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更新日:2018年6月22日

知事会見(平成30年(2018年)6月21日(木曜日)14時10分~14時53分 会場:県庁)

≪阿部知事からの説明≫

1 県議会6月定例会が開会

2 ヘルプマークの普及について

≪取材者からの質疑≫

3 ヘルプマークの普及について

4 平成29年度の一般会計決算見込みについて

5 御嶽山に設置している地震計の撤去について

6 特別職等の給与報酬について

7 SDGs(エスディージーズ/国連が定めた持続可能な開発目標)の取り組みについて

8 連合長野との意見交換について

9 大阪府北部の地震を受けたブロック塀等の安全対策について

10 信州まつもと空港の国際化について

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 1 県議会6月定例会が開会

長野県知事 阿部守一
 今から会見を開きます。よろしくお願いいたします。(手話で表現)
今日、私からは2点、お話を申し上げたいと思います。
 まず1点目ですが、県議会6月定例会が、本日から16日間という日程で開会しました。補正予算案、条例案等をお出ししていますので、しっかり説明し、ご理解をいただき議決いただけるように取り組んでいきたいと思っています。
 また、私の今の任期としては最後の県議会となりますので、提案説明の最後に、これまでの県政推進に当たっての議会そして県民の皆さま方のご支援に対するお礼を述べさせていただきました。県政を前に進めるべく、この間、懸命に取り組んでまいりましたが、メディアの皆さま方にも大変なご支援、ご協力いただきましたことに改めて感謝申し上げたいと思います。
 また、夏に向けて今、公約を検討中ですけれども、しっかりと私の思いを整理して、県民の皆さま方に訴え、ご理解いただけるように努力していきたいと思っています。

 

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2 ヘルプマークの普及について

長野県知事 阿部守一
 
それから2点目ですけれども、ここに上り旗を立てています。私も今、着けていますけれども、このヘルプマークを普及させていきたいということについて、お話を申し上げたいと思います。
 例えば内部障がいの方であったり、あるいは妊娠初期の方であったり、外見からはなかなか分かりづらいけれども、いろいろな場面でサポートを必要としている方が大勢いらっしゃいます。長野県として、そうした方々を社会全体で温かく応援していきたいと思っています。もとより外見上分からない人たちだけではなく、全ての人たちが支えられる、時には支えられている方も支える側に回っていただく、そうしたお互いに協力し合って支え合って生きていく、また、温かい社会をつくっていくための一助として、このヘルプマークを導入して普及させていきたいと思っています。
 今回、当事者の方々からもヘルプマーク導入のご要望をたくさんいただいていますし、また、応援されている方々からも、こうしたヘルプマークの導入を求められてきたわけですので、ぜひこの機会にヘルプマークの普及を多くの支援を必要としている皆さまに活用して役立てていただきたいと思いますし、また、全ての県民の皆さま方には、このヘルプマークの意味をぜひ理解していただいて、このマークを見かけたときには、ぜひ一声かけていただいて、支援を必要としている方々の思いを受け止め、サポートいただきたいと思っています。
 このヘルプマークにつきましては、まず7月2日から配布していきたいと思っています。特別支援学校の子どもたち、あるいは障がい者施設の利用者の方々に対しては、積極的にお配りしていきたいと思っていますし、また、県内の保健福祉事務所、あるいは市町村の福祉窓口、こうしたところでも配布させていただいて、広くサポートが必要な大勢の皆さま方にお使いいただけるように取り組んでいきたいと思っています。ぜひ支援、配慮が必要な場合には遠慮せずに着用していただきたいと思っています。
 今日は、先天性心疾患の当事者でいらっしゃる猪又竜(いのまたりゅう)さんに、会見の場にお越しいただいています。当事者の立場からヘルプマーク普及の必要性についてお話いただきたいと思います。
 猪又さんは会社員としてご勤務されることとあわせて、障がいの理解に向けた講演活動等をされていらっしゃいます。私も講演を聞かせていただいて大変多くのことを学ばせていただきましたけれども、またヘルプマークの普及にも積極的に取り組んでこられていらっしゃいますので、猪又さんからぜひヘルプマークへの熱い期待、思いをこの場でお話いただければと思いますので、よろしくお願いします。

ヘルプマークの普及に取り組む当事者 猪又竜 氏
 皆さんこんにちは。
 今、知事から紹介にあずかりました松本市に住んでいます先天性心疾患患者の猪又と申します。 私は先天性の心疾患患者として、世の中に先天性心疾患という病気があるということをまずいろいろな方々に知っていただきたいなと思って活動しています。小学校とか大学とか、あとは先日の製薬企業とかそういうところで講演をさせていただいて、先天性心疾患がどういうものであるかということを知ってもらおうと思って頑張っています。
 このたび長野県でもヘルプマークの配付が決まりましてとてもうれしく思っています。
 ヘルプマークというのはどういう方が着けたらいいかということはこちらにも書いてあるのですけれども、外見からは分からない病気とか障がいを持っている方たち。例えば糖尿病の方、人工透析を受けている方、長野県にはたくさんはいないのですけれども補助人工心臓をつけて自宅で生活をされている方とか。他には極端に視野が狭い方とか、一応見えてはいるのだけどとても視野が狭い方とか。他には精神に障がいがある方とか発達障がいがある方、すごく音に敏感になってしまう方とか、そういうふうにとにかく外見ではわからない病気の方たちが積極的につけるものだと思っています。
 もちろん私のような先天性心疾患の患者もそうです。やっぱり見た目では分からないということは、ちょっと社会生活をしていく中で困ることがしばしばあります。
 例えば、ここ(のぼり旗)の中に電車で席を譲ると書いてありますね。今電車の中の優先席の部分には内部障がいの方というマークがついています。しかしながら、内部障がいの、例えば私が電車の優先席の前で体調があまり良くなくて今日は座りたいなと思っていても、どこの誰がこちらへどうぞと言ってくれるでしょうか。それはやっぱり不可能に近いです。そういうときは結局私から「すいません体調が悪いので座らせていただけないでしょうか。」と発しないといけない。でも結構それってエネルギーが要るのですね。助けてくださいと言うのはなかなかエネルギーが要ります。そういうときにヘルプマークをつけていて、かつ皆さんがヘルプマークの意味をご存知ならば、もしかしたらこちらの席どうですかと声を掛けてもらえる確率がぐっと上がると思います。それだけでも私たちはすごく助かります。そういうきっかけになるとても良いツールです。ですので、ぜひ皆さん長野県内だけではなくて日本中のみんなが知っている状態になればいいなと思います。
 先日、大阪で大きい地震がありましたけれども、そういうときにもこのヘルプマークを身につけているということで役に立つことがあります。やはり外見ではわからない、この人は病気があるのかどうかということがまずわからないわけです。でもヘルプマークを身につけているということが、もしかしたらこの人は何か病気があるのかもしれない、糖尿病の患者さんかもしれないからインスリンがいるのかなとか、そういうその災害時への支援のときにも一歩二歩進んだ、ちょっと先を見越した支援ができるようになると思います。
 こういうことを考えると、この赤くて、かわいらしいマークですけれども、これを外見では分からない患者さんたち、障がい者さんたちがつけるということは非常に意味があります。ですので、今日もお集まりの皆さんもこの点をよく理解していただいて、周知していただければありがたいです。
 ありがとうございました。 

長野県知事 阿部守一
 猪又さんどうもありがとうございました。
 長野県は誰にでも居場所と出番がある信州を作ろうということで取り組みを進めていますので、ぜひ、多くの皆さんにこのマークの意味をご理解いただいて、サポートされたり、サポートしたり、そうした温かい人間関係がいろいろなところで見られる、そうした県にしていきたいと思っています。
 県民の皆さま方にはこのヘルプマークを町で見かけた際には、ぜひお声掛けいただき、困っていることがないかをお伺いいただき、配慮、支援を行っていただければありがたいと思っています。
 私の方からは以上です。

 

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3 ヘルプマークの普及について

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 ヘルプマーク自体は平成24年に東京都が作り、まず東京、そして全国に広がって、担当課に伺ったところ、少なくとも25以上の都道府県で、もう普及しているということですが、長野県においては、たしか長和町かどこかがやっていらっしゃって、ここで24年から6年が経った今は平成30年なわけですけれども、6年経ってやっと長野県でもやろうと思ったその大きな理由、そして、これまで県でやろうと考えたことがなかったのか、その辺りを教えていただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 これはもっと早くやるべきだったかもしれません。先ほど申し上げたように、多くの皆さま方からこのヘルプマークを長野県でも導入していく必要があるというご要請をいただきましたので、当初予算に計上して、普及していこうと進めているものです。
 これは形だけやっても仕方ないので、本気で広げていかなければいけないと思っていますけれども、それには、県民の皆さまのご理解とご協力が必要ですので、ぜひ、メディアの皆さま方にも、このヘルプマークの普及には、格別のご協力をいただければありがたいと思っています。

朝日新聞 鶴信吾 氏
 ヘルプマークの配付の対象の方の基準なのですけれども、特に手帳とかは必要ないということでよろしいでしょうか。どういう基準で配布されるのかを教えていただきたいです。

障がい者支援課長 浅岡龍光
 ヘルプマークの配布の対象者ですけれども、手帳の所持とかそういったことは特に必要としていません。先ほどご説明もありましたけれども、外見からは分かりにくい、それから、困っていることがあるという方で、配慮とか援助が必要だということを希望する方が対象と考えています。

朝日新聞 鶴信吾 氏
 それは市町村の福祉担当窓口の方ですとか保健福祉事務所の方が判断されて渡されるということでよろしいでしょうか。

障がい者支援課長 浅岡龍光
 配布窓口は県の保健福祉事務所と、それから市町村の福祉担当の窓口にお願いしていまして、そこで希望者が窓口においでになったときに、その希望者の方にお配りするというかたちです。

長野放送(NBS) 中村明子 氏
 猪又さんにお伺いしたいのですが、猪又さんご自身のことで、先天性の心疾患ということですが、日頃どのような症状でお困りになることがあるのかということと、先ほど知事もおっしゃっていたのですが、当事者の方からもヘルプマーク要望の声があったということですが、周りでどのような声があったのか、欲しいねという声が身近にあったのかどうかお伺いしたいです。

ヘルプマークの普及に取り組む当事者 猪又竜 氏
 私は生まれつきの心臓病の患者なので、簡単に先天性の心疾患がどのようなものかご説明すると、手足に重りが付いている状態で生活しているというイメージを持ってください。なので、例えば皆さんが1時間デスクワークをするのと、私が1時間デスクワークするのでは、疲れの度合いがすごく違うのです。
 そのような体力のない、疲れやすい体であるというイメージを持っていただいていいのですけれども、やはりそのような生活をしているので、先ほど申しましたように、電車内ではやはり席を譲ってもらえないというとてもイメージしやすい事例があります。例えば、スーパーとか、高速のパーキングでも、障がい者スペースのところに私が駐車すると、運転席から出てきた私は健康そうな人間なので、やはり白い目で見られがち。そういう話をやはりよく聞きます。患者仲間からも聞きますね。
 そういうときにヘルプマークを身につけているかいないかで、そのように見られてしまう可能性はだいぶ低くなるのではないかなと思っています。

 

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4 平成29年度の一般会計決算見込みについて

日本経済新聞 佐伯遼 氏
 先ほど平成29年度の一般会計の決算見込みが出たと思うのですが、歳出が2年連続の前年比減ということで、改めて今の県の財政が抱える課題、これからの課題を教えていただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 財政運営の観点からいくと一番大きな課題は、社会保障関係経費が年々増加していくということだと思っています。そういうなかで骨太の方針では、今日の提案説明で申し上げましたけれども、今年度の地財計画の水準を維持していこうという方向性が出たことが、一定程度私どもとしての要望を取り入れていただいたものと感謝しています。しかしながら、相当いろいろなやりくりをしながら財政運営をしていかなければ、持続可能な財政になっていかないと思いますので、引き続き歳入歳出両面にわたる改革、努力をしていかなければいけないと思っています。

 

 

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5 御嶽山に設置している地震計の撤去について

信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
 御嶽山の山頂付近に設置した地震計を県が撤去する方針ということで、昨日、犠牲者の遺族や被災者らにご説明されたところ、いろいろな意見が出たと伺っているのですが、県としては、方針どおり撤去するということなのか、もう少し再検討するのか、今どのようなお考えか教えていただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 詳細な状況の報告は受けていないのであまり的確ではないかもしれませんけれども、建設部から必要性がもう無くなってきているとご説明して、撤去に対する理解を求めさせていただいたところ、そのことに対しての反対のご意見をいただいたと聞いています。この問題は、御嶽山の噴火災害でご親族の方々を亡くされた方のお気持ちというものもあると思いますので、建設部から状況を伺わなければいけないと思いますけれども、いたずらにわれわれの考えを押し付けるということではなく、関係の皆さま方の思いも受け止めさせていただくなかで対応を考えていきたいと思います。

 

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6 特別職等の給与報酬について

読売新聞 丸山修 氏
 本日6月議会が開会いたしまして、知事を含めた特別職の給料報酬についての条例案が提出されたところですが、知事の給料を大胆に変更するというのはなかなか難しいことではあるかとは思いますが、知事ご自身として、現在と8月以降予定されているご自身の給料とそれに対するご自身の職責あるいはこれまでに挙げてきた成果が見合ったものとお考えでしょうか。そのあたりについての見解を教えてください。

長野県知事 阿部守一
 これは私が自分で評価をしてしまってはいけないのではないかと思うところもあるので、特別職報酬審議会の答申を尊重させていただくかたちで条例案をまとめさせていただいています。
 私のことでいうと若干問題があるかもしれませんけれども、一般論として、われわれ公務員は県民の皆さま方からご負担いただいている税金で仕事をさせていただいているわけですので、やはりそれに見合った仕事ができているかということは常に考えなければいけないと思っています。これからも私も含めて県職員全体がいただいている給与水準にしっかりと見合った仕事をして成果を挙げていくということが重要だと思っています。もちろん私自身も知事として取り組んでいきたいと思っています。

読売新聞 丸山修 氏
 
給料や報酬という件につきましては、例えば県関係機関などで、例えば県立大学などで全国から優秀な人材を引っ張ってこなくてはいけないということも今後も県政の課題であり続けていくかと思いますが、そうした場合、給料報酬については戦略的な、従来の考えに縛られない設定の仕方というのも、時によっては検討の必要性があるのかなと思いますけど、その辺り知事としては、公的な職にある人のトップを含めた報酬についてどのようにお考えか、一般的ではありますが教えてください。

長野県知事 阿部守一
 
この特別職の報酬とかトップの報酬とはちょっと違う観点で私が問題意識をもっていますのは、今お話にありましたように、人口減少社会の中で、これからますますいろんな分野で優秀な人材の獲得競争になってくるだろうと思います。
 そういう中で私ども地方公共団体は地方公務員法の、私が自治省にいたときはどちらかというと地方公務員法をしっかり守ってくれと各地方団体にお願いをしていた立場ですけれども、地域の民間準拠、それから国家公務員準拠ということが基本に据えられて給与体系が定まっているわけです。ただ、これから未来に向けて、全国画一的横並びみたいな話でいいのかどうかということは、少し今後は考えていかなければいけない部分もあるのではないかと率直に思っています。
 どうしても、人事、給与のところは、かなりその職員のモチベーションあげたりとか、優秀な人材確保したりということでは、戦略的に重要な分野でありますが、ただこの分野は国家公務員制度に準ずるということでずっと来ていますので、これからの将来の地方自治制度のあり方としては、より踏み込んで検討していかなければいけない分野の一つではないかと、私としては思っています。

 

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7 SDGs(エスディージーズ/国連が定めた持続可能な開発目標)の取り組みについて

読売新聞 丸山修 氏
 
SDGs(エスディージーズ/国連が定めた持続可能な開発目標)につきまして、先日県は国の方から未来都市として認定を受けましたが、SGDsにつきましては総合5か年計画の中ではまだ印象としては抽象的であって、県行政としてこれまで出してきた方向性にSDGsの各目標を紐付けした程度かなというような印象も受けますけれども、今後いろいろな事業が具体化していく中で、SDGs的な発想でどう新規の取り組みを行っていくかとか、あるいは既存の課題にどういった大胆なアプローチが可能と考えているか、その辺り知事の現在の考えを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 
一つは、関東経済産業局と一緒にコンソーシアムを立ち上げて、この経済の立場でSDGsを使っていこうと思っています。
 例えば、長野県はいろいろな社会的な課題がたくさんあります。環境問題であったり、あるいは貧困とか格差の問題であったり。そうした課題はやはりビジネスの視点で解決していく。経済、社会、環境を統合的に解決していくというSDGsの理念にかなう方向性ですので、まずは産業面、経済面からそうした取り組みを関東経済産業局とか経済界とも連携してしっかり行っていきたいと思います。
 それから、例えば今日も観光戦略推進本部を開催しましたけれども、もはや、県が行っているほとんどの分野は、単独の部局だけでは完結し得ない。もちろん粛々とやれば完結しますけれども、本来の大元までさかのぼったときに、例えば観光振興をどうするかとか、あるいは、地域の活性をどうするかとか、あるいはAI(エーアイ/人工知能)、IoT(アイオーティ―/モノのインターネット)の普及についても産業労働部だけでなくて林務、農政、他の部局も関係してくるので、単独の部局では完結し得ないことばかりです。
 そういう際に、やはりわれわれが仕事をする際にも、一つの視点だけではなくて環境面から見たらどうか、社会面から見たらどうか、そういうことで通常の仕事に組み入れていくと、そういうことも重要だと思っています。
 SDGs未来都市に長野県を選定いただいたので、今後、組織の中で普及していきたいと思います。

 

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8 連合長野との意見交換について

朝日新聞 岡林佐和 氏
 
昨日、連合長野さんと意見交換と政策協定を結ばれたと思います。連合長野からは、組合員さんから阿部県政、この間の県政をどのように評価するかということについてアンケートを行って、400くらいですかね、率直な声が載った冊子を作って知事にお渡しになったと聞いています。
 4年前も同じことをされたそうですが、4年前に比べて今回どちらかというとちょっと厳しめの声が多くなったと聞いているのですけれども、まだご覧になっていないかもしれませんが、知事としてはどんなことが印象に残ったか、どんな印象をお持ちになったか教えてください。 

長野県知事 阿部守一
 私もざっとその場で目を通させていただいていますのでお答え申し上げると、まず一つは、そこの場の意見交換でも多くの皆さんの声として出ていたのが、もっと意見交換する機会、私が対話する機会をもっと増やすべきだというご意見をいただきました。私としてはそんなに機会をつくらないつもりはなかったのですけれども、ただそういうかたちで映っているのだなと痛感しましたので、定期的な対話をしていくように心がけていかなければいけないと思っています。
 それからもう一点は、いろいろな分野にまたがってご意見をいただいていますけれども、特に連合の皆さんは特に関心が深いからという部分もあると思いますけれども、産業であったり雇用であったり、こうしたところに対しての評価が他と比べると厳しいと私は受け止めております。これは率直に申し上げて、われわれがさらに努力しなければいけないのではないかと思っていますので、今、政策検討中ですけれども、産業振興の問題であったり、あるいは雇用の促進の問題であったり、あるいは働き方改革の問題であったり、こうしたところについてはより踏み込んだ対応を考えていかなければいけないなと思っています。

朝日新聞 岡林佐和 氏
 昨日、連合長野の中山会長ですけれども、こういった件について報道の対応をしていただく場所がありました。その場で中山会長ご自身は阿部県政をどう評価されていますかという話になりまして、中山会長ご自身は、弱者視点を非常に持っているというそこが当初から変わらないところを非常に評価したいとまずおっしゃっていました。
 その上で二点気になるなというようなこともおっしゃっていました。一つは、行政の手法に関してですけれども、審議会ですとか有識者をまず集めて皆さまのご意見を伺うというような手法が非常に多いのだけれども、知事自身のリーダーシップがあまり見えないと、官僚的なところがあるのではないかということが一つ。二つ目は、前回の知事選から共産党を除くオール与党の支援体制となったことで、今日県議会が開会しましたけれども、県議会と知事との関係というところで緊張感が希薄になってきているのではないかと懸念としておっしゃっていました。この2点に関して知事はどうお考えになりますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず、1点目については、中山会長の感覚と私は同じことを見ていて受け止めが違うと思うのですけれども、県としての意見をもっとはっきり言わなければいけないというところがあると思います。
 私は、自分が出ているところでは自分の意見を、今日も観光戦略推進本部では相当言っているつもりです。ただ、どうしても全ての会合に私が出ているわけではないので、県側として責任ある立場の人間が自分の意見をしっかり言っていくということが必要なのだろうと私は思っています。
 審議会のあり方というのも、コンセンサスをとる場としての審議会と、それからいろいろなアイディアをどんどん出していく、そういう場と両方あり得るわけでありまして、そこのところの感覚的な分けができずにベタで対応している感はあるので、そこは県の仕事の仕方としては改善すべき点ではないかなと思います。
 それから県議会との関係は、今日はちょうど県議会が開会したわけでありますけれども、少なくとも私の側から見て県議会との緊張関係がなくなっているということは全くないと思っています。私はいつも県議会の前には、提出する議案についても神経を使わせていただいていますし、もちろん提案説明を自分自身が練り上げるに当たっても、最初に知事に就任したときから相当時間をかけて私自身が作文しています。そういう意味で県議会の間の緊張関係がなくなっているということは全くないです。ただ、多くの政策を進めるに当たって、賛成してもらわなければ、少なくとも県議会にかける予算であったり条例案であったり、こうしたものについては私の主張を単に言うだけでは世の中動きません。われわれの思い、私の思いを伝えながらも、いろいろな皆さんのお考えというものを聞かせていただく中で、方向性を見出していかなければいけない、これが私がやらなければいけないことだと思っています。単にこうあるべきだからこれでやりましょうということでは世の中は良くならないと私は思っていますので、そういう意味で丁寧な対応はこれからもしっかり行っていきたいと思っています。ただ、私自身の考えとか思いというのはこれまでも相当言ってきているつもりです。まだ弱いのだろうと思うのですけれども、例えば子どもを性被害から守る条例も、いろいろな反対のご意見をこの場でもいただきましたけれども、それでも成立させてきたわけですので、これからも私自身はいろんな課題に決して逃げることなく正面からしっかり向き合っていきたいと思っています。

 

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9 大阪府北部の地震を受けたブロック塀等の安全対策について

中日新聞 今井智文 氏
 大阪であった地震とブロック塀の件ですけれども、先ほども県議会の方で県民の皆さまに早急な点検を注意喚起していくというお話がありましたけれども、その辺はせっかくこの会見の場でもありますし、県民に訴えることはございますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね、すいません、会見でちゃんとわれわれの方から申し上げなければいけなかったと思います。
 先ほど提案説明で申し上げたように、まず教育委員会のサイドでは、通学路それから学校敷地内のブロック塀の安全対策についてしっかり確認してもらうように市町村にお願いをさせていただいているところです。点検のポイント等も各市町村の教育委員会にお示しさせていただいて取り組んでいただきたいお願いをしています。それから建設部のサイドでは、ブロック塀の安全点検をお願いしますということで、ホームページやチラシ等を通じて、構造基準であったり、あるいは簡易な点検方法等について周知をしていきたいと思っていますし、また建設事務所等でブロック塀の安全性の相談窓口を設けていますので、不安や疑問がある方はそうしたところにぜひお問い合わせをいただければと思っています。
 このことについてはプレスリリースしているので、ぜひメディアの皆さんからも呼び掛けていただいて、ブロック塀自体が全て確認申請審査をしなければいけないというような状況になってないわけでありますので、それぞれの地域でその安全性の対策、確保を講じていただきたいと思っています。

 

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10 信州まつもと空港の国際化について

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 今日の県会の冒頭でも述べられていましたが、松本空港についてさらにインバウンド促進のためにさまざまな手を打たれて国際化を目指しているわけですが、改めて、県が目指している松本空港の国際化というのは国際チャーター便がたくさん来ることなのか、それよりさらに上を行く国際線の定期便が来ることなのか、どちらをイメージされていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これはわれわれが、「信州まつもと空港の発展・国際化に向けた取組方針」に掲げているように、まずはチャーター便を増やして定着させて、その先には定期便を就航させたいと考えています。

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 そうなりますと、まずはチャーター便を着実に増やしながらなのですけれども、東京五輪ですとかいろいろなイベントもありまして、できれば国際線も早い方がいいと思うのですが、松本空港、滑走路も2000m1本で、CIQ(シーアイキュー/税関・出入国管理・検疫)とかそういうのも出張してきてもらっていると思うのですけれども、あのターミナルですとまだそういう施設も不十分でもあるし、滑走路が2000mで標高680mの高地にあると、松本空港ですからLCC(エルシーシー/格安航空会社)なんかが興味を持つ可能性はあるのですが、あの滑走路だとLCCの主力のエアバスのA320の離着陸にちょっと難があるかなということで、将来的にはターミナルの増床、滑走路の延伸、その辺りももうすでに頭の中に描いていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 松本空港自体が非常に高地に存在しているので、単純に滑走路を伸ばせばどんどん飛行機の離着陸が容易になるというような簡単な状況ではないので、そのこと自体は、私はもちろん松本空港を活性化した方がいいと思っていますけども、あまり単純な話ではないということがまずあります。
 ただ、お話いただいたようにこれからチャーター便等を増やしていくときには、空港施設のあり方というのは現状ではいろいろな課題があるということも事実ですので、そこのところはチャーター便の就航状況等をにらみ合わせる中でしっかりと考えていきたいと思っています。

長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。

 

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