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更新日:2016年9月15日

知事会見(平成28年(2016年)9月15日(水曜日)11時01分~11時54分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 部局長会議を開催(平成28年9月県議会定例会に提出する予算案・条例案、平成29年4月現地機関の見直しに係る県実施案、「意外と頑張ってます 長野県」、10月からの統一広報テーマ、シカ革を活用した県職員名札ケースの製作・販売、全国都市緑化信州フェアの開催決定)、東京オリンピック・パラリンピック ホストタウン長野県実行委員会設置について

取材者からの質問

  1. 地域振興局について
  2. 大北森林組合補助金不適正受給について(1)
  3. 大北森林組合補助金不適正受給について(2)

本文

阿部知事からの説明

 1 部局長会議を開催(平成28年9月県議会定例会に提出する予算案・条例案、平成29年4月現地機関の見直しに係る県実施案、「意外と頑張ってます 長野県」、10月からの統一広報テーマ、シカ革を活用した県職員名札ケースの製作・販売、全国都市緑化信州フェアの開催決定)、東京オリンピック・パラリンピック ホストタウン長野県実行委員会設置について

長野県知事 阿部守一
 それでは今から会見を始めます。よろしくお願い致します。(※手話で表現)
 私の方からは今日の部局長会議のテーマの中から6点、それから東京オリンピック・パラリンピックのホストタウン長野県実行委員会の設置について冒頭お話ししてまいりたいと思います。
まず本年度9月補正予算についてでございます。先ほどの部局長会議において、9月県議会に提出致します補正予案算、そして条例案について決定致しました。今回の補正予算のポイントですが、皆さま方のところにお配りさせていただいているかと思いますが、私ども長野県として、一つは「信州創生戦略」、そして長野県の総合5カ年計画として策定している「しあわせ信州創造プラン」、これらを着実に進めようということで、今回、国の補正予算を活用して産業振興あるいは障がい者、子どもの支援、生活基盤の維持向上、防災減災対策の推進に取り組んでいくという観点で予算編成させていただきました。国の補正予算の中身を見ると、今回計上させていただいたもの以外にも子育て若者支援あるいは女性活躍、こうしたことも盛り込まれています。ただ、まだこうした分野については国の明確な方向が示されていないということもあり、今回の補正予算では計上しておりませんけれども、今後、積極的に情報収集を行った上で予算への計上を検討していきたいと考えております。また、今回補正予算の規模は200億9,276万円という、近年の中では比較的大規模な予算ということではありますが、他方で私ども財政の健全性ということにも配慮しながら今回の予算を組ませていただいたところでございます。補正予算案の場合については皆さま方もご承知の通り、補正予算債等による財源措置が通常、当初予算で同種の事業を計上することに比べて手厚い財政措置が講じられております。そういう中で今回の補正予算計上による、例えば実質公債比率等への影響についてもプラス0.04ポイント程度と見込んでおりまして、財政の健全性の財政指標に対して大きなマイナスの影響を及ぼす規模ではないと考えております。具体的な内容をお話申し上げていきたいと思いますけれども、まず「活力ある産業づくり」ということで、大きく四つの柱を立てさせていただいております。まず「産業イノベーションの創出による信州創生」ということで、これについては国の地方創生に関する交付金を積極的に活用して、取り組んでいこうということで、今回は航空機産業による長野県産業の活性化、そして日本酒・ワイン振興室を設置したわけでありますけれども、信州産の日本酒の振興、この2点で産業活性化につながる取り組みを進めてまいります。また、次の「『観光大県づくり』に向けた基盤整備」であります。長野県として観光部だけが進める観光行政からは脱却したいと思っておりまして、そういう中で今回、建設部の予算の中で観光地へのアクセス向上のための道路整備、また従前から「地域戦略推進型公共事業」に取り組んできておりますけれども、そうした中で、白樺湖を生かしたまちづくり、あるいは自転車を活用した安曇野の観光振興、こうした取り組みを進めていきたいと考えております。また「農業の生産性向上対策」ということで、農地の大区画化あるいはかんがい施設の整備によりまして、収益性の高い農産物の生産を促進していきたいと考えております。農業大学校においても、女子寮の新設ということで、男性も女性もしっかりと農業大学校で学んでいただき、就農できる環境づくりに努めてまいります。また「森林県から林業県への転換」ということで、間伐を初めとする森林整備の促進してまいります。また森林作業道、あるいは木材の加工流通施設の整備促進を図ることによりまして、林業の生産性の向上、林業県としての自立への道を着実に進めていきたいと思っています。また併せて、森林林業の中核を担っていただいております、森林組合の経営改善を図っていくために、森林組合連合会が森林組合に対して行う経営診断等の取り組みを県としても支援してまいります。それから「障がい者・困難を抱える子どもへの支援」ということで、障がい者施設、障がい者のグループホームの整備等を進めてまいります。また松本児童相談所の一時保護所を改修して子どもたちが安心して過ごすことができる場所を確保してまいります。さらには中信地区の特別支援学校の再編整備計画に基づきまして、寿台養護学校、そして松本ろう学校の校舎等の改修に向けた設計を実施して着実に再編整備に向けた事業を進めてまいります。それから「生活基盤の維持向上」という観点では、長野県の地域活性化、産業活性化に資する広域ネットワークを形成する幹線道路の整備、あるいは安心して暮らせる都市空間形成のための中心市街地の街路あるいは歩道の整備を進めます。また道路、河川等の改修等を進めて施設の長寿命化対策も推進してまいります。それから「防災減災対策の推進」という観点で、自然災害に備えた河川改修や砂防・治山施設の整備による防災基盤の整備を進めてまいります。特に農業分野では、ため池の耐震対策を進めると同時に、林務部の関係では災害により荒廃した渓流あるいは山腹の早期の復旧を図ってまいります。こうした各般の事業、なかなか当初予算だけでは進まない、進めにくいところも含めて、今回積極的に取り組んでまいります。この他、全国都市緑化信州フェア、平成31年度の開催を国においてお認めいただきましたので、この開催に向けて基本計画の策定等の準備経費を計上致したところでございます。予算案については以上とさせていただきまして、次に条例案でございますが、条例案につきましては一部改正条例案2件でございます。長野県県税条例の一部を改正する条例案につきましては、法人県民税の法人税割で超過課税を行っておりますが、この適用期間を5年間延長するものでございます。また長野県警察の組織に関する条例の一部を改正する条例案は、新しい法律の制定に伴いまして、国外犯罪被害者に対する弔慰金等の支給に関する事務を追加するものでございます。補正予算、条例等の詳細な部分については、また担当部局等にも取材いただければと思います。
 それから部局長会議の2点目でありますが、現地機関の見直しについてでございます。先ほどの部局長会議でも申し上げましたが、今回の現地機関の見直し、私も現地機関の職員の意見を聞く、対話をさせていただいたり、また地方事務所長とも意見交換等する中で、現時点での県としての考え方ということで取りまとめさせていただいています。これについては県議会にもご説明し、また県民の皆さま方からもご意見をいただく中で、最終的な形に取りまとめていきたいと思っております。見直しの内容については大きく申し上げて4点にくくれるかと思います。まず一つは地域振興局の設置についてということでございます。皆さまのお手元にも資料がいっているかと思いますが、現場の最前線で地域課題に向き合っていただくための組織として、地方事務所に代わって地域振興局を設置していきたいと考えております。現在、地方事務所は企画振興部の現地機関という位置付けになっております。また、いろいろな現地機関がありますが、それぞれの現地機関と組織上は並列の形になっているわけであります。しかしながら、私の立場から見たときに、あるいは逆に県民の皆さんのお立場からご覧になったときに縦割りでしっかりやってもらいたいこともある反面、横断的に対応していかなければいけない課題もかなり増えてきています。そういうものに対応していく上では、これまでのようにそれぞれの部局にぶら下がった形の現地機関が、それぞれの視点で、特に縦ライン、県の本庁と現地機関、そして市町村なり県民、こういう縦ラインだけではなく横断的な対応をできるような組織にしていくということも併せて重要だと思っております。もっと言うなら、この縦ラインも実は私は重要だと思っておりまして、そういう意味で保健福祉事務所や建設事務所という組織は、基本的に存置をしています。例えば災害時の危機管理対応等においては、本庁と現地事務所間のダイレクトな関係性ということが迅速な危機管理にとっては重要だと思っておりますし、あるいは保健福祉事務所等についても、伝染病等の危機管理事象が発生した際には、慎重に横断的に検討するよりは、より迅速な対応が求められるということで、そういう意味で、縦のラインもしっかり意識して、後ほど申し上げますが、県税事務所のような組織については、むしろ独立させております。その反面、横断的な課題に対応していくという観点で、地域振興局長の権限をこれまでの地方事務所長よりも強化をしていきたいと思っております。そういう意味で、位置付けについても知事、副知事と直結という形にさせていただきたいと思っておりますし、また財源的にも、新聞記事の話で私のところにも県民から質問を受けたりしたので、先ほどあえて部局長会議で申し上げましたけれども、地域振興局の要求に基づく予算編成であるとか、あるいは総合調整推進費、全部の地方事務所で500万円の予算措置させていただいていますけれども、これについては名称、在り方等も含めて抜本的に強化する方向でこれからの予算編成の過程の中で具現化させていきたいと思っております。そういう観点で、先ほどの部局長会議でもちょっと強調しましたけれども、長野県はどうしても県域が広くて、市町村の数も多くてということで、それぞれの地域の特性を生かした取り組みをしていこうということを考えたときには、本庁が全て考えていく、そして実行するのが現地機関だという形ではいけないだろうと思っています。もとより魂を入れていく上では単に組織をつくったと、地域振興局ができたということだけで全てが解決するわけではなくて、例えば本庁職員意識の在り方、これは現地機関職員の意識の在り方も含めてですけれども、われわれ県の組織の中の考え方を、やっぱり現場第一、地域を尊重すると、現地機関を本庁は支えていくのだという方向に意識を変えていかなければいけないので、これは組織を変えるよりも実はそちらの方が難しいのではないかと思っています。まだこれは検討途上でありますので、県民の皆さま方等からよりいいアイディアが出てくれば、そうしたものも盛り込みながら、今申し上げたような現場第一、県民起点の県政がより強化できるような体制をつくっていきたいと思っています。それからニつ目が、先ほどもちょっと申し上げましたが、県税事務所を設置していこうと考えています。税務業務を行っております地方事務所の税務課については、地域振興の観点でほかの組織と一体でいるというよりも、税の専門性という観点で独立させていく方が適切だと考えています。将来的には四つの県税事務所に課税業務については集約をして、その他の6所については、徴収や税の相談業務に特化していきたいと考えています。業務を集約化するに当たりましては、事務所間を結ぶテレビ電話システムの導入を含めて、県民の皆さま方の利便性が極力低下しないように配慮していきたいと考えております。また県と市町村の連携によります個人住民税を中心とした滞納整理を強化していく上で、市町村税の徴収支援拠点を現在の4所からの10所に拡大をして、この点は強化を図ってまいります。それから大きな3点目でありますけれども、地方事務所の建築課について建設事務所に移管をしていきたいと考えております。建築確認等の業務を行っております地方事務所の建築課につきましては、まちづくりあるいは災害対応といったような観点で建設、建築両部門が一体となって対応することが適切だと考え、建設事務所に移管してまいります。それから4点目でありますが、試験研究機関の機能・連携の強化であります。試験研究機関の情報発信力あるいは相互連携をこれまで以上に強めていくことが重要だと思います。長野県の産業を振興していく上では、試験研究機関にはこれまで以上に活躍をしてもらいたいと思っておりますし、また連携の重要性を申し上げましたが、各分野の研究機関同士が、より横断的に問題意識を共有して取り組んでいくということも求められてきています。そういう中で、まず各機関に組織の連携をしていく担当を設置すると同時に、主要な研究テーマについては相互に調整していくという観点で、試験研究機関の長の協議会を開催してまいります。また各機関の翌年度の研究方針あるいは主要研究テーマの方向性について共有し、明確化していくという観点で、試験研究方針選定会合を開催してまいります。試験研究機関については産業振興を図る上で大変重要な組織であります。単に機関・組織の在り方というよりは、県の産業政策の方向性と併せて、どうした分野を強化していくかということを検討していかなければいけないと考えておりますので、試験研究機関については次期中期総合計画の策定の中でも、その抜本的な在り方についての検討を行っていきたいと考えております。以上が大枠としての今の現地機関の見直しの方向性についての考え方でございます。この実施案につきましては本日から1カ月間、パブリックコメントをさせていただきます。県民の皆さま方のご意見あるいは県議会でもご議論いただくことになると思いますので、そうしたものを踏まえて、でき得れば11月県議会には条例案の形でご提案して、来年度から組織改正を実施していくことができるように取り組んでいきたいと考えています。組織の見直しは、唯一絶対、100点だと、固定してこれが到達点だというものはあり得ないわけでありますけれども、しかしながら現在の長野県の状況により適合した組織にしていく上で、これからもさらなる検討を行ってきたいと思っています。特に先ほど申し上げた現地機関の在り方、それから県と市町村との関係性の在り方のこうしたものについては今後もしっかり検討して、できるものから具体化をしていきたいと思っております。
 それから3点目でありますが、「意外と頑張ってます 長野県」というものを皆さんのところにもお配りさせていただいたかと思いますけれども、長野県は非常にいいもの、優れた成果。県が取り組んだ成果もあれば、もともと長野県が有している強みもあるわけでありますけども。こうしたものはなかなか伝わっていないなと思っています。そういうことで、「意外と頑張ってます 長野県」というメモを昔私が作って、それからあまり手を入れなかったのですけれども、今回、企画振興部の方で、ビジュアルで分かりやすく、「意外と頑張ってます 長野県」の改訂版、リニューアル版を作ってもらいました。ぜひ皆さんにもご覧いただいて、何かのときには長野県のアピールに使っていただきたいと思いますし、また今日も申し上げましたけれども、もっともっと長野県の隠れた魅力とか優れた取り組みとかあると思いますので、そうしたことをこれにどんどん加えていきたいと、そうしたものを県民の皆さまをはじめ県外の皆さま方へも発信をして、長野県の価値向上につなげていきたいと思っています。
 それからちょっと多くて申し訳ないんですけれども、もう1点。統一広報テーマ、これはメディアの皆さま様方にもぜひご協力いただきたいと思いますけれども、10月からの統一広報テーマにつきましては「オール信州で取り組む地消地産」ということに致しました。「地消地産」、今年度の当初予算の中でも一つの大きな柱として打ち出しております。これから食の地消地産あるいは木材の地消地産、エネルギーの地消地産。さまざまな観点の地消地産がありますけれども、こうした政策についてさらに強化をしていくことと併せて、地消地産の取り組みについては消費者の皆さま方あるいは生産者の皆さま方、多くの関係者の皆さま方にご協力いただかなければいけないテーマでもありますので、今後県として徹底的な周知PRを図っていきたいと思っています。これからまた具体的に発信をしていきますので、ぜひメディアの皆さま方にはご協力をいただければありがたいと思っています。
 それからもう1点、あと2点、部局長会議関連があります。シカ革を活用した県職員の名札ケースについてであります。今日はいつもの木曽漆器ではなくシカ革の名札ケースを私も着用させていただいておりますけれども、ご承知の通り、鳥獣被害対策ということもあり、ニホンジカについては毎年4万頭近く捕獲致しております。命を大切にしようということで、ジビエ振興にも努めているわけでありますが、ジビエとして利用される個体は増えてはきていますけれども、まだ2,000頭程度。ジビエとして食する以外の肉以外の活用についてはまだまだ十分進んでいないという状況であります。こうした森の恵みに感謝して生かしていく取り組みの一つとして今回、シカ革を活用した県職員の名札ケースというものを製作していただき、そして県職員の皆さんには大いに使っていただきたいと考えております。これについては地域おこし協力隊の井野さん、今日もお越しいただいておりますけれども、ご協力をお願いして、また革製品の加工製作を行う障がい福祉サービス事業所にもご協力いただき、今回の名札ケースの製作を行いました。ニホンジカの有効活用、そして地域おこし協力隊の皆さんが地域で産業を興していただくモデルになること、また障がい者の就労機会の拡大、さまざまな視点から今回のプロジェクトは意義があるものだと思っております。本日、元地域おこし協力隊員の井野春香さんにもお越しいただいておりますので、進めていただいている「けもかわプロジェクト」の取り組みについて、まずご説明いただきたいと思います。よろしくお願い致します。

けもかわプロジェクト代表 井野春香 氏
 これまで私たちの事業としては、今ご紹介いただいたように、南信州で捕れるシカの革を主に活用したシカ革を生かした製品を作るということで事業を進めてきていまして、今持っているこういった手袋とか、あるいはこんな製品とか、あと県庁1階の方にも今展示をさせていただいていますが、いろいろな製品を作って、いろいろな方々に使ってもらえるようにと広めているところでございます。今回、県の職員の方々に付けていただく名札ケースを、私「けもかわプロジェクト」とNPO法人やればできるの方で障がい者の就労支援の一環として縫製を担当していただいて、上田市の社会福祉法人まるこ福祉会とんぼハウスの方に、レーザー加工でカットの方をしていただき、私の方でデザインなり最終的に製品に仕上げるという形にさせていただいております。私たち、こうしてシカ革製品を使っていくので、県の職員の方々に活用していただくのを足掛かりに、またさらにまだまだ活用できていないシカ革がたくさんあるので、それらがほとんど活用されていくようになったらいいなと思いまして、皆さんにご協力いただければまたありがたいです。どうぞこれからもよろしくお願いします。

長野県知事 阿部守一
 どうも大変ありがとうございました。シカの革は結構手触りもいいですし、いろいろなことに活用していくことができるのではないかと思います。県庁もこういう形で利用していきますけれども、ぜひ報道していただいて、ご覧になった皆さんの中で、もっとシカをこういうことに使いたいなという人がどんどん出て来ていただければありがたいと思いますし、そういう方にはぜひ、井野さん、小松さんに連絡をとってもらえればと思いますので、よろしくお願い致します。
それから、部局長会議の最後でありますけれども、全国都市緑化信州フェアの開催の決定についてでございます。かねてから開催について招致活動していたわけでありますけれども、去る9月12日に国土交通大臣からの同意が得られて開催が決定となりました。この都市緑化フェア、昭和58年から全国各地で毎年開催されている花と緑の祭典でありまして、本県では初めての開催ということになります。県と松本市、大町市、塩尻市、安曇野市の中信4市、そして公益財団法人都市緑化機構が主催者として、共に協力して開催してまいります。このフェアは平成31年の春におおむね2カ月程度の期間を設定して開催していきたいと考えております。県の松本平広域公園をメイン会場として、国営アルプスあづみの公園、そして烏川公園緑地をサブ会場とし、また県内のさまざまな拠点を結んで、この緑化フェアを行っていきたいと考えています。今回の9月補正の中でも基本計画の策定経費を盛り込ませていただいております。基本計画策定の中で、フェアの具体的な内容を詰めて、また関係機関のご協力も得ながら、平成29年度、来年度の早い段階で実行委員会を設立し、平成31年度の開催に向けた準備を進めていきたいと考えております。これを機会に都市の緑化推進、そして長野県、それぞれの地域の観光振興、地域の活性化、こうしたことにつながるように取り組んでまいります。
それから最後でございますが、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会のホストタウン長野県実行委員会の開催についてでございます。このホストタウンについては先の6月県議会定例会において、中国を相手国とするホストタウンの実施について、ご提案をいただいていたところでございます。また7月12日には、長野県の日中友好協会の高波謙二会長から、中国を相手国とするこのホストタウンについて、ご要望をいただいていたところでございます。こうしたことを踏まえ、私どもとしてはこれまでの長野県の日中友好交流の歴史、実績、こうしたことに鑑みて、中国をホストタウンとしてお迎えすることを、国に今後ホストタウンとしての申請をしていかなければいけないわけでありますけれども、取り組みを進めていくということを決定致しました。市町村のご協力も不可欠でありますので、市町村の意向調査も行ってきておりますが、現時点では上田市、下諏訪町、山ノ内町から県と共同でホストタウン事業を実施していきたいというご回答いただいているところでございます。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会ホストタウン長野県実行委員会をこうした市、町あるいは日中友好協会をはじめとする関係の団体の皆さま方と一緒になって立ち上げ、本日の午後、第1回の実行委員会を開催致します。ホストタウンの申請は10月末が第三次の登録申請の期限となっておりますので、それに向けた準備をしっかり進めてホストタウンに指定されるように頑張っていきたいとい思っています。ちょっと長くなりましたけれども、私の方からは以上でございます。よろしくお願い致します。

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取材者からの質問

 1 地域振興局について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 大きく2点お願いします。最初に地域振興局なんですが、今までの地方事務所長さんと地域振興局長さん、新しく変わった場合の一番の違いというのを教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、今までの地方事務所は、現地機関のone of themの位置付けであります。組織図上も企画振興部にぶら下がっているというということでありまして、そういう中で、地域の横断的な課題を総合調整していくという位置付けは明確には与えられていません。しかしながら、先ほど申し上げた、例えば災害からの復興みたいな話だったり観光振興であったり、本庁レベルではすでに部局横断で対応しているわけでありますけれども、現場に行くと縦のラインの報告、指示、命令でいるということで、すべての分野を横断的にくくるということは、先ほど申し上げたように効率的ではないわけでありますけれども、しかし政策によっては、やはり横断的に地域の中で束ねて対応してもらうということが重要なものが増えてきています。そういうことを行うことができるように、地域振興局長には統括権限あるいは総合調整権限、こうしたものを付与すると同時に、先ほど申し上げたような、財政的な権限、今の調整費みたいな規模ではなくて、もう少ししっかりとした事業を取り組めるような予算も、地域振興局には付与していきたいと思っておりますし、また各部局を通じての予算要求ということは、これまでも行うことができたわけでありますけれども、しかしながら、どこが地方事務所の思いなのかさっぱり分からない、全体の中に埋もれてしまっている状況になっていますので、そうしたものが可視化できる、取り出して、そこは別の形で地域振興局長の意思あるいは地方の現地機関の総合的な意思として予算の中にも現れるような形での要求ができるようにしていきたいと思っています。また組織の権限等も付与していきますので、そういう意味では、今、地方事務所長とお話しすると、わずかばかりの調整費で自分たちが市町村から、あるいは地域の方から要請されても、ただ本庁につなぐだけで動きにくいというのが現状だと思いますけれども、財源とか、あるいは組織の権限等を付与することによって、地域で完結できることは極力完結してやってもらえる体制をつくっていきたいと思っています。そういう意味で、地方事務所というものと、新しく構築していこうという地域振興局というものは、本質的に違う次元のものにしていきたいと思っていますし、ただ先ほど申し上げたように、これは職員の意識改革も伴わなければいけないことだと思いますので、両面併せて、組織、枠組みの改革と、それから本庁と現地機関の職員の意識の在り方の改革を含めて、両面で今申し上げたような成果が表れるようにしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 今、可視化というお話しをされたんですが、現状でも地方事務所長さんの提案というのは2月のときに出てくると思うんですが、それとの違いというか、今年、実際プレゼンテーションしてやるのもやめていますし、予算編成がどのように変わっていくかというのを少し具体的に教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 今までは提案。提案ということはやっぱり予算化するのが各部局になっていますので、どうしても埋もれがち、要は予算でいえば、全体の予算の中でここは地方事務所の意見は入っているけれども、そこは必ずしも明確ではない状況でありますけども、今後、地域振興局になった段階では、ここの部分は地域振興局の要求部分だということを明確に出していけるようにしていきたいと思っていますし、何よりも知事、副知事直属でありますから、十分、地域振興局長とはコミュニケーションとった上で、われわれ知事、副知事も先ほど申し上げたように、地域振興局長をバックアップする立場でもありますので、そういう観点でしっかりサポートして、地域に本当に必要な予算が具現化できるようにしていきたいと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 可視化ついていうと、少し前までは予算の時に財政課長ないし総務部長、知事査定で、それぞれの過程でどこで削られた、増減されたというのが見えたんですが、例えば今後、地域振興局長さんの予算についてはそういった形で予算編成の過程を見せていくことってあり得るんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 細かい話はまだ私も明確にお答えできませんけれども、最終的なアウトプットとしては確実に出すことになりますので、予算要求段階、編成段階でどう扱うかということは、まず組織の在り方自体をパブリックコメントで確定し、具体的な予算編成のプロセスをどうするかという中で考えていきたいと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 あと2点。これをやるとするとかなり本庁の方の企画振興部に相当な体制を組まなければいけないと思うんですが、本庁の受け皿というか、その取る側の体制というのはどのように考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 来年に向けて、今回、行政機構審議会で現地機関の在り方の検討してもらいました。われわれとすれば今申し上げたように、組織的な部分と意識の分も含めて、本庁側も変わっていかなければ実効性がある取り組みにはなりづらいと思っていますので、そういう意味で来年の組織改正、人の配置の在り方も含めて、現地機関の見直しに対応して本庁側がどうするかということはしっかりと検討していきたいと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 これ自体知事公約で今まで検討進めてこられたと思うんですが、建設事務所については13所、3所については維持ですし、先ほど縦のラインの重要性を強調していらっしゃったんですが、一方、人口減少社会の中で、現地機関の維持、組織のスリム化という一方の視点もあったと思うんですが、ほぼ同じような機構が位置されていると、その部分についてはどのような考えに基づいてこういった結論になったんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 建設事務所の在り方については、これもかねてから問題提起がされているわけでありますけれども、今回の現地機関の見直しの観点が、現地で解決できるものは現地で解決していこうということで、もちろん効率化の要請というものは片方でありながらも、しかしながら、現地機関の権限を強化していくということが最大の狙いであります。そういう観点で、今回は先ほど申し上げたような整理の仕方をしているわけでありますけれども、これからまた別途、行政・財政改革という観点では、行政・財政改革の基本方針も、今後見直ししていかなければいけないわけでありますので、財政の健全化あるいは組織、人事を含めた行政の在り方、こうしたものはまだ継続して検討していきたいと思っています。

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 2 大北森林組合補助金不適正受給について(1)

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 別の質問で、大北森林組合の県職員の方の証人尋問の関係なんですが、昨日の証言の内容については担当部署等から報告を受けていらっしゃいますでしょうか。もし受けてらっしゃるようでしたら、従来県が把握している内容以上の内容かあったのかなかったのか、その部分のちょっと認識をお話していただけますか。

長野県知事 阿部守一
 担当部局からは、こんなやりとりがあったという概要で詳細な逐語的なものではないんですけれども、報告は受けています。我々とすれば、なんというか、まだ公判中でありますので、その途中途中の局面で私がいちいち、こうだああだとコメントをすることは控えたいと思っていますけれども、最終的に裁判でどういう事実認定がなされるのか、その中で県の在り方、関わり方、こうしたものがわれわれがこれまで認識してやっていたものと同じものかどうなのか、そうしたことはしっかり検証していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 そうしますと、現時点では全くの容認をした県職員の方はいないというその認識は変わりがないということですか。

長野県知事 阿部守一
 何度も申し上げますけれども、全く容認しているとかしないとかというところの問題点だけ信濃毎日新聞はいつも言っていますけれども、刑事裁判の時点、刑事裁判で争われる論点と、それから県職員の懲戒処分なりで事実認定したら確定しなければいけないというのは、必ずしも一緒ではないわけでありまして、そういう意味で、全体像の中の一部のところだけ取り出して言うのではなくて、もう少しこういう点がもしこうであれば、例えば懲戒処分に影響するのではないかと、だからそこを検証しろということで、ぜひ具体的にご指摘をいただければそうしたものを踏まえ、われわれしっかりと考えていきたいと思いますが、何度も繰り返しますけれども、われわれとすれば、職員に対して相当丁寧な、しつこい聞き取りをさせていただいた上で事実認定させていただいています。そういう意味で、私どもの今の時点の判断が変更を要するものだとは考えていませんけれども、しかしながら、裁判の中でわれわれが知り得ていないような事実が出てくれば、それは当然それを踏まえた対応を考えていくということであります。弁護側と被告人側とでやりとりしているわけでありますから、その過程で出てきたいろいろな発言について、一つ一つ対応していると切りがないわけであります。そういう意味で全体をしっかり見た上で、県としては判断しなければいけないだろうと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 あえてお聞きしますが、例えば昨日の証言の中ですと、林務部の方から期ずれについて示唆があるというふうな発言があったと、その部分については今までの検証委員会の報告等を見る限りはない気がするんですが、それについてはどのようにお考えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 個別の話でいくと、私と限りないやりとりをしなきゃいけないと思いますので、もしその点を取材したければ、林務部とコンプライアンス推進室、同席の上で私も対応しても構わないと思います。ただ申し上げておきたいのは、一つ一つの証言だけ捉えて、そういう話をし出すともう切りがないわけでありますので、先ほど申し上げたように、最終的に職員がどういう証言を全体として、それがわれわれのこれまで把握した事実に照らし合わせてどうなのかということは、ちゃんとはっきりさせていきたいと思っています。これは信濃毎日新聞の報道を見ると何となく県は曖昧にしたいと思っているのではないかというように世論に訴えているような感じがしないでもないわけですけれども、われわれは決してそんなつもりはありません。きちんと説明責任を果たして、われわれが取り組むべきことはしっかり取り組んで、反省すべきところはしっかり反省していく、これが基本的なスタンスでありますので、ぜひそうしたスタンスについてはご理解いただいた上で報道いただければと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 そこは詳細を把握した上で、例えばですが、今日夕方までに8人の方の証言が終わると思うんですが、その後、状況把握した上で取材に応じていただくことっていうのは可能なんでしょうか。報告受けた後に。

長野県知事 阿部守一
 ですから、まだ裁判の過程でありますので、今申し上げたように、個別の話で、信濃毎日新聞がどういう判断をされているのかということはわれわれも理解をした上で答えないといけないと思います。そういう意味では、今ご質問いただいたのは何のためにそういう質問されているのかというのははっきりさせていただいた上で、そうした上で、われわれが現時点でお話しできることについてはしっかりお話していきたいと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 あえて申し上げておきますと、先ほどの林務部についてですと、昨年7月に公表された報告書では、具体的な表現を申し上げるとすれば、北安曇地方事務所ではアクションプランの数値目標が荷重だと感じられていたというぐらいの記載しかありません。

長野県知事 阿部守一
 私は具体的なやりとりは別途と申し上げたのですが、あえて申し上げれば、同じ組織の中で働いている人間で上司の指示の受け取り方を部下がどう取るかというのは、上司側と部下と両方聞き取りしないと事実関係の認定はできないと思います。信濃毎日新聞の記者とデスクの間でも私は同じではないかと思っていますが、そういうことで片方だけの発言とかを捉えて、それがすべて事実と直ちには認定できないと思います。そういう意味で、先ほどから申し上げているように、われわれとしては事実関係を把握することを怠るつもりは全くありません。しかしながら、裁判で証言されたものだけを捉えて、それだけで判断するということもまた不十分だろうと思いますので、そういう意味で、責任ある組織としてしっかり対応はしていきます。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 最後に1点だけ、今日、最後に証言される方は実際顛末(てんまつ)書を書かれた方だと思うんですが、そこの場でどんな発言が出るかというのも私どもも注目しております。その内容についてコメントいただくことはできないでしょうか。あくまでそれは個別の案件だからということですか。

長野県知事 阿部守一
 公判の話なので私が踏み込みすぎては周りが迷惑するかもしれませんけれども、先ほど申し上げたように、例えば私と村澤さんのやりとりがあって、私がこういう記事を書くなと、書いてくれと言ったときに、私はそんなものを強要してないと、けれども村澤さんは強要されたと。人の受け止め方は立場によって違うわけでありますから、そういう意味で、例えば2社3社関係する事案であれば、やっぱりAという人の証言があって、例えば上司と部下あるいは周りの人間との証言と突き合わせてやっぱり事実関係を判断していく。恐らく裁判所でもそういう感覚で判断されていくのではないだろうかと思いますが、少なくともわれわれ県としては職員の処分を行う上では一人がこう言っていると、例えばこの上司がパワハラしているということは、やはりもちろん上司側とか周りの人にも当然聞きますよね。そうした上で判断していくので、どうも信濃毎日新聞はわれわれに聞いて、われわれがそうした丁寧なプロセスを踏んでいかなければいけないことを、何か隠そうとしているのではないかとか、何か事実関係不明確のまま放っておくのではないかというような書き方をしている気がするんですけれども、そうしたことはぜひ止めてもらいたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 こちらとしては事実を一つ一つ積み重ねていますので。それはご見解としてお伺いします。

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 3 大北森林組合補助金不適正受給について(2)

朝日新聞 北沢祐生 氏
 同じく大北森林組合の関連です。知事は裁判所の証言されたものだけを捉えてうんぬんという話をされていますが、一応やっぱり裁判所では、証人は宣誓しちゃってますからね。やっぱりそこはちょっともうちょっと重視してもいいのかなっていう感じがするのと、それとその中で結局今回問題になっているのは、その先ほど話にもありますが、本庁の職員、林務部の職員の話で、今回も予算消化のために不正行為を促すと取られるような趣旨の発言をしているわけですよね。そういうことも出ている中で、実際にそういった林務部本庁職員の再聴取を考えているのかどうか、その辺だけお伺いしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 これは先ほど申し上げている通り、裁判所の認定とか発言を軽視しているということでは全くありません。そういう意味では、私は重視しているからこそ今、申し上げているわけでありまして、何度も申し上げているように、仮にわれわれが把握している事実と違うということが明らかになれば、それをしっかり対応していかなければいけないと思っています。そういう中で、関係者に対する再度の聴取いうことは、私は全く排除するものではないと思っています。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

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