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更新日:2019年3月15日
長野県知事 阿部守一
皆さんこんにちは。今から会見を開きます。よろしくお願いいたします。(手話で表現)
私からは、今日は冒頭4点お話を申し上げたいと思います。
まず1点目でありますが、中央アルプス県立公園、今は県立公園ですが、国定公園化についてです。お手元にプレスリリース資料をお配りしていると思いますけれども、中央アルプス県立公園の国定公園化に向けて、国定公園計画の長野県案を決定しましたので、発表させていただきました。今後の手続きは、3月19日(火曜日)に県の環境審議会に、国定公園化を前提として県立公園の指定解除、公園計画の廃止について諮問させていただき、その答申を得た後に、環境省に対して国定公園化を申し入れていきたいと考えています。
私どもとしては、県立公園が単に国定公園になるということではいけないと思っていまして、国定公園化を契機に中央アルプスの保全と活用の両面をしっかり充実をさせていくことが必要だと思っています。そうした観点で皆さま方には資料の2でお配りしているかと思いますけれども、「中央アルプス・セミナショナルパーク構想」をこの度取りまとめさせていただきました。これにつきましては、地元の市町村、あるいはDMO(ディーエムオー/観光振興を官民一体で進める地域組織)、そして庁内の関係課で検討した上で、方向性を構想としてまとめているものです。資料2をご覧いただきますと、国定公園化を契機として、私どもとしてはこの中央アルプス、これまで以上に保護と利活用の両面の強化をしていきたいと思っています。資料の1ページ目の左下のところに、赤い字で三つ書いてありますが、これがわれわれの大きな方向性です。一つは自然環境を保護しつつ、持続的な利活用を推進していきたいと、サスティナブル・ツーリズムを進めていきたいと思っています。また、安全安心に楽しめる貴重な自然体験の場としての質的な向上を図っていきたいと考えています。加えて、誰もが訪れやすく、より身近で魅力的な自然公園を実現しますということで、現在でも中央アルプスは、ロープウェイ等で比較的気軽に訪れていただくことができるわけですけれども、外国人あるいは障がい者、高齢者、こうした方々にもアクセスしやすい公園を目指していきたいと思っています。
こうした取り組みを具体化していく上では、地元の皆さま方の協力が不可欠ですので、市町村、地元のDMO関係の皆さま方と一緒に取り組んでいきたいと思っています。また、自然保護強化をしつつ、公園全体の利活用を促進する観点から民間の資本も活用しながら、施設整備を進めていけるようにしたいと思っています。併せまして、交通アクセスの改善にも努めてまいります。
まだ環境省に国定公園として認めていただく前段階ではありますけれども、今のうちからこうした方向性を打ち出させていただいて、関係者の皆さま方と一緒にこの中央アルプスの保全と活用をしっかり進めていきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから大きな2点目ですが、「春の山火事予防特別強化月間」についてです。ご存知のとおり春は山火事が多く発生する期間です。例年3月1日から5月31日まで、「春の山火事予防運動期間」という形で取り組ませていただいているところです。
こうした中で、すでにプレスリリースさせていただいていますが、3月12日から4月11日までの1カ月間、「春の山火事予防特別強化月間」という形で、山火事予防のパトロール、啓発活動の強化を図っているところです。関係部局が連携して山沿いの田畑等でのたき火や土手焼き等の火の管理、あるいはハイキングや山菜採り等の入山者、墓参者に対する呼びかけ、パトロールの強化、チラシやのぼり旗等の啓発物品の活用等で注意喚起をしているところです。
後ほどお話ししますが、3月19日には上田地域で「しあわせ信州移動知事室」がありますので、上田市で実施されます山火事予防パレードに私も参加させていただいて住民の皆さま方への呼びかけを行いたいと思っています。
メディアの皆さま方には、特に県民の皆さま方に山火事が起きないよう呼びかけすることに、ぜひご協力いただければと思っています。特に4点申し上げますが、一つは強風及び乾燥時には野焼きやたき火はしないでいただきたい。二つ目として野焼きやたき火を行う際には、消火の備えをしていただきたい。3点目は、火から離れるときは必ず消火の確認をしていただきたいこと。4点目として墓参りのロウソク、線香の火の管理を徹底していただきたいこと。こうしたことを通じて、山火事が起きないように県民の皆さま方にご協力いただきたいと思っています。
3月18日は彼岸の入りでもありまして、線香、ロウソクの火の取り扱いにも例年以上にご注意いただきたいと思っています。どうかメディアの皆さま方にも注意喚起についてご協力いただければありがたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
長野県知事 阿部守一
それから大きな3点目ですが、「しあわせ信州移動知事室」の実施についてです。プレスリリース資料をお配りしているかと思いますが、3月18日、19日の2日間、上田地域で行いたいと思っています。
今年度に入ってから5回目の実施ですが、県政ランチミーティングにおける共生社会に向けた取り組みについての意見交換、あるいは健康経営についての企業における対話等を行っていきたいと思っています。
日程等は資料をご覧いただければと思いますが、地域の皆さまから出ている意見等を私もしっかりと受け止めさせていただいて、地域振興局と一緒になって課題の解決あるいは具現化に取り組んでいきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから最後4点目でありますが、「信州花フェスタ2019」についてです。今日は、花フェスタについて2点お伝えしたいと思います。
まず1点目が、信州花フェスタの公式ガイドブックができたということです。先日、鉄拳さんのイラストポスターを発表させていただいたわけですけれども、今回のガイドブックの表紙はそれと同じものを使わせていただいています。このガイドブックはメイン会場の各ゾーンのご紹介、ご覧いただける花の紹介、各会場で行われる主なイベントの案内等、信州花フェスタの見どころ、魅力が詰まった1冊です。県内外で3月18日以降、順次設置していきたいと思っていますが、コンビニエンスストアや園芸店、ホテル、旅館、観光案内所等に加えまして、銀座NAGANOあるいは首都圏や中京圏、北陸エリアの主要駅等に設置したいと思っています。
一人でも多くの方に手に取っていただいて、花フェスタにお越しいただければと思っています。
それから花フェスタに関連してもう一点ですが、日本語の美しい話し方教室の参加者募集です。これは劇団四季による教室です。劇団四季と長野県の繋がりはご存知の通り、劇団四季の創設者の1人であります故浅利慶太氏が長野オリンピックの総合プロデューサーを務めていただいたことがきっかけです。
劇団四季の記念館は、今回の花フェスタのサブ会場になる大町市にありまして、そうした縁から私も直接お願いをさせていただく中でフェアにご協力いただいているところです。お手元にチラシをお配りしているかと思いますけれども、メイン会場で、4月25日から5月19日に劇団四季展を開催させていただきますが、それと併せまして4月28日には劇団四季の俳優による美しい日本語の話し方教室を開催したいと思っています。この教室は劇団四季が65年を超える歴史の中で培ってこられた独自のノウハウを用いて、自分の気持ちをしっかりと相手に伝えられる話し方を分かりやすく学ぶというものです。講座は午前と午後1回ずつ、定員は各先着50名となっています。参加費は無料で申し込み締め切りは3月26日となっています。既に申し込まれている方もいらっしゃいますが、ぜひ多くの皆さま方に応募いただければと思っています。
全国各地でこれまでも開催してきていますが、県内においては、児童向けには初めての開催ということですし、現役で活躍されているプロの俳優の方から実践的な話し方を学ぶ貴重な機会だと思っています。多くの皆さまにご参加いただければと思っています。
私からは以上です。よろしくお願いします。
時事通信 真勢春海 氏
4月から5月の10連休に関してお伺いしたいのですけれども、10日間の連休ということで、いろいろな面で対応が必要だと思うのですけれども、県の対応について医療の点等、今考えられていることを教えてください。
長野県知事 阿部守一
今回、天皇陛下のご即位等にあわせて大型連休があります。県としても、県民の皆さま方の生活に支障が出ないように対応していくことが必要だと思っています。関係課が集まって、国からも対応を求められている部分ですので、対応方策を検討させていただいているところです。日常生活の安全安心の側面であったり、あるいは医療の観点であったり、あるいは保育子育ての観点であったり、幅広い分野での対応が必要になってきますので、県としても、大型連休を県民の皆さま方の生活に大きな支障が生じないように対応していきたいと思っています。今、関係課で集まって対応を検討していますので、そうした状況等をまた改めてお伝えしたいと思います。
時事通信 真勢春海 氏
別件になりますけれども、花フェスタの関係で、発信側の県にとっては重要になっていると思うのですけども、先日もポスターを発表になりまして、広報とか周知の状況についての認識と、ポスターとかガイドブックへの期待と、花フェスタ自体への期待について教えてください。
長野県知事 阿部守一
花フェスタ自身は鋭意準備作業をして最終段階に来ていますけれども、お話があったように、多くの人たちに訪れていただけるようにしっかりアピールしていくことが重要だと思っています。
先ほどお話したガイドブックもその一環ですけれども、地元の市町村であったり、県内の関係者の皆さま方のご協力と、それから、観光関係、旅行関係の皆さま方にもわれわれから働きかけさせていただいて、花フェスタを組み入れた旅行商品等も造成していただいていますので、開催に向けて徐々に盛り上がっていくものと思っています。もう3月の中旬ですから、開幕まで残すところあと1カ月ほどですので、ぜひメディアの皆さま方にもご協力いただきたいと思いますし、われわれも引き続き、この機運が高まるように取り組んでいきたいと思っています。
時事通信 真勢春海 氏
県の幹部人事に関して考えられる時期だと思うのですけれども、3期目に入られて総合計画の推進とか、女性の活躍とか、どういった点に重点を置かれて考えられているのか教えてください。
長野県知事 阿部守一
いろいろな分野があるので、端的に言えば適材適所で考えるということに尽きると思いますけれども、それぞれの部局に重要なテーマとか課題がありますので、そういう課題をしっかり解決して推進していくことができるような体制を作っていきたいと思っています。
日本経済新聞 佐伯遼 氏
中央アルプスの国定公園化に関して、1点お伺いします。いろいろな観光面での波及効果というのは想定できると思うのですが、知事が最も期待する観光面での効果を教えていただけますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
本県は北アルプス、南アルプス、中央アルプスがあって、北と南は今までも国立公園になっていたわけですが、中央アルプスは県立公園ということで、例えば地図上の表記等も、少し弱い部分が率直に言ってあったと思っています。ただ、今回の資料にも中央アルプスに関連するいろいろな資源をあげさせていただいていますけれども、自然環境の美しさであったり、自然の価値であったり、非常に重要なものがたくさんあると思っています。そういう意味で今回の国定公園化を契機として、こうした価値をしっかり発信していきたいと思っています。とりわけ伊那谷、あるいは木曽地域は、リニア中央新幹線の整備を控えている地域でして、いろいろな意味で地域の変化が大きく起きていく地域だと思います。そういう中で中央アルプスの国定公園化も、一つは観光の振興を通じて、環境はしっかり守らなければいけませんけれども、先ほど申し上げたように高齢者の方や障がい者の方等いろいろな方がアクセスしやすい環境をつくることによって、観光地としての魅力をアップさせていきたいと思いますし、またそうした中央アルプスの資源を生かしたいろいろな地域づくり、周辺への波及効果も含めてしっかり発揮できるように取り組んでいきたいと思っています。
日本経済新聞 佐伯遼 氏
県内の景気に関してお伺いしたいのですが、先般、長野財務事務所が発表した法人企業景気予測調査において、製造業の景況判断指数(BSI/ビ―エスアイ)がアベノミクスが始まる以前の水準まで落ち込んでいます。米中貿易摩擦だったり、最近だとイギリスのEU離脱の問題だったり、海外情勢の不透明感がかなり強まっていると思うのですが、改めて今の県内の景気のご認識はどのようになっていますか。
長野県知事 阿部守一
県の景気動向調査によりましても、製造業全体の業況DIが2期連続でマイナス水準になっています。ただ、他方で自動車向けの製品部品等は引き続き堅調な状況ということです。さまざまな見方があると思いますけれども、ひところに比べると、米中貿易摩擦の影響等が出つつある、あるいは将来的にそのような影響が出てくるのではないかということで、そうした懸念が増えていることは事実ではないかと思っています。
米中間における追加関税は先日延期になり、国際環境は日々変わっている状況ですので、企業の皆さんの声をしっかり伺いながら、われわれとしては景気動向をしっかり注視していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
中央アルプスのことで、補足でお聞きしたいのですが、先ほど知事がおっしゃったアクセスしやすい環境をつくるということは、二次交通であるとか、道路の整備であるとか、そういうことに県としても積極的に関わっていくという解釈でよいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
リニアバレー構想を進める中で、さまざまな道路整備を今も取り組ませていただいているところですし、まさに中央アルプスは新しいリニア時代における、伊那谷あるいは木曽地域における大きな観光資源になってくるわけですので、そうしたアクセスの改善については県としてしっかり取り組んでいきたいと思っています。
それから、県でもユニバーサルツーリズムを進めています。これは中央アルプスに限らないですけれども、国定公園化することを契機に、ぜひ多くの皆さんにアクセスしやすいような、道路を整備するというようなことだけではなくて、ソフト面での対応も含めて多くの人に訪れていただけるような中央アルプスにしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
バスケットボールB2リーグの信州ブレイブウォリアーズの件ですが、先日B1リーグのライセンスの申請が不受理になったということなのですけれども、リーグとすると6月末時点で債務超過があってはいけないという規則の改訂を行ったということで、ブレイブウォリアーズの運営会社は、年末には不受理の結果が出てたいたのですけれども、長野市と千曲市に本部の移転について、それを伏せた状態で協議をしていたと。このことについては不誠実だったのではないかという批判も出ているのですけれども、ただ、地方の都市でバスケットボールのチームを運営していくのはなかなか厳しいものがあるとは思うのですが、この件について知事のご所見をお伺いできたらと思います。
長野県知事 阿部守一
先日、松本でのブレイブウォリアーズの試合を私も応援をさせいただいて、非常に多くの観客の皆さん、ブースターが来て、盛り上がったなと思っています。
スポーツで長野県を元気にしていきたいと思っていますので、チーム運営はいろいろな課題があると思いますけれども、ぜひ地域の皆さんの協力、あるいは企業の皆さんの協力を広く得ながら、発展させていただきたいと思います。
チームの成績自体も今は非常に好調で快進撃中という状況ですので、私としては引き続きしっかり応援していきたいと思っています。
それと同時に、いろいろなプロスポーツチームが出てきている中で、私の思いとしては、いろいろ地方創生の動きなどがあるなかで、やはりスポーツチームが地域で活躍する、発展するということは、地域が元気になる大きな原動力だと思っています。
またそういう中で、例えば、いろいろなスポーツが1部に上がるときのいろいろな基準があって、もちろん必要な部分もあるのだろうと思いますけれども、例えば、東京とか横浜とかのような人口が集中している大都市におけるチームと、本県のような地方都市におけるチームに同じような水準の要求があるという部分は、これは私としてはぜひ実情を勘案した上で基準を作っていただけるといいのではないかと思っています。例えば、何人入るスタジアムが必要かという話はよく出てくる話ですけれども、私は横浜市にいたのですが今は人口は400万人近い、県よりも規模が大きい人口を抱えているところですから、立派な競技場も、財政的にも、ある程度余力があるとまで言いませんけれども、つくる力は自治体としても持っているし、あるいはいろいろな企業、最近話題になっているみなとみらいの日産のグローバル本社をはじめとして有力な企業がたくさんあるわけで、スポンサーも集めやすい環境でもあります。ぜひ日本全体でスポーツを振興させていこうと考えたときには、各リーグにおいても、そうした地域を元気にする視点、地域の実情をどう勘案するかという視点は持っていただけるとありがたいなと思っています。
信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
学校の先生の不祥事関係なのですけれども、今週もまた残念な発表が一つありまして、前伊藤学司教育長の頃から再発防止策は一生懸命やってこられた中で、どうしても後を絶たないと。障がいがある人に教員という立場で、特に特別支援学校でわいせつな事案が起きるというのは、その状況が今一つ明らかにならないのでどういう状況だったのかというのはなかなか分からないのですが、深刻だなと重大な事案だなと受け止めています。
再発防止は現教育委員会も一生懸命やってらっしゃると思うのですが、現状知事としてどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まず教員の不祥事については、われわれも問題をしっかり受け止めていかなければいけないと思いますし、こうした不祥事が起きないように、教育委員会にはしっかり取り組んでもらいたいと思っています。
私が聞いているところでは、情報公開のあり方等については、弁護士、臨床心理士、あるいは情報公開の専門家の方々を構成員として、わいせつ行為根絶検討委員会(仮称)なるものを作って、検証であったり、情報公開のあり方について検討していきたいということですので、そこでの取り組みの内容が多くの皆さんの理解を得られるようなものになることを期待しているところです。
中日新聞 我那覇圭 氏
中央アルプスの国定公園化の関係でいくつかお尋ねしたいのですが、先ほど利活用を推進していきたいとおっしゃっていて、これまで出ている話は観光振興の側面が強かったかと思うのですけれども、一方で、自然保護も目的にされていると思うのですが、そういった観点からどのような利活用を考えていらっしゃるのか、お考えを聞かせていただいてもよろしいですか。
保護について、例えば、自然教育の場として使ったりとか、観光振興という側面ではない形での活用というのはどのようなことを考えてらっしゃるのですか。
長野県知事 阿部守一
中央アルプス県立公園を国定公園に移ることの一つのメリットは、特別保護地区を設定することができることです。千畳敷カール等、希少な地形がある中央アルプスですので、そうしたものについてはしっかり守っていかなければいけないと思っています。守ると同時に、先ほど申し上げたように、サスティナブル・ツーリズムということで、自然環境を守りながらそうした自然の環境であったり地形であったり、こうしたものに触れていただくようにしていきたいと思っていますので、保護と利活用というのは相反する部分もありますけれども、保護のための保護であってはいけないと思っていますので、そうした保護をしつつも多くの皆さんに楽しんでいただけるような、あるいは先ほどお話があったように学びの場として活用をしていくような整備を図っていきたいと思っています。
中日新聞 我那覇圭 氏
冒頭のご説明で民間手法も活用して施設整備をとおっしゃっていたのですが、これは例えばどういうことをお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
資料1で国定公園化の資料をお配りしていると思いますけれども、2枚目に事業計画が書いてあると思います。保護施設計画であったり利用施設計画であったりということが記載されていますけれども、こうした部分について、例えばいろいろなものを全部行政がやるということだけではなくて、民間活力を利用しながら整備していくという観点も視野に入れながら取り組んでいきたいと思っています。これは、先日の県議会でも、例えば水辺環境の利活用について議論があったわけですけれども、国定公園化していただく中央アルプスだけではなくて、長野県はいろいろな自然環境があるわけですけれども、魅力ある地域にしていくという上では、やはり民間の皆さんが投資をしていただくことも必要だと思っていますので、そうした観点から中央アルプス国定公園の施設整備についても、単に行政だけで民間の皆さんを排除するということではなくて、民間資本を導入することも含めて考えていきたいと思っています。
中日新聞 我那覇圭 氏
まもなく統一地方選挙、前半戦の県議選が迫ってきていますけれども、投票率の関係について伺いたいと思います。この間、昨年の県知事選も含めて最近の選挙は、県内は投票率がふるわない状況が続いているのですけれども、投票率を上げることの意義と、選挙管理委員会でも今回いろいろと18歳選挙権も視野に入れていろいろな新しい取り組みをやっているようですが、どういったところに特に県としては力を入れていきたいかお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
やはり国民主権ですから、主権者としての国民あるいは県民の皆さんが政治に関心を持っていただいて、1人でも多くの方が選挙権を行使いただくのは、今の日本という国の成り立ちの基本だと思います。
私は選挙で投票していただく側ですけれども、やはり多くの皆さんに関心を持っていただくことが、ある意味私のように選挙で選ばれる立場の人間にとっては、強いモチベーションのもとにもなるわけですし、また逆にわれわれの取り組んでいること評価いただく、あるいは検証いただく、批判いただく、そうしたことと投票行動というのは本来一体のものだと思っていますので、そういう意味では、投票行動というのは極めて重要な行動だと思っています。
私も、ずいぶん他の県では選挙管理委員会の書記長とかやってきましたので、選挙啓発をいろいろ取り組んできました。本県の選管もいろいろ工夫して頑張っていただいているわけですけれども、やはり、私の立場からすると、日頃の行政とか県政を、より自分たちの日々の暮らしにまさに関係しているのだとしっかり分かっていただく努力をしていくことが必要なのだろうなと思っています。
そういう思いで、今回も移動知事室を行って、多くの皆さんと対話をしていきたいと思いますし、また先ほど申し上げたように、そうした対話から出てきたご意見ご要望をできるだけ県政にしっかり反映していきたいと。投票行為そのものとは必ずしもイコールではありませんけれども、日々の自分たちの暮らし、仕事が、行政、例えば県議選であれば県政と関係性が強いのだと実感いただくことが、私の立場から投票率を上げていくことに繋がるものだと思いますし、そうした思いで日々の活動をしていかなければいけないと思います。
中日新聞 我那覇圭 氏
特に、 具体的な取り組みとして何か力を入れたいことはありますか。例えばターゲットとかこういう取り組みをしたいとか。
長野県知事 阿部守一
選挙啓発自体は、私は選挙してもらう立場なので、私が直接選挙啓発やると選挙運動みたいなものと混同されてしまいますので、私が直接やるわけにはいかないですけれども、先ほど申し上げたような日々の活動で、県政を身近に感じてもらう取り組みであったり、あるいは以前もここでお話したと思いますけれども、私の後援会長が若者のための政治塾とかやっていますので、そういうところで、地方自治の話や政治の話を、若い人たちにも、これからも分かりやすく伝えていきたいなと思います。
時事通信 真勢春海 氏
統一地方選挙の話が出ましたのでそれに関連しまして、前回の会見で、統一地方選挙の対応について、個人的によく知っている方が出られた場合に応援することもあり得なくはないと思っていますけども今のところそうした予定はありません、というお話があったのですが、これは総務省時代の繋がりとか他県の知事選とかのお話をされているのでしょうか。福井県とかですと、西川さんと杉本さんとか、島根県でも総務省の。
長野県知事 阿部守一
皆さんはよく存じ上げていますけれども、今のところ私が応援に行くということは考えていません。
日本放送協会(NHK) 田中顕一 氏
去年7月の大雨で、村道が崩落した王滝村の地区で、今日、村の避難指示が解除されまして、復旧工事に関わった県としては何かコメントを。あとは今後の対応について何かご検討されているものがあれば教えていただけませんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
滝越地区の皆さん、長い間の避難生活になってしまいましたので、改めて私からお見舞い申し上げたいと思います。1日も早く復旧したいと要請を受けていましたし、県も、そうしたお気持ちを汲み取らせていただいて対応してきて、避難指示解除という形になってよかったなと思っています。王滝村全体も滝越地区も、人口減少の中で非常に課題は多いわけですけれども、引き続き、地域の皆さんと一緒になって、地域が元気になるようにわれわれも取り組んでいきたいと思っています。
中日新聞 渡邉陽太郎 氏
県教委の不祥事が相次いでいることについてなのですけれども、特別支援学校に関しては去年もわいせつ事案が起こりまして、そのときから報道側としては、せめてどのようなことをしてしまったのか、例えば被害者の性別を公表してほしいと要望したのですけれども、悪い言い方をすれば、子どもを守るということを金科玉条にして一切の公表を拒んでいる。ただ、いつも不祥事が起こるたびにこちらから言うのですけれども、県教委さんが検証してもずっと起こり続けている。自浄作用がないと判断するしかないのですが、他県で言えば、例えばこの前千葉県でありました、生徒をディズニーランドに連れて行ってしまった、男子生徒何歳と、個人を特定できないぐらいの段階で何をやってしまったかと性別も公表しているのですけれども、多くの県もやっています。長野県教委だけは一切やらないと。他県と比べても少し後退的で自分たちで解決できないから、公に知らせて、恥をかくことで身を引き締めることもできると思うのですけれど、それをやらない現状はよろしいのか。自浄作用があると思われるのかどうなのか、ご見解をお願いいたします。
長野県知事 阿部守一
まず先ほど申し上げたように、教育委員会でそうした公表のあり方とか検証のあり方について、改めて検討したいと聞いていますので、まずしっかり検討してもらいたいと思っています。
私はできるだけ、いろいろな情報は共有すべきだという立場に立っています。ただ子どもたちの情報については、結構センシティブな部分もあると率直に思っています。そこはどういうルールでやるべきかというのは、教育委員会の検討に任せるだけではなくて、県全体でもいろいろ考えるべきことがあると思っています。昨日も庁内で問題提起したのですけれども、男性か女性かということを平気で聞いているのですけども、LGBT(エルジービーティー/レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を並べた略称)の方々からすればやはり違和感があることは皆さんもご承知のとおりだと思います。例えば性的な行為も、男性女性間で行われるのが一般的ではあるけれど、そうではないこともあるわけです。
そうしたことも十分勘案しながら、どういう形で情報を共有するのか、あるいは広報するのか。そして、皆さんとの関係は、われわれが情報を県民の皆さんとどこまで共有するかという話ですが、私の立場でもう一つ重要なのは、そうした事案をどうやれば食い止められるのかということを、関係機関がしっかり情報共有しながら考えなければいけないこともありますので、個人情報をどの範囲で行政組織の中でも共有して、どこから先は協議しないのかということも、今よりもむしろ厳格に考えなければいけない時代になってきていると思います。特に児童虐待の問題とか、自殺の問題とか、いろいろな課題があるわけですので、そういう意味でそうしたことは、もう1回私自身考え直す必要があると思っています。
この教職員の非違行為に対する対応については教育委員会における検討をまずは待ちたいと思っていますけども、ただそれだけではなくて、私の立場としても、子どもに関わるいろいろな課題があるわけですので、それに対する対応というのは今もご指摘いただいたので、もう1回しっかり全庁的には考えていく必要があると思っています。
秘書課長 林宏行
冒頭で、時事通信の真勢様からのご質問で10連休の対応を知事から回答させていただきましたけれども、この庁内では、全庁挙げた連絡体制という協議をしているわけではなくて、各部局で対応を考えていただいて、それぞれ必要な通知等を出しているということでしたのでよろしくお願いいたします。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
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