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更新日:2017年9月19日
長野県知事 阿部守一
今から会見を開きます。よろしくお願いいたします。(手話で表現)
私からは本日の部局長会議の議題の中から、予算案、条例案、それから政策評価についてのお話。そして、ここにありますけれども、すももの新品種「麗玉」についてお伝えします。
最初に、本日、部局長会議を開催しました。その場におきまして、21日開会予定の9月県議会定例会に提出する補正予算案、そして条例案を決定したので概要を説明したいと思います。
まず9月補正予算案のポイントですけれども、2027年国民体育大会、全国障がい者スポーツ大会開催内々定という形になっていますので、それに向けた開催準備のための経費。そして来年、平昌冬季オリンピック・パラリンピックを皮切りに、東アジアで平昌、東京、北京と3回連続してオリンピック・パラリンピックが開催されるという機会を、かつて1998年に冬季オリンピック・パラリンピックを開催した長野県として、有効に生かして本県の活性化に繋げていきたいという考えで、スポーツを通じた地域の活性化に関する予算。さらには災害復旧事業を始めとする県民生活の安全安心を確保するための取り組み等についての必要な予算を計上したいというものです。補正予算案の規模51億3000万円余ということです。
特に長野オリンピック・パラリンピック、来年平昌オリンピックがちょうど20周年ということにもなりますので、長野市をはじめ、開催地の会場となった市町村の皆さんと一緒にいろいろな記念事業、あるいは青少年交流事業を行っていきたいと思っています。
また、県民生活の安全安心の確保ということで、これは今年度の上半期、私も体感的に長野県内、全国的にもそうですけれども、非常に大雨警報であったり、土砂災害警報であったり、そうしたものが頻繁に出されてきた状況の中で、必要な復旧事業等をしっかり行っていくために、県単独の公共事業等について追加をしていこうというものです。
また、地域の強みを生かした産業づくりということで、健康医療系部品等の研究開発のための支援機器を整備することに加えて、新しく信州マーケティング戦略担当参与、仮称ではありますけれども、県庁内ではなくて民間から登用して活動してもらおうと、そのための予算も計上させていただきたいと思っています。
また、その他といたしまして、県立学校のトイレ環境の改善ということで、まだまだ県立高校あるいは特別支援学校の環境改善、これまでも緊急に対応すべきものを中心に取り組んできましたけれども、今回はトイレ環境の改善ということで、洋式化の改修等を進めていきたいと思っています。まだまだ、学校の教育環境は必ずしも十分ではないと私も感じていますけれども、教育委員会と相談して、今回できる限り改修していきたいと思っています。
それから乾式オフィス製紙機の導入ということで、環境保全に対する理解促進という観点も含めて、県庁見学に訪れる小学生等にも、これは古紙を再生してもう1回紙として再利用できる、そうした機器を導入していきたいと思っています。
それから条例案についてですけれども、一部改正条例案を7件提出する予定です。
まず、「長野県防災会議条例の一部を改正する条例案」、これは災害対策基本法に基づく指定公共機関として、新しく物流関係の法人が指定されたこと等に伴いまして、委員定数を65人以内ということで、増加させるものです。
それから、「特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」は、これは先般、この場で大北森林組合等の補助金不適正受給事案にかかる賠償責任、職員についての責任の有無等について、監査委員に監査を求めていくということに関連して、県組織を統括する立場として、知事、副知事の給料をそれぞれ10%、3カ月、2カ月減額させてもらうというものです。
それから、「県立自然公園条例の一部を改正する条例案」、これは公園の保護、利用に関する施設の整備を推進するため、公園計画に定める事業を公園事業として行為規制の適用除外とする制度を導入しようというものです。保護、保全のみならず利活用についても、積極的な検討を行っていきたいと思っています。以上が補正予算に計上いたしました主な事業と主な条例の内容についての簡単な概略のご説明です。必要があれば後ほどまた担当部局の方に取材いただければと思います。
部局長会議の2点目として、政策評価の結果についてです。今回は「しあわせ信州創造プラン」、それから「信州創生戦略」、それぞれの政策評価の結果につきまして報告がありました。「しあわせ信州創造プラン」の進捗(しんちょく)状況、進捗率80%以上をA評価、B評価としたものについて、57%ということで、対前年比べると1指標、4.3ポイント伸びているという状況です。これにつきましては指標のとり方等も含めていろいろ課題があるのではないかと思っていますが、県民の皆さま方にお示ししてきたものですので、今年度の最終年度、達成に向けて、県としてしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
また「信州創生戦略」については、基本目標が6指標を定めていますけれども、そのうちに把握できる5指標のうち4指標は進捗率100%以上ということで、おおむね順調に推移していると考えています。ただ、合計特殊出生率であったり、社会増減であったり、極めて基本的な指標ですが、こうしたものは決して楽観視できるような状況ではない。何とか現時点では、A評価にはなっていますけれども、この後どういう推移になるかということがなかなか見通せませんし、しっかりと成果を挙げていくためには、これまで以上の子育て支援、結婚支援であったり、あるいは移住促進政策に取り組んでいく必要があると思っています。「信州創生戦略」についても、しっかり進めていきたいと思っています。ただ、現在、総合5か年計画を検討中で、そこでは、いわゆる従来の総合5か年計画である「しあわせ信州創造プラン」と、それから「信州創生戦略」を統合していこうと考えていますので、新しい計画の策定に合わせまして、評価の方法であったり、指導のあり方については、改めて検討していきたいと思っています。
なお、今回、県政の取り組み、成果を県民の皆さま方に分かりやすくお伝えする資料を作成して、ホームページにも掲載したところです。また、こちらに掲げてありますようなパネルをお越しいただく皆さまの目に触れる場所に掲示して、県としてこんなことを考えている、あるいはこんな取り組みをして、こんな成果が挙がっているということについても、これまで以上に積極的にアピールしていきたいとに思っています。また皆さま方にもこうした県の取り組み状況をお伝えいただければありがたいと思います。
大きな2点目ですけれども、県のオリジナル品種としての「麗玉」について、こちらに飾ってある高級すももですけれども、この「麗玉」のお披露目会、試食宣伝会の開催についてお知らせしたいと思います。皆さまにプレスリリース資料をお配りさせていただいていると思いますけれども、県の果樹試験場が平成26年に開発したすももの品種「スモモ長果1」について、従来のすもものイメージを一新しようということで、新しい高級果物としてのブランド化を進めていきたいと思っています。皆さんにお配りいたしますので、ぜひご試食いただければと思います。昨年、県農業団体等によります高級すもも「麗玉」振興協議会が設立されて、この「スモモ長果1」の中でもより高品質な果実だけを商品名「麗玉」という形で名付けまして、来年から本格的に販売をしていくべく、準備を進めているところです。今回、お配りしたプレスリリース資料にもありますように、都内の百貨店のご協力を得て、伊勢丹新宿店、伊勢丹府中店、三越日本橋店、この3店舗、そして私どもの銀座NAGANOにおきまして、試験的に販売を行っていきます。
また、市場関係者への求評会も行っていきたいと考えています。今回、ロゴマークも大変すばらしいものを作らせていただきましたので、このロゴマーク等も活用して麗玉のブランド力をしっかりと高めて発信していきたいと思っています。長野県の農業総生産額は、かつてに比べると増高傾向にありますが、シャインマスカットやナガノパープルをはじめとする新しい果物に支えてもらっている部分もありますので、ぜひこの新しい麗玉も、長野県の美味しくて高品質な果物のラインナップにしっかりと位置付けられるように取り組んでいきたいと思っています。
日本経済新聞 佐伯遼 氏
今回9月の補正予算に計上された信州マーケティング戦略担当参与ですが、今現在で目星の付いている方はいらっしゃるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
民間の方になっていただこうと思っていますので、できるだけ専門的な知識やマーケティングの経験がある方を選任していきたいということで、今さまざまな検討を行っている段階です。
日本経済新聞 佐伯遼 氏
信州DCが 残り2週間となりましたが、またこの3連休は台風で雨が降るということで、なかなか天候に恵まれない部分もあると思うのですけど、残りの2週間、どのように誘客拡大していくかということと、これまでの受け止めをお伺いできればと思います。
長野県知事 阿部守一
残りわずかになりましたので、先ほども部局長会議で各地域振興局の取り組みを報告してもらいましたけれども、地域振興局、関係部局挙げて、最後わずかな期間ですけれども、しっかり取り組んでいきたいと思っています。8月の後半以降は比較的天候回復基調ということもあって山岳部方面も含めて、入込客数は増加基調だということで申し上げたところですけども、9月におきましては鉄道関係の予約も良好だと伺っていますし、また旅行会社からも宿泊は伸びてきていると伺っています。少し出鼻をくじかれた感はありますけれども、9月にしっかりと成果を上げて10月以降にも繋がるように取り組んでいきたいと思っています。フェイスブック、ツイッターでの情報発信あるいはテレビ、ラジオを通じた情報発信については引き続きしっかり行っていきたいと思いますし、おもてなし運動や手を振る運動も今回の信州DCで取り組ませていただきました。こうしたものもしっかり振り返りながら、これからの長野県の観光にどう生かしていくかということについてもしっかり考えていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
信州マーケティング戦略担当参与の関係なのですが、できるだけ専門的な知識やマーケティング経験のある方を選任したいという知事のご説明もありましたけれど、新たに観光部に配置されるということになるのですか。この方を起用する狙い、期待する役割について教えていただければと思います。
長野県知事 阿部守一
今日はちょうど、すももの「麗玉(れいぎょく)」のお話をさせていただきましたけども、長野県のさまざまな高品質な農作物やおいしい日本酒・ワインをしっかり発信する、あるいは販路開拓をすることによって、より生産向上に繋がるであろうと思われるものをたくさん持っていると思っています。組織のあり方も考えていかなければいけないと思いますけれども、日本酒・ワインは産業労働部、すももであれば農政部、ブランド戦略全体は観光部ということで、ものによって対応が分かれている部分がありますので、この信州マーケティング戦略担当参与は観光部に置く形はとりますけれども、関係部局またがっての調整を行うポストにしていきたいと思っています。併せて、そうしたことを通じて、信州ブランドの強化や発信も担ってもらいたいと思っています。また、農産物も含めて輸出拡大に県として取り組んでいこうと考えていますので、マーケティング戦略担当参与には輸出拡大についてもコミットしてもらい、部局がまたがる話になりますので、取り組みの全体的な調整を行っていってもらいたいと考えています。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
先ほどの部局会議でも池田部長から報告があった、北朝鮮のミサイル発射についてですが、8月29日に発射されて、また今日9月15日ということで、相次ぐというか、度重なる発射ということで、知事は部局長会議でも県民の安全を守ることが重要な役割だとおっしゃっていましたけれど、県民の安全を守る立場として、今回の北朝鮮の相次ぐミサイル発射をどのように受け止めていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
これは国際社会が国連の場で結束して、北朝鮮の行動を非難する決議を選択していますので、北朝鮮に対する世界的な協調関係の中での取り組みを、政府においては積極的に進めてもらいたいと思います。われわれ地方自治体として取り組めることは限られていますが、全国瞬時警報システム(Jアラート)等を通じた的確な情報伝達等については、前回、対応の不手際が見受けられた市町村もありますが、今の時点では、特段の問題があったという報告は受けていません。今後こうしたことが起きないことを期待していますけれども、しかしながら、今後もこのような事態が発生した場合には、市町村をはじめ関係機関としっかり連携して、迅速な情報伝達、そして情報収集に県としてできる限りの対応を行っていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
大北森林組合の損害賠償の関係で、監査委員に監査を請求されて、監査委員では特に監査結果の取りまとめの時期は特に定められていないと聞いているのですが、知事とすれば、どのくらいまでに監査結果をまとめてほしいか、何か時期的なお考えがあれば教えていただきたいです。
長野県知事 阿部守一
これは監査委員の皆さんがご判断する話だと思いますので、私の方から期限をどうだと、あるいは、いつ頃までにということを申し上げる考えはありません。私どもは、9月12日までと期限を示されて、これは法律上、監査委員側としては期限を切らなければいけないということになっているので、われわれはそれにしっかり従わなければいけないということで取り組んできましたけれど、監査委員においては、今回私からはいくつかこうした点にも留意してほしいということについて、お示しさせていただいていますので、そうした点についても、考慮いただいた上で、慎重な検討をぜひ行ってもらいたいと思います。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
今回知事とお二人の副知事で減給の給与条例の改正案を提出されていますが、その一方で林務部に在籍経験がある職員の方が有志という形で、寄付を呼びかけるという動きもありますが、それについて知事はどのように受け止めていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
このことについては林務部長から報告をもらったところです。私は、今回の大北森林組合の問題については、県としてやはり県民の皆さま方の理解を得ながら進めること、そして、信頼回復をしっかり行っていくことが重要であるとともに、県職員が協力し合って、結束してこれからも職務に邁進していくことが重要だと考えていますし、そのように申してきました。今回、職員有志が主体的にこうした取り組みを行っていただくことは、今私が申し上げたことにも通じるものだと思っており、こうした自発的な行動は、私としては、ありがたいと受け止めています。
朝日新聞 辻隆徳 氏
北朝鮮のミサイルについて、8月29日に初めて県内で全国瞬時警報システム(Jアラート)が作動され、今回2回目で対象地域も前回と同じということなのですが、東京、神奈川、埼玉、千葉というのは対象地域になっていなくて作動していないのですが、実際に北海道の上空に飛んで、どちらかと言うと近いのは東京とかだと思うのですけれども、長野がJアラートの対象地域に含まれるというのは、知事の県民の安心安全を守るという立場からは、少し不安をあおりすぎている部分があるのかなと私は思っているのですけれども。長野に出ているのに東京とか神奈川には出ていないという違和感というのはないでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは地理的に厳密に検討された結果で、そういう分け方になっているのだと思いますが、長野県は面積が広いので長野県の一部だけJアラートの警報を発して、その他のエリアへは発しないということは、逆に混乱する場合もあるだろうと思っていますけれども、先ほど申し上げたように、こうしたことが日常的に起きることがないようにはしなければいけない。国際社会あるいは政府においても、こうしたことが起きないようにしてもらうということが、まず重要だと思っていますので、私どもとしては政府の対応を基本的に信頼して情報提供等を行っていきたいと思っています。ただ先日もこの会見の場で申し上げましたけれども、例えば伝達の内容が地下とか強固な建物がないような中山間地にあっては、そうしたアナウンスはいかがなものかという話と、引き続き現場の皆さんとの、あるいは市町村の皆さんとの感覚と異なっているようなことがあれば、そういったものについては国にしっかりと伝える中で検討を求めていきたいと思っています。
朝日新聞 辻隆徳 氏
東京とか神奈川が対象地域にならないというのは、経済活動の拠点という意味があって、あまりトラブルがないようにというように中央は思っているのかなという気がするのですが。
危機管理防災課長 高見沢靖
地域の設定につきましては国で設定していますけれども、どういう理由かというところは詳細までは出ていません。きっと北朝鮮との距離ですとか、飛ぶ方向性の角度などから判断していると考えているところです。
信濃毎日新聞 牧野容光 氏
マーケティング戦略担当参与に関連して、これまで船木さんとかアドバイザーとして清水愼一さんとか、県の戦略を立てるのに外部の有識者がかなり増えてきたと思うのですが、そういった一線で活躍してきた国内の一級の方々を呼んできて県政を議論していくというのは、知事として意図するところについて、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
基本的に、県の施策推進は、県の職員が主体的に行うことが重要だと思っています。ただ、他方でわれわれ公務員が弱い部分、世の中がどんどん進展している分野については、必ずしも県庁内だけに人材を求めるのが、適当ではない、あるいは不十分な場合もあると思っています。そういう意味で、信州マーケティング戦略担当参与(仮称)については、先ほども申し上げたとおり、部局をまたぐポジションで仕事をしてもらおうと思っています。どうしても、われわれ公務員は縦割り的に、行動し、発想しがちですけれども、そういうものを民間の感覚で打破してもらいたいと思っています。また、輸出の促進なども、実際に輸出業務に関わるような仕事を行っていた方と、私ですと全く経験がありませんので、知見とかネットワーク、経験に雲泥の差があるので、そういう部分において、民間の皆さんの活躍をお願いするということも、ポスト、仕事の内容によっては、極めて重要だと思っています。
信濃毎日新聞 牧野容光 氏
補正予算の中の、県立学校のトイレ環境の改善についてですが、財政課への取材では、トイレの不具合カ所を洋式化するという話しなのですが、和式では、大便が出来ないとかいう話の中で、洋式化するというように伺っているのですけれども、そもそもちょっと高校生にインタビューしていないので、現場の空気感が分からず質問しますが、和式でもトイレが出来るように教育するというか、そういった対応は出来るものじゃないのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
なるほど。いや、そこはちょっともう、世の中が一般的に洋式化している中で、高校のトイレに合わせたライフスタイルにしろというのは、結構難しいのではというのが私の率直な感覚です。私が子どもの頃は、もちろん和式がほとんどだった時代ですけれども、もう今や、私自身もなかなか馴染みがないというのが正直な状況ですので、生まれた時から和式のトイレの経験がない子どもたちが高校に入ったら和式で暮らしてねっていうのも結構難しい部分があるのかなと。ただ、今回の予算にも限界があるので、全てを一度に洋式化するわけではないので、そこは和式のトイレも使いながら、洋式もできるだけ増やそうというスタンスでやっていますので、一定程度、学生にも理解をしてもらいながら、限られた予算の中ではありますけれども、出来るだけ教育環境が改善できるように、引き続き取り組んでいく必要があると思っています。
信濃毎日新聞 牧野容光 氏
それに関連してなのですが、これ主観が入るので知事の考えをお伺いしたいのですが、洋式化の話を聞いたときに、私がふと思い出したのは、昨年度、若者の連載をずっと取材していて、高校での応援団の練習をいくつか取材する中で、練習が非常に厳しいから、過呼吸で倒れてしまったりするような若者が相次いでいて、それで支援するために脇で休ませたりとかってやっている、すごい現場だなと思ったのです。ただ、応援団の取材を深める時に、OBの方にインタビューしてみると、60代、70代のOBの方々は、その応援団練習をやったこと自体、非常に誇りに思っているのだけど、自分たちの時は本当に嫌だったら、学校に行かないとか逃げ出すといったことをやっていたらしいのです。私も現場を取材していて、高校生にインタビューして、なんで逃げないのかというと、そういう発想がないと。何が言いたかったかというと、食べるとか排泄するというのは人間の根源的な活動だと思うのです。和式があるのに大便ができない、だから洋式化して助けてあげましょうっていう教育が必要なのか、それとも今の社会に必要なのは、生きる力とか、いやだったら逃げるとか、そういうことなんじゃないかなと感じるのです。教育現場も大変で、保護者からのクレームとか、非常にトラブルとかに敏感になっていますから、洋式化するという対応ではなく、もうちょっとこう柔らかい対応というか、そういった考え方の方が社会としては重要なのではないかなと感じたところです。
長野県知事 阿部守一
私も、これからの教育においては生きる力が大事だと思っています。先日の関係の方と少し話す機会があったのですけども、信州型自然保育で育った子どもたちは、例えば、崖を下りたりする、非常に一般の子どもにとっては危ないなというような所も、積極的にチャレンジする気持ちがついている。その幼稚園で育った子どもには、そういった子どもが結構多いというお話も伺っています。そういう意味で、全て社会がお膳立てして、例えば、あまり適当じゃないかもしれませんが、賞味期限切れの問題というのも、形式的な日にちが印刷されているから、食べる、食べないではなくて、やはり人間は、ちょっと舐めてみて、これ危ないなという方が実は大事な部分もあるので、そうしたことを育んでいく、全て便利な生活の中で、何の過不足もないような状況だけの経験をさせていくことが望ましいとは私も思っていません。ただトイレの問題は、世の中のライフスタイル自体もそのようになってしまっていますので、例えば、仮に新しく高校を造るとしたら、おそらく全部洋式トイレにするだろうと思いますので、少しちょっと次元が違う話なのかなと思います。やはり生きる力をしっかり身につけていけるような教育にしていくということは重要だと思いますが、他方で、一般的なライフスタイルに合わせたような環境を作っていくということもわれわれの役割だと思いますので、そういう意味では徐々にそうした転換は図っていきたいと思っています。
長野朝日放送(abn) 仁科賢人 氏
北朝鮮のミサイル発射に関連してなのですが、ちょうど昨日、政府の方で全国瞬時警報システム(Jアラート)が出た際の避難に関する文言を変更していまして、前回頑丈な建物や地下にという言葉を、屋内や地下に逃げ込むようにと変更されています。実際に今朝は、そういった文言で避難を促していたんですが、そういった伝達があってから、街に出て取材をした際に、それでも戸惑っている県民の方ですとか、じゃあどうすればという声が多くて、先ほど中山間地というお話もありましたけれども、実際にどこにということで、世間ではシェルターとかの関心も高まっているようですけども、中枢的な場所ですとか、それ以外にも避難場所というものについてどうお考えかお聞かせいただけますか。
長野県知事 阿部守一
今回、文言の話は改善されていて、あれは、県からも国へ伝えたのですよね。
危機管理防災課長 高見沢靖
はい。
長野県知事 阿部守一
改善されていることは、良かったと私は思っているのですけども、ご指摘のように本質的にどういう避難をするべきかということについては、われわれも含めて、さらにしっかり考えていかなければいけない課題だろうと思います。屋内退避ということで、一応、屋内に留まるということで、これは強固な建物がなくても対応できる指示ではありますけれども、仮に、より困難な事態が生じたときにどういう対応をしていくのかということについては、これは引き続きわれわれもしっかり問題意識を持って考えていかなければならないと思いますし、また、政府にもそうした具体的な対応については、さらに、検討してもらうようにお願いをしていかなければいけないだろうと思います。
長野朝日放送(abn) 仁科賢人 氏
知事は今朝、全国瞬時警報システム(Jアラート)が出た時どうされたのですか。
長野県知事 阿部守一
私は屋内に留まるということで、屋内にいましたけども、妻と話したのは、仮により困難な状況になったときには、どうしようかということは少し話しました。
長野朝日放送(abn) 仁科賢人 氏
やはりまだ戸惑いというか、そういう部分が残っているということですか。
長野県知事 阿部守一
戸惑いというよりは、これは、どのような状況に発展するかということが、なかなか予想がつかないものですので、そういう意味では、行政、国においては、いろいろな事態をしっかり想定してもらうという事が重要だと思いますし、国民保護という観点で、これはわれわれは国としっかり連携して取り組まなければいけない話ですので、具体的な情報伝達のあり方、あるいは、具体的な対応のあり方、こうしたものについては、こうした事態がこれ以上起きてもらいたくはないという前提ではありますけれども、しっかり検討していく必要があるだろうと思います。
信濃毎日新聞 中村正起 氏
先日5日、10日に行われました県民協働による事業改善についてお聞きしたいのですけれども、事業仕分けから今のスタイルになって6回目になるのですが、なかなか県民の関心が高まらないという課題があるかと思います。県側としても毎年いろいろな工夫を試みているというのもわかってはいるのですけれども、参加者の方からは、事業改善という事業そのものをもう一回見直すべきじゃないかという声も多数ありました。そこで県行政に対する関心をどう高めるかというその根本的な問題にも絡んでしまうのかもしれませんが、どのように関心を高めていくか知事のお考えがあればお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
これも私は担当課には、しっかりどう今後していくか検討してくれという話をさせてもらっています。そこの現場での議論は非常にいい議論をしていただいていると承知していますし、また、学生にも参加してもらっていますので、学生にとっても政策の一端に触れ、自分たちの考えを深めてもらう上では意義はあると思っています。ただ、その反面で、これは事業改善という形になっていますので、かつての事業仕分けのようなセンセーショナルな側面が必ずしも無い中で、県民の皆さま方の注目度が下がっているということは否めない事実だと思います。そうしたときに、私はやはり長野県の強みというのは、自治力であったり地域力だと思っています。もとより政策決定の責任は県議会であったりわれわれが負わなければいけない訳ですけれども、そうした政策立案のプロセスであったり、あるいは政策の評価検証のプロセスにできるだけ県民の皆さま方にも加わってもらうということが重要だと思っています。重要な条例等にはパブコメを行っていますし、あるいは総合計画を作るときにも、審議会等でもご議論いただいている訳です。これはなかなか難しいのですけれども、私はもっともっと県民の皆さんが積極的に意見を言ってもらえるような環境を作っていくということが重要だと思います。そういう意味で、この事業改善の話が単独で存在しているのではなくて、やはりいろいろなプロセスに、まだ全体として県民の皆さんの参加や関心が弱いなと思います。これは私の責任でもあると思いますけれども、さらに多くの皆さま方にもっとストレートにわれわれの考えを伝えて、そしてもっと逆に県民の皆さま方から、批判でもいいですし、評価でもいいですし、いろいろな形でフィードバックしていただけるような環境を作っていくことが重要だなと思っています。そういう観点の中でこの事業改善についてはどうするかということについては、宮下コンプライアンス・行政経営課長のところで今、検討を始めてもらっていますので、事業改善制度自体の事業改善は考えていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 中村正起 氏
先日県立大学の設置認可の際に時間が無くて聞けなかったのですけれども、理事長学長予定者から相次いで、将来的な大学院設置の必要性という声があって、まだ開学する前であって、かなり将来的な話になってしまうと思うのですが、設置主体として県が設置するということになると思うのですが、将来的に大学院を設置する必要があるかどうか、知事のお考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
先般そういうご発言がありましたし、そういう希望を持たれているということで、私としては受け止めています。私の立場は、設置主体の立場でもありますので、仮にそういうことになると、また、交付金を通じた財政負担が増加する可能性もありますので、今の段階では全く白紙です。これから新しく大学がスタートして、また関係者の皆さま方のお考えが具体化してくれば、よくお話をお伺いする中で考えていく必要は出てくるのではないかと思いますけれども、今の時点で具体的な検討を行っている訳ではありませんので、先般の発言は、これは個人的なご発言だということで私としては受け止めています。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
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