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更新日:2020年9月2日

知事会見(令和2年(2020年)7月3日(金曜日)14時33分~16時14分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 県議会6月定例会の閉会について
  2. 「国際競争力の高いスノーリゾート形成促進事業」について

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取材者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について1
  2. 松本市の中核市への移行について
  3. 新型コロナウイルス感染症への対応について2
  4. リニア中央新幹線について1
  5. 新型コロナウイルス感染症への対応について3
  6. リニア中央新幹線について2
  7. 新型コロナウイルス感染症への対応について4

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本文

阿部知事からの説明

 1 県議会6月定例会の閉会について

長野県知事 阿部守一

 それでは7月3日の会見を始めます。きょう私からは冒頭5点お話ししたいと思います。
 全体が新型コロナウイルス対策に関連しますけれども、まず1点目が本日、県議会でご議決いただいた予算、それから条例についてお話ししたいと思います。画面に出していますけれども、県議会で補正予算を二つに分けて議決をいただいています。補正予算第3号については6月18日にご議決いただき、本日補正予算第4号、584億円余の予算をご議決いただきました。今定例会で一般会計、合わせて648億円余の予算をご議決いただいたところです。先ほど県議会終了後に各会派を回って御礼申し上げてきたわけですけれども、新型コロナウイルス対策、医療体制、検査体制を引き続き充実、強化していかなければいけないということと併せて、県民の皆さまの生活、あるいは雇用、さらには産業、経済の立て直し、こういうところにしっかり力を入れて取り組んでいきたいと思っています。感染症対応としては、まず「医療・福祉提供体制等の更なる強化」ということで、昨日も専門家懇談会を開催し、長野県の今後の医療提供体制の在り方について、ご意見を頂いたところです。今、東京都を中心に新規感染者の確認が少し増加傾向にある中で、長野県としても一定の前提を置きながら、今後どの程度の医療提供体制が必要になってくるのか、またそうしたものに併せて検査体制、あるいは保健所体制をどうしていくか、こうしたことについて検討して方向付けをしていきたいと思っています。そうした取り組みと併せて今回の予算も活用して、医療機関における必要な設備の整備であったり、空床確保の支援ということも行っていきたいと思いますし、また社会福祉施設における感染拡大防止策、応援職員の派遣等を応援していきたいと思っています。特に入院患者の推計を行っていく上では、重症化する患者の数をできるだけ抑制していくということが大変重要だと思っています。そうしたことを考えますと、これまで長野県においては多くの皆さまのご尽力の中で、医療機関の中での院内感染であったり、あるいは介護施設の中での施設内感染、こうしたものが発生することがなかったわけですけれども、これからも極力そうした院内感染、あるいは施設内感染が発生することを防いでいきたいと思っています。そうしたことに感染拡大防止のための予算もぜひ役立てていきたいと思っています。それから「県内経済の再生・暮らしへの支援」ということで、早期議決をいただいた部分も含めて、県内の冷え込んだ消費の拡大、あるいはさまざまな事業者の取り組みへの支援ということを行っていきたいと思います。また『「新しい生活様式」への移行支援』ということで、観光関連の皆さまがグループで取り組む生産性向上事業であったり、あるいはどうしても人と密接に接触しないと仕事が成り立たない理美容業をはじめとする事業者の皆さまへの支援、さらにはバス、タクシー、山小屋、こうした方への支援をしっかり行っていきたいと思っています。また「児童生徒等の学びの保障」ということも併せて行ってまいります。また令和元年東日本台風災害からの復旧・復興についても着実に進めていきたいと思います。本日成立した補正予算を通じて、今申し上げたように新型コロナウイルス対策を引き続き進めるとともに、暮らしの支援、産業支援、しっかり行っていきたいと思っているところです。
 続きまして、本日併せてご議決いただきました新型コロナウイルス感染症等対策条例についてです。私の考え方としては、「県民の皆様の命」を守っていくということ、それから「法律、条例」と書きましたけれども、法治国家ですし、私は行政の責任者ですので、一定の法令、条例も含めて、そうした枠組みの中で適切な行動を取っていく、この両面が重要だと思っています。もちろん県民の皆さまの命を守るということが当然の大前提ということにはなるわけですけれども、しかしながら法律とか条例の枠組みを無視して行っていいかと言われれば、決してそんなことはないだろうと思っています。今回条例の必要性がなかなか分からないといったようなご意見があったわけですので、改めて私からもう一回お話ししたいと思います。このことについては県議会の本会議の場で私からお話をしていることと重なるわけですけれども、まず一つ目が今回の条例は「基本的枠組み」を定めていこうというものです。新型インフルエンザ等特別措置法はもちろん法律としては体系化された法律ではあります。ただ当然と言えば当然ですけれども、法律はあくまでも国が制定しているわけですので、個々の自治体の動き方とか、そういうところまで必ずしも枠組みが定まっているわけではないです。今回新型コロナウイルス感染症対策を行って、県議会との関係であったり、あるいは有識者をはじめ専門家からの意見聴取であったり、そうしたことも含めて基本的な対策の枠組みを定めていくということが改めて重要だと思っています。またそうしたことを通じて、県としてどういう取り組みをしていくのかということを県民の皆さまもある程度予見可能になるわけですし、そうしたことを通じて県民の皆さま、あるいは新型コロナウイルス対策で大変大きな影響を受ける事業者の皆さまと共通認識を持ちながら一緒になって感染症対策を進めていきたいと考えています。そういう意味でまず長野県として基本的な枠組みを定めようというものです。なお私権制限ということがしきりに言われています。厳密に法的な概念で私権制限といったときには、例えば一定の行政処分であったり、あるいは罰則規定があるとか、さらには新型インフルエンザ等対策特別措置法で定められているような指示であったり、そうした強い権限が一般的には念頭に浮かぶものだと思いますけれども、今回の条例では検討の協力の求め、あくまで協力の求めというレベルになっていますので、条文で書かれていること自体が私権を制限していくというものには必ずしも当たるものではないと思っています。私も何度も県議会で答弁していますけれども、県民の皆さまの理解と協力なしには新型コロナウイルス対策は進めることはできません。そういう意味で基本的な枠組みについて県民の皆さまと共通認識を持ちながら、多くの皆さまのご協力を頂きながら、引き続き万全の対策を進めていきたいと思っています。それから2番目として「特措法の補完」ということで、県議会でも答弁しています。この点については次にまた説明したいと思います。それから三つ目で「民主的コントロール」とお話ししました。パブリックコメントのご意見の中にも民主的コントロールという趣旨のご意見を頂いているところですけれども、新型コロナウイルス対策、あるいは感染症対策というのは非常に多くの皆さまのご協力を頂き、また先ほど申し上げたように、極めて強い強制力、罰則だとか、行政処分だとか、そういうものを行わなくても世の中全体には大きな影響を与え得るものだと思っています。そうしたことを考えますと、例えば罰則規定を設けるときは当然法律、あるいは条例の根拠が必要になってくるわけですけれども、そうでなくても感染症対策、あるいは新型インフルエンザ対策、こうしたものについては、民主的なコントロールの下に置くということで、一定程度、法律、あるいは条例、こうしたものの規定の下で行われるということが重要だと思っています。それから最後4番目として「患者、医療関係者等への配慮」ということで、不当な差別的取り扱いを行わないでください。罰則規定がないわけですので、これから県民の皆さまに呼び掛けていかなければいけませんけれども、新型インフルエンザ等対策特別措置法では人権について言及されています。それは行政が県民、あるいは国民に対しての必要最小限の対応をしてくださいと、そういう法律上の規定ですが、今回の条例はどちらかというと県民同士の配慮という形で置いていますので、ぜひこうしたことを踏まえて、後ほどまた申し上げたいと思いますけれども、県民の皆さまには、例えば県外ナンバーを付けている方に差別的な言動を行うといったようなことはやめていただくようにお願いしていきたいと思っています。そのことがひいては感染症のまん延を防止することにもつながっていくものだと思っています。そういう意味で条例の必要性、「基本的枠組み」、「特措法の補完」、「民主的コントロール」、そして若干色彩が違いますけれども、「患者、医療関係者等への配慮」、こういったことで今回制定していきたいと考えています。
 新型インフルエンザ等対策特別措置法の補完ということで、何点か説明したいと思いますけれども、これも県議会等で答弁していますけれども、一つは地域の実情に応じた対応が新型インフルエンザ等対策特別措置法の枠組みでは難しい部分があるということです。法律をご覧いただけば分かりますように、都道府県が取り得る措置は、政府の本部が設置されないと県も法律上の本部がつくれない。法律上の本部が設置できないと、新型インフルエンザ等対策特別措置法第24条に基づく要請ができないという形になっていますので、そういう意味で県として対応できる措置は政府が本部をつくるかどうかということにかなり左右されます。それから緊急事態宣言が発令されれば、新型インフルエンザ等対策特別措置法の第45条以下の適用が可能になってきますけれども、これも緊急事態宣言は政府が発令するわけですので、地方公共団体ではどうにもならないという状況です。参考までに「災害対策基本法」と書きましたけれども、新型インフルエンザ等対策特別措置法の立て付け自体はウイルス対策で、必ずしも災害対策と同じであるべきだと私は思いませんけれども、ただ災害対策基本法も、政府も災害対策本部をつくったり、県とか市町村も災害対策本部を設置するわけですけれども、災害対策基本法は国が本部をつくらなくても、県とか市町村で独自に災害対策本部をつくって初動を行えるという形になっているわけです。全国的なまん延下においては政府と連携しながらしっかり対応していくということがもちろん重要ですけれども、そうではない必要性というのも場合によってはあり得るものと、北海道の事例を以前申し上げましたけれども、北海道は政府の新型コロナウイルスの対策本部ができるかなり前に独自の宣言を出して、一定の効果を収められています。そうした観点で県としては地域の実情に応じた対策が、新型インフルエンザ等対策特別措置法上はなかなか難しい部分について、今回の条例で対応していこうというものです。それから「人の往来への対応が不十分」と書きました。下にいろいろ書いていますけれども、例えば宿泊事業者については新型インフルエンザ等対策特別措置法の全体のスキームの中ではここに記載していますけれども、基本的に「事業継続が求められる事業者」とされています。例えば交通機関とか、新型コロナウイルスがまん延しても事業を行ってくださいという形に位置付けられています。ただ今回、内閣官房等とも話をし、その結果4月23日時点で内閣官房室長からの事務連絡で「連休期間の行楽を主目的とする宿泊に係る事業は、事業の継続が求められる対象とはならない」というようなことが言われています。この事務連絡を厳密に読むと、「連休期間の行楽を主目的とする」ということで、非常に限定をかけられているわけでして、基本的には新型インフルエンザ等対策特別措置法全体、特に施行令等を見ると、宿泊事業者について、宿泊施設の部分については事業継続が必要なものと位置付けられています。宿泊事業関係者の皆さまとお話しすると、旅館業法の規定の話が出てきます。第5条の中に「伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められるとき」などは宿泊を拒むことができると、「明らかなとき」です。全国的に緊急事態宣言が発令されているような状況下にあっても、疾病にかかっていると明らかに認められる方以外は宿泊を拒めないというのが今の法律の前提です。日帰り施設等と違って、宿泊施設等は事前に予約とかが取られているわけですので、そうした予約が入っているような方を、現行法上はなかなかお断りすることができないということで、お困りになられていた宿泊施設の方たちも大勢いらっしゃったと思っています。振り返っていただくと分かると思いますけれども、4月から5月にかけて全国に緊急事態宣言が発令された一つの大きな目的は、大型連休中の人の不要不急の移動を止めようというものであったと思っています。どこの都道府県もしゃかりきになって人の移動を止めようという努力をしたわけですけれども、新型インフルエンザ等対策特別措置法上はそこのところは十分意識されていない部分があると思っています。今回、人の往来について条例に定めたというのは、こういう新型インフルエンザ等対策特別措置法の本県にとっては必ずしも十分ではないと思われる部分について、特に必要な場合には対応していくことを可能とするものです。それから最後、「一般的な財政的支援の規定なし」という部分です。例えば新型インフルエンザ等対策特別措置法上、臨時の医療施設開設のための土地使用等は損失補償をしますという規定がありますけれども、一般的な財政的支援の規定が置かれてはいません。今回、影響を受ける事業者、県民の皆さまに対する支援、中身が必ずしもクリアでないといったようなご意見を頂いていますけれども、条例でここまで支援するとかというのはなかなか書き切れないところがありますけれども、ただ県としては今回の状況に鑑みれば、新型コロナウイルス対策でいろいろな影響を受ける皆さまにはしっかりと支援を行う必要があるということで、こういう財政的支援の規定を置いています。こうした部分は必ずしも新型インフルエンザ等対策特別措置法の中では十分な規定が置かれていないわけですので、そうした部分を新型インフルエンザ等対策特別措置法の補完という形で対応していこうというものです。
 県議会の皆さまにもあいさつ回りのときにお伝えしましたけれども、今回、県議会でさまざまなご意見を頂きました。県議会の皆さまのご意見というのは、日頃、県民の皆さまと接していらっしゃる中での、ある意味県民の皆さまの切実な思いとかお考えを反映されている部分があると思っていますので、そうしたご意見を真摯(しんし)に受け止めて、条例の適切な運用を図っていきたいと思っています。特に今回、県議会で付帯決議が2点なされています。一つが、「まん延を防止するために協力を求める時期や経済的な支援のあり方等、議会の審議の中で明らかにされた事項について整理し、対策に反映するとともに、あらかじめ、県民に分かりやすく示すこと」と、それからもう1点は『第5条第2項に規定する「検査及び調査に関する体制の充実」により、確実かつ迅速に検査を実施するとともに、クラスター発生に対し、的確に対応できる体制を構築すること』という2点、付帯決議が付されています。この決議を尊重して対応していきたいと思っています。特に分かりやすく県民の皆さまにお示しすることは私も大変重要だと思っていますので、今後、条例運用のガイドラインといったようなものを作成し、来週、条例が公布になると思いますので、その際に併せて公表して、具体的な運用方法を県民の皆さまと共有していきたいと考えています。引き続き新型コロナウイルス対策、県民の皆さまのご協力、ご支援を頂きながらしっかり進めていきたいと思っています。
 それから大きな2点目ですけれども、「県民支えあい観光キャンペーン」の中の「ディスカバー信州 県民応援割」についてです。これについては「宿泊割」、そして「お出かけ割」と、今、長野県内の観光地、あるいは観光関係事業者の皆さまは往来自粛等で非常に厳しい環境に置かれているわけですけれども、ぜひ県民の皆さまが県内各地を訪問していただき、改めて信州、長野県の素晴らしさを知っていただくとともに、各関係の事業者の皆さまを応援していってもらいたいという思いで、こうした「宿泊割」、「お出かけ割」ということで県民応援割の事業を行っています。「宿泊割」については6月26日から販売し、また「お出かけ割」については7月1日から販売しているところですが、いずれも大変好調です。「宿泊割」については4万枚販売することでスタートしましたけれども、そのうちコンビニ販売分については既に完売、旅行会社で販売いただく分についても完売する旅行会社が出てきているということで、本日7月3日から、さらに追加で販売することにしました。大変好評ですので、全体で2万枚追加していくという形にしました。また「お出かけ割」については7月1日から販売しています。こちらは10万枚ご用意したところですけれども、きょう現在ですでに7万枚以上販売しているということで大変好評を頂いています。「宿泊割」は追加しましたし、「お出かけ割」はまだ販売中ですので、県民の皆さまには、「宿泊割」は8月1日チェックアウトまでご利用いただけますし、「お出かけ割」は8月31日まで県内でご利用いただけますので、ぜひこうした県民応援割を積極的にご活用いただき、長野県内の観光関連事業者の応援と県民の皆さま自らのリフレッシュに役立てていただきたいと思っています。なお「お出かけ割」については1日から販売を開始しましたけれども、販売当初、多くのお客さまが集中したということで、コンビニの発券用紙がなくなってしまって、一部の店舗でクーポン券が発券できないという状況に至りました。昨日復旧して、現在は購入可能になっていますが、多くのお客さまにご迷惑をお掛けしたということですので、この場をお借りして改めておわび申し上げたいと思います。こうした事態にならないよう、引き続き万全の対応を行っていきたいと思っています。クーポンが利用できる施設ですけれども、県内の幅広い施設でご利用いただける形になっています。今回、宿泊はもとより、例えばアクティビティとか体験施設、土産物店、飲食店、こうしたところでもご活用いただけますので、例えば天竜川の舟下りであったり、あるいは各地の日帰り温泉施設であったり、道の駅であったり、さまざまなところでご活用いただけますので、ぜひ積極的にご利用いただければありがたいと思っています。
 それから大きな3点目というか、条例を二つ目にすると4点目になりますけれども、山小屋の関係です。山小屋については今回の県の補正予算の中で山小屋の皆さまには30万円ずつ、公的な役割を果たしていただいているという観点から県としても支援を行う形になっていますが、ただ新型コロナウイルス感染症の影響で山小屋の経営は大変厳しいと伺っています。そういう意味で県としてクラウドファンディング型のふるさと納税を活用して、信州の山小屋を応援しようというプロジェクトをスタートさせました。7月1日からクラウドファンディングをスタートしていまして、目標額は1000万円ですので、ぜひ多くの皆さまにご協力、ご支援を頂ければありがたいと思っています。

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2 「国際競争力の高いスノーリゾート形成促進事業」について

長野県知事 阿部守一
 
最後に「国際競争力の高いスノーリゾート形成促進事業」ということで、観光庁の事業ですが、本日、支援の対象地域が発表されました。全国で18地域選ばれたわけですけれども、そのうち長野県内の白馬、志賀高原、野沢温泉、斑尾高原、この4地域が選定されました。長野県としてはこの4地域を申請していましたので、すべての地域が選定されたという形になります。これについては、今、新型コロナウイルスの環境で少し厳しい状況にはありますけれども、インバウンド需要を取り込んでいくという観点でポテンシャルの高い地域を選定し、国内外の観光客の皆さまに満足度の高いスノーリゾートを形成する取り組みを政府として応援しようというものです。これについては、こうした事業を形成する前提のスノーリゾート地域の活性化に向けた検討会というのを国が開催していまして、私もそこに参加しインフラ整備への支援であったり、あるいは国としてモデル地域を設けて応援してもらいたいという旨の発言を行ってきましたので、今回こうした形で長野県から18地域中4地域を選んでいただけたことを大変うれしく思っていますし、また地域の皆さまとも連携して、事業を有効に活用して、世界水準の山岳高原リゾートづくりに取り組んでいきたいと考えています。当面インバウンドを呼び込めない中で、観光戦略を補完するための観光振興方針も作っていきたいと思いますけれども、こうしたスノーリゾートを当面どう応援し、一緒に乗り切っていくかということも含めて考えていきたいと思っています。
 それから最後にもう1点。これまで県民の皆さまにお願いしてきているところですけれども、北海道、埼玉県、東京都への往来に当たっては、慎重な行動をお願いしたいということです。これまでもその都度プレスリリースしてきているところですけれども、長野県としてはこれまでの感染者の発生状況を見ますと、県外で感染される方が非常に多かったという状況の中で、先ほども申し上げましたけれども、県外との往来については非常に注目していかなければいけない部分だと思っています。そういう意味で長野県として他の都道府県の状況をモニタリングしているところですが、こちらの表にありますように、直近1週間の新規感染者数を人口10万人当たりでどうなっているかということを見ているわけですけれども、北海道が1.12、埼玉県が1.24、それから東京都が3.27という状況になっています。長野県においてはピークの頃で1.2程度の状況でしたので、そうしたことから考えると、北海道、埼玉県、東京都、ここに行かれる方にあっては、ぜひ慎重な行動をお願いしたい。慎重な行動というのはプレスリリース資料をお配りして書いているかと思いますけれども、できるだけ人混みを避けていただく、あるいはクラスターが発生する可能性が高い場所への訪問は控えていただく、また感染防止の基本を徹底してもらう、さらには戻られた後のご自分の健康観察を行っていただくということを、ぜひ行っていただきたいと思っています。また本県にお越しになられる方も、ぜひ感染拡大防止の取り組みにご協力いただきたいと考えています。なお先ほども申し上げましたけれども、往来すること自体が「悪」というわけではありません。これまで長野県において感染者が相次いで報告されていたような状況の中でも、例えば仕事でどうしても往来しなければいけない方もいらっしゃいましたし、また長野県で仕事をするために県外からお越しになられているといったような方もいらっしゃいますので、県外と往来される方に対する不当な差別的取り扱い等を行わないように、私からはぜひお願いしたいと思っています。引き続きこうしたモニタリングは続けたいと思いますし、こうした状況を監視しながら、県としてもいろいろな対策を今後も引き続き検討していきたいと思っています。私からは以上です。

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取材者からの質問

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について1

中日新聞 我那覇圭 氏
 新型コロナウイルス感染症等対策条例についてお尋ねしたいと思います。条例について、県側としては、罰則がなくて強制力はないというような、基本的なお立場かと思うのですけれども、ただ知事がこの中にある外出自粛とか、休業の協力依頼をすれば、同調圧力が高まって、事実上の権利制限が生じる恐れがあるという指摘もあります。こうした指摘について、知事としてはどういうふうにお考えになるのか改めてお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 まさにここに書いている通りだと思っているのですけれども、例えば行政処分を課するとか、あるいはその罰則をかけない、そういう観点で法的には私権を制限するようなことには当たらないと思っています。ただ、今おっしゃっていただいたように、先ほど私も申し上げたと思いますけれども、感染症対策というのは、いわゆる自粛というようなお願いでも、県民生活とか事業活動に非常に大きな影響を与える可能性があると思っています。そういう意味で「3」に書いてあるように、一定の民主的コントロールの下で対応していくということが大変重要だと思っています。条例、あるいは法律なしに県知事が行えばいいのではないかといったようなご意見もありますし、これまでこうした条例がなかったので、そうした対応を行わざるを得なかったわけですけれども、今後は条例に基づいて、専門家等に必要な意見聴取を行っていくと同時に、県議会にも適切な報告をしていく中で、まさに県民一丸となって対応、対策を行っていきたいと思っています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 大きな影響があるということを、次の質問でお尋ねしたいのですけれども。改めてお尋ねしたいのですが、事実上一定の権利制限が生じる可能性があるかどうかということについて、知事としてはどういうふうにお考えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 法律上の権利制限というのは、例えば営業停止をかけるとか、そういうものが一般的には私権の制限と言われていると思っています。今回の条例における対応というのは、基本的には協力の求めという形になっていますので、協力いただくということを前提に組み立てていますので、そういう意味では個別の権利を制限するものではないと思っています。ただ相対として言えば、社会的には大きな影響を与え得るものだと思っています。そういう意味で、私としては法治主義とか民主的なコントロールという観点からすれば、法律であったり、条例であったり、そうした根拠が置かれていくということがより適切なものではないかと思っています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 前段の方はおっしゃっている意味は理解しているつもりですけれども、事実上の権利制限が生じるかどうかということについて、イエスかノーかというと、どういうふうにお考えですか。

長野県知事 阿部守一
 権利制限にはならないわけです。

中日新聞 我那覇圭 氏
 それに続いて関連ですけれども、私権制限なのか、事実上の権利制限があるかどうかという考え方は別として、知事ご自身も今おっしゃっていましたけれども、大きな影響を世の中に与えるということ自体は、知事ご自身も認めているところだと思います。条例の中には協力を求めるに当たって、第6条で必要最小限にとどめるとあると思いますが、大きな影響を与える行動というか、知事の求めということにもなろうかと思いますので、もし協力を求める場合に当たっては、どういうような考えで求めていくことになるのか教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 東京等で感染者の数が少し増加基調にあるということを私としては大変注目していますし、東京での対策というのは実は全国にも影響する話ですので、ぜひ政府と東京都でしっかり連携して、適切な対処をしていっていただきたいと思っています。その上で長野県としての考え方ですけれども、私としては新型コロナウイルス対策というのは両面があるということを申し上げてきています。一つは新型コロナウイルス感染症から県民の皆さまの命を守るということ。それからもう一つは新型コロナウイルス感染症の影響から県民の皆さまの命を守る。これは経済だとか、暮らしだとか、そういう間接的な影響から県民の皆さまを守っていくという両面が必要だと思っています。この取り組みは昨日も少し専門家懇談会の皆さまで医療提供体制の議論を行っていただいたわけですけれども、相互に関連していると思っています。社会経済活動を極力維持しようという形になると、場合によっては早く対策を講じることに比べて患者の発生数が増加してしまう。より早い対応をしていくという形になると、医療提供体制にとっては一定の余裕を生じることが可能になるかもしれませんけれども、社会経済面での影響はより大きくなってしまうということですので、私としてはその両面をしっかりにらみながら対策を講じていかなければいけないと思っています。今、医療提供体制をどの水準に持っていくかということを、県として専門家の皆さまの意見を伺いながら検討しているところですので、それと併せて具体的にどういう形の対策、対応、県民の皆さまへの要請等を行っていくかということも併せて考えていかなければいけないと思っています。こうしたことについては、専門家懇談会、あるいは有識者懇談会、こうした皆さまのご意見を頂く中で方向付けをしていきたいと思っています。そういう意味で命を守るということを最優先に置きながら、社会経済活動と医療提供体制、あるいは医療面での命を守るということの両面をしっかり見据えて対策を講じていきたいと思っています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 最初の説明の中で、条例運用のガイドラインを来週にも公表したいというお考えを示されていましたけれども、これには例えばどういうようなことが盛り込まれて、来週のいつ頃かという見通しがあれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 これはまさに県議会の付帯決議の中で、「議会の審議の中で明らかにされた事項について整理し、対策に反映するとともに、あらかじめ、県民に分かりやすく示すこと」ということで決議されていますので、それを踏まえて整理していきたいと思っています。従って基本的には県議会のやり取りの中で、県として意見表明、条例の考え方を説明した点、あるいはやり取りをしていく中で明らかになったような点、そうしたものを中心に考え方を取りまとめてお示ししていきたいと思っています。来週、条例が公布になると思いますので、基本的に公布日に合わせてお示しできるように取り組んでいきたいと思っています。

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2 松本市の中核市への移行について

中日新聞 我那覇圭 氏
 話が変わるのですけれども、今回、議案の中で松本市の中核市への移行への同意案というのも可決されたかと思います。今後、知事としても、もちろん市もそうですけれども、必要な手続きを進めていくことになろうかと思いますが、今回の議決に合わせて知事としてご所感があれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 松本市とは個別の事務事業について、これまでも調整してきています。私としては基礎自治体として、住民に身近な存在として、より多くの権限を持っていただきながら対応していただくということが、地方自治であったり、地方分権の観点からは望ましいと思っていますので、引き続き松本市の取り組みを応援したいと思っています。

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3 新型コロナウイルス感染症への対応について2

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 ガイドラインについて補足してお伺いしたいのですが。これは具体的な行動計画というよりは県としての考え方を示すというような形になるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 行動計画というよりは、むしろ条例の運用の考え方みたいな形です。今回、県議会の皆さまでご審議いただく中で、われわれもご質問、ご意見にお答えして、考え方をお示ししたことがたくさんありますので、そういうことを整理して分かりやすくお示ししていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 そういうことで言いますと、今、会見でお話ししていただいたような、条例の必要性を説明いただきましたけれども、そういったものであるとかが盛り込まれると、大枠で結構ですけれど、そういう理解でよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 例えば4点は、基本的に私が本会議で答弁していることをベースにお話ししていますので、逐語的に議会でのやり取りをガイドラインに落とし込むという形にはならないと思いますけれども、ただ議会の場でやり取りして、われわれがお示ししたようなことを分かりやすくまとめていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 いわゆるガイドラインを作るということですけれども、それに対して実際にどう動いていくかというようなアクションプランみたいなものがあると、条例を具体的に運用していく上でより分かりやすいのかとも思うのですけれども、その辺についてのお考えというのはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 アクションプランのイメージ次第だと思いますけれども、条例上のプロセスとしては例えば新型インフルエンザ等対策特別措置法、あるいは条例に基づく協力の求め等を行うときは専門家の意見を聞いた上で県議会に報告する形になっていまして、そういうプロセスは条例自体である程度明らかになっていると思っています。先ほど申し上げたように、医療提供体制も今後考えていかなければいけないのは、感染者の発生状況に応じて医療提供体制の病床数、最大限確保している病床数とは別に、その時点で即応できる病床数をどうしていくかというのをフェーズに分けて増やしていかなければいけないと思っていますし、そういう計画を作っていかなければいけないと思っていますけれども、それはそれでまた別途やっていくという形になりますので、やらなければいけないことが多岐にわたっていますけれども、それぞれの分野の中でしっかり対応の方向性は考えていきたいと思っています。もう一つ、医療と、先ほど言った産業、経済のところはどういう要請をどの段階でかけるかというのは、一定程度リンクする部分がありますので、そこについては事前にどこまで詳細に決められるかというところがありますけれども、一定の考え方は私どもとしても整理をしていきたいと思いますし、先ほど申し上げたように、専門家の皆さま等のご意見を伺って固めて、県民の皆さまにもできるだけお伝えしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 今、おっしゃっていただいたような、特に経済的な支援に取り組むというような項目もあるものですから、それに対して具体的に、例えば業界団体の意見を聞くであるとか、それでそういったものを反映させていくだとか、私としては、経済面で言えばこういった過程を経て具体的な支援に結び付けますよ、みたいなものがあると県民の人たちも分かりやすいかと思ったのですけれども。

長野県知事 阿部守一
 例えば人の往来の話でいくと、特に観光関係の皆さまに影響がある部分だと思いますので、観光関係の皆さまの考え方をお伺いすると同時に、条例の考え方も含めてお伝えして、意見交換するような場をできるだけ早く持ちたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 そういった理念的なものはガイドラインに盛り込んで、実際に動かしていくということになるということですか。

長野県知事 阿部守一
 ここで言っているガイドラインというのは、どちらかというと法令の解釈みたいな、県議会でのやり取りというのは、どちらかというと運用面の話というよりは第何条の規定はどういう考え方なのか、あるいはなぜこれが必要なのかという話なので、そういう意味で先ほど申し上げたガイドラインというのは、どちらかというと条例の考え方を整理していくという形になろうかと思います。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 まん延の防止が必要であるという状態について、知事は県議会の答弁の中でレベル3、最高段階になったときに適用されるとおっしゃっていたと理解しているのですけれども、恐らく県内での話かと思います。先ほど知事がおっしゃっていますように、東京に非常に注視していると、きょうは100人を超えたというような状況ですと、基本的に県内発生例だけで感染が広がるということはないと思うのですけれども、そういった場合リンクしなくなるという、例えば県内ではレベル1の状況であるけれども東京でかなり増えていますと、そういったときに条例に基づいて観光宿泊施設についてレベル3ではないのだけれども、協力の求めをするような状況もあるかと思うのですが、県内と県外の状況における実際の運用の仕方の考え方についてお伺いしてもいいですか。

長野県知事 阿部守一
 実際の運用については今回の条例で、いずれの場合も医療の専門家、それから市長会、町村会の代表、経済団体の代表等、こうした皆さまのご意見を聞いた上で確定させる形になっていますので、確定的に私がこうだということは今の時点でなかなか申し上げるのは難しい部分はあります。先ほどご質問いただいた、県内における外出自粛とかをどうするかという話ですけれども、長野県独自の非常事態宣言の発出レベルというのは、専門家懇談会の皆さまのご意見を聞いた上で人口10万人当たり1.2という形になっています。これは、これまで長野県が対応してきた最も高いレベルに近い水準ですけれども、ただそのレベルで直ちにすべての休業要請をかけるかというと必ずしもそうではないだろうと思っています。というのは、今回の対応を思い返していただければと思いますけれども、新型インフルエンザ等対策特別措置法上、休業要請をかけられる施設というのは非常に広範囲になっていますけれども、長野県はクラスターの発生等のリスクが高い施設に限って休業要請をかけています。そういう意味で、1.2を超えてきたら可能な施設にすべて休業要請をかけるかというと、恐らくそういう形は広過ぎるだろうと思いますし、またその段階で休業要請をかけるかどうかということについても、社会経済的な影響等もありますので、その時点で慎重に検討する形になろうかと思います。それから今ご質問いただいたのは県外との往来の話だと思いますけれども、これまで県が対応してきた状況というのは、長野県において緊急事態宣言が出され、そしてそのときは同時に全国で緊急事態宣言が出されているという、ある意味、日本全体が往来してはいけないという状況でした。まさにそういうときに観光目的で県境を往来する人がほとんどいない状況下でしたけれども、今後どういう対応になるかというと、例えば東京をはじめ一部の地域の感染者数が増えてきたというときに、すべての地域との往来をいきなり自粛という形にはなり得ないと思っていますし、先ほど旅館業法の規定をご覧いただきましたけれども、休業要請を宿泊施設にかけるかどうか、休業の協力の求めをやるかどうかということも、特定の地域だけの状況ではなくて、全国の状況を見定めなければ軽々(けいけい)には行い得ないものと現時点では考えています。そうしたことも含めて、先ほどの医療提供体制の在り方等ともセットで、今後できるだけしっかり方向付けをしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 これまでの他の記者の方の質問の中にもあったのですけれども、今までの中でも、そして条例の中でも、必ずしも法的に私権の制限をするものではないとおっしゃってきています。ただ一方で、それが知事の思いの通りに受け取らない人がいるのも事実だと思います。これは条例が悪いとかそういうことではなくて、「自粛警察」という言葉であったりだとか、差別的な言動をする人はいると思います。そういうときに、この求めに応じなくても問題ないのだというような、知事から何かしらのメッセージを出していただくことが、そういう差別的な言動を控えさせることになると思うのですけれども、その辺のお考えについてはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 この場でも説明しているように、今回の条例で書いているのは「協力の求め」です。新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言発令時点、発令後に行われるような指示等ではないということは、県としても県民の皆さまにお伝えしていかなければいけないと思いますけれども、そこら辺は法的な概念なのでなかなか伝えづらいところもあると思いますけれども、ぜひメディアの皆さまも丁寧に伝えていただければありがたいと思っています。その上で、例えば人の往来を誘発させる施設の方に対して、県が対応を考えていくのは必要な措置を検討することへの協力の求めです。直接的な協力の求めよりさらに間接的な、「検討の協力の求め」という形になっていますので、そこをぜひ多くの県民の皆さまにはしっかりお伝えしていきたいと思います。その上で医療従事者等への配慮の規定を置いていますので、先ほども申し上げましたけれども、例えば県外とどうしても往来しなくてはいけないような方たち、あるいは長野県の経済活動とか生活を担う上で必要な事業を県外の皆さまも担っていただいているわけですので、そういう意味では差別的な言動を行うというよりは、むしろ相互に温かい目線で支え合っていこうと、助け合っていこうと、そういう思いを持っていただくように、しっかり県民の皆さまにお伝えしていきたいと思います。県議会でも日赤が提唱されていることをお話ししました。感染症への不安から差別につながって、そして差別が行われることによって、例えば患者の方が症状があっても申し出にくくなってしまうとか、自分を守るという本能を人間はみんな持っているので、どうしても差別しようという思いがなくても、差別的な言動に結びつきかねない状況ですけれども、ただそのことが逆に社会全体からすると、感染症のまん延を防止するものには必ずしもならないというようなことも合わせてお伝えし、ご理解いただくようにしていきたいと思っています。

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4 リニア中央新幹線について1

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 リニアの関係で、きょう改めて静岡県が再工事については作業開始を認められないというような回答をしたということです。長野県内でも自然に対して配慮する静岡県の姿勢に対して賛同する県民の方もいらっしゃいますし、知事自身も自然環境を大切にしなければいけないというお考えもあると思うのですけれども、改めまして一連の静岡県とJRのやり取りに対する知事の所感というものをお伺いしてもよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 私も会見に来る前に、速報的にそういう話を聞いた状況ですので、きょうの静岡県からJR東海に対する回答内容の具体的な状況を把握しているわけではないという前提でお話をしますけれども、リニア中央新幹線工事については、長野県としては多くの皆さまのご協力を頂く中で、建設促進ということで取り組んできています。静岡県内においては水資源に関わる課題があるということで、JR東海と静岡県、そして今は国土交通省の専門家の会議で対策が検討されているという状況です。そういうことを考えますと、ぜひ関係者間で意思疎通をしっかり行っていただきたいと思いますし、長野県はリニア中央新幹線が2027年に開業するということを目標に、いろいろな取り組み、関連道路の整備等を行ってきているわけですので、ぜひ一日も早く問題、課題に決着がついて、事業進捗が図られるということを強く願っているところです。

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5 新型コロナウイルス感染症への対応について3

日本放送協会(NHK) 高橋圭太 氏
 条例のことで、来週公布で、確か施行も同じタイミングだったと思うのですけれども、日付としてはまだ決まっていないのですか。

危機管理防災課長 布山澄
 8日ないし9日で調整中です。まだ最終決定ではありません。

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 2点お伺いします。まず1点目ですけれども、先ほど東京都の感染者の増加について非常に懸念されているということでしたけれども、経済活動も再開させていかなければいけなくて、ロードマップ上は10日以降は県外からの需要も積極的に取り込んでいく時期になります。その中で慎重な行動は呼び掛けていますけれども、きのうの専門家懇談会でもそういう話が出たと思うのですけれども、知事としては東京都に外出、あるいは東京都との往来を自粛とか、そういう考えは現時点ではないということでよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 毎日、先ほど申し上げたモニタリングをしています。現時点では、東京、埼玉、北海道に行かれる方は行動を慎重にしていただきたいというお願いをしていますが、今後、引き続き他の都道府県の状況をモニタリングしていきますし、またそれらの都道府県であったり、政府においても感染状況を見ながら、一定の対策、対応が講じられてくると思いますので、そうした動きに対応して必要な対策を講じていきたいと思っています。

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6 リニア中央新幹線について2

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 2点目は、先ほどのリニアの関連です。今回の静岡県のJR東海に対する回答で、近々JR東海の金子社長が何かしらの会見などをされると思いますが、2027年開業の延期というのが不可避になったという考え方もあります。その中で長野県はリニア関連道路ですとか、圏域の事業とか、下伊那の方と一緒になって進めて、知事もあくまで2027年開業のスケジュールで県の事業はやっていくということでしたが、リニアの地上走行部分の用地買収というのは、飯田市と郡部の県で分かれています。静岡の工区の着工が遅れることで、その土地買収、動きたくない方もいる中、必死に説得しなければいけないのですけれども、そういうところに静岡県とJR東海の対立というのは何か影響が出てくるか、そういう懸念というのはありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 報道等では開業が遅れる可能性があるとされているのは承知していますけれども、これはまだ正式にそうした決定がなされたり、あるいは長野県に正式に報告されているわけではありません。そういう意味で長野県としては現時点では2027年開業をしっかり守って取り組んでもらいたいというのが基本的な考え方です。

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7 新型コロナウイルス感染症への対応について4

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 先ほどの質問にかぶるところもあるかもしれませんけれども、新型コロナウイルス感染症等対策条例のガイドラインですけれども、第6条に基づいて休業などの検討の協力を求める対象の業種とかを、ある程度特定したりということはあるのでしょうか。あるいは今後どこかのタイミングである程度、絞って特定していくことはあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 基本的には観光関係施設という形になってくるだろうと思っていますけれども、ここについては県議会の中でもいろいろやり取りをして、一定の明確化を求められている部分でもありますので、そういう意味ではガイドラインを取りまとめるに当たっては、県として先ほど申し上げたように新型インフルエンザ等対策特別措置法の施行令で定められている施設に対しても、すべての施設に休業要請をかけているわけではありませんので、そういう意味で実際にそうした施設に休業要請をかけるかどうかということは、また別の次元ではありますけれども、一定程度こういう施設が対象となってくるという考えだということはお示ししていくということになると思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 ガイドラインにおいてという理解でいいですね。

長野県知事 阿部守一
 そうです。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 先ほどお答えの中で触れました医療の関係ですけれども、知事がおっしゃった、フェーズに応じて即応可能な病床数を設定していくというお話は、要するに今、病床としては300床以上あって、宿泊施設は200あるという、このマックスを上げるということをこれから検討していくということなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今、全国的に厚生労働省と内閣官房からの事務連絡等を踏まえて、医療提供体制をどう充実させるかということを検討する形になっています。それには国から幾つかシミュレーションの考え方というものが示されている状況で、感染拡大の仕方という言い方がいいのかどうか分かりませんけれども、例えば今回の全国の状況を見ると、北海道と大阪では感染拡大のスピードとか、あるいは感染した方の年代だとか、そういうのが違っています。そういうものをどういう前提でシミュレーションしていくかとか、あるいは先ほど申し上げたように、さまざまな自粛とか休業の要請をどういうタイミングで行うかということによっても感染の拡大が変化していきますし、シミュレーション通りに必ずしも行くかどうか分かりませんけれども、ピーク時の入院患者の数も変動してくるという形になりますので、そういうことをどういう考え方で対策を講じていくかということを、県としては検討していこうという形にしています。感染拡大期になる前にしっかりとした方向を出さなければいけないと思っていますので、そういう意味で全国的に感染者数が少しずつ上向いているというのは非常に懸念している点ではあります。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 繰り返しになって申し訳ないですけれども、そうすると全体のキャパシティーを増やすということは入ってくるということですね。

長野県知事 阿部守一
 今お話しいただいたように、長野県としては500人の感染者の発生を前提に約300床、医療機関で対応する。その他については宿泊施設、あるいは例外的に自宅療養というのもお子さまなどはあると思いますけれども、そういう対応で考えていますけれども、そうしたシミュレーション等を行う中で、今後の医療体制の在り方については、いま一度、県としてしっかり見直して方向付けしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 つまりマックスとして、今の500よりも増やす可能性はあるということですか。

長野県知事 阿部守一
 そこは分からないです。どういう前提条件を置いてシミュレーションするかによって変わってきますので。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 条例の最後の条文の偏見、差別とか、誹謗(ひぼう)中傷に関するところですけれども、今、飲食店などを訪ねていきますと、県外の方はお断りしていますとか、いちげんさんは今お断りしていますと。要するにお店で感染が発生したらということを考えると怖いということで、そういうお店もあります。こういうのは差別とか偏見に当たるのかどうか、グレーな部分というのはかなりあると思うのですけれども、こうしたときにどういうふうな言い方だったらいいのではないかとか、こういう言い方はよくないとかということを、当事者も悩みながらやっている部分はあると思うので、県として何か提示していくということはできるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 おっしゃる通り非常に難しい部分があると思います。きょう条例が成立したので、県としても具体的な対応は考えていかなければいけないと思っていますし、県民の皆さまに条例の規定を基にどういう形で呼び掛けていくかということについてはしっかり考えていきたいと思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 ちなみに今、私が挙げたような例というのは好ましいと思うか、知事としてはどうでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど旅館業法の規定をご覧いただきましたけれども、旅館業法の規定は「伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められるとき」は宿泊を拒めるというような形になっています。これはどちらかというと法律上、宿泊施設においてはこういうケースとこういうケースは宿泊を断っていいですということが明確にされている一つの事例だと思いますが、恐らく飲食店においては、これに類似した規定があるのかないのか分からないですけれども、そういうところも踏まえて考え方を整理していかなければいけないのではないかと。今の旅館業法を前提にすると、例えば疾病にかかっていることが明らかでない方を拒んではいけないという形になっていますので。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 こういった飲食店の対応はいいかどうかというのは即答しづらい部分があるという感じですか。

長野県知事 阿部守一
 飲食店の皆さまが非常に心配されるということは私も理解はできます。ただ先ほども県内での感染が1.2になったときに県としての非常事態宣言を出しますとか、あるいは県外との往来の呼び掛けも慎重な行動ということは求めていますけれども、県外との往来を自粛しましょうとか、県外からお越しになるのは控えてくださいということはお願いしていませんので、そういうことを前提に考えていただくという形になろうかと思います。県で個別具体的にこれが絶対よくて、これが絶対駄目だということで主導するような権限が条例で持たされているわけではなくて、一般的に不当な差別的取り扱いと考えられるようなものは行わないでもらいたいということです。県としても具体的にどういうふうに考えていくべきかということについては考えを整理して県民の皆さまにお伝えしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 同じく差別、偏見をしないようにという条文の関係ですけれども、差別とか偏見を持とうと思って持って何か行動している人というのはないと思っていて、果たしてあのときやった行動は差別だったのではないかと常に顧みることが必要だと思うのです。それで県の対応に関しても、例えば休業要請を新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて行った後に、結果的には新型インフルエンザ等対策特別措置法の第45条に基づく要請をパチンコ店だけにしたとか、営業状況が分かりやすかったということはあったとしても、何か偏見がなかったと言えるのかとか難しいところだと思うのです。夜の接待を伴う飲食店というのも、結果的にクラスターが都会では出ているのだけれども、長野県では一応クラスターという形にはなっていなかったと思います。一方でそういう観点で言えば、いわゆる会社も感染が集団で何人かで起きているという事例は県内でもあって、では夜の街だけが危なくて昼はいいのかとか、そこに偏見はないのかというのは、私は振り返るべきだと思うのですけれども、そこはどうお考えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 県の対策として偏見を持って取り組んでいるということでは一切なくて、これは政府の専門家会議等でもクラスターが発生しやすい場所ということが言われていました。そういうことを踏まえて新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく休業要請等を行ったわけですので、そういう意味で業種によって価値判断をしているわけではなくて、クラスターが発生しやすい環境にあるのかないのかという観点で、専門家懇談会の皆さまにもお諮りをした上で休業要請をしていますので、県として特定の業種に対して偏見を持っているというようなことは一切ありません。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 専門家の考え方が、もしかしたら後から違ったかもしれないということであれば、また対応を変えていくということでしょうか。国の専門家会議の見解とか。

長野県知事 阿部守一
 新型コロナウイルス感染症対策というのは、ウイルスの性質が少しずつ分かってきているところもありますし、依然としてよく分からないところもあります。また特効薬とかワクチンもない中で、常にその時点の最新の知見なり、あるいは情報を踏まえた対策を選定していかなければいけないだろうと思っています。そういう意味で専門家の皆さまにもご意見を頂きながら取り組んできているわけですけれども、世界的な研究が進むといろいろ考え方も変わってくるところもあります。それは事後的にこうした対策は必要ではなかったのではないかとか、もっとこういう対策を取るべきではなかったかということは当然あり得るとは思いますけれども、県としてはその時点で最善を尽くしていくということで対応していかざるを得ないと思っています。

毎日新聞 島袋太輔 氏
 条例のガイドラインについてお聞きしたいのですけれども、先ほど知事からもお話があったように、なかなか条例が分かりづらかったという部分で、ガイドラインを作ろうと思った理由はどういったことなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように県議会の付帯決議でもそうしたご指摘を頂いていますし、県民の皆さまに県としての考え方をできるだけ分かりやすくお伝えしていくということが必要だと思っていますので、そうした観点で作成していこうというものです。

毎日新聞 島袋太輔 氏
 条例の経済的な支援の部分ですけれども、新型インフルエンザ等対策特別措置法とは違い、「経済的な支援を講ずる」と明記されているのですけれども、以前お話があった通り、具体的な金額については財源とのバランス次第だということはありましたけれども、今、知事のお考えとして具体的な金額についてはこのぐらいを想定しているだとか、そういったお考えはありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 条例とか法律でどういうときに幾ら支援しますと書いてあるというのは、基本的にはあまりないだろうと思います。例えば生活保護費を幾らにするかみたいなものはあると思いますけれども、産業、経済活動をどう支援するかということに金額を明記してあるような法令というのは基本的にはあまりないのではないかと思っています。先ほど申し上げましたように、休業要請の在り方だけを考えても、いろいろな対応の仕方があります。例えば業種の広さだとか、要請の内容の在り方とか、いろいろなことがありますので、そうしたことを考えると、一義的にどういうときに幾らということを決めていく、あらかじめ設定するのはなかなか難しいものと思っています。今回、協力金、支援金については市町村の皆さまにもご協力を頂いて一律30万円という形で対応したわけですけれども、今後の対応についてはどういう環境になるか分からないところがありますけれども、県としてはこれまで対応してきたことを考え方の基本には置きながら、具体的な対策を考えていくという形になろうかと思います。

毎日新聞 島袋太輔 氏
 条文に具体的な金額を明記するのは難しいことは重々承知しているのですけれども、ガイドラインについても具体的な金額に触れることはやはり難しいだろうという、そういう理解でよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 同じ休業要請をかけるにしても、期間をどうするかとか、業種の範囲をどうするかということによってもだいぶ違ってくる可能性があると思いますので、そういう意味ではあらかじめ一律に考え方を示すというのは、難しいというか、できないものではないかと思っています。

毎日新聞 島袋太輔 氏
 根拠となる財源ですけれども、第1波のときの休業要請では新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいてやられていて、国の臨時交付金を活用して30万円という金額を出しました。県の財源もなかなか厳しい中で、根拠となる財源は国とも交渉を進めていくということがありましたけれども、財源が不確実な中、条例を作るということに対しての知事のお考えというのはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、この感染症の問題というのは、感染症から県民の皆さまの命をどう守るかということと、併せて感染症の影響から事業活動をどう守って、生活を守って、ひいては命を守るかということの両面の対応になってきます。私としては本当にこうした対策、こうした対策というのは、例えばこうした事業者に対してはもう休業要請をかけないと県民の皆さまの命を守り抜けないというようなことがあれば、それは要請をしていく形になると思います。その場合には財政状況は厳しいわけではありますけれども、今回の条例では経済的支援ということも明記していますので、県としては最大限の対応を考えていかなければいけないと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 条例の関係で幾つかお聞かせください。先ほども施策実施のタイミングの話がありましたけれども、第6条の事業者に対する休業の要請であったり、協力の求めですが、第1波では同様の施策を同時に始めたと思うのですが、今のように県外、特に東京の方で感染が拡大していると、往来を誘発させる施設に対する協力の求めを先んじて行うこともあると思うのですけれども、そういった考えというのは考えられるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 いろいろな選択肢があり得ると思っています。これまでの対応というのは、特に長野県をはじめとする多くの都道府県では、全国すべてに緊急事態宣言が出されているという状況の中での緊急事態措置を講じてきたわけですが、今後同じような状況になるのか必ずしも分かりません。むしろ感染が拡大している都道府県で緊急事態宣言は出されるけれども、その他の地域は出されないというようなケースもあり得ると思います。そうしたことを考えると、これまで対応してきたような対応の仕方だけではなくて、いろいろなバリエーションがあり得るのではないかと思っています。県議会でも答弁しましたけれども、長野県内の状況のモニタリングというのは広域圏ごとに行っています。政府で緊急事態宣言が全県、あるいは全国で出されましたので、今回長野県においても全県での緊急事態措置という形になっていますけれども、今後の状況によっては広い長野県ではそれぞれの地域の状況が必ずしも同じではありませんので、地域ごとに対応していくといったようなことも視野に入れながら具体的な対策を考えていくということが必要だと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 先ほどの質問と趣旨が同じかもしれませんが、改めてさせてください。第6条の求めですけれども、新型インフルエンザ等対策特別措置法の要請よりも記述が抑えられているから強制力はないといった答弁が議会でもありました。そうであるならば、県の協力の求めに県民や事業者は必ずしも応じなくてもいい、もしくは応じなくても不利益を受けることはないということを知事自ら表明される必要があるのではないかと思うのですけれどもいかがですか。

長野県知事 阿部守一
 法的には全くその通りです。県議会の場でも繰り返し、ここでも先ほど申し上げましたけれども、あくまでも感染症のまん延防止対策というのは県民とか事業者の皆さまのご協力なしには達成できないと思っています。そういう意味で、今回の条例も「協力」ということがいろいろなところに書かれているかと思っています。法的に厳密に言えば、あくまでも協力の求めですから、それに従わないことをもって不利益な処分が行われるということではない。これは法的には少なくとも明らかだと思っていますが、県がそういうアラートなりお願いをするに当たっては、できる限りご協力いただけないかという観点でお願いする形になろうかと思いますので、そういう意味で法的には強制力はありません。ただそれぞれの事業者、あるいは県民の皆さまご自身のご判断で、感染防止にどうやって協力いただけるかということについては、ぜひ真摯(しんし)にご検討いただきたいと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 きょうの県議会の討論でも、検証が十分にされていない中での制定は時期尚早だといった指摘がありました。特に休業ですけれども、第1波で県内経済が冷え込んでいる状況になっています。県としては感染症予防には一定の効果があったと振り返りをされていますけれども、そういった経済面を含めてマイナス面を生み出した逆の効果というものだとか、他の対策を含めた複層的な影響を調べるということはやらないといけないのかと思っていまして、検証と一言で言ってもなかなか難しいと思うのですが、それでもやらなければ、今後協力の求めを行っていく場合の知事の政治判断に与える根拠というのが、県民には十分分からずに、ひいては県民の協力というものが得られにくいと思うのですけれども、改めて検証の考え方についてお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 これも県議会でも答弁していますけれども、県のこれまでの対応を振り返って課題の整理をしてきています。そうした課題を整理する中で見えてきている部分を今回の条例に反映しているということです。例えば検証というものの範囲にもよると思いますけれども、先ほど申し上げたように、新型コロナウイルスは必ずしもその性質がすべて把握し切れて、万全な特効薬、あるいはワクチンも含めて100パーセントの対策が講じられているわけではありませんので、常にその時々の状況に応じて最善だと思われる対応を取っていかなければいけないわけで、ウイルスの性質が分からないからといって、何も対策を講じないということは許されない話だと思っています。現に先ほど申し上げました厚生労働省が一定の考え方を示しているシミュレーションにおいても、これまで取られていたものと同じような効果を生じるような社会への要請、こうしたことが行われることを前提として病床数の推計をしていくという形になっています。そのときに科学的な根拠、エビデンスが明確でないから、これはやれない、あれもやらないということだと、何も対策を講じられないという形になります。先ほど申し上げたように、長野県がこれまで休業要請をかけているのは、基本的にクラスターが発生しやすいと言われている施設に限定しています。宿泊施設については先ほど説明したように、全国的に不要不急の往来自粛が求められているときに観光宿泊施設に人が来るというのは、あまり想定されないというか、全国的に往来を自粛してくださいと各県知事が呼びかけているときに観光地は事業継続を求められている事業者であるかというと、内閣官房も「連休期間の行楽を主目的とする宿泊に係る事業は、事業の継続が求められる対象とはならない」と、この時点では一応そういう解釈をされているわけですので、そういうことを考えれば、こうした事業者に対する対応というものも、人の往来が活発にある時期ということを考えれば、手段の一つとしてはあり得ると思っています。ただ、すべてそうですけれども、先ほど申し上げたように、権限があるからといってすべての権限を行使するという発想は全くありません。県民の皆さまの命を守るためにどうすればいいかということを考える中で、事業活動への影響を最小限にする方法を県としては誠心誠意見いだしていくということに尽きると思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 冒頭、条例の必要性という話がありました。知事が先ほどされていた各種の説明は議会でもされていて、理解できます。ただ、こうした問題意識は知事をはじめとした県の理事者、県として施策の執行上の課題というのが出発点ではないかというような意識は私も持っていまして、というのも県民からこういった条例がないと駄目だとか、何とかしてほしいといった意見が第1波で大きく巻き起こったわけではないのではないかと思っています。観光などはそういった意見も一部あったとお聞きしていますけれども、条例案に賛成した県議からも、条例はあってもいい、けれどもなくてもいいのではないかといったようなグレーゾーンの感想も聞かれました。県として訴えてきた条例の必要性について、県民が自らの生活のレベルに照らして考えることができたのか、そういったお考えはどうでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど説明したことが必要性であると思っているのですけれども。条例を運用したり、あるいは対策を取る側の問題意識だという言われ方をされることは、申し訳ないですが、若干違和感があります。なぜかというと、県議会提案の条例もありますが、基本的に多くの条例案はみんな知事提案です。それは県が自分たちの都合とか、自分たちの発想で提案しているのかというと全くそんなことはなくて、そんな条例は否決されるだろうと思っています。先ほど申し上げたように、例えば私が知事でない立場であれば、非常に重要な対策について一定の枠組みがなくて、本当に長野県は行っていいのでしょうかと思いますし、あるいは新型インフルエンザ等対策特別措置法は、国の本部が立ち上がったり、あるいは国が緊急事態宣言を出さないと、法律の一定の部分は発動できないという形になっています。私は基本的に地方自治を信じている立場ですから、中央集権的に国がすべてのことを差配するのが望ましいとは全く思っていません。地域によって、あるいは北海道とか東京と長野県の置かれている状況というのは必ずしも同じではない中で、新型インフルエンザ等対策特別措置法だけで県民の皆さまにとって最善の対応が取れるかというと、先ほども説明したように、長野県としてはなかなか対策を講じづらいところがあると思っています。それから民主的コントロールという観点でいけば、私権制限なのかどうかというところは、先ほど申し上げたように、協力の求めに従わないことをもって不利益な処分を受ける、不利益な取り扱いを受けるということは、条例の書き方から明らかなように一切あり得ません。一切、そんなことはあり得ません。ただこの場でもご指摘いただいているように、感染症対策全体は、そうであっても社会には大きな影響を与えるものだと思っています。そうしたことを考えれば、一定の手続の下で行われる、あるいは一定の根拠を法律であったり、条例が持った上で行われるというのが、法治国家であったり、民主的な国家の基本だと思っています。そういうことをここに書いているわけですので、こうしたことについては引き続き県民の皆さまにしっかりお伝えして、ご理解いただけるように取り組んでいきたいと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 今回、一部の条項を除いて他の感染症にも対応する恒久的な条例として制定されました。知事は制度的には抑制的な運用を図るとおっしゃられていますけれども、ご本人がずっと知事をされていくというわけではないですし、この前の会見だったと思うのですけれども、恒久条例にしたということで、時の知事によって運用が変わる危険性についての懸念はないというようなことをおっしゃられたと思うのですけれども、改めて恒久条例として制定したことについて、どうお考えですか。

長野県知事 阿部守一
 今のご指摘であれば、条例があったほうがいいですよね。条例がなければ手続きも決まらない。ある意味、知事がフリーハンドでいろいろなことをやりかねないというような形ではなくて、今回こういう枠組みを定めているわけですので、私が知事でなくなっても、条例が引き継がれることによって、こうした考え方は永続的に担保されるものと思っています。
 ありがとうございました。

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