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更新日:2019年4月1日

知事会見(平成30年(2018年)5月11日(金曜日)11時00分~12時01分 会場:県庁)

≪阿部知事からの説明≫

1 「しあわせ信州移動知事室(北アルプス地域)」の実施について

≪取材者からの質疑≫

2 「しあわせ信州移動知事室(北アルプス地域)」の実施について

3 県内の景気動向について

4 知事の3期目出馬について

5 中国河北省人民政府 許勤(きょきん)省長との会見について

6 松本空港の国際チャーター便について

7 旧優生保護法に基づく優生手術について

8 中国による日本産農産物の輸入禁止について

9 中国河北省人民政府 許勤省長との会見について(その2)

10 障害者支援施設における虐待報道について

11 児童福祉法違反被疑者の逮捕について

12 毎月人口異動調査に基づく人口推計について

13 児童福祉法違反被疑者の逮捕について(その2)

14 「県民ホットライン」におけるヘイト表現への対応について

15 児童福祉法違反被疑者の逮捕について(その3)

16 消防防災ヘリコプターの運航再開について

17 「県民ホットライン」におけるヘイト表現への対応について(その2)

18 人口減少に伴う小中学校の一貫校化および知事の3期目出馬について(その2)

19 クリーンエネルギーおよび原子力発電所の差し止め要請について

20 林務部のコンプライアンス推進について

21 移動知事室での林務課職員との対話について

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 1 「しあわせ信州移動知事室(北アルプス地域)」の実施について

長野県知事 阿部守一
 今から会見を開きます。よろしくお願いいたします。(手話で表現)
 今日、私からは1点、お話を申し上げます。
 「しあわせ信州移動知事室」の北アルプス地域での開催についてです。お手元にプレスリリース資料をお配りしていると思いますが、来週13日の日曜日から15日の火曜日までの3日間、北アルプス地域で「しあわせ信州移動知事室」を実施いたします。今回で7回目の移動知事室です。これまで同様、いろいろなところに出掛けさせていただき、多くの皆さんと対話したいと思っていますが、特に平成26年11月に神城断層地震で大きな被害を受けた白馬村の神城堀之内区の復興状況について、お伺いしてきたいと思っていますし、復興の状況について住民の皆さま方との対話を行いたいと思っています。
 また、「しあわせ信州創造プラン2.0」については地域計画を充実させて策定いたしましたが、北アルプス地域戦略会議を開催させていただき、市町村長の皆さま方と、北アルプス地域の将来に向けた取り組みについて意見交換してきたいと思っています。
 また、地元の製造業の皆さんの人材育成の状況、あるいはワイン用ブドウ栽培に取り組まれている農家の方等とも対話してきたいと思います。北アルプス地域へこれまでも何度も出かけているわけでありますけれども、24時間、朝から晩まで当該地域にいると、やはり地域の状況も肌感覚、皮膚感覚で伝わってくるところもあります。共感と対話の県政をしっかりと進めていく一助として、この3日間を生かしていきたいと思っています。
 私の方から以上です。あとはご質問をお受けしますのでよろしくお願いします。

 

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2 「しあわせ信州移動知事室(北アルプス地域)」の実施について

日本経済新聞 佐伯遼 氏
 まず、「しあわせ信州移動知事室」の件で、メーカーでは赤田工業さんにお伺いされると思うのですが、赤田工業さんを視察される狙いを教えていただきたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、製造業の皆さんの人材育成の取り組みが、いろいろと地域で行われていると伺っています。まさに、これから担い手の確保が産業振興にとって極めて重要になってくる中で、現場における取り組みの状況であったり、あるいは課題であったり、こうしたものを直接お伺いしてきたいと思っています。

日本経済新聞 佐伯遼 氏
 人材育成というのは、昨今の人手不足の現状も踏まえてというようなイメージになるのでしょうか。 

長野県知事 阿部守一
 一つは学びの県づくりということで、新しい総合計画の柱に据えておりますので、やはり地域と一体となった産業人材の育成がこれから重要になってきていると思っています。そういう意味で、われわれ行政の観点での教育、人づくり、それから企業サイドの人材育成、こうしたものをどういうかたちで結びつけていくのが望ましいのかということについて、しっかり考える場にしていきたいと思っています。

 

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3 県内の景気動向について

日本経済新聞 佐伯遼 氏
 県内企業も3月期の決算がそろそろ出そろい始めているのですが、前期は、好業績が続いている企業が多いと思うのですが、改めて県内の今の景気状況の認識についてお伺いできればと思うのですが。

長野県知事 阿部守一
 日銀松本支店の報告であったり、あるいは労働局の有効求人倍率等を見れば、長野県の経済はおおむね順調に推移しつつあると思っています。ただ、例えば海外との貿易上のリスクであったり、また為替も今後どのように変動していくかということも、なかなか見通しづらいところもありますので、県としてはさまざまな状況をしっかり注視しながら、長野県経済が順調に発展できるように取り組んでいきたいと思っています。

 

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4 知事の3期目出馬について

読売新聞 丸山修 氏
 知事選に関しまして、一昨日9日に、知事は正式に立候補される考えを表明されましたが、選挙に向けた政務の行動予定につきまして、その後新たに検討ないしは決定したものがあれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 県知事としての会見の場なので、県民の皆さんと対話していきたいというお話をさせていただいていますが、今、日程を詰めてきていますので、全体像が明らかになってくれば、「守一会」の方からお知らせしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

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5 中国河北省人民政府 許勤(きょきん)省長との会見について

読売新聞 丸山修 氏
 中国河北省の省長が今週末、長野県にお見えになるということで、知事としましては訪問中、今後の交流強化に向けて、どのようなことを期待されていますか。例えば合意ですとか声明みたいなものを検討されているのか、そのあたりも含めて教えてください。

長野県知事 阿部守一
 河北省とは友好提携し、これまでいろいろなレベルで、関係性を深めてきたわけですけれども、私も中国を訪問し、河北省の許勤(きょきん)省長にお会いさせていただきました。今回、先方から長野県を訪問いただけるということは、河北省との友好交流を進めていく上で、大変重要な訪問だと思っています。大歓迎させていただきたいと思っていますが、日程が非常にタイトです。私は北海道で開かれる日中知事省長フォーラムには出席がかないませんけれども、河北省長はそちらに参加した後、こちらにわざわざお越しいただけるということですので、限られた時間の中で有意義な対話をしていきたいと思っています。
 特に河北省は2022年の北京オリンピックのスキー競技が行われる会場にもなりますので、われわれとしては長野冬季オリンピックのノウハウをしっかり共有させていただき、応援していきたいと思います。それと同時に、ウインタースポーツを通じた子どもたち、青少年の交流の促進であったり、あるいは中国河北省側からのインバウンドの増加、こうしたものをわれわれとしては河北省の皆さんにも協力いただくようにお願いしていきたいと思っています。
 また、私どもとしては、松本空港の国際化も大きなテーマですので、河北省と松本空港間のチャーター便の就航を含めて、ぜひ直接的な交流ができるようなかたちを一緒になって考えていける環境を作っていきたいと思っています。

 

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6 松本空港の国際チャーター便について

読売新聞 丸山修 氏
 今、知事が言及されました松本空港のチャーター便ですが、中国は松本へのチャーター便が有力と考えられる東アジアの諸国の中でもなかなか実績が出ていないところだと思うのですが、そのあたり何が原因で、どのような働きかけが今後有効であるとお考えか教えてください。

長野県知事 阿部守一
 これだけが要因ということはないと思いますけれども、やはり松本空港に就航できる機材が限定されてしまいますので、松本空港との就航に関心をお持ちの航空会社でも、なかなか機材繰りをしていただかなければいけないところは大きな課題だと思っています。
 私どもとすれば、多くの皆さんと松本空港の国際化についてお話をする中で、少しずつチャーター便の就航拡大を目指して引き続きしっかり取り組んでいきたいと思っています。

 

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7 旧優生保護法に基づく優生手術について

読売新聞 丸山修 氏
 旧優生保護法による不妊手術の問題で、厚労省が全国の自治体を対象に調査をする方針だと報じられていますけれども、国に一元的な対応を求めてこられた知事としては、現在の国の対応をどう評価していらっしゃるのかという点と、また県の現時点での、あるいは今後の対応について教えてください。

長野県知事 阿部守一
 国においても優生保護法下における強制不妊手術について考える議員連盟、それから与党の優生保護法に関するワーキングチームで対応をご検討いただいていること、ありがたいことだと思っています。国においてしっかり方針を出して対応を行っていただきたいと思っています。旧優生保護法に関連した資料の保管状況について調査を行うように厚生労働省から要請が来ていますので、私どもとしても5月9日付けで関係機関に対して、調査の依頼をさせていただいているところです。この結果を取りまとめた上で、厚生労働省に対して6月29日までには報告していきたいと思っています。今現在調査中という状況です。

 

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8 中国による日本産農産物の輸入禁止について

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
 福島第一原子力発電所事故から続く中国の日本の農産物の輸入禁止の関係ですが、日中の両政府が撤廃というか、緩和に向けた枠組みを作る方向になったということで、知事もたびたびいろいろなかたちで働きかけもされていたと思うのですが、今回一歩前進なのかなとは思うのですが、知事はどのように受け止めていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 李克強(りこっきょう)首相も訪日されて、中国と日本の二国間の関係は改善の方向に向かいつつあるのかなと受け止めています。そういう中で、今お話がありました農産物の輸出規制、長野県も残念なことに対象県になってしまっているわけですけれども、その問題についても多くの皆さま方が問題意識を持っていただいていると、そしていろいろな動きの兆しが出ているということは大変ありがたく思っています。これまでも政府与党あるいは中国大使館等に対しまして、私どもから長野県の農産物、放射性物質検出検査等の結果、一般の農産物からは検出されていませんと、科学的にはまったく問題ないですということを訴えかけてきていますけれども、ぜひそうした状況をしっかり受け止めていただいて1日も早く輸出の規制が解除されることを期待しているところです。

 

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9 中国河北省人民政府 許勤省長との会見について(その2)

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
 先ほどの読売新聞さんの質問にもあったのですけど、明日の許勤省長との会談で特にこの覚書ですとか声明ですとか、そういうのは今のところ予定していないと理解すればよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 河北省との間では友好提携をさせていただいていますし、また前の省長との間でもこれから当面の協力関係についての確認もさせていただき、河北省との関係はベースの関係がしっかりと構築されているわけですので、それを踏まえてさらに発展をさせていくための対談の場にしていきたいと思っています。

 

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10 障害者支援施設における虐待報道について

朝日新聞 鶴信吾 氏
 昨年5月のことですけれども、長野県内の知的障害者施設で、入所中の知的障がいのある女性が妊娠、流産するということがありまして、女性の出身自治体が調査をそれ以来されていたのですけども、結局調査結果としては相手方の男性が特定できないということで終わってしまうということがありました。
 県としては調査の主体ではなくて、あくまで報告を受ける立場かとは思うのですけれども、この案件があったのは知事はご存知でしょうか。また、県として今後再調査を指示したりですとか、あるいは再発防止に何かされたりする可能性があるのかどうかというのを伺いたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 施設における虐待事案は、われわれが厳正に対応していかなければいけないテーマだと思っています。ただ、まずは事実関係がどうなっているのかということを前提に対応していかなければいけないということが基本だと思っています。私は今回の経過について担当課から報告を受けて承知していますけれども、今お話がありましたように、まず住所地の市町村が対応するということが今回の基本になっています。そういう意味で、私が今この立場で個別の事案の内容について、踏み込んで言及するというのは、適切ではないと思います。プライバシーにも関わる話ですので、慎重に対応していくことが重要だと思っています。やはりこうした課題については、行政機関として、しっかり関係市町村も向き合っていってもらいたいと思いますし、また、法令に基づいて適切に対応していくことが大変重要だと思っています。

 

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11 児童福祉法違反被疑者の逮捕について

長野朝日放送(abn) 仁科賢人 氏
 昨日、警察官の児童福祉法違反で逮捕事案がありましたけれども、未成年を守らなければいけない当該の部署での事案ということもありましたが、知事の受け止めと、もし対策対応として今後考えられていることがあればお願いします。

長野県知事 阿部守一
 こうした事案が発生したこと自体、大変遺憾だと思っています。長野県としても、「子どもを性被害から守るための条例」を制定させていただき、大人の責任ということを県民の皆さんに広く共有していただいているさなかです。事案の詳細を承知しているわけではありませんけれども、ぜひ警察として、しっかりとした厳正な対応をしていってもらいたいと思っています。

長野朝日放送(abn) 仁科賢人 氏
 県として何か、対応に関する部分ですとか、知事ご自身の対応として検討されていることはありますか。

長野県知事 阿部守一
 私の対応とは例えばどのようなイメージですか。

長野朝日放送(abn) 仁科賢人 氏
 警察官がということでしたけれども、条例も制定されて、機運としてはもっと高めていかなければならないさなか、かつ、法令遵守を先頭切って行っていくべき方がこういったことを起こしたというのは、非常に大きい問題ではないかと思います。

長野県知事 阿部守一
 全くその通りだと思います。そういう意味では、先ほど申し上げたように、大人の責任だということを条例上もうたって取り組んでいるときに、こうした事案が起きたことについては、警察においてもしっかりと受け止めて対応してもらわなければいけないと思っています。個別の事案がどういう状況でどういう内容なのかを私は承知していませんので、そうしたものをまず警察の方でしっかり明らかにするように努力してもらいたいと思います。今回、児童福祉法違反という形での対応だと伺っていますけれども、県としても、子どもを性被害から守るためにいろいろな予防から被害者支援の対策まで、条例上で定めていますので、改めて、こうした一連の対策についてしっかりと関係者が理解して取り組んでいくように周知をしていきたいと思います。

 

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12 毎月人口異動調査に基づく人口推計について

長野朝日放送(abn) 仁科賢人 氏
 先日、県内の人口が発表されまして、新年度の人口では前年度を1万人以上下回る結果となりましたが、人口減少に引き続き歯止めがかからない状況はどのように受け止めていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 新しい県の総合5か年計画でもそうですけれども、人口減少は当面続くという前提でわれわれは県政を運営しています。もちろん出生率の向上であったり、人口の社会増への転換であったりという目標を掲げていますけれども、今の人口構成から見て、合計特殊出生率が急激に上がったとしても、当面、人口が減少していくことは避けられないという認識です。その中で、人口の急激な減少に歯止めをかけていくということと、それから人口減少下にあっても、活力ある地域を維持していくということを、先の信州創生戦略でも重要なテーマにしましたし、今回、いわゆる地方創生戦略を引き継いだ新しい総合5か年計画の中でも、その観点を入れていますので、まずこの4月にスタートさせた新しい「しあわせ信州創造プラン2.0」の着実な推進に力を入れていきたいと思っています。

 

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13 児童福祉法違反被疑者の逮捕について(その2)

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 今のabnさんの質問に関連してなのですが、今回の松本警察署の事案について、長野県は性被害を受けた子どもが適切なケアを受けられたかどうかを子ども支援委員会で検証しているわけですが、今回の事案について、abnさんと同じように、何らかの対応がというところの中で非常に問題意識を抱えているのですけれども、今回の事案を検証対象にすると考えておられますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 子どもが性的な被害を受けたということで、法律によるアプローチの仕方は違いますけれども、子どもたちを保護していくという観点ですから、基本的には同じ価値といいますか、同じものを保護していかなければいけないと思います。われわれとしては、どうしてこういう事例が起きてしまったのか、あるいは、どうすればこうした事案を防げるのかということについては当然しっかり考えていかなければいけないと思います。ただこれは警察官が当事者ですから、より主体的に警察としてどうするのかということについてしっかり考えてもらうということが前提だと思います。

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 そうすると、子どもが適切なケアを受けられたのかどうかとか、県の施策として何らかの改善するべき点があるのではないかということを検証する子ども支援委員会では、検証しないということでよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 検証するしないというよりは、子ども支援委員会での検証対象というのは明確には条例違反だけになっているのですかね。そこは今は正確に理解してないので、担当課に確認しますけれども、少なくとも私の認識で申し上げれば、ルール上どこまでが対象になっているかいなっていないかということのみならず、先ほど申し上げたように、一般的に同じような保護法益が侵害されたとすれば、やはり同じような視点で対応していくことが必要ではないかと思います。
 ただ、学校の先生が当事者の場合も同じように私は考えますけれども、公務員がそうした当事者になっているわけですから、当然その任命権者がやはり主体的にどうするべきかということについて考えてもらうということが基本だと思っています。

次世代サポート課長 高橋功
 現在の検証対象は条例違反の案件および条例違反に当たらないけれども捜査等を行った案件ということで検証させていただいています。

長野県知事 阿部守一
 検証の対象になり得るということでいいですよね。

次世代サポート課長 高橋功
 現在やっている作業の中での検証の対象とはしていないところです。

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 今後検証対象にするという考えはありますでしょうか、ないでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 信濃毎日新聞のみなさんの検証の対象という意味合いが非常に厳格に捉えられているので、お答えの仕方をどうするべきかというのがあるのですけれども。基本的に、どのような法体系の中で被害を受けた子どもたちであっても一連の関係はあるわけです。先ほど大人の責任ということも申し上げたように、条例違反の話だけではなくて、法律に違反している問題についても同じような視点で扱っていくということは必要だと思っていますので、そこはやはり警察とか担当課とはまったくなにも話をしていないので、私の考えだけで申し上げれば、そうしたものについてもやはり当然同じような目線で考えていくことが必要だと思っています。

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 同じような目線で考えるということは、検証対象にするのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そこは高橋課長のほうから少し検証の意味を説明してもらって、それで私がまたお答えします。

次世代サポート課長 高橋功
 現時点では、「長野県子どもを性被害から守るための条例」が平成28年11月1日から施行になったということを受けて、条例に関する警察が逮捕した事案、逮捕に至らないが子どもに対する性行為等の事案を検証していくということにしています。視点として二つの機関でやっているわけですけれども、子ども支援委員会では人権侵害という観点、他には子どものケアという観点から個別の事案を検証します。青少年問題協議会では制度面の運用、施策の充実という点で検証を行っているところです。ご質問はたぶん、子ども支援委員会での検証を個別にやっていくかというところです。こども支援委員会の開催回数ですとか、事案の数等々を考えながら、その仕組み自体をしっかり考えていかなければ、直ちには手をつけづらいと思います。

長野県知事 阿部守一
 たぶん検証というのは、「子どもを性被害から守るための条例」自体、特に信濃毎日新聞を中心にいろいろ懸念の声を出されたわけです。疑問や困惑というかたちで他県の条例に比べると対象範囲を限定してきていますし、運用がどのように行われるかということについても、これは条例を制定した立場として、そこはちゃんと検証していかなければいけないだろうということで、検証するということになっていますので、例えばすでにある児童福祉法であったり、既存の法体系の中で行われたものに対する検証とは少し意味合いは違ってくるだろうと。違ってくるというのは、検証結果を踏まえてわれわれ自身が条例の運用をどう変えていくかという話の検証とは自ずと意味合いは違ってくるだろうなと思います。ただ、われわれは、この条例だけで子どもを性被害から守ることができるという話ではなくて、既存の法体系を含めた全体で対応していきますし、また予防のための教育であったり、あるいは被害者の支援であったり、こうしたものも条例で定めていますけれども、これ自体はいわゆる条例での罰則対象になっているかなっていないかということとはいささか違う次元の話でありますから、そういう意味で、子どもを性被害から守るためにどんなことが必要なのかということの全体像の中では、当然こういう事案も視野に入れて考えていくということになろうかと思います。そこは、条例違反によるものと条例違反によらないものというのは、少しその取り扱いの仕方というのが自ずと違ってくる部分もあるのかなと思います。

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 子どもを支援する立場、守る立場から、子どもが適切なケアを受けられたかどうかについて、子ども支援委員会が検証しているわけですが、知事のお考えを語っていただきましたが、どんな被害を受けた子どもでも同じように扱っていきたいという視点はもっているという話の中で、条例対象の性被害を受けた子どもの件について、子どもが適切なケアを受けられたのかどうか、それによって改善すべき点はないのかといった点に限定しておいて、なぜ今回の児童福祉法の条例以外の案件に関する子どもの性被害については検証されないのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私が今言ったのは限定するというつもりで言っているのではなくて、子どもが性的な被害を受けているということについてもいろいろな法体系の中で対応するものがありますけれども、やはり同じような目線でわれわれができるだけ把握しながら対応していくということが必要だと思っています。もちろんプライバシーには最大限配慮しなければいけませんけれども。ただ検証の意味合いが、われわれが条例を制定した側として、条例の運用状況を検証していくという意味の検証とは少し違ってくる部分があるなということを申し上げているわけで、そこはご理解いただけるのではないかと思います。

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 子どもの性被害に対する取材を通じて、性教育だったり被害者支援だとか、多岐にわたる課題を見てきたのですが、根本にあるのは、子どもの権利なのではないかという話をいろいろな方から伺います。
 知事は1期目に、子どもの権利条例の制定を目指されて、保守系の自民党の議員さんとの関係の中から内容を後退させたかたちで子ども支援条例の制定に留まりました。
 いろいろな取材先として、子どもの支援に関わる関係者だったり、知事の支援者の間では、子どもの支援条例が支援条例のまま留まっていること自体が、2期8年間の知事の大きな忘れ物はなのではないかと、課題なのではないかという声を聞いて、私もそうかなという感覚がしていて。おととい三選目出馬を表明されたタイミングなのですが、この際、子どもの支援条例を権利条例に改正することを掲げて、県民に付託を得る、そんな選挙にしたらどうかという声も聞くのですが、支援条例について2期8年間あるいは3期目に向けて振り返っていかがでしょうか、コメントをいただけますか。

長野県知事 阿部守一
 私は保守系の人たちの反対を受けて後退させたという意識はまったくありません。そういうことをご指摘いただくということ自体が私はいかがなものかと思っていますけれども。
 先ほど来、子ども支援委員会の話も出ていますけれども、子どもたちを守っていく体制というのは、長野県としてしっかり作らせていただいていると思っています。ネーミングの問題ではなくて、やはり実際にどう機能させるかということが大変重要なわけで、今の条例で具体的にここのところが不足しているというようなことがあれば、当然私は真摯に検討します。しかしながらなんとなく抽象的一般的な議論で、支援ではだめで権利でなくてはだめだというような話は、あまり実益がない議論ではないかと思っています。
 いろんな政策の中で、子どもたちの権利であったり人権であったり、こうしたものをしっかり守っていくことが必要だと思っています。ただわれわれは、子どもたちにどうやって健やかに育ってもらうか、そして、自分たちが本来ありたい姿、自分たちが目指す方向に希望を持って進めるためにどうすればいいのかということを、本当に真剣に考えてきていますので、例えば教育の支援、あるいは就学支援、あるいは医療費支援、こうした全体の政策を含めて、子どもたちの権利を守っていくということが重要だと思っています。
 個別のご意見があれば、もちろんこれからも県民の皆さま方と対話をしますので、 どんどんご意見いただくのにやぶさかではありませんけれども、しかしながら、一部の人が言っているからこんなことになっている、なんていう発想は、そもそも私は全くおかしいなと思っています。私は常にオープンに議論させていただいているつもりですので、そういうご意見があればどんどんおっしゃっていただきたいということを、また県民の皆さま方にはお伝えしていきたいと思います。

 

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14 「県民ホットライン」におけるヘイト表現への対応について

朝日新聞 岡林佐和 氏
 県民ホットラインのヘイト表現の問題について伺います。既に閲覧を停止した2件があると思うのですが、先日、知事は極めて問題が大きいと思われる2件について停止をしたとおっしゃっておられましたけれども、既に専門家にも意見を聞いてこられたと思いますが、2件についてまずヘイト表現にあたるのかどうかということについて、どのように判断をされているのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 この判断について今、いったんホームページの掲載を止めている状況でありますので、しっかりとした判断をした上で対応していきたいと思っています。ただ、例えばこれは、法務局からヘイトスピーチ解消法に係る参考情報ということで、ヘイトスピーチの典型的な例あるいは考え方、こうしたものを教えていただいています。例えば、特定の国あるいは地域の出身である方について、差別的軽蔑的な意味合いで、昆虫、動物、ものに例えるような言動、これは典型的な例として挙がっていますので、こうしたものについては当たる可能性が非常に高いと今の時点では思っています。ただ、個別具体の言動も背景であったり、前後の文脈あるいは趣旨、こうした事情を総合的に判断するようにということになっているので、そこのところはわれわれもしっかり慎重に対応しなければいけないと思っています。
 今回こうしたご指摘をいただいたことをしっかり受け止めなければいけないと思いますので、できるだけ早く対応していきたいと思っています。まず、行政だけの判断で勝手にいただいた意見を削除したり、修正したりということは、私は極力慎重であるべきだと思っていますので、そういう意味では、弁護士の方々が適切ではないかなと思いますけれども、第三者の皆さんにまずアドバイスしていただくような仕組みを考えたいと思っています。その上で、仮に修正あるいは削除という対応をしたときに、またそれに対しての不服申し立て等も想定されますので、そうしたものに対しても事後的に、できれば第三者的な方にも関与いただいて、丁寧に対応する仕組みを講じていきたいなということで内部的に検討しているところです。

朝日新聞 岡林佐和 氏
 第三者機関のようなものを常設で作って、何か問題がありそうではないかということがあった場合にアドバイスを受けながら対応していく、常態的にそういう仕組みを作るという意味合いですか。

長野県知事 阿部守一
 そうです。われわれ行政の立場は難しい立場でもあります。やはり言論の自由もありますし、表現の自由もありますので、そういう意味では、できるだけいただいたご意見を公表するときには、その方の趣旨を尊重するということも必要だと思っています。
 ただ、その一方で、行政がいわゆるこのヘイト表現を是認しているかのような、 受け止め方をされるということもあってはならないと思いますので、その両面を考えたときにやはり第三者的な方に関与していただく中で、そして事前の対応とそれから事後的な対応と両面とっていくことが望ましいのではないかと思っていますので、そういう方向で検討しています。

朝日新聞 岡林佐和 氏
 今回こういった事態になっているその原因についてなのですけれども、先ほどお話のあった法務省が出しているガイドラインについても希望する自治体に配ったというところがあって、その法務省の態度もどうかとは思うのですが、長野県の場合は今回の事態になってから取り寄せたということだそうです。その辺やはりヘイトスピーチ対策法ができて以降の県の対応というところで認識の甘さがあったのではないかと見えますけれども、その点はどうお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 ご指摘は謙虚に受け止めなければいけないと思いますし、われわれ組織全体でこの問題のみならず人権の問題についてしっかり共有していくということが重要だと思っています。先ほど申し上げたような制度仕組を作っていくということに加えて、今回の問題も改めて県の幹部職員にはこうした事案が起きて、こうした問題点があるということについてしっかり共有していきたいと思っています。

 

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15 児童福祉法違反被疑者の逮捕について(その3)

市民タイムス 赤羽啓司 氏
 児童福祉法違反の事件の関係に戻って申し訳ないのですが、被害を受けた少女のケアという面でお考えをお願いします。県としてもりんどうハートながの、性暴力相談センターでしたか、すぐ正確な名称が出てこないのですが、作っていろいろ対策をしています。今回、主体的にはたぶん警察になってくると思うのですが、県としてもそういう性暴力というようなことをなくそうと取り組んでいますので、今後この事案についてその被害者ケアという面でどう取り組んでいかれるのかという、今の知事のお考えをお願いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これはもちろん被害を受けた方に対してのケアというのはしっかり行っていくということが大事だと思いますが、ただ先ほど申し上げたように、今回の事案がどういう態様であったのかということについて、私は承知をしておりません。この問題に対してはこれまでも警察サイドでも、例えば女性の警察官が丁寧に対応するようなこともしっかり行ってきていただいていますので、そこは今回の事案においても警察においてしっかりと対応いただけるものと思っています。

市民タイムス 赤羽啓司 氏
 りんどうハートながのみたいなところに、警察がつないでもらうみたいなそういったようなお考え、事案がなかなか難しいとは思うのですが、何かそういったようなことも。

長野県知事 阿部守一
 私が今、個別事案について承知していない状況ですので、あまり具体的なことを申し上げられませんけれども、もちろんいろいろな支援を講じることについては全くやぶさかではありません。今その女性がどのような状況に置かれているかということは、ある程度警察の方で把握されていると思いますし、われわれが子どもたちを守っていく観点で、先ほど来申し上げている子どもを性被害から守るための条例を作ったということは、これは警察サイドも十分認識しているわけですから、そこについてはしっかり対応してもらうということが必要ですし、われわれももちろん必要な対応はしていきたいと思っています。

 

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16 消防防災ヘリコプターの運航再開について

共同通信 岡田健太郎 氏
 県の消防防災ヘリが今月7日に運行再開という判断になったと思うのですけれども、これで一定の区切りというか目処がついたと思うのですけれども、改めて知事に受け止めと、また機体購入などを含めた今後のスケジュール感をお願いします。

長野県知事 阿部守一
 まず、改めて殉職された消防防災航空隊員のご冥福を心からお祈りします。彼らの思い、高い志、こうしたものを引き継いで、新しい消防防災航空隊のメンバーが本当にしっかり安全に配慮しながら訓練を繰り返して運航再開にこぎつけたことは大変隊員の努力にも感謝をしますし、そして市町村あるいは消防機関、多くの皆さんに支えていただいたおかげで再開できたこと、大変ありがたく思っています。
 今後、リース機を自前のヘリコプターにしていくということが多くの皆さんの期待でもありますので、できるだけ速やかにその方向で進めていきたいと思っていますし、また、今、運航再開をしましたけれども、まだ活動は限定しているという状況の中で、やはり引き続きこの救助も含めて、しっかりとした訓練を隊員においては行っていってもらうということが必要になってきています。これからも安全を第一に、県民の皆さま方の期待に応えられるように努力をしていってもらいたいと思っています。

 

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17 「県民ホットライン」におけるヘイト表現への対応について(その2)

毎日新聞 鈴木健太 氏
 先ほど朝日さんの質問で出たヘイトの常設的な第三者機関のお話なのですが、現時点のイメージでいいのですけれども、ホットラインの案件限定の常設機関になるのか、ホットライン以外の案件も含めた常設機関になるのか、現時点ではどうでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今のところ想定しているのは基本的にホットラインです。ホットラインが一番県民の皆さま方から恒常的にご意見をいただいて、基本的に原文で表記させていただいていますので、基本的にホットライン中心で考えています。
 ただ他にも、もし必要な事案があれば、同じような仕組みを講じることも考えていく必要があると思います。今、機関という話でおっしゃいましたが、事前の方はどちらかというと、われわれが判断する際のアドバイザーみたいなイメージが適しているのかなと。第三者に全部責任を投げかけるというよりは、われわれ自身が最終的に判断しなければいけないと思いますので、アドバイスをいただくようなお立場の方を置いて、というイメージです。事後的な方は、最終的に異議申し立てが出たときの判断でありますから、そちらの方はどちらかというと、第三者の方でしっかり判断していただくという、まだ正式に詰め切っていませんけれども、今の時点での私のイメージです。

毎日新聞 鈴木健太 氏
 まさに今のところをお聞きしようと思っていたのですが、繰り返しになりますが、掲載前で第三者機関なるものが関与するタイミングについては、県として判断が難しいと思ったときに判断を仰ぐようなことを言っているのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。膨大な件数を全部見ていただくというよりは、われわれが判断に迷うような案件についてはご意見をいただき、そして掲載した責任はわれわれ県にあるわけです。ただ異議申し立て等が出たときに最終的にどうするかということについては、改めて別の第三者に判断していただくという2段構えで考えてはどうかというのが今の私の考えです。

毎日新聞 鈴木健太 氏
 掲載後の情報というのも、 全てを見てもらうというわけではなくて、まさに今回のように議論が起きたときに判断を仰ぐと。 

長野県知事 阿部守一
 掲載後の方はどちらかというと、掲載されたご本人あるいは関係者から、これを削除されるのはおかしいとか、この表現の修正はおかしいのではないかというご意見ご指摘が出た場合に判断していただくというかたちになろうかと思います。 

毎日新聞 鈴木健太 氏
 今おっしゃった、本人から申し立てが出た場合ですけれども、今回の場合は一般市民の方から、この掲載はどうなんだという議論が巻き起こって、ちょっと性格が違うと思うのですけど。今回みたいな案件も対象になるということですね。 

長野県知事 阿部守一
 決して狭める必要性はないと思いますが、まだその制度設計はこれからですので、今いただいたご意見も含めてしっかり考えていきたいと思います。

 

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18 人口減少に伴う小中学校の一貫校化および知事の3期目出馬について(その2)

テレビ信州(TSB) 伊東秀一 氏
 まず人口減の関連で、当然15歳未満の県人口も減少しているわけですが、例えば県内の学校の統廃合も子どもたちが減っていき統廃合が進む中で、小学校と小学校、中学校と中学校というかたちの統合というのはこれまで例がありますけども、例えば今、信濃町がやっているような小学校と中学校、公立の縦の学校を一貫校化していくような動きというのは県内ではまだレアですけども、今後こういったものが増えていかざるを得ないのかどうかというのが一点。
 それからもう一つが、知事選関係なのですけども、今後具体的な政策というか公約の発表というのがいつ頃になるのか、心づもりの時期があればお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 まず、一点目の方は、市町村立学校は市町村なり市町村教育委員会が主体的に判断いただく話ですけれども、例えば地域で子どもの数が減っていく中で、小学校と中学校が一体で、非常に多年齢の子どもたちが同じ場所で学んで、そして助け合えるような環境というのはある意味で望ましい方向性の部分でもあるのではないかと思っています。
 私は教育の場、学校は多様性があった方がいいと思っていまして、子どもたちはいろいろな能力、いろいろな特性を持っていますので、それぞれの地域に合った学校の形態を、まさに人口減少という社会経済情勢も背景にしながら、しっかり考えていっていただく必要があると思っていますし、また県の教育委員会とも一緒にいろいろな市町村の、例えば地域との連携の話は教育委員会だけの話ではありませんので、応援できるところは応援していきたいと思います。
 それから、公約をいつ発表するかということについては、まだ決めていませんので、もちろん選挙が始まるときには用意してなければいけないと思っていますので、しっかりと考えていきたいと思いますが、その前に県民の皆さんとの対話をしていろいろご意見をいただきながら固めていきたい。もちろん私の考え方も示しながら、ご意見をいただいてまとめていきたいと思っています。

 

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19 クリーンエネルギーおよび原子力発電所の差し止め要請について

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 出馬表明をされたわけですが、この前軽井沢でG20関係閣僚会合が開かれるということで、その際知事が歓迎のコメントを出した際に、県として100パーセントクリーンエネルギーを目指しているということで歓迎をされたわけです。クリーンエネルギーという観点に関して、今いろいろ話題になっている原発については、県知事としてでも個人としてでも、クリーンエネルギーだとお考えでしょうか。
 それともう一点、長野県は南北に長く、北に柏崎刈羽、南に浜岡と2つの原発がありまして、それに対して柏崎刈羽に関しては中野市の方も差し止めの訴訟に加わっているなど、非常に関心も高い。この点について、県知事として他県・国に対して、何かしら差し止めの要請をしていく考えはあるのか、お聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 まず原発がクリーンなのかという話ですけれども、CO2(二酸化炭素)を出さないという観点で見るのか、それともこうした福島原発の事故のようなものが起きたときにどのような影響があるのかという観点でみるのかによっても大分見方は違ってしまうのかなと思っています。長野県としては自然エネルギーの普及拡大に、これまでも相当力を入れて取り組んできました。そういう意味ではできる限り、自然エネルギーのキャパシティを長野県としては増やしていきたいと思っていますし、そしてそもそも私自身は分権論者でありますけれども、エネルギー体系自体も、より地域密着型の分散型のエネルギーシステムが望ましいと思っています。原発のあり方については、原発の立地県の知事であったり、市町村長の皆さんであったりが相当真剣に考えて議論されているわけでありますし、やはりそれぞれの地域の皆さんの考え方というものを一定程度尊重していかなければいけないと思っていますが、私としては長野県においては、分散型のエネルギーシステムであったり、自然エネルギーの拡大であったり、こうしたものをしっかりできる限り進めていくことが基本だと思っています。

 

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20 林務部のコンプライアンス推進について

日本放送協会(NHK) 稲垣佑透 氏
 平成27年の11月に、林務部のコンプライアンス推進行動計画というのが作られて、この4月で、作った後3回目の改定が終わったということですけれども、失政が少ないと言われる知事の中で、大北森林組合の問題については条例で自ら言及されるというような事態にまでなったものと思いますが、林務部に対する県民の信頼回復について、現状の認識をお聞かせいただきたいのと、今回の改定した計画を通して、林務部、県としてはどのように取り組んでいくのかということを聞かせてください。

長野県知事 阿部守一
 林務部への信頼回復がどうなのかということについては、私もまた県民の皆さんとも率直にお話しなければいけないだろうなと思います。今の段階では、コンプライアンスの推進に取り組んできていますけれども、私自身やはり、もっともっと林務行政のあり方は変えていってもらわなければいけない部分が多いなと思っています。林務の職員は、今非常に一生懸命取り組んでいますし、コンプライアンスの問題についても十分問題意識を持って頑張ってやってきていただいていると思っています。ただ、林業政策自体が大きく転換しようとしている中で、そうしたものにちゃんと対応していける体制を作っていくということと、それからやはりどうしても見えにくい山の中での仕事の状況で、2人体制で検査をするとか、いろんな改善の取り組みは始めていますけれども、そうしたものをしっかりと定着させて、その上で、県民の皆さま方に信頼、期待をしっかり回復できたというかたちに持っていかなければいけないと思いますので、まだそういう意味では、もっともっとわれわれ自身努力しなければいけない部分もあるのではないかと思っています。もう一点は何でしたか。

日本放送協会(NHK) 稲垣佑透 
 現状の認識ということと、あともう一点は今回の計画の中で、若手のプロジェクトチームを作って、そういった方の意見も少し取り入れて計画を改定していると聞いたのですけれども、今回の計画を通して、県として信頼回復にどのように取り組んでいくのかというところです。

長野県知事 阿部守一
 これは、林務部もいろんな課題を負っていますのでやはり一つひとつしっかりと取り組んで成果を上げていくということと、それから、県民の皆さんとのコミュニケーションをもっとしっかりやっていくということだと思います。とにかく分かりにくいんです。林務のいろいろな補助制度等も今回の事件で聞かせてもらいましたけれども、分かる人には分かるけど、分からない人には分からないというのも当たり前ですけども、他のいろんな仕組みに比べると、林務部のやっている仕事というのは物理的にも山の中で見えにくかったり、制度的にも他のものと少し仕組みが違って分かりにくかったりする部分があるので、それは自分たちだけの閉じた世界でやるのではなくて、多くの皆さんに自分たちのやっていることをちゃんと伝えて、それに対しての批判も含めたフィードバックをもらってというようなことを繰り返していくことが重要だと思いますので、そうしたプロセスを繰り返し行う中で、県民の皆さま方のご理解をいただけるように努力をしていくことに尽きるのではないかなと思います。

 

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21 移動知事室での林務課職員との対話について

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 今の関連で移動知事室の中で初めて大北地域に行かれるわけですが、大北森林組合の補助金不正受給事件を受けた関連の動きをするのかどうかということと、知事として一番任期中で問題が出た現地機関であるのですけれども、こんなところを見ていきたいというところがあれば、お聞かせ願えませんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほどのご質問とも関連しますけれども、今回林務課の職員との対話の時間を作っています。まさに北アルプス地域振興局、北安の地方事務所において、職員の不適切な対応があったわけですので、私としては、その後の状況を教えてもらうと同時に、今現在勤務している林務行政に関わっている職員がどういう思いで仕事をしているのかということについてもしっかりと聞かせてもらいながら、先ほどお話もあったような、林務行政の信頼回復に向けて、現場の職員と本庁そして私も含めてどうやって取り組んでいくかということを考える場にしていきたいと思っています。

長野県知事 阿部守一
 どうもありがとうございました。

 

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お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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