきことがありますので、引き続き関係機関としっかり協力しながら県としての責任を果たしていきたいと思っています。

長野放送(NBS) 野平崇 氏
 そうすると今、研究所の設置なんかの話もありましたけれども、知事としてなかなかまだこういうところが進んでないなとか、課題みたいな部分がもしあればお願い致します。

長野県知事 阿部守一
 1番はやはり御嶽山が入山規制かかっているという中で、本来は山小屋の復旧も含めて、早く大勢の皆さんにお越しいただける環境をつくらなければいけないのですけれども、どうしても火山活動の制約で進めることができない、そこは非常にじくじたる思いで、早く活動が鎮静化してほしいなということはずっと感じています。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

お問い合わせ

企画振興部広報県民課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?