インターネット版広報ながのけん10月号 2015年10月発行 特集:文化芸術に触れて心豊かに ■1ページ目  文化芸術は私たちの暮らしを華やかに彩り、潤いのある人生をもたらします。日一日と秋が深まりゆく信州。今こそ文化芸術の薫りを楽しんでみませんか。 新生、セイジ・オザワ 松本フェスティバル。  1992年から毎年夏に松本市で開催してきた「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」は、今年から、総監督小澤征爾の名を冠した「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」(OMF)に生まれ変わりました。これまで同様、母体であるサイトウ・キネン・オーケストラの優れた演奏はもちろんのこと、 世界的指揮者、演奏家、出演者が小澤征爾総監督の強い要望を受けて、今年も松本に集まりました。  8月9日から9月15日までの計38日間にわたり開催され、延べ8万3千人余の観客を魅了しました。 県民栄誉賞 第1号は小澤征爾さん  *世界的な音楽祭に育て上げ、本県の音楽文化とブランド価値の向上に寄与  *子どもたちに音楽を身近に感じてもらう活動を通じ、本県の音楽文化のすそ野を広げ、その普及・定着に寄与 ■2ページ目 信州発の若手芸術家を全力応援「nextネクスト」  長野県ゆかりの若手芸術家の活動を応援するnext。次世代を担う新進気鋭のアーティストが多数登録・活動しています。また、観光コラボレーション事業をきっかけにして、新たな活躍のフィールドが広がっています。 next(若手芸術家支援事業)とは  「長野県ゆかりで、プロまたはプロの芸術家をめざす30代までの若手芸術家」を対象に、芸術家の活動情報をnextのウェブサイトから発信するとともに、発表の場を提供しています。  主な活動   ・ 若手芸術家のデータベース化・情報発信   ・ 県内展示スペースや助成金等の情報提供   ・ 若手芸術家の展覧会、舞台公演の企画・開催 若手芸術家と観光コラボレーション  観光地の活性化や地域の賑わいづくり等を目的に、長野県ゆかりの若手芸術家を観光地のホテル・旅館等へ紹介しています。また、地域活性化のためのイベントやステージ等への支援も行っています。  主な活動   ・ 観光地のイベントでの演奏や展示   ・ ホテルや公共施設のロビーでの演奏や展示 善光寺表参道「ぱてぃお大門」にnextアーティストが登場  飛躍するnextアーティストをご紹介   現代美術作家 下平 千夏さん    駒ケ根市在住。   水糸や輪ゴムなど、身近な素材を巧みに駆使し、空間を見事にダイナミックに変貌させる作品を多数制作。  160人が制作に携わった「結ばれた点」   下平さんは、今年の善光寺御開帳に合わせ、ぱてぃお大門を舞台に作品の制作・展示を行いました。作品のタイトルは、「結ばれた点」。素材として約5万本のオレンジ色の輪ゴムを用い、背景となる建築物や樹木などと一体化し、作品全体を構成しています。   制作にあたっては、市民や観光客など延べ160人以上の皆さんが参加しました。下平さんにとって、初めての試みとなりましたが、一人で作品に向き合う時とは異なる面白さを感じることができたようです。   この企画は、ネクストが主催した展覧会(next展)がきっかけでオファーが届き、実現に至りました。  信州から全国へと飛躍   最近は、瀬戸内海のアートの島・犬島での「家プロジェクト」に招聘され、作品を制作。来年開かれる「瀬戸内国際芸術祭2016」にも引き続き展示される予定で、着実に活躍の場を広げています。  下平さんを起用した 石川 利江さん(門前文化会議代表)のコメント   以前、ホクト文化ホールのnext展で彼女の作品を観た時から気になる存在だったので、声を掛けました。ぱてぃお大門の空間を面白く利用し、普段とは違う街の表情をアートで表現してもらいました。   制作に参加していただいた方はもちろん、作品を知らずに訪れた方にも興味を持ってもらえたのではないでしょうか。 ■3ページ目 文化芸術の振興は新たなステージへ  長野県は、心の豊かさを実感できる社会を実現するため、今年度を「文化振興元年」と位置付け、新たに造成した「長野県文化振興基金」の活用を図るなど、文化芸術活動への支援を強化しています。  そだてる ウィーンで活躍中の音楽家たちが直接指導   長野県県民文化会館(ホクト文化ホール)とウィーン楽友協会の姉妹提携事業の一環で、今年もウィーンで活躍中の音楽家が9月11日から12日間の日程で来日し、県内各地で、各種演奏会、高校生などへの音楽セミナーを開催しました。一流の音楽家からの直接の指導は、次世代の担い手の育成にはこの上ない財産となっています。  いかす 伝統行事(芸能)の継承を支援   伝統行事の宝庫、下伊那地域をモデル地区として地域で受け継がれてきたお祭りなどの伝統行事を次世代に伝えるため、伝統行事のサポート隊や子どもたちへの体験会の開催、そして地元企業との協力体制の充実など、新たな取り組みをスタートさせました。地域の元気を未来につなげていく上で、伝統行事の継承は欠かせません。  ひろげる 信州文化の発信と文化交流の促進   北陸新幹線の金沢延伸を契機に、交流・連携を深めている長野県と富山県が共同して、「歴史・風土が育む未来遺産〜北アルプスに育まれた山の文化を活かして〜」と題したシンポジウムを東京で開催しました。   長野県森林大使のC.W.ニコルさんと高志の国文学館館長の中西進さんの講演のほか、両県知事による各県の魅力のPRや両講師を交えたパネルディスカッションを通じて、「山」に育まれた文化など両県の魅力発信を目指します。  たのしむ 県民芸術祭2015へようこそ   長野県県民芸術祭は、毎年優れた芸術文化の発表及び鑑賞の機会を県民の皆さまに提供しています。   今年も、県内各地で日ごろの芸術活動の成果発表が行われていますので、お誘い合わせの上、ぜひご鑑賞ください。   ・ 開催時期:9月〜11月を中心に開催   ・ 開催場所:長野県内全域 ■4ページ目 連載:信州健康長寿のヒ・ミ・ツ ♯4 「スポーツ・レクリエーション活動」  長野県レクリエーション協会 会長 竹中 雅幸 さん(MASAYUKI TAKENAKA)  長野県では、現在、県民一人ひとりが主役の健康づくり県民運動「信州ACE(エース)プロジェクト」を推進中。連載企画「信州 健康長寿のヒ・ミ・ツ」では、さまざまな分野で活躍中の皆さんが、信州の健康長寿について語ります。  第4回は、県レクリエーション協会会長の竹中雅幸さん。9月に本県で初めて開催され、自身が実行委員会会長を務めた「第69回全国レクリエーション大会inながの」(以下、「全国レク大会」)の概要とスポーツ・レクリエーション活動の効果や今後の役割等についてお話を伺いました。 ○約1万人が「ながの」へ集結   スポーツ・レクリエーション活動のさらなる普及を目的とする全国レク大会には、9月19日から21日までの3日間に、県内外から約1万人の皆さまにご参加いただきました。   スポーツチャンバラなど全13種目の「全国交流大会」、車椅子レクダンスなど全8種目の「特別協賛行事」、信州型自然保育制度などの全36テーマでパネルディスカッションやワークショップ等を実施した「研究フォーラム」など、長野県らしさに十分配慮した内容でお迎えできたと思っています。 ○スポーツ・レクリエーション活動の効果   私は、教師として学校現場で子どもたちと向き合っていた頃から、スポーツ・レクリエーション活動の時間を効果的に取り入れるようにしてきました。クラスに活気が生まれたり、子どもたちのコミュニケーション能力の向上にプラスになっているという実感があったからです。   学校以外でも、保育園や幼稚園では集団遊びを通じて子どもの発育段階に応じた成長を促したり、高齢者向けの介護予防教室や福祉施設では健康体操、工作、歌などを通じて、健康増進や身体機能の改善、生きがいづくりなどの支援につなげたりと、スポーツ・レクリエーション活動は、日常生活のあらゆる場面で取り入れられています。 ○大会参加者の感想  初めて参加しましたが、70代、80代の方々が生き生きと踊られている姿に、大いに刺激を受けました。(60代男性)  初参加です。年齢を重ねても、一生懸命学んでいる姿が印象的でした。(60代女性) 信州ACE(エース)プロジェクトとは  長野県が展開する健康づくり県民運動の名称です。  ACEは脳卒中等の生活習慣病予防に効果のあるAction(体を動かす)、Check(健診を受ける)、Eat(健康に食べる)を表し、世界で一番(ACE)の健康長寿を目指す想いを込めたものです。 ACEを実践しよう!「信州ACEプロジェクト」♯4 「信州の山の文化遺産をめぐるトレッキングツアー 参加費無料!」  山国信州には、先人が残した山岳信仰の遺跡や天然記念物などの価値ある文化財が多く所在しています。これらの文化遺産を巡り、その価値や素晴らしさを体感していただくトレッキングツアーをご用意しました。  皆さまのご参加をお待ちしています!11月 8日(日) 高烏谷神社と高烏谷山