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更新日:2019年8月30日
長野県知事 阿部守一
私からは3点お話したいと思います。まず1点目ですが、「ふるさと納税代行受付による災害時相互応援制度」の運用開始についてです。このたび9月1日から、思いを同じくしている7県で連携してこの制度をスタートさせたいと考えています。この制度は災害発生時において、ふるさと納税を活用させていただいて、被災県への寄付の促進、そして寄付受付業務の負担軽減を図るために相互に被災県へのふるさと納税を代行して受け付けるというものです。昨年の「自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク」の会合における鳥取県知事の提案を受けて検討を進めてきたものです。実際に災害が発生したときには、被災県自体は対応することがたくさんあるわけですので、寄付を受け付ける余裕がなかなかない場合もあります。そういう観点でお互いに応援し合っていこうというものです。こうした取り組みを通じて、ふるさと納税制度が健全に発展していくようにわれわれも努力していきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
2点目ですが、9月8日日曜日、長野市のエムウェーブで「ACE×食育」(エース・しょくいく)県民大会を開催したいということです。平成26年度から信州ACE(エース)プロジェクトを進めてきています。ACE(エース)は、Action、Check、Eat、この三つを重点的に取り組んで、県民運動で健康長寿の長野県づくりをさらに進めていこうという取り組みですが、これまでも健康経営の推進であったり、あるいはスーパー等にご協力いただいてのACE弁当の展開であったり、あるいは特定健診の受診率向上であったり、こうしたことに成果を着実に上げてきているところですけれども、さらに今回は健康づくりと食育をセットにして、県民の皆さまにアピールしていきたいと考えています。お笑い芸人のもう中学生さん、あるいは柔道家でタレントの篠原信一さんをはじめ、多くの皆さんのご協力をいただきながら、健康そして食育について多くの皆さんに関心を持っていただきたいと、そして健康長寿の長野県づくりを進めていきたいと考えていますので、どうか多くの皆さまのご来場をお待ちしています。
長野県知事 阿部守一
それから3点目、最後ですけれども、特別秘書の任用についてです。7月22日付けで園部文彦が特別秘書の職を退任しました。その後任として9月1日付けで前建設部リニア整備推進局長の水間武樹を任命することとしました。40年近く県職員として勤務をして、リニア整備推進局長をはじめ、飯田建設事務所長あるいは都市・まちづくり課長などの要職を経験してきています。現在も非常勤の特別職として、リニア整備推進担当参与ということで私を支えてきていただいています。これまで培った経験、さまざまなネットワークを生かして私の特別秘書としての業務を新たに担ってもらいたいと思っています。
私からは以上です。よろしくお願いします。
時事通信 真勢春海 氏
日韓関係の悪化で、訪日観光客数の7月の数値の減少ということが、日本政府の観光局から出ていますけれども、長野県のそういった面での影響や、今の日韓関係についての知事の受け止めについてお伺いさせてください。
長野県知事 阿部守一
私も例えばオリンピック開催地として、平昌(ピョンチャン)オリンピックに出席させていただいたりして、交流を深めてきていますが、今、日本と韓国との関係が、観光交流においても非常に影響が出てくるような事態で、大変残念に感じています。まつもと空港へのチャーター便も、今年度は韓国を中心に考えていましたけれども、今後の見通しとしては、非常に厳しい状況ではないかと思っています。われわれとしては、韓国の皆さまとの友好交流というものについては、これからもしっかり続けていきたいと思っていますので、いろいろな課題がありますけれども、一つずつ改善に向けて進んでいくことを心から願っています。
時事通信 真勢春海 氏
現状として、日韓関係の悪化の影響が県内に出ているというような情報は、入っていますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今申し上げたように、観光等への影響というのはあり得ると思いますが、ただデータとしては、まだ私のところにはありません。長野県の場合は、全国に比べると韓国からのお客さまの率は相対的に少ない県ですので、直ちにすごく大きな影響という状況ではないと思っています。ただ1番は、松本空港と韓国とのチャーター便に対する影響というのは、かなり出る可能性があると思いますので、ぜひそうした影響が極力少なくなるように、われわれも努力していきたいと思いますし、関係が改善されることを願っています。
信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
特別職の人事を拝見しましたが、今までの園部さんはどちらかというと、中央における霞ヶ関、永田町の人脈に強みがあったかと思いますが、水間さんはどちらかというと、そういうことよりは建設部系のイメージがあります。知事の狙いとすると、例えばリニアを見据えたさまざまなことを水間さんに担っていただきたいとか、あるいは、最近の話題ですと、アーバンデザインセンター、信州地域デザインセンターの関係を動かしたりとか、どういった狙いがあるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
もちろん幅広く活躍してもらいたいと思っていますけれども、今お話いただいたように都市・まちづくり課の課長を経験したり、飯田建設事務所長あるいはリニア整備推進局長を歴任していますので、そういう意味で、今われわれの重要な課題として、まちづくりの在り方や、あるいはリニアを活かした地域づくりだとか、そういう部分についての見識を持たれているので、もちろんそういうネットワークやこれまでの蓄積は存分に発揮してもらいたいと思っています。
それと同時にいろいろな団体との関係や市町村との関係など、もちろん事務レベルでお付き合いすることも重要ですけれども、例えば首長のみなさんの思いなど、そういうものはダイレクトで聞いて、私が県民の感覚や、いろいろなみなさんの感覚と常にずれないように、いろいろな情報収集、あるいは私の思いの発信に取り組んでいってもらいたいと思っています。
信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
リニア開業を見据えた地域づくりというのがこれからまさに重要になってくると思うのですが、つまり、今のリニア局のお仕事よりは一歩踏み込んだ仕事というのでしょうか、今も参与という立場でありながら、さらに特別秘書というかたちになるということは、伊那谷自治体会議等もありますが、少し動かしていきたいということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
リニア事業のための特別秘書ではないので全体的に取り組んでもらいたいと思っていますけれども、他方でリニア新幹線の開業を見据えた地域づくりというのは県にとっても重要なテーマですし、またこれを進めていくにあたっては行政だけではなくて、多くの方たちを巻き込みながら、あるいは地域の皆さんの思いにわれわれが寄り添いながら進めていくことが重要だと思いますので、そういう部分の活用はもちろん大いに期待しているところです。
信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
護国神社崇敬者会の話なのですけれども、有識者を交えて幅広く意見を聞きたいと、前回の会見で知事がお話されましたが、本日の段階において有識者の方たちの意見を聞く中で、今後の対応方針についてお考えに変わりがありましたらお話ください。
長野県知事 阿部守一
まだそんなに多くの皆さんのお話を聞いているわけではないので、今の時点で特に前回の会見の時と変化はありません。
中日新聞 我那覇圭 氏
先ほど知事がおっしゃっていた日韓関係についてお尋ねします。チャーター便に対する影響というのはかなり出る可能性があるとおっしゃっていたのですけれども、これは県の運航目標の達成が難しいだとか、どういうような意味合いでおっしゃったのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今年度に入ってからのチャーター便は韓国への便数が多いわけですけれども、今全国的に各地域ともチャーター便、あるいは定期便にも非常に影響が出てきているという状況ですので、われわれだけが例外ということではないわけです。そういう意味でこれからの国際チャーター便の就航においては、非常に逆風になる可能性があるということで、われわれとしてもできる限りの対応はしていきたいと思いますが、やはり観光でお越しになられたり、あるいは行ったりする方の思いということもありますので、なかなか行政がこうしたいからチャーター便が就航できるという問題ではないので、そういう意味で、事態がいい方向に向かっていただきたいと思っています。
中日新聞 我那覇圭 氏
県では今年度の目標を50便にしていらっしゃるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうです。
中日新聞 我那覇圭 氏
この達成が難しいそうだというような現状認識でいらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
韓国以外のチャーター便についても検討していますので、 目標が達成できるように引き続き努力していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
護国神社の関係で質問ですけれども、この問題で知事がコメントを出したときに、戦死者のことを戦争犠牲者と表現されています。私もその通りだと思います。ただ、護国神社はそういう表現を使っていなくて、戦死をたたえる英霊を祭っているんだ、と言っているのです。そうすると知事の考えというのは、この護国神社の教義とは相いれないのではないかと思うのですがいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それは私人としての活動で、今これは知事としての会見です。また、仮に知事としての会見で特定の宗教に対してコメントするということは、それこそ憲法に定めた干渉と、今は知事の立場ですから、ということにあたりうる可能性があるのでないかと思いますので、この場でお答えするのは差し控えたいと思います。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
知事の立場でお話しているからということになると、この問題について何も質問できないということになってしまいますが。
長野県知事 阿部守一
全くそんなことはありません。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
信条の問題だからということですか。
長野県知事 阿部守一
渡辺さんの個別の取材にも受けさせていただいているのは、ご自分でよくご存じの通りだと思いますが、私は決して取材を受けないということではありません。ただ今のご質問は、特定の宗教の考え方がどうなのかという内容の話です。それに知事としてコメントするのは適切でないと思います。渡辺さんは憲法をよくご存じだと思います。芦部先生のこともよく研究されています。憲法20条に何と書いてあるかよくご存じです。それに照らして私は、適切でないと申し上げています。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
護国神社の崇敬者会の会長を知事は個人として引き受けたとおっしゃっていますけれども、護国神社の回答では、歴代知事に依頼しているということになっています。そうすると知事だからこそ会長職を依頼されたのであって、そこに個人として引き受けるという理屈が通用するかどうかということはあると思うのですがいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
前回コメントした通りです。私人としての活動で渡辺さんのご意見は、ご意見として承らせていただきたいと思います。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
私人としてとおっしゃっても、 210万人の県民がいる中で、 阿部守一さんに会長になってくださいと言われたのは、なぜだと思いますか。
長野県知事 阿部守一 氏
私は県知事としての職責を果たすべく、全力で取り組まさせていただいています。そういう意味で常に長野県全体のことを考えています。しかしながら、私においても、プライベートの部分は当然あります。そういう意味で私は、個人としての活動の部分と公人としての活動の部分、これまでも議論があると思いますけれども、公人なのか私人なのかというのは一番論争になっている部分ではないかと思っています。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
今のは質問に対するお答えになっていないと思うのですけれども、要するに護国神社は知事だから会長になってくださいと求めたわけです。
長野県知事 阿部守一 氏
しかしながら、私は個人で頼まれています。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
個人といっても、 先ほども申し上げたように210万の県民がいる中で、 阿部守一さんに頼んでいるというのは一個人ではないと思います。
長野県知事 阿部守一
渡辺さんの見解として承りますが、そこを曖昧にしてはいけないと思います。私の肩書きは使わせていません。私の個人としての活動だということは、護国神社の方たちも認識された上で、対応いただいていると思っています。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
個人としての活動としても、例えば寄付の趣意書に名前を連ねて阿部守一と名前があれば、多くの県民はそれは知事だということを知っているわけです。
長野県知事 阿部守一
渡辺さんのご意見は、ご意見として承ります。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
これはご意見というか質問をしているのであって、質問に対する答えをいただきたい。
長野県知事 阿部守一
私は個人としての活動だとお答えしていますが、そうではないのではないですかというご意見ですから、それはご意見として承りますと申し上げているものです。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
それでは肯定も否定もされないということだけですか。
長野県知事 阿部守一
私の認識は必ずしも渡辺さんがおっしゃっているものとは違いますよと明確に申し上げているつもりだと思うのですけれども。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
多くの人が阿部守一さんというのは、知事だとは分からないということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そのようなことは申していません。しかしながら、私としてもプライベートの部分があります。先ほど申し上げたように私は知事として全力を尽くさなければいけない立場ですから、常にそういう意識を持って取り組んでいます。だからといって全く私人としての領域がないのか、私においては信教の自由は許されないのか、そういうことになると、また少し次元が違う話になると思っています。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
信教の自由はもちろんあると思います。知事がどのような宗教を信じようとそれはもちろん自由だと思います。ただし、首長としては宗教的活動を行うことに制約があるのでないですか。それが憲法の要請ではないでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは会見なので、ディスカッションするならいくらでもディスカッションはしますが。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
私は質問をしている。
長野県知事 阿部守一
首長としてというそれがまさにミスリードの質問だと私は思っていますので、そこは渡辺さんがきちんと整理した質問をぜひお願いしたいと思います。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
どこが整理されていないのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
首長としてとおっしゃったではないですか。それは違います、私は個人としてですと申し上げていますし、公金の支出をしているわけではありません。そこは何度も繰り返し申し上げているわけですので、そこはご理解いただいていますか。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
そこは知事が、私にも信教の自由があるとおっしゃったから、それはもちろん当然ありますよと言っています。ただし、首長になった以上、そこには一定の制限がありますと、それが憲法の要請ですということを申し上げている。
長野県知事 阿部守一
それは渡辺さんのご意見です。
信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
ご意見というより、 憲法にそのように要請されているわけですよね。
長野県知事 阿部守一
申し上げたいことはたくさんございます。ですが、ここは知事としての会見ですし、私は渡辺さんのおっしゃっていることがいささか論点が違っていると正直思っていますので、これ以上ご回答するのは控えさせてもらいたいと思います。
中日新聞 渡邉陽太郎 氏
護国神社の問題で先日、政治団体の新政信州が会合を開きました。新政信州は知事が知事選に出られたときに、最初に支援した旧民主党の方々が中心になっています。その中で、代表の北沢俊美先生などが、知事の崇敬者会の会長になっているという問題について、個人の立場と言っているけれども、これは知事の立場と言えないのは、 いかがわしいことだということを、知事自体が理解しているからだろう、分かっているからだろうとおっしゃっています。
長野県知事 阿部守一
はっきり言って私の申し上げることと違うと思いますけれども。
中日新聞 渡邉陽太郎 氏
その中でも北沢先生だけではなくて、当時県議だった倉田幹事長国民民主党県連の副代表の方も、護国神社が戦前、太平洋戦争に国民を駆り立てた神社で、そのことを踏まえた上で、まず見識を問いたいと、これからアクションあるかは分からないですけれども、県民に一点の疑念もないようにしてもらいたいということで、政党の皆さん、政治団体の皆さんは、知事はあくまで個人の立場なのですけれども、その中でいわゆる護国神社が戦争に果たした役割というものにどのような見識を持っているのかということを、まず県民の中で不安に思っている方もいらっしゃるし、当然知事があそこに名を連ねていることに賛成している方もいらっしゃるわけです。そういう人たちにあまねく、どういう見識を持っているのか、一点の疑念もないようにしてもらいたいという要請が、今あるかどうか分かりませんけれども、そういう発言がありましたが、どのように受け止められますか。
長野県知事 阿部守一
私はいろいろな方のご意見を伺うと申し上げてきていますが、まず一つのご意見だと承りたいと思っています。
中日新聞 渡邉陽太郎 氏
まだまだこれからいろいろな方の意見を伺うということなのですが、今の時点でどのような立場の方に相談した、意見を伺ったというのが、具体的に名前を出さなくてもいいので、どのような知見のある方に伺ったとかそういうものはありますか。
長野県知事 阿部守一
まだいろいろな方にアクセスしようとしている状況ですので、ここでお話するような段階ではありません。
中日新聞 渡邉陽太郎 氏
これからというかたちですか。
長野県知事 阿部守一
そうです。
テレビ信州(TSB) 藤原里瑛 氏
九州、特に佐賀で大雨の被害があるかと思うのですが、長野県としては支援ですとか、何か考えていらっしゃることありますか。
長野県知事 阿部守一
今回非常に大雨で、住宅も浸水しているというような現状がありますので、もちろん全国的に応援すべきところは応援しなければいけないと思っています。ただ、応援を受ける側の受け入れ態勢ということもありますし、やはり周辺地域からの応援の方が迅速に対応できるということもありますので、全国的な動向を見て、われわれとしても必要があれば応援を考えていきたいと思います。
中日新聞 我那覇圭 氏
護国神社で1点だけお尋ね、お考えを伺いたいのですけれども、政治的な行動として法的な問題かどうかは置いておいて、信教の自由があるとおっしゃっていて、それはその通りだと思います。ただ参加の関与の仕方として、一個人の会員としてやるという方法も、技術的には当然ありうると思うのですけれど、会長に就いたと、要請があったなどの経緯はあるのでしょうけれど、会長として参加することに至る、政治的に疑義が生じるかもしれない、そういうようなことが知事のご念頭になかったのかどうか、お聞かせいただきますか。
長野県知事 阿部守一
1つは憲法問題と、それから政治的な問題と両面有り得ると思っています。憲法については再三申し上げてきているように、憲法違反という指摘を受けるようなものではないという認識であるということは、繰り返し申し上げてきている通りですけれども、しかしながら、宗教活動、いろいろな方たちがいろいろな思いを持たれているということもこれは事実ですし、さまざまなご意見があるということも、そういう意味では率直に受け止めなければいけないと思っています。そういう意味で私としては、いろいろな皆さんのご意見を承っていきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 西澤文香 氏
観光税とか宿泊税の取り入れをする方向があるということが一部報道であったのですけれども、それはいつごろしたいのか、どういうことをしたいのかということを詳しく伺いたい。
長野県知事 阿部守一
今おっしゃったように、一部のメディアのインタビューで、そういうことに関連しての発言をしていますけれども、私の考え方を改めてお話し申し上げると、長野県はおかげさまでインバウンドのお客さまが順調に伸びています。われわれ行政は、県民の皆さまから税金をいただいて仕事をしているわけです。例えばいろいろな施設の利用も、使用料を徴収させていただいたりしていますけれども、それは受益と負担の関係が明確にされているものです。税として、そもそも住民の皆さんから税をいただいて、住民の皆さんに広くサービスを提供する、あるいは使用料や手数料を徴収して、特定の人たちのためのサービスをしているというものです。いろいろな財源のあり方がありますけれども、やはり観光についてはこれからもっと観光のお客さまを増やしていきたいと思っています。そうしたときに、例えばいろいろな施設整備等も必要になりますが、それを観光でお越しになる方たちに負担を求めるということは、受益と負担の関係からすると、やはり考えていかなければいけない課題ではないかと思います。要は長野県に暮らしている方たちから頂戴している税金を基本に据えて、観光客に対してのニーズに充足させるということだけでいいのかということをしっかり考えていかなければいけないと思っています。宿泊税や観光税みたいなことにとどまらず、入山の時にお金を負担していただく話だったり、あるいは、長野県も今、一部有料道路がありますけれども、有料道路制度のような話もあります。いろいろな負担のいただき方というのがありますので、幅広く、観光振興をこれから行っていくに当たって、どういう負担のあり方というのが望ましいのか、ということについては、まずしっかり考える必要があると思っています。
今の段階で宿泊税を取ります、今の段階でこれをやりますと、私の頭で明確に決めているわけではなくて、現状に鑑みるとやはり観光振興についての受益と負担、観光でお越しになる方が基本的に受益者になりますので、そこのところについてやはり県としてもしっかり考えていく必要があると思っています。
日本放送協会(NHK) 西澤文香 氏
これは県全体のものなのか、それとも観光地といえば、よく言われる本当に観光地と言われるようなところの宿泊施設を中心に考えるのかはどうですか。
長野県知事 阿部守一
まだ宿泊に税を課すのかということ自体も、いろいろな考え方の一つであって、そこの前の段階を内部的に、今申し上げたようなことを広く検討していきたいと思っています。
朝日新聞 大野択生 氏
今の質問で関連なのですけれども、具体的に部会とかを設置して、検討に入るといったスケジュール感はありますか。
長野県知事 阿部守一
最終的な制度にするときには、そうした仕組みも必要ではないかとも思いますが、まだ今の段階では、今申し上げるいろいろな選択肢とか、いろいろな考え方があります。まず関係者の皆さんのご意見をしっかり伺いながら、どういうことが考えられるのか、あるいはどういうことを考えていくべきなのかということについて、よりわれわれとしての考え方を深めていきたいと思っています。
どうもありがとうございました。
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