諏訪湖における過去1万6000年間の水位変動を解明
―諏訪湖の水位、世界的な気候変動に応答した可能性―
長野県環境保全研究所は、信州大学との共同研究により、諏訪湖で掘削された堆積物コアを用いて、諏訪湖の過去1万6000年間の水位変動を解明し、気候変動との関連を明らかにしました。
本成果は、2024年4月12日付で学術誌「Geomorphology」にオンライン掲載されました。
研究の概要
- 最終氷期末(約1万6000年前)以降の諏訪湖の水位変動を解明しました。
- 諏訪湖で掘削された堆積物コアを調べたところ、諏訪湖の水位は数百~数千年ごとに上昇・低下を繰り返していたことが明らかになりました。
- 約1万2000年前と8000~7000年前には大きな水位低下が生じました。この時期は世界的な寒冷期にあたり、東アジアで乾燥化がすすんだタイミングと概ね一致しています。そのため、これらの水位低下は降水量の減少に起因すると考えられます。
- 本研究は、中部日本の内陸湖の水位変動が、世界的な百~千年スケールの気候変動に応答した可能性を示します。
研究の意義
- 本研究の成果は、現在~将来の気候変動により、日本列島の内陸湖の環境がどのように応答するのか、百~千年スケールで予測していく上で重要な知見になると考えられます。
詳細は、別紙(共同プレスリリース資料)をご覧ください。
その他
- 本研究は、(公財)アサヒグループ財団、(公財)河川財団、(公財)住友財団、およびJSPS科研費(20K04104,18KK0096)の支援を受けました。
- 掲載論文(英文要旨)のURLは以下
https://doi.org/10.1016/j.geomorph.2024.109194(別ウィンドウで外部サイトが開きます)