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更新日:2017年8月9日

知事会見(平成29年(2017年)8月4日(金曜日)11時00分~11時42分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 文部科学省事業における「信州大学・長野県の共同研究開発プロジェクト」の採択について

取材者からの質問

  1. 文部科学省事業における「信州大学・長野県の共同研究開発プロジェクト」の採択について(その1)
  2. 文部科学省事業における「信州大学・長野県の共同研究開発プロジェクト」の採択について(その2)
  3. 消防防災ヘリコプターについて
  4. 「朝会議事録」非公開決定に係る情報公開審査会答申について
  5. 知事の公約の達成状況の自己評価の公表について
  6. 信州デスティネーションキャンペーン(信州DC)の1カ月の振り返り、山の日に向けた期待と抱負について
  7. 森林税について
  8. 御嶽山の噴火レベルの引き下げについて
  9. 信州DCについて

 

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本文

 阿部知事からの説明

1 文部科学省事業における「信州大学・長野県の共同研究開発プロジェクト」の採択について

長野県知事 阿部守一
 皆さんこんにちは。今から会見を始めます。よろしくお願いします。(手話で表現)
 今日は私から1点あります。濱田学長はじめ信州大学の皆さまにお越しいただいていますが、信州大学との共同で提案していた、文部科学省の「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」に、全国で41件の応募があった中から採択されたというご報告です。今回、採択になりました事業は、「革新的無機結晶材料技術の産業実装による信州型地域イノベーション・エコシステム」ということで、ちょっと口が回らないような名称ですが、この事業は信州大学が強みとしている「フラックス法による結晶育成技術」を活かして、例えば重金属を高性能に除去する材料であったり、人工関節を長寿命化する材料、あるいはリチウムイオン電池を高性能化する材料等を開発・事業化していこうというものです。文部科学省からは最長5年間の補助を受ける形になっておりまして、信州大学と私ども長野県が連携して研究開発・事業化に取り組んでいこうというものです。後ほど信州大学からご説明がありますが、長野県としては、この事業に関連して、長野県テクノ財団とも連携して「フラックス法活用展開の研究会」を設置していきたいと思います。この研究会を通じて、新たな技術を活用した研究開発プロジェクトを次々と創出していくことにより、県内産業の活性化につなげていきたいと考えています。また、工業技術総合センターに評価設備を整備して研究開発をサポートしていきます。事業の詳細につきましては共同提案者であります信州大学の濱田学長からご説明いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

信州大学学長 濱田州博 氏
 皆さん、おはようございます。私からは経緯的なものを若干説明させていただいた後、具体的な内容については担当から説明させていただきたいと思います。信州大学は3年前に、先鋭領域融合研究群というものを発足させており、その中では環境エネルギー材料、カーボン、ファイバーなど材料に関する分野のエース級の研究者を集めています。その中での材料研究というものを先鋭的に行って世界と戦っていこうとしているところです。また、信州大学としては、これまで2002年から10年間、知的クラスター創成事業を長野県、長野県テクノ財団、地域産業と一緒に行ってきており、地域産業と連携するという経験はかなりの部分で持っているということが重要な点と思っています。そういうことが蓄積され、すでに報道で出ていますけれども、アジアで最もイノベーティブな大学トップ75に2年連続ランクインしています。地域の大学でランクインしているのは私どもと熊本大学だけです。今回のプロジェクトでは、先ほど知事の説明にもありましたように、私どものコア技術の一つである「フラックス法」というものを活かして、長野県内の企業と強固な連携のもと進めていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。それでは具体的な内容を担当者から説明させていただきます。

信州大学学術研究支援本部長 杉原伸宏 氏
 お手元に配付していますパワーポイントの資料を持ちまして、今から簡単に当該事業の説明をさせていただきます。1枚めくっていただきまして、提案の背景、そして地域の特徴と戦略について簡単にご説明させていただきます。まず、信州大学の特徴として、先ほど濱田学長からお話がありましたように材料研究があります。どれほどすごいかを申し上げますと、お手元の資料の左下の方にありますように、材料の分野の論文では世界の大学の50位以内に入るといった実績があります。決してカーボンファイバーといったところに限定されず、非常に多様な材料研究行われています。そういった強みを生かし、日本で産学官連携が非常に強い大学と言われて名が挙がるところに信州大学がノミネートされています。その信州大学の産学官連携の力を持ちまして、長野県と連携させていただきながら当該事業を行っていくというものです。一方で、長野県の産業界は情報通信機器製造業が全国1位、また、電子部品・デバイス・電子回路製造業が全国2位と、精密加工技術に大変優れています。この長野県の得意な技術、そして信州大学の材料技術をうまく使いまして、地域から継続的にイノベーションを起こしていく、まさにエコシステム、生態系のどんどんイノベーションを起こしていく提案を当該事業で行っていきます。
 もう1枚めくっていただきまして、信州大学・長野県提案の全体像というところをご覧ください。中段ちょっと下にコア技術とあります。「フラックス法による無機結晶育成技術」です。聞きなれない技術と思いますが、さまざまな材料、特に無機材料というのは結晶でできています。この結晶というものを綺麗に並べる技術が「フラックス法」です。いかに結晶を綺麗に並べるかによって、例えば浄水器の吸着材料に使える、あるいは人工関節の生体との密着部分のコーティングに使える、あるいは電池の高機能化に使えるといったところが当該事業のポイントになっていまして、今回はその三つの事業化プロジェクトを核に、この「フラックス法」を地域産業に波及するようなシステムを作り上げたいと考えています。
 それではこの後、実際に事業を行います事業プロデューサーの武田からご説明申し上げます。

事業プロデューサー(信州大学特任教授)武田基秀 氏
 1枚めくっていただきまして、3番のコア技術というのを説明させていただきます。「フラックス法」というのは溶媒を用いて、単結晶を育成する技術です。溶媒というのは英語で言うとフラックスということです。単結晶というのは整列が極めて賢く整っていて、皆方向が一緒という状態を単結晶といます。この「フラックス法」はこの溶媒をいろいろ選択することによって結晶の形態を、自在に、そして材料そのものの性能を最大に引き出すという、違う言葉でいうとボトムアップです。本当に21世紀の科学技術の手法です。この技術を持っているのは信州大工学部手嶋研究室で、かれこれ50年この技術を追いかけています。現在では年間延べ100件程度、企業や大学などから引き合いがありまして、この研究領域の日本一の拠点になっています。
 もう一つの観点では、この材料技術は産業の基礎技術であるということと、先ほど申し上げたように、物質の自己形成、セルフオーガニゼーションといいます。われわれも地域で活動して、長く地域の電子産業などのいろいろな方と話をして、いろいろな展開ができる内容であると思っています。長所はひずみが少ない、高品質の単結晶を育成できるということで、他のやり方ではできない結晶も作れます。このやり方は結晶育成条件を積み重ねていく、われわれはレシピと言っていますけれど、そういうノウハウがたまっていまして、この知財をまとめることによって他ではまねができないという状況もつくっていけると思っています。
 次に各事業プロジェクトのスケジュールをちょっと見ていただきます。下の方に出ていると思います。個々の事業化プロジェクトですが、まず事業化プロジェクト1です。工学部の手嶋教授が中心研究者となりまして、先ほどお話がありました重金属の吸着剤による浄水器の商用化を進めます。発展途上国も関係しますが、世界の重要な課題である安全な水の供給を提供していきます。
 事業化プロジェクトの2は、医学部、同時に臨床医でもあります斎藤教授が中心研究者となりまして人工関節それから背骨のスペーサへの応用を図ります。高齢者が長く、自立して歩けるQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の達成等々、医療機器の実現を図っていきます。
 3番目の事業化プロジェクト3は手嶋研究室の是津(ぜっつ)准教授が中心研究者となりまして、リチウムイオン二次電池材料の開発と商業化を進め、圧倒的な高性能なリチウムイオン電池を実現する仕組み、その材料を提供いたします。
 さらに、次世代プロジェクトというのは、4プロジェクトありまして、これは将来のプロジェクトの仕込みです。例えば4番目は福島原発のストロンチウムの放射性物質を除去するシートの開発が進んでいます。それから7番目はパソコンだとか、携帯電話の部品として大変重要な熱伝導放熱電子部品の材料開発等などを含めて、どちらかというと、これは大変インパクトの大きいビジネスと見込んでいます。
 もう1枚めくっていただいて、5番目の本プロジェクトのミッションです。この活動がいかなる価値を見出すのか、そのミッションを説明します。第一に事業化成功事例を創出する。この実現のために、継続的な用途開発、市場開拓をする実動部隊の若手イノベーターを起用しながら組織化します。次に、サイエンス、技術を活用した競争力ある産業を創出する用途、開発等、足元の地域から創出を進めるということで、すでに活発に展開している、長野県は大変活発なわけですけれど、大学の技術と知見と産業界それから県民の必要性、知見、これも交流させて基盤強化を図ります。それから、またもう一つの観点として、やはり地域の若手の挑戦の場として運営したいと思っています。もう一つは浄水技術が典型ですけれども、海外の需要を捉えております。アフリカ、アジア、グローバル展開を進めまして、この活動が何らかの形で地域のグローバル化に波及することを願っています。最後ですが、私も東京で働いていますのでその一人ですが、地域外の信州の応援団ネットワーク、サイエンス、技術の観点、ビジネスという観点で強化していきます。これら六つのダイレクションを示しましたが、これが長野県の産業の活性化に繋がるのではないかと思ってやっています。6番目、長野県産業の活性化につなげるための仕組みですが、これについて阿部知事のご説明どおりです。
 最後に、手元に参考資料としていくつか資料を用意しています。まず1番目が本プロジェクトの実動部隊のネームリストです。次は2枚ありますが、事業化プロジェクトの説明資料でして、2枚目の方に写真があります。これはチタン酸ナトリウムの結晶ですが、高機能を発現する形態、つまり重金属を99%除去するという機能を発揮します。これを今、除去材の主役である活性炭に入れ込んでいくことによって、重金属が除去できる新たな除去材が生まれてきます。次が事業化プロジェクト2です。ここに人工関節ステムの製品イメージを作りました。下の方にストレスシールディング、つまりあまり硬度だとか変化の性格が違うと、そのところにひずみが起こります。実はこのフラックス結晶はコーティングという技術を持っていまして、私はすごいフロンティアを感じるのですけれども、ここの接着部分にコーティングをしますと骨との親和性がすごく良くなります。このように医療部材にいろいろな展開が効くのではないかと思っています。最後、事業化プロジェクト3の資料を添付しました。そこにコバルト酸リチウムの絵と、左側に何でリチウムの部位が変わるかという図も示しています。これを今の電極は炭素の中ですけれども、その中に入れ込むことによって、リチウムの見方が全然変わってきます。ですから、夢のような話ですけれど、将来、電気自動車が1時間かかって充電しているものを数分でやるという世界も、私はできると言っているわけではないのですが、視野に入ってくるということです。この辺は大変インパクトが大きい世界です。説明は以上です。ご質問があれば取材にご協力しますし、また少し準備をしまして、キックオフで皆さんにこの技術を説明する機会を作っていきたいと思っています。

長野県知事 阿部守一
 
今もご説明がありましたように、信州大学の取り組みと県内企業を結び付ける役割を長野県としてもしっかりと果たしていきたいと思っています。長野県を「学びの県」にしていきたいということをいろいろなところで申し上げてきていますけれども、やはりこうした新しい技術を積極的に活かしていくということが産業の活性化に大きく寄与するものだと思っていますし、長野県における高等教育機関、とりわけ信州大学の役割、これまでも非常に大きいものがありましたが、これからも産業の活性化、地域の振興においては極めて重要だと思っていますので、引き続き長野県としては信州大学の皆さま方としっかりと連携をしながら産業活性化、地域の活性化に取り組んでいきたいと思っています。それで私どもの方からの説明は以上ですので、ご質問があればお受けしたいと思います。よろしくお願いいたしします。

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 取材者からの質問

1 文部科学省事業における「信州大学・長野県の共同研究開発プロジェクト」の採択について(その1)

日本経済新聞 佐伯遼 氏
 県の方でフラックス活用展開の研究会を立ち上げるという話でしたが、この研究会の規模、いくつぐらいの参加団体を想定されているのかということと、今のところ具体的な企業の名前が挙がっているところがあれば教えていただきたいと思います。

ものづくり振興課長 沖村正博
 今回のプロジェクトで、実際に県内企業が参加しているのは、今動いているプロジェクトは1社ですが、先ほど先生方からも、おっしゃっていただいた、いくつかのプロジェクトがあるので、これから想定されるところでは、今、10社程度をピックアップしているところです。そういったところを核にして、募集をかけていきたいと思っています。

日本経済新聞 佐伯遼 氏
 今1社が動いているというのは、どのプロジェクトに当たるのですか。

ものづくり振興課長 沖村正博
 医療保健の関係の2番目のプロジェクトです。

日本経済新聞 佐伯遼 氏
 プロジェクトがいくつか出てきたと思うのですが、特に知事が期待されるプロジェクトがあれば教えていただきたいです。

長野県知事 阿部守一
 いずれもこれからの世界の発展にとって重要な分野だと思っています。浄水器の話も、世界の水問題にしっかり対応していく意味で重要性があります。また、メディカル産業の振興も信州大学と連携して取り組んできていますので、人工関節等も重要ですし、リチウムイオン電池も、これからの自動車をはじめとしたさまざまな分野において極めて重要だと思います。いずれも重要な分野だと思っています。この場でも申し上げましたが、世界の産業の発展には、大学との連携がさまざまな分野で非常に重要になってきていると思っています。今回の文部科学省の事業自体も、地域イノベーション・エコシステム形成と銘打っていますので、これから、今回の事業もそうですし、こうしたエコシステムを作っていくような取り組みを大学と長野県との連携の中で、さらに進めていきたいと思っています。

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2 文部科学省事業における「信州大学・長野県の共同研究開発プロジェクト」の採択について(その2)

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
 県の役割について教えていただきたいのですが、研究会の設置はいつごろをめどに考えていらっしゃるのかと、工業技術総合センターに評価設備を整備するのがいつごろなのか、評価設備というと結構な額になるのではないかと思うのですが、どのくらいのボリュームでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 研究会はできるだけ早くと思っています。

ものづくり振興課長 沖村正博
 交付決定が秋ぐらいになるので、機器の整備についてはそれからになります。今年は1台入れようと思っています。毎年だいたい1台を目安に評価機器を入れていきたいと思っていますけれど、金額についてはまだ文部科学省との調整があるので、1,000万円超ぐらいかなと思っていますけれど、具体的には決まっていません。

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
 毎年入れていくような機械なのですか。

ものづくり振興課長 沖村正博
 5年計画で進めるとご説明したので、できるだけ毎年1台ずつぐらいは入れていきたいと考えているところです。

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3 消防防災ヘリコプターについて

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
 信濃毎日新聞の千野ですが、消防防災ヘリの関係で、先日作業部会がありまして、来春の運航再開を目指して、県としてはリースした機体を民間と共同運航という形で再開したいというお話がありました。作業部会の方からも、特に異論はなかったと聞いているのですが、一応来春の再開という時期的な目途も少し固まりつつあるところかと思いまして、9月にも検討会が開かれると聞いていますが、知事はこれまでの議論をどのように受け止めていらっしゃるのかというのを教えていただきたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 
これは当たり前ではありますけれども、何よりも安全対策をしっかりやっていかなければいけないということはわれわれも含めて、関係者の共通認識だと受け止めています。今回の作業部会においても、さらなる安全対策について、私どもの考えも示させていただき、また、ご意見もいただいたところですので、この点についてはしっかりと対応していかなければいけないだろうと思っています。今回の議論は作業部会での検討ということですので、あり方検討会でさらにご意見をいただく中で県としての最終的な方向付けをしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏 
 繰り返しになってしまいますけれど、知事からお話があったように安全対策をまずしっかりする。それが前提というお考えでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 それは大前提です。安全対策をより充実させていく中で運航について考えていかなければいけないと思っています。

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4 「朝会議事録」非公開決定に係る情報公開審査会答申について

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏 
 県の情報公開審査会の方が知事や幹部の方の朝会の情報公開、一部公開すべきという答申があったかと思うのですが、知事の受け止めと、それに対する対応について教えていただきたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 私とすれば公開できるものはどんどん公開しようということで、政策会議の内容等も相当程度公開していると思っています。今回の朝会についても、審査会が言っているのは、タイトルや開催日時、あるいは出席者といったところについては公開で、その他は非公開という話になっていますので、基本的に私の認識と同じといいますか、公開・非公開の部分の線引きのところが、やはり率直な意見交換をするという部分を妨げない範囲で公開すべきということですので、これは、審査会のおっしゃるとおりという感じです。ただ、出席者やタイトルだけで、情報公開請求された方が本当に必要とされる情報になっているかというところは、必ずしもそうではないのだろうなと思いますが、ただ、中で自由闊達な意見を話している場ですので、そうしたものについては非公開で是とされたと受け止めています。

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏 
 そうすると、知事の対応としてはまだ決定してないという感じですか。

長野県知事 阿部守一
 いえいえ、今申し上げたように審査会の決定はそのとおりだろうと私は思っていますので、その方向で対応したいと思っています。

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
 
やはり、自由闊達な発言の内容について非公開というのは、知事は審査会の判断のとおりだというふうにお考えですか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね、私も毎週のようにこうして会見をさせていただいていますが、例えば私もいろいろな場面で、いろいろなところで、いろいろと発言させていただいています。例えば、庁内における議論というのは、意思形成過程の話です。私もいろいろな情報を知った上で、最終的に県知事としての判断をしますので、例えば、その意思決定の過程で、私が県としての最終決定と、全く違うことを最初に言っていることもあります。当たり前の話でして、担当部局から説明を受け、まあでも私はこう思うけれど、どうなんだということで、やりとりをしながら、最終的にはやはり県としてこういう方向で進むと意思決定することがほとんどです。途中経過で、例えば、私が最初はこれについて白と言っていたことがだんだん、われわれの公式見解でない過程で対外的に出ると、誤解を招く元にもなるかなと思います。われわれとしては当然、いろいろな政策の説明責任はしっかり果たしていくということはもとより大前提ですけれども、ただ逐一、私と担当者がやりとりしているようなことを全部公開することが公益に適うかどうかというと、必ずしもそうではないのではと思います。途中のプロセスで自由闊達な議論を、もっとしていく。皆さんの組織もそうだと思いますけども、私も時々、担当者に吹っかけます。全然違うことを言って、本当にそういうことにちゃんと反応が返ってくるのかというようなことを確かめていますが、そういうことは組織としては日常茶飯事行われると思いますので、それを逐一全部公開するということは、やはりさすがに、組織として成り立たなくなってしまうのではないかと思います。この審査会もそうしたことが大前提に方向付けをしていただいているのではないかと思っています。

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5 知事の公約の達成状況の自己評価の公表について

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
 もう1点、知事の2期目の任期も今月末で残り1年となります。知事2期目の時に、「基本政策集2014」というものを公約という形でまとめられたかと思うのですが、残り1年になるにあたって、公約の達成状況の評価に、既に着手されたりとか、それを公表するというようなお考えはありますか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね、一昨年はお出ししているかと思いますし、私も常に前回選挙の公約については意識をして取り組んでいますので、またどの段階でどういう形ということについては、まだ明確に申し上げられないのですけれども、先ほど申し上げたように説明責任をしっかり果たしていくということが重要だと思いますので、掲げた公約についてどういう状況で、私としてどういう認識かということについては、いずれかの時点でご説明できるようにしていきたいと思います。

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
 時期についてはちょっと今のところはいずれということですか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。今、総合5か年計画の検討とかいろいろ行っている段階ですので、本当は、ちょうど3年を迎えるところで、お示しするのが1番いいのかもしれませんけれども、ちょっと時期は厳しいかなと思っています。もし少し検討はさせていただきたいと思っています。

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
 その辺の評価というのはもうされ始めている、常にされているということですか。

長野県知事 阿部守一
 私自身は常に意識していますので、これについてはだいぶできたなということとか、これはまだまだだなということは、今の時点でも私なりには思っています。ただ、要するに具体的な数値として、どこまで進捗しているかというのは各部局とちゃんと相談しないと整理できないので、そうした点については、少し時間が必要かなと思っています。

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6 信州デスティネーションキャンペーン(信州DC)の1カ月の振り返り、山の日に向けた期待と抱負について

日本経済新聞 佐伯遼 氏
 信州DCが始まって1カ月経過しました。来週にはまた、2回目の山の日の祝日がやってくると思うのですが、信州DCの1カ月の振り返りと、あと改めて山の日に向けた期待と抱負をお伺いできればと思います。

長野県知事 阿部守一
 今、信州DCは関係の皆さんと全力で取り組んで来ています。おもてなしの心を持ってお迎えしよう、みんなで手を振ろうと、そういったマインドは一定の効果が出てきているのではないかと思っていますが、ただ観光、特に長野県の場合はアウトドアが中心になるので、やはり天候の影響というものは結構厳しい部分があるなというのが率直な受け止めです。まだまだ8月、9月の2カ月がありますので、さまざまな発信、プロモーションをしっかり行っていきたいと思っています。
 山の日については、第1回山の日記念の全国大会を本県で開催いただきましたし、先般も信州の山の日のイベントを行わせていただきました。やはり、今回の信州DCも「世界級リゾートへ、ようこそ。山の信州」ということで、山を中心に打ち出させていただいていますので、今年もまた山の日が近づいてきていますので、全国から、山を愛する皆さま方に本県へ訪れていただきたいと思いますし、またそうした発信もしっかり行っていきたいと思っています。

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7 森林税について

市民タイムス 赤羽啓司 氏
 森林税についてお願いしたいのですが、今、森林税を継続するか継続しないかの議論が進んでいるのですが、その前段として、補助金不正受給された中にも森林税が含まれていると思います。組合へは請求したのですが、今、職員へ請求するかとかそういうことを検討されていると思うのですが、返ってきた分は、補助金不正受給された森林税は多分基金に組み込むという形になると思います。そうすると、大北森林組合の方から33年間で返還するという話が出ていて、要するに全額返ってくるのが下手すると33年後になると思います。そうするとその間の33年間少額ずつ返ってきたとして、それをどうやって活用していくのかということを疑問に思っているのですが。その辺について、知事としてどのようなお考えがあるのかお願いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
森林税自体をどうするのかというのは、県民会議では継続の方向性でご意見いただいていますけれども、また税制研究会の議論も行われますので、今の話はもう少し大枠の枠組みだと思います。少なくとも次年度以降の森林税をどうするかということと併せて考えていかなければいけない話だと思いますので、今、具体的にご質問いただいたのですけれど、まだそのあたりについて、すべて整理できているという状況ではないです。税制研究会でのご議論等も踏まえて、県としての方針はしっかり定めていきたいと思っています。

市民タイムス 赤羽啓司 氏
 そこら辺の議論も税制研究会の中でしていくということですか。

長野県知事 阿部守一
 税制研究会でするかしないかというのは、青木座長のお考えもあると思いますけれども、少なくとも私のところで、今後どうするかということについて決定する際には、そうした点についても勘案した上で、方向付けしていかなければいけないだろうと思っています。

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8 御嶽山の噴火レベルの引き下げについて

市民タイムス 赤羽啓司 氏
 もう一点、一部報道で御嶽山の噴火レベルを1引き下げようかというものがありましたが、知事としてそこの受け止めをお願いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 正式には協議会を経て、気象庁が判断されるということになるだろうと思いますけども、御嶽山の噴火活動事態が鎮静化しつつあるという方向については、これは地域にとっては望ましい方向だと思っています。ただ、これは登山道であったり、山小屋であったり、非常に被害を受けています。また、長い間使用されない状況になっていますので、まずは、木曽町、王滝村の皆さんと一緒になって、復旧、あるいは御嶽山の安全対策、こうしたものについて取り組んでいくことが必要だろうと思っています。協議会、あるいは気象庁の判断を踏まえて、地元の町、村、関係者の皆さま方と一緒になって、今後の対策については、県もしっかりと責任を持って考えていきたいと思っています。

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9 信州DCについて

読売新聞 村山航太 氏
 先ほど、信州DCの関係で、アウトドア中心なので、やはり天候の影響を受けやすいということでしたが、この1カ月はやはり天候の影響をかなり受けたという受け止めでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
そうですね。まだちゃんと全体図を整理していないですけれども、やはり場所によっては天候の影響等もあって、入込客数が伸び悩んでいる地域もあると思っています。鉄道の状況や宿泊の状況を把握させていただくと、7月の状況は総じて前年並み程度かなと受け止めていますが、ただ、地域によって結構ばらつきがあって、昨年より増加しているところもあれば、少しまだ伸び悩んでいる地域もありますので、先ほど申し上げたように、まだ、8月、9月、これから山の日もありますので、しっかりとこの信州DCの時期に、長野県の魅力を発信できるように、引き続き取り組んでいきたいと思っています。

長野県知事 阿部守一
 
ありがとうございました。

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お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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