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更新日:2017年5月24日
長野県知事 阿部守一
それでは今から会見を始めます。よろしくお願いいたします。(手話で表現)
私からは今日の部局長会議の報告と「国際ウッドフェア2017」の開催の2点について、まず冒頭発言させていただきます。
本日の部局長会議を傍聴されていた方もいらっしゃると思いますけれども、報告事項として5点ありました。職場における新たな相談提案制度、いわゆるシグナルフラッグの創設。それから、笑顔プロジェクトの実施ということで、県民の皆さま方の笑顔が生じた事例を県庁内でしっかり共有していきましょうという取り組み。それから先ほど発表させていただきました信州デスティネーションキャンペーン(信州DC)。さらには冬の信州省エネ大作戦の取り組み結果。そして、NPO法人ライフリンク代表の清水さんにお越しいただいて、これから県として取り組む自殺対策の方向性についての報告がありました。
特に私は、部局長会議で申し上げましたが、笑顔プロジェクトをさらに発展させていきたいと思っています。共感と対話の県政ということ、そして県民の皆さま方との共感を重視して、県職員には共感力、政策力、発信力を身につけて欲しいということを常々申し上げてきていますけれども、やはり県民の皆さま方の感覚や思いをしっかり受け止めなければ、なかなか共感には結びつかないと思っています。そういう意味ではシグナルフラッグのところでも申し上げましたが、意見あるいは場合によっては苦情と称されるような県民の皆さま方のご意見の中でも真摯(しんし)に受け止めるべきものがたくさんあると思っていますし、そういうところから我々の取り組むべきことを考えていくことが重要だと思っています。ただ、その反面、どうしても行政は批判されたり、ネガティブな評価をされる場面が多く、このこと自体はやむを得ない部分があると思っていますが、良いこともたくさんやっていますし、私も県民の皆さま方とお話をさせていただく中で、こんなことやってくれて本当に良かったとおっしゃっていただくことも多いです。県職員が共有して誇りと自信を持って県政を進めていくという観点からも笑顔プロジェクトについて、さらに今後発展させていけるように取り組んでいきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから部局長会議でも報告があった「国際ウッドフェア2017」についてご説明申し上げたいと思います。お手元に記者発表資料をお配りさせていただいていると思いますので、ご覧いただければと思います。5月24日から3日間、ビッグハットで「国際ウッドフェア2017」を開催することとなりました。今回のウッドフェアは林業にかかわる最新の機器、技術、情報、こうしたものが世界中から集まる展示会です。長野県の林業をグローバル競争に勝ち抜いていくことができる攻めの林業へと転換していく大きな足がかりになり得るフェアだと考えています。
また、あわせて森林県から林業県への飛躍を目指している、長野県の取り組みを世界へと発信する場にもしていきたいと考えています。国際ウッドフェアという催しは、オーストリアでは2年に1回開催されていると伺っています。そうした極めて重要なウッドフェアが、オーストリアの国外で開催されるのは初めてということです。この企画自体、長野県がオーストリアと結ばせていただいております、林業技術等に関する覚書に基づく連携交流事業の一環ということで、オーストリアの皆さま方の長野県の林業政策へのご協力にこの場をお借りして、改めて感謝申し上げたいと思います。
また、主催はフジサンケイビジネスアイということで、民間主導で開催していただけるということで、県、そしてオーストリアは運営支援、広報、セミナーといった行事の開催面で協力させていただく形になっています。内容については、お手元にチラシをお配りさせていただいている通り、大変多岐に渡っています。林業の躍進に必要なICTを活用した森林管理、あるいは安全で効率的な木材の生産、さらには生産した木材を余すところなく利用していく技術あるいは機械設備、こうしたものを一堂に集める場です。どうか皆さま方にも国際ウッドフェアに足を運んでいただいて、世界レベルの林業というものについて、じかに触れていただくことができればありがたいと思っています。
また、25日は信州カラマツを長野県として、さらに需要拡大を目指して取り組んでいきたいと思っていますが、国と連携して、信州カラマツを普及させていく上でのブランドの名称を検討してきました。この発表も予定させていただいています。こちらには私も出席させていただく予定です。3日間を通じて、オーストリアの関係者の皆さま方をはじめ、駐日フィンランド大使など海外からも大勢の皆さま、そして国内からも森林林業あるいはバイオマスエネルギー関係の主要な方々がお越しになります。こうした皆さま方との交流、連携を強化する機会にもぜひしていきたいと思っています。どうか林業関係者をはじめ多くの皆さま方に足を運んでいただけるようお願いを申し上げたいと思います。
私の方からは冒頭以上です。よろしくお願いいたします。
日本経済新聞 佐伯遼 氏
今日発表された、春季賃上げ要求・妥結状況の調査結果に関してなのですが、昨年と比べて県内の組合の平均妥結額は少し下がっていると思うのですが、この辺りの受け止めとして、どのように感じられていますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まだ私が状況を見ていないので、今の段階ではコメントできない状況ですので、ご理解いただければと思います。
日本経済新聞 佐伯遼 氏
来週の金曜日にJR東海の柘植(つげ)社長とリニアに関する懇談をされると思うのですが、4月の会見のときに阿部知事も掘削の開始に関する連絡が遅くなったということをご指摘されていたと思うのですが、今回その点に関して柘植(つげ)社長に何か要求をされるのかということと、このタイミングで柘植(つげ)社長と会談する意図について改めて教えていただければと思います。
長野県知事 阿部守一
柘植(つげ)社長との間では定期的に会談をしましょうということで合意しておりますので、双方の意思に基づいて来週の金曜日にお話をさせていただくものです。工事開始の連絡については、この場で申し上げたように、いささか遅過ぎたのではないかと私は感じておりますので、率直に私の思いは伝えていく考えです。先般、南信州地域の市町村長の皆さま方の問題意識、あるいは逆に、例えばJR東海での残土処理場の管理の方向性を示してもらえたのでそういう点についてはありがたいというようなお話もありましたので、JR東海との関係での私どもの思い、これは評価するべき点、感謝するべき点と、それからまだ課題として残っているべき点とありますので、そうしたものを整理した上でお伝えしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
来年度からの総合5か年計画に向けて、拡大版の地域戦略会議ということで3カ所回られたと思うのですが、その場でも、次期の計画では地域編も重視したいとお話しされていましたけど、3カ所回ってみていろいろな市町村長のお声を聞いてみて、お感じになっていることがあれば伺いたいのですが。
長野県知事 阿部守一
地域振興局を設置した趣旨もそうでありますけれども、長野はやはりそれぞれの地域にそれぞれの強み、あるいは課題がありますので、改めて各市町村長の皆さま方と意見交換をさせていただく中で、地域編の位置付けは重要だという認識を新たにしているところです。例えば木曽地域の皆さんとお話をさせていただいたときには、木曽地域は林業関係の人材育成の施設が集中しているということでしたが、林業大学校は林務部、技術専門校は産業労働部、高校は教育委員会ということで、同じ森林林業に関わる人材育成も長野県の部局では縦割りになっていますので、そうしたことに横ぐしを刺していくことが総合計画の役割だと思いますし、とりわけ林業人材の育成というものは、長野県全体で考えるべき課題という部分ももちろんありますけれども、やはり木曽地域内においての一つの大きな特色です。そういう意味で、地域編においてそうしたものをしっかり位置づけていく方向で考えていく必要があるなということは私も改めて認識しております。これは木曽以外の地域においても、それぞれ課題・特色がありますので、同じような認識であります。そういう意味で、やはり地域編についてはしっかりと重要な要素として、総合計画の中で盛り込んでいきたいと思っています。
読売新聞 丸山修 氏
先ほど知事は今回の信州DCの概要について発表されましたが、2010年に長野県で行われたときの入り込み客数の実績の増加は7%程度であったと思います。今回はそれを上回る非常に意欲的な目標を掲げられたと思いますが、数年前と比べて時代は大きく変わっていると思いまして、消費者や旅行者の意思決定のあり方が大型広告キャンペーンに乗せられる時代ではなくて、インターネットやSNSなど、そういった多様な手段で行動について意思決定する時代になってきていると思いますが、今日の知事のプレゼンを拝見した限りにおいては、何十年も続いてきた伝統的なDCキャンペーンのあり方、大量広告ですとか、行政とか、JRとか、大きな組織の主導によるキャンペーンで進めていくと、このようなキャンペーンのあり方で、知事が日頃おっしゃっているように、一過性の盛り上げに終わらないかという点に関しては若干の懸念が残ると思うのですか、その辺りについて、知事はどのように対応する方針ですか。
長野県知事 阿部守一
ご指摘のような問題提起は、私も全くその通りだと思います。例えば、私も先日アメリカに行って、その時は、自分でトリップアドバイザー、それからボストンのレンタルサイクルのアプリ、それからグーグルマップ、そういうもので回ったというのが正直なところでして、基本的にほとんどの情報は紙媒体ではなくて、インターネット経由で入手しています。海外からの旅行はもとより、国内の旅行も今はそのような方向になってきていることは、しっかり受け止めなければいけないと思いますので、先ほどのプレゼンの中でも、例えば信州ナビの話もさせてもらいましたけれども、まだまだ序の口だと率直に思っています。今回の信州DCは長野県を観光大県(たいけん)にしていく上でのきっかけであり、最終目標ではないだろうと私は思っています。
むしろ、先ほどのおもてなしも含めて、信州DCでもう1回長野県の観光関係者の皆さま方の心を一つに合わせて、そしてこれから作る総合計画の中でも、おそらく観光地域づくりは大きなテーマになってくるので、新しい時代における観光地域づくりをどうしていくかということについては、ぜひしっかりとした方針を出していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 井出拓朗 氏
信州DCの関係、特にJR東海のことで伺いたいのですけれども、今日、信州DCに合わせていろいろな特急を走らせるという話が出てきました。知事は1月に柘植(つげ)社長と会談されたときに、飯田線へのJR東海全社挙げての協力を取り付けてこられたと思いますが、今回、発表されたJR東海の特急列車は、知事の満足のいく評価ができるものと捉えていらっしゃるのか、それとも、もっとこういったこともしてもらいたいというものがあれば伺いたいのですが。
長野県知事 阿部守一
JRとの関係で申し上げれば、例えば中央線については、中央東線の高速化や大糸線にももっといっぱい乗り入れてもらいたいこと、あるいは、中央西線についても、ダイヤの問題なども含めて地域の声もあり、私どもも、かねてからJRに伝えてきていることはさまざまなものがあります。ただ信州DCは日ごろの交通体系を大きく変えていただくための催しではなく、あくまでも観光の観点に立った企画であり、観光振興の上でJR各社が相互乗り入れ連携を図っていただけるのは大変ありがたいことだと思います。地域の日常の声を、信州DCですべて満足させているわけでは必ずしもないことを前提としながらも、日ごろのJR各社間の乗り入れとか連携というものは、なかなか難しく進みにくい部分もあるわけです。ただ今回、信州DCでそうした相互乗り入れも実現することは、大変ありがたいことですし、先ほど川合支社長にいみじくもおっしゃっていただきましたけれども、今回の取り組みで非常に効果があったり、評価が高ければ、継続することも考えていくとJRの皆さんにおっしゃっていただいているので、そうなるように我々も利用を呼びかけていただきたいと思いますし、ぜひ地域の皆さま方も旅行客を温かくお迎えする、あるいは、積極的にご利用いただくということで、こうした取り組みをサポートいただければありがたいと思っています。
信濃毎日新聞 井手拓朗 氏
先日、知事が飯田に行かれたときのリニアをめぐっての地元経済界との意見交換会なのですが、その中で知事が、今後の観光やインバウンドを考えるときに、世界と競わないといけないと、観光人材の必要性を強調していらっしゃったように思うのですが、今後、新たに観光面の人材を県として登用していく考えはあるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
観光地域づくりの分野では、長野県の観光部と観光機構とで、両者の役割のあり方も含めて、いろいろと整理検討しているところです。そういう中で基本的にDMOとしての観光機構については、さらに体制強化していくということが重要だと思っていますので、野原理事長ともよく相談させていただきながら、しっかりと長野県の観光を支えていただけるような人材の確保、人材の育成に取り組んでいきたいと思っています。
長野朝日放送 小林裕司 氏
今後県が取り組んでいく自殺対策について、今日の部局長会議の資料では平成22年から平成26年の未成年の自殺者について、長野県が一番多かったという記載がありましたけども、この数字の受け止めと、この自殺対策にどう取り組んでいきたいのかということを改めてお聞かせいただけますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
はい。先ほどライフリンクの清水さんからも、発表資料の中で触れていただいたように、未成年者の自殺率が本県で高いということは、私は深刻に受け止めなければいけないと思います。子どもが自ら死を選ぶということは、大人も同じでありますけれども、しかしながら子どもはなかなか主体的に自分の居場所を選べる状況ではない中で、やはりどうして防げないのだろうか、という思いを持っています。子どもの居場所づくりであったり、子育て支援対策をこれまで長野県として取り組んできていますけれども、こうした視点に加えてやはり命を守る、生きることの包括的な支援と先ほど清水さんがおっしゃっていましたけれども、ぜひ、まずは子どもたちがそうした状況に置かれることがない社会をどう作るかということについては、これはライフリンクの清水さんであったり、日本財団の皆さんのお知恵、お力を借りながら方向付けをしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 牧野容光 氏
今の質問に関連しまして、長野県で若年層の自殺は高いというのは知事としては、どういった要因があると感じていらっしゃるとか、考えている部分があればお願いできますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは教育委員会とも連携してしっかり分析しないといけないだろうと思います。例えば就学している年代の子どもさんの場合は、我々が必ずしも教育委員会と十分に情報共有が出来ていない部分もありますけれども、子どもたちが置かれていた状況というのはしっかりと把握することが可能だろうと思いますので、そうした現状、状況を把握しながら、適切な対応を考えていきたいと思います。
信濃毎日新聞 牧野容光 氏
笑顔プロジェクトでちょっと感じたことなのですが、今日庁内で県民が喜ぶ声を共有するという話の中で、部局長会議で公表したコメントは、全部匿名化されているコメント、中学生の女の子がどうだ、という話なのですが、庁内でも共有するコメントも匿名のままなのかということと、どうせやるならば、実名の方がいいのではないかという感じがしました。つまり、私自身が新聞記事を書くときに、例えば県政について評価する声、あるいは批判する声、特に批判する声については、できるだけ実名でお願いしています。それはしっかり受け止めてもらいたいという趣旨もあるのですけれども、県庁内で、まさに県民に接してない職員が、県民の顔を意識しながら仕事するというのは、どこの誰がどういった喜びの声を上げている、ということの趣旨の中では、難しいのかもしれませんけれど、実名の方がいいのではないかと思うのですが。
長野県知事 阿部守一
全く、私も同感です。コンプライアンス・行政経営課にはそういう形になるようにお願いをさせてもらっています。もちろんこれは行政が情報を出すので、相手方の同意をちゃんととらなければいけないですけれども、ぜひそういう方向にしていきたいと思っています。
時事通信 金澤俊子 氏
信州DCのことでお伺いしたいのですけれども、観光振興を進める県として、信州DCは観光大県(たいけん)を目指す上でも重要だと、先ほどおっしゃっていたと思います。そして、一過性の取り組みにならないようにとのことなのですけれども、県が目指す将来的な観光県、長野県としての姿はどのようなものを今の時点でイメージされていますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは先ほど申し上げたように、総合計画の中でも大きなポイントだと思います。私は世界水準の山岳高原観光地づくりということを掲げていますので、例えば、スイスのツェルマットとか、コロラドのベイルとかの山岳観光地、世界有数の観光地というのはいくつかヨーロッパ、北米に存在しています。これから中国や韓国で冬季オリンピックが開かれますので、アジアでもウィンターリゾートがおそらく増えてくるのではないかと思いますが、今の段階ではアジア地域のスノーリゾートや山岳高原リゾートというものは、ヨーロッパなどに比べるとまだ少ない状況だと思いますので、世界レベルの観光地と競っていけるような、観光行政、観光政策にしていかなければいけないだろうと思っています。先ほど人材の話もありましたけれども、南信州で私が発言したのは、人材は地域人材の活用も大事だけれども、特に観光は世界レベルで、人の取り合いになっている。こういう状況の中でどうしていくかを考える必要があるのではないかと申し上げていますので、ぜひ世界に視点を向けた観光地づくりをしていきたいと思っています。
毎日新聞 ガンクリスティーナ 氏
信州DCに関連した質問なのですけれども、今回のパンフレットやポスターが日本語だけなのかなと思うのですが、外国人向けに英語や他の言語でも作成される予定はありますでしょうか、あとホームページも見ていますが、英語版はないですよね。
観光誘客課長 塩原一正
おっしゃるとおり、パンフレットにつきましては、日本語版のみの製作となっております。内容につきましては、外国語に訳しまして、外国語のサイト「Go! Nagano」などに載せさせていただく予定で考えています。
毎日新聞 ガンクリスティーナ 氏
信州DCの英語版ではなくて、もともとあるサイトにポスターなどを載せるということでよろしいでしょうか。
観光誘客課長 塩原一正
はい、そういう考え方です。
長野県知事 阿部 守一
私は先のご質問にあったように、インターネットの活用のあり方や外国人へのアプローチのあり方というのは、紙媒体で外国人にどこまで訴求できるのかということがあるだろうと思いますので、そこはよく考えなければいけないと思います。訪れていただいている皆さま方への外国語での情報提供ということについては、よく考える必要があると思います。先ほど申し上げたように、口頭の部分については多言語コールセンターを設置していきます。そういう意味で、案内状とか旅館ホテルでの外国語対応は、飛躍的に改善されると思っていますけれども、ただ外国の皆さま方が直接情報に触れる機会というのをどう増やすのかということについてはしっかり考えていきたいと思います。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
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