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更新日:2020年12月28日

長野県の持続可能な農業について

ご意見(2020年11月2日受付:Eメール)

突然のお手紙の非礼をお許しください。
長野県の持続可能な農業について、改善をしていただきたくお便りをさせていただきました。
どうぞよろしくお願いします。


長野県知事阿部守一さま
突然のお手紙の非礼をお許しください。私は高校まで長野県で育ちました。大学生になって以来、長野で暮らしていません。
県内の実家には毎年帰省していましたが、コロナ禍となった今年は、一度も訪ねることができずにおります。
私の親戚は、県内でりんご農家を営んでおります。ふるさと長野を代表する特産品を誇りに思い、こちら東京でりんごの紹介を20年余り続けてまいりました。
ところが、親戚は、高齢であったり、兼業しながら親の介護、子どもの受験、家族の抱える悩みなどで、数十年続くりんご作りの廃業の決断を余儀なくされ、リンゴの木を切り倒す話が出ております。
地域一帯で同じ現象が起きています。後継者不足、耕作放棄。これは、長野の特産のりんご・米・長いも・桃をはじめとする農業が途絶えるだけではなく、日本全国の経済力・活力の低下の危機を意味します。日本の食料自給率低下や食育文化の衰退に拍車をかけることになります。社会的な影響が大きいです。日本の存続が危ぶまれます。そう叫ばれて何年も経過しておりますが、大きな改善が見られません。

先日、あるテレビ番組を見ました。「持続可能な小さな農業」がテーマでした。家族単位の小回りの利く農業が、地域経済を活性化させ、日本の食料自給率を維持し、日本の食育文化を守る、と報道していました。消費者の志向の変化も紹介されていました。コロナの影響により、スーパーに買い物に行かなくなった消費者は、農家から直接に農産物を購入するスタイルが定着しつつあります。
成功している農家の例として、家族単位の小規模な農家の営みが紹介されておりました。ネットを活用し、生産者と消費者がコミュニケーションを取っています。
農業を単に「農産物を製造」するのではなく、「作った農産物をトリガーにサービス業」を展開していました。小回りの利く家族単位の農業ならではの、強みを発揮している様子を知りました。その成功には、自治体・地域全体の積極支援がありました。
しかし、こうした成功例は、極々限られた一部の方々のみであると感じます。未知の世界、これからノウハウが確立されていくのでしょう。
同じ時間・手間をかけて、農家Aと農家Bの売り上げが違う。秘訣はどこにあるのでしょうか。「農業はサービス業」(消費者をもてなす、消費者とコミュニケーションをとる、消費者に発見や楽しみ喜び感動を提供すること)ができているか、地域の協力・絆があるか、そこが大切だと思います。
持続可能な農業が実現できるよう、長野県を挙げて動いていただきたいです。

農業 as a Service。長野県が主導となって、持続可能な農業を構築し、元気な日本を取り戻す・支えるチャンスです。
こんなことを行っていただけないでしょうか。
(大変恥ずかしいですが、私は農業の直接の経験が無く、農作業の厳しさや大変さを、十分理解できていない状態で書いておりますこと、どうかお許しください。また、既にこうした取り組みを実施いただいているとしたら、私の無知・勉強不足です。お詫びいたします。)
行政機関(長野県、各市区町村)が、兼業農家職員を支援・・・例えばですが。
・公務員で兼業をしている農家への勤務地選択の自由を与える。
・農業休暇制度(無給)の制定。本人の意思で給与収入のダウンを選択可とする。
・農閑期・繁忙期に対応したフレキシブルな選択制勤務シフトの制定。
・改良普及や調査業務など、現地に赴くことが必要な職種は、もともとその地域にゆかりのある人が担当する。
・在宅勤務の推進により(地方自治体勤務者の場合)通勤は高速道路を使わず、一日当たりの通勤所要時間を片道平均1時間以内とする。交通事故リスクを減らすことにもつながります。家族と触れ合う時間も増えます。
・介護が必要な家族がいる職員の勤務地の配慮。
※ふるさとに住む友人から聞いた話です。
長野市内に住む県職員が、松本や上田や飯山へなど県内遠方地へ、高速道路を使って通勤している。朝は早く、帰宅は遅い。子どもと触れ合う時間はない。家族で食卓を囲む機会が無い。親の介護も十分にしてあげられない。
兼業農家をしている者は、週末に農業をするしかありません。その貴重な週末すら出勤となることもあるとのことです。
行政が「働き方改革」を実施できていないことを示しています。

私はりんご農家の親戚なので、りんご農家の支援で、こんな取り組みができたらと考えています。宅配企業とのタイアップです。
りんごの流通は二つあります。
【農協への出荷】と【消費者への直売】です。

【農協への出荷】
デメリット_消費者
・流通・卸のマージン・コストが付加された価格で購入
・生産者の顔が見えない。誰が育てた農産物なのかわからない。
デメリット_小規模農家(高齢・兼業)
・収穫期に必要とされる稼働が取れず、農協が定める出荷期日までに、収穫ができない。畑で腐らせる現実。
産地直売に持参するも、値下げ合戦で売れ残る(夕方の引き取りが切ない)
繰り返されるりんごの破棄
・消費者とのつながりが持てない(農家はやりがいを求めている)
・利益が少ない
⇒だれのための、だれをしあわせにする農業なのか。いまこそ見つめなおす機会。

【消費者への直売】
メリット_消費者
・おいしい・新鮮・安心(ここがクリアできれば、高価格でもよい)
・生産者の顔が見える。食育を幅広く学べる。視野が広がる。
・産地への愛着が生まれる。訪れたくなる。
メリット_小規模農家(高齢・兼業)
・農協基準の出荷スケジュール・栽培品種指定に縛られることがない。
・消費者のニーズをリアルに掴め、新たな農産物の生産が可能。
・やり方次第(サービス業として農産物を提供)で、利益の増加。
⇒消費者と生産者、双方がWinWinの農業「農業 as a Service」
これからの長野県の農業スタイル

【消費者への直売】スタイルで、宅配企業とタイアップして、長野県のりんご農業を活性化いただけないでしょうか。
【消費者への直売】スタイルのりんご農家の収穫期(現状)
畑で収穫⇒自宅へ運ばれ、手作業で選果⇒梱包⇒発送
【おきていること・・・小規模農家(高齢・兼業)】
・人手不足
・高齢者の梯子からの落下事故、転倒事故。
・収穫したリンゴを軽トラックの荷台にのせる苦労。
・高齢者の軽トラック運転の事故発生(りんご運搬、梱包資材の買い付け時)
・手作業による梱包の手間、非効率
・宅配企業の集配センターへの運搬稼働(宅配業者による農家巡回・集荷稼働)
この【消費者への直売】スタイルを【宅配企業がサポート】するのです。

【消費者への直売】スタイル
宅配企業が小規模農家(高齢・兼業)の課題をサポート
1.畑で収穫宅配企業の拠点へ(宅配会社がコンテナごと)集荷
2.宅配企業が用意した選果機で、農家・応援者が選果
3.その場で宅配会社が梱包資材を提供。梱包・発送
※1収穫期という臨時期間ではあるが、臨時的な雇用創出も検討。
農業体験ボランティア活用で、長野の観光活性化(GoToりんご農家)。
農業をやってみたいというチャレンジャーの発掘の模索。
1、2、3を農業体験ボランティアで実践できる機会は貴重です。
現状:農業委員会では農家の担い手を募集しているが、集まらない。既に耕作放棄された農地には鼠・モグラが住み着き、近隣の農園に被害が発生しています。そのことが、さらに担い手の決断を躊躇させるという、悪循環をもたらしています。
※2選果機は、りんごだけでなく、梨や桃など他の果物にも対応した機材。
※3梱包資材(段ボールや緩衝材)の提供だけでなく、消費者とのコミュニケーションチラシ等のコンテンツも提供。
(インターネットを活用したPR方法のサポート支援も含む)
このほか、民間企業による柔軟なアイデアや業務改善手法の導入により、一層充実した支援が期待できます。

【宅配企業がサポート】
メリット_消費者
・より鮮度の高い農産物を享受できる。
メリット_小規模農家(高齢・兼業)
・持続可能な農業の展開
メリット_宅配企業
・地域の農業を支えることにより地域貢献
・モノを運ぶだけではない、新ビジネス展開の可能性
・宅配企業が「生鮮食品総合ショッピングセンター」になる?新しいビジネス
・「宅配 as a Service」、日本経済の活性化。
メリット_地域
・雇用創出の可能性
・農業体験ボランティア活用で、長野の観光活性化(GoToりんご農家)
消費者と生産者と地元企業と地域、四方がWinWinになります。

今、行動しないとしたら、この先どうなるのでしょうか。今、長野(日本すべて)の農家で起きている問題に、真剣に向き合った者に、可能性や希望がいっぱいの未来が待っていてほしいと思います。
ここまでは、日本の農業の「延命策」を書かせていただきました。延命策とはその場だけを乗り切る「戦術」です。延命のための資源が枯渇したら、そこで破綻します。ありがちなのが助成金頼みの施策です。「資金が尽きたら終わってしまった。また助成金を交付して、同じ施策の繰り返しループ」ということになりかねません(商店街の存続施策などは、その典型例です)。
やるべきは「持続可能な農業」への「戦略」です。延命策しか思いつかない人を集めての議論ではなく、農業と全く異なる業種で業績を上げている経営者たちを巻き込んだ「新持続可能な農業」の議論です。若者がビジネスとして「農業」を選択し、起業しやすくなる制度の充実やサポート、流通の抜本的な構造改革が必要だと感じます。既存の流通体制との対立も視野にいれての改革となることでしょう。それを覚悟で「戦略」をしていくことになります。
もはや「待った」は無しです。

親戚が言っていました。「一年間育ってきてくれたりんごが『いま、おいしくなったよ!』と言ってくれた時に収穫して、みなさんに食べてもらいたい。」と。
りんごの実、消費者、生産者、それをサポートする地域・企業がWinWinになる「改革」を「戦略」を、阿部長野県知事、どうか実行してください。親戚がりんごの木を伐り倒す前に、どうか「戦略」を実行してください。私もふるさとを長野とする者として、できることをしたいです。
私のふるさと長野が「持続可能な元気いっぱいの長野」であってほしい。私の国「日本」が「しあわせであり続け、栄え続ける国」であってほしい。心から願っております。
どうぞご検討のほど、お願い申し上げます。

回答(2020年11月10日回答)

長野県総務部長の関昇一郎、農政部長の伊藤洋人と申します。
「知事へのお手紙」及び「県民ホットライン」にお寄せいただいた農業政策に関するご提案について、お答えします。

このたびは、本県農業の発展に向けた貴重なご提案をいただき、誠にありがとうございました。
また、貴殿のふるさとを思うお気持ちやご提案に対し、重ねて感謝申し上げます。

はじめに県職員の副業(兼業)について申し上げます。
長野県では、職員が「学びと自治の実践者」として、地域に飛び出し、地域や社会に貢献する活動に積極的に参加するとともに、活動から得た「学び」を県政に活かす取組を応援するため、平成30年度に「地域に飛び出せ!社会貢献職員応援制度」を創設し、職員の実例紹介などを通じて、職員の社会貢献活動を支援しているところです。
この制度の普及啓発を通じて更なる職員の資質向上と質の高い行政サービスの実現に取り組んでまいります。

次に、農業など副業(兼業)を行う職員に対する休暇制度や人事異動に関するご提案についてですが、職員が副業(兼業)を行う際は年次休暇を活用することができますので、まずは年次休暇を取得しやすい職場づくりを進めていくことが大切と考えております。
加えて、ワーク・ライフ・バランスの実現の観点から、職員の希望に基づく時差勤務や在宅勤務制度の活用についても職員に促しているところです。職員の事情に応じて、これらの柔軟な勤務ができる制度は、農業への従事にも活用していけるものと考えております。
このほか、職員の人事異動については、職員の生活地の偏在や専門的な能力の活用、育児・介護等の家庭事情により、必ずしもすべての職員の希望に沿えない場合も生じてしまうところですが、個々の職員の家庭の事情をしっかりと把握し、単身赴任や遠距離通勤ができるだけ生じぬよう、その配置に努めてまいります。

次に、農業が抱える課題について申し上げます。
県としても、貴殿からご指摘いただいた農家の高齢化に伴い発生している様々な状況を、大きな課題であると認識しております。
一方で、県を含め、様々な主体による課題解決のための取組が始まっております。

まず、宅配企業による集荷や発送につきましては、既に大手運送業者によるサービスの提供が始まっております。また、県内の食品卸業者が宿泊施設などへ荷を届けた帰り道に、農家が各地域の拠点に持ち込んだ農産物を集荷して新たな販路先へ届ける事例など、試行段階のもの含め、取組が始まっているところです。

梱包等を含めた収穫時期の作業のために臨時的な雇用の確保が求められていますが、これについては、市町村等を含め、様々な主体による取組が行われております。
例えば、援農ボランティアを募集し農家に紹介する事業(飯田市)や、地域の農作業請負組織と農家を結びつける事業(塩尻市、飯綱町など)、シルバー人材センターによる請負等があり、昨年度は41市町村で延べ6,762戸の農家が29,014人から支援(県調べ)を受けているところです。
最近では、マッチングアプリを利用して臨時雇用を確保する新たな取組も、成果が出始めております。

県では、こうした地域の状況に応じた新たな流通の仕組づくりや雇用確保の取組に対し、現地の地域振興局(農業農村支援センター)において、助言や経費支援(地域発元気づくり支援金等)などを行っているところです。
また、ハローワークと連携し、期間雇用者を求める農家と求職者をマッチングするなど、県独自の取組を行っているところです。

ただし、通年でなく臨時的な求人とならざるを得ないこと、作業の中身が理解されていないこと、屋外中心の作業であり労働条件が厳しいこと等農業特有の事情から、農業労働力の確保がなかなか進んでいないのが実情であり、県としても、今後さらに力を入れなければならない最大の課題の一つと考えております。

選果機の設置など、宅配企業等によるさらなる業務の拡大につきましては、採算性や出荷先の問題など、まずは宅配企業等がどう考えるかということになりますので、県としては、民間企業の動きを注視し、動きがあれば、連携や支援について研究してまいりたいと考えます。

生産者と消費者のつながりや異業種のアイデアの活用などは、ご指摘のとおり、大切な観点であると考えております。
県の取組としては、例えば、農産物などの県内の売り手と、加工業者など日本全国の買い手をマッチングする「しあわせ商談サイトNAGANO」(https://nagano-shodan.com/top)の運営や、トヨタ式カイゼン手法の農業現場への導入、若手農業経営者を育てる農業大学校における民間企業の経営者等を招いた講義の実施などの取組を行っております。

以上、貴殿からいただきましたご提案につきまして、現状の取組等についてご説明させていただきましたが、ご指摘いただいた課題は、持続可能な農業の構築のためにいずれも重要なものであり、貴殿のご提案も参考にさせていただきながら、引き続き、その解決のための取組を進めてまいりたいと考えております。

最後に、ご実家のりんご園の問題につきましてご提案させていただきます。
先ほど、宅配企業による集荷サービスを御紹介しましたが、その他に、農家の方が万が一営農を断念せざるを得なくなった場合、農地の有効活用と荒廃化の防止のため、担い手農家が借受け、効果的に耕作ができる農地については、農家からの依頼に基づき、各都道府県に設置された「農地中間管理機構」という組織が、農地の借受希望者とのマッチングや、借受者が決まるまでの農地の管理を最長2年間行うという業務を行っております。
長野県では、県の認定団体である公益財団法人長野県農業開発公社がこの「農地中間管理機構」として業務を行っておりますので、もしよろしければ、こうした事業があることをご実家のご親戚にお知らせいただければと思います。

県といたしましては、今回ご提案いただいたご意見も参考に、今後も農業・農村を取り巻く情勢の変化に対応しながら、本県農業・農村の振興に努めてまいりますので、貴殿におかれましては、引き続き、ふるさと長野の応援団として、りんごをはじめとする農産物のPRをお願いできればと思います。

以上、ご提案への回答とさせていただきますが、貴殿におかれましては、今後もお気づきの点等がございましたら、
県職員の兼業については、コンプライアンス・行政経営課長高橋寿明、担当者まで、県職員の勤務時間、人事については、人事課長出川広昭、担当:人事係、給与係まで、農業政策については、農業政策課長斎藤政一郎、担当:企画係までご連絡くださいますようお願い申し上げます。


【問合せ先:総務部コンプライアンス・行政経営課/電話026-235-7029/メールcomp-gyosei(あっとまーく)pref.nagano.lg.jp】

【問合せ先:総務部人事課人事係・給与係/電話026-235-7032・026-235-7033/メールjinji(あっとまーく)pref.nagano.lg.jp】

【問合せ先:農政部農業政策課/企画係/電話026-235-7213/メールnosei(あっとまーく)pref.nagano.lg.jp】

(分野別:農業・林業)(月別:2020年11月)2020001136

 

お問い合わせ

企画振興部広報県民課

電話番号:026-235-7110

ファックス:026-235-7026

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