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更新日:2021年10月29日

A市町村のB地区における非農地決定の地域振興局農政課の関与について

ご意見(2021年9月17日受付:Eメール)

農林水産省作成資料「農業振興地域制度、農地転用許可制度等について」(https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukei/totiriyo/tenyou_kisei/270403/pdf/sankou1.pdf)によると、農業振興地域内の農地、第1種農地の農地転用は「不許可」もしくは「原則不許可」とあります。

一方、A市町村のB地区の農地は、農業振興地域であり過去に圃場整備も行われたにもかかわらず、A市町村農業委員会が多数の農地を非農地決定しています。

そして、その直後に太陽光発電所建設を計画している県外の業者に転売し、開発が進められています。

問題は、地域振興局農政課の対応です。

A市町村農業委員会の総会議事録には、次のことが記載されています。

「こちらは圃場整備の入った農地です。現地確認も、県の地域振興局の農政課とも行っております。県の判断としては、事業終了から4半世紀25年以上経っていることから一つの役割を終えていると考えてよいというものでした。」

このことは、農業振興地域制度の趣旨を無視し、「不許可」「原則不許可」としている農業振興地域の農地の非農地決定を県がお墨付きを与えたことになります。そして、県が率先して太陽光発電所建設に加担し、これ以後他の農地でも非農地決定により太陽光発電所計画への道を開いてやることにつながってしまいました。

現に、別の地区の農家の方は、自分の農地は転用できない、そんなことが認められるのならば、そうしてもらいたい。おかしいじゃないか、と話しています。

ついては、つぎのことを説明してください。

1.地域振興局農政課の職員がA市町村農業委員会と現地で立ち会った際、どのような打ち合わせがなされたのか?

2.A市町村農業委員会の「農業振興地域は不許可」の農林水産省の方針に反した非農地決定の判断は、正しいのか?

3.2について長野県が「正しい」と判断するのであれば、「農業振興地域は不許可」の農林水産省の方針はどう解釈したらいいのか?

4.2について長野県が「正しくない」と判断するのであれば、A市町村農業委員会の「非農地決定」判断を見直すよう指導するか?

5.この非農地決定により、各地で農地転用の申請時に「A市町村のB地区では農業振興地域内でも非農地決定したのだから、ここだってできるだろ」と、農地転用が加速することになるとは考えないか?

6.そもそも、長野県は、「農地」扱いの土地を今後どうしていくことが県民利益につながると考えているのか?

7.「県の判断としては、事業終了から4半世紀25年以上経っていることから一つの役割を終えている」と地域振興局農政課が判断したことも影響し、この「非農地」決定による太陽光発電所計画が進められた結果、地域住民が混乱しコミュニティも壊れてしまったりしています。行政の判断が住民生活に大きな影響を及ぼした責任については、どのように感じるか?

以上について回答願います。

6に関しては、耕作放棄地をいつまでも放置しておくことが望ましいとは思いませんが、だからと言って法律の趣旨を無視して開発行為を進めさせることもいいことだとは思いません。

回答(2021年9月28日回答)

長野県農政部長の小林安男と申します。
「県民ホットライン」にお寄せいただきました、A市町村に所在する農地における非農地判断に関するご質問等についてお答えします。

この度は、農振法及び農地法の運用に関してご心配をおかけしています。ご意見をいただいた内容については、制度上分かりにくい点もございますので、はじめに制度についてご説明します。

農地法では、農地を、耕作の目的に供される土地と定義しています。
開墾等により耕作の目的に供されることとなった土地は、市町村農業委員会により農地と判断され、食料の安定供給を目的として農地以外への転用が制限されることとなります。

最近では、開墾等から年数が経過し、耕作放棄が進むなどして耕作の目的に供されなくなった土地が増加しています。
このような土地については、いつまでも農地転用の規制を続けることは好ましくないことから、市町村農業委員会が非農地判断を行っています。

非農地判断とは、現況が森林の様相を呈するなど、農業上の利用の増進を図ることが見込まれない農地について、農地に該当しない旨の判断を行う手続です。

非農地判断の基準は、「「農地法の運用について」の制定について」(平成21年12月11日農林水産省経営局長・農村振興局長連名通知。以下、「農地法運用通知」といいます。)で規定されており、具体的には、

・その土地が森林の様相を呈しているなど農地に復元するための物理的な条件整備が著しく困難な場合
・その土地の周囲の状況からみて、その土地を農地として復元しても継続して利用することができないと見込まれる場合

のいずれかに該当する場合は、農地に該当しないものとするとされています。

非農地判断を行うことにより、その土地は農地法で転用を規制している農地でなくなるため、農地転用許可の対象外となります。

また、農用地区域に存在する土地についても非農地判断を行うことは可能で、非農地判断後に農業振興地域整備計画の変更(いわゆる農振除外)を行うことになります。この変更にあたっては県の同意が必要になります。

続いて、貴殿からのご質問についてお答えします。

【1について】
農振除外に係る調査のため、地域振興局農政課の職員が現地を2回確認したことが記録に残っていますが、具体的な打合せ内容までは確認できませんでした。

【2、3、4について】
貴殿が引用されていた農林水産省の作成資料にある「農業振興地域は不許可」とは、農地法上の農地を農地以外のものにする農地転用許可のことを指しています。
「不許可」とは、農業振興地域内の農用地区域に存在する農地や第1種農地の転用が原則不許可になるという意味です。
一方、非農地判断を行った土地は、農地転用許可の対象外となりますので、非農地判断を行うことは、農林水産省の方針に反するものではありません。

【5について】
制度のご説明の中で申し上げたとおり、非農地判断は、農地の現況を農地法運用通知で規定されている判断基準に照らして農地か否かを判断するものです。
非農地の基準に該当する土地は、非農地判断を適切に行っていくことになります。

【6について】
農地は、農業経営や農業生産に必要な最も基礎的な資源です。
また、水源のかん養、洪水の防止、自然環境の保全、良好な景観の育成といった多様な機能を有しており、その利益は多くの県民が享受しています。
農業振興はもちろんのこと、こうした多面的機能を維持していくためにも、優良な農地を適正に確保していくことが県民利益につながると考えています。

【7について】
ほ場整備が行われた土地は、年数の経過にかかわらず農業的な利用を図っていくべきであり、A市町村農業委員会が作成した議事録にある「25年以上経っていることから一つの役割を終えている」という発言を職員が実際に行ったのであれば、その発言は不適切であったと考えます。
今回のご意見を踏まえ、優良な農地を適正に確保していく立場として誤解を与える言動をとることがないよう、職員に対して指導してまいります。
なお、制度のご説明の中で申し上げたとおり、非農地判断は土地の現況のみによって判断されるものですので、ご理解をいただければと思います。
最後に、非農地判断後に行われる太陽光発電事業は、地域住民とのトラブルを防止するためにも、事業者が住民に事業計画を十分に説明するなどして地域との調和のもとで行われることが望ましいと考えています。

以上、ご質問への回答とさせていただきますが、ご不明な点がございましたら、農業政策課長塩川ひろ恵、担当:農地調整係まで、ご連絡くださいますようお願い申し上げます。

【問合せ先:農政部/農業政策課/農地調整係/電話026-235-7214/メール:nosei(あっとまーく)pref.nagano.lg.jp】

(分野別:農業・林業)(月別:2021年9月)2021000805

 

お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7110

ファックス:026-235-7026

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