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更新日:2017年4月28日
開催日時 平成19年5月25日(木曜日)13時30分~
開催場所 県庁3階特別会議室
出席委員 市川委員、大西委員、島委員、高橋委員、中嶌委員、中村委員、藤原委員、松岡委員
矢澤オブザーバー那須野オブザーバー
県出席者 板倉副知事、浦野総務部長、藤森行政改革課長、小池人事課長
(小野主任企画員)
ただいまから、第2回「長野県行政機構審議会」を開会します。委員の皆様には、ご多忙中のところお集まりいただきましてありがとうございました。
はじめに長野県市長会長の立場で委員になっていただいていました矢崎委員ですが、市長会長の任期満了に伴い、本審議会委員を辞任され新しい市長会長の鷲澤正一長野市長が後任の委員ということで就任されましたので、ご報告申し上げます。
なお鷲澤委員は所用のため、本日は欠席されるとのことで、かわりに市長会の那須野安雄事務局長に、また茂木委員ですが、やはり所用で欠席されるとのことで、かわりに所属団体の長野県農業協同組合中央会の矢澤利夫参事に、それぞれオブザーバーとして出席いただいておりますので、ご報告申し上げます。
また本日の審議会はおおむね3時半終了を目途にさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、これより議事に入っていただきますが、進行につきましては、審議会条例第6条に基づき、松岡会長にお願いいたします。
(松岡会長)
皆さん、こんにちは。前回3月15日でしたので、2カ月たちましたけれども、今日は本格的に具体的な検討に入っていけるというふうに思っております。何か五月晴れでよかったんですけど、今日はあまりお天気もよくなくて、皆さん方、いらっしゃるのにお足元大変だったと思いますけれども、どうもご苦労様でございます。
それでは早速ですけれども、本日の議題、第2回の次第というのがお手元に配られておりますので、それに従いまして、進行させていただきたいと思います。
この次第には、2に副知事あいさつがありますが、これはちょっと2回目だということで、結構ですというふうにおっしゃっていただきまして、飛んでおります。
それでは議事にはいりますが、まずは議事の内容ですとか、本日の資料の概要について、事務局から説明をお願い申し上げます。
(藤森行政改革課長)
この4月1日付で行政改革課長になりました藤森靖夫と申します。どうぞよろしくお願いします。
それではお手元の次第をごらんいただければと思います。本日の、どんな資料がついているかということをおおまか説明させていただきます。資料1から5がございますけれども、まずは1番目の長野県の組織等の状況についてということでございますが、前回の審議会で、長野県のその人員体制について、どの程度が適正でどうあるべきかというようなことを、もう少し踏み込んだ情報をというようなご意見がございました。それで資料にしたものでございます。本県の職員数をいくつかの切り口で他県と比較したものでございます。
それから2番目の中期総合計画策定についてということでございますが、これも前回の審議会で、やはりその組織を考える上で、現在策定中であります中期総合計画とリンクさせるべきではないかということで、その策定日程と現在の検討状況をお示ししてございます。
それと3番目でございますが、これも同じく前回の審議会で、今の組織でどんな課題、問題点を抱えているのか。あるいは組織を統合した場合にどんなメリット、デメリットがあるのかというものを、今後の議論の参考としたいとの趣旨のお話がございましたので作成させていただいたものでございます。これが本日の議論の中心になるものと考えております。
それから4番目でございますが、これは今の(3)と関連するわけでございますが、過去に組織見直しをした際の議論でありますとか、それからその際の職員の意見、いろいろ出ております。それをこの審議会の議論の参考にしたらどうかということで、高橋委員から提案をいただきまして、作成したものでございます。
最後に外郭団体の見直し検証専門部会における議論の経過ということで、これは市川委員に部会長になっていただいておりまして、部会の、これまでの議論の経過をまとめたものでございます。
以上が資料の概略でございます。こういった資料をもとに、今日、ご議論をいただければというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
(松岡会長)
どうもありがとうございます。それでは、今、資料1から5まであるということでご説明いただきまして、順番に事務局からご説明をいただきまして、委員の皆さんからご質問、ご意見をいただくことで進めてまいりたいと存じます。それではまず最初に資料1、長野県の組織等の状況について、説明をお願いいたします。
(藤森行政改革課長)
資料1の説明
(松岡会長)
どうもありがとうございます。それでは、今、資料1に関してご説明いただきましたけれども、何かご質問、ご意見等ございましたらお出しください。いかがでしょうか。
これはデータということで、部門別の職員数も全国平均並みかなというふうに拝見しましたし、あと2ページ、3ページあたり、予算規模別と人口別も、おおよそ近県とほぼ似たり寄ったりで、特別に多い少ないというのはなさそうだなと。ただ、部局別定数と予算額比較というのは、それほど関係がないのかなというような感じはいたしましたけれども、とりあえず資料としてお示しいただきまして。あと職員の採用、前回もあまりに若い方が少ないのではないかというご意見がいろいろ出ました。何と今年は行政70名ということで、非常に多くの採用を見込まれているということですけれども、職員の人員削減というのを考慮しても、この人数で大丈夫ということでよろしいわけですね。
(藤森行政改革課長)
そういうことでございます。
(松岡会長)
わかりました。委員の皆様よろしいでしょうか。
(高橋委員)
高橋でございます。職員数が多いか少ないかというところで、平均と比べていただいてあるんですが、あるいは予算規模で比べていただいているんですが。こういう資料では実態がわからないというふうに思います。予算規模と比べるのではなくて、財政力、あるいは人口につきましても、10万人当たりとかそういった規模で、平均と比べるのではなくて、同じグループと比べてどういった状態にあるのかというようなことをお示しいただければというふうに思います。
長野県と財政力の指数で、同じグループ、北海道、新潟県、福島県、奈良県、熊本県、山口県とかというような同じグループで比べますと、奈良県が職員数は対10万人当たりで一番少なくて、次が、私が総務省の資料等で比べたもので見ますと、熊本県、次が長野県というように、長野県は非常に職員数が少なくて、県民の皆さんにサービスが行われているというふうに読みとれると思います。そんな点について、事務局はどういうふうにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
(松岡会長)
今の高橋委員さんのご質問にお答えいただけますでしょうか。
(藤森行政改革課長)
職員数がどの程度が適切であるかというのを、県で比較するというのは非常に難しいと思っております。例えばその面積でありますとか、人口でありますとか、今の委員おっしゃったような財政力でありますとか、そういういろいろな要素があると思いますし、1ページ目の資料でちょっと申し上げましたけれども産業構造もまた違うというようなところもございますので、非常に比較することが難しいかなというふうに思っております。そんな意味で、今日は予算と人口ということでお出ししました。いろいろな切り口があろうかと思いますので、今、高橋委員がおっしゃったようなもので比較してみたものも、これは次回の審議会で出させていただきたいと思います。
(松岡会長)
そうですか。高橋委員さんの資料ですと、長野県は少人数で比較的効率よくやっていて、私も知りませんでしたが、奈良県、熊本県に次いで3番目なのですか、財政力で。
(高橋委員)
財政力指数での同じグループというのがございまして、そういうもので見ると、職員数とすればかなり少ないのではないかというふうに思われます。
(松岡会長)
そのような調査結果も、今、ご披露していただきましたので、確かにこの切り口というのは非常にたくさんあると思います。そういう意味では、いろいろなアプローチの仕方で資料を用意していただけると、私たちも多角的に検討できるのではないかと思いますので、さらに次回、ご用意いただければということでございます。ほかにございますか。
(大西委員)
1ページ、この表を見せていただいて非常に感じるのは、それぞれ各県でその各県に合ったいろいろなカラーが出ていると思います。例えば埼玉、千葉、神奈川、こういうところは人口が多いので、衛生だとか、労働とかというところにかなり人数が増えているということなので、全国の平均で比べることもいいのですが、それぞれの県の特徴があるので、そういう読み方をしていく必要が十分あるんじゃないかと思います。そこで長野県はどうすればいいんだろうというようなところを見出してこなくてはいけないんじゃないかと思いました。確かにスタンダードの平均と大体似てしまっているからこれでいいだろうというふうに落ちつくのではなくて、長野県は長野県としての、例えば労働部門を、長野県の方は、今、増えてはいますけれども、都会の方はやっぱりこれ就職難なんでしょうか、いろいろそういうところに人手が大分とられているなというようなことを感じました。そういう見方も大事じゃないかと思います。
(松岡会長)
どうもありがとうございます。総じてこの資料1は、平均値に近いかどうかというような比較でしたので、それも大事だけれども、長野県の特徴というようなことも考えていった方がいいという、大西委員さんのご意見でございました。まさにそういう部分も非常に大事だと思います。
(松岡会長)
それでは、まだご意見もあるかとは思いますけれども、時間もございますので、次の資料にまいりたいと思います。資料2の中期総合計画策定についてということで、ご説明をお願いいたします。
(藤森行政改革課長)
資料2により説明
(松岡会長)
どうもありがとうございました。では、ただいまの中期総合計画策定に関して、ご質問、ご意見、ございましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
特別にはないということでよろしいでしょうか。こちらの方は9月に答申ということで、もう少し先ということになろうかと思います。
(松岡会長)
それではすいすいと議事が進んでおりまして、いよいよ資料3のところが、本日の議論の中心的な部分になるというふうに思いますけれども、資料3の現行組織の課題・問題点、部局統合のメリット・デメリット等というのが資料3にございます。あと続きまして、資料4は過去の組織見直し等にかかわる議論をまとめていただきました。それでは資料3と、資料4も続けてご説明をお願いいたします。
(藤森行政改革課長)
資料3、資料4による説明
(松岡会長)
どうもご苦労様でございました。ちょっと長い時間で、とても多い資料でしたけれども。資料3が現行組織の課題・問題点、部局統合のメリット・デメリットなどをご説明されました。資料4は、今までいろいろな議論もしてきたということで、過去の組織見直しの議論の経過とか、職員の皆さんのご意見などをご紹介いただきました。
それでは今日の中心部分が、ここの議論ということになりますので、まずは全体的にご質問とか、ご意見とかございましたら、お出しいただきたいと思いますけれども。いかがでしょうか。どうぞ。
(島委員)
ずっと拝聴しておりまして、ある意味では大分戸惑いを感じております。一つには、我々がそれぞれの部門の実際の仕事の幅、深さ、そういうものが全然わかっていないということ。いろいろ過去の事例なんかもここには載っておるわけでありますけれども、なぜそれがうまくいかなかったのか、あるいはもっとこういうふうにすればよかったかというふうなことが、我々にもこの中からくみとることができないというふうなこと。
それと、ざっと今のご説明、あるいは部の内容を私なりに見ていきますと、随分コミュニケーションのあり方の欠落と言いますか、なぜ、我々の企業だったらすぐこういうふうにしてパッとそんなのは解決してしまうのに、なぜこういう問題が今ここの場で出てくるのかというふうなことが正直に言いましてなかなか理解しにくいです。我々企業の側からしますと、そんなのはいろいろな問題点が日常茶飯事に出てまいります。でもその都度、みんな解決をしているわけです。確かに問題の大きさも、スケールも違うかもしれません。でもそういうことを、では組織の中で解決をすべきもの、ほとんどのものがそういうものであると思うんですが、それがどうも組織と組織の連携の中で進めていった方がいいものと、そうでないようなものもあるように見えたり、そうすると違う部門との連携のあり方はどうやったらいいのかということの、そういうことがあまり出ていないんですね。
ただ、これとこれを統合したらどうだろうか、離したらどうだろうかということで、全体のわからないところがあってそういう話になりますと、どういう意見を言っていいのかというふうに、実は戸惑いを感じております。
(松岡会長)
今、島委員さんからは、戸惑いという言葉が出ましたけれども、実際の仕事というのは、私たちは確かによく見えてこない。委員の皆さん、それぞれご専門のところではよく見えていらっしゃる部分もあると思うんですけれども、全体的に眺めるとちょっとその内容とか幅とかというのが難しい。特に資料4の方で、過去にずっと何かいろいろやってきているじゃないかと、私も思いました。資料4を拝見すると、平成14年から組織再編というようなことをずっとお考えになってきて、その間、相当の年月がたっているんですけれども、それがうまく実行されていない。なぜそういうふうになってきてしまったのか、今になって、ここで一気にやろうということですけれども。
本来、島委員さんは企業の経営者なので、企業でしたらもっとその都度都度、うまく工夫して解決してきているのを、なかなか行政の方は都度都度というふうにいかなくて、今まで持ち越してきているというような内容も多分にあるので、その辺のところ、もう少し説明を事務局の方でいただけますでしょうか。
(藤森行政改革課長)
非常にお答えが難しいところがございます。
平成18年の4月に実施した組織改正、それを反省材料として、今の本庁の見直しをしていかなければならないかなと思っているんでございますが、前回の、ここがちょっと問題だったかなということをいくつかお話をさせていただきたいと思います。
平成18年の4月に組織改正を行いまして、当時、その以前から経営戦略局という組織がございました。これは昨年の11月に廃止をしたわけでございますけれども。組織というのは、本来それぞれの組織でありますとか、それぞれの職員が自分で考えて実行していくというのが組織の本来のあり方かというふうに思います。ところがその経営戦略局という、実態として各部局をコントロールするようなところがあって、実際、各部に任されるべき業務運営ができていなかったという反省がございます。
それからもう一つは、ここには出てまいりませんけれども、会計局の検査部門に農協検査業務を一緒に統合したわけでございます。仕事の手法が同じだろうということで一緒にしたわけでございますけれども、行政の組織というのは、お客さんがどなたかということでくくるというのは割に一般的だと思います。農家の方々に対するもの、それから高齢者の方に対するものというのは、組織のくくり方としては一般的だと思いますけれども、手法が同じということだけで、お客さんが違うのに一緒にしてしまったというような問題点があったのかなということです。
審議会の、先ほどの資料4のところでもごらんいただけますように、保健・福祉部門の統合でありますとか、労働部門の移管でありますとか、そういった現在でも同じような考え方があるわけでございますけれども、個々で見ますとそういうところで、現在でもうなずけるようなものがあるわけでございますが。組織全体として見ると、ちょっとバラバラだったのかなと、組織をつくる上での考え方というものがバラバラだったのではないかなというふうに思っております。当時の問題点ということで、そのような点を挙げたいと思っております。
それとコミュニケーションの問題というのが委員の方から指摘がございました。先ほど言いましたように、行政の組織というのは外のお客さんに向かって窓口を開いているというのがございます。したがって、外に向かって窓口を開いているんだけれども、それぞれの窓口同士の連携というのはなかなかとりづらいのが、これは行政の組織の問題と言えば問題かなということで。ちょっとお答えになってはいないのかもしれませんが、そのようなところでございます。
(松岡会長)
では副知事さん、お願いします。
(板倉副知事)
今、ご指摘になりました点は、非常に、そう思われるだろうなと私も思います。やはりこの県の組織というのは、最終的には我々が一番、組織の中身をよく知っているはずでありますし、こうした方が一番いいんじゃないかというようなことは、最終的には私どもの方から一つのたたき台みたいなものを出させていただかないと、本当に議論は進まないだろうなというふうに思っていますので、その前段としていろいろお気づきの点があればご意見を言っていただければというような趣旨もございまして、こういう議論を展開させていただいているわけであります。
民間会社の組織であれば、もちろん一番効率よくやるためにということで、社長さんの一存でいくかどうかは知りませんけれども、すぐ変えられると。ただやはり県なり市の組織というのは、いわば公的なものでございますので、条例で決めなければいけない。これは議会の関与をするということでありますし、また、一面では要するに県民の皆さんのための組織でもあるということで、そういうことでいろいろご関心のある県民の皆さんのご意見を聞きながら進めていかなければいけないものでもあるだろうと、こういうふうに私どもは思っているわけです。審議会を開催させていただいて、いろいろ意見をお伺いしながら、それなりのたたき台をお示しをして、またそれでご意見をいただければというふうに思っています。
どうしても我々だけで勝手に案をつくれば、それはそれでいいのかもしれませんが、独善的な組織の形になってもいけないと思いますし、県民の皆さんの代表である委員の皆さん方のいろいろなご意見をもとにしてやっていければと、こういうふうに考えているところでございます。
(松岡会長)
どうもありがとうございます。今、事務局の方からご返事をいただきましたように、委員さん、各分野から代表的な方々を委員さんにお願いしておりますので、全体を眺めるという視点が一番大事かとは思うんですけれども、まずは個別のところで、特に関係されているようなところで、やっぱりこれは不都合であるとか、というようなご意見、こうした方がいいんじゃないのかというところを積極的にお出しいただきまして、それらを総合して、次回かその次かに事務局の方で全体的な案をつくっていただいて、それをまた検討するというようなことにしたらいかがかなと、私は考えております。
そういう意味で、委員さん方の、特に一番ご関心のあるところで、それぞれご意見をまずはいただけると効率がいいかなというふうに思いましたので、いかがでしょうか。では大西委員さん、お願いします。
(大西委員)
では私の方から。医師会として、まず2つ、自分たちの守備範囲の話からさせていただきます。一つは社会部と衛生部との合併について、ここ2、3年、医師会の方も考え方が変わって参りました。これは当然一緒になるべきだと。前回のときにもお話しいたしましたように、そういう考えに全く180度変わりました。それはなぜかというと、一般的にそうなんですが、世の中の流れとか制度とか、あるいは国民の要望、そういうものによって組織は変わるべきものなんですよね。当時、14年ぐらい前には、まだ社会部担当の介護だとか福祉というのはあまり日を浴びてこなかった。そのときになぜ一緒になるのという意見がありましたが、今は本当に介護にも福祉にも、その裏には医療がぴったりくっついていて、表裏一体だというふうになると、これが別々の管轄でやっていることは非常に不合理であると。こっちの話を聞けばそれは社会部に聞いてくれ、社会部に言うとそれは衛生部に聞いてくれ、これでは話はなかなか効率よく回らないというようなことで、社会部と衛生部の統合については、長野県医師会としては反対はしない、賛成だということなんですね。
しかし両部の合併案が出た前回はなぜだめだったかというと、県のやっている方法では、どうやら話を聞いてくれるような体制にはなっていないよということで、そのまま突っ込まれていくのは困るなというようなことで、前回はちょっと様子を見ました。「ちょっと待とうよ。」というようなこともありました。さっき言いましたように私たち医師会とすれば、そういうような部分で、一番問題になっている社会部と衛生部との統廃合、機能・県民サービスの低下をさせないという条件で、これには問題ないと思います。
もう一つは、ある意味で統合ができなかったのは、保健所の整理と言いますか、いくつかの保健所を集めて大きくして、あとは支所にしたいと言ってきました。こういうような支所が本当に社会に密着しているかどうか、これは様子を見なければいけないよというようなこともあって、反対して参りました。それから確かその保健所の合併のときに、保健所という名称をはずすというような話になってしまったので、現存する医療法とか、いろいろな法律でこの「保健所」というのは残っているはずじゃないかというようなこともあって反対したのは事実です。
さてもう一つは、さっきもお話ししましたように、これは非常に合理的であり、能率的であり、県民のためにもなるような方法であるならば、さっきの話を聞いた中でもいくつかは合併吸収した方がいいんじゃないかというところもあります。しかしその原点は、あくまでも県民、国民にとってその方がいいかどうかということ。あるいはそれぞれの仕事がもう形骸化されないかどうか。会社もそうなんですよね、組織をいろいろつくるときは簡単につくっていくんですが、やめるときになったらいつやめるの、というふうになって、つくったままになって、これは今何をやっているんだ、というようなのがあるんです。そういうところの整理をするという意味においても、私はさっきの説明を聞いた範囲内の中では、かなり省略化されるというか、合併してもいい部分があるんじゃないかなというふうに思います。以上です。
(松岡会長)
どうもありがとうございました。今、医師会の立場ということで、社会部と衛生部ですか、それは前回も大西委員さんの方から出していただきましたけれども。かつてはそれに反対したこともあったけれ、社会が変われば、部局の組織というのは当然変わらなければいけないので、そういう意味では、医師会のご意見としては一緒にした方が非常に効率的ではないのか。私も老人福祉とか若干やっておりまして、この点は非常に賛成です。利用者にとっても、分かれていることの方が不都合ではないのかなというふうにも思っております。あとは保健所の整理のこと、それから全体的なご説明を概観されて、合理的、能率的な方向性ということで、かなり一緒にくくっていったらいいのではないのかというご意見をいただきましたけれども。ほかの委員さんはいかがでしょうか。何か高橋委員さん。
(高橋委員)
高橋でございます。今、お話のあった県民の皆さんにとってどうなのかというのは、本当に必要な視点だというふうに思います。やはり県民の皆さんの要望とか期待にこたえられる、しっかり仕事ができる組織というものが必要かというふうに思います。前回の審議会のご意見とか、そういうものがどうしてうまくいかなかったかということで言いますと、県民の皆さんとか、あるいは市町村の皆さんとか、関係団体の皆さんのご理解というか、そういうものがきちんと諮られないで、一方的な答申、あるいは条例化を図ろうというような動きになったのではないかというふうに思っています。そういう意味では、今回の組織の見直しに当たっては、やはりそうした皆様にわかりやすい、利用しやすい組織にすべきだと、まず1点、思います。名前がわけのわからない組織だとか、いろいろありましたので、そういう点が1点あろうかと思います。
それから責任の所在が明確であるということがどうしても必要だと思います。部を統合するというようなことで言いますと、先ほども埼玉県さんの事例が出ていましたけど、やはりスピーディな決断ができる組織というのが必要だと思います。例えば次長に説明をして、また部長に説明をしなければならないという、今、他の県は次長制というのを、あるいは国も技術畑の次長さんと事務畑の次長さんみたいなのがいらっしゃったりするんですけど、本県はそういう形ではなくて、部長に直に、ダイレクトにいろいろと決断をいただくというような組織になっていますので、そういうことは必要だと思うんです。ここのデメリットにも出ておりましたが、あまり大きな、あるいは課の数が大きいそういうものにしますと、やはりマネジメントが難しくなるというふうに思います。そういう点を考えた方がいいんじゃないかというふうに思います。
一番は、私、職員を代表する立場で述べさせていただくと、やはり働く職員が働きやすい、一生懸命働ける、そういう組織にしてあげることが、特に技術系の職員の皆さんは専門性が発揮できたり、そういう面でやる気が出ることによって、県民の皆さんにサービスがきちんとできる、そういう仕事ができる組織になっていくんだろうと思います。そんな意味で、例えば農政と林務は、これはやはり農政は長野県が全国で1位のような状況でございますし、林務も森林県というようなことでありますと、これはもし統合した場合にも、職員数も非常に大きくなりますし、農政の部門をご承知いただいている方、あるいは林務部門を承知いただいている方というのを、ある意味では次長制みたいな形で設けて、その上に部長を設ける形にならざるを得ないと思います。そういうことで部長のポストを一つ減らすだけなら、あるいは管理部門を合理化できるという面はありますけど、そういうことなら今のような形の方がより働ける組織なのではないかなというふうに、私は思います。
(松岡会長)
どうもありがとうございます。今、高橋委員さんからは、まずは県民が利用しやすい、これは大前提だというふうに思います。名称も含めてわかりやすく利用しやすい組織というのは、とても大事なご意見だというふうに思います。あと、責任の所在が明確であること、そのためにはスピーディな決断ということもそこに含まれるということですけれども。先ほど福祉と保健を統合した埼玉県の状況というのをご説明いただきましたけれども、2,000人というとこれは大変だなと。またそれで分かれてしまったのかなというふうにも思えましたように、ある程度の大きさというのも必要かと思います。そこで責任の所在とスピーディな決断の重要性というご意見だったと思います。
あともう1点は、県民だけではなくて、働くのは職員なので、職員の皆さんが意欲を持って生き生きと、誇りを持って働けるような組織構造というのがいいんじゃないかと。これも非常に大事な点ですね。そういう意味では、現在、それぞれの課なり部にいらっしゃる方々のご意見というのも、尊重していかなければいけない。そのようなご意見としてまとめさせていただきました。そのほかにはいかがでしょうか。中村委員さん、どうぞ。
(中村委員)
私も発言しようと思ったのが、高橋委員さんの考えていることとほぼ似ているので、発言を控えていてもよかったと思ったんですが。ようやくこの改革の具体案が見えてきたなという気がします。その中で、この再編後、効率のいい方向を考えておられるんだけれども、私、一番大事なのは、やはり県民サービスの視点をいつも持って、やってほしいと思うんです。その中の具体的なことでは、やはり効率のいい行財政改革をしたとしても、その職員だけがわかるんじゃなくて、県民にもわかるような対応とか、そんなようなことを感じておりました。
それから、もう一つ、やはり行財政改革でこのようにするんだけど、県民のサービスの視点に立ってということになると、福祉の問題にかかわっておりますと、制度だけでは救えない問題というのがあるんですね。それを一人一人の住民意識の中で支え合っていけるというような意味で、住民意識を持たせ得る、何と言ったらいいのか、言葉が見つからないんですけれども。行政の中ではなくて、そういう人材を育てるためのものを持たせるための何か対応というようなものも、あってほしいということを感ずるんです。効率のいい運営ができても、県民のサービスという視点は、いつでも持ってほしいと思います。
私は県民の一人として見るときに、例えばこの農政部と林務部、それから土木部と住宅部という場合に、持っている課題をどこへぶつければいいのかというときに、農政部は何をして、林務部は何をしてと、県民はわからないですね。そこへ行ったら、何でもそれにかかわるものがわかるというような、そんな形の窓口であってほしいと思います。そういう意味で県民が利用しやすい状況を組織の中で考えておいていただきたいと、そんなことも一つ具体的な案として申し上げておきます。以上です。
(松岡会長)
どうもありがとうございます。中村委員さんからは、県民サービスの視点というのが非常に重要なので、そこだけはしっかりしてほしいという、高橋委員さんも同じようなことを言っていただきましたけれども。あと社協の会長さんでいらっしゃるので、福祉の方にご専門だというふうに思いますけれども。福祉というと、もちろん制度だけで支えられるものではないということで、それ以外のいわゆる県民意識の向上とか、そういうところかなと私は勝手に解釈してしまいましたけれども。そういうところを底上げするような工夫ができないかと。それを組織改革でというのはちょっと難しいかもしれませんけれども。そんなようなことでよろしいでしょうか。
ではほかにご意見はございますでしょうか。利用しやすいとか、県民本位とか、職員が働きやすいとかというような意見が出まして、ちょっとそれは総括的な話になると思うので、できればもう少し具体的に、大西委員さんがおっしゃってくださったように、例えばその社会部と衛生部というのはやっぱり一緒にした方がいいんじゃないのか、それに賛成ですというような、ちょっと具体的なところのご意見、少しいただけると、まとめやすいんですけれども、その辺はいかがでございましょうか、よろしくお願いします。では順番ということで、藤原委員さん、お願いします。
(藤原委員)
まずこの資料3のいろいろな論点を見せていただいて、かつての県職員の職員意識、守りという観点から相当協調へ思考転換が図られているというのがよく見られます。それで組織の関係ですが、市は直接県とやっていますから、県さえよければ、県庁さえよければいいと思うんですが。町村というのは、どうしても地方事務所という中間ポジションがありますから、そこをどうするかということも相関対応の関係で問題が出てくる可能性があります。
それで県民サービスの向上ということになりますと、それは県民個人と県庁とのかかわりもありますが、市町村とのかかわりというのが非常に重要でありまして、これを除外して県政の執行はできないと思います。ですから、市町村との関係を見ますと、どうしてもやはり見直しをしてもらわなければいけないところが多くあるわけであります。
先ほどの医師会長さんのお話のように、社会部と衛生部というは、前々から論議されていた問題であります。それから農政と林務、私も最近の農政、林務の、いろいろ国の流れから見ると、一本でもいいかなと思ってきたんですが、最近また相当農水省は別々の政策を出してきていますので、特に水環境とか、いろいろと新しい、それから品目横断とか、新しい問題も出てきておりますし、林野庁はまた森林整備に相当意欲を燃やしておりますし、国産材が非常にまた動きもよくなったということでありますので、それはむしろ長野県としての特徴を出すべきではないかと思いますので、独立させた方がいいんじゃないかと思います。
ただ問題は、組織を見直ししても、地方分権にもかかわりますが、法令、条例の見直しが必要なところが相当出てくる可能性がありますし、特に末端自治体で一番不可解な点は、農集排と公共下水道の問題、全く処理場を一つつくればいいのをわざわざ二本立てにしていると。しかし管理はこれから一体でもいいというような見方をしますと、そういうものはやはり、一本化していくべきではないかと思っております。
どういう方法にしても、他の県の先進事例がどうかということではなくて、長野県独自の方法でもいいです。今回、観光部ができたように、やはりその時代の重要部門はちゃんと柔軟に対応すべきであると思います。ですから、部の数が多いとか少ないとかという問題よりは、やはり県民サービスやわかりやすい県政推進のためにどういう組織にしたらいいかということかと思います。そういう点では非常に、県庁内部からもいい方向、意見が出ておりますので、そういうものを総括して、デメリットよりメリットの方が多くなればいいわけですから、県職員の皆さんは専門ですので、その立場から本当に真剣に論議をして、全体でもう一度論議ができるようなたたき台をつくっていただければと思います。
(松岡会長)
どうもありがとうございます。では、今、中嶌委員さんが手を挙げられたので、どうぞ。
(中嶌委員)
ちょっと総論的な視点も入ってしまうんですが、先ほど実際の県の業務の内容とか幅がわからないので難しいというお話がでましたが、政策として何をしようとしているのかということによって統合の問題も出てくると思います。例えば住宅の問題、縮小傾向というような話も出てきていますが、住宅の問題も国のレベルでもそうですけれども、結局つくって入居させるというところから、そうではなくて、それだと公営の住宅に入れる人と入れない人との差というものが出てきてしまうので、家賃補助を出すという形で、広く県民に補助していくという方が有効ではないかという議論もあって、こういう公営住宅の運営が、果たしてこれから先も、建てかえをしてまでも続けていくものなのかという問題もあるので、その辺の考え方によって、住宅部が吸収されていくような形になるのか、独立して残すのかという問題にもなりますし、先ほどから盛んに例として出ておりますが、農政部と林務部の話も、一時期、山林はあまり収益が上がらないというようなこともあって、管理できないような状況になっていて、所有者に任せるのではなく第三者の手を入れることによって、林業というのか、山林の管理を活性化していくという話が、一時期出ていたと思いますが、その方向性が今後どうなっているのかというのは、私も勉強不足で現状でどういう方向性でいこうとしているのかわからないんですが、林業の関係も農業の関係も、やはり今現在管理できているかという問題と、実際携わっている方たちが高齢化しているということで、後継者をどうするのかという問題もあると思います。そういう問題がいろいろ出てきていると思いますので、共通する施策として一緒にやっていかなければいけないものであればまとめていくという話になるし、それぞれ山林の管理は山林の管理で独立した政策で進めていくというなら、また別に残しておいた方がいいということになるので、その辺のことがもうちょっと詳しくわからないと、わからないというか、そういうところも含めて審議していかないと、抽象論で似ているから一緒だとか、違うから別ということではちょっとないのではないかと思います。
(松岡会長)
どうもありがとうございます。今、お二人のご意見を伺いまして、藤原委員さんは、県民という視点は当然大事なんだけれども、市町村とのかかわりということですね。それも非常に重要なんで、その辺も十分に考えてほしいということ。
あと農政部と林務部の話がお二人から出ましたけれども、独立の方がいいんじゃないのかというのが藤原委員さんの視点だったかとお聞きいたしました。部を合併したりしますと、市町村の方にも影響があるでしょうし、地方事務所の問題、要するに県庁の外側の問題もあります。法令とか条例の見直しが必要になるというようなご指摘もありました。
中嶌委員さんは、政策ですね、どういう方向性を長野県は持つのか。例として住宅の問題と農林の問題というふうに出していただきましたけれども。住宅にしても、先ほど事務局のご説明でも、もう県営住宅はつくらない、それは時代の波だと私も思います。そうしますと、それにかかわって、政策と当然リンクして部の再編というようなことがあります。また農林、農業と林業の部分についても同じようなことが言えるということで、施策をどういうふうにこれから県が考えていくのかということと、当然リンクして部局再編の問題を考えていかないと、ただ似たようなものとかでは確かにまずいなということは感じました。これから目指す方向性というようなものとかかわりながら、例えば農政部と林務部はどうしたらいいのか、土木と住宅はどうしたらいいのかという、そこも含めて補足の資料を出していただけると、もっと委員の皆さん方の議論がしやすいのではないかというふうに思います。
それぞれ委員の皆さんは、たくさん知識をお持ちなので、こうかなというのはあるかもしれませんけれども、もう少し資料として出していただけると、判断がしやすいということではないかというふうに思います。お二人の意見、ちょっとまとめさせていただきましたが、このほかに、はいどうぞ。
(矢澤オブザーバー)
部については、国の組織との関係もありますし、それから今までやってきている中では、当然、市町村、県、自治体ということで、それぞれの組織が、それに沿って出来てきているわけですから。ひとつのところを変えていくということになると、みんな変えていかなくてはいけない、施策という面から考えますと、どの様な部のつくり方をしていくかというのは、これは一つの看板だと思います。それで、その運営の仕方でどうなるかということは、例えば副知事を、こういう施策に対して、メインの施策に対して何人配置するかとか、その下に部長をどう配置するとか、これは先ほどの副部長の問題もありましたけれども。組織をうまく連携させて仕事を進めるやり方というのは、そこへ置くメンバーの配置の仕方とか、仕事の分野をどういう形で持たせるかとか。その中にどういう課を配置していくかということで、それによりコミュニケーションのとり方も大分変わってくると思います。
それと、県の組織であらゆることをやっていますから、全部わかっている人はだれもいないとこういうことですので、全部見れるような、全部でもなく半分でも見れるような人材を育てていく必要があるのではないかと思います。そしてその皆さんが、組織の組み方をどうしたらいいかというのを考えていけばよいと思います。
農政の関係も出ていますが、施策の、例えばメインテーマで、例えば中山間地問題があるがこれをどうするかとか、農業の経営をどうするかとか。そういう課題に対しては関連する部長が一つ一つの施策に対して、プロジェクトをつくって対応するような形にしないと、どこかの部なり課で対応していたのでは、中途半端になってしまうと思います。だから、重要なテーマによって、プロジェクトを編成をしながら、それを運営していくというやり方が効果を上げるのではないかと思います。
(松岡会長)
どうもありがとうございます。今、茂木委員の代理でご出席いただいています、矢澤オブザーバーさんからご指摘いただきましたけれども。確かに全部をわかっている職員というのはそれほど多くはない。県では人事異動を頻繁にされているので、いろいろなところにいて、なるべく全体を見通すような人材をつくっていくという意図も多分あろうかと思いますけれども。全体を見通せるような人材をつくっていくというようなことも非常に重要ではないのかというご指摘は確かにそうだなというふうに思いました。
部局の編成というのは、扱えることと扱えないこととか、ここをこうしてしまうとこっちがうまくいかないとか、多分あろうかというふうに思うんですね。そういうものの解決手法として、プロジェクトの編成ということがかなり機能するのではないのかというようなご意見もいただきましたので、そういう手法も絡み合わせながら部局の編成を考えていくということではないかと思います。どうもありがとうございます。
そのほかにご意見、市川委員さん、お願いします。
(市川委員)
それぞれの委員さんから発言がされたのと重複する面もあろうかと思いますけれども。やっぱり行政需要、県民からの行政需要というか行政課題、あるいは住民のニーズ、これは常に変化をしてきているわけですよね。そういう意味では、県において、それにあわせていろいろな機構の改革を過去にずっとやってきているわけですよね。そういうプランニング部門のセクションが必要になったときにはそういうのをつくり、環境公害の課題を多く抱えたときには、そういう環境部というのを新設したり、それぞれ対応してきているんですよね。
そうなるとやはり、県もやっておられますけど、そういう中で、今、どういうニーズ、今、少子高齢化とか、いろいろ新しい老人の問題が出てきていますけれども。そういう中で行政効果が上がっているのかとか、我々の施策の評価はどうなのかということを県はやっておられますよね。そういうもので、現行組織というのは、組織でそれがうまくいかないのか、むしろ施策に問題があるのか、こういう問題があるわけでして。そういう観点から常にとらえていく必要があります。
今回、そういう中の個々の具体的な問題が、それぞれの所管部の中からいろいろ指摘を出していただいてありますが、そういう中で、今と比べてこうした方がいいだろうかというようなところは、やはり個々の委員さんから全部意見を求めるというのは難しい話ですので、やはりその辺は、これから実際に政策をやっていくのは県ですから、それがある程度こういう形でいきたいというようなものを、出していただいていくということが大事じゃないかなと思います。そうしないとなかなかここで審議は進まない。
ただ、私はこういう行政の中で、やはり組織がある限り、どこかで仕事を背負わなければいけないわけですが、組織の中の仕事の中では、先ほどプロジェクトの話が出ましたけれども、それぞれのところでみんなかかわりが出てくるという問題が必ずあるんですね。例えば少子高齢化といろいろな問題。それから青少年育成とか、いろいろあります。ここまでは保育行政だよ、ここからは学校だよ、ここからはどうだという、それはそれである程度しようがないと思います。ワンストップサービスといってもなかなか難しいし、本当は、青少年問題なんかそこへ行ったら全部解決してしまうというのなら良いのですけれど、なかなかそれは難しいです。
ただ、もう一つ申し上げておきたいのは、どこが所管すればいいのかというような、ちょっとこの困っているようなものが、例えば文化行政なんていうのは、非常に、私たちはずっとやってきまして、県も生活環境部なんていうところにありますけれども。何かそういう時代のニーズの中で、生涯学習とかにこたえていくような、そういうようなものは、ちょっとどこかできちっとしたものがほしいなと、そんな、今、感じがしています。
あと言いますと、例えば部をつくって、組織をつくって、ちゃんと強弱をつけていくということになるんですが、こんなものはもう部じゃなくてもいいんじゃないかというような感じがするものも実はあると思います。要するにこれが今まで、行政としてきちんとそういう方向で政策としてやってきたのかという面もあるんですけれども、もう行政として、直接は言いませんけれども、ちょっと政策の部ではないんじゃないかというようなものも若干感じられるものがあります。
(松岡会長)
言ってくださっても結構ですけれども。
(市川委員)
いずれにしましても、そういう評価、効果、そういう視点で、本当に今、県として矛盾を感じられているものは直していっていただくと。これは常に、県も常に毎年やっておられるはずです。毎年見直しをやっていく中で、やっぱりそういうものを出していく。
組織というものは、絶対ベストなんていうことはあり得ないんです。組織ができれば壁ができます。連絡調整の課題がここで指摘されていますけど、それはやはりその中で努力して、それぞれが壁をいかに薄くしていくかというのは、そこの組織の人員の努力なんですね。そういうふうに思います。そういうことで、できれば具体的に出されたものを、もうちょっとそういう点を整理していただいて、県としての意思を出していただければと思います。
(松岡会長)
どうもありがとうございます。今、市川委員さんからは、過去、県も組織改革を住民のニーズに合わせてやってきていることだということで、新たな課題が出てきて、それにどうやって対応していくかということですけれども、最後の方におっしゃってくださったように良い組織をつくろうと思っても、私もそう思いますけれども、これで絶対というのはあり得ないんですね。特に今、ご指摘くださったように、横断的な課題というのが、今、私たちの問題としては大きな問題になってきているんじゃないでしょうか。かつては割と個別の、縦割りでも何とかなりそうな課題というのが多かったんですけれども。今はそうじゃなくて、少子高齢化とか男女共同参画なんていうのも、すごく横断的でしょうし、青少年育成もそうですね。いろいろ考え出していくと、一つのところではなかなかできなくて、いろいろなところを組み合わせて方向性を探っていくというようなものが非常に多くなるので、部の再編がベストというのはなかなか難しくて、多分、なるべくベターなものを選んでいきましょうということのご指摘だったというふうに思います。
そういうようなことも加味しながら、特に実際に動いていらっしゃる県の方々がいろいろご存知なので、今日もさまざまな資料をいっぱい挙げていただきましたが、その中でもう少しまとめてくださるといいのではないのかというご意見だったように思いますけれども、どうもありがとうございました。
そのほかにもございますでしょうか、では高橋委員さん、どうぞ。
(高橋委員)
もう1点だけ、すみません。先ほど島委員さんもおっしゃられたんですけれども、その連携をとるということと、組織を統合、あるいは合体をするということとは、ちょっと同じ共通項があるからここが共通項なので統合した方がうまく連携してやれるじゃないかということはあるかもしれませんけれども。そこの1点なり2点は共通項かもしれませんけれども、あとの8割ぐらいは共通項じゃないというようなこともあって、それで組織を統合してしまうというのは、ちょっと乱暴になるのではないかと思います。
一つ、部局のあり方、部と局のあり方みたいなことを、この前も局というのはどこどこの外局ですというような説明がありましたけれどが、例えば国の省庁も、農林水産省と言っていますけれどが、林野庁というのが庁としてございます。ですから、そういった形で局というものを部の一つ下ということになるのかどうなのかわかりませんけれども、そういう考え方があり得るのかどうなのかということを少し整理していただければと思うところでございます。
それからもう1点は、実は私、住宅部にいたことがございまして、住宅で言いますと、今、非常に、例えば耐震偽装の問題とか、アスベストの問題とか、あるいはエレベーターの事故の関係とか、この間、遊具の事故とか、いろいろさまざま出ておりますし、この前新聞でも報道されましたけど、県の庁舎とか、学校の施設の耐震構造が非常に問題だというようなこと。あるいは先ほど、県営住宅、もう建てるべきではないというようなお話があったんですが、今は新規に建てているのではなくて、老朽化した建物、非常に危ない、お入りいただいている方は生活保護を受けていらっしゃる方とか、非常に低家賃で入れるものですから、福祉的な要素が非常に高いんですね。そういうものを建てかえているというような需要も今あるわけです。
ですから仕事自体は増える見込みもあるんじゃないかなというふうに思うので、部局をどうこうというのは、論議をしていただければいいんですけれども、そのせっかく住宅の技術屋集団がいますので、この人たちを、やはり例えば片方は営繕の管財の方へやってしまうとか、片方は土木へやっちゃってと、みんなバラバラにしてしまうようなことは、専門性の発揮とか、そういうことからいっても好ましくないのではないかと、ここに課題として書いてありますけれども、そういう感じがするので、この技術屋集団としてまとまって仕事ができる、そういう組織を考えていただければと思います。
(松岡会長)
どうもありがとうございます。高橋委員さんからは、連携とか統合とかというようなことで、少しでも共通項があると一緒にしてしまうというようなことはちょっと乱暴過ぎるので、そういう考え方だけではいかないでほしいということ。
また、部と局のあり方ということで、私もよくわからないんですが、部の下に局があるんですか。部と局というのが、一体どういう関係にあるのか、あとで説明していただければと思いますが。その部と局のあり方を整理したらどうなのかというご意見でした。さらに住宅部の技術関連の職員を分けてしまうと、かえって職員の士気の向上とか、そういうようなことにかかわるのではないのかというご心配のご意見も出てまいりました。では部と局をちょっと教えていただけますか。
(藤森行政改革課長)
お手元の第1回のときの資料3に組織機構図の細かいものがありますのでご覧下さい。
(松岡会長)
資料3というのですか、前回の。
(藤森行政改革課長)
A3の縦長の、長野県機構図というのがございます。第1回審議会の資料3の2ページ、3ページのところに機構図がございます。今現在、部と局というのがございます。機構図の中で、一番左の部局のところをごらんいただきますと、今、部と局というのがございます。局では、危機管理局、それから企画局、それから一番最後にいって、会計局というのがございます。会計局と言いますのは、出納部門ということで、事業の執行部門ではないという意味で局という位置づけ、名前になっております。
危機管理局と企画局というのは、形とすれば部の下にあるというか、外局的な意味でございます。危機管理局は、先ほどの成り立ちのところでご説明しましたように、生活環境部にありました消防防災課というところが昇格をして局になっているんですが、今でも生活環境部の外局的な存在ということでございます。
それから企画局も、もともと企画室というところから出ているわけでございますが、これも総務部の外局的な、言ってみれば部よりも少しレベルというか、組織としてのレベルが下っているという、ちょっと表現が適切でないのかもしれませんが。
(板倉副知事)
若干、補足的に言わせていただきますと、いわゆる行政機関の組織の中で、部というのがいわば一番大きな単位になっているというのは、これはいわゆる府県の組織なんですね。これは地方自治法で部の数というのを基本的に決めていたものですから、部の上に局をつくるなどという発想は全くできなかったわけで、それで一部の県では、部の中に局をつくったりしたわけですね。したがって何とか部何とか局などという、国の人が見ると、わけがわからないと、どっちが偉いんだとか、よくわからないというような組織が一部できました。
それで国は、当然局があって、その中に場合によっては部がある。東京都なんかは、今でもちょっとあれが違いますので、これ局というのを置いているわけで、それでその下に部をたくさん置いてある。あとは市役所というのも、これは部制を引くところもありますし、大きなところは局を置いて、指定市はその中に部をまたいくつも置いているということで、かなり、いわゆる課長、部長、局長という3段になっている市がある一方で、県というのは、かなりシンプルな部の構成でずっときていたと。ただ、それではなかなか行政のいろいろな、新しい局面に対応できないというようなことがありまして、それで例えば環境部をつくるとか、何とか部をつくるというようなことがあって、やっぱり部はなかなか制限してもどうかなということで、今はその制限ははずれてしまったわけですね。
ただもともとそういうのがありましたので、やはり府県の組織、部の組織といういのは非常にシンプルにはなっています。ですから、それが多いの、少ないのといっても、かなり少ないレベルで、多い、少ないというのを議論しているようなところがあるかなという気がしております。
どなたかおっしゃっていましたけど、確かに例えば、では部を統合して、その部の中に別の部みたいなものをつくるのなら、ほとんどその実態はそんなに大きくは変わらないということになってしまうわけですね。したがってやはり統合するからには、やっぱり一体化させるという必要もあるでしょうし、一体化はどうしても絶対できないのであれば、そう無理にくっつけるというのもどうかなと。それならば、ちゃんとした部長さんに責任を持ってその行政をやってもらうということが、よりベターなんではないだろうかとか。いろいろ考える視点というのはあるのではないだろうかと。
ただ、本県の場合に、では部の中に、今はその局と言いましたけど、あれはもう事実上そういう形式論で部の中に局が置かれているだけの話であって、企画局とか、危機管理局というのはもう完全に部扱いをしておりますから、部の一つなんです、名前が局と言っているだけだというふうにご理解をいただいたらいいのではないかと思います。
(松岡会長)
これを部と直してしまってもいいわけですか。
(板倉副知事)
部にするには、条例改正をする必要があります。
(事務局)
事実上の取り扱いは一緒です。
(板倉副知事)
だから一緒だというとちょっとやや、何か条例を出さないで一緒にしているというのは問題ですけれども。もう必要があれば部にしてもいいぐらいの局であると。それはその条例改正さえすれば、条例改正の提案をすれば、おそらくそれは通していただけるだろうと、こういう意味でございます。
(松岡会長)
県民の皆さんもわかりにくいと思うんですね。局と部と・・・
(板倉副知事)
実際にですね。
(松岡会長)
国の関係と反対みたいで・・・
(板倉副知事)
だから場合によっては、この審議会の中で、何か部並みの局があるのはおかしいから、もう部に直すべきというご意見をいただけば、それはそれで我々の方でもよく考えたいと思います。
それと、次長を置くか置かないかというのも、今、私もここに来て、本当に次長のいない県なんだなということで、正直言って驚きました。というのは、やはりなかなか部長の責任が重いものがあります。相談相手がおりませんので。そういう意味では部長も厳しい立場で仕事をしている。そうなると、あんまりこう規模を大きくしてしまうというと、1人の責任範囲というのが広くなり過ぎるのではないかというようなことも、考えたりしていたわけなんです。ただ、そういう範囲内で、やれる範囲内であれば、やっぱり一人一人が責任を持ってやっていただくという今のシステムというのは、なかなかいいものではないのかなというふうには、私は見ております。それもいろいろまたご意見をいただいてということでございます。
(松岡会長)
どうもありがとうございます。
(市川委員)
その局の話だと、私はもう企画は部にしてしまった方がいいと思います。私が採用になったときこれは企画部です。それで今ちょっとお話がありましたように、勝手に部をつくれなかったわけです。部の数が制限されて、ほかの部ができてくると足りなくなるから、ではこれはその間、企画部がどこへ行ったかというと企画室になったんです、室にしてしまえということで。それで知事直属の機関にしまして、それをやる中で、そのうちに局になりました。その後いろいろな行政事情が出てきて、だから実質はもう完全に企画局は、ずっと前から部という扱いともう同等でやってきたんですよね。今だんだん制限が、そういうのはもう、総務省に協議して云々というのはもうないですので、もうそうなったらフラットで部にするのが一番いいと私は思います。
(藤原委員)
そういうことで県が意識しているならば、もう少し市町村にそういう説明を早くしておかなければ、この組織図はおかしいと思います。それは、市町村は、部と局は意識的にちゃんと格差をつけていると思います。ですから、それはしっかり機構図を決めてもらって、それで部なら部でちゃんとやってもらわなければ、これは紛らわしくてだめです。
(松岡会長)
というご意見も出まして、確かに紛らわしいです。市町村以外、県民から見てもどっちが上なんだか下なんだか、何か好みで出しているのか、よくわからないところがありましたので。以前、制限があったということで理解できましたけれども。島委員さん、どうぞ。
(島委員)
現在、今、討論されている部、局のあれとちょっとはずれるんですが。民間でよく使う組織編成というのがあるんです。うちの会社もそうなんですけど、いろいろな部門があるわけですが。例えば取引先と何か問題が起こった、あるいは県の場合だともう県民から来るありとあらゆる問題解決の仕組みはできていると思うんですね。でもその機能のあり方だと思うんです。私どもが使う手は、組織はいろいろありますが、そんなのを一つのところで全部解決できるなんていうことは、ほとんど不可能なわけです。そこでどういう手を使うかと言いますと、関係するような部門の人を何人か集めまして、さっと委員会をつくってしまうんです。そこで議論をして、そのことでパッと解決したらその委員会は解散なんです。いつでも自由自在にできるんですね。
(松岡会長)
先ほどのプロジェクトという話と同じことですね。
(島委員)
そういうことです。ですから、そういう柔軟的な組織編成の中で、できることはいっぱいあるんですね。これは確かに、今日いろいろお話が出ていますように、統廃合のことも大切です。それはそれでやっぱりしっかり議論すべきだと思うんですが。それに当てはまらない問題はいっぱい出てくるんですね。だからそういうふうなことも考慮の中に入れて、そういう組織編成をすれば、私はそんなに真剣に、真剣にというか、いろいろ難しい話をしなくても済んでしまうのではないかと。要は問題解決のあり方ですから、というふうに思います。
(松岡会長)
どうもありがとうございます。部局の再編を、今、議論しているわけですけれども、それだけでは、さまざまな問題に対応するのは非常に難しい、今の社会で。そうなると研究チームみたいなものとかプロジェクトだとか、そういうところで柔軟に対応していくようなあり方、それが今後より一層大事ではないのかというご意見だと思いますけれども。そんなようなことも、事務局の方で十分にお考えに入れていただければいいかなと思います。
それではいろいろご意見をいただきまして、終了が3時半とか、最初にございましたけれども、3時半をちょっと回ってしまいましたので、まだご意見はおありだというふうに思うんですけれども、次回委員会が今度何月でしたか。
(藤森行政改革課長)
次回は7月20日です。
(松岡会長)
7月ですか、また2カ月後にございまして、そのときにある程度、県の側でイメージというんですか、もうちょっとまとめて凝縮したような形で出していただければいいかなと思います。こんな資料が必要だというようなこともたびたびに出ましたので、それも加味していただいてご用意いただければと思っております。
(松岡会長)
それでは最後に資料5がございますので、外郭団体の見直し検証専門部会における議論の経過ということで、進捗状況をご説明いただけますでしょうか。
(藤森行政改革課長)
資料5の説明
(松岡会長)
どうもありがとうございます。それでは外郭団体の見直しの方も、今、ヒアリング中ということで、今月中にはヒアリングも終了して、その後、検討していただけるということで、おおむね当初の予定どおり順調に推移しているというふうに思われます。よろしくお願いいたします。今のご説明に対して、何かご質問、ご意見等ございましたら、承りたいと思いますけれども、いかがでしょうか。委員の皆様方、よろしいでしょうか。
ないようですが、もし気がついたことがございましたら、事務局の方にお電話でもメールでもしていただければありがたいと思います。
それではちょっと時間が延びてしまいましたけれども、本日の審議はこれで終了させていただきます。活発にご意見をいただきましてご協力に感謝いたします。ありがとうございました。
(小野主任企画員)
以上をもちまして、第2回の行政機構審議会を閉会させていただきます。長時間にわたりありがとうございました。次回は7月20日の午後に開催させていただく予定でございますので、よろしくお願いいたします。
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