ホーム > 教育委員会会議・審議会・検討委員会など > 長野県教育委員会定例会・臨時会会議録一覧 > 平成25年度長野県教育委員会定例会・臨時会会議録一覧 > 第965回長野県教育委員会定例会会議録

ここから本文です。

更新日:2014年5月14日

 第965回長野県教育委員会定例会会議録

1 日 時

  平成25年(2013年)9月12日(木)

  午後1時30分から午後3時25分

 2 場 所

  県庁教育委員会室

 3 議 題

 ○ 議 事

  議第1号 平成25年9月県議会に提出される予定の議案に対する意見について

  議第2号 職員の処分について

  議第3号 平成25年度「長野県教育振興基本計画の進捗状況等に関する評価」及び「長野県教育委員会の事務の管理及び執行状況の点検及び評価」について

  議第4号 教育職員免許法施行細則の一部を改正する規則案について

  議第5号 平成26年度義務教育関係諸学校教育職員等人事異動方針について

  議第6号 平成26年度高等学校教育職員人事異動方針について

  議第7号 平成26年度県立高等学校教員と公立中学校教員との人事交流に関する基本要綱について

  議第8号 長野県生涯学習審議会委員の委嘱について

  議第9号 長野県宝の指定及び長野県天然記念物の指定解除について

 ○ 教育長報告事項

  (1) 平成26年度長野県公立高等学校入学者選抜における学校別実施内容について

  (2) 高等学校文化系クラブの活動成果について ~がんばってます長野県の高校生~

4 出席者

 ○ 委 員

   委    員    長   櫻 井 久 江

   委員長職務代理者   耳 塚 寛 明

   委          員   野 村   稔

   委          員   高 木 蘭 子

   委          員   生 田 千鶴子

   教    育    長   伊 藤 学 司

 ○ その他

   青木教育次長、笠原教育次長、田中教育参事兼教育総務課長、柳澤義務教育課長、

   菅沼高校教育課長、成沢特別支援教育課長、武田教学指導課長、永原心の支援室長、

   丸山保健厚生課長、茅野スポーツ課長、大槻文化財・生涯学習課課長補佐兼総務係長

  

 

櫻井委員長

 ただいまから第965回教育委員会定例会を開会します。

 本日の審議事項中、議第1号の「平成25年9月県議会に提出される予定の議案に対する意見について」は、成案となる前の内容について審議・検討をするものであり、議第2号の「職員の処分について」は、特定の個人に関する情報が含まれている案件です。

 つきましては、議第1号及び議第2号を非公開で審議することが適当かと思いますが、非公開とすることに御異議ございませんか。

 

全委員

 異議なし。

 

櫻井委員長

 御異議は無いようですので、議第1号及び議第2号は非公開で審議を行うことに決定します。なお、議第1号及び議第2号の審議につきましては本日の最後に行うことにします。

 それでは議事に入ります。

 はじめに、議第3号「平成25年度『長野県教育振興基本計画の進捗状況等に関する評価』及び『長野県教育委員会の事務の管理及び執行状況の点検及び評価』について」、田中教育総務課長から説明をお願いします。

 

田中教育参事兼教育総務課長

 (資料説明)

 

櫻井委員長

 はい、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問ありましたら発言をお願いします。

 はい、生田委員。

 

生田委員

 お願いいたします。8ページに、教育委員会の活動と書かれております。行動計画を進めていく中で、改善していくのに不可欠だと私は思っている訳ですけれども、今までの教育委員の活動の中で、児童生徒から直接話を聴かせていただいたりとか、保護者の意見を聴いたりとか、そういった機会が皆無のように思うんですけれども。学校現場にいらっしゃる先生方の声を聴くことも少なかったように思います。市町村と県の教育委員会とのお話でありましたけれども、今後の活動としてスチューデントファーストの理念に基づいて子供たちの声を聴く機会を入れていただければありがたいかなと思いました。

 それと、お願いしたいんですけれども、今回のこの根拠になっているのが、地教行法の第27条ということなんです。これは、何年度から評価が行われているのかをお聞きします。

 

櫻井委員長

 はい、田中課長お願いします。

 

田中教育参事兼教育総務課長

 最初の児童生徒や保護者から意見を聴くということ。今後、委員の皆様方と相談しながらしていきたいと思いますけども、昨年、屋代中だけは児童生徒から行ったんですけど、本当の生の声だったかはちょっと微妙な会議だった記憶がありますけども、できるだけそういう機会は持っていきたいと検討してまいりたいと思います。

 それから今の27条の関係なんですけども、追加した感じではございませんので、最初からあるかと思うんですが。

 

伊藤教育長

 よろしいですか。平成19年の法改正でこれが設けられまして、施行されたのがその後でございますので、20年度から、恐らくこういう形で毎年やらせていただいているのではないかと。

 

田中教育参事兼教育総務課長

 すみません、そうですね、計画を地方公共団体が作るとなったのが20年で、第一次計画も20年度に策定させていただきました。20年度の分を翌年から評価をしてきたということでございます。すみませんでした。

 

生田委員

 すみません、もう一つ質問があるんですけども。7ページの未達成の、③、4年制大学進学率。目標は40%で実績というか達成率は36.7%ということで。前年度は何%だったんですかね。

 

田中教育参事兼教育総務課長

 よろしいですか。進学率の実績値は前年度38.7%です。

 

生田委員

 ありがとうございました。なぜそのようなことを聞いたかと言いますと、昨年度からのキャリア教育、長野県では力を入れていることかと思うんですね。職場体験、それもキャリア教育の一つかと思うんですが、地元の中学が行くところでは、ホテルであったり保育園、小学校、そうですね、あとは飲食店、それからあとは自動車部品を取り扱うところ等々で、専門性を活かした所が多いように思うんですね。それらを考えながら、今、キャリア教育に力を入れていくということは、専門的なこと、色々な世界を見せていくということで、やっていくということだと思うんです。となると、高校を出てから、専門的な分野に早いうちから進みたいというお子さんが増えていくのではないのかなと。キャリア教育を進めれば進める程、専門学校に行くお子さんが増えていくのではないかと。私は、いいイメージなんですが、そういうイメージがあるのですね。それとこの4年制大学の進学率をこれからもっと高めていくという、この整合性がちょっと私にはイメージできない所があるんですけれども。そこはどのようなお考えなのか、お聞かせいただければと思います。

 

櫻井委員長

 田中課長よろしいですか。

 

田中教育参事兼教育総務課長

 はい。4年制大学進学率の目標設定で第一次計画ではこういう形をとっておりまして、24年度の段階では40%を目標ということに設定してやってきました。第二次計画におきましては、進学率ということは経済情勢だとか、色々なところに左右されるということで、高校生の学習の定着度という部分において別な指標、新たな測定指標に変更させていただいております。

それから、キャリア教育の方は教学指導課からよろしいですか。

 

櫻井委員長

 どうぞ。

 

武田教学指導課長

 それと、中学校において職場体験学習等の体験を行うということは、キャリア教育にとって、推進していくのに非常に重要なことだと考えております。私どもはこのキャリア教育、特に小学校や中学校段階においては、いわゆる職業教育というよりも、どちらかというと生き方の教育ということを重視してまいりたいと考えております。どの職業につくかということよりも、どういう生き方をしていくかということ、それを考える上で、中学生の段階で具体的な職業等を体験することが重要であると考えてまいりたいと思います。

 ですので、中学生の段階で専門的な仕事を強く意識するという生徒さんもいるかとは思いますが、全体といたしましては、職業をどうするかというよりも、もう少し広い見方ができるようなキャリア教育を今後進めてまいりたいと考えているところでございます。

 

櫻井委員長

 よろしいですか。他に御意見ございませんでしょうか。

 

生田委員

 23ページの「豊かな心を育む教育」というところで、「自分にはよいところがあると思う」と答える児童生徒の割合が、現状で74.8%ということで。日本は世界的に見ても子供たちの自己肯定感が低いと数字的にも出ていると思うんですけれども、この自己肯定感が持てないということは本当に残念なことで、これが家庭の問題なのか、また学校でそういった自己肯定感を高めていくことができないのか、そういった所をやっているのであればいいのですけど、もしやっていないのであれば是非ともやっていただきたいと。自己肯定感が持てないことによっていじめや、今、長野県の抱えるさまざまな問題、学力にも影響してくるかと思いますので。そういったところから、このように自分には良い所があると思える子供がなかなか育っていないというところを、ぜひともお願いしたいと思います。

 それと、目標値。これもですね、上の方に至っても76.8%ということで、余り高過ぎる目標がいいとは私も思っていないのですが、先程も言いましたように、とても大切なポイントであると思うんですね。どこに課題があるのかというところをしっかり分析をしていただいて、それから繰り返しになりますが、今、長野県の教育が抱えている問題点を、これを見ていく上でも大切なことになるかと思いますので、是非ともこの分析・対応等をお願いしたいと思います。

 

櫻井委員長

 お願いします。

 

武田教学指導課長

 はい。委員御指摘のとおり、自分に良い所があると思うと答える児童生徒の割合、このことは教育より重要なことであり、根本的な問題であるということで指標にさせていただいた所でございます。これにつきましては、全国学力・学習状況調査における児童生徒質問紙の中で同様の質問をしておりますので、具体的にここに出てくる数字については小6と中3の子供達であるということでございます。

 今お話しのように、このことは色々な側面がございますので、総合的かつ多角的に分析を進めてまいりたいと思います。それから5年後の指標が低過ぎるのではないかという御指摘でございますが、私どもはこの指標を目指すというよりも100%を目指してやってまいりたいと考えておりますが、現実的な、色々な状況を見る中で、一歩でも進めていこうということで、こういう指標にして取り組んでいるところでございます。

 

生田委員

 ありがとうございます。私が先程言いました、なぜ74.8%なのかという、ここの分析等をお願いしたいと先程申し上げたんですが、その点もお願いできると理解してよろしいでしょうか。

 

武田教学指導課長

 はい、そのように進めてまいりたいと思います。

 

生田委員

 あと1点ですけれども、前のページ、22ページの「確かな学力を伸ばす教育の充実」というところの測定指標項目。これは長野県が設けた項目でしょうか、それとも全国的にこのように設けたということでしょうか。

 

田中教育参事兼教育総務課長

 はい、長野県で今回の第二次計画の策定における測定指標を作ったところです。

 

生田委員

 県で設けたというお話でしたけども、一番上の「授業がよくわかる」と答えた児童生徒ですけれども、取り方はいろいろあるのではないかなと思います。先生方が授業研究をしっかりと行った、分かりやすい授業を準備した成果として「わかる」と答えているのか、それとも子供たちが自習等をやることによって授業の理解が高まったのか。どちらかによって今後の対応が変わってくるかと思うんです。学力向上を目指していくのかと思うんですけれども、これはどこによってこのように「わかる」となったのかということで、今後の対応が変わってくるかと思うんですが、それをどのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。

 

武田教学指導課長

 御指摘のとおりであると思います。これにつきましては一方では教師自身が授業力を向上させていくということで、教師自身の研修、それを進めてまいるということでありまして、現在、新たな長野県の教育研修体系を作成し、教師の授業力がアップするという取り組みを進めております。一方では、過日の全国学力・学習状況調査におきまして、本県の小中学生の家庭学習の質に課題があるということを考えているところでございまして、これは以前の全国学力・学習状況調査でもそういう傾向があるということを掴んでおりますので、児童生徒側も家庭学習等、質の高いものを進めていくと、その両面のトータルの指標であると考えております。

 

櫻井委員長

 よろしいですか。

 

生田委員

 ありがとうございます。この指標を基にこれから対策を立てていく上で、一緒にしてしまうと対策がはっきりしないのではないのかなということで、先程意見を述べさせていただきました。それと子供たちに関わることですので。子供たちは大人が作った社会を甘んじて受けるしかないので、大人側がとても丁寧に一つひとつ進めていく必要があると思うので、発言させていただきました。

 

櫻井委員長

 はい、他に御意見ございませんでしょうか。意見は無いようですので、それでは議第3号を原案のとおりに決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。

 

全委員

 異議なし。

 

櫻井委員長

 それでは議第3号を原案のとおり決定いたします。

 次に議第4号「教育職員免許法施行細則の一部を改正する規則案について」、菅沼高校教育課長から説明お願いします。

 

菅沼高校教育課長

 (資料説明)

 

櫻井委員長

 ただいまの説明につきまして御意見、御質問ありましたら発言をお願いします。よろしいでしょうか。

 

全委員

 異議なし。

 

櫻井委員長

 それでは、議第4号を原案のとおり決定します。

 次に、議第5号「平成26年度義務教育関係諸学校教育職員等人事異動方針について」、柳澤義務教育課長から説明してください。お願いします。

 

柳澤義務教育課長

 (資料説明)

 

櫻井委員長

 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。はい、耳塚委員。

 

耳塚委員長職務代理者

 これは、次の第6号にも共通した質問なんですけれども、基礎的なことについてお尋ねをいたします。例えば、というニュアンスでの質問になります。小中学校で学習指導の面で、非常に卓越した教員を、例えばですけども指導的教員として指名して、各地域ブロックに一定数張りつけるという政策を執ったとします。そうした場合にその指導的な教員には各校でも授業をしたりとか、指導的な役割を果たしてもらうという意味です。そういうことをやると仮定した場合に、指導的な教員の候補者のリストというのを、県教委は持っておられるのでしょうか。質問です。

 

櫻井委員長

 はい、お願いします。

 

柳澤義務教育課長

 はい、今の御指摘の名簿というのは明確には作ってございません。

 

耳塚委員長職務代理者

 続けて言ってよろしいですか。

 

櫻井委員長

 はい。

 

耳塚委員長職務代理者

 例えば、というように聞いたのは、別に学習指導の面で卓越しているというだけのことではなく、例えば、他に児童生徒指導の面で卓越していたり、ICTの面で卓越していたりとか、部活指導が優れているとか、あるいは管理的な業務が得意だとか、いろいろな側面があるし、トータルとしてこの人はすごい先生だ、みたいな総合的な評価もあり得るかと思うんです。こういう多様な情報というのは、どこでどのようにして持っておられるのでしょう。個々の教員について。

 なぜこういうことをお尋ねするかというと、この資料の人事異動方針の中には、適材を適所にと書いてあります。それから地域の実情を勘案し、ということは地域別に求められている教員というのが違っていたりするということですよね。学校によって違うこともあるでしょうし。それを全県的にという言葉がありますよね。そうするとそういう情報が無くて、そういうデータベースがあれば私はいいと思うんだけど、そういう情報が無くて、どうやって全県的に適材を適所に地域の実情に応じて貼り付けるのでしょうか。さらに言えば、その人事異動の結果をどう評価できるのか。それをお尋ねしたい。

 

櫻井委員長

 次長、お願いします。

 

笠原次長

 はい、お願いいたします。一般の教員人事につきましては、これは県教育委員会、市町村教育委員会、そして校長会、これが相互に連携をしながらということになりますが、その原案につきましては、校長会が作成することとして運用をしてきております。もちろん人事の配置等については、これは県教委が責任を持って行う訳でございますけれども、申しましたように、教員の個々の情報等につきましては、特にその抜きん出て優れた教員等、トータルとして校長がそれぞれの学校に勤務する教員について情報を持ち、それを校長会として共有をすると。私どももそうした情報の提供を受けると。県教育委員会としては、非常に抜きん出た力量を持っている教員がいる、あるいは彼はこうした点で優れているというような情報は、個別に持ってはございません。

 

櫻井委員長

 はい、どうぞ。

 

菅沼高校教育課長

 高校についてです。高校ですと教科別という特徴があります。専門高校もありますので、その中でも農業であるとか商業とか、そういう分野は割合はっきりしているところです。そういう所は、それぞれの校長会であったり、それから教科の組織もある。高校教育課としてはそのような組織を通じて全県的に情報を集めています。それを基にして人事異動では活かすということです。

 評価ということになりますと、年度が終わったところで、その結果がどうだったか、翌年に向けてどうするかというところは、校長から意見を聴取し、それを受けてということです。

 

櫻井委員長

 はい、耳塚委員。

 

耳塚委員長職務代理者

 結局のところ教員評価の問題のような気もするんですけれども。ただ校長会が原案を作成しという部分で、例えば有力な校長が直接指導したとか、知っている教員の中から優れた教員を選ぶというような、そんな単純ではないのかもしれませんけれど、そういうことが蓄積すると、必ずしも地域別に見たときに、優れた先生方が配置しているかどうかということが保障されないのではないかと思うんです。

 後はどうでしょうか、現実的には、山間地の経験とか、そういう教員間の平等性に関わるような点では、ある程度、数字的に把握できるやり方かと思うのですが、本当にその教員の配置というのは、そういう全県的な観点からの資質とか卓越性とか、そういうものを考慮しながらやらなくていいのかということです。うまく伝わりましたでしょうか。

 

櫻井委員長

 そのことについて、はい、教育次長。

 

笠原教育次長

 今、御指摘をいただきましたように、やはり適材を適所にと申しましたときには様々な要因が入るような格好で、適正に調整されるということが課せられると思います。そういう意味では、人事的な配置について原案を検討するという場合には、やはり相当丁寧に、相当丁寧にという言い方はちょっと曖昧ですけれど、そうした情報の共有には努めていくところでございまして、そうした事務も時間を相当にかけながら適宜に調整等もしております。それによって原案ができてくるというのが実際のところなんです。

 先ほど最初に御指摘がありました、やはり郡市単位の本拠地というものを多くの場合は持っておりますので、そうした教員については全郡市的にその共有のシステムについては大事にしようと。あるいはその研修振り等についてもお互いに向上機会を共有し合おうと考えて、当たっているところでございます。

 

耳塚委員長職務代理者

 ちょっと諄い言い方になりますけど、例えば私の所属している大学では、教員の活動状況を自分でインプットしてもらうデータベースというのがあります。それは大学の教員であるからには重視して取り組むべきものを領域に分けて、教育と研究と大学の運営と社会貢献というふうに分けて、それぞれについての活動をどんどん入力してもらって、それを全部点数化して、評価のとき、特別昇給のときに使ったりするのですけれども。それは評価のためだけにあるというよりも、この大学が雇用している先生方、つまり教員という資源、研究者という資源はこれだけあって、こういう点で誇るべきものがあるとか、ということを把握するのは基本的なことだと考えているんです。

 それに相当するようなことは、県教育委員会は、やらなくていいんでしょうか。その、現実的には無理な気はするんですけども。

 

櫻井委員長

 教育長どうぞ。

 

伊藤教育長

 義務教育の部分と、高等学校のいわゆる直でやっている部分と、若干システムの違いもございます。高等学校については、そのシステム化をきれいにしているかと言われると、そこまでではないと。高校教育課長もお答えしていましたが、やはり直営の県立学校の部分については、教科ごとの中で、どういう教員がいて、どういう評判で、どういう評価でというようなものをしっかり抑えながら、私どもの方で人事を当然やれている訳でございます。

 ただ、義務教育になりますと、どうしても県費負担教職員制度という形で、通常の服務監督責任は市町村の教育委員会で行うと。しかし最終的な人事の責任、任命権は我々がと。実際、本県だけでも1万数千人、義務教育段階で、1万人を超える数がいる中で、どうシステマティックな制度を構築するかというような、これは非常に難しい大きな課題でございます。

 一つは、システムとしては、つまり県が最終責任を持つんだけれども、市町村教育委員会の内申を待って行うということで、その日々の能力的な評価等も含めて、そこは市町村教育委員会が行っていくという法制度になっていて、その内申を受けてから私どもがそれを行っていくという、県が行っていくんだというシステムになっていて、直接全部その積み上げの下から県が行うという制度には、義務教育の場合は、そもそもなっていない部分があります。

 それに加えて、本県はそのシステムの中でも、市町村の教育委員会の内申はありますけれども、より身近で先生方を見ている学校長、この意見をある程度大切にしていこうということで、校長会等の意見も踏まえながらやっていくというのが、これまでの取り組みでございます。

 ただもう一方で、これは最終的な権限は県の教育委員会でございますので、この人事が適材適所で、どういう適材で、どういう適所でこうなったのかという説明責任は、最終的に全て我々がしていかなければいけないと思ってございます。我々のみでこれができることではないんですけれども、その関係三者が連携を密にしながら情報をしっかり共有して、なぜこういう人事をやるのか、人事には全て意味がなければいけない訳でございますので。「いや、でも」というようなことについてしっかりと県民に対しても、説明をしていかなければいけない。

 もう一方で、形式だけではなくて、それぞれの個々の先生の状況というのもありますので、大きな方針に基づきながらも、特別な状況というものも加味しながら、より活躍できる、活躍してもらえるような、個々の先生の総合体としての長野県教育というものの力を発揮してもらえるような、より良いシステムを絶えず構築していかなければいけないと考えてございます。

 正直に申し上げて、今の制度もまだまだ改良の余地はあるのではないのかなという思いはございます。ただ急にこうすればきれいにできるという部分でもないものですので、一つ今回の方針の中では、校長の在任期間を長くするということ自身が、校長がその先生方のことをしっかり見ていただくということが可能になってくるし、校長が長くいれば長くいる程、自分の責任でその学校が良くもなるし悪くもなるという中で、その先生方の適材適所ということをより真剣に考えた方が良いと、こういうきっかけにもなるのかなと思ってございます。いただいた御意見も踏まえて、他県の状況も良く勉強しながら、より良い制度に絶えず変えていかなければいけないかなと感じております。

 

櫻井委員長

 よろしいですか、はい。他にはい。生田委員。

 

生田委員

 すみません、ただいまのお話の適材適所の配置なのですけれども。昨年度行いました、あり方検討会議の評価専門部会が行われているかと思うんです。しっかりした評価、それは一つのデータとなって配置をしていく上で大きな役割を果たすのかなと、個人的には期待しているところであります。

 それと、校長、副校長、教頭の任命なのですが、これは面接で、教育委員長の面接で行われるということでしょうか。

 

櫻井委員長

 はい、柳澤課長。

 

柳澤義務教育課長

 はい、お願いいたします。校長、教頭、副校長の選考につきましては、3人の者が面接官として当たります。1人は行政の者。それから各教育事務所等の課長の職員、それから主幹指導主事というふうに、それぞれ状況の校長を指導する立場にある者が三者で選考をいたします。

 

櫻井委員長

 生田委員。

 

生田委員

 ありがとうございます。あり方検討会議の専門部会で、提言に出された内容の中に、人事について次のような意見があったということで、「管理職(校長・教頭)人事は、能力・業績を第一とする。論文と面接で広く民間人からも公募する。民間人枠は、プロ教員のなかで孤立して力を発揮することができないという事態に陥らないよう、ある程度の人数を確保し、任期をつける。」このように専門部会の委員からも意見がある訳ですけども。こういった提言の内容が、今回、十分配慮されている様にはちょっと読み取れないのですけれども、これは反映させる議論を積み重ねていくのかどうか。方向性についてちょっとお伺いしたいと思います。

 

伊藤教育長

 すみません、今の御指摘があったところは、検討会議の提言ではなくて、そういう個人の御意見はあったんですけども最終提言とはしないという扱いになっている部分でございまして、提言とは別に切り離されている内容でございます。

 今、御指摘のようにその様々な御意見、個々人の御意見の中では一致しない意見は検討会議の中でもあった訳でございますけれども、民間人校長も、その効能というか、効力というものが大変あるというような御意見もあれば、もう一方で、様々な弊害が生まれているのではないかというような御意見もありまして、なかなかその段階で提言の中に纏めるという結論は出ていなかったと私は承知をしてございます。

 だから今後も見ないということ、それを検討しないんだということではなくて、よりよい管理職の登用のあり方というのは絶えず見直していかなければいけないことだと思いますし、そういう過程の中で民間の方、これは民間の校長という事だけではなくて、様々な形でその民間の感覚というものをしっかり学校に反映していかなければいけない。これは研修の場の充実を民間というところでもっと研修をしていくことも含めて、重要ではないかなと思ってございます。

 そういうことで、今、提言にどう答えるかという事については、工程も含めて着実に前に進めていくところですけれども、様々な意見があったということを十分認識しながら、またそれぞれより良い方策は何かというのを検討していかなければいけないという認識で今事務局は進めているところでございます。

 

生田委員

 ありがとうございます。教育長がおっしゃったことはよく理解しております。この点に関してなんですけど、私は傍聴させていただいてたのですけども、今おっしゃったようにこの提言の枠外ということは私も承知した上でお話をさせていただいたわけですが、ただこの提言書のまとめ方といったところに、これをまとめた人の主観的なスタイルでまとめられていると。やはり危険はというか、危険という言い方がちょっと過激であれば、こういった強い思いがあったと。枠の外であったにしても、こういった思いがあるということを、いかに有意義にとらえられ、そしてこのことをより活かしていくかということ、その点がちょっとお伺いしたかったところでございます。

 

櫻井委員長

 いいですね。

 

生田委員

 はい。

 

高木委員

 適材適所ということで色々なお話があったところで、私もつけ加えてと言いますか、今どんな現状であるかちょっとお聞きしたいなと思うのは、例えば、これから校長先生の任期が長くなって、その学校の方針がかなり個性的というか、性格がきちんと出てくると思うんですけれども、それに関連して、当然、自分の学校では理科に力を入れたり、総合的な、基本的な力を全ての子供に付けるということは前提にあるんですけれども、全ての学校が総合的なやり方をするのではなくて、この学校にはこういう力をつけたい、こういう力を伸ばしたいという、校長がそういう意志を持ってくればそれなりの教育方針とか、人事配置というものが出てくると思うんですけれども、そういう形で進んでいる部分が、現在あるのか。それから将来的にどのように見込まれてくるのか、そこら辺をちょっとお聞きしたいなと思います。

 

櫻井委員長

 はい、義務教育課長。

 

柳澤義務教育課長

 はい、お願いします。今、委員が御指摘のところは非常に興味深いところでありまして、ぜひ私もそういう学校になってほしいと思っております。やはり、地域に根差したという点で、大分お話をいただきます。地域の子供たちを育てるために、そこで座り込んでやってもらいたいと。そういう中にその地域の特性、例えば、野菜栽培が非常に盛んであるとか、非常に歴史が深い所であるとか、いろいろな特色があると思います。そういうのをいかに活かせるかというのは、まさに校長のマネジメントであり、またそこにいる先生たちとの協働の中で生まれるものであると思いますので、そういう意味の学校づくりというのは、これから益々求められていくのではないかなと思っておりまして、そういうことが校長の在職期間を長期化する、そういうことによって生まれてくると、そういうことを私も同じように考えてございます。

 

菅沼高校教育課長

 高校教育課です。全く御指摘のとおりで、これから校長自身がじっくりと時間をかけてということを考えてきた訳です。やはり校長がどういうビジョンを持ってやるかという点が非常に大事になってくるかと思います。毎年、年度当初に、校長はこの一年間どういう学校にするのか、目標を立てたり、中長期的にこういうことをしたいというようなことを、職員だけではなくて、公表するというようなことがあると思いますので、今年度は、できるだけ我々との面談でやり取りをするようにしてきています。こちらに来られないときには、管理係の者が行ったときにそうする。そのときにどういう事を考えていて、どういう支援ができるかというようなことをお話させていただいています。当然、長期ということになれば、途中、年度年度でそれがどうかということも確認をしていかなければいけないと、そういう責任もあるかなと思っています。

 

高木委員

 すみません、ちょっと、個別の事をつけ加えてどうかと思うんですが、例えばSSHは、これでこう終わりになるわけですか。まだ続きますか。

 

菅沼高校教育課長

 まだ途中です。今やっているところもありますし、まだこれから手を挙げる可能性もあります。

 

高木委員

 そうですか。せっかく手を挙げたけれども、必ずしも長野県の中では余りいい成績を残していないのではないかという話がちらほら聞こえてくるものですから。少なくともその期間、あるいはそういう性格付けの学校にした以上は、生徒もそれを目指して集まってくるような学校にしてほしいし、そのためにいい教員を配置してほしいと。そういう形は特に高校になると希望が大きくなってくると思いますので、ぜひ考慮して手厚くというか、集中と選択という感じでやっていただければなと思います。

 

菅沼高校教育課

 はい、今の御意見に関しまして、昨年、SSHの関係で厳しい評価をいただいた部分もあって、これは学校自身がそれを反省して、自身でどうやるかという部分もありますけれども、それは教学指導課の部分もあり、高校教育課でも関わらせていただいて、もう一度見直すということもやってきました。それは一定の評価はしていただいていると思います。ですからやはり、御指摘のとおり、それぞれの学校の特色に応じて、どういう人材をそこに配置するかということをしっかり考えていかなければいけないことだと思います。

 

櫻井委員長

 はい、よろしいですね。他に御質問よろしいですか。野村委員どうぞ。

 

野村委員

 ちょっと言わせてもらいますか。今お聞きしておりまして、この異動方針について明確に示していただいたということは結構なことです。この文章だけを見ますと、非常になるほどなと思うんですが、耳塚先生がおっしゃられるように、個々の教員の資質やあるいは市町村の事情を勘案したり、あるいは全県的な立場に立ったりということで、そのとおりだとは思うんですが、つまるところ、校長会の推薦でそれを追認するというような。実情は、多少言葉が悪いかもしれませんが、そういうことになっているということだと思うんです。

 そうすると、このシステムがこれからどう変わるかは別にして、しばらくはこの形が続く状況の中で、その状況を最終的に分かったところで審査をする校長会と市町村教育委員会の重要性というのは、すごくやはり大事だと思うんです。その校長や副校長や教頭を選任するときが一つの大きなポイントかなと思うんです。要するに先生たちを適材適所に配置するための、その審議をする校長会の、そういう人を決める段階ですので、大変重要。そこに県教育委員会が関わっているということですので、そこをしっかりとバランス良く見極めて、それにふさわしい人事をしていかないと。変なことになりかねないというふうに、今の仕組み上は思いますので。特に義務教育の場合は。

 ですからその辺のところを、しっかりと見極めて、バランスの取れたいい資質の校長や管理者を選任するということに力を入れていただきたいと思います。

 

櫻井委員長

 はい、教育次長。

 

笠原教育次長

 はい、ありがとうございました。今、御指摘いただいたとおりやっていこうと思います。校長、副校長、そしてまた教頭への昇任選考と、それから配置、これらにつきましては、今まで以上にその内容の充実に努めなければならない。そのことが一つ。

 それから、それに当たりまして、やはり市町村教育委員会と、一層丁寧な連絡等を取らせていただいて、この中にもございますが、地域の実情を勘案して、まさに地域の課題に答える、そうした人的な配置ができるよう精いっぱい努めてまいりたいと思っているところでございます。

 

櫻井委員長

 いろいろ御意見をいただきましたが、この義務教育関係の人事異動方針を守れば、すばらしい気もいたしますが、いろいろ問題もあるかと思いますので、また引き続き考えていくべきことかなとも思います。

それでは、議第5号「平成26年度義務教育関係諸学校教育職員等人事異動方針について」、原案のとおりに決定したいと思いますが、御異議はございませんでしょうか。

 

全委員

 異議なし。

 

櫻井委員長

 御異議ないようですので議第5号を、議案のとおり決定いたします。

 続きまして議第6号「平成26年度高等学校教育職員人事異動方針について」、菅沼高校教育課長から説明をお願いいたします。

 

菅沼高校教育課長

 (資料説明)

 

櫻井委員長

 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問ありましたらお願いいたします。

 こちらも校長の在任期間を長期化ということでありますが、特によろしいですか。

 それでは、議第6号を原案のとおり決定したいと思いますが御異議ございませんか。

 

全委員

 異議なし。

 

櫻井委員長

 それでは、議第6号を原案のとおり決定いたします。

 次に議第7号「平成26年度県立高等学校教員と公立中学校教員との人事交流に関する基本要綱について」、柳澤義務教育課長から説明をお願いします。

 

柳澤義務教育課長

 (資料説明)

 

櫻井委員長

 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問はありましたらお願いします。

 特によろしいでしょうか。

 それでは議第7号を原案のとおり決定したいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。

 

全委員

 異議なし。

 

櫻井委員長

 それでは御異議ないようですので、議第7号は原案のとおり決定いたします。

 次に議第8号「長野県生涯学習審議会委員の委嘱について」、文化財・生涯学習課から説明をお願いします

 

大槻文化財・生涯学習課課長補佐兼総務係長

 (資料説明)

 

櫻井委員長

 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたらお願いします。

 ございませんか。それでは、議第8号を原案どおり決定したいと思いますが御異議ございませんか。

 

全委員

 異議なし。

 

櫻井委員長

 御異議ございませんので、議第8号は原案のとおりに決定いたします。

 次に議第9号「長野県宝の指定及び長野県天然記念物の指定解除について」これも文化財・生涯学習課から説明してください。大槻さん、お願いします。

 

大槻文化財・生涯学習課課長補佐兼総務係長

 (資料説明)

 

櫻井委員長

 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたら発言願います。

 

伊藤教育長

 すみません、よくチェックしていなかったので、確認ですけれども、この1ページは指定名称で「絹本著色補陀落山聖境図」となっておりますが、3ページの、これは資料の名称のところで「絹本著色」が入っていないんですが、指定名称はあくまで「絹本著色補陀落山聖境図」ということでよろしいのでしょうか。

 

大槻文化財・生涯学習課課長補佐兼総務係長

 そうです。すみません。指定名称は「絹本著色補陀落山聖境図」でございます。

 

櫻井委員長

 県宝に指定する方が、絹本著色補陀落山聖境図ですか。それから指定を解除する方が、東北山の千本松でありますが、特に御意見がないようでしたら、原案のとおりに決定したいと思いますが御異議ございませんか。

 

全委員

 異議なし。

 

櫻井委員長

 御異議ございませんので、議第9号を原案のとおり決定いたします。

 以上で議事を終わります。

 続いて教育長報告事項に入ります。最初に、教育長報告事項(1)「平成26年度長野県公立高等学校入学者選抜における学校別実施内容について」、菅沼高校教育課長から説明してください。

 

菅沼高校教育課長

 (資料説明)

 

櫻井委員長

 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

 

菅沼高校教育課長

 申しわけありません。今、説明したところで、高遠高校の募集枠について、45%から45%と説明しましたが、40%から45%です。申しわけありません。訂正させていただきます。

 

櫻井委員長

 はい、御意見ございませんか。

 それでは、以上で教育長報告事項(1)を終了します。

次に、教育長報告事項(2)「高等学校文化系クラブの活動成果について」、武田教学指導課長からお願いします。

 

武田教学指導課長

 (資料説明)

 

櫻井委員長

 はい、ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたら、発言願います。

 よろしいでしょうか。長野県の文科系クラブは、このような活躍をしてくれている、本当に、何より、うれしく思います。このような明るい話題は本当にうれしいですね。ありがとうございます。

 それでは、その他に移ります。最初に「9月、10月の主要行事予定について」、田中教育総務課長から説明してください。

 

田中教育参事兼教育総務課長

 (資料説明)

 

櫻井委員長

 はい、ただいまの説明にありましとおり、次回の定例会は10月10日木曜日の午後に開催したいと思いますが御異議ございませんか。

 

全委員

 異議なし。

 

櫻井委員長

 御異議ございませんので、そのようにいたします。

 その他、何かございますか。

 それでは、以上で公開の審議は終了いたしました。これから非公開の審議に入りたいと思いますので、恐れ入りますが傍聴人の方は退席をお願いいたします。

 

 

お問い合わせ

教育委員会事務局教育政策課

電話番号:026-235-7421

ファックス:026-235-7487

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?