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更新日:2016年7月7日

知事会見(平成28年(2016年)7月7日(木曜日)11時01分~11時40分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

取材者からの質問

  1. 「長野県子どもを性被害から守るための条例案」について
  2. 大北森林組合補助金不適正受給について

本文

知事からの説明

 しあわせ信州移動知事室(木曽地域)の実施、内閣府と地方公共団体が協働して避難計画を検討する火山の選定について

長野県知事 阿部守一
 皆さんこんにちは。今から会見を始めます。
 まず私から2点、お話し申し上げます。よろしくお願い致します。(※手話で表現)
 まず1点目は、しあわせ信州移動知事室、木曽地域での実施についてでございます。県内各地を回らせていただいていろいろな皆さま方と対話をし、そしてさまざまな現場を拝見し、それぞれの地域にどっぷり浸かって、長野市の県庁にいる目線とは違う目線でそれぞれの地域、あるいは県政全体を考える機会にさせていただいておりますけれども、今回で5回目になります、しあわせ信州移動知事室。来週14日から16日までの3日間、木曽地域で実施致します。日程については皆さま方のところにお配りをさせていただいているかと思いますけれども、今回もいろいろな角度から盛りだくさんの日程にさせていただいております。まず、東大の木曽観測所におきまして国内最大のシュミット望遠鏡を用いた最先端の天文学研究を視察させていただきますし、地域の協力団体の皆さま方と観光をテーマに意見交換を行っていきたいと思います。星空観光ということも県内いくつかの地域で出てきておりますけれども、こうした宇宙、空の資源を観光で生かすことをしっかり考えていきたいと思っています。また御嶽山噴火以降、低迷している観光関係につきまして、ぜひ観光関係の皆さま方と一緒になって活性化を図っていきたいと思っております。そういう観点で、アウトドアスポーツ体験施設等の視察、あるいは関係者の皆さま方と意見交換をさせていただき、課題や方向性を共有していきたいと思っております。また、来年の夏に信州デスティネーションキャンペーンを行うわけでありますけれども、エクスカーションにご参加いただいているJRグループ、そして旅行会社の皆さま方と木曽の地において懇談を行う予定に致しております。また、郷学郷就(きょうがくきょうしゅう)県の推進という観点で、地域で活躍するさまざまな分野の皆さま方と懇談させていただきますし、また木曽地域は日本遺産の認定が行われたわけでありますので、木曽地域のブランド力向上、あるいは木曽の魅力発信ということをテーマとして町村長の皆さまと意見交換を行っていきたいと思っております。また王滝村、大変喜ばしいことでございますけれども、交通死亡事故ゼロ30年ということで、交通安全運動推進本部表彰を行う予定にしております。「共感」と「対話」の県政を進めているわけでありますけれども、できるだけそれぞれの現場に出向かせていただく中で、県民の皆さま方と率直な意見交換をして、課題の解決につなげていきたいと思っております。木曽地域、御嶽山の噴火災害の影響等もまだあるわけでありますので、そういう課題もしっかり私も教えていただきながら、共に進む方向を考えていきたいと思っています。
 それからもう1点でありますけれども、昨日7月6日、内閣府の防災担当から内閣府と地方公共団体が協働して避難計画を検討する火山の選定について発表がありました。これにつきましては今年の5月20日に長野県から内閣府に採択の申請を行っていたものでありまして、今回二つの火山について採択いただけたこと、大変ありがたく思っております。この採択を契機に長野県の災害対応が前進するように取り組んでいきたいと思っております。今回、焼岳と浅間山が対象になっているわけでありますけれども、焼岳は日本を代表する観光地、上高地の周辺地域でございますので、そういう意味で火山の近隣に滞在している登山者あるいは観光客、こうした皆さま方の避難計画を中心に国と一緒に考えていきたいと思っております。また浅間山については市街地を含む具体的な避難計画を、これも浅間山の周辺地域は観光客あるいは別荘等もあるわけでありますので、こうした皆さま方への対応ということも含めて避難計画を作っていきたいと思っております。県も加わっております火山防災協議会として内閣府の支援を得ながら効果的な避難計画を策定して、火山防災の強化につなげていきたいと思っております。
 私の方からは以上でございます。よろしくお願い致します。

取材者からの質問

 1 「長野県子どもを性被害から守るための条例案」について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 1点だけ教えていただきたいのですが、今日施行になった子どもを性被害から守る条例の関係で、先日の記者会見でもお伺いをしたのですが、11月施行の処罰の部分の運用について、どのような形で公表を考えていかれるかというところについて、改めて、今まで県会等でご説明されていることも踏まえて、知事のお考えをちょっと改めてどのような形を考えていらっしゃるかというのを教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 この間の会見で子どものプライバシー重視ということがなかなかうまく伝えられていなかったようでありますので、もう1回改めて申し上げますけれども、今回、処罰規定ということを設けさせていただいたわけであります。やはり条例の運用状況全般については広く県民の皆さま方と共有していくことが、もとより必要だと思っております。処罰規定のところだけがいつもクローズアップされてしまうわけでありますけれども、長野県子ども支援条例を作り、子ども支援センターを設置し、そして今回子どもを性被害から守るための条例を作って、子どもたちを守り、育てていく体制を相当程度強化してきておりますので、そういう全体の中でこの条例の位置付けをきちんとして、公表すべきところについてはしっかり公表していきたいと思っております。罰則に関連しては11月1日施行となっておりますので、取り締まりの中心の罰則規定の部分については警察本部という形になりますので、私ども県民文化部と県警、あるいは子ども支援センターであったり児童相談所、そうした関係機関、さらには子ども支援委員会も設置しておりますので、子どもたちに対してさまざまな対応をどうしていくのか、そしてどういう部分についてどのような形で公表していくのがいいのかということについては、関係者間でしっかり検討した上で定めていきたいと思っております。ただ皆さまもご承知の通り、既に例えば今回のものについては、いつも今回の罰則だけ特別扱いされているような感じがしてならないわけですけれども、例えば児童福祉法違反というような現在の法体系の中でも実際に子どもに対する性暴力、性被害、そうしたものが対応されてきている経過もあるわけでありますので、基本的にはこうしたものと同じような公表をしていくということが、まずはベースとしてあるだろうと思っております。例えば警察が逮捕あるいは検挙を行った場合には現在でも被疑者の職業、性別、年齢あるいは事案の概要と、こうしたものを公表しているところでありますので、これは今回の条例の事案においても当然基本だろうと考えております。そういう中で、一方で私が再三申し上げておりますように、今回の条例は子どもの最善の利益を常に念頭に置いて対応していかなければいけないわけでありますので、そういう意味でプライバシーをどう守るのか、それから被害者が相談をためらってしまうようなことにつながらないような工夫、配慮、そうしたことも他方で行っていくということが必要だろうと思っております。こうしたことを11月1日までにしっかり固めた上で罰則規定についても施行していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 確認ですが、今、現行法令の場合ですと知事が例示をされたように、逮捕された案件ですとそういった形で被疑者の名前も出て、被害者の方についてはかなりプライバシーに配慮した上で県内在住の例えば10代女性とかっていう感じでぼかした形で出すと思うんですが、それと同等な発表を県警本部がするであろうというか、その部分は、仰るように確かに県と県警の関係ってのは非常に難しい問題というか、前も仰ったようにあると思うんですが、そこの部分何かこう調整していて、コンセンサスを得ていくということなんでしょうか。どこまで公表するというか。

長野県知事 阿部守一
 今申し上げた通りでありますけれども、まず、例えば逮捕、検挙行ったということについてどう公表するかというのは一義的には警察本部の責任領域になろうと思います。ただ、県として条例を制定したわけでありますから、先ほど申し上げたように、県警とも十分調整をした上で対応していきたいと思っております。繰り返しになって申し訳ないですけれども、今申し上げたように、これまでも今申し上げたような被疑者の職業、性別、年齢、こうしたものとか事案の概要とかは公表してるわけでありますから、今後の条例の運用に当たってもこうしたものを公表していくということは、基本として調整検討していくことになると思っております。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 逮捕された場合と書類送検された場合では、現行、県警の発表の仕方が違っていて、逮捕された場合はプライバシーを配慮した上で被害者の名前についても公表しないケースもあります。基本的に逮捕された場合では何々条例違反でこういった人物を逮捕したというのは公表されるんですが、書類送検された場合については特に発表されない状況です。考えられるケースとすれば書類送検をされて、その後に略式起訴、事実を本人が認めたような場合ですと一切私どもは知ることができない状況になります。そういったケースが考えられるのですが、それをどう捉えればいいのかっていうのが一番の私どもの問題意識でもあるんですが。

長野県知事 阿部守一
 先ほども申し上げましたように、一義的には、例えば被疑者に対する公開、公表、検挙事案についての公表というのは警察本部の責任で行われるべきものと思っておりますので、いつも信濃毎日新聞には教育委員会に過度の介入をするのが総合教育会議だみたいなことをこれまでも報道していただいてますけれども、県としてはそれぞれ執行機関が県の中で、例えば捜査情報について私は例えば知り得る立場ではないわけでありますから、そうしたことを前提にしながらも、とはいえ子どもたちを性被害から守るということについては、これは県警と私ども知事部局が連携していかなければいけないと、そういう意味で先ほど申し上げているように、双方でしっかり検討しながら具体的な方策を固めていきたいと思っております。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 あえてお聞きをしますが、例えば公安委員会について知事が先日も任命をしてらっしゃいますし、そういった部分で公安委員会の方にそういったことを求めるというのは県の方から一つできるかなという気がしますし、例えば今のような場合ですとプライバシーに配慮するということでしたら、例えば年間の逮捕件数、ないし書類送検の件数ですとか、略式起訴の件数が何件あったというような形で件数だけでも出すとか、そういった形の検討も可能かなと思うのですが。

長野県知事 阿部守一
 ですから、これはやらないとかこれはやるというふうに明確に申し上げているわけではなくて、検挙事案の扱いについては基本的に県警本部が責任をも持って対応する話ですが、とはいえ、条例は県として制定していますので、それは県警の話だと、関係ないと言っているわけではないと。ですから、県民文化部はじめ関係機関とどうするかということについては、これからしっかり検討して11月1日の施行までにそれを固めていきたいと申し上げているところであります。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 何かしらの指針というものができ上がって、それについてはどういった指針というか、形になったかということは教えていただけるものになりますか。

長野県知事 阿部守一
 指針というか、それは考え方をどうするかということで、ご質問の関心事がどこにあるのかというところが必ずしもよく分からないので的確な答弁ができていないのかもしれませんけれども、私は個々のケースについて、われわれが把握、管理をしていくということが重要なだけではなくて、性被害をいかに少なくするかという観点での情報共有。組織内での情報共有になるかもしれませんけれども、必要だと思っております。そういう意味で、信濃毎日新聞の方でこういう理由でこういう公表が必要じゃないかということであれば、それはまたわれわれ検討していくわけでありますから、明確な理由とともに観点を仰っていただければ十分参考にさせていただきたいと思います。

 2 大北森林組合補助金不適正受給について

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 今日、ちょっと朝刊で書かせていただいたのですが、大北森林組合の関係で、ずっと散々指摘している平成26年4月から12月までの8カ月間の問題について、こちらで検証委員会の議事録などを調べたんですが、あまり議論した形跡というのが見当たらなくて、この点に関して県議会でも最終報告書に載っているんだというような答弁はあったんですが、最終報告書を読んでもはっきり読み取れない、直接触れたとはいえないと思います。ここら辺、第三者の目を改めて入れた検証などが必要かなと思っているのですが、それについてはどういうふうに思っていますか。

長野県知事 阿部守一
 検証委員会の報告は第三者の目でやっていただいているわけで、朝日新聞の記事は私も読ませていただきましたけれども、検証委員会の委員の方にも取材をされた上で書かれているかと思います。まさに委員の皆さん方が仰っている通りではないかと思うのですが、その点についてさらに検証が必要だという根拠はどういうところなのでしょうか。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 仰る通りというのは、議論していないと答えている方もいるのですよね。

長野県知事 阿部守一
 議論してないというか、この件についても散々私はここで申し上げてきたと思っておりますけれども、まず、例えば事実関係が十分認識されていないのではないかと思いますけれども、1月29日の段階で、最初、第一弾として大北森林組合の不適正な補助金受給が判明しましたということで公表させていただいているというのはご存知ですよね。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 もちろん。

長野県知事 阿部守一
 そのときの記述の中で、26年4月の段階で未完了であったという部分があったと。不適切な状況があるということを把握しながら補助金の交付決定の一部取り消し、あるいは県への返還を求めず、組合に対して早期の事業完了を求める不適切な指導を行っていましたということについては、その際のプレスリリースでも明確に記載させていただいていますが、そのことについては十分ご理解いただいていますでしょうか。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 その発表内容は理解しています。

長野県知事 阿部守一
 このことと今仰っていただいていることは同じ話だと思うのですけれども。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 ここの発表内容というのはいわゆる判断の誤り、対応の優先順位が違っていたというのはずっと林務部と人事課の説明なんですが、対応順位を間違えていたというよりも、こちらで指摘しているのはかなり現場サイドからこれは問題だ。

長野県知事 阿部守一
 優先順位を間違えたのではなくて、処分の対象にしているわけでしょ。優先順位を間違えたなんていうそんな生易しい認識ではいません。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 まさにその通りです。生易しい認識はないし、懲戒処分をした重い事案なんで、そういう重い事案について最終報告書にも具体的な事実経過が全く触れられてないんですね。最終報告書に入っているっていうような答弁があって。

長野県知事 阿部守一
 今回の検証委員会の報告書の検証委員会の最初の立ち上げのときに、今申し上げた1月29日段階でプレスリリースとして発表している事案の内容については、検証委員会の委員の皆さま方には説明をさせていただいて共有をしているという状況です。今回の検証委員会の主たる内容は、これはやはり当然のごとく県と組合との関係がどうだったかというところに主眼が置かれているわけで、そこはご理解いただけるんですか。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 県と組合の関係考える上では、当然県内部のどういう問題があったかっていうのを明らかにしないと県と組合の関係も分からないと思うんですね。

長野県知事 阿部守一
 それはどうしてですか。

朝日新聞 小松隆次郎氏
 要は県っていってもいろいろ立場があるわけですよね。北安曇地方事務所があって県林務部があって、その関係の中で組合との関係がある。

長野県知事 阿部守一
 この件については何度も何度も同じことを違う角度から記事にして、私はこれ見たとたんに、また何か新しい事実が発生したのかなと思って読み返しましたけれども、この囲みの記事のところは昔、県職員がこう言っていたということをこの時点で書くというのは、それは事案としてだいぶ状況が進行している中で、読者に対して誤解を与えるのではないかと私は感じているんですけれども。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 そうすると知事はもうあれですか、これはこのメールのことをおっしゃってるんですよね。

長野県知事 阿部守一
 このメールはここにも明記されていますけれども、昨年8月の段階のメールです。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 昨年8月の段階、そうするともうこの8月の、このメール見てるとかなり怒っているんですが、これはじゃあもう解決されたっていうふうに理解されていますか。

長野県知事 阿部守一
 当然その職員にも私はコンプライアンス室長からちゃんと職員にどういう状況か、要するに県の今の取り組みに対して不平不満があるのか、あるとすれば何なのかということをしっかり確認しろということを指示してそういう対応をしてきています。これについてもかつてここでもお話ししてきたと思うんですけれども、何回ご説明してもいつも同じやりとりになってしまうという状況で、どうすればよろしいのかと思っているんですが。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 僕はもう率直にこの8カ月間はっきり言って、これ検証されていないと思います。事実経過。

長野県知事 阿部守一
 検証されているというか、処分しているわけです。対外的にも公にして、職員の処分も行っています。ですから、ご指摘の点が新たな事実、新たな不正行為、どういう点を仰っているのか明確にしていただかないと話が進みません。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 ですから、5月の段階で出たのが、かなり北安曇地方事務所の職員が内部調査へ公表を迫っていたという事実ですね、これは一見するとこの流れの中で同じじゃないかって知事仰るかもしれないんですが、受け手の印象ってかなり違います。

長野県知事 阿部守一
 私との会見のやりとりで不十分であれば、各部局にもっとよく丁寧な取材をした上で記事を書いていただかないといけないと思いますけれども。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 別に個人名を出すわけじゃないですけど、相当取材はしてますけど、例えばですね。

長野県知事 阿部守一
 どこが一番問題なのかというのを仰っていただければお答えいたしますけれども。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 例えば、昨日の、あんまり細かいこと言ってもしょうがないんですが、やりとりです。例えば議事録で検証したと、はっきり議論もしたっていうふうにこちら県コンプライアンス推進室は仰るんですね、この議事録の中で。

長野県知事 阿部守一
 私が報告受けているのは、コンプライアンス推進室は先ほど申し上げたように、検証委員会の冒頭の段階でこういう事実があったということについては報告をさせていただきます。確かに検証委員会の報告は、その点の記述は薄いというのは私もそう思います。しかしながら、そこの部分は職員の処分をする段階にあって、われわれとしては明確に認識した上で行わせていただいているということをはっきり申し上げたいと思います。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 県内部で明確に認識しても、外は全く分からないです。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げているように、内部ではなくて、最初の会見の時に説明をさせていただいいているんですが同席していただいたんでしょうか。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 私はそれ同席していません。だけど会見記録もちゃんと情報公開請求でもらってますので。

長野県知事 阿部守一
 ですから、その時の記述ではおかしいということなんでしょうか。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 要は不十分だって言ってるんですよ。

長野県知事 阿部守一
 ですから、要するに全ての物事を全て第三者が期待するレベルで書けているかどうかといえば、それは今ご期待いただいているような詳細さではないのかもしれません。それについてお詫びしろというのであればお詫びしますけれども、しかしながら、本質的な問題は、事実関係が誤っているのではないかとか、あるいはそうした事実を無視して意図的に隠しているのではないか、そういうことがあればこれは重要な問題だと思います。それだけしつこくご指摘されているんですから、ぜひそういうところを明確に仰っていただきたいと思います。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 前提として、説明責任は県にあると思うので。

長野県知事 阿部守一
 ですから、説明をずっとさせていただいていると思いますけれども。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 ですから、知事が把握できることって当然限度はあるし、何から何まで報告しろとは言ってはないと思うので、それはコンプライアンス推進室なり森林づくり推進課なり森林政策課が、別にいつどこで何時何分にどこの誰々がっていう、そこまでね、もちろん個人情報の問題もあるので言えとは言ってないです。ただ少なくとも、こういう現場から声が上がってきたときに、どう対応したのかというところぐらいは少なくとも。

長野県知事 阿部守一
 それでは私が今申し上げますので、われわれの認識を申し上げますから、よろしいですか。この件については既にこれまで申し上げてきているんですが、もう1回改めて申し上げさせていただきたいと思います。平成26年4月8日の段階で北安曇地方事務所の林務課の担当者が平成25年度の大北森林組合に対する造林関係補助事業の間伐に関して、3件未完了事業が存在するということを発見したわけです。最初に。このことについては、4月10日の段階で同所、北安の地方事務所の林務課で、長野県林務部、本庁の森林づくり推進課造林緑化係長、そして同係職員に対して未完了事業が3件存在していること、そしてその他にも未完了事業の存在が疑われるということを報告したわけであります。造林緑化係長は北安の地方事務所の林務課に対して類似案件の調査を指示しました。併せて、大北森林組合が未完了部分について実施していく意向であること、そして地域で進めてきた森林整備であったことなどから、早期に事業を完了させるという指示を行いました。これは明確に誤った指示です。これは何度も繰り返し申し上げている通りであります。そして造林緑化係長から報告を受けた森林づくり推進課長についても早期完了方針を容認したということで、これも誤った容認ということでありますが、こうしたことについてはこれまでも何度もお話し申し上げてきているところでありますけれども、どこの点が不十分だということなのかを明確に仰っていただければと思います。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 そこまで具体的に説明したのっていつですか。

長野県知事 阿部守一
 これは、われわれとしては処分の段階でこういう認識で処分をしています。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 認識している段階ですけど、そこの説明を求めてもそれは説明していただけませんでした。

長野県知事 阿部守一
 それはそういう質問になっていないからです。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 そんなことはないです。宮下さんに何度も何度もそれ聞いてます。僕は。

長野県知事 阿部守一
 どこの段階でどのレベルまで説明すればいいかどうかというのは、それは受け止める側と説明する側の意識のギャップがどうしても生じる話であります。ですから、先ほどから申し上げているように、どこがおかしいの、不十分なの。要するに新しい事実関係があるではないかとか、あるいは県としては認識していたのに無視しているではないかとか、そういう前提の下にちゃんと明確に質問していただかないと、どこまで、程度、何件がどうだとかこうだとかっていうところまで、細かく説明をしなければ事案の全容が解明されなていないという話では全くないだろうと思っています。少なくとも職員が誤った指示をしていたと。そのことについては明確に処分の対象にしているわけですから。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 何度もやってしょうがないですから。例えば3件とかそういのが必要とか言っているのではなくて、今例えば係長がこう言って、それを課長に報告してとかここら辺の説明が正直今までなかったので、それは今になってこうやって説明していただいたのは、非常に。

長野県知事 阿部守一
 ここまで説明をするかどうかというのは担当レベルでは迷うところだと思います。私自身もここまで説明するかと正直思うところはありますが、処分の話ですから。しかしながら、あまりにも同じことについていつまでも誤解を生じるような報道をされているので、あえて明確に申し上げさせていただきました。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 懲戒処分で非常に重いって仰いましたよね。まさに今回の事案ではこれ2人なんですよね。懲戒処分を受けたのが。今仰っていたのも絡んでいるのが2人だけじゃないわけです。別に他の人も処分しろっていうじゃなくて、何でこの2人が懲戒処分を受けて、他の人は受けなかったのか。こういった説明が要は事実経過の中で分からなければならないわけで、今までの説明だと、いや課長が最終責任者だからと。

長野県知事 阿部守一
 普通は御社の職員処分も、例えば具体的にいつどうで、何がこうだという詳細な理由まで公表されているのかどうかというのもありますけれども。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 御社というのも、朝日新聞と長野県を比べられても。

長野県知事 阿部守一
 申し訳ないですけれども、われわれは今回の件については相当丁寧に説明をさせてきていると思っています。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 これからも丁寧にお願いしたいんですが、ただ1点、これは先ほどもう8月のメールじゃないかっていうようなことを仰ってたんですが、例えば、この前回の会見でもお話しになったような期ずれと闇繰越の問題ですね。確かに知事が仰るように、闇繰越が新しい事案だとは全く思わなくて、これはもう今までずっと散々出てきたあれなんですが、知事もこの前の時に闇繰越って初めて聞いたというふうに仰ってたんですが、これ現場では期ずれってそう使わないみたいですよ。僕もかなりこの1年間現場取材したんですが、結構言う人います、期ズレは検証委員会。

長野県知事 阿部守一
 闇繰越という言葉が他の事務所まで広くまん延していたっていう理解なんですか。そういうことですか。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 そうですね。

長野県知事 阿部守一
 林務部の方でそれならそうだと、そうではないならそうではないと言ってもらえますか。

森林づくり推進課長 宮宣敏
 闇繰越という言葉につきましては、各地方事務所の方でその言葉を常に使っていたとか、そういう言葉が認識されて、共通な言葉となっていたという認識は全くございません。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 そうすると、だから、これはいいんですよ別に、期ずれだとか、その僕も議事録見て、本当に現場の人が闇繰越使っているのか期ずれ使っているのかって見たんですが、結局議事録見てっても期ずれって使っているのは正直、処分対象になった林務部の幹部だけだったので、ああこれ別に現場が使っているんだとは判断できなかったので今の説明で初めて分かるわけなんで、そういった丁寧な説明をしてほしいなと思っているわけです。

長野県知事 阿部守一
 程度の問題で、行き違っているところがあるのかもしれませんけれども、別にわれわれこの問題については大北森林組合の側に一義的な問題があるにしても、職員の対応が悪かったと、極めて問題があったということは、これまで申し上げてきている通りであります。そのことで県民の皆さま方に、こんなことは言わない方がいいとか、そういう発想はないですから、そういう意味では、ぜひこういう、昨年の段階のメールのやり取りで、しかもわれわれが十分認識をした上でこれまでも説明していることがあたかも最近判明したかのような報道については、私はちょっといかがなものかなと思っています。ですから、われわれは丁寧な説明を心掛けるように致しますので、ぜひそうしたことについては十分ご理解いただければなと思います。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 そのメールに関してはこちらの取材力が無くて、あたかも最近実際に判明したんで、それに、ただ結局事実っていうのは後から分かってきたものと組み合わさって初めて分かるような事実があるんですが、結局この職員が、これ同じ職員だったわけですよ、最初に報告してきた職員と、この職員がおととしの4月、6月ですか、こうやってこうずっと報告して、無視されてというか、全くその声がすくい取られなくて12月になってやっとすくい取られたと、それでようやく内部調査も始まっていったわけですね。結局その調査が終わって検証委員会も終わって最終報告が出てなおこのメールにはまだ不十分だって言っている、これは一つ意味としては大きいと思うんですよ。

長野県知事 阿部守一
 大きいんですよ。どうも誤解されているようなんで、このメールの話もついでにもう少し詳しく申し上げてよろしいでしょうか。7月28日の段階で検証委員会の最終報告が取りまとまったというのはご存じですよね。その後に、まずは林務部からコンプライアンスの推進をしっかり徹底的にやっていこうということで、行動計画の策定に向けた取り組みを進めている中で、まずは現場の職員を含めて林務部の職員から意見を募集しなければいけないということで、林務部が能動的に意見を出させたわけです。出してもらったわけです。その中で、北安地方事務所の事案を発見した担当者からの意見が最終報告書に全てのことが記載されているわけではありません。われわれが報告したにも関わらず記載されていないことがあります。あるいは不正に気づいた職員がきちんと報告をした。しかし長野県という組織は動かなかったという重大な問題はちゃんと議論していただきたいという意見が出されたと。出されたんです。これは林務部を再生しようということで、林務部の側から職員に意見を出してほしいということで行動した結果、出てきたものでありまして、この意見を含めてわれわれが全ての意見を林務部のコンプライアンス推進本部で共有して議論を行ったわけであります。そういう中で、先ほどから出ている平成26年の段階の対応ということは大変大きな問題だと、大きな反省点だということで、そうしたものを踏まえたコンプライアンス推進の行動計画を作っているわけであります。例えば不適切な事案を一部把握した際にも適切な対応が取られなかったこと、あるいは不適性な事案が発生した際の組織的な対応を徹底すること、またもうちょっと具体的には本庁で平成26年4月に現地機関から未完了事業の報告を受けたが、担当課内に情報を留め補助金の交付決定の一部取り消し返還を求めなかった。こうしたことは既にご覧いただいているかと思いますが、コンプライアンス推進の林務部の行動計画の中にいずれも明記されている話です。ですから、われわれはこうしたことを公にした上で改善していこうという取り組みを今進めているわけでありますので、ぜひそういうことについてもご覧をいただいてご理解いただいた上で、こうした改善に向けた動きについても併せて報道いただければありがたいと思います。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 当然これは提言というか、再発防止のための非常に意欲的なメールだと思うんですが、ただ記載されているわけではありません。先ほど仰った通りなんですが、要はもっと出してくれって言ってるわけなんで、それは再発防止策じゃなくてもう少し事実経過を出してくれっていう、そういうメールじゃないんですか。

長野県知事 阿部守一
 これはコンプライアンス推進室から、私も当該職員が今どういう感覚でいるのかと、最初に問題を提起した、そういうところについては十分把握してほしいということでお話ししています。これは個々の職員の話になるのでこれ以上どうだこうだ申し上げませんけれども、少なくとも今、われわれが取り組んでいる方向性については当該職員も理解をしてもらっていると思っています。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 それは理解してもらっているっていうこと、その職員。それはコンプライアンス推進室を通じてそういうふうに聞いている。

長野県知事 阿部守一
 そうです。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 ちょっと方向性が変わるんで、最後1問なんですが、今この前予算でも国への返還金の予算が承認されたんだと思うんですが、ちょっとご存じであればなんですが、市町村、私も現場回っているんですが、市町村に対しても組合の方は返さなきゃならなくて、市町村としては組合に対して債権者にもなっているんですが、市町村の方から県にいったんそのお金を国に返還するんじゃなくて組合に融資したらどうかと、それで組合が一括して、まず返還を市町村に対しても返還をすると、で、県は組合に対して融資したんで当然それを債権を回収すると、その方が、組合に対して融資するのがどうなのかなと僕も思うんですが、市町村の立場からすると組合に対して債権を行使するのは、非常に今難しいし、手続きが面倒くさいと、面倒くさいといった言い方はあれなんですが、市町村の大北地域の市町村の思いとしては、おそらく県の責任でこういう不正受給があったと、それに対してかさ上げしてしまったっていう思いがおそらくあると思うんですね、こういう提案を市町村から出しているっていうふうに聞いたんですが、これはご存じですか。

長野県知事 阿部守一
 いろいろな人がいろいろなご提案があるかもしれませんけれども、正式なご提案としては私は承知していないです。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 担当課もそれでよろしいですか。

森林政策課企画幹 長谷川健一
 市町村を通じた間接補助で不適正な案件が見つかっているのはすでにご承知の通りであります。これの返還請求に向けた議論については今、市町村の方とさまざま事実関係、それからどういった規定なり法令になっているのかということのご説明をさせていただいております。もちろんさまざまなご意見出てきておりますけれども、具体的にそういった話が正式なものとしてなっているわけではないと思っています。いろいろなご意見は出ているのは事実です。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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