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諏訪湖流域下水道事務所

クリーンレイク諏訪(豊田終末処理場)

処理場全体写真

「クリーンレイク諏訪」は、豊田終末処理場の愛称として公募により平成5年に命名されました。

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 水の蘇生

 処理フローシート
処理フロー図

 


 

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 諏訪湖流域下水道豊田終末処理場 水処理状況(公表:日常水質試験結果の月度速報値)

  令和6年度水処理状況(9月まで)(PDF:19KB)

高度処理の流れとしくみ

豊田終末処理場は、従来は標準活性汚泥法によって2次処理を行ってきましたが、諏訪湖や天竜川の環境基準の達成、水質の向上を図るため平成7年から高度処理を導入しました。

 

一般的処理のフロー(標準活性汚泥法)

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一般的な処理フローの2次処理の機能を拡大したり、新たなプロセスを加えることによりBODの除去率を上げ、窒素・りんの高効率な除去が可能です。

高度処理のフロー(凝集剤併用型循環式硝化脱窒法+急速ろ過)

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○窒素除去のしくみ
窒素の主形態であるアンモニア性窒素は、空気を送り込んだ硝化槽で硝化菌の働きにより硝酸性窒素に変化します。空気を送り込まない脱窒槽で硝酸性窒素は還元され、窒素ガスとして大気中に放出されます。

○りん除去のしくみ
凝集剤のPAC(ポリ塩化アルミニウム)を添加すると、りんはアルミニウムと結合し、最終沈殿池で汚泥として沈殿します。

高度処理は、COD・窒素・りんの高効率な除去が可能です。

 

 


 

窒素除去のしくみ

図1のように、生物反応槽は下水の流れる順に無酸素槽及び好気槽から構成されています。この好気槽からはエアリフト効果により硝化液を循環させています。

下水の中に含まれている窒素

窒素は、有機性窒素やアンモニア性窒素(NH4+)として流入してきます。

無酸素槽(脱窒槽)

水に溶け込んでいる酸素のない水槽とするために、空気を吹き込まず、完全混合するためだけのかくはんを行います。この無酸素の状態を好む微生物(脱窒菌)は、呼吸に必要な酸素(O2)を得るために、好気槽から送られてくる硝酸性イオン(NO3-)を分解します。この働きにより硝酸性イオンから酸素が取り除かれて、窒素は窒素ガス(N2)となって大気に放出されます。

好気槽(硝化槽)

次の好気槽には空気を吹き込み(ばっ気)、酸素が水に溶け込んだ好気状態にします。この好気槽で活躍する微生物(硝化菌:亜硝酸菌、硝酸菌)が無酸素槽から送られてくるアンモニア性窒素(NH4+)を分解して、硝酸性イオン(NO3-)に変えたのち、無酸素層へ循環させます。

この方法は硝化液を循環させて、脱窒を行うので「循環式硝化脱窒法」と呼ばれています。

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循環式硝化脱窒法の利点

従来の標準活性汚泥法と設計及び運転操作の点で類似しているので移行しやすい。

好気槽の前段を脱窒槽とするので、無酸素状態をつくりやすい。(流入下水中には溶存酸素が少ないため)

脱窒槽を硝化槽の前段に設置することにより、脱窒反応に必要な有機物を流入下水中から供給できる。

脱窒槽の脱窒反応によって有機物が消費されるので、硝化槽にかかる有機物負荷が軽減される。

硝化液の循環をエアリフト効果によって行っているので、循環のための動力が不要である。

 

凝集剤によるりん除去のしくみ

好気槽(硝化槽)で活性汚泥を混合して空気を吹き込むと、水中のりんは大部分がりん酸イオンになります。このりん酸イオンはポリ塩化アルミニウム(PAC)を加えると水に溶けにくいりん酸アルミニウムになり沈殿し、汚泥として汚泥処理施設に運ばれ処理されます。(図2)

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PAC添加同時凝集法の利点

添加した凝集剤のうちりんと結合しない一部のものが、循環水や返送汚泥として水処理施設に戻りりん除去に利用され、添加率を低くすることができる。

PAC添加によるpH調整が不要である。

 

砂ろ過のしくみ

図3のように、急速砂ろ過池では、最終沈殿池からの流出水(1)を上向きの流れにより、ろ材(支持砂利・砂)を通過させ、最終沈殿池で処理できなかった微細な浮遊物質(SS)をろ材に捕捉し、SSに含まれるBOD及びCODが除去されます。きれいになった水は、グリッドからろ過水流出水路に集めて放流します。

浮遊物質を捕捉したろ材は、目づまりしないように定期的に水と空気による洗浄を行います。洗浄後の排水は洗浄水排水路を通して再び水処理流入水路に返流します。

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窒素(N)・りん(P)とは・・・

窒素やりんは、植物の生育に欠かせない物質であるが、湖沼等において水中に多量に存在するとアオコなどのような植物性プランクトンの異常発生の原因となります。下水の中にも生活排水や事業場排水に起因した窒素やりんが含まれているので、高度処理などにより除去することが必要となります。処理場へ流入する下水中の窒素は、アンモニア性窒素の形態が主であり、有機性窒素などを含む総窒素の濃度は20~40mg/Lです。流入下水中のりんは、りん酸態りん、有機態りんなどで構成され、総りんの濃度は3~5mg/Lです。

 


 

その他の窒素及びりんの除去方法

嫌気・無酸素・好気法による窒素及びりん同時除去

A2O法

生物反応槽は下水の流れる順に、嫌気槽、無酸素槽及び好気槽から構成されます。微生物による窒素の除去は、窒素を除去する反応槽の場合と同じです。最初の嫌気槽では脱りん菌からりんが吐き出され、好気槽ではそれ以上のりんが取り込まれます。これを繰り返すと脱りん菌はりんをたっぷりと貯め込むことになります。この脱りん菌を余剰汚泥として最終沈殿池から引き抜くことにより、りんが除去されます。

A2O

 

 


 

 

豊田終末処理場主要設備

設備名

設備数量

規格・性能

沈砂池

主ポンプ

 

水処理設備

 

 

 

 最初沈殿池

 

 

 

 

 

 反応槽

 

 

 

 

 

 最終沈殿池

 

 

 

 

 

急速砂ろ過池

 

汚泥処理設備

 汚泥濃縮タンク

 

 汚泥濃縮機

 

 汚泥消化槽

 

 

 

 

 

 汚泥脱水機

 

 

 汚泥焼却設備

 

 溶融結晶化設備

 

受変電設備

 主要変圧器

 非常用発電機

 

3池

3台

 

 

 

 

 

5系列

10池

 

 

 

 

5系列

20池

 

 

 

 

5系列

10池

 

 

 

 

20池

 

 

1槽

 

3台

 

4槽

 

 

 

 

 

3台

 

 

2基

 

1基

 

 

2台

1基

 

 

幅2.4m×高さ20.5m×有効水深1.72m

立軸斜流形215kW 66立方メートル/分×14.5m×Φ700

日最大処理量 137,700立方メートル

A系 71,700立方メートル

 標準活性汚泥法設備を高度処理改造した系列

B系 66,000立方メートル

 当初から高度処理で建設された系列

A系 3系列 6池

 矩形一方向常流式

 幅17.6m×有効長25.0m×有効水深3.0m

B系 2系列 4池

 矩形一方向常流式

 幅19.5m×有効長14.0m×有効水深3.0m

A系 3系列 12池

 凝集剤併用型循環式硝化脱窒法

 幅8.6m×有効長62.8m×有効水深5.1m

B系 2系列 8池

 凝集剤併用型循環式硝化脱窒法

 幅9.5m×有効長61.1m×有効水深7.4m

A系 3系列 6池

 矩形一方向常流式

 幅17.6m×有効長39.0m×有効水深3.0m

B系 2系列 4池

 矩形一方向常流式

 幅19.5m×有効長46.0m×有効水深3.5m

重力式上向流ろ過池 

処理能力 7,750立方メートル/日/池×20池

 

円形放射式 有効径Φ18.5m×有効深3.0m

固形物負荷28kg/平方メートル・d

横軸遠心濃縮機 30立方メートル/h 45kW 2台

 30立方メートル/h 55kW 1台

算盤型消化槽 2槽 嫌気性消化方式

 有効径 Φ22m×有効水深12.0m

 消化温度 35℃ 容量 4,562立方メートル

卵形消化槽 2槽 嫌気性消化方式

 有効径 Φ26.89m×最大直径19.26m

 消化温度 35℃ 容量 4655立方メートル

遠心脱水機 2台 横型連続遠心脱水機20立方メートル/h

ベルトプレス脱水機 1台 ろ過速度130kg/m/h

 ろ布幅 3m

1号焼却炉 流動床焼却炉 35t/日 1基

3号焼却炉 流動床焼却炉 35t/日 1基

溶融炉 スラグバス式溶融炉 灰処理量 3t/日

結晶化炉 円筒横型キルン 185kg/h

 

三相油入自冷式変圧器 4,000kVA 77kV/3.3kV 2台

ディーゼルエンジン発電機

 発動機 ディーゼルエンジン 188,500cc

 2,400PS 720rpm 1台

 発電機 三相交流発電機 3.3kV 60Hz

 2,000kVA 1台

 


 

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