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更新日:2017年4月28日

第6回長野県行政機構審議会議事録

開催日時 平成20年1月22日(火曜日)10時00分~

開催場所 県庁3階特別会議室

出席委員 松岡会長市川委員大西委員島委員髙橋委員中嶌委員

中村委員藤原委員鷲澤委員

県出席者 板倉副知事浦野総務部長藤森行政改革課長小池人事課長

 

1 開会

(事務局)

ただいまから第6回長野県行政機構審議会を開会いたします。委員の皆様にはご多忙中のところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日の審議会はおおむね12時終了をめどにさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

なお、茂木委員から、本日は所用のため欠席される旨を連絡いただいておりますので、ご報告申し上げます。

最初に配付資料のご確認をお願いいたします。第6回行政機構審議会資料というつづりと、現地機関見直し関係基礎資料の2種類の資料をお手元に配付しております。このうち、現地機関見直し関係基礎資料は、今後の審議会においても折につけご活用いただければということで、水色のファイルに別冊にしたものがお手元にあるかと思いますので、そちらの方をごらんいただきたいと思います。

それではこれより議事に入っていただきますが、進行につきましては、審議会条例第6条に基づき、松岡会長にお願いいたします。

 

(松岡会長)

皆さん、おはようございます。お久しぶりでございます。昨年は、大変お世話になりました。本庁の組織再編については、委員の皆様方に大変熱心にご議論いただきまして、まとめることができました。事務局の方々にもいろいろお世話になりまして、感謝しております。

本庁の再編については、ご存知のとおり、ほぼ答申どおり、本年4月から実行されるということになりました。ただ、健康福祉部に関しましては、2年後に設置するということは、既にご存知のことかと思います。

本日は、いよいよ現地機関の見直しの議論に移っていくことになります。本庁よりも少し時間がかかるかもしれませんけれども、またよろしくお願いいたします。

 

2 議事

現地機関の見直しについて

(松岡会長)

それでは早速ですけれども、本日の議事の概要と資料について、ご説明いただきますが、全部一遍にご説明いただきますと、ちょっと長過ぎると思いましたので、半分ずつに区切りまして、まず資料1の現地機関見直しの背景・必要性と、現地機関見直し関係基礎資料の部分を、事務局の藤森行政改革課長から説明をお願いいたします。

 

(藤森行政改革課長)

資料1及び現地機関見直し関係基礎資料について説明

 

(松岡会長)

どうもありがとうございます。それでは、今、ご説明いただきました資料1の現地機関見直しの背景・必要性と、こちらの冊子の方の基礎資料について、ご質問をまずいただきたいと思います。ご意見はまた後ほどということにしたいと思いますので、よくわからないというようなところがございましたら、お出しいただけますでしょうか。

 

(藤原委員)

土木部の技能と技術というのは、どういう差ですか。基礎資料の26ページですか。技能職員と技術職員と分かれているけれども、この違いは。

 

(藤森行政改革課長)

26ページの土木部の所別定数ということでございます。まず技能というのは技能労務職員、例えば道路の補修をする職員でありますとか、それから運転をする職員でありますとか、いわゆる現業の職員でございます。技術の職員は、設計をしたりする土木職員ということでございます。

 

(松岡会長)

よろしいでしょうか。

 

(藤原委員)

はい、いいです。

 

(松岡会長)

そのほかにございますでしょうか。たくさん現地機関があるということで、全部はなかなか把握しきれないというところがあります。特別になければ、また順次細かくやっていくことになると思いますので、それでは次の説明に移らせていただきます。次に本日の資料の2から8までですね。これにつきまして、説明をお願いいたします。

 

(藤森行政改革課長)

資料2から資料8について説明

 

(松岡会長)

どうもありがとうございます。それでは、今、資料2から順次、資料8までご説明いただきましたけれども、内容が非常に濃いので、とりあえず資料2のところに1、2、3というふうにございます。現地機関の統合等ということと、2番目が異なる機関の統合、3番目が県と市町村との共同化という、この3つの観点が出ておりますけれども。まず、この1、2、3という、そういうような順番で、後ろの方の資料も参考にしながらご意見をちょうだいできればと思います。

それではまず県内に複数設置されている現地機関の統合について、何かご意見ございますでしょうか、ご質問でも結構です。

 

(市川委員)

ちょっとだけ一つ聞いておきたいんですが。この基礎資料の33ページに関連して、理由だけ伺っておきたいんですけれども。下伊那地域に「ふるさと振興局」というのがあります。これはほかの地域にはなくて、下伊那地方事務所の管轄区域内に3箇所、ふるさと振興局があるようになっていますが、33ページの現地機関の合同庁舎等の地図のところです。これはほかの地域の広域にはないんですが、特別に何かここだけに置いてある理由と業務内容をちょっと伺いたいんですけれども。

 

(藤森行政改革課長)

ふるさと振興局は、要綱で設置をしているものでございます。下伊那の地域、非常に小規模な町村が多いということで、県としてもサポートしていかなければならないということから3カ所に、これは町村の役場の中に事務所を置きまして、県職員が1名ずつ配置をされております。業務とすれば、各町村間で共同化できるような業務、例えば観光でありますとか、そういった共同化できるような業務の共同化を県職員が一緒になってサポートをしていくということで、平成17年に設けたものでございます。

 

(松岡会長)

一覧の方にはないですね。これだと複数設置ということになりますでしょう。そこにはないですね。

 

(藤森行政改革課長)

基礎資料の現地機関の配置図には載せてあるんですが、先ほど言いましたように、実は県の組織は、条例や組織規則で設置をするのが基本でございますので、そちらを載せてあります。ふるさと振興局は、仕事の性格上、町村のサポート、町村と一緒に仕事をするという性格上、要綱にて設置をしております。地方事務所とは、組織的な性格や位置づけが違うということで、一覧には載せていないという状況でございます。

 

(松岡会長)

よろしいですか。

 

(市川委員)

これは下伊那だけの特例ということで設置しているということでしょうか。

 

(藤森行政改革課長)

特に小規模町村が非常に多いというようなところを考慮して、県としてもサポートしなければいけないという考え方で設けたものでございます。これは、もともとは下伊那の町村会から提案があって、こういったものをつくりたいということで県に提案があって、では県としてもサポートしましょうということでスタートしたもの、そういった地元からのご要望というか、ご提案があって、それに県が応じたという状況があるということでございます。

 

(松岡会長)

そうですか。他からは要望がなかったと。この基礎資料の2ページ、3ページ、4ページの一覧ということでご提示いただきました資料には入っていないという、要綱で設置されているものということのようです。よろしいでしょうか。

 

(市川委員)

ほかの市町村にはこれに相当するようなところは、この仕事はどこでやっているんですか。観光課とか、そういうところでやっているんですか。

 

(藤森行政改革課長)

ふるさと振興局は、各小規模な町村ができるだけ個別に対応するのではなくて、各町村が共同して対応してできるような業務を、県もサポートして一緒にやっていきましょうということで設けているものでございまして、基本的にはほかの地域では、郡部なり市も含めて、広域圏で一緒にやっているところもあるかと思います。先ほども言いましたように、下伊那については、町村会のご提案、自分たちはこうやりたい、それに対して県としてもサポートしてもらえないかということで、ご提案をいただいたところで設置をしたということでございます。したがって、ほかの地域はそれぞれの地域、もしくはその広域圏の中で、それぞれの町村で協力し合いながらやっているということではないかと思っております。

 

(松岡会長)

今回の検討対象となるという形で考えるんでしょうか。

 

(藤森行政改革課長)

もちろんご議論いただいて、特に課題としては挙げなかったのですが、ご議論いただくことは十分できると考えております。

 

(松岡会長)

わかりました。とりあえずそういうことで、現段階はご了解ください。ほかにご質問やご意見ございますでしょうか。

 

(中村委員)

現地機関の見直しせざるを得ない状況であるということは説明を聞いてよくわかるのですが、先ほどの業務説明を伺っていまして、現地機関というのは、県民の生活と結びついているところにあるだけに、組織のスリム化や効率化の中で、本当に考えていかなければならない問題がいくつかあるのではないかと思います。一番大きいのは、県民へのサービス低下につながらないような配慮、この視点を持って現地機関の見直しをしていくことが大事ではないかと思います。

そんな中で、ただいまの業務説明とあわせて感じたことなんですけれども、審議会資料の2の2番なんですが、異なる機関の統合等の中の検討例というところの2.に、農業改良普及センターと農業関係試験場というのがございます。私は女性問題にかかわったり、福祉にかかわったりする中で、農業改良普及センターが地元に果たしている役割はとても大きいと感じていますし、高齢化が非常に進んでくる中で、農村生活をどのようにするか、どう豊かにするか、どう安心して農村で住むようにするかということも含めて考えますと、ここを統合するのはちょっと難しいんじゃないかなという気がいたしました。

それからもう一つ、やはりスリム化、効率化を図っていく中では、私は市町村とのかかわり合いを、さらに密にしないと、これこそ県民のサービスの低下につながるんじゃないだろうかと思いますので、権限移譲などの問題もありますが、どう権限移譲して、どう運営するかという、つながりを考えていく必要があるんじゃないだろうかと思っております。

そんな意味で、少し資料の先の部分の話になりますが、具体的に現地機関をどう見直すかという中で、資料の8ですけれども、これから話が出てくると思いますが、本庁の見直しでは、大きくくくってそれぞれの分野で責任を持ち、きめ細かな対応をしていくこともできるんですが、現地機関の場合は、本当に密接に県民とつながっているだけに、その辺の配慮もしていく必要があると思います。その中の一つ、私は前から気になっていることがあります。

その一つというのは、この資料8のところで、農業大学校のあり方というのがあります。これ、今、松代と小諸にあるんですが、これは合併して運営することができないんでしょうか、これは合併してスリム化する方が、私はいいんじゃないかなと思います。というのは入学者が非常に少ないという中で、一緒になった方が職員数も減らし専門性も得られるんじゃないだろうかと思います。そして、やっぱり農業大学校の中で、私は、今、大学との連携が非常に進んでいるんで、専門的なものは信大の農学部等との連携の中で進めていくということで、見直していく必要があるんじゃないかと思います。わかる範囲のところで前から気になっていただけに、この点について一つ意見として申し上げておきます。

 

(松岡会長)

どうもありがとうございました。今、中村委員さんからいくつかの観点、県民の利用しやすさ、県民の立場でということと、市町村との関係、権限移譲の問題もございますし、あと具体的に農業改良普及センターの統合は難しいのではないかということ、農業大学校などはもっとスリム化した方がいいのではないかというご意見が出ました。事務局として、何かあれば。

 

(藤森行政改革課長)

農業大学校については問題意識としては持っているということでございます。

 

(松岡会長)

そうですね。今は具体的にこれをどうするかということについて、細かく議論できないと思いますので、委員の皆さんが持っていらっしゃる問題意識とかお考えをざっくばらんに出していただきたいと思います。ほかにございますでしょうか。

 

(島委員)

今、ずっとお話を聞いておりまして、いろいろなケースで地方分権の話が、全国的にも広がっているわけでありますが。やはり県が中心になって進めていかなければいけない内容、それから市町村の方に権限を移譲した方がいいケースといものが、この中には混ざっているような気がします。地域には地域の特性がありますし、限られた分野の中では、地域の特性を生かした運営の方が、地域の皆さんには評価される。今もいろいろなお話が出ておりますけれども。やはりそういう区分がまだこの中には含まれていると思います。県として、今ずっとご説明いただいた非常にたくさんの分野の中で、そういう地方分権、県の中の地方分権の考え方をお持ちかどうか、まず確認をさせていただきたいと思います。

 

(松岡会長)

では事務局の方でお答えいただけますでしょうか。分権ということですが。

 

(藤森行政改革課長)

当県の知事も、市町村が光り輝くということで、市町村が主役ということで、できるだけ住民の方々に身近なところでやっていただくということでは、市町村にできるだけ権限移譲をしていくということが必要だということは、それは基本であると考えております。

現在、地方分権については、国で地方分権改革推進委員会において、3年以内に分権の具体的な計画をつくると言っております。その中でも、やはり基礎的自治体、市町村を中心に据えるという基本的な考え方で具体的な検討がなされております。したがって、流れとすれば、市町村の役割がこれからも大きくなってまいります。先ほど言いましたように、福祉でありますとか、保健でありますとか、制度的に市町村に比重が移っているものがございますし、これからもそういう傾向は続くと思いますし、県としても、私どもが行っております権限について、市町村の方々と相談しながら、できるだけ権限移譲を進めていくということは、これからも引き続きやっていきたいと考えております。

 

(松岡会長)

基本的なスタンスはそういうことだということで、よろしいでしょうか。

 

(島委員)

また、いろいろな議論の中でお話ししていきたいと思います。

 

(大西委員)

基本的なことですけれども、資料を読んでみてわからないことがたくさんありました。例えば、今、中村委員がおっしゃったように農業大学校、おそらく2つあるからには違うことをやっていると思います。例えば、一方は何かで片一方は果樹だとか、異質のことをやっているんだと思いますが、現状をよく知らないので活字だけではなかなか理解しにくいと思います。

個人としては、今、小さな政府、小さな政府というけど、逆ではないかと思います。むしろ大きくまとめていった方がいいんじゃないかと考えています。小さな政府ということになると市町村に負担がものすごくかかってきます。それに伴って、経費もかかってきます。だから県としては節約できたけれども、そのおつりが市町村に行ったということになったらば、市町村は大変なんじゃないかなと思います。そういう点で、このスリム化をしていくというときにも、市町村に負担をかけない、そういうことが大きな前提ではないかと思います。県としては節約できたけれども、その負担が市町村に行ってしまったということのないようにしないと、まずいんじゃないかなと感じます。また細かいことはその都度お話しさせていただきたいと思っています。

 

(松岡会長)

どうもありがとうございます。今の視点もとても大事なことだと思います。県はよくなったけれども市町村が大変ということでは、これは長野県全体としては悪い方向に行ってしまいますので、その辺も、考えていかなければならないかと思います。そのほかにございますか。

 

(市川委員)

資料1と2で見直しの背景、必要性、それから現地機関の見直しの検討事項が出されていますが、基本的なスタンスは、了解できると思っております。先ほどからいろいろ出ていますように、今の流れとして、住民、市町村の市民から見ますと、身近なものはなるべく市町村のところで処理をするというのは、基本のスタンスです。福祉ですとか、健康ですとか、環境というようなものは、まず市町村のところでやっていくのがいいんだろうと思います。

それに関連しては、やっぱり長野県は10広域と10の地方事務所と言いますか、これは基本的には総合事務所的なウエイトが高いわけですけれども、地方事務所と保健所と建設事務所、これがベースになってくると思うので、これは広域と一体化、10広域連合、たまたま数が一致しているわけですけれども。これと一致していろいろなことが展開されていくのが一番いいんじゃないかと思っています。

ただ、長野県の場合は非常に小さな町村が結構多いわけです。そうなりますと、技術系の職員の確保の問題や、全体の効率化という観点から考えると、町村にとっては、なかなか対応できないというような問題が出てきます。それはやはり県がそれなりに、カバーということはおかしいですけど、その辺は整合をとりながらやっていく必要があるということが基本的なスタンスだと思います。

特に、私は県から市へ出てみまして思うことなんですが、長野市ぐらいになりますと、かなりのことを現実に市が行っておりますが、特に産業面、農業、商業、工業、こういう面になりますと、もうこれはどちらかというと県が主導でやっていただきたいというとおかしいんですが、もちろん市町村もその部分は対応しなければいけないんですけれども、その分野で専門の職員を抱えるということは、長野市ぐらいでもまず無理です。ですからそういうことを県全体でどう整合をとっていくのか、それを時代に合わせて、地方事務所に業務を統一する視点、それから市町村に統一する視点というのは、県で現在やっている業務の中でも県の現地機関を、でき得るものであれば住民サービスから考えると、地方事務所へなるべく統合するとか、そういう視点は必要なんじゃないかなと思います。

 

(松岡会長)

どうもありがとうございます。いくつか大事な点を指摘していただきました。ほかにはございますでしょうか。

 

(鷲澤委員)

感じていることをまず3つ申し上げます。

私はもともと、組織というのは基本的には、県は自由に県の組織をつくるべきであって、どうも条例で組織をつくるということに、前から引っかかっています。特に本庁の場合は別に条例でつくらなくても変えればいいではないのか、というのが私の基本的な考え方です。それは法令上はよくないらしいので仕方がないのですが、それが一つ感じていることです。組織はできるだけ自由であっていいのではないかということが一つ。

それから二つ目は、県民の要望というのはものすごく多様化していまして、それは大西委員がおっしゃったように、多様化しているものに対応するということになると、どうしても大きな政府をつくらざるを得なくなるという、そういう問題にもなっていきます。しかし、一方で今は小さな政府であることが求められています。これは政策の矛盾、もう根本のところで矛盾しています。ですから、これをどちらにするかというと、そう簡単に決められないという問題があり、悩みが多いというのが2番目の感想です。

それから3番目は、私はよく申し上げることですが、今、長野市も新年度予算の市長査定を行っていますけれども、大きな項目というのは、市長が査定すべきことはあまりないです。端的にいうと、国が決めてきたり、県が決めてきたりしたものを、そのまま私どもは受けることがほとんどです。ですから私がいろいろ聞いていて、査定ってどうするのと言ったら、そのままにしておいてくれと言うから、それはおかしいと言うんだけれども、大きな項目ほどそうです。介護保険問題も含めて医療などがそうです。要するに市長査定というのは査定にならないです。ただどのくらい市の財政の中から必要となってくるかという、そこの話です。私はそういう意味では、市町村で行える範囲というのは、大きな項目でいうとものすごく少ない。もっというと小さなことについて、実は市町村ではいろいろと行っているというのが、本音では私はあります。これが今までの感想です。

そういうことを申し上げた上で、私はこの現地機関について根本的なところで考えるべきことは、まず第1点は、それぞれの業務を担当するということよりも、地域マネジメントを考えるという視点をぜひ持っていただきたいということです。地域マネジメントというのは、あまり一つのことに特化していくというのではないということです。一つのことに特化していくことについて言うならば、先ほど市川委員が言われたような難しい問題がたくさんありますから、それは全県を一つにして行ってもらわないと困りますが、私は原則的にはその地域をマネジメントするという考え方に立って、現地機関の組織は考えていただきたいということが一つでございます。

そういう中で申し上げますと、今日もこうやって資料を見させていただいていますと、組織の中に偏りが随分あるように思います。例えば、農業関係の組織というのは、一体何でこんなにあるのかというほどあります。私は、農業の今の生産力など、いろいろなことを考えますと、こういうものはもっと統合しないと、マネジメントがみんなばらばらなんです。今、農業のことで一番足りないと感じるのは、マーケティングです。農業のマーケティングという点が現在の組織の中に見当たらないです。農業試験場や改良センターなどがありますけれども、農産物をどう売るか、どこへどのように売っていくのと、それが農家がもうかるかもうからないかという一番実は大事なところではないですか。その部分がないにもかかわらず、ほかのことをやっていると、私はそういう感じを、この今日の資料を見て思います。そういう意味では、地域のマネジメントという視点でいうと、根本的なところで少し考え方を変えていただかないとまずいのではないかと思っていることが、まず第1点です。

その次は、それに付随して申し上げるほうがいいことかもしれませんけれども、基本的に統合は善であるということです。これには、異論もあると思います。何でも統合していいのかという話になると思いますが、ただ感覚として、統合は善であると考えないと、私は合理化はできないと思っています。統合は善であるというのは、なぜそういうことを申し上げるかというと、市町村合併をして思いますが、やはり総合的な経費はものすごく減っています。ですからそういう面でいうと、私は統合は善であるという考え方に今は立って行うべきと思います。ただ、いつまでもそうやるかどうかは別で、また分けた方がいいよという時代も来るかもしれない。だけども今現在は、小さな政府を目指すのならば統合は善であるという視点をやはり失ってはいけないのではないかと思っています。

ただその場合に、非常に難しいのは、やはり県と市町村との役割の分担だと思います。県では一生懸命に権限を移譲するとおっしゃるけれども、現実は、実は移譲されると話題にでてくるものはあまり市町村にしてみるとほしくないような権限なわけです。それは、私は無理もないと思います。だからこそ私が申し上げているのは、広域連合と県の地方事務所をまとめたらどうかということです。実は役割分担を明確にするというのは、本当に難しい話です。なかなか明確に分けられない。合理的に申し上げますと、県の地方事務所と広域連合の事務所を一つのところでワンフロアで入れてしまうと。そこでみんなでやればいいではないかと思います。権限があるとかないとか、これを移すとか移さないとかという細かい話はそこでやっていればわかる話ですから、自然にやっていけばいいというぐらいのつもりで私は考えております。

私は、統合は善であるということと、その役割分担というのはなかなか簡単には分けられないと思って、そのことについては、広域連合と地方事務所を一緒にするという考え方で、その中で自然な流れの中でできていくのではないかと考えています。

いずれにしても現地機関の見直し、統合するということになると、藤原委員もおられますけれども、私は必ずいろいろなことで出てくると思います。地域に人がいなくなることにより地域の衰退が起こるのではないかという問題は、当然あると思います。それは、その仕事を、広域連合なり、地方事務所なら地方事務所の仕事を、それぞれの地域で行えるように、マネジメントという考え方に立って、そのところで行っていることを地域でやってもらえるような人間を、県と、そこの広域連合とを合同した地方事務所の中から人を地域へ出していくと。これは先ほどの南信のふるさと振興局のようなもの、見方によれば不公平ではないかとこういう話になりかねない話です。でも私はしようがないと思います。ただ、それを個々の町村に出すのではなくて、広域の中でそこへ県の職員を出して、そこでそれぞれ必要なところへその職員を回していくという発想で、私はいいのではないかと思います。

それからもう一つ、最後に申し上げなければいけないことは、この中には民営化した方がいい組織があると感じています。どれというふうに、今、何をと申し上げる準備をしていませんけれども、民営化すべきだということを感じます。ほとんど全部とは申し上げませんが、民営化するものが数多くあると思います。農業大学校はまさにそうではないかと思います。確認ですが、これは大学といっても大学ではないですよね。

 

(松岡会長)

専門学校ですね。

 

(鷲澤委員)

扱いは専門学校ですか。本当の大学にするのなら、民間で運営して大学にできないかと、専門学校であっても民間でできると思います。ここにある農業試験場とかそういうようなものも含めて、私は、ほとんどと言っては悪いけれども、民営化すべきだと思います。これが私の提言です。

 

(松岡会長)

たくさんご意見をいただきました。印象に残ったところを再度繰り返しますと、地域マネジメントという言葉が出てきました。その視点を現地機関の検討のときにぜひ入れ込んでほしいというご提言が一つ。それから、以前から鷲澤委員がおっしゃっています地方事務所を広域連合と一緒にして何とかできないんだろうということ。これは、いろいろな制約が多分あるかと思います。事務局では、鷲澤委員からお話が出ていましたので、検討も若干されているかもしれませんので、その辺もちょっとお伺いしたいと思います。最後に民営化というようなキーワードが出てきました。すべてを県の機関としてどうするかということだけではなくて、民営化ということも視野に入れながら、現地機関を検討したらどうかという、この3つがポイントだったと思います。

 

(鷲澤委員)

補足を一つだけさせていただきます。今の2番目の問題で、広域連合との地方事務所の統合というお話も言っていただいたんですけれども、これはもう現実の動きとして、税金の収納を広域でやろうという話が、出てきています。消防の統合についても、ここに副知事さんもおられますけれども、これも私が消防本部を4つにする案で、県では2つにする案と、どうもその辺がちょっと噛みあってはいませんが、いずれにしても統合しましょうという話であって、そういう動きでやらざるを得ない状況です。そういう部分で申し上げますと、私は広域連合でいろいろなことをまとめていくということも可能ですし、民間へ出すことも可能ですし、組織としては、私は何でもできる時代ではないかなと思っています。

 

(松岡会長)

では補足もしていただきました。県の事務局としては、ご回答とまではいかなくて結構ですけど、何かコメントなどございますでしょうか。

 

(藤森行政改革課長)

鷲澤市長ご提言の地方事務所と広域連合を一緒にするという、先ほどもちょっとお話ししましたけれども、税の収税でありますとか課税については、これから市町村との共同化というものを検討していくということで、具体的に動き出そうとしております。全体的なシステムの問題としてやるかどうかということは、私も聞いたところでは、市長会の中でもご議論いただくというようなこともございますので、そういった市長会のご意見もお聞きしながら検討していくものと考えております。

 

(松岡会長)

どうもありがとうございます。藤原委員さん、何か関連でございますか。

 

(藤原委員)

県が総合事務所制でいくというならば、一般的に言われる行政機関的なものは一緒に全部まとめて、ミニ県庁みたいなものにして、権限を相当譲らなければいけないと思います。権限が一緒に附帯してついて来るならば、ミニ県庁的なものが各地域にあればいいし、試験研究機関や大学などの専門性の高い機関は別としても、そういうものはなるべく1カ所にまとめてやれば、事務的なものは効率も上がるし、また調整機能も発揮するものです。ただ、県はそういう考え方でやっているけれども、市町村は、このほかに治安の関係で警察署の問題もありますし、国の直接の機関である社会保険事務所とか、そういうものがありますから、県の単純な考え方とはまた別の考え方を市町村は持っていると思います。

それからもう一つは、もっと難しい問題は、現在まで現地機関あったことの存在機能というのか、存在価値というものがあります。どんな施設でも県の現地機関があるというのは、住民に対して民生の安定、心理的な安定度を高めているわけです。それをどう解決するかというのは、また別の問題が出てくると思います。ですからその辺もしっかり考えて相当の説得力がなければ、どんな小さな所も廃止するには相当のエネルギーが要るということは覚悟してやらなければ、これは大変なことになると思います。

 

(松岡会長)

そういうようなお話も出ました。

 

(藤原委員)

それともう一つは、市町村の合併等によりまして、郡によっては県の機関が何もなくなってくるところがあるんです。南佐久もそうです。建設事務所があるけれども、佐久市にあって南佐久を管轄している。警察署は全然郡にないんですよ。それも南佐久警察署ということで佐久市にあるわけです。佐久市には市内に3つの警察署があるんです。だからそういう地域の適正配分というようなものも多少考えなければいけないと思います。そうなってくると、全く不適切な地域配分になる可能性もありますから、その辺の調整も図っていかなければいけないと思います。

 

(松岡会長)

今の例は合併によってそうなってきたということでしょうか。

 

(藤原委員)

はい。

 

(松岡会長)

市町村合併ということも頭に入れながら、現地機関をどのようにしていくのかということを考えなければならないというご示唆と承りました。

 

(藤原委員)

郡と10広域圏が存在する以上は、やはり地理的配分みたいなものを考えなければ、心理的に地域の皆さんが、それこそ限界集落に拍車をかけるようなことも出てくる可能性がありますから、この設置の状況によっては、そこら辺のところも考えながらやるべきではないかと思います。

 

(松岡会長)

わかりました。ありがとうございます。そのほかにご意見ありますでしょうか。

 

(高橋委員)

今日、現地機関の非常に幅広い、さまざまある現在の実態とか、あるいは課題をお聞きしました。私が感じたのは、やはり現地機関のそれぞれの仕事というか、現地機関のあり方をどう考えるのかということが一つなければいけないと思います。やはり県の仕事を、市町村の皆さんあるいは地域の住民の皆さんと一緒に現地で実行するというか、そういうものが現地機関の役割だと私は思っています。

ただ、現地機関の見直しの背景とか必要性とか、今日ご説明いただいた内容からいうと、他の委員からもお話がありましたように、やはり何か県の都合で現地機関を再編するんだというようなことが非常に強調され過ぎていて、鷲澤委員がおっしゃったように、地域における県のサービスをどういうふうに向上させるかとか、そういう視点も非常に重要なんじゃないかと思います。だから、今、お話がありましたように、人だけ減らしてしまって手薄になったような機能は、もう少し専門性を高めるために統合をして、専門性を高める必要があるというような、サービスが向上するような視点で考えるべきではないかと思います。

それとともに、本庁の統廃合の審議の際に、皆さんご議論いただいたように、あまり大胆なというか、大規模な部局の再編にならなかったということでは、現地機関も本庁の再編とやはりリンクするところはリンクする考え方が必要ではないかと思います。ですから、例えば社会部と衛生部を統合するということで言いますと、課題で出されていますように保健所と福祉事務所をどうするかとか、現地機関は数多くありますので、この審議会でどこまで検討するのかという整理をする必要があるのではないかと思います。

それからもう一つは、総合現地機関、地方事務所なりの課題で言いますと、田中知事の時代に、先ほど藤原委員がおっしゃったように、ミニ県庁的な組織をつくろうというような提案もありまして、条例も議会まで出ましたけれど採決されないいうような経過があります。ただ今後のことを考えますと、他県の状況からしても、市町村合併の進展により、むしろ地域振興局とか総合現地機関ではなくて、専門性を高めるような組織にしていこうというような動きもありますので、総合現地機関をどう考えるかということも集中的に議論できるような機会が得られればと思います。

どこまでやるかというのは、組織のスリム化ということでいうと、説明がありましたように、もうこれまでに1,200人も職員を減らしてきて、県は今後5年間で1,500人ぐらい職員を減らすという計画を昨年の段階でつくってあるんです。ですから、そのレベルでどういうふうに組織なりを考えていくということでいいのではないかという感じもしますけれども、今後の進め方ということで意見として申し上げさせていただきたいと思います。

 

(松岡会長)

どうもありがとうございます。高橋委員からは、県の都合で見直すというところがあまりに前に出過ぎているので、市町村のためになる、あるいは県民のサービス向上という視点をもっと前面に出して、検討していく必要があるのではないかというご提言がありました。とても大事な視点だと思います。また、どこまでこの審議会が検討するのかということについてご提言がありましたが、これを明らかにしておきませんと、非常に短時間でできる内容ではなさそうですし、その辺も事務局で案を次回に出していただければありがたいと思います。あと総合現地機関について、集中的に審議したらどうかというご提言もいただきました。

 

(中村委員)

鷲澤委員の新しい発想による現地機関の状況の見方には、賛成する面もあるんですけれども、民営化ということについて具体的な例で農業大学校の話が出てまいりました。私は今の農村の状況を考えると、農業大学校が民営化され、入学金がすごく高くなったりしたら、農業の担い手が育たなくなり、農村がつぶれてしまうんじゃないかという心配があります。だから県の体制として、長野県の農業をどう大事にするかというようなものが背景の中で盛り上がってこないと、すぐに民営化するのは無理かと思います。行く行く民営化されれば、専門的にいろいろなものを取り入れて、今、バイオの問題や農村加工の問題もありますし、それから食の安全性の問題もございますから、今の段階ではちょっと軽く言えないんじゃないかと思います。ちょっと反論だけさせていただきたいと思います。

 

(鷲澤委員)

あえて反論させていただきます。農業が、今、大変な状況にあるというのは確かだと思います。その一番の原因は、補助金など、国の政策の過大介入にあると思っています。ですから、根本的にはもっとやらなければならないことはいっぱいあると思います。それをお手伝いするという考え方で、農業大学校が、今、必要かもしれない。それでも、あえて申し上げているのは、民間でやった方がずっと効果のあるやり方ができると、私はそう思っているからです。例えばまた時代が変わって、やっぱり官で行わなくてはいけないというようなことも出てくるかもしれませんが、現在の状況としては、私は民間に任せていくべきだと、その方がより良いサービスができると思っています。

ですからお金の問題、例えば具体的に高いか安いかというのは、それは別の問題で、もしどうしても安くなければだめだということになれば、県が補助を出すという方法もあるわけです。ですから、私は民間の発想で民間の運営でやる方が、私はうまくいくと思っています。

 

(松岡会長)

そのことについては今日はこのぐらいにしまして。今、例えばということで農業大学校の話がでてまいりましたが、農業大学校を民営化するという意味ではないと思います。民営化の視点も頭に入れて考えて、できなければできないかもしれないし、でも全くそれが頭にないということではなくて、それもあり得るというようなことでご提案くださったと思っております。

それでは時間が迫ってまいりまして、ぜひ一言という委員さんいらっしゃいましたらお伺いしますけれども、よろしいでしょうか。

それでは、今日、いろいろなご意見をいただきまして、次回、どのように進めたらいいのかというようなご提言もちょうだいいたしました。基本的には、この審議会でどこまで検討していくのかというところが我々に見えてきませんと、議論がスムーズに進みません。非常に細部にわたってやっていくのか、大枠で考えていくのかどうかという、そのあたりも含めて、どの辺まで検討していくのかというのを、次回、明確にしていけたらと思っております。

その場合に、本日、いろいろなキーワードを出していただきました。ぜひ考慮すべきこと、また県のご説明、事務局の説明で若干抜けていたような発想などもございますから、そういうものも入れ込みながら、次回、検討をさらに深めていきたいと思っております。

それでは最後に、審議会資料9、民間協働専門部会について、事務局から説明をお願いいたします。

 

(藤森行政改革課長)

資料9について説明

 

(松岡会長)

どうもありがとうございます。何かご質問ございますでしょうか。民間ということで、今こちらの方でも議論が出ましたけれども。専門部会の方で、今は病院ですね、病院を中心にご検討いただいているということです。病院が済みましたら大学、あと試験研究機関ですか、そちらの方に検討が進んでいくということでございます。質問は特にございませんでしょうか。それでは専門部会の様子も参考にしながら、こちらも議論していきたいと思います。

それでは本日の審議はこれで終了させていただきます。ご熱心にご議論いただきまして、どうもありがとうございました。

 

3 閉会

(事務局)

それでは、次回、第7回審議会になりますが、3月25日の午後1時30分に開催させていただく予定でございます。よろしくお願いいたします。

以上をもちまして、第6回行政機構審議会を閉会させていただきます。長時間にわたりありがとうございました。

お問い合わせ

総務部人事課

電話番号:026-235-7137

ファックス:026-235-7395

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