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更新日:2021年5月1日
開催日時:令和元年12月18日(水曜日)13時00分~15時00分
場所:公立大学法人 長野県立大学(長野市)
意見交換テーマ:『地域で若者がどういう役割を果たせるか、学生自身のこれからの夢について』
参加者:41人
「地域で若者がどういう役割を果たせるか、学生自身のこれからの夢について」をテーマに学生から発表していただき、知事と意見交換を行いました。
【知事あいさつ要旨】
【金田一学長あいさつ要旨】
学生からの発表について知事と次のような意見交換を行いました。
【発表1(地域連携活動)】
エシカル消費マップ「ここからエシカルマップ」の作成事業に参加したことで、長野の地域を知ることができた。また、作成事業の取材の過程で築かれた地域との関係性が大切なものになった。
長野県民のエシカル認知度100%を目指しているが、エシカルという言葉をただ知っても仕方がない気がする。
(知事のコメント)
県のアンケート調査でも、認知度を聞くことはやめるように指示している。知っているかではなく、どうすれば行動をしたくなるかなどを聞かなければ意味がない。
【発表2(地域連携活動)】
高校1年の時に参加した「中野市若者会議」をきっかけに、地元のイベントで、商工会議所と協力し、企画商品の販売を行った。
この経験を活かし、「中西珈琲倶楽部」を立ち上げ、独自のコーヒーブランドをつくった。現在は信州大学生が主に活動する善光寺近くのカフェにおいてそのコーヒーを販売している状況で、これからの展開を考えているところ。
これらの活動経験から、実現に向けて行動することが重要で、躊躇することなく、とにかく進めてしまうというのが一番早い。
(知事のコメント)
世の中は行動しないで議論ばかりしていることが多いように思うが、どうすれば会議だけでなく行動するようになるかは課題。
【発表3(起業)】
同級生と共に長野市内に古着の店を開店させた。きっかけは、長野県立大学CSI(ソーシャル・イノベーション創出センター)で見たファストファッション(※)の負の部分として、労働搾取や環境破壊などすごく残酷な現実があるということを知り、少しでも減らすことに取り組む形での古着屋ができたらと思いはじめたこと。
お店の場所や古着を寄付していただくなど、地域の方々の協力なしでは古着屋の運営は成り立たない。
これからも、いろいろな人を巻き込んで、よい循環を生み出していきたい。全国の学生が同様に取り組めば、コストや環境への負荷なども減るかもしれないし、廃棄されていた服も、また新しい経済価値が付くなど良い循環ができればいい。
(※)ファストファッション:流行を採り入れつつ低価格に抑えた衣料品を、大量生産し、短いサイクルで販売するブランドやその業態のこと。
(知事コメント)
大学は教育の場であると同時に、地域とつながり、地域を発展させていく核となるものと考えている。そのことからも、古着屋の取り組みも大学をつくった一つの大きな意義と考える。
【発表4(起業)】
私は農業が本当に好きで、畑の中で暮らせればいいと思っており、現在、学生有志団体「農業振興バトン」という団体を立ち上げ、農業に取り組んでいる。
将来は、今のコミュニティを、少しずつ広げ、地域に、そして最後には長野県に広げていきたい。
(知事コメント)
農業で人を元気に、人の力で農業を元気にという方向性はこれからの日本や世界にとっても重要。ぜひ農業を広げていってもらいたい。
【発表5(ボランティア)】
虐待や貧困、他に片親とかで、親元にいられなくなったストリートチルドレンを受け入れ、育てている子どもの家の施設整備や修繕、道路をつくる海外ボランティアに行った。現地の子どもたちは学校が終わると、遊具で遊んだり、ダンスしたりとか、自分がやりたいことをやっており、日本はもっと自由なことができる環境だったらいい。
日本に帰ってきて、何ができるのか、何がやりたいのかを考えた中で、大学からペットボトルをなくしたいという考えに至り、現在取り組んでいる。
(知事コメント)
皆さんは、今の時代として望ましい形の教育を受けられるようになってきているが、問題を設定していく能力や、コーディネートしていく能力、そういう能力を高校や大学で身につけられるようにしていかなければいけない。
【発表6(ボランティア)】
大学ではボランティア活動が公欠扱いにならず、出席日数が3分の2以上でないと単位の取得はできないことから、ボランティアに参加できない。
もっと多くの人がボランティア活動に参加できるように、ボランティア活動が公欠扱いになるよう大学に働きかけ、実現することができた。ただ、この取り組みの間はボランティアに参加できないもどかしさや、大学生は大学で勉強するものという意見に対し、「勉強はいつでもできる」、「災害に直面している今、勉強の話をする場合なのか」などの疑問がわき、いろいろ悩んだ。
(知事コメント)
世の中は矛盾が多いけど諦めてはいけない。一個一個変えていかなければいけない。
めげる気持ちになるかもしれないが、ぜひめげずにやってもらいたい。ただ、その時に自分の思いに共感する人たちを増やしていくことが重要。今回の経験を踏まえ、これからもいろいろな行動をしていってもらえるとありがたい。
【発表7(若者の未来)】
大学に入る前からやりたいことが明確ではなく、大学に入ってからもやりたいことがわからないなど自分の中で葛藤することが多かった。そんな中、今年行ったアメリカ留学は本当に貴重な経験となった。
いろいろなことを学んで、本当に成長できたし、他にもサークル活動など授業以外でも学ぶことが多く、今も多くの事柄に取り組んでいる。また、今まで常識と思っていたことや、一般的なことに疑問を持ち、一から考え直すような生活をするようになった。
今は、お金や地位や名誉など、今の社会に本当に必要なことなのかというのがちょっと理解できていない。大切なのはお金ではなくて、人間関係の豊かさではないかと思っている。
(知事コメント)
長野県の総合計画の基本目標は「確かな暮らしが営まれる美しい信州」。「確かな暮らし」とは、当たり前に暮らせる、普通に家族と語り合える、地域の皆さんといろいろな活動ができるということ自体に価値があるというもの。
長野県のいいところを聞かれた時は、長野県はお金で換算できない素晴らしい価値がいっぱいあると答えている。田んぼのあぜ道に座って、北アルプスに沈む夕日を眺めるだけで私は幸せを感じる。ただそういうものを放っておくと、どんどん失われてしまうので、ぜひ大切にしていかなければいけない。
【発表8(若者の未来)】
先生とか生徒だけでなく大学生、地域の大人、社会の大人、専門職の方々を巻き込むことで教育という狭い世界をもっと広げたり、それをオープンにして、そこに大学生が関わっていくことで、高校と大学の接続や学びにもっとわくわくがあるんだということを広げる取り組みを行っている。
若者をつなげるには地域のコーディネーターの役目を果たす人や機関が必要。コーディネーターを支える仕組みを、ぜひ行政にやっていただきたい。
また、理事長には学長裁量単位というものを提案させていただきたい。
(知事コメント)
長野県は教育県ではなく、「学び」が重要。一人一人が主体的に学ぶ県にしていきたいと思い、総合計画では「学びの県づくり」を重点施策の一つに掲げている。
もっと自由でいいのではないか。やりたい研究をきちんとやるので、こちらの授業は何とかしてほしいなど、柔軟性がある程度あってもいい。
【知事総括コメント】
との総括コメントがあり、県政タウンミーティングを終了しました。
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