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更新日:2018年8月31日

殺虫剤の空中散布による健康被害について

ご意見(2018年7月5日受付:Eメール)

今年度居住している地区では有人ヘリの空中散布は中止されましたが、他の地区などでは行われたようです。
私の周りでは、空中散布の日の午後から数日後にかけて、頭痛、鼻血、鼻水、熱、咳などの症状が子どもをはじめ、大人も出ています。
私の子どもは、ここ数年、毎年鼻血を出します。しかも決まって暑い時期です。
今年も2日目の空中散布の日の夕方に鼻血を出しました。
子どもの友達も鼻血を出したそうです。
私は、空中散布の影響だと思っています。
松枯れを食い止めたいという人の気持ちは分かりますが、私は、松よりも子どもの命の方が大切です。
松枯れの進行と人の命がどちらが大事か聞かれると、私は、即答で人の命だと答えます。
松枯れで災害がという人もいると思いますが、災害以前の問題です。
人の命があってからこそ、松枯れのいろいろな対策も考えられると思います。
もうすぐ7月の空中散布があります。
どうか、知事の大英断で空中散布を止めてください。
居住している市町村に健康被害が出ている報告をしました。
当該市町村では長野県防除実施基準に則って毎年散布しているそうです。
6月の空中散布後、私は健康被害の報告をしましたが、健康被害として取り扱われるかどうか、わかりません。
もし、健康被害として取り扱われたら7月は止まるでしょう。
そうではなければ、散布するでしょう。
もし、散布した場合、健康被害というのは、何を指すのでしょうか。危篤、重篤、死者が出たら健康被害ということなのでしょうか。
頭痛や鼻血等も、身体が危険信号を出している証拠です。

もし、知事がすぐに判断できないという場合、ひとまず、健康被害調査のため、今年度の7月の空中散布を中止(保留)にしてください。
宜しくお願い致します。

回答(2018年9月21日回答)

長野県林務部長の山崎明と申します。

「県民ホットライン」にお寄せいただいた殺虫剤の空中散布による健康被害に関するご意見、ご質問についてお答いたします。

まずもって、市町村等に対する確認等のため、ご回答が遅れましたことお詫び申し上げます。

貴殿におかれましては、松くい虫被害対策のための薬剤空中散布による健康への影響について、大変なご心配をお持ちのことと推察いたしました。その上で、まず始めに、松くい虫被害対策のための薬剤空中散布やその空中散布に使用されている農薬について、長くなりますが、ご説明させていただきます。

(1)松くい虫被害対策の薬剤空中散布について
松くい虫対策の薬剤散布については、松くい虫被害の予防対策としての有効な方法として、森林病害虫等防除法及び関係法令で位置づけられており、特に散布範囲が広く、健康や環境への影響に注意する必要がある特別防除(有人ヘリ散布)については、同法に基づく防除実施基準に定められている方法に従って実施されているところです。

(2)薬剤空中散布の実施について
無人ヘリによる薬剤空中散布については、国においては、局所的な散布形態であることから防除実施基準の対象とはしていないものの、長野県では、平成23年度に行った「松くい虫防除のための農薬の空中散布のあり方」の検討結果に基づき、散布地周辺住民の中で散布薬剤の影響を受けうる人に対し、影響しうる曝露の必要な低減または回避への取組等を、安全性に考慮して実施することを基本的な考え方とし、平成24年度に長野県防除実施基準を改定した後、平成28年度には全国に先駆けて、無人ヘリ散布も防除実施基準の対象とし、有人ヘリ散布と同水準での安全配慮の下で、今回散布を実施した市町村を含めた事業主体において実施をしているものと考えております。

(3)薬剤空中散布に使用している薬剤について
当該市町村の無人ヘリ散布で使用している薬剤については、平成25年度の開始以来、使用薬剤は「マツグリーン液剤2」を使用しています。この薬剤は、ネオニコチノイド系のアセタミプリド液剤(アセタミプリド2.0%)で、無人ヘリ散布では10倍に希釈し、10アール当たり3~4リットルを、松枯れの原因となるマツノザイセンチュウの運び屋であるマツノマダラカミキリが越冬木から脱出・羽化する最盛期(6月中下旬~7月中下旬)に松林の樹上4~5mから散布します。
農薬は、その安全性の確保を図るため、農薬取締法に基づき、製造、輸入から販売そして使用に至る全ての過程で「登録制度」により厳しく規制されており、一部の例外を除き、国(農林水産省)に登録された農薬だけが製造、輸入及び販売ができるという仕組みとなっています。
農薬取締法では、農薬の作物残留、土壌残留、水質汚濁による人畜への被害や水産動植物に対する被害を防止する観点から国が基準を定めることとされており、農薬の登録に際しては、国は、製造事業者から提出された試験成績などに基づいて、農薬の品質の適正化とその安全かつ適正な使用の確保のため、農薬の薬効をはじめ毒性や作物・土壌に対する残留性などについて総合的に検査し、申請農薬ごとに、これらの基準を超えないことを確認して登録することとされています。
ネオニコチノイド系農薬は松くい虫の原因となるマツノマダラカミキリのほか、カメムシ、ウンカなどの主要な害虫に対して優れた防除効果があり、松くい虫対策に限らず、稲、果樹、野菜など幅広く農作物の害虫防除に使用されており、長野県におけるネオニコチノイド系農薬の使用量については、日本植物防疫協会がとりまとめた長野県向けの出荷量から推定すると年300キロリットル程度であり、うち松くい虫対策(空中散布、地上散布)での使用量は年2キロリットル程度で、全体の0.7%と多くはありません。
登録農薬は、定められた用量・施用方法を守った上で安全に使用することができますが、松くい虫対策の散布では、さらに安全を期すために、長野県及び事業主体である市町村は、空中散布に関する安全確認として、水質、大気、土壌の調査を実施しています。大気に関する調査について、アセタミプリドに対しては、国(環境省)の航空防除農薬環境影響評価検討会が行った他の農薬の評価設定の考え方(※)を基に、長野県では有人ヘリ、無人ヘリともに24μg/m3以下を参考値として評価に用いているところ、直近3年間の調査では、全て測定限界値(0.05~0.2μg/m3)未満の結果となっており、無人ヘリの場合では、評価値の1/500という極めて低い濃度の農薬ですら検出されていない状況であり、長野県内の空中散布については、一般の方に対する安全性は基本的に確保されていると考えています。

※体重50kgの人が一日に15m3の呼吸を行うと仮定した場合に最大無影響を超えない気中濃度
なお、今回散布を実施した市町村においては、散布地区の近隣で薬剤の気中濃度について、散布前日、散布当日3回、散布翌日2回、散布2日後及び4日後各1回の安全確認調査を行っており、当該市町村の報告では、いずれも計測機器の検出限界以下となっています。

次に、貴殿がご心配されている健康被害について、お答えします。
化学物質過敏症等感受性の高い人などに対する影響の有無や可能性が解明されていない現状の中では、先ほども述べさせていただいたとおり、県では、平成23年11月に策定した「松くい虫防除のための農薬の空中散布の今後のあり方」に示すとおり、散布地周辺住民の影響を受けうる人に対して影響しうる曝露の必要な低減または回避への取り組みなど、安全性を考慮して実施することを基本的な考え方としています。
この考え方に基づき、平成24年度に改定した長野県防除実施基準では、事業主体である市町村は、特に化学物質に対して感受性の高い方などへの影響回避を念頭に、情報や意見の交換によるリスクコミュニケーション(事業計画の周知徹底、健康相談窓口の設置、散布実施時における一時退避などによる薬剤曝露の回避の検討など)を徹底し、それによってもなお薬剤曝露の回避が困難な場合は散布の中止を含めて検討することとしているところです。
このような状況の中で、今回子どもさん方に頭痛や鼻血などの症状が現れたことにつきましては、県(管轄地域振興局)から、事業主体である当該市町村に対して、より弱者である子どもさん方への影響を考慮し、長野県防除実施基準に沿った対応をするよう指導したところです。
県としましては、本県にとってなくてはならない松林の保全のために、松林の重要度や被害の拡大状況などを踏まえ、「守るべき松林」の絞り込みを徹底し、選択と集中により、効率的かつ効果的な松くい虫対策を、県と市町村が連携して進め、また、「松くい虫被害対策の見える化」を通じて県民との情報共有、コミュニケーションを深め、県民の信頼と協力のもとで松林の保全に取り組むことを基本的な考え方としています。
「松くい虫被害対策の見える化」については、今年度から新規事業として、全県を対象に、航空レーザー測量成果や人工衛星画像の解析を活用し、アカマツ林の正確な分布と被害状況及び経年変化を図化し、被害の全体像を飛躍的に見えやすくすることに取り組んでおり、被害の監視や、樹種転換・アカマツ材の活用等広域的対策の推進に活用していくとともに、「守るべき松林」の実効性のある設定、対策方法の選択・組み合わせについて幅広い住民の合意形成を得ながら進められるよう、市町村への支援、助言を行ってまいります。

最後に、貴殿には、これまでも松くい虫対策に係る空中散布の状況について、情報提供いただきありがとうございます。引き続き、松くい虫対策に係る空中散布について、何かございましたら、下記の連絡先にご連絡いただければと存じます。

以上、ご意見及びご質問への回答とさせていただきますが、ご不明な点がございましたら、森林づくり推進課長:高橋明彦、担当:保安林係まで、ご連絡くださいますようお願い申し上げます。

【問合せ先:林務部森林づくり推進課/保安林係/電話026-235-7275/メールshinrin(あっとまーく)pref.nagano.lg.jp】

(分野別:農業・林業)(月別:2018年7月)2018000342

 

お問い合わせ

企画振興部広報県民課

電話番号:026-235-7110

ファックス:026-235-7026

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