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更新日:2019年12月18日

知事会見(令和元年(2019年)12月13日(金曜日)14時40分~15時20分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 11月県議会定例会の閉会について
  2. 災害ボランティアの募集について
  3. 被災市町村への義援金の配分について
  4. 「長野県ふっこう割」を活用した旅行商品等の販売開始について
  5. 産業復興支援センターの開所について

取材者からの質問

  1. 公的機関のデータの取り扱いについて 1
  2. 台風第19号災害について
  3. 公的機関のデータの取り扱いについて 2
  4. 「気候非常事態宣言」の具体的な取り組みについて
  5. 来年度予算案について
  6. 環境問題の解決に向けての取り組みについて

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本文

阿部知事からの説明

 1 11月県議会定例会の閉会について

長野県知事 阿部守一
 私からは最初に5点お話ししたいと思います。まず1点目ですけれども、本日、11月県議会定例会が閉会しました。提出した補正予算案等については、無事にご議決をいただき、大変感謝しています。今回の予算も踏まえて、全力で台風第19号災害からの本格的な復旧・復興に取り組んでいきたいと思っています。これから年末年始になっていきますが、被災された方々が日常の生活を1日も早く取り戻せるように、また農業、商工業、観光業など、多くの産業が被災していますので、より力強い形で復興していくことができるように、しっかり取り組んでいきたいと思っています。また、今回の県議会では、「気候非常事態宣言」を行うことを求める決議を全会一致でいただきました。同日、「気候非常事態宣言」を行い、併せて2050年までにゼロカーボンを目指すという決意もしました。長野県は都道府県で初めて「気候非常事態宣言」を行った県ですので、引き続き県議会の皆さまにもご協力を頂きながら、地球温暖化の問題、気候変動の問題に対して、他国、海外の地方政府ともしっかり連携を行いながら、取り組みを進めていきたいと思っています。

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 2 災害ボランティアの募集について

長野県知事 阿部守一
 
2点目以降は全て災害関連ですけれども、まずボランティアについてです。台風第19号からの復旧に当たりましては、大変多くの皆さまにボランティアとしてご参加いただき、被災された皆さまの復旧・復興に向け、お手伝いいただいています。これまで県内外から災害ボランティアに約6万6,000人。それから農業ボランティアに約5,600人ということで、本当に多くの皆さまに被災者の思いを共有していただいて、お取り組みいただいたと思っています。改めてこの場をお借りして、全てのボランティアの皆さまに感謝申し上げたいと思います。まだボランティアの皆さまの力を必要としています。今週末ですけれども、災害ボランティア、そして農業ボランティアとも、明日はぜひ多くの皆さまにご支援いただきたいと思っています。明後日の15日は、長沼地域で住民の集会があるということでボランティアを受け付けないという形になっていますので、今週末応援しようとお考えいただいている方々は、明日12月14日土曜日に皆さまの力をお借りしたい、ご協力いただきたいと思っています。メディアの皆さまにもぜひ明日協力してほしいということを発信していただければありがたいと思います。

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 3 被災市町村への義援金の配分について 

長野県知事 阿部守一
 
それから3点目ですが、これも多くの皆さまのご支援をいただいている義援金についてです。義援金の第1次配分について、本日12月13日付けで被災市町村に配分し送金しました。総額で6億2,629万2,000円です。改めて義援金にご協力いただいた皆さまに御礼を申し上げます。また、被災市町村においては1日も早く被災された皆さまにお届けいただくようにお取り組みいただきたいと思います。まだまだ義援金の募集は行っています。引き続き多くの皆さまに、義援金についてご支援、ご協力いただきたいと思っていますのでよろしくお願いします。

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 4 「長野県ふっこう割」を活用した旅行商品等の販売開始について

長野県知事 阿部守一
 
さらに災害関係の観光関係です。「ふっこう割」についてです。予算の専決処分で対応した「がんばろう信州!観光キャンペーン」の中核事業の「長野県ふっこう割」を活用した旅行商品の販売がこのほど開始されることとなりました。販売開始日は来週火曜日12月17日からです。日本旅行、JTB(会見後販売開始日が変更になりました)、近畿日本ツーリスト、クラブツーリズムの各旅行会社の店頭で販売が始まります。また、ネット上でもYahoo!トラベルから販売が始まります。この他の旅行会社の店頭、あるいはインターネット販売についても順次スタートしていきたいと思っています。この12月17日から「ふっこう割」をスタートさせるのは他の県に先駆けるということで、今回の災害関連の取り組みとしては、長野県が最も早い取り組みになります。ぜひ多くの皆さまに「ふっこう割」を活用していただいて、長野県にお越しいただきたいと思います。多くの皆さまにお越しいただくことが長野県の復興を支えることにもなりますので、ボランティア、そして義援金、加えて観光ということでご協力いただきたいと思っています。
 特に今回の「ふっこう割」はわれわれとしてはより良い復興につながるようにということでいろいろ配慮をしています。まず県内全体を対象にしていますけれども、やはり被災した地域への配分が手厚くなるようにしています。被災地域のみを対象とする「ふっこう割」を大手の宿泊予約サイトにおいて先行販売していく予定です。また、県内で支え合ってもらうということで、中南信地域のお客さま向けに東北信の温泉で新年会を楽しむといったツアーも企画しているところです。通常のビジネスでお越しいただいた方が「ふっこう割」を使うということはあまり適切ではないと思っていますので、日本人の旅行者が宿泊のみで予約される場合には、1室2名以上のご利用に限らせていただいています。また広く経済効果を波及させようということで、例えば、今回災害を受けた上田電鉄あるいはしなの鉄道のフリー切符付きの別所温泉や戸倉上山田温泉への宿泊プランの販売を行ってまいります。新たな需要を喚起しようという観点では、FDAを利用して県内周遊あるいは白馬でスキーを楽しんでいただくプランもご用意していますし、また沖縄発のスキー体験、雪遊びツアー、こうした商品も用意しています。また海外からのお客さまについては、特に今後、春節をターゲットにして、中華圏からのお客さまを呼び込んでいきたいと思っています。こうした取り組みを通じて、長野県の観光振興、災害からの復旧・復興が進むように取り組んでいきたいと思っています。

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  5 産業復興支援センターの開所について

長野県知事 阿部守一
 
最後ですけれども、産業復興支援センターの開所についてです。11月県議会定例会の補正予算で災害復旧支援事業費を計上していましたが、本日議決をいただきました。それを踏まえ、産業復興支援センターを12月18日水曜日、午前10時に県庁東庁舎にオープンする予定です。私も当日開所式に出席します。産業復興支援センターは被災された中小企業の皆さまの復旧・復興に係る総合的な相談にワンストップでお応えしていきたいと思っています。
 またグループ補助金等の申請について、同日から受付開始していく予定です。被災された方々の便宜を考え、年内は土日を含めて12月30日月曜日まで、毎日午前9時から午後4時まで休まず対応していく予定です。中小企業の事業者の皆さまが一日も早く復旧・復興に向けて、お取り組みいただけるように、われわれもしっかりと寄り添った取り組みを行っていきたいと考えています。
 私からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

 1 公的機関のデータの取り扱いについて 1

日本経済新聞 北川開 氏
 神奈川県庁の行政データが入ったハードディスクが転売された問題に関連してお伺いしたいと思います。先週、長野県の担当課にお話を伺ったところ、長野県も富士通リースを使っているとのことでした。また廃棄にブロードリンクを使っていたのかということと、長野県も流出の危険性があるのかということについては現在調査中というお話でした。現時点での調査状況をお伺いしたいのと、あと今回改めて公的機関のデータの取り扱いの難しさは、かなり浮き彫りになったかと思いますが、今後気をつけていくべき点など、知事のお考えをお伺いしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 今の状況は担当課からお話しします。今後については私からお話ししたいと思います。

情報政策課長 宮坂克良
 これから申し上げる数値等が、本日の午前11時の状況で、まずはリース切れ等によって返却になったサーバー等の台数です。サーバー等は合計で207台あり、パソコンは6,555台となっています。207台のサーバーのうち、富士通リースと契約しているものが13台、ブロードリンクがリース業者の依頼を受けて回収したものが4台ありました。また6,555台のパソコンの中に、富士通リースと契約したものが190台、ブロードリンクがリース業者の依頼を受けて回収したものが53台となります。以上が今のところ、調査の結果把握しているところです。

長野県知事 阿部守一
 質問は問題があるのかという話ですが。

情報政策課長 宮坂克良
 今調査している段階では、確認中のところもありますが、県に提出する報告書で履行を確認していますので、現在のところ問題等はありません。

長野県知事 阿部守一
 業者には確認したということでいいのですか。

情報政策課長 宮坂克良
 はい。確認しました。

長野県知事 阿部守一
 今のところ問題があるということにはなっていないのか、それとも今、業者で調査中ということですか。

情報政策課長 宮坂克良
 
今、業者で調査中のものも一部含まれています。

長野県知事 阿部守一
 まだ100%は分からないのですか。

情報政策課長 宮坂克良
 まだ100%は分かりません。確認中です。

長野県知事 阿部守一
 全部確認中なのか。しっかり処分されているものがほとんどだけれども、100%はまだOKだという回答はもらっていないという理解でいいのですか。

情報政策課長 宮坂克良
 正確に言いますと、207台のサーバーのうち4台は調査確認中です。それから、ブロードリンクが回収した53台のパソコンについても確認中ということになっています。その他のブロードリンク以外のものについては確認が済んでいます。

長野県知事 阿部守一
 今回のような問題が起きてしまうというのは大変遺憾な状況だと思っています。今回の問題を受けてデータの消去を徹底するように各部署には通知を出しています。データ消去をしっかり行っていく上では物理的に破壊することが一番確実だとも言われていますが、今の状況から、どのようにセキュリティレベルを改善していけばいいかについてはしっかり対応を考えていきたいと思っています。例えばリース業者が処分を行う際に、職員が立ち会ったり、抜き打ち確認をしたりといったものも考えられますし、また第三者機関にデータ消去を確認してもらうというようなこと等、さまざまな方法が考えられますので、最も有効かつコストや効率性が著しく下がらないような、そうしたことも勘案しながら今後の対応を考えたいと思います。

日本経済新聞 北川開 氏
 宮坂課長に確認なのですけれども、確認中の4台のサーバーと53台のパソコン以外は安全に廃棄されたことが確認されているという理解でよろしいでしょうか。

情報政策課長 宮坂克良
 今ブロードリンク社を中心に先行して確認していますので、それを含めて現在確認中です。

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 2 台風第19号災害について

時事通信 真勢春海 氏
 台風第19号災害から2カ月になりますけれども、知事の受け止めと、今後の被災者の支援や復旧・復興の課題についての考えをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 まだまだ災害対応中ということで県行政も災害対応モードでしっかり取り組んでいかなければいけないと思っています。避難所にいらっしゃった方もだいぶ仮設住宅等に移り住む形になってきていますが、例えば仮設住宅に入られて環境が大きく変わって落ち着かない状況の方々もまだまだ大勢いらっしゃると思いますし、また被害を受けた住宅で1階は浸水したけれど2階にお住まいになられているといった方々もいらっしゃるわけですので、引き続き長野市をはじめ市町村と連携して、被災された皆さまの生活再建に全力で当たっていきたいと思います。また先ほど「ふっこう割」の話もしました。長野県は産業面でも大きな影響を受けていますので、農業あるいは商業、工業、観光業、それぞれ課題が違いますけれども、しっかりと力強く復旧を行って、復興がより活力ある形で進んでいくように県としても応援していきたいと思っています。

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 3 公的機関のデータの取り扱いについて 2

テレビ信州 塩澤涼 氏
 ハードディスクの件に関して追加で質問なのですけれども、4台のサーバーと53台のパソコンの中にはどんな情報を、いつからいつの分までのものを扱っていたのかというのを教えてください。

情報政策課長 宮坂克良
 4台のサーバーについては、各所属が独自に調達したもので、林務部の調達分が2台、それから産業労働部で調達したものが2台という形になっています。その詳細については現在確認中です。それから53台のパソコンについては、教育委員会の調達分が33台、産業労働部の調達したものが20台という内訳になっています。中身については今調査中です。

テレビ信州 塩澤涼 氏
 県民個人の情報が入っている可能性というものもまだ確認中ということでよろしいでしょうか。

情報政策課長 宮坂克良
 県民の情報が入っているかということについても現在確認中です。

テレビ信州 塩澤涼 氏
 データの時期的なものというのは、まだこれからですかね。何年から何年のものを使っているかみたいなところは。

情報政策課長 宮坂克良
 平成26年から令和元年までに含まれるものと今のところ報告を受けています。

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 4 「気候非常事態宣言」の具体的な取り組みについて

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 先日、知事が宣言なさった気候非常事態宣言。それで2050年に二酸化炭素の排出量の実質ゼロを目指すという決意なのですけれども、その時の会見の時に知事は2010年から2015年までに10%の二酸化炭素の排出量を長野県内で排出制止したということをおっしゃっていて、ペースでといいますか、同じだけ減らしていくと2050年までには不可能な数字でないということをおっしゃったのですけれど、知事はあえて単純化しておっしゃったんだとは思いますが。削減率で言うと最後の5年は計算すると、30%を5年で減らさなければならないというような形になっていて、そんなに単純では実際はないだろうと思うのですが。

長野県知事 阿部守一
 全然単純ではないです。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 そういった中で実際に実現するに当たっては、やっぱり今までの延長線上では当然なくて、脱炭素のインセンティブをつけていくということと、もう一つは、炭素排出に対して、何らかの規制をかけるということが、予算の関係だったりあるいは制度の規制を強めるとか規制緩和など、両面でいろいろな方法が必要になってくるのでないかと思います。知事は特区の申請だとか、あるいは条例で何かを規制するとか、そういうことを含めてお考えになっていますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず数字の話はおっしゃっているように単純化、モデル化しているだけなので、別に過去のトレンドでそのまま単調に進んでいるというようなものでは全くないと思っています。ただ今の環境エネルギー戦略の中においても、2050年までにはいわゆる温室効果ガス、CO2以外も含んでいますけれども、2010年比で80%削減しようという目標を立てていますので、これまでわれわれが目指していたものや、あるいはわれわれがこれまで取り組んできたことと全く乖離(かいり)している目標を立てたというわけではないということを説明したところです。これから2050年までにゼロカーボンを目指すという形を考えたときには、ご指摘のように相当いろいろな取り組みを行わなければいけないと思います。もちろんこれは国レベルにおける対応、規制の部分は長野県だけやってもあまり意味がないので、国ともしっかり連携して、国にもっと取り組みを促すこともしなければいけないと思いますので、たまたま私は全国知事会の文教環境委員長になっていますから、知事会等でもそうした議論をこれまで以上にしっかり行っていきたいと思っています。
 それから長野県の取り組みとしては、おっしゃっているように、いろいろな義務付けとか、あるいは誘導とか、いろいろなことを幅広く考えなければいけないだろうと思っています。例えば、信州屋根ソーラーポテンシャルマップを作っていますけれども、環境部には作っただけではいけないのではないのかという話をしています。例えば「最適」とか「適」とかに、ご自宅とか、あるいは事業所がなっていたときに、それを見てこれいいなと思ったら誰にどう相談すれば具体化するのかという道筋まで示さないと、具体的な行動には移らないということです。頭で理解してもらっているだけではなくて、行動を変えてもらわなければいけないので、われわれの情報発信の仕方もこれまで以上にもっと工夫をしていかなければいけないと思います。
 また今、温暖化対策条例では、例えば建築物を建てる際の環境基準、あるいは自然エネルギーの導入、こうしたものの検討の義務付けを行っています。他の自治体や都道府県に比べ、進んだ制度だと思っていますけれども、今後そうした今までの検討、義務付けというところからどの程度踏み込んでいくべきなのかいうことも含めて、今、いろいろ温暖化計画書を事業所に作ってもらったり、建築物を建てるときの検討を義務付けるなど、いろいろな取り組みをこれまでも長野県はしてきていますので、それらと全く違うことでなくて、そういうものをより丁寧に分かりやすく行動に結びつ付けることとか、より具体的な規制や誘導に結び付けていったり、そうした観点で2050年までにゼロカーボンを目指していきたいと思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 今の中で、規制に関して言うと長野県だけでやっても意味がないというのをかみ砕いて言うと、どういうことですか。

長野県知事 阿部守一
 元よりグローバルな話ですから、長野県だけでできることとできないことがもちろんありますけれども、いろいろな産業面や公害面での規制というのは国が法律で行っている部分が多いわけです。それに、例えば上乗せ、横出しできるものもあれば、法律でルール化をしているので、県ではいかんともし難いというものもあるわけです。そういう意味では国の取り組みを、まずはしっかり求めていかなければいけないと思います。その上で県独自でできる部分もいろいろありますから、そういうところでどこまでどういう形の規制策や誘導策を講じるかについては、先ほど申し上げたように今までもいろいろな取り組みをしていますので、そうしたこれまでの取り組みの実績と成果も踏まえながら考えていきたいと思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 県独自でできるものもあるとおっしゃったのですけれども、例えば今考えている規制面でできるものはありますか。

長野県知事 阿部守一
 例えば事業所には、温暖化対策の計画書を作っていただき、個別にいろいろな指導や助言をしています。そういうものの策定の範囲や内容、そういうことが今まで通りでいいのかどうかということももちろん論点だと思いますし、これから建物の断熱性能をどういう形で上げていくのが良いのかなど、考えることはたくさんあると思います。

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 5 来年度予算案について

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 政府予算案の閣議決定が間もなく行われると思いますが、例年通り11月上旬に霞が関に予算の要望に行かれましたけれども、今年は台風の被災県だということで、その点についてかなり要望されたと思います。それを踏まえてなのですけれども、間もなく閣議決定があるとみられる来年度予算案について、特にどのあたりを重点的に盛ってほしい、長野県に対してこういうところを手厚くしてほしいという考えですか。

長野県知事 阿部守一
 まずは補正予算です。経済対策を踏まえて、補正予算にかなり災害関連の予算が含まれていますので、例えば特別交付税の総額を増やしてくれということも求めています。経済対策の中に盛り込まれていることは、われわれとしては大変ありがたいと思っています。補正予算を成立させて、被災した都道府県、市町村に十分な特別交付税の配分を行ってもらいたいと思っています。また、補正予算から来年度当初予算までつながる話ですけれども、われわれは当面の復旧・復興に全力を挙げていかねばなりませんが、片方で長野県全体の防災減災対策にも今一度改めて向き合っていかねばならないと思います。そういう意味で「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」、長野県も活用していますけれども、こうした大規模災害を受けて、まず国においてはより長い期間に渡って、この国土強靭化を支える予算を組んでもらいたいと思います。いろいろな対策、ハード面、ソフト面の両面で取り組まなければいけません。例えば千曲川のような大規模河川の治水対策はどうしても国の予算の裏付けがないと、なかなか進められないという部分が正直あります。われわれだけの努力ではなかなか進まないところがありますので、ぜひそうした骨太のところについてはしっかりと国の予算において対応していっていもらいたいと思います。

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 6 環境問題の解決に向けての取り組みについて

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 
COP25(第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議)の件なのですけれども、小泉環境大臣が演説されたという中で、日本の自治体の取り組みなどにも言及がありました。そして日本政府として、石炭火力の新しい政策を打ち出すことができなかったことに批判がありました。他国から非常に厳しい指摘があったということなのですけれども、知事のご所見を伺えればと思います。

長野県知事 阿部守一
 どの点についてですか。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 自治体の重要性というのはこの環境問題や脱炭素化に向けて非常に重要であることは、長野県も運動していますし、そういう面があろうかと思います。その一方で日本政府として、きちっとそこに踏み込めない現状というものについてお伺いしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 地球温暖化の問題は、全ての国や地域、そして全ての主体、国、中央政府だけでなくて、NPO、NGO、あるいは国民の皆さま、全ての主体が取り組んでいかなければ対応できない問題だと思います。そういう意味で、それぞれの主体ができることを最大限行っていくということが重要だと思います。そういう意味で県としては、長野宣言(持続可能な社会づくりのための協働に関する長野宣言)を出して賛同を呼び掛けたわけですので、国内の自治体はもとより、世界の自治体と連携して、責任ある対応をしていきたいと思っています。また環境省も政府の中では一つの省庁という形になりますので、各省間の調整、難しい課題もいろいろあると思いますけれども、地球温暖化対策の問題については世界共通の課題ですから、ぜひ環境省、あるいは政府全体でしっかりとした取り組みを行っていってもらいたいと思っています。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 日本は2011年の東日本大震災を契機に、原子力発電所が止まっています。原子力発電は石炭火力を使わないエネルギーであるのですが、日本の場合は災害の中で事故があって、その後原子力発電が止まっているという状態です。いまだに再稼働できない原子力発電所がいっぱいあって、今もその影響を引きずっている中で、石炭火力の発電はまだまだベースとして多いという実態があるわけなのですが、この点について、非常に難しい問題なのですけれども、知事のお考えがあればお聞かせいただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 県が取り組む話ではないので、突き詰めて考えているわけではありませんけれども、今お話しがあったように原子力発電はCO2を出さないため、石炭火力と原子力発電でどちらが地球環境に優しいかと問われると、それは原子力発電という話になってしまいます。ただ日本は原子力発電所の事故を経験していますので、原子力発電に依存しようということに多くの皆さんが同意するかというと、今の状況ではそんなことにはならないという話です。そういう意味で非常に難しい問題だと私も思います。エネルギーの問題というのはわれわれが暮らしていく上では最も生活の基本で、ここも当たり前のように電気がついているから会見を行わせていただいていますけれども、東日本大震災の直後は庁内でも省エネルギーをやっていたわけです。喉元を過ぎると熱さを忘れてしまっていると改めて思っています。われわれとしてはもう1回、省エネルギーにしっかり取り組んでいかなければいけないと思っています。ただ原子力発電所を再稼働するのかしないのかという話、あるいは石炭火力発電所を増やしていくか、今しっかりと方向付けが求められています。先送りにしていけばいくほど、温室効果ガスの排出はどんどん進んでしまうということになってしまうので、そういう意味では、政府全体で方向付けをぜひ早期に行ってもらう、もちろん方向付けというのは、多くの国民のコンセンサスが得られなければできない問題ですから。今回のCOP25を踏まえて、政府には真摯な取り組みをこれから進めていただくことを心から期待しています。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 つまり国民との対話ということですか。

長野県知事 阿部守一 
 気候非常事態宣言をなぜするのかというと、もちろん県議会で決議されたということを重く受け止めて宣言したということもありますけれども、やはり一人一人の県民の皆さんの行動が伴わなければ、とてもゼロカーボンは実現しません。危機感、問題意識を共有しなければいけないという思いで気候非常事態宣言を出しています。そういう意味ではエネルギーの問題、温室効果ガスの問題、CO2の問題などは国民全体でしっかり考えていかなければいけない問題だと考えています。誰かが考えてくれる、誰かが何とかしてくれるということを一人一人の国民が思っていては解決しません。長野県は長野県としてできることに最大限取り組んでいきたいと思いますし、県民の皆さまとしっかりと対話をする中でゼロカーボンに向けて取り組んでいきます。
 ありがとうございました。

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