第4章分野別施策の方向 39ページから112ページ 個別の施策については、次の5つの分野に分けて、体系的に推進していきます。 1障がいへの理解と権利擁護の推進 (1)障がいに対する理解の促進 (2)障がいのある人とない人との交流機会の拡大 (3)権利擁護、虐待防止の推進 2地域生活の充実 (1)地域生活の支援 (2)生活の安定に向けた取組 (3)相談支援体制の充実 3安全で暮らしやすい地域づくり (1)安全な暮らしの確保 (2)誰もが暮らしやすいまちづくり 4社会参加の促進 (1)就労支援の充実 (2)社会活動への参加支援の充実 (3)移動支援の充実 (4)情報・コミュニケーション支援の充実 5 ライフステージに応じた切れ目のないサービス基盤の充実 (1)障がいのある人に対する適切な保健・医療サービスの充実 (2)多様な障がいに対する支援の充実 (3)教育・療育体制の充実 1障がいへの理解と権利擁護の推進 40ページ (1)障がいに対する理解の促進 現状と課題 〇我が国では、平成26年1月、障がい者の人権及び基本的自由の享有を確保し障がい者固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、障がい者の権利の実現のための措置等について定めた、「障害者の権利に関する条約」(以下、「障害者権利条約」という)を批准しました。従来の障がいのとらえ方は、「心身の機能の障がいのみに起因する」とする、いわゆる「医学モデル」の考え方を反映したものでしたが、条約では、「障がい者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、心身の機能の障がいのみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものとする」いわゆる「社会モデル」の考え方が貫かれています。 〇長野県では、障がいのある人に対する差別をなくし、相互に人格と個性を尊重し合う社会を目指すため、県が取り組むべき基本的施策や、障がいを理由とする差別に関する紛争を解決するための体制整備等を内容とする障がい者共生条例を制定し、令和4年4月1日に一部施行、同年10月1日に全部施行しました。 〇障がいの有無にかかわらず、誰もがお互いの人格と個性を尊重し、共に支え合う「共生社会」を実現するためには、全ての県民は基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられること、また「障がい」は個人の心身機能の障がいと社会的障壁の相互作用によって創り出されているものであり、その社会的障壁を取り除くのは社会の責務であることを理解し、それを自らの意識に反映させ、具体的な行動を変えていくことが必要です。 〇令和4年に県が実施した調査では、障がいがあることで困ったり嫌な思いをした経験のある人は、回答者(18歳以上)の48.7%います。そのうち52.8%が「障がいに対する理解がない」と感じており、また行政に対する要望として、「障がい理解の啓発」が25.3%を占めることから、特に障がいへの理解の促進を図る必要があります。 令和4年度に、障がい者支援課で実施した障がいのある方の実態調査結果を掲載しています。 障がいがあることで、困ったり嫌な思いをした経験との設問に対して、18歳以上について、回答数1,058人のうち、あると回答した方が48.7%、なしと回答した方が47.1%、無回答の方が4.3%です。18歳未満については、回答数83人のうち、あると回答した方が67.5%、なしと回答した方が31.3%、無回答の方が1.2%です。 「経験がある」と回答した18歳以上48.7%(515人)のうち、「自分の障がいに対して理解されていない」と感じた方は52.8%です。また、「経験がある」と回答した18歳未満67.5%(56人)のうち「自分の障がいに対して理解されていない」と感じた方は46.4%です。 なお、手帳種別で見ると、18歳以上の場合、身体障害者手帳所持者で、あると回答した方が45%、なしと回答した方が50.2%、無回答の方が4.7%、療育手帳所持者で、あると回答した方が56.3%、なしと回答した方が38.9%、無回答が4.8%、精神障害者保健福祉手帳所持者で、あると回答した方が74.8%、なしと回答した方が23.3%、無回答が1.8%、特定医療費受給者証所持者で、あると回答した方が42.6%、なしと回答した方が54.9%です。18歳未満の場合は、身体障害者手帳所持者で、あると回答した方が68.9%、なしと回答した方が28.9%、無回答の方が2.2%、療育手帳所持者で、あると回答した方が72.2%、なしと回答した方が27.8%です。 施策の展開・方向性 〇啓発・広報の実践 ・障がいのある人への社会的障壁(事物、制度、慣行、観念等)を取り除くのは社会の責務であるという「障がいの社会モデル」の普及啓発を県民や事業者に行い、障がいのある人に対する差別の解消及び合理的配慮の提供を促進します。 ・事業所における合理的配慮の提供の促進を図るため、合理的配慮の提供に取り組む事業所を「ともいきカンパニー」として認定します。 ・障害者差別解消法及び障がい者共生条例の趣旨等について、申込みのあった団体や企業等に出前講座を実施します。 ・障害者雇用支援月間や精神保健福祉普及運動などにおいて、障がいのある人等に対する理解を図るための啓発活動を行います。特に、「人権について考える強調月間」(7月)や「障害者週間」及び「人権週間」(12月)においては、障がいのある人の「完全参加と平等」の実現に向けた啓発・広報活動を重点的に実施します。 ・障がいのある人へのちょっとした配慮、手助けを実践する「信州あいサポート運動」にあわせて、障がいのある人などが必要な配慮を求める「ヘルプマーク」の普及に取り組むことにより、より効果的な啓発と運動の一層の推進を図ります。 ・県人権啓発センターにおいて、企画展、人権啓発パネル巡回展や、DVDの貸出等による啓発活動を実施します。 障がい者共生条例の趣旨等を啓発するチラシを掲載しております。 (チラシの内容) ・障がい者共生条例の内容周知 令和4年4月1日(一部は、令和4年10月1日)から「障がいのある人もない人も共に生きる長野県づくり条例」(障がい者共生条例)を施行しました。障がいのある人に対する差別をなくし、相互に人格と個性を尊重し合う社会を目指します。 条例のポイント@障がいのある人に対して、障がいを理由とした差別をすることを禁止します。A令和4年10月1日から民間事業者の「合理的配慮の提供」が義務化されます。B令和4年10月1日から紛争解決のしくみ(あっせんを行う調整委員会の設置など)を整備します。 ・社会モデルの内容周知 長野県では、「障がいの社会モデル」の考え方を広め、障がいのある人が安心して暮らせる社会を目指します。 障がいの社会モデルの考え方とは、「障がい」は個人の心身機能の障がいと、社会的障壁の相互作用によって作り出されているものであり、その社会的障壁を取り除くのは、社会の責務であるという考え方です。例えば、車いす使用の方が、入口の幅が狭い、バリアフリールートの案内がないなどによって、お店に入れなくて困っている場合、障がいの要因はその方個人ではなく、お店の環境づくりにあるとする考え方です。つまり、「障がい」は社会によって、つくりだされているのです。 〇障がいに対する理解の促進を図る取組 ・県民誰もが、多様な障がいの特性を理解し、障がいのある人に対してちょっとした手助けや配慮を実践する「あいサポーター」となるための研修や、手話やろう者に対する理解を促進するための講座を実施します。 ・精神障がい当事者が講師となり自らの体験を語る、高校生を対象にした「若者向け心のバリアフリー事業」や地域の精神保健福祉活動の中心となる方々を対象にした「地域ケア事業」等により、精神障がいのある人への理解の促進を図ります。 ・発達障がいのある人が、周囲から理解され、安心して日常生活を営むことができるよう、県民が発達障がいに関する基礎知識を学ぶ「発達障がい者サポーター養成講座」を開催します。 ・障がいのある児童生徒への理解、共生社会の実現についての理解を深めるため、児童生徒、幼保小中高の職員、公民館等社会教育関係者を対象に各種研修による理解啓発を推進します。 ・パラスポーツに対する理解促進のため、学校や地域での体験会等を実施するとともに、県公式ホームページやマスメディア等を活用し、県民に向けた情報発信の取組を推進します。 (2)障がいのある人とない人との交流機会の拡大 現状と課題 〇障がいのある人に対する差別をなくし、障がいのある人とない人が、相互に人格と個性を尊重し合う社会を目指すため、スポーツや文化芸術を通じた交流機会の拡大を進める必要があります。特に近年はコロナ禍において交流の機会が減少しています。 ○令和10年に開催される信州やまなみ国スポ・全障スポと大会終了後を見据えて、スポーツを通じた共生社会の実現を目指し、誰もが身近な地域で共にスポーツに親しめる環境を整備する必要があります。 用語解説があります。 信州やまなみ国スポ・全障スポとは、令和10年に本県で開催される国民スポーツ大会と全国障害者スポーツ大会の愛称。全国障害者スポーツ大会は14競技で行われる国内最大規模のパラスポーツ大会で、開催枠により本県から約300名が出場予定。 ○障がいの有無にかかわらず誰もが文化芸術を享受するとともに、地域における相互交流を促進することで、共生社会を実現するため、発表機会の拡充等環境を整備する必要があります。 施策の展開・方向性 ○スポーツを通じた障がいのある人とない人の交流機会の拡大 ・パラウエーブNAGANOプロジェクトの取組(「パラ学」、「ボッチャ競技大会」等)を通じて、障がいのある人とない人との交流機会の拡大を図り、障がいに対する理解の促進を図ります。 用語解説があります。 パラウエーブNAGANOプロジェクトとは、本県が(公財)日本財団パラスポーツサポートセンターと協働で開発したスポーツを通じた共生社会実現のための取組。 ○パラスポーツと一般スポーツの融合による相互交流の拡大 ・信州やまなみ国スポ・全障スポの開催準備や運営を一体的に進めることで、両大会の選手や関係者の交流を促進し、スポーツを楽しむ環境整備を相互に図るなど、パラスポーツと一般スポーツとの融合を推進します。 ・パラスポーツを含むスポーツには、人と人との交流を促進し、地域の活力を醸成するなど多面的な効果があると考えられていることから、県民一体となったスポーツ振興に取り組みます。 ○文化芸術による障がいのある人とない人との交流機会の拡大 ・長野県障がい者芸術文化活動支援センター(ザワメキサポートセンター)によ る障がいのある人の芸術作品の展示・紹介を通じて、障がいのある人とない人との交流機会の拡大を図り、障がいに対する理解の促進を図ります。 ・長野県立美術館において「障がいのある方のための特別鑑賞日」の開催等を行う「インクルーシブ・プロジェクト」により、障がいの有無等を超えてアートを体験できる機会を提供します。 達成目標等 施策・事業名信州あいサポート運動推進事業、施策・事業内容あいサポーター研修受講者数、現状令和4年度71,724人、目標令和11年度83,000人 施策・事業名体験型教育プログラム「パラ学」、施策・事業内容体験型教育プログラム「パラ学」の実施(実施クラス数累計)、現状令和4年度167クラス、目標令和11年度690クラス (3)権利擁護、虐待防止の推進 @障がい者差別の解消、権利擁護の推進 現状と課題 〇障害者権利条約が国連総会で採択された翌年、平成19年9月に我が国は障害者権利条約に署名しました。そして、条約の批准のため、障害者基本法の改正(平成23年)、障害者自立支援法の改正(平成24年)、障害者差別解消法の制定(平成25年)、障害者雇用促進法の改正(平成25年)など様々な国内法の整備が進められてきました。 〇障害者基本法の差別禁止の基本原則を具体化し、全ての国民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障がい者差別解消の推進を目的として「障害者差別解消法」が平成28年4月に施行されました。県では、法の施行にあわせて、障がいのある人や事業者等から相談に応じる窓口を設置し対応してきましたが、障がいを理由とする生きづらさを感じる当事者の声が多く寄せられていました。このことから、県が取り組むべき基本的施策や障がいを理由とする差別に関する紛争を解決するための体制整備等を内容とする「長野県障がい者共生条例」を制定し、令和4年4月1日に一部施行、同年10月1日に全部施行しました。条例では、不当な差別的取扱いを禁止し、民間事業者による「合理的配慮の提供」を義務化しています。 長野県障がい者差別解消相談窓口 相談対応件数(述べ件数) 令和2年度151件、令和3年度137件、令和4年度204件 〇平成24年10月に「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」が施行されたことに合わせて、県では「長野県障がい者権利擁護(虐待防止)センター」を開設するとともに、「障がい者虐待防止推進員」を配置し、関係機関、民間団体等と連携を図りながら、市町村とともに虐待の防止や早期発見、虐待発生後の適切な支援に取り組んでいます。 障がい者虐待の状況 県・市町村が受理した相談・通報等件数、令和元年度182件(うち虐待が認められた件数59件)、令和2年度187件(うち虐待が認められた件数61件)、令和3年度158件(うち虐待が認められた件数49件)、令和4年度156件(うち虐待が認められた件数53件) 全国の相談・通報等の件数、 令和元年度9,977件(うち虐待が認められた件数2,737件) 令和2年度10,698件(うち虐待が認められた件数2,801件) 令和3年度11,775件(うち虐待が認められた件数3,085件) 令和4年度13,984件(うち虐待が認められた件数3,509件) 注:当該件数は、養護者による虐待、障害者福祉施設従事者による虐待、使用者による虐待を計上しています。    施策の展開・方向性 〇障がいを理由とする差別解消の推進 ・障がいを理由とする差別に関する相談窓口に共生社会づくり推進員を配置し、きめ細かな相談対応や関係機関との連絡調整を行います。 ・障がいを理由とする不当な差別的取扱いを受けた障がいがある人等からの申立てに基づき、共生社会づくり調整委員会が作成したあっせん案に基づき紛争を解決します。 ・不当な差別的取扱いの防止及び合理的配慮の提供に資するため、県が収集したこれらの事例を分析し、その結果を公表します。 ・障害者差別解消支援地域協議会(長野県障害者虐待防止・差別解消連携会議や圏域及び市町村が設置する協議会)を活用し、関係機関・団体との連携のもと、虐待防止・差別解消の推進に取り組みます。 〇障がい者虐待防止対策の推進 ・県内全ての市町村において設置されている、障がい者虐待に係る通報等の窓口となる「市町村障がい者虐待防止センター」と連携を図りながら、虐待防止や早期発見、早期対応に努めます。 ・市町村に対する助言や、障害福祉施設従事者等を対象とした研修会の開催、出前講座の実施を通じて、障がい者虐待の防止等に努めます。 ・虐待防止のための取組や虐待が発生した場合の対応をより適切に行うことができるよう、国が実施する研修会へ職員等を派遣するとともに、研修修了者が講師となって市町村等の職員や障害福祉施設従事者等に対する伝達研修を実施します。 〇福祉施設利用者の権利擁護の推進   ・外部委員を設置するなど社会性や客観性を確保し、一定のルールに沿った方法で解決が図られるなど、各施設が設けている苦情解決の仕組みが適正に運用されるよう支援します。 ・運営基準において定められている、利用者の虐待防止や身体拘束等の適正化に向けた取組を徹底し、施設利用者の権利擁護が図られるよう、実地指導や集団指導等により事業者に対する指導を徹底します。                                  用語解説があります。 実地指導とは、施設に出向き、障害福祉サービス等の取扱い、自立支援給付等に係る費用の請求内容等について、関係書類の閲覧や関係者との面談方式で行う指導です。 集団指導とは、障害福祉サービス等の取扱い、自立支援給付等に係る費用の請求内容、制度改正内容及び過去の指導事例等について、講習方式で行う指導です。 ・利用者等の生命・身体の安全に危害を及ぼすおそれがある場合には、関係法令に基づく権限を適切に行使し、厳正に対処します。 〇権利擁護のための相談・支援体制の充実 ・福祉サービスに関する苦情解決の仕組みの普及・啓発を進めるとともに、苦情の解決を適切に図るため、福祉サービス運営適正化委員会の機能充実に努めます。 ・日常生活自立支援事業を実施する長野県社会福祉協議会に対して必要な支援を行い、事業が適切に実施されるよう努めます。 ・障がい等により福祉的支援を必要とし、かつ帰住予定地が確保できない刑務所等矯正施設出所予定者及び被疑者・被告人等の、出所・釈放等後の社会復帰を支援し、再犯防止につながる体制づくりを図ります。 A権利行使の推進 現状と課題 〇判断能力が不十分な障がいのある人には、福祉サービスの利用をはじめとする契約手続の援助等、本人らしい自立した生活を送るための支援が必要です。また、経済的虐待による金銭搾取や悪質商法による被害が後を絶たず、成年後見制度による支援の必要性が増しています。 〇重要な基本的人権である選挙権について、その行使に支障がないよう投票所のバリアフリー化等の改善に向けた支援を行っていますが、候補者の政見等を知る機会の確保等、対応策の充実が求められています。 施策の展開・方向性 〇成年後見制度の利用促進 ・判断能力が不十分な障がいのある人が財産管理等の援助を受け、地域で自立した生活が営めるよう、家庭裁判所や関係団体等と連携し、成年後見制度の利用促進を図ります。 ・市町村が講ずる、成年後見制度利用支援のための体制整備と中核機関等の設置や、成年後見制度市町村計画の策定を支援します。     〇権利行使の支援(選挙関係) 障がいのある人や高齢者が投票を行うために必要な支援を行います。 ・障がいのある人等の投票機会を幅広く確保するため、投票所までの巡回、送迎バスの運行などの移動支援や、投票所における車いす使用者等への介添え、スロープの設置、点字器の備え付けなどの措置を支援します。 ・聴覚障がいのある人が、候補者等の政見等を知る機会を確保するため、政見放送への字幕の導入や手話通訳を拡大するよう、国へ要望します。     B地域における福祉活動・福祉教育の推進 現状と課題 〇障がいのある人が地域において自立した生活をするためには、民生委員など身近で相談できる窓口が必要です。一方、公的なサービスだけでは対応できない制度の狭間にある生活課題や災害時における問題等の解決のため、ボランティアや市民活動への期待が高まってきており、多様な形態のボランティア活動への支援が必要となってきています。 施策の展開・方向性 〇民生委員・児童委員による相談支援の推進 ・民生委員・児童委員活動における必要な知識について研修を行い、資質の向上を図ります。 〇ボランティア・NPO活動の推進 ・県や市町村の社会福祉協議会を中心としたボランティアセンターの活動を支援するとともに、ボランティアの資質向上及びボランティア・市民活動団体のネットワーク化等を図り、障がいのある人を支えるボランティア活動を支援します。 ・地域福祉の課題解決につながる、NPO・企業・行政等の多様な主体による協働を支援します。    〇福祉教育の推進 ・次世代のボランティア活動の担い手を育てるため、地域福祉推進の基盤となる福祉教育の普及・啓発を支援します。 達成目標等 施策・事業名ボランティア活動リーダーの養成、施策・事業内容障がいのある人を支えるボランティア活動を支援するボランティアリーダーの養成、現状平成29年度から令和4年度の累計2,679人、目標令和5年から11年度の累計5,500人 2地域生活の充実 50ページ (1)地域生活の支援 @障がい福祉人材の確保・定着 現状と課題 〇障害福祉サービス等の利用者が拡大する一方で、障害福祉分野職種の有効求人倍率は全職種より高い水準で推移しており、人材の確保が困難な状況です。 ○障がい福祉人材の確保・定着を進めていくためには、従事者の将来を見据えた、意欲や資質・能力を高める人材育成が重要であることから、事業者や従事者に対する体系的な研修機会を確保することが必要です。 ○多様な障がいに対応できる専門性の高い従事者の育成を図るとともに、障がいのある人の高齢化・重度化への含めた人材の育成等が求められています。 ○利用者の意向や適性、障害の特性などを踏まえた、適切かつ効果的な障害福祉サービスの提供が行われるよう、サービスの質の確保・向上の中心となるサービス管理責任者の養成を図っていく必要があります。 ○障害福祉サービス等の安定的な提供に向け、施設職員を確保し、その定着を図るため、職場環境の整備・改善や処遇改善等を行う必要があります。 ○現役世代が減少していく中、障害福祉サービス等の現場における業務効率化や職員の業務負担軽減を図るため、介護ロボットやICTの活用を推進していく必要があります。 ○令和4年に県が実施した調査では、回答者の14.1%が「現在の相談支援体制では不十分」と答えており、相談支援専門員の質と量の確保が課題となっています。支援を必要とする障がいのある人等が障害福祉サービス等を適切に利用することができるよう、相談支援専門員の養成及び資質向上を図り、意思決定の支援に配慮しつつ、本人の自己決定を尊重して必要な支援が行われることが重要です。併せて、自らの障がいや疾病の経験を活かしながら他の障がいのある人の支援を行うピアサポーターが活動する機会を増やすことも必要です。 施策の展開・方向性 〇有資格者の養成、従事者の確保 ・福祉大学校において質の高い介護福祉士等を養成します。 ・福祉の職場を対象とした職場説明会や求職者と求人事業所との就職面接会の開催、求職者と求人事業所との橋渡しをするキャリア支援専門員の配置などにより、求職と求人のマッチングを推進します。 〇従事者に対する研修の充実・推進  ・サービス提供プロセスの管理を行うとともに、サービスを提供する職員を指導する役割を担うサービス管理責任者の養成研修等を県の指定(登録)研修機関において実施し、必要な人材の養成とサービスの質の確保を図ります。 ・福祉サービスを支える人材の確保と質の向上を目指し、施設・事業所職員の段階と職務階層に合わせて研修を受講できるよう、長野県版「キャリアパス・モデル」に対応した研修を実施します。 用語解説があります。長野県版「キャリアパス・モデル」とは、新任職員から上級管理者まで5段階の職層ごとに、求められる能力や、必要な資格・研修などを示したもの。 〇相談支援専門員の養成と資質向上  ・障がいのある人等の意向に基づき、必要なサービスを総合的かつ適切に利用するための援助技術を備えた実践力の高い人材を養成するため、県の指定(登録)研修機関において相談支援従事者研修を実施し、相談支援専門員の確保と資質向上を図ります。 ・地域づくり、人材育成、困難事例への対応など地域の中核的な役割を担う「主任相談支援専門員」が地域の実情に応じて計画的に配置されるよう支援します。 ・県自立支援協議会人材育成部会を中心に、各圏域の相談支援における研修・人材育成のリーダーの養成を支援します。 〇職場体験等  ・中学生、高校生や福祉に関心のある一般求職者等に対し、福祉の職場体験の機会を提供します。また、小中学校、高等学校等に福祉・介護の従事者等を派遣し、福祉の仕事のやりがいや仕事の内容を説明することにより、福祉の仕事に対する理解を深めます。 〇施設職員の処遇向上等 ・施設職員が安心して働き続けることができるよう、処遇改善加算未取得等の事業者に対する専門的な相談員の派遣支援などを行い、福祉・介護職員等処遇改善加算等により給与等の処遇改善を図るとともに、勤務条件や福利厚生の向上など働きやすい職場環境の整備・改善について助言等を行います。 〇介護ロボット等の導入支援 ・障害福祉サービス等の現場における介護業務の負担軽減や業務の効率化などの労働環境の改善を通じて、安心・安全な質の高いサービス等の提供を推進するとともに人材の確保定着を図るため、介護ロボットやICTの導入を支援します。 〇障害福祉サービス等におけるピアサポート活動の取組支援 ・「ピアサポート体制加算」(自立生活援助、計画相談支援、障害児相談支援、地域移行支援、地域定着支援)及び「ピアサポート実施加算」(就労継続支援B型)を取得する要件となっている研修会を実施し、障害福祉サービス等における質の高いピアサポート活動の取組を支援します。 達成目標等 施策・事業名サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者の養成、施策・事業内容基礎研修修了者(累計)、現状令和元年から4年度の累計920人、目標令和元年から令和11年度の累計2,995人 施策・事業名サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者の養成、施策・事業内容実践研修修了者(累計)、現状令和3年から4年度の累計147人、目標令和3年から令和11年度の累計1,789人 施策・事業名処遇改善加算取得促進支援、施策・事業内容処遇改善加算取得促進(取得率)、現状令和4年度77.3%、目標令和11年度87.1%   A障害福祉サービスの質の確保・向上 現状と課題 〇県が令和4年度に実施した調査結果によると、利用しているサービスに不満があると答えた人(13.9%)のうち、サービスの質が低いと答えた人が、41.3%います(18歳以上)。 ○一人ひとりの障がい特性に応じて適切なサービスが提供されるよう、指導監査の徹底や障害福祉サービス等情報公表制度の運用等により、障害福祉サービス等の質の確保・向上を図っています。 ○障害福祉サービス等の利用者の多様化や障害福祉サービス等に多様な事業者の参入が進んでいることを踏まえ、利用者の個々のニーズに応じた良質なサービスを提供する観点から、障害福祉サービス等の質の確保・向上をより一層図っていくことが重要となっています。   施策の展開・方向性 〇人員配置や設備・運営に関する基準の徹底 各施設等において、人員配置や設備・運営に関する基準が遵守され、施設等の運営管理や利用者へのサービスの提供が適切に行われるよう、障害福祉サービス等を提供する事業者に対して集団指導及び実地指導を徹底します。 ○不正な行為や基準違反の疑いのある施設に対する監査  不正な行為や基準違反の疑いのある施設等に対しては、迅速かつ重点的に監査を実施し、不正が確認された場合には指定取消等により厳正に対処します。 〇福祉サービス第三者評価による質の向上  各施設におけるサービスの質の向上に向けた取組を促進するため、事業者に対して福祉サービス第三者評価の受審を働きかけます。 ○市町村への支援 市町村が行う指導監査が効果的・効率的に実施されるよう、実施方法の助言や合同での実地指導の実施などの支援を行います。 ○障害福祉サービスの内容等の公表 障害福祉サービスの内容等を公表する情報公表制度を適切に運用することにより、利用者の視点に立った良質なサービス選択に資する情報を提供するとともに、事業者のサービスの質の確保・向上を図ります。 ○専門性を高める研修の実施 障害福祉サービス事業所等の従事者の専門性向上を推進するため、県や関係団体などが実施する研修について情報提供を行うとともに、研修内容の充実を図ります。   B障害福祉サービス等の提供基盤の整備促進 ア地域生活支援拠点等の機能強化 現状と課題 ○地域生活支援拠点等の整備については、第4期障害福祉計画(平成27〜29年度)から、「地域生活支援拠点を市町村又は圏域に少なくとも一つ整備・運用する」として取組を進め、令和5年度末時点で12圏域(地域)において整備されていますが、一部の町村では整備されていません。未整備の3町村における整備を支援する必要があります。 ○令和6年4月から、地域生活支援拠点等は障害者総合支援法に位置付けられ、その整備は市町村の努力義務となりました(令和6年3月74市町村整備済)。今後は機能の充実・強化に向け、他分野と連携した重層的な支援体制や緊急時に対応するための体制、地域生活移行に向けた体験の場づくり、地域の様々なニーズに対応できるサービス提供体制の確保が課題となっています。 施策の展開・方向性 ○地域生活支援拠点等の機能強化 ・施設に長期入所している障がいのある人の地域生活移行を進めるため、体験の機会・場の提供や入所施設等からグループホーム又は一人暮らしへの移行支援などの役割を担う地域生活支援拠点等の機能強化や体制整備及びその活用を促進します。 ・市町村(圏域)において、地域生活支援拠点等の機能充実のため、コーディネーターの役割を担う者を配置するとともに、地域のニーズを踏まえた必要な機能が適切に発揮されているか定期的に評価を行い、その取組情報の公表を通じて充実・強化が図られるよう、県自立支援協議会等を活用して、地域の現状や課題等の把握、好事例の紹介などにより、市町村(圏域)の取組を支援します。 達成目標等 施策・事業名地域生活支援拠点等の整備、施策・事業内容拠点がカバーしている市町村、現状令和4年度74市町村、目標令和8年度77市町村 施策・事業名地域生活支援拠点等の整備、施策・事業内容各圏域(地域)のコーディネーターの役割を担う者がカバーしている市町村、現状令和4年度45市町村、目標令和8年度77市町村 施策・事業名地域生活支援拠点等の整備、施策・事業内容年1回以上の運用状況の検証・検討をしている市町村、現状令和4年度77市町村、目標令和8年度77市町村 地域生活支援拠点を表す、2つのイメージ図が掲載されています。 1つの図は、多機能拠点型として、機能を1箇所に一体的に整備するものです。 もう1つの図は、機能を複数の事業者が分担して支援体制を整備するものです。 用語解説があります。 地域生活支援拠点とは、障がいのある人の重度化、高齢化や「親亡き後」に備え、障がいのある人が、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、様々な支援を切れ目なく提供し地域全体で支える仕組み。必要な機能として、@相談 A緊急時の受入れ・対応 B体験の機会・場 C専門的人材の確保・養成 D地域の体制づくり の5つをすべて備えることとされているが、地域の実情により、どの機能をどの程度整備するかは、市町村(圏域)が判断する。 イ居宅サービスの充実 現状と課題 ○令和4年に実施した調査結果によると、地域で暮らすために必要なサービスとして、47.6%の方が、居宅介護・短期入所の充実と答えています。 ○医療機関や入所施設からの地域生活への移行が進むにつれ、居宅介護など、居宅サービスの利用は増加傾向にありますが、一方で、短期入所の利用は、新型コロナウイルス感染症の影響により受入れが抑制されたため、感染拡大前と比べて、少ない状態が続いています。 ○居宅サービスが利用者やその家族等のニーズに沿った形で提供されるよう、必要な時に必要なサービスが受けられる体制づくりを進める必要があります。 ○障がいのある人の高齢化が進み、高齢の障がいのある人のための支援として、高齢になっても安心して住み慣れた環境で暮らし続けられる地域づくりが求められています。 ○重症心身障がい児(者)等が利用できる、医療機関等が設置する医療型短期入所事業所は、令和5年度末現在で県内に19箇所と限られているほか、そのほとんどが本体施設の空床を利用する形態であるため、緊急時の対応が困難な場合があります。 居宅サービス等利用者の延べ人数の推移(一月当たりの平均利用者数)のグラフを掲載しています。 居宅サービス、平成30年度4,071人、令和元年度4,170人、令和2年度4,159人、令和3年度4,252人、令和4年度4,367人 短期入所サービス、平成30年度1,160人、令和元年度1,214人、令和2年度859人、令和3年度867人、令和4年度802人 施策の展開・方向性 ○短期入所事業所の整備促進 ・地域生活の安心を確保するため、レスパイトケアや緊急時の受入れ等を行う短期入所サービスを、身近な地域で利用できるよう、事業所の拡充を促進します。特に、医療型短期入所については、重症心身障がい児(者)等の重度障がい児(者)が地域で安心して生活できるよう、自立支援協議会や医療的ケア児支援のための協議の場などと連携し、拡充を図ります。 ○市町村が支援する事業への支援 ・市町村が必要なサービスを提供できるよう国に十分な予算の確保を要望するとともに、市町村がより充実した事業を行えるよう、他自治体の取組状況などの情報提供を行います。 ○高齢の障がいのある人のための支援の充実 ・高齢の障がいのある人に対する支援は、介護保険制度によるサービス提供が優先となりますが、介護保険と障がい福祉両制度に位置付けられる共生型サービスの実施など、そのニーズに応じたサービスが提供できる包括的な支援体制づくりに向けて、市町村等関係機関と連携して取り組みます。 ・高齢者の総合相談や権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援、家族介護者支援などの機能を担う地域包括支援センターの人材育成を支援します。 ○障がい者用福祉機器の開発支援 ・県工業技術総合センター及び(公財)長野県産業振興機構において、障がい者用福祉機器の開発を支援します。 ○タイムケア(レスパイトケア)の支援 ・日中一時支援事業の利用状況などを踏まえ、現場のニーズを検証した上で、適切に支援します。 達成目標等 施策・事業名地域生活移行、施策・事業内容障害者支援施設から地域生活への移行、現状令和2年から4年度累計73人、目標令和5年から8年度累計166人 施策・事業名短期入所サービス、施策・事業内容短期入所サービスを行う事業所、現状令和4年度164事業所、目標令和8年度196事業所 ウ住まい、日中活動の場の充実 現状と課題 ○障がいのある人が希望する地域生活を実現・継続するためには、それぞれの地域において、生活の場となるグループホーム、日中活動の場となる生活介護や就労継続支援などのサービス提供基盤の充実を図ることが必要です。 ○医療機関における医療的ケアに加え、常時介護を必要とする重度の障がい者が利用する療養介護サービスを提供する事業所が不足し、待機者が発生しています。 生活介護等の指定事業所数(各年度4月1日時点)の推移のグラフを掲載しています。 生活介護、令和元年度209所、令和2年度215所、令和3年度224所、令和4年度232所、令和5年度249所 就労継続支援、令和元年度313所、令和2年度327所、令和3年度344所、令和4年度369所、令和5年度393所 グループホーム、令和元年度181所、令和2年度188所、令和3年度202所、令和4年度212所、令和5年度228所 施策の展開・方向性 ○不足するサービス提供基盤の整備 ・市町村の意見を踏まえて事業者の指定を行うとともに、圏域で不足しているサービスについて、十分なサービス量を確保できるよう、サービス提供基盤の整備を計画的に支援します。 ○居住支援体制の構築 ・住宅確保要配慮者のすまい探し協力店の登録や居住支援協議会による不動産・福祉関係団体の連携を促進し、障がいのある人が円滑に住宅を確保できる体制整備を図ります。 ○県営住宅のグループホームへの活用 ・地域の実情を踏まえながら、県営住宅空き家のグループホームへの活用を図ります。 エ障がい児サービス提供体制の充実 現状と課題 ○地域支援体制の充実に向け、地域の障がい児支援における中核的役割を担うことが明確化された児童発達支援センターを中核にして、身近な地域でニーズに応じた必要な発達支援が受けられる体制整備やインクルージョンの取組を推進していくことが重要です。 ○重症心身障がい児等が利用する医療型短期入所事業所は、令和5年度末現在で県内に19箇所と限られているほか、そのほとんどが本体施設の空床を利用する形態であるため、緊急時の対応が困難な場合があります。 ○重症心身障がい児や医療的ケア児が身近な地域で支援を受けられるよう、重症心身障がい児等を支援する児童発達支援事業所や放課後等デイサービス事業所の充実を図ることが必要です。 ○障害児入所施設は、家庭において養育されることが困難な児童に対し、 家庭復帰や成人に至るまでの間、できる限り良好な家庭的環境の中で、発達を支援し、育成する役割を有していますが、一方で、障がいのある児童が成長した後には、一人の大人として尊重され、成人に相応しい環境の中で過ごすことができることが求められます。 施策の展開・方向性 ○児童発達支援センターの設置とインクルージョンの推進 障がい児やその家族への支援体制の充実が図られるよう、児童発達支援センターの整備を計画的に支援するとともに、児童発達支援センターが地域における中核的役割を果たせるよう支援します。 ○医療型短期入所事業所の設置促進 重症心身障がい児(者)等の重度障がい児(者)が地域で安心して生活できるよう、自立支援協議会や医療的ケア児支援のための協議の場などと連携し、医療型短期入所事業所の設置の促進を図ります。 ○重症心身障がい児や医療的ケア児の受け皿となる事業所の整備 重症心身障がい児等を支援する児童発達支援事業所や放課後等デイサービス事業所の拡充を図るため、市町村の意見を踏まえて事業所の指定を行うとともに、それらの整備を計画的に支援します。また、必要な予算措置を国に対し要望します。 ○障害児入所施設からの移行調整の取組の推進 移行調整の協議の場を通じて、児童相談所・相談支援事業所・障害児入所施設などの関係者がそれぞれの役割を果たしながら連携し、障害児入所施設に入所する児童の成長後を見据えて、大人にふさわしい環境への移行を推進します。 C精神障がい者の地域移行の支援 現状と課題 〇県内の精神科病院に入院している精神障がい者数は、減少傾向にありますが、そのうちの約6割にあたる人が、1年を超えて入院しています。 ○精神障がいのある人が地域で生活するために、市町村や精神科病院、関係機関等が連携して、地域生活支援体制を充実させることが必要です。 施策の展開・方向性 〇精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築 ・精神障がいのある人が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、当事者の意見を聞きながら障がい保健福祉圏域ごとに設置する保健・医療・福祉関係者等による協議の場を通じて、精神科医療機関、その他の医療機関、地域援助事業者、市町村などとの重層的な連携による支援体制を強化します。 〇精神障がい者の地域移行・地域定着の支援 ・障がい保健福祉圏域の精神障がい者地域移行関係職員や保健、医療、福祉、介護などの関係機関と連携し、精神障がいのある人の地域移行・地域定着の支援を推進します。 ・支援関係者に対する研修を、精神保健福祉センター及び各圏域で開催します。 〇障がい者支え合い活動の支援 ・地域で暮らす当事者支援員が、地域移行に自信や意欲の持てない精神障がいのある人の相談支援、普及啓発活動を支援します。 達成目標等 施策・事業名精神障がい者の地域移行支援、 施策・事業内容精神病床への1年以上入院患者数65歳以上、現状令和4年度1,303人、目標令和8度1,190人 施策・事業内容精神病床への1年以上入院患者数65歳未満、現状令和4年度802人、目標令和8度737人 施策・事業内容退院率入院後3か月時点、現状令和元年度68.6%、目標令和8年度68.9%以上 施策・事業内容退院率入院後6か月時点、現状令和元年度83.4%、目標令和8年度84.5%以上 施策・事業内容 退院率入院後1年時点、現状令和元年度90.9%、目標令和8年度91.0%以上 D障がいのある人にとって利用しやすい県立施設 現状と課題   ○障がいのある人を支援する県立施設として、信濃学園、総合リハビリテーションセンター、西駒郷、障がい者福祉センター、聴覚障がい者情報センターを設置しています。 ○障がいのある人を取り巻く課題や環境の変化に対応して、県立施設に求められるニーズに応えるとともに、障がいのある人にとって利用しやすい県立施設を目指す必要があります。 施策の展開・方向性 〇障がいのある人の視点に沿った整備・運営 ・信濃学園(障害児入所施設(旧知的障害児施設)(昭和26年波田町(現松本市)に設置)) 県内唯一の知的障がい児の福祉型入所施設として、児童の保護、日常生活の指導及び独立自活に必要な知識や技能を提供し、地域に開かれた施設を目指します。入所時から家庭復帰を目指した有期有目的の支援に向け、関係機関と定期的にケア会議を開催します。また、18歳で大人にふさわしい環境への移行が難しい場合、移行調整の協議の場を通して、円滑な移行を図ります。 ・総合リハビリテーションセンター(障害者支援施設、病院、身体障害者更生相談所及び補装具製作施設が一体となったリハビリテーションサービス提供施設(昭和49年長野市に設置)) 病院等を併設した県内唯一の入所型機能訓練施設として、障がいのある方の機能改善・社会復帰に向け、医療から自立訓練、就労支援に至るまで一貫したリハビリテーションサービスを提供します。令和5年度から運営に公営企業会計を適用し、社会復帰を目指す障がい者等に、安定的に医療・福祉によるリハビリテーションサービスを提供します。  ・西駒郷(障害者支援施設(旧知的障害者援護施設)(昭和43年駒ケ根市に設置)) 平成29年3月に提出された「西駒郷あり方検討会報告書」を踏まえ、県全体のセフティーネット機能の役割を果たすとともに、県内の実情やニーズに則し、強度行動障がい者支援の強化や入所機能の集約・機能強化、利用者の個別支援の質の向上に努めます。 ・障がい者福祉センター(通称サンアップル、障がい者のスポーツ及び文化芸術活動等を支援する中核施設(平成10年長野市に設置)) 障がいのある人が身近な場所でスポーツ・文化芸術活動に親しめるよう、スポーツ指導員による個々の障がい特性に合った指導や文化芸術イベントを開催する等、支援の充実に努めます。パラスポーツの裾野拡大の向け、障がいのある人を対象にした大会の開催や出張スポーツ教室等、事業内容の充実を図ります。 ・聴覚障がい者情報センター (聴覚障がい者用の録画物の製作及び提供等を行う施設(平成10年長野市に設置)) 聴覚に障がいのある人に手話・字幕付きのビデオの貸出しや自主制作動画の配信等により、ニーズに合った情報の提供や伝わりやすい手段の充実に努めるとともに、遠隔手話通訳等のコミュニケーション支援に取り組みます。また、日常生活に必要な知識を得るための講座の開催や生活相談を実施します。                                         (2)生活の安定に向けた取組 63ページ 経済的支援制度 現状と課題 ○障がいのある人の生活安定のため、特別児童扶養手当などの各種手当制度や、自動車税の減免制度などの周知を図り、経済的な自立と社会参加を支援する必要があります。 ○県が令和4年度に実施した調査によると、行政に対する要望では、医療費の負担軽減が34.2%で最も高くなっております。 施策の展開・方向性 ○各種手当制度等の周知 ・特別児童扶養手当、特別障害者手当、障害児福祉手当等の各種手当及び心身障害者扶養共済制度について、県のホームページ等において、受給要件や手続きなど制度の概要について分かりやすく周知を行います。 ○重度障がい児(者)の医療費の支援 ・障がい児(者)の医療費の自己負担分を補助し、必要な医療が受けられるよう支援します。 ○通所通園等推進事業の実施 ・心身障がい児通園施設等への通所通園は、継続的な交通費の支出を伴うことから、児童及び付添人の通所通園に要する交通費を補助することにより、障がい児(者)の家庭の経済的負担を軽減します。 〇自動車税等の減免制度の周知 ・身体障がい者等が所有する自動車の自動車税環境性能割・種別割及び軽自動車税環境性能割の減免制度、申請期限等について、県のホームページや納税通知書に案内を同封するなど、幅広く周知を行います。 ○県営住宅入居での支援  ・県営住宅への入居について、入居収入基準の緩和や、優先入居、単身入居の取扱いにより、安心して暮らせる居住の場の確保を図ります。 ・収入の状況に応じて家賃の減免を行います。 (3)相談支援体制の充実 64ページ 現状と課題 ○障がいのある人が地域で安心して暮らせるよう、全国に先駆けて身体・知的・精神の障がいのほか、発達障がいなどにも対応する「障がい者総合支援センター」を各圏域に設置し、市町村と県とが連携して総合的な支援体制を整備してきました。 ○平成24年度には、障害者総合支援法において、基幹相談支援センターが地域における相談支援の中核的な機関として位置づけられ、令和6年4月からはその設置が市町村の努力義務となりました。基幹相談支援センターには、豊富な経験や技術・知識を要する個別支援、地域の相談支援従事者に対する助言等の支援者支援、自立支援協議会の運営への関与を通じた地域づくりの機能が求められています。 令和6年3月現在の基幹相談支援センターの設置状況が図で掲載されています。 基幹相談センター設置地域11箇所。設置地域は、@佐久圏域、A上小圏域、B諏訪圏域、C上伊那圏域、D松本市、E安曇野市、F塩尻市・山形村・朝日村、G麻績村・生坂村・筑北村H大北圏域I千曲市・坂城町J北信圏域 未設置地域は、飯伊圏域、木曽圏域、長野市、須坂市・小布施町・高山村、飯綱町・信濃町、小川村。               ○地域の自立支援協議会は、個別の相談支援の事例を通じて明らかになった本人・家族・地域の課題を共有し、その課題を踏まえて地域の基盤整備を着実に進めていく役割が求められています。そのため、県自立支援協議会では、市町村や福祉分野にとどまらない様々な機関と連携し、障がいのある人を地域全体で支える仕組みづくりを進め、相談支援体制の充実・強化を図る必要があります。 施策の展開・方向性 ○「基幹相談支援センター」の設置促進  ・地域の相談支援の拠点となる基幹相談支援センターが担うべき役割や設置済み地域の取組を周知し、基幹相談支援センターの設置促進を図ります。 ○県自立支援協議会の体制充実 ・県全域の障がいのある人等への支援体制の整備に向け、主導的役割を担う協議の場として、各地域自立支援協議会の代表者、連携機関、当事者団体等を構成員とする県自立支援協議会を定期的に開催し、地域自立支援協議会と連携しながら課題解決のための協議を行います。 ・権利擁護、精神障がい者地域移行支援、療育、人材育成、就労支援に関する専門部会や相談支援体制機能強化会議を開催し、各分野における課題の共有や関係機関の連携強化のための協議を行い、地域の自立支援協議会の運営や体制整備の推進をバックアップします。 ○相談支援専門員の養成と資質向上 ・国の相談支援従事者研修の受講者を中心に、実践力の高い人材を養成するための研修を実施し、相談支援専門員の資質向上と人材の確保を図ります。 ・相談支援について指導的役割を果たす「主任相談支援専門員」(仮)の基幹相談支援センター等への計画的な配置を目指します。 ・県自立支援協議会人材育成部会を中心に、各圏域における研修・人材育成のリーダーの養成を支援します。    ○県自立支援協議会の体制充実 ・各地域自立支援協議会の代表者、連携機関、当事者団体等を構成員として、療育、人材育成などの専門部会や相談支援体制機能強化会議を設置し、地域自立支援協議会と連携しながら、地域の課題解決のための協議を行い、地域バックアップ体制を強化します。 ○地域移行支援・地域定着支援並びに自立生活援助の提供体制の整備 ・施設や病院に長期入所(入院)している障がいのある人の地域生活移行や、その後の地域生活の継続のため、地域移行支援・地域定着支援並びに自立生活援助サービスの提供体制の整備を支援します。 達成目標等 施策・事業名基幹相談支援センター、施策・事業内容カバーしている市町村数、現状令和4年度50市町村、目標令和8年度77市町村 施策・事業名地域移行支援、施策・事業内容地域移行支援利用者数、現状令和4年度21人、目標令和8年度65人 施策・事業名地域定着支援、施策・事業内容地域定着支援利用者数、現状令和4年度210人、目標令和8年度299人 施策・事業名自立生活援助、施策・事業内容自立生活援助利用者数、現状令和4年度71人、目標令和8年度118人                                   3 安全で暮らしやすい地域づくり 67ページ (1)安全な暮らしの確保 @防犯・交通安全対策の推進 現状と課題 〇障がいのある人を犯罪から守り、安全・安心なまちづくりを推進するため、広報啓発活動を充実するなど、保護対策を推進するとともに、障がいのある人を交通事故から守るため、障がいのある人に配意した交通安全の知識の普及・発信活動を推進する必要があります。 施策の展開・方向性 〇障がいのある人の保護対策の推進  ・自治体を始めとする関係機関・団体と連携を密にし、防犯に関する情報を迅速に共有できる体制づくりを構築します。 ・社会福祉施設職員等に対する防犯講習・訓練等を実施し、危機管理意識の向上を図ります。 ・社会福祉施設等における施設設備面の防犯対策について助言、指導を行います。 ・障がい者虐待を認知した際、市町村への速やかな通報や被害者の保護対策など、被害者の立場に立った的確な措置を講じます。   〇交通安全対策の推進 ・関係機関・団体と協力しながら、障がいのある人を始めとして、幼児から高齢者に至る全ての県民に対し、交通安全意識を高めるための交通安全教育を推進します。 ・関係機関や地域ボランティアとの協力により、障がいのある人に配慮した交通安全に関する広報啓発活動を積極的に推進します。 ・障がいのある人を始めとした交通弱者を交通事故から守るため、運転免許取得者及び運転免許更新者に対して、それぞれの機会に、適時適切な運転者教育を推進します。 A防災対策・災害発生時の支援の推進 現状と課題 ○長野県は多くの活断層、急峻な地形、脆弱な地質を有し、災害が多発しています。特に、近年は気象災害が激甚化・頻発化する傾向があり、災害からの逃げ遅れをなくすためには、災害時に、支援を必要とする障がいのある人に対して適切な対応を行い、安全・安心な暮らしを支援する必要があります。 〇障がいのある人に対する避難支援等の強化は急務であり、避難支援体制の構築が望まれます。自ら避難することが困難で、避難の確保を図るために特に支援を要する者の中には、障がいのある人も多く、要配慮者保護のための防災対策の一層の充実が必要です。 ○県が令和4年に実施した調査結果によると、災害時に不安に感じることとして、避難場所での長期避難生活に身体が耐えられるか不安であるという人が38.8%、大勢の人の中で避難所生活をすることに不安があるという人が38.0%います。 〇市町村が実施する災害時の情報伝達、避難誘導、避難所運営等においては、障がいのある人個々の具体的な状況を踏まえ、多様な関係機関と協力しながら行うことが求められています。 ○災害時においては、災害ボランティアの力が不可欠であり、迅速かつ的確に災害ボランティア活動が行われるような支援が必要となります。 施策の展開・方向性 〇個別避難計画作成の支援 ・災害に備え、的確な情報提供を行うとともに、住民主体で作成した「災害時住民支え合いマップ」の成果を活かした、市町村における個別避難計画作成の推進及び防災を学ぶ信州防災アプリの活用等により、災害弱者をはじめ県民の適切な避難行動を支援します。 〇要配慮者利用施設における防災対策の推進 ・福祉施設が、火災や地震など様々な災害に対応した非常災害対策マニュアルを整備するとともに、必要な訓練等を実施するよう指導します。 ・市町村の地域防災計画に定められた福祉施設において、浸水想定区域※や土砂災害警戒区域など地域の実情に応じた利用者の避難確保計画を作成し、この計画に基づく避難訓練が実施されるよう支援します。 用語解説があります。 浸水想定区域とは、河川管理者である国または県が指定した、河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域のことです。 土砂災害警戒区域とは、県が指定した、土砂災害が発生した場合に住民等の生命または身体に危害が生じるおそれがあると認められる区域のことです。 〇福祉避難所の運営体制の充実  ・災害が発生した際に、障がいのある人等の要配慮者を対象として市町村が開設する福祉避難所の運営体制の充実を図るため、実際の災害を想定した福祉避難所設置・運営訓練の実施を市町村へ要請し、必要に応じて助言を行います。 〇災害拠点となる施設等の充実 ・病院、社会福祉施設、学校等多数の者が利用する建築物の耐震化を推進し、安全性の向上を図ることで、県民の生命及び財産を守ります。   ○災害ボランティア活動の推進 ・災害時において迅速かつ効果的にボランティア活動が展開されるように、災害ボランティアセンターの設置・運営訓練等、センター運営全般のサポートを行う人材の養成を図ります。また、社会福祉法人、福祉職能団体等が参画する災害福祉広域支援ネットワークを構築し、災害時要配慮者を広域で支援する体制整備を支援します。 達成目標等 施策・事業名市町村の個別避難計画作成への支援、施策・事業内容市町村による個別避難計画作成に対し、助言・情報共有を実施、現状令和4年度43市町村、目標令和11年度77市町村 施策・事業名福祉避難所の設置・運営訓練の実施、施策・事業内容市町村による福祉避難所の設置・運営訓練の実施要請及び助言、現状令和4年度8市町村、目標令和11年度77市町村  施策・事業名多数の者が利用する施設の耐震化、施策・事業内容耐震化割合(「長野県耐震改修促進計画(第V期)目標」)、現状令和2年度92.5%、目標令和7年度95%                                 (2) 誰もが暮らしやすいまちづくり 70ページ @福祉のまちづくりの推進 現状と課題 〇高齢者や障がいのある人等が身近な地域で買い物をしたり、食事に出かけることができるよう、駅舎や歩道など県民生活に密着した公共建築物や交通安全施設などに対するバリアフリー対策を積極的に推進する必要があります。 〇「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法)の規定に基づき、公共交通事業者に対して旅客施設、車両等のバリアフリー化への対応が推進されており、事業者が行う施設等の整備への支援を一層充実していく必要があります。 〇令和5年度に39の都市計画区域のうち29の都市計画区域について、誰もが安心して暮らせるまちづくりの視点に立ち、都市計画区域マスタープランの圏域化を行いました。残りの10都市計画区域については、令和4年度に都市計画の基となる都市計画基礎調査が完了したことから、この調査結果等を踏まえて、都市計画区域マスタープランを圏域化していくことで、誰もが安心して暮らせるまちづくりの推進をしていく必要があります。 〇障がいのある人などの意見を反映し、誰もが利用しやすい施設の整備が進むように「長野県福祉のまちづくり条例」で、整備の基準を示しています。 低床バスの普及台数の推移の表が掲載されています。適用除外認定車両は除かれます。平成29年度車両総数994台、うち低床バス312台、普及率49.3%、平成30年度車両総数1,029台、うち低床バス355台、普及率50.9%、令和元年度車両総数1,033台、うち低床バス396台、普及率56.7%、令和2年度車両総数895台、うち低床バス375台、普及率62.6%、令和3年度車両総数855台、うち低床バス365台、普及率66%  乗降者数3,000人以上の駅舎のバリアフリー化の状況に関する表が掲載されています。乗降客数の変動に伴い、集計対象となる整備数及び整備率は変動します。平成29年度整備数23駅、整備率88.5%、平成30年度整備数23駅、整備率88.5%、令和元年度整備数21駅、整備率87.5%、令和2年度整備数19駅、整備率95%、令和3年度整備数19駅、整備率95%、令和4年度整備数17駅、整備率94.4% 施策の展開・方向性 〇誰もが安心して暮らせるまちづくりの推進 ・建築物のバリアフリー化を始めとする福祉のまちづくりを推進します。 ・信州パーキング・パーミット制度の協力区画を増やすため、企業等への協力依頼活動等、普及・啓発を推進します。 用語解説があります。信州パーキング・パーミット制度とは、公共施設や店舗など様々な施設に設置されている障がい者等用駐車区画を適正に利用するため、障がいのある人や高齢者、妊産婦の人など歩行が困難な方に、県内共通の「利用証」を県が交付する制度です。 ・誰もが安心して暮らせるまちづくりの視点に立った都市計画区域マスタープランの圏域化を行います。 ・障がいのある人が地域で安心して暮らせるよう、障がいのある人へのちょっとした配慮、手助けを実践する「信州あいサポート運動」を、あいサポート企業・団体と連携して推進します。また、誰もがバリアフリー情報を簡単に取得できるよう、効果的な取組について研究します。 〇交通バリアフリー化の推進    ・ユニバーサルデザインの考え方を基本に 鉄道駅のバリアフリー化の施設整備、低床バスの普及促進 安全で利用しやすい交通アクセスの確保などの交通・移動対策の総合的な整備の促進を図ります。 ・音響により信号表示の状況を知らせる視覚障がい者用付加装置信号機や音響式歩行者誘導装置信号機の整備を推進します。 ・青信号を通常より長くする高齢者等感応化信号機の整備を推進します。 ・無線通信手段Bluetoothを活用し、専用アプリケーションをダウンロードしたスマートフォン等に対し、信号情報を振動や音声などにより提供する歩行者等支援情報通信システム(高度化PICS)の整備を推進します。 ・右左折車両と歩行者の交錯の防止等を目的とした歩車分離式信号機の整備を推進します。 ・障がいのある人が活動範囲を広げられるよう、歩道の設置や歩道の段差切下げ、無電柱化、視覚障がい者誘導用ブロックの敷設など、歩道のバリアフリー整備を行います。 達成目標等 施策・事業名都市計画区域マスタープランの圏域化、施策・事業内容誰もが安心して暮らせるまちづくりの視点に立った都市計画区域マスタープランの圏域化、現状令和4年度29区域(8圏域)、目標令和11年度39区域(10圏域) 施策・事業名低床バスの普及、施策・事業内容低床バスの導入に対して助成し、障がい者等の移動手段を確保、現状令和3年度66%、目標令和11年度100%(長野県新総合交通ビジョンの目標値を準用) 施策・事業名交通安全施設等整備、 施策・事業内容視覚障がい者用付加装置信号機、現状令和4年度462箇所、目標令和11年度494箇所 施策・事業内容音響式歩行誘導装置信号機、現状令和4年度388箇所、目標令和11年度405箇所 施策・事業内容高齢者等感応化信号機、現状令和4年度107箇所、目標令和11年度121箇所  施策・事業内容PICS(歩行者等支援情報通信システム)、現状令和4年度14箇所、目標令和11年度40箇所  施策・事業内容歩者分離式信号機、現状令和4年度479基、目標令和11年度496基 施策・事業内容歩道設置、現状令和4年度687q、目標令和11年度750q 施策・事業名無電柱化推進、施策・事業内容電線共同溝設置、現状令和4年度42.6q、目標令和11年度45.5q 施策・事業名歩道リメイク、施策・事業内容歩道段差切下げ、現状令和4年度1,969箇所、目標令和11年度2,130箇所 施策・事業名交通安全対策、施策・事業内容視覚障がい者誘導用ブロックの敷設、現状令和4年度31.8q、目標令和11年度38.7q  「信州パーキング・パーミット制度」利用手続きの流れを表す図が掲載されています。                                  A住宅の整備に対する支援 現状・課題 〇障がいのある人の居住環境を改善し、住み慣れた地域社会で自立して生活できるよう支援することにより、障がい者福祉の向上並びに家庭介護者の負担軽減を図ることが必要です。 施策の展開・方向性 〇障がい者にやさしい住宅改良促進事業の推進 ・日常生活をできる限り自力で行えるように、障がいのある人の居住環境を改善し、住み慣れた家や地域で暮らし続けられるように、居室等のバリアフリー化を行う市町村を支援します。 〇バリアフリー化の推進 ・県営住宅の建替や改修において、床の段差解消や手すりの設置などのバリアフリー化を行い 障がいのある人等に配慮した住宅の整備を進めます。 ・県営住宅の建替において、地域の実情に応じて車いす使用者向け住宅の整備を行います。 ・エレベーターがない5階建住棟の既設県営住宅において、エレベーターの整備を進めます。 達成目標等 施策事業名県営住宅の建替・改修、施策・事業内容バリアフリー化、現状令和4年度2,681戸、目標令和11年度検討中 施策事業名県営住宅のエレベーター設置(既設5階建)、施策・事業内容エレベーター整備、現状令和4年度442戸、目標令和11年度682戸   4社会参加の促進 75ページ  (1)就労支援の充実 @一般就労の促進 現状と課題 ○県内の民間企業における障がいのある人の実雇用率は、令和5年6月1日現在、2.42%で、全国平均2.33%を上回っていますが、法定雇用率(2.3%)に達していない企業が37.7%あり、更なる雇用促進に向けて取り組む必要があります。 ○法定雇用率は令和6年4月から2.5%へ、令和8年4月から2.7%へ段階的に引き上げられることから、雇用促進に努める必要があります。 ○障がいのある人がその能力や適性に合った仕事に就き、やりがいを持って仕事に取り組めるとともに、自らのライフスタイルを実現することができるよう、それぞれの障がいの特性に応じた支援の充実及び強化が求められています。                    施策の展開・方向性 〇一般就労に向けた相談・マッチング支援等の充実 ・就労支援に当たっては、本人の希望、就労能力、適性等に合った就労選択ができるよう支援するアセスメントが重要であるため、アセスメント支援員の配置による事業者支援の充実など、県内のアセスメント体制の強化を図ります。 ・女性や若者、障がいのある人の就労を総合的にサポートする「地域就労支援センター」において、就職困難者と事業者とのマッチング等の実施により、就労を希望するすべての障がいのある人に対する、就労に関する相談体制の充実を図ります。 ・より多くの企業が法定雇用率を達成できるように、ハローワークや就労支援機関などと連携し、雇用促進の啓発などを行います。 ・県の障がい者民間活用委託訓練事業や国の援助制度(トライアル雇用制・ジョブコーチによる支援等)の周知・普及を行い、雇用拡大につなげます。 ・企業等での職場実習の場を拡大し、適切な助言指導の下で実習を行うことにより、障がいのある人の就労促進と企業側の雇用促進を図ります。 ・特別支援学校において、企業等への就労を希望する生徒の進路実現と、企業側の障がいのある人の理解や受け入れに向けた取組を促進するために、就労コーディネーターによる企業等への働きかけとマッチング支援、特別支援学校技能検定の実施等を総合的に推進します。 〇障がいのある人に対する就労支援 ・障がいのある人の就業・生活面の一体的な相談支援を行う障害者就業・生活支援センターによる個別支援を強化し、地域の就労支援機関と連携しながら就労支援及び就労後の職場定着を図ります。 ・主に知的・精神障がいのある人を「チャレンジ雇用職員」として県が最長3年間雇用し、障がいのある人の雇用機会の拡大を図るとともに、県における就業経験を活かして企業等への就職につなげます。 ・盲人ホームでの専門的な技術指導を通じて、あんま、はり、きゅうなどの資格を有する視覚障がいのある人を支援します。 用語解説があります。盲人ホームとは、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師の免許を有し、自営や雇用されることの困難な視覚障がいのある人に必要な技術指導を行うことにより、その自立を図ることを目的とする施設。 ・障がいのある人の在宅就労を促進するため、「障がい者ITサポートセンター」において情報収集、企業開拓を進めるとともに、体験講習会等の開催や情報提供を行います。 〇企業等に対する障がいのある人の雇用促進 ・関係機関が連携して、企業における障がい特性に合った対応方法や障がいに配慮した職場づくりのノウハウ等を共有する仕組みをつくり、障がいのある人の就労定着の支援に取り組みます。 ・障がいのある人を雇用する中小法人や個人事業主に対して、法人事業税と個人事業税の減税を行い、障がいのある人の雇用を促進します。 ・企業向けに障がい者雇用の普及啓発を図るセミナーを開催するほか、求職者と企業の出会いの場となる合同企業説明会を開催し、障がいのある人の就労と企業による障がいのある人の雇用を双方から支援します。 ・長野県発達障がい者支援対策協議会の体制を充実し、企業における働きやすい環境づくりなど、就労に関する課題を検討します。 達成目標等 施策・事業名法定雇用率適用企業で雇用される障がい者数、現状令和4年度7,351人、目標令和9年度8,455人 施策・事業名福祉施設から一般就労への移行者数、現状令和3年度314人、目標令和8年度458人 施策事業名地域就労支援センター事業による就職者数、施策・事業内容就職困難者と人材が不足している事業所とのマッチング等を実施。(センター利用者の就職決定率)、現状令和4年度新事業のためなし、目標令和11年度20%                                     A福祉的就労の推進 現状 課題 ○県内の就労継続支援B型事業所で就労している障がいのある人の令和4年度月額平均工賃は16,930円です。障害年金と合わせても8万円程度にとどまり、障がいのある人が地域で自立した生活を営むためには不十分な状況です。 ○平成18年度から工賃アップに向けた取組を行い、平均工賃月額は着実に増加してきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済状況の悪化や事業所の生産活動が停滞した影響から、多くの事業所において工賃が一時減少しました。その後も、物価高騰の影響を受け、事業運営は厳しい状況が続いています。今後も販路の拡大、物品・サービスの質の向上や職員の支援力の向上のための取組の継続が必要です。 月額平均工賃及び工賃支払い総額の表が掲載されています。 月額平均工賃 平成30年度 16,130円 令和元年度 15,970円 令和2年度 15,070円 令和3年度 16,153円 令和4年度 16,930円  工賃支払総額 平成30年度 10億1千百12万 令和元年度 10億3千7百31万5千円  令和2年度 10億1千4百7万6千円  令和3年度 11億2千1百20万4千円 令和4年度 12億1千5百74万5千円    施策の展開・方向性 〇工賃アップに向けた取組の強化 ・事業所単独では受注が難しい大量の作業等の複数の事業所による共同受注や、共同販売会の開催など、事業所間の連携促進と協力体制づくりを支援します。 ・地域の企業等と事業所間の連携促進等の支援を行うコーディネーターを配置し、工賃アップのためのアドバイス、企業等からの受注、販路の開拓などにより事業所の取組を支援します。 ・外部講師を招いて経営手法や工賃アップの成功事例等についてのセミナーを開催し、事業所の管理者や担当者に工賃アップのノウハウ等を提供することで取組の支援を行います。 ○障がい者就労施設等からの物品等の調達の推進 ・「国等による障害者就労施設等からの物品等の調達推進等に関する法律」に基づき、市町村等との連携や民間企業等に対する物品調達等の働きかけを行うことにより、障がい者就労施設等が供給する物品及び役務に対する需要の拡大を図ります。 達成目標等 施策事業名福祉就労強化事業、施策・事業内容地域連携促進コーディネーターの配置、共同受注等強化支援、民間技能活用支援、農福連携の促進(月額平均工賃の向上)、現状令和4年度16,930円、目標令和11年度22,000円 B農林業分野における就労支援 現状と課題 ○人口減少や高齢化等により担い手が不足している農林業分野の課題と、障がいのある人の新たな就労の場の創出という福祉分野の課題に対応するための「農福連携」・「林福連携」の取組が広がってきています。 ○県では、平成26年度から農福連携コーディネーターによる農家等と就労継続支援B型事業所等とのマッチングや農作業現場で技術指導等を行う農業就労チャレンジサポーターの派遣を行うとともに、農福連携により生産された農産物を販売する「農福マルシェ」を開催して、障がいのある人の就労機会の拡大や工賃向上に一定の成果を上げています。 農業に取り組む事業所の月額平均工賃の状況の表が掲載されています。 令和2年度の就労継続支援B型事業所全体は、15,070円でそのうち農業に取り組む事業所は15,824円 令和3年度の就労継続支援B型事業所全体は、16,153円でそのうち農業に取り組む事業所は16,999円 令和4年度の就労継続支援B型事業所全体は、16,930円でそのうち農業に取り組む事業所は17,886円 ○事業所と農業者をつなげるため、令和3年度からマッチング機会を創出するための「お試しノウフク」の実施や、障がいのある人向けの作業マニュアル等を作成することで、農作業に取り組む事業所の拡大を図りました。今後は農業者に対して更なる取組の認知度向上と、障がいのある人に働いてもらいやすい環境づくりの普及が求められています。 ○今後は、障がいのある人が地域で自立して生活するために、農業法人等への就業や農業に携わる障がいのある人に対する支援が必要です。                     施策の展開・方向性 〇農福連携・林福連携による障がいのある人の就労の推進 ・農福連携サポーターによる農業者と事業所とのマッチング、農作業現場での作業補助を行う農業就労チャレンジサポーターの派遣により、農業に取り組む事業所等への支援を強化します。 ・全国的組織の「農福連携全国都道府県ネットワーク」や「日本農福連携協会」の活動に参加し、他の自治体や関係団体等と施策の調査・研究に取り組み、就労の場の拡大や農産物の販路拡大等を一層進めます。 ・農業分野での就労には様々な形態があることや、農家の労働力不足の解消に繋がることなどを、研修会の開催や資料提供により農業者や市町村、JA等へ広く周知し、地域全体で障がいのある人の就労を支援していく取組を進めます。 ・農業及び林業分野での就労は、障がいのある人にとって就労機会の拡大や身体面や精神面に与える好影響、農林業にとっては担い手の確保や荒廃農地・山林の再生等のメリットがあることから、関係部局・諸団体との連携をより一層強化します。  達成目標等 施策事業名農福連携による支援、施策・事業内容就労継続支援B型事業所に対する農業分野における就労支援(農業に取り組む事業所)、現状令和4年度151事業所、目標令和11年度180事業所  障がい者就労支援事業所と産地をつなぐため、種子用大豆の選別作業のポイントを、障がいのある人が取り組みやすいようにまとめたマニュアルを作成しており、そのマニュアルの写真を掲載しています。 (2)社会活動への参加支援の充実 80ページ @スポーツの裾野拡大と競技力向上 現状と課題 ○コロナ禍前から県障がい者スポーツ大会などに参加する障がい者数はやや減少傾向にありましたが、コロナ禍でますますスポーツをする機会が失われ、また、学校卒業後に、スポーツへの支援や情報提供が希薄になり、障がいのある人のスポーツ離れが進んでます。 用語解説があります。県障がい者スポーツ大会とは、翌年の全国障害者スポーツ大会の予選を兼ねて開催する県内最大規模の障がい者スポーツ大会。例年、選手、審判員、ボランティア等あわせて約1,000名が参加。 ○身近な地域においてスポーツを楽しむ環境を整えるため、コーディネーターの配置やパラスポーツ指導員の養成、サンアップルのスポーツ教室等の取組を通じて、スポーツの普及拡大に取り組んでいます。 ○信州やまなみ全障スポに向け、障がいの種類や程度に応じ活躍できるよう競技力の向上を図る必要があります。また、団体競技の一部は、チームが編成できていない状況にあるため、選手の発掘・育成が求められています。 用語解説があります。信州やまなみ全障スポとは、令和10年に本県で開催される全国障害者スポーツ大会の愛称。14競技で行われる国内最大規模のパラスポーツ大会。開催枠があり、本県から約300名が出場予定。 長野県障がい者スポーツ大会の参加者の推移の表が掲載されています。 令和2年度以前は、1,200名以上の参加者がありましたが、令和2年から4年度まではコロナ禍のため中止、令和5年度は575人の参加者となっております。 施策の展開・方向性 ○スポーツに親しむ環境づくり 信州やまなみ全障スポを契機に、一人でも多くの障がいのある人が大会に向けて、また大会後も継続してスポーツに親しみ、健康増進を図ることができる環境づくりを推進します。 ○地域におけるパラスポーツの定着 障がいのある人がその障がいの程度に応じて楽しめるスポーツが普及し、身近な地域でスポーツを楽しめるよう、パラスポーツ指導員の養成や総合型地域スポーツクラブ等へのパラスポーツの知識と理解の普及を進めます。 ○パラスポーツの支援体制の充実 パラスポーツ指導員やスポーツ推進委員が、パラスポーツの普及や発展に積極的に取り組めるよう支援します。 用語解説があります。スポーツ推進委員とは、スポーツ基本法に基づいて市町村長から委嘱される非常勤の職員(県内で約1,000名)。スポーツに関する地域のコーディネーターであり、住民へのスポーツ指導や助言等を行います。 ○信州やまなみ全障スポに向けた競技力向上 (公財)県障がい者スポーツ協会と連携し、信州やまなみ全障スポで本県選手が活躍できるよう選手育成を行い、大会終了後も、継続して競技力の向上が目指せる環境づくりに努めます。 ○スポーツの機会の拡大 地区及び県障がい者スポーツ大会やコーディネーターなどが開催する体験会により多くの障がいのある人が参加できるよう、大会等の魅力アップを図ります。 ○障がい者福祉センターによる支援 障がい者福祉センター(サンアップル)やサンスポートにおいて、スポーツ教室やレクリエーションの機会を充実し、パラスポーツの裾野拡大を図ります。 達成目標等 施策事業名信州やまなみ全障スポに向けた競技力の向上、施策・事業内容ブロック予選を突破して全障スポに出場する団体競技数(障がい種別、男女別、全12競技)、現状令和4年度1競技、目標令和11年度6競技 施策事業名障がいのある人のスポーツ参加促進、施策・事業内容障がいのある人が参加するプログラムを行っている総合型地域スポーツクラブの割合、現状令和4年度31.9%、目標令和11年度50% A文化芸術活動の充実 現状と課題 ○県では、県内在住の障がいのある人等から応募のあった作品を展示、鑑賞する「長野県障がい者文化芸術祭」を開催しています。優秀作品は、県内各地で巡回展示会を行っています。また、障がいのある人の社会参加を促進し、文化芸術活動の振興を図るため、県内の文化芸術活動を行う障がいのある人やその家族、障害福祉サービス事業所、文化施設、支援団体等を支援する拠点「長野県障がい者芸術文化活動支援センター(愛称:ザワメキサポートセンター)」を令和4年6月に設置しました。 ○県は生活介護及び就労継続支援B型事業所を対象に造形・表現活動調査を実施しています。活動している事業所は増えていますが、活動を指導・支援できる者の育成等の必要があります。 ○障がいのある人の創作活動の発信の場と、その作品を県民が広く鑑賞する機会を増やす等の取組を通して、障がい者文化芸術活動に対する理解と関心を高めていく必要があります。 文化芸術祭の来場者数等 令和3年度 会場高森町 来場者はWEB開催のため不明 出品519作品 令和4年度 会場長野市 来場者数520人 出品423作品 令和5年度 会場長野市 来場者数確認中 出品500作品  造形表現活動実施事業所 令和元年度 回答事業所75 絵画61 書33 織物編物28 音楽39 ダンス17 その他16、令和2年度 回答事業所103 絵画82 書42 織物編物38 音楽56 ダンス12 その他22、令和3年度 回答事業所101 絵画82 書43 織物編物51 音楽50 ダンス15 その他20   施策の展開・方向性 ○文化芸術活動の支援 ・長野県立美術館において「障がいのある方のための特別鑑賞日」の開催等を行う「インクルーシブ・プロジェクト」を実施し、障がいの有無等を超えてアートを体験できる機会を提供します。 ・長野県障がい者芸術文化活動支援センター(ザワメキサポートセンター)と信州アーツカウンシルの連携により、障がいのある人の創作活動や発表の機会の拡大に取り組みます。 用語解説があります。信州アーツカウンシルとは、文化芸術の振興や活用に専門的知見を持つスタッフを配し、行政から一定の距離を置きながら、県民や地域が主体となった文化芸術活動への寄り添い型の支援を通じて、長野県の文化芸術活動の持続的発展に取り組む中間支援組織です。 ・ザワメキアート展、障がい者文化芸術祭及び障がい者文化芸能発表会を開催するなど、文化芸術活動の発表の場及び鑑賞機会を提供します。 用語解説があります。ザワメキアート展とは、障がいのある人の創作活動の場と創作した芸術作品を広く鑑賞する機会を設け、障がい者の文化芸術活動の振興を図ることを目的として開催する県内の障がいのある人を対象とした美術作品展。(平成28年から開始) ・長野県障がい者芸術文化活動支援センター(ザワメキサポートセンター)によるアート作品のレンタル事業等を通じて、障がいに対する理解の促進や障がいのある人の収入アップを支援します。 ・関係者とのネットワークづくりや研修会の開催を通じて、障がいのある人の才能の発掘や指導者の人材確保を図ります。 第26回長野県障がい者文化芸術祭及び第25回文化芸能発表会の写真が掲載されています。 B生涯学習の推進 現状と課題 ○障がいのある人が学校卒業後も生涯を通じて学び、社会参加できる社会や、共に学び、生きる共生社会の実現に向けた取組を推進することが必要です。 ○文部科学省が行ったアンケート調査において、障がいのある人の生涯学習の機会が不足している現状が示されました。 ○障がいのある人の生涯を通じた学習機会の確保、障がいのある人が利用しやすい様式を通じて文化的な作品を享受する機会を確保することは一層重要な課題として取り組んでいく必要があります。 平成30年度学校卒業後の学習活動に関する障害者本人等へのアンケート調査によると、生涯学習の機会について、「ある」と回答した方は、34.3%、「ない」と回答した方が65.7%です。 施策の展開・方向性 ○生涯学習の推進 ・関係機関と連携して、障がいのある人が生涯にわたって学び続けられる環境を整備します。 ○読書環境の整備 ・誰もが読書に親しむことができるよう市町村と県が協働で整備した電子図書館「デジとしょ信州」が必要な方に活用されるよう、公共図書館をはじめ福祉関係団体や特別支援学校等と連携して周知・利用促進に努めます。 用語解説があります。デジとしょ信州とは、県内全77市町村と県が協働で導入・運営する、長野県民はいつでも誰でもどこからでも使える電子図書館サービスです(令和4年8月開始)。 達成目標等 施策事業名読書環境整備、施策・事業内容「デジとしょ信州」を活用した読書バリアフリーにかかる周知・利用促進の場づくり、現状令和4年度2回、目標令和11年度累計40回 Cレクリエーション活動の推進 現状と課題 ○外出を楽しんだり旅行に出かけるなど、それぞれのニーズに応じた社会参加の機会が選択できるよう、必要な情報が提供される環境整備が必要です。 ○アウトドア用車椅子を使用することで、車椅子使用者も山岳高原観光地での散策が可能になるなど、今後も新しい機器の開発・普及に伴い、社会参加の機会の拡大が期待されます。 令和4年に、障がい者支援課で実施した障がいのある方の実態調査結果を掲載しています。 障がいがあるために、あきらめたり妥協したこととの設問について、回答数1,058(複数回答) 旅行や遠距離の外出24.7% スポーツ文化芸術活動 12.8% 施策の展開・方向性 ○ユニバーサルツーリズムの取組支援や情報発信 ・年齢や障がいの有無に関係なく、誰もが楽しめる観光地域づくりを進めます。 ・ユニバーサルツーリズムの取組地域を拡大するため、実務専門人材の育成や 観光地における機運醸成を図ります。 ・モデルコースや観光地、宿泊施設等のバリアフリー情報の提供を推進します。 ○バリアフリー情報の提供 ・誰もがバリアフリー情報を簡単に取得できるよう、効果的な取組について研究します。 アウトドア用車椅子を使用して山の散策を楽しむ写真、「デュアルスキー」を使用して冬のスポーツを楽しむ姿の写真が掲載されています。 (3)移動支援の充実 86ページ 現状と課題 ○移動支援事業は、屋外での活動が困難な障がいのある人等に対して、外出の支援を行う事業であり、重度の視覚障がいがある人に対する移動支援については、平成23年10月から同行援護サービスが創設されました。地域生活支援事業の中で大きな割合を占める移動支援事業は、障がいのある人の社会生活に必要なサービスであることから、今後もニーズの高い事業であり、必要なサービスが提供されることが重要です。 〇県では、重度の視覚障がい、聴覚障がい、肢体不自由のある人に身体障がい者補助犬(盲導犬、聴導犬、介助犬)の給付を行っています。身体障がい者補助犬利用者が社会参加できる機会が増える中、宿泊施設や観光施設などの不特定多数の人が利用する施設で身体障がい者補助犬の同伴を拒否される事案が発生しています。引き続き事業者のみならず広く県民に対しての広報、啓発を行い、補助犬利用者が安心して安全に生活できるよう、理解の促進を図る必要があります。 身体障がい者補助犬給付事業による給付頭数の推移の表が掲載されています。 盲導犬 昭和56年から平成26年度93頭、平成27年度4頭、平成28年度4頭、平成29年度1頭、平成30年度1頭、令和元年度1頭、令和2年度2頭、令和3年度1頭、令和4年度1頭、累計108頭   介助犬 昭和56〜平成26年度2頭、平成27年度から令和4年度から0頭、累計2頭 聴導犬 昭和56〜平成26年度3頭、平成27年度から令和4年度0頭、累計3頭 身体障がい者補助犬相談窓口における相談受付状況の表が掲載されています。期間は平成29年度から令和4年度累計が相談件数19件で相談内容は、  飲食店での同伴拒否2件、うち県外施設0件 宿泊施設での同伴拒否4件、うち県外施設2件  その他観光施設等での同伴拒否5件、うち県外施設0件  施策の展開・方向性 〇移動支援事業の充実  ・各市町村の移動支援の取組を調査し、市町村に対し他の自治体の取組例を紹介するなど、より積極的な事業の実施を促します。また、市町村が必要なサービスを提供できるように、国へ十分な予算の確保を要望します。 ○自動車運転訓練の実施 ・総合リハビリテーションセンターにおいて、障がい者用教習車を使用した運転免許取得訓練や、運転免許は所持しているが障がいにより運転が困難になった人に対し運転習熟訓練を行います。 〇身体障がい者補助犬の給付及び理解の促進 ・必要とされる人に身体障がい者補助犬の給付を行います。 ・ポスター、リーフレット等を活用して身体障がい者補助犬に関する広報、啓発を積極的に行い、県民及び事業者の理解を促進します。 (4)情報・コミュニケーション支援の充実 88ページ 現状と課題 ○令和4年5月、障がい者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を総合的に推進することを目的として、「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」が制定されました。法では、地方公共団体の責務として、障がい者、障がい児の保護者その他の関係者の意見を聴き、その意見を尊重した上で、障がい者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を実施することとされています。 〇聴覚、言語機能、音声機能、視覚、盲ろうなどの障がいのため意思疎通を図ることに支障がある人の日常生活におけるコミュニケーションを確保するため、情報通信機器の活用をはじめ、担い手となる手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者通訳・介助員、点訳・朗読奉仕員等の養成及び派遣を実施しています。市町村地域生活支援事業におけるコミュニケーション支援事業の普及とともに、増大する需要に対応するため、意思疎通支援者の養成と資質の向上に努めていく必要があります。 ○情報提供体制の充実を図るため、字幕入りDVDの製作・貸出しのほか、県ホームページのアクセシビリティ向上や、知事会見における手話通訳の実施及び文字情報の提供などを行うとともに、上田点字図書館等による点字図書、デイジー図書、CD等の貸出しのほか、音声コードの普及を進めています。 用語解説があります。デイジー図書とは、DAISY(Digital Accessible Information System)という規格を用いたデジタル録音図書。長時間の録音が可能で、章や見出し、ページから読みたい部分を検索できる。専用のプレイヤーや専用の再生ソフトウエアをインストールしたパソコンが必要。 用語解説があります。音声コードとは、紙に印刷される約2p四方の画像データ。 ○社会生活訓練の充実のため、聴覚障がいのある人に対して日常生活に必要な訓練を行うとともに、視覚障がいのある人に対して、点字、ワープロ等のコミュニケーション方法や福祉機器の活用方法等の講習会を開催しています。 ○意思疎通が困難な人に対する支援方法としては、手話通訳や要約筆記等がある一方、失語症者に対する意思疎通については、未だに家族以外の第三者による支援が広がっていない状況にあります。 ○IT技術の進歩と普及により、家にいながらにして、情報の取得・発信、就労などが可能となりつつあり、障がいのあるなしにかかわらず、ITを活用して社会参加や仕事ができる機会が拡大しています。このため、とりわけ障がいのある人のITに関する知識・能力の向上、パソコン等関連機器の利用環境の整備等、IT活用を総合的にバックアップする体制整備が必要です。 ○令和4年に県が実施した調査では、知的や精神に障がいがある人から「うまく話がや質問ができない、自分の思いを伝えることを控えてしまう」ことがあることや、「複雑な文章表現ではなく、わかりやすく簡潔な文章にしてほしい」「難しい言葉や早口ではなく、ゆっくり丁寧に説明がほしい」という回答が多く寄せられています。 手話通訳・要約筆記者養成事業の表が掲載されています。(区分)手話通訳の合格者数 令和元年度1名 令和2年度コロナの影響で試験中止 令和3年度0名 令和4年度2名、(区分)要約筆記の修了者数 令和元年度18名 令和2年度コロナの影響で試験中止 令和3年度26名 令和4年度24名 点訳・朗読奉仕員養成事業の表が掲載されています。(区分)点訳参加延人数 令和元年度608名 令和2年度336名 令和3年度188名 令和4年度292名、(区分)朗読参加延人数 令和元年度669名 令和2年度253名 令和3年度270名 令和4年度370名 施策の展開・方向性 〇意思疎通支援者の養成・派遣 ・情報保障の確保のため、手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者通訳・介助員などの養成研修、派遣の実施を行うともに、資質の向上に努めます。 〇点訳・朗読奉仕者の養成 ・点訳、朗読に必要な技術等の習得支援を行い、これらに従事する奉仕員を養成します。                                  〇失語症者向け意思疎通支援者の養成・派遣 ・失語症者の意思疎通を支援するため、意思疎通支援者の養成を行うとともに、派遣事業の実施に向け、関係団体と連携を図りながら取り組みます。           〇情報提供体制の整備 ・障がい特性に応じた情報提供のためのツール(UDトーク等)の活用、字幕入りDVDの製作・貸出しや、点字図書、デイジー図書、CD図書、カセットテープ等の貸出しを行います。 ・県ホームページのアクセシビリティの向上、知事会見時における手話通訳の実施及び文字情報の提供、県広報紙の点字版・CD版の作成等、障がい特性に配慮した多様な手段や方法による情報伝達を行います。 〇ITコミュニケーションの支援  ・障がいのある人のIT機器を活用した情報収集やコミュニケーションを支援するための拠点となる「障がい者ITサポートセンター」を設置し、IT利用の普及、IT活用能力の向上及びテレワーク(在宅就労)を推進する取組を行います。 〇情報保障・コミュニケーション支援の充実 ・当事者や関係者の意見を聞きながら、情報保障・コミュニケーション支援の充実に努めます。 ・知的障がいや精神障がいがある人にも情報が分かりやすく伝わるよう、合理的配慮の提供及び事前的改善措置の好事例を周知します。 〇補聴器購入に対する助成 ・軽度・中等度難聴児の補聴器購入に対して助成することにより、補聴器の早期装用を促し、聴力の向上、言語発達の支援、周囲とのコミュニケーション障がい及びそれに伴う情緒障がいの予防、改善を図ります。また、国に対しては、加齢性難聴を含めて補装具費支給制度の対象の拡大又は新たな補助制度の創設を要望します。 達成目標等 施策事業名手話通訳者の登録、施策・事業内容手話通訳者養成講座の実施、現状令和4年度166人、目標令和11年度173人 施策事業名要約筆記者の登録、施策・事業内容要約筆記者養成講座の実施、現状令和4年度119人、目標令和11年度126人 5ライフステージに応じた切れ目のないサービス基盤の充実 91ページ  (1)障がいのある人に対する適切な保健・医療サービスの充実 @医療体制の充実 現状と課題 ○病院等医療基盤の整備は図られてきていますが、障がいの多様化に伴う医療ニーズに応えられるよう、医療を担う人材の養成・確保を行うとともに、高度専門医療及び在宅医療の充実を図る必要があります。 施策の展開・方向性 〇地域医療・救急医療の充実  第8次保健医療計画に基づき、医療提供体制の確保を図ります。 用語解説があります。保健医療計画とは、医療法に基づく計画で、長野県の保健医療政策の基本となる総合的な計画をいう。第8次は、令和6年度から令和11年度の6年間を定めるものです。 ・県民一人ひとりのライフステージに即した身近な医療サービスを提供するため、「かかりつけ医」としての医師の役割の定着化を支援します。 ・救急車の適切な利用に係る普及啓発や救急安心センター(#7119)の運営・周知等により、医療機関の受診や救急車の要請の適正化を推進します。 ・救急医療情報システムの効果的な運用により、救急患者の迅速な搬送と適切な治療の確保を図ります。 ・小児救急医療体制の運営を支援するとともに、救命救急センターなどの救急医療施設の充実を図ります。 用語解説があります。救命救急センターとは、重篤救急患者の救命医療を行うことを目的に指定された施設で、高度な救急医療を24時間体制で提供できる機能を有するものです。 長野県救急安心センターのご案内のイメージ図が掲載されています。 〇医療従事者の養成・確保等  ・障がいのある人の医療ニーズに的確に対応するため、医療従事者の養成、確保を図ります。 ・医師のキャリア形成過程に対応した医師確保対策を推進するとともに、医療勤務環境改善支援センターと連携して医師の勤務環境改善の推進に努めるなど、医師の確保・定着を図ります。 ・看護大学、看護師養成所等において、医療の高度化・専門化に対応できる質の高い看護職員の養成、確保を図るとともに、講習会、研修会を開催し、看護職員の資質の向上を図ります。 ・リハビリテーション医療の重要な担い手である理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の資質向上のため、各職種の関係団体が実施する業務に関する知識・技能の向上を目指した学術研究会・研修会の支援に努めます。 用語解説があります。理学療法士とは、身体に障がいのある人に対し、治療体操その他の運動を行わせるとともに、電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることにより、基本動作能力を回復させることを業務とする者です。 用語解説があります。作業療法士とは、身体又は精神に障がいのある人等に対し、種々の作業活動を用いて治療や訓練指導、援助を行い、応用的動作能力や社会的適応能力を回復させることを業務とする者です。 用語解説があります。言語聴覚士とは、音声機能、言語機能又は聴覚に障がいのある人に対して、その機能の維持・向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者です。 病院・診療所に勤務するリハビリテーション医療従事者の状況(人口10万対)に関する表が掲載されています。 理学療法士    長野県 平成26年度68.7 平成29年度79.6 令和2年度83.5 全国 平成26年度60.7 平成29年度72.4 令和2年度80.0 作業療法士    長野県 平成26年度43.2 平成29年度49.1 令和2年度52.8 全国 平成26年度33.2 平成29年度37.8 令和2年度40.5 視能訓練士    長野県 平成26年度6.7  平成29年度7.5  令和2年度8.8  全国 平成26年度6.1  平成29年度7.0 令和2年度8.0 言語聴覚士    長野県 平成26年度14.3 平成29年度16.1 令和2年度16.4 全国 平成26年度11.2  平成29年度13.1 令和2年度14.2 義肢装具士    長野県 平成26年度0.3  平成29年度0.3  令和2年度0.3  全国 平成26年度0.1  平成29年度0.1 令和2年度0.1 診療放射線技師  長野県 平成26年度38.3 平成29年度42.4 令和2年度43.0 全国 平成26年度40.1 平成29年度42.8 令和2年度44.1 臨床・衛生検査技師 長野県 平成26年度61.6 平成29年度66.1 令和2年度66.9 全国 平成26年度50.4 平成29年度52.8 令和2年度53.7 臨床工学技士   長野県 平成26年度21.3 平成29年度25.2 令和2年度25.2 全国 平成26年度18.7 平成29年度22.1 令和2年度24.1 精神保健福祉士  長野県 平成26年度7.1  平成29年度7.8  令和2年度7.7  全国 平成26年度8.3  平成29年度9.1 令和2年度8.9 社会福祉士    長野県 平成26年度9.6  平成29年度12.7 令和2年度14.3 全国 平成26年度8.3  平成29年度11.3 令和2年度12.9                                     A歯科口腔保健医療 現状と課題           〇令和4年度における障害者支援施設及び障害児入所施設での歯科検診実施率は93.8%でした。 ○長野県が平成16年度から実施している、在宅重度心身障がい児者の訪問歯科健診実施者数は増加傾向にあります。 表1 在宅重度心身障がい児者の訪問歯科健診実施者数 平成30年度64人、令和元年度73人、令和2年度81人、令和3年度90人、令和4年度85人                                         ○歯科・歯科口腔外科を併設している45病院のうち、地域の歯科診療所等と役割分担・連携している病院は19か所(令和5年)です。 表3 障がいのある人への歯科診療において地域の歯科診療所等と役割分担・連携している病院数(令和5年5月10日現在) 佐久2、上小1、諏訪3、上伊那2、飯伊1、木曽0、松本4、大北2、長野3、北信1、合計19   ○発達障がい・医療的ケア児等を含めた障がいのある人に対して、地域で日常的な歯科口腔管理を行うことが可能な歯科診療所の確保・充実及び専門的な歯科口腔医療が必要となった場合の歯科診療所と病院歯科の機能分化・連携が課題となっています。 施策の展開・方向性 ○障がいのある人に対する歯科口腔保健医療支援 ・障がいのある人等の特別に支援を要する人の歯科健診(検診)を推進します。 ・歯科口腔保健対策の実態把握や施策の検証、新たな課題の把握を行い、地域差の解消を目指します。 ・適切な歯科口腔医療がいつでも受けられるよう、各地域に必要な歯科口腔医療提供体制の充実を目指します。      達成目標等 施策事業名障害者支援施設及び障害児入所施設での過去一年間の歯科検診実施率、現状令和4年度93.8%、目標令和11年度93.8%以上 施策事業名障がいのある人への歯科診療に対応する病院数、現状令和4年度19病院、目標令和11年度19病院 (2)多様な障がいに対する支援の充実 94ページ @医療的ケア児等に対する支援体制の充実 ア 医療的ケア児支援に向けた体制整備 現状と課題 〇医療技術の進歩に伴い増加する医療的ケア児等とその家族が、個々の医療的ケア児等の心身の状況に応じて適切な支援を受けられるようにすることが課題となっています。令和3年9月18日に施行された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」において、国や地方公共団体の責務等が定められ、医療的ケア児の健やかな成長と、その家族の離職の防止を図ることによって安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現を目指すこととされています。 〇県では令和4年4月に県庁内に「長野県医療的ケア児等支援センター」を開設し、医療的ケア児等とその家族等に寄り添った活動を展開しています。 ○地域の課題を地域の多職種連携で解決する体制の中心となる圏域コーディネーターの配置を促進する必要があります。 施策の展開・方向性 〇支援体制の整備・支援の充実 ・医療的ケア児等が適切な支援を受けられるよう、保健・医療・障がい福祉・保育・教育等の関係機関の連携のもと、全県的な課題解決に取り組みます。 ・地域の課題を地域の多職種連携で解決する体制を構築するため、圏域等ごとに医療的ケア児等コーディネーターの配置を促進します。  ・医療的ケア児等のライフステージに応じ、専門的な知識により支援ができる人材を養成します。 ○サービス提供基盤の拡充 ・医療的ケア児等が地域で安心して生活できるよう、医療的ケア児等が利用できる医療型短期入所事業所の設置を促進するとともに、医療的ケアに対応できる障害児通所支援事業所や生活介護事業所の整備を計画的に支援します。 ・医療的ケア児等の長期にわたる生活の場について、当事者のニーズを把握し、療養介護事業所やグループホーム等について、医療機関をはじめ多様な事業者との連携を図りながら、地域の中での選択肢の拡大を促進します。 イ 医療的ケア児支援に向けた体制整備 現状と課題 ○重症心身障がい児(者)等の重度障がい児(者)が、地域で安心して暮らしていくためには、重度障がい児(者)に必要な支援を行うことができる、地域における住まいの場(グループホーム)や医療機関における療養介護、障害児通所支援事業所、生活介護事業所などの日中活動の場の充実が必要です。 ○重症心身障がい児(者)等が利用できる、医療機関等が設置する医療型短期入所事業所は、令和5年度末現在で県内に19か所と限られているほか、そのほとんどが本体施設の空床を利用する形態であるため、緊急時の対応が困難な場合があります。 施策の展開・方向性 ○サービス提供基盤の拡充 ・重症心身障がい児(者)等の重度障がい児(者)が利用できる住まいの場や日中活動の場の拡充を図るため、必要な予算措置を国に対し要望するほか、重度障がい児(者)に必要な支援を行うことができるグループホームや療養介護事業所、障害児通所支援事業所、生活介護事業所などについて、市町村の意見を踏まえて事業者の指定を行うとともに、それらの整備を計画的に支援します。 ・重症心身障がい児(者)等の重度障がい児(者)が地域で安心して生活できるよう、自立支援協議会や医療的ケア児支援のための協議の場などと連携し、医療型短期入所事業所の設置を促進します。 達成目標等 施策事業名医療型短期入所事業所、現状令和4年度18事業所、目標令和11年度20事業所 A難病対策の推進  現状と課題 〇「難病の患者に対する医療等に関する法律(以下、「難病法」という。)」に基づき、指定難病に対する特定医療費助成事業、難病の患者や家族等(以下、「難病患者等」という。)の療養生活の支援等を行っています。 ○医療費助成事業は、特定医療費助成事業のほか、特定疾患治療研究事業、先天性血液凝固因子障害等治療研究事業、長野県特定疾病医療費助成事業、遷延性意識障害者医療費給付事業を実施しています。    各医療費助成事業の受給者数の推移(各年度末)の表が掲載されています。 特定医療費事業 令和元年度15,216人、令和2年度16,711人、令和3年度16,161人、令和4年度16,676人 特定疾患治療研究事業 令和元年度26人、令和2年度25人、令和3年度25人、令和4年度25人 先天性血液凝固因子障害等治療研究事業 令和元年度82人、令和2年度82人、令和3年度85人、令和4年度88人 長野県特定疾病医療費助成事業(県単独事業) 令和元年度5人、令和2年度5人、令和3年度3人、令和4年度3人 遷延性意識障害者医療費給付事業(県単独事業) 令和元年度5人、令和2年度7人、令和3年度4人、令和4年度4人    ○各保健福祉事務所(保健所)及び難病相談支援センターでは、難病患者等が抱える日常生活や療養上の悩みについて、訪問・面接・電話等による相談支援を行うとともに、地域の状況に応じて相談会(交流会や講演会等)を開催しています。 ○難病の患者、医療、福祉等多分野の関係者で構成する「難病対策連絡会議」や各保健福祉事務所(保健所)毎に「難病対策地域協議会」を開催し、難病患者等が住み慣れた地域で安心して生活を送れるよう、現状の共有や課題への対策についての検討を行っています。 保健福祉事務所(保健所)による相談会等の取組の推移の表が掲載されています。 難病相談会等開催回数は、令和元年度50回、令和2年度19回、令和3年度18回、令和4年度24回 難病相談会等参加者数は、令和元年度1,169人、令和2年度309人、令和3年度384人、令和4年度265人 家庭訪問実施延人数は、令和元年度786人、令和2年度429人、令和3年度436人、令和4年度487人 電話・面接等による相談延人数は、令和元年度2,264人、令和2年度1,527人、令和3年度1,629人、令和4年度1,470人 難病相談支援センターによる相談件数の推移の表が掲載されています。 相談延件数(訪問、面接、電話等)は、令和元年度4,085人、令和2年度4,558人、令和3年度6,553人、令和4年度6,344人 ○難病の疾病や支援に関する知識を持つ人材が限られることから、各保健福祉事務所(保健所)は難病相談支援センター等と連携し、疾病特性の理解と支援技能の向上のため、幅広い職種の支援者に対して研修を実施しています。 支援者研修の開催回数、参加者数の推移の推移の表が掲載されています。 保健福祉事務所(保健所)主催の研修 令和元年度実施回数6回、参加者293人、令和2年度実施回数2回、参加者102人、令和3年度実施回数2回、参加者152人、令和4年度実施回数6回、参加者171人 難病患者等ホームヘルパー養成研修 令和元年度実施回数2回、参加者45人、令和2年度実施中止、令和3年度実施回数1回、参加者42人、令和4年度実施回数2回、参加者36人 在宅難病患者コミュニケーション支援研修 令和元年度実施回数3回、参加者56人、令和2年度実施回数0回、令和3年度実施回数1回、参加者72人、令和4年度実施回数2回、参加者99人 施策の展開・方向性 〇難病の患者に対する医療に係る経済的な支援 ・特定医療費助成事業等により患者の医療費の自己負担の軽減を図ります。 〇難病患者等の療養生活・社会生活の支援 ・県、難病相談支援センターは、関係機関と連携して難病患者等の療養上の様々なニーズに対応したきめ細かな相談支援を行うとともに、障害福祉サービスなどの利用可能な支援についての周知を図ります。 ・県は「難病対策連絡会議」、各保健福祉事務所(保健所)は「難病対策地域協議会」のそれぞれの場での協議を通じて、療養支援体制の維持向上に努めます。 ○難病患者等の支援に携わる支援者の育成 ・県、難病相談支援センターは、医療、福祉、介護等の支援者を対象とした研修等を行い、支援者の知識や技能の向上を図ります。 達成目標等 施策事業名難病患者等からの相談を受ける体制(難病相談支援センター、保健福祉事務所)、施策・事業内容難病患者等への相談支援、現状令和4年度13箇所、目標令和11年度現在の水準を維持 施策事業名難病対策連絡会議と難病対策地域協議会の開催、施策・事業内容地域課題の検討、現状令和4年度3回、目標令和11年度11回以上 施策事業名支援者等への研修の開催回数、施策・事業内容支援に係る人材育成、現状令和4年度10回、目標令和11年度現状維持を目指す                       B難聴児支援の推進 現状と課題 ○天性難聴児は出生数1,000人あたり1〜2人とされており、早期に発見し、適切な支援を受けることにより、自立した生活を送るために必要な言語・コミュニケーション手段の獲得につなげることができます。 ○県では、平成14年に「新生児聴覚検査事業の手引き(現 新生児聴覚検査ハンドブック)」を作成するとともに県内分娩取扱医療機関に対して検査機器整備の支援を行い、県内のどこで出産しても検査が受けられる体制整備と、新生児聴覚検査の実施状況の把握を行っています。現在では、新生児聴覚検査は99%以上の児が受検をしている状況ですが、年間100人弱の児が検査を受けておらず、検査の有用性の継続的な啓発と保護者の経済的負担軽減のため、検査費用助成の推進を行う必要があります。 対象者及びスクリーニング実施者の推移の表が掲載されています。 対象者及び1次スクリーニング実施者は微減傾向にあり、1万2千人程度です。また、1次スクリーニング実施割合は微増傾向で、令和4年度は99.6%です。 ○平成19年から、信州大学医学部附属病院に「長野県難聴児支援センター(以下、「難聴児支援センター」という。)」の委託をしており、新生児聴覚検査においてリファーと判断された場合の追跡や検査の精度管理を行うとともに、療育支援員による相談支援、家族の学習会や家族同士の交流支援(ファミリーセミナー)等に取り組んでいます。また、難聴児支援センターでは関係者や家族等への理解促進のためのパンフレット作成や支援者の専門性の向上のための研修会を行うなど、難聴児支援の中核的機能を担っています。 用語解説があります。新生児聴覚検査とは、出生児の先天性難聴を確認するための検査。初回検査は生後3日以内の実施が望ましいとされる。 難聴児支援センターにおける各行政や病院等の関係機関との連携体制のイメージ図が掲載されています。 ○市町村では、保護者の経済的負担の軽減と新生児聴覚検査の受診率向上のため、新生児聴覚検査の助成を実施しています。市町村の事務的負担を軽減できるよう、県において関係機関への働きかけを行い、検査費用の統一支払システムを整備し、令和5年度から運用が開始されています。 ○新生児聴覚検査で異常なしと判断された場合でも、その後の成長過程で徐々に発現する進行性難聴等に留意が必要です。市町村における乳幼児健診等の機会において適切に聞こえの確認を行う必要があるため、市町村への啓発が必要です。 難聴児支援センターにおける相談延べ件数の推移の表が掲載されています。 平成20年度1,402件、平成21年度1,320件、平成22年度1,365件、平成23年度1,471件、平成24年度1,406件、平成25年度1,513件、平成26年度1,433件、平成27年度1,875件、平成28年度1,567件、平成29年度1,629件、平成30年度1,590件、令和元年度1,435件、令和2年度1,859件、令和3年度1,606件、令和4年度1,930件 ○県内における難聴児支援の体制整備のため、難聴児支援センターを中心とし、保健、医療、福祉及び教育等の関係機関の連携体制づくりを目的とした「長野県難聴児支援センター運営会議」を開催しています。 ○難聴児支援センターにおいて実施する事業について、医療機関の他、市町村等行政や当事者団体との連携が必要です。 施策の展開・方向性 ○難聴児の早期発見及び早期療育のため、引き続き新生児聴覚検査の必要性を周知するとともに、保護者の経済的負担の軽減が図られるよう、検査費用の助成について市町村へ働き掛けを行います。 ○新生児聴覚検査ハンドブックに基づくフォロー体制の確立により精密検査対象児等が漏れなくフォローにつながる体制整備を推進します。 ○検査で発見された児等が、就学前の早期から適切な療育につながるよう、継続的な相談支援を行うとともに、関係機関との連携による支援体制の充実を図ります。 達成目標等 施策事業名新生児聴覚検査の検査費用助成を行う市町村数、現状令和4年度72市町村、目標令和11年度77市町村 施策事業名個々のケースに関して療育支援員とのケース会議の実施回数、現状令和4年度466回、目標令和11年度現状を維持 C発達障がい者支援の充実 現状と課題 〇医療・教育・福祉の連携を強化するため、令和5年度から発達障がい者支援センターを「発達障がい情報・支援センター」に改組し、学術的知見に基づく支援プログラムの開発、情報発信や支援者向けの研修などに取り組んでいます。 〇これまでの取組の結果、思春期以降の発達障がいのある人に対するフォロー体制、支援関係者間の情報共有・引継ぎ、発達障がいに対する理解の促進などが課題となっています。 〇発達障がいのある人の身近な理解者である発達障がい者サポーターの更なる養成、普及啓発による理解促進、支援関係者の情報共有ツールの活用促進等を一層推進する必要があります。 ○発達障がいの専門医等の不足から、初診待ちが長期化していることが指摘されています。 ○発達障がいは、ライフステージの各段階において発見されるため、保護者や本人に対するスクリーニング後のフォローや専門医等を受診する動機づけが必要です。 発達障がい者サポーター養成人数(延べ人数)の推移の表が掲載されています。  令和元年度15,728人、令和2年度16,330人、令和3年度16,843人、令和4年度17,211人    施策の展開・方向性 〇発達障がいのある人への切れ目のない一貫した支援の充実 ・発達障がい者サポーターの更なる増加を図り、発達障がいのある人の身近に理解者が寄り添う社会を目指すとともに、市町村へ個別支援ノートの活用を呼びかけることにより、支援関係者間の情報共有・引継体制を強化し、発達障がいのある人が個々の特性に合った支援を受けられるよう取り組みます。 ・発達障がい者支援対策協議会の体制を充実させ、各ライフステージで発達障がいの発見と支援が切れ目なく行われるよう、保健、医療、福祉、教育、労働その他の関連分野の連携強化を図ります。 ○発達障がい診療・支援体制の強化 ・地域における発達障がい診療・支援体制を強化するため、長野県発達障がい診療医・専門医等の人材育成に取り組みます。 ・発達障がいへの対応力向上や関係機関の連携強化を推進するためのかかりつけ医研修や地域連絡会を開催し、発達障がい診療ネットワークの強化に取り組みます。 達成目標等 施策事業名発達障がい者支援事業、施策・事業内容発達障がいのある人に関する理解の普及啓発(サポーター養成講座の受講者)、現状令和4年度17,211人、目標令和11年度20,000人   C高次脳機能障害者への支援 現状と課題 〇県では県内4か所にある高次脳機能障害支援拠点病院において、専門的な相談支援の実施や研修会の開催により高次脳機能障害の普及啓発や理解促進を図るとともに、県立総合リハビリテーションセンターにおいて日常生活及び就労に関する訓練を実施してきました。 しかし、高次脳機能障害の症状は、個人によって多様な現れ方をするため、家庭や社会における障がいへの理解が難しい場合もあることから、適切な支援に繋がらないケースもあり、高次脳機能障害者及びその支援者に対する支援体制を整備していく必要があります。 高次脳機能障害支援拠点病院相談件数の推移の表が掲載されています。 平成30年度2,054件、令和元年度2,030件、令和2年度3,081件、令和3年度2,689件、令和4年度2,506件  総合リハビリテーションセンターにおける自立訓練者の推移の表が掲載されています。  自立訓練の利用者数は平成30年度6人、令和元年度5人、令和2年度7人、令和3年度7人、令和4年度7人 就労・家庭復帰者数は平成30年度4人、令和元年度5人、令和2年度3人、令和3年度3人、令和4年度4人                        施策の展開・方向性 〇高次脳機能障害支援体制の強化 ・県内4か所の高次脳機能障害支援拠点病院(佐久総合病院、健和会病院、桔梗ケ原病院、県立総合リハビリテーションセンター)において、障がい者総合支援センターや障害福祉サービス事業所等と連携し、当事者やその家族への相談支援を行います。また、支援拠点病院を中心に、県民や医療従事者に対し研修会を開催し、高次脳機能障害への理解を促進します。 ・県立総合リハビリテーションセンターにおいては、北信地域の拠点病院としての機能を果たすとともに、各拠点病院をつなぐ中核的機能を果たします。 達成目標等 施策・事業名高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業及び相談支援事業、施策・事業内容支援拠点病院に相談窓口を設置し、診断・評価、リハビリ、家族支援等を実施、現状令和4年度2,506件、目標令和11年度3,000件 D中途障がい者等に対する機能訓練の充実 現状と課題 ○中途障がい者などは、退院後、地域生活へ移行する上で、身体機能や生活能力の維持・向上等のため一定期間の訓練を必要とする場合がありますが、地域に機能訓練事業所が少ないため代替として介護保険サービスを利用することがあるなど、障がいのある人の支援ニーズに十分応えられていない状況があります。 施策の展開・方向性 ○障がいのある人の身体機能や生活能力の維持・向上等に関する支援ニーズに対応するため、障害福祉サービス事業者だけではなく、回復期リハビリテーション病棟を有する病院や介護保険事業者等と連携し、身近な地域での機能訓練サービスの充実を図ります。 達成目標等 施策事業名機能訓練事業所数、現状令和4年度2箇所、目標令和11年度8箇所 F強度行動障がいへの支援の充実  現状と課題 〇強度行動障がいは、生来的な障がいではなく、周囲の環境や関わりによって、自傷、他害、こだわり、もの壊し、睡眠の乱れ、異食、多動など本人や周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が、著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている「状態」です。 ○医療、保健、福祉、教育などによる連携や協力の下、個々の特性に応じた関わり方や環境調整など適切な支援の継続的な提供が必要です。 ○強度行動障がいに対する正しい知識や理解がないと、不適切な身体拘束など虐待に発展しやすい傾向にあります。 ○県が指定した研修機関において、強度行動障がいのある人に適切な支援を行うことができるよう、施設職員を対象とした人材育成研修を実施していますが、実際に強度行動障がいのある人を受け入れ、適切に支援するためには、人員体制や専門性がまだ不十分です。 ○県全体のセーフティネットとしての機能を強化するため、長野県西駒郷において、強度行動障がい者専用棟の令和6年度の供用開始に向けて準備が進められています。 障害者支援支援施設(入所施設)において報酬の加算対象となる強度行動障がいの基準となる表が掲載されています。 次の障害支援区部の判定基準行動関連12項目の基準で合計10点以上となる障がい者です。 行動関連項目は次のとおりです。  コミュニケ―ション 日常生活に支障がない0点、特定の者であればコミュニケーションできる 会話以外の方法でコミュニケーションできる1点、独自の方法であればコミュニケーションできる又はできない2点  説明の理解     理解できる0点       理解できない1点  理解できているか判別できない2点 大声 奇声を出す  月に1回以上の支援が必要0点  週に1回以上の支援が必要1点 ほぼ毎日支援が必要2点 異食行動      月に1回以上の支援が必要0点  週に1回以上の支援が必要1点 ほぼ毎日支援が必要2点 多動 行動停止   月に1回以上の支援が必要0点  週に1回以上の支援が必要1点 ほぼ毎日支援が必要2点 不安定な行動    月に1回以上の支援が必要0点  週に1回以上の支援が必要1点 ほぼ毎日支援が必要2点 自らを傷つける行為 月に1回以上の支援が必要0点  週に1回以上の支援が必要1点 ほぼ毎日支援が必要2点 他人を傷つける行為 月に1回以上の支援が必要0点  週に1回以上の支援が必要1点 ほぼ毎日支援が必要2点 不適切な行為    月に1回以上の支援が必要0点  週に1回以上の支援が必要1点 ほぼ毎日支援が必要2点 突発的な行為    月に1回以上の支援が必要0点  週に1回以上の支援が必要1点 ほぼ毎日支援が必要2点 過食 反すう等   月に1回以上の支援が必要0点  週に1回以上の支援が必要1点 ほぼ毎日支援が必要2点 てんかん発作の頻度 年に1回以上0点        月に1回以上1点       週に1回以上2点 施策の展開・方向性 ○強度行動障がいに適切に対応できる人材の育成 ・強度行動障がいのある人に適切なサービスが提供されるよう、福祉施設職員を対象とした研修等により、強度行動障がいに関する専門的な知識や支援技術等を有する人材の育成を行います。 ・長野県西駒郷において、専用棟における支援を通じて蓄積した支援ノウハウを県内の各施設に還元し、支援の質の底上げを図ります。 ○強強度行動障がいを有する人の受入れ先の拡大等 ・障害福祉サービス事業所等において強度行動障がいのある人を受け入れるためには、支援の度合いに応じて求められる、専門的な知識や支援技術等を有する職員の配置や、障がい特性に対応した施設整備などが必要となることから、国に対して実態に即した公定価格(報酬)の見直しや財政支援の拡充の提案を行うなど、受入れ拡大や支援の充実を図ります。 〇医療的側面からの支援 ・強度行動障がいのある人が、緊急時等に一時的な入院医療を受けることができるよう平時から医療との連携体制の構築を図ります。 達成目標等 施策・事業名強度行動障がい支援者養成研修、施策・事業内容適切な支援を行うことができる実践研修修了者(累計)、現状令和4年度1,047人、目標令和11年度2,097人                         (3)教育・療育体制の充実 106ページ @障がいの早期発見に向けた支援 現状と課題 ○市町村では、妊婦に対し妊娠届時の相談、妊婦健康診査の公費負担(14回分)により母体の健康維持を支援しています。妊娠届の未届けや妊婦健康診査を受けていない妊婦への支援が課題です。 ○市町村では、妊婦及び乳幼児健康診査等で発育・発達に異常の疑いがあると診断された際に、早期受診や保護者の不安等の軽減に向けた支援を行っています。 ○乳幼児健康診査における身体及び精神発達の遅れ等の有所見率については地域格差が生じており、乳幼児健康診査を含めた母子保健水準の向上・均てん化が求められています。 用語解説があります。均てん化とは、県内の市町村で、同じ水準で支援を受けられるよう、母子保健分野の格差の是正を図るものです。 ○県では、先天性代謝異常等を早期に発見し、早期治療を行うため、新生児の先天性代謝異常等検査事業を実施しています。診断された児及びその保護者等への継続的な支援体制の充実が課題となっています。 先天性代謝異常等検査件数、要精密検査件数及び診断確定者数の表が掲載されています。 令和2年度は検査件数14,812件、うち要精密検査件数30件、診断確定者数17人、内訳は先天性代謝異常4人、先天性甲状腺機能低下症13人、先天性副腎過形成症0人 令和3年度は検査件数14,562件、うち要精密検査件数33件、診断確定者数33人、内訳は先天性代謝異常8人、先天性甲状腺機能低下症24人、先天性副腎過形成症1人 令和4年度は検査件数13,485件、うち要精密検査件数43件、診断確定者数17人、内訳は先天性代謝異常0人 先天性甲状腺機能低下症16人、先天性副腎過形成症1人            施策の展開・方向性 〇障がい等の早期発見に向けた支援 ・信州母子保健推進センター事業により、市町村との協働及び専門機関等との連携を通して、市町村における母子保健水準の向上・均てん化を図ります。 ・先天性代謝異常等検査事業において診断された児への早期及び継続的な支援体制の整備を推進します。 達成目標等 施策事業名1歳6か月児健康診査の受診率、現状令和3年度97%、目標令和11年度97% 施策事業名3歳児健康診査の受診率、現状令和3年度96.4%、目標令和11年度97%                       A地域療育機能の強化 現状と課題 ○在宅障がい児等及びその家族の地域生活を支えるため、各圏域に療育コーディネーターを配置し、巡回・訪問による個別相談支援や、保育所や学校等に対する技術的指導等を行っています。 ○療育コーディネーターの相談対応件数は、平成30年度以降高止まりしており、かつ、その内容は多様化、複雑化しています。また、対応にあたっては、発達障がいサポート・マネージャーや医療的ケア児等コーディネーターとの効果的な連携も求められています。 ○今後は、在宅障がい児等の地域生活を支える関係者の連携を強化する中で、それぞれの役割を果たすことにより、身近な地域でライフステージに応じた切れ目のない支援が受けられるよう体制づくりが必要です。 〇発達障がいのある人及びその家族が地域で必要な支援を受け、将来の見通しを持って安定した社会生活が送れるよう、支援機関同士の橋渡し(支援者への支援)を行う発達障がいサポート・マネージャーを県内10圏域に配置しています。 発達障がいサポート・マネージャーに対する支援機関からの支援依頼件数の推移の表が掲載されています。 支援依頼件数 令和2年度4,477件、令和3年度4,380件、令和4年度4,100件 ○発達障がい等の障がいにより、支援を必要としている児童・生徒数は、増加しています。 施策の展開・方向性 〇関係機関との連携とネットワークの機能強化 ・障がい児等に対し、ライフステージに応じた、一貫した切れ目のない支援が行われるよう、療育コーディネーターが中心となり、地域自立支援協議会等を活用し、医療・福祉・教育・行政等関係機関の連携体制の強化を図ります。 ・県自立支援協議会療育部会において、地域連携に係る課題解決に向けた検討を行います。 ・発達障がいサポート・マネージャーのフォローアップ研修等の充実を通して、支援技術の更なるスキルアップを図ります。また、発達障がいサポート・マネージャーによる連絡会議を開催し、課題等の情報共有、活動支援を行います。 〇市町村の取組に対するバッククアップ機能の強化 ・市町村において、在宅障がい児等が、身近な地域で療育指導等が受けられるよう、県では、専門性の高い相談支援や広域的な支援体制を整備し、市町村の取組を重層的にバックアップします。 〇サービス提供体制の充実 ・地域におけるニーズを踏まえた必要なサービス提供体制の確保が図られるよう、市町村の意見を聞きながら障害児通所支援事業者の指定を行うとともに、人員配置や設備・運営に関する基準を遵守し、運営管理や利用者へのサービスの提供が適切に行われるよう、事業所への指導を徹底します。 ・地域における障がい児支援の中核的役割を担う児童発達支援センターの設置を促進するため、必要な基盤整備について計画的に支援します。 ・障がい児の心身機能の発達を図るため、早期から理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などによる専門的な機能訓練を受けられるよう支援します。 ○子ども・家庭包括支援体制の整備 発達障がいなど、様々な課題により支援を必要とする子どもや家庭に対して、市町村を中心に、県、民間機関が連携・協働して、包括的な支援を行う市町村子ども家庭支援ネットワークの体制整備・充実を進めます。                      B特別支援教育の充実 現状と課題 ○小・中学校、高等学校においては、発達障がいの診断等があり支援の必要な児童生徒が増加しており、通常の学級担任を含めたすべての教員の特別支援教育に係る支援力の向上が求められています。 ○特別な支援が必要な児童生徒の増加や支援内容が多様化する中、細やかな支援を行うためには、管理職や特別支援教育コーディネーターを中心としたチームで支援する体制づくりが必要です。 ○中学校特別支援学級卒業者の約7割が高校に進学する中、支援の必要な生徒の特性を確実に進学先に伝え、一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援が行われることが必要です。また、通級による指導が必要な生徒がニーズに応じた指導を受けられるような教育基盤の整備や、特別支援学校分教室と分教室を設置する高等学校の生徒間の交流を通じた教育活動の充実が必要です。     ○特別支援学校は、建設後30年以上経過している学校が多く、老朽化が進むとともに、児童生徒数は増加傾向にあり、教室の不足や手狭さといった狭隘化が顕著な状況です。 ○支援ニーズの高度化・多様化に対応するため、外部専門家等の力を活用しながら、学校体制の構築や困難事案への対応等を推進するとともに、専門性の高い教員の計画的な育成が必要です。 〇特別支援学校高等部(専攻科を含む)における令和4年度卒業生の進路状況は、就職23.7%、施設利用71.1%などとなっています。生徒一人ひとりの自立に向けた多様な教育的ニーズに応じるため、進路支援の充実(キャリア教育、関係機関との連携強化等)を図る必要があります。 〇発達障がい等の早期発見が進んでおり、診断等があった後も必要な時に必要な支援が受けられるよう、保健・医療・福祉・労働・教育等の関係機関が情報を共有し連携して支える体制の充実が求められています。また、ライフステージを通した切れ目ない支援を行うため、「個別の教育支援計画」等を活用し関係者で支援情報を共有し、支援を行っていく必要があります。 ○身近な地域で共に学ぶことができる体制として、「副次的な学籍(副学籍)」に係る取組が進んでおり(令和5年5月時点72市町村)、それぞれの市町村の特色を活かした取組を一層推進していく必要があります。                     施策の展開・方向性 〇小・中学校、高等学校における特別支援教育の充実 ・認知や発達の特性に応じた学びを充実するため、通常の学級担任が児童生徒一人ひとりの特性を簡便に把握できるアセスメント方法と、その結果を活用して個々の特性に応じた支援を行う仕組に関する研究を行い、研究成果の普及・活用を促進します。 ・一人ひとりの障がいや認知の特性に応じた個別最適な学びを早期から効果的に実現するため、ICTやAT(アシスティブ・テクノロジー)に関するリソースの拠点の整備と支援を推進します。 ・発達障がい等があり支援が必要な児童生徒が、必要に応じて適切な支援を受けられるよう、通級指導教室や特別支援学級等のニーズに応じた整備を進めます。 ・特別支援教育に係る基礎的な知識や支援方法等について教員が幅広く学ぶため、外部専門家等を活用した実践的・体験的な研修を行います。 〇学校全体がチームで支援するための体制づくり ・各校で特別支援教育の中核を担う特別支援教育コーディネーターの専門性向 上のため、「特別支援教育コーディネーター養成研修(初級編)(中級編)」を実施するとともに、特別支援教育支援員を効果的に活かす校内の連携体制づくり等を紹介するしおりを作成し、管理職や特別支援教育コーディネーター向け研修等で活用します。 〇高校段階の多様な教育的ニーズに応じるための仕組みの整備  ・地域のニーズに応じた通級指導教室の設置や、特別支援学校の高校巡回支援担当教員等による巡回支援の充実、及び特別支援学校分教室と分教室設置高校間の連携等による専門性を活かした教育を実施します。 〇特別支援学校の教育環境の改善  ・老朽化や狭隘化に課題がある特別支援学校について、長野県特別支援学校整備基本方針に基づく長期的な視点に立った改築等と応急的な視点に立った増築等の計画的な推進等により、必要となる整備を計画的に進めます。 〇多様な教育的ニーズに対応する専門性の更なる強化 ・特別支援学校の「専門性サポートチーム」の機能強化のため、特別支援学校に分野別のリーダー教員を配置し、全県で統一した専門性の高い支援の実現、各校の自律的な支援体制の構築等を推進します。 ・多様化する障がいの状態等に応じた支援を充実するため、療法士や心理士、看護師等の専門職の配置や活用を促進します。 〇特別支援学校における就労支援の充実 ・希望する進路と卒業後の継続的な社会参加を実現するため、在学中から関係機関(労働・福祉・医療・地域等)とのネットワークづくりを進めるとともに、「個別の教育支援計画」等の効果的活用による丁寧な移行支援を行います。 ・企業等への就労を希望する生徒の進路実現と、企業側の障がいの理解や受入れに向けた取組を促進するために、就労コーディネーターによる企業等への働きかけとマッチング支援、実習先の開拓等を推進します。また、企業等と連携したデュアルシステムによる現場実習の検討や特別支援学校技能検定の充実を図ります。 〇関係機関との協働による支援体制の強化 ・地域の特別支援教育や障がい者支援に関わる関係機関との連携を進めるため、圏域ごとの自立支援協議会等において、医療・保健・福祉・労働・教育等関係機関と連携した相談機能の充実等を図ります。 ・乳幼児から進路先まで一貫した支援の充実に向け、「個別の教育支援計画」、「個別の指導計画」等の支援情報を、ライフステージ間で確実に接続できる体制づくりを進めます。 ○身近な地域で共に学ぶことができる体制の充実 ・「副次的な学籍(副学籍)」に係る取組や、居住地の小・中学校における交流及び共同学習等の取組を推進し、身近な地域の同世代の友と将来にわたっての関わりが育まれる体制づくりを進めます。 達成目標等 施策事業名特別支援学校高等部卒業生の就労率、現状令和4年度23.7%、目標令和11年度30.3% 施策事業名特別支援学校高等部卒業生のうち就職希望者の就労率、現状令和4年度84.7%、目標令和11年度90.7%