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知事会見(平成25年(2013年)1月18日(金曜日) 11時00分~11時40分 県庁:会見場)

項目

知事からの説明

  1. 部局長会議を開催、「ワインフォーラムinNAGANO」の開催、災害時における協力に関する協定の締結について

取材者からの質問

  1. 県立大学の4年制化について
  2. 国の「地方公務員給与引き下げ及び地方交付税削減方針」について
  3. 冬の観光誘客について
  4. 国の生活保護支給額の見直しについて(1)
  5. 国の生活保護支給額の見直しについて(2)

配布資料一覧

■ワインフォーラムinNAGANO(PDF形式:1.85MB)
■災害時における協力に関する協定の調印式を行います(PDF形式:76KB)

本文

知事からの説明

 1 部局長会議を開催、「ワインフォーラムinNAGANO」の開催、災害時における協力に関する協定の締結について

長野県知事 阿部守一
 それでは1月18日の会見を始めさせていただきたいと思います。
 まず冒頭、昨日県立高校で男子生徒が女子生徒に刃物で切りつけると、けがを負わせるという大変重大な事故が起きてしまいました。学校は、本来安心して子どもたちが学業に、スポーツに、励める環境であるべきでありますけれども、こうした事態が生じてしまったこと、私としても大変残念に思っているところであります。まず、けがをされた生徒、そしてそのご家族の皆さまに心からお見舞いを申し上げたいと思いますし、一日も早く完治されることを強く願っております。また、教育委員会には被害を受けた生徒、そしてその保護者の皆さんへの対応をしっかりと、まず第一に行ってもらいたいとお願いしました。併せて、今回の事実関係、十分把握をしてもらうこと、さらには生徒全体、いろいろ不安感を持ったりする部分もあると思いますので、しっかりとですね、心のケアをしてもらうようにお願いを致しました。このことにつきましては、この後引き続き、今日教育委員会から会見をする予定でございます。本当にですね、学校でこうしたことが起きてしまったこと、繰り返しになりますけれども、大変残念な事態であります。しっかりとした対応をですね、教育委員会、そして学校において取っていっていただきたいと思っています。
 それから、今日、皆さま方へは大きく三つお話をしたいと思います。まず一つ目は、部局長会議の報告であります。本日の部局長会議、県警本部から犯罪情勢、交通事故の発生状況についての報告、それから「楽園信州ファンクラブ」ファンの集いの開催について、それから、日本総研が行った「幸福度ランキング 日本で一番いい県 都道府県別幸福度ランキング」について、長野県が総合で1位であるという報告がありました。事故、交通事故、あるいは犯罪件数が減少をしているということは大変喜ばしいことだと思っています。警察官の定数についても、また来週、増やしてもらうように警察庁にも要請に行く予定にしておりますけれども、引き続き、県民の安全・安心という部分をしっかりと守ってもらうように警察、現場の第一線の警察官も含めてですね、取り組んでいってもらいたいと思いますし、私の立場でもですね、警察の取り組みに対して、しっかりとサポートしていきたいと思っています。また、日本総研のデータ「日本で一番いい県」、長野県1位ということは、私も新年の祝賀会等でも何回か紹介をさせていただきました。いろんな指標の取り方があるわけでありますけれども、今回、長野県が1位、東京都が2位という部分は、実は私としては、結構重要ではないかなと思っています。いわゆる大都市圏以外のところが上位を占めているデータだと、どうしても指標の取り方として、地方に有利な指標ばかりではないかという形で批判される部分があるかと思いますけれども、今回ベスト10に東京、あるいは神奈川県が入っているわけであります。そういう意味で、決して地方だけが有利になる指標ではない中で、長野県が総合1位という形になっているということは、大変ありがたい、うれしいことだなと思っています。ただ、これは指標、いろんな取り方もあるわけで、これに甘んじているわけにはいかないわけでありますので、さらに本当に県民の皆さんが長野県の暮らしの良さというものを、さらに実感していただけるような取り組み、そして長野県以外の方から見たときに、長野県は本当に暮らしやすい、仕事をしても働きやすい、そういう県であると思っていただけるような取り組みをさらに進めていきたいと思っております。新しい中期計画もスタートさせますので、そうした中で、さらに評価が上がるように頑張っていきたいと思っています。それから、そのとき併せて私の方から田舎暮らしの本で、4年連続長野県が移住したい県トップだという紹介もさせていただきました。上位3県、長野、千葉、静岡という形でありますけれども、長野県は、ある意味でこの田舎暮らしの本が行っている調査では、ずっと1位の座を占めてきているということで、移住促進については、これから県としてもさらに力を入れていかなければいけないと思っていますが、ますますこのランキングが不動のものになるように取り組んで行きたいと思っております。長野県は地理的にも少し優位な点があって、関東圏、中京圏、関西圏、いずれからも支持をいただけているという部分が他の地域に比べれば有利な点だろうと思っています。ただ、関東圏から見たときに、長野県は必ずしも1位になっていないと。千葉、静岡、長野の順番になっていますので、こうしたこともよく分析してですね、これからの移住施策に役立てていかなければいけないと思いますし、関東圏がまだまだ3位ということは、私は掘り起こす可能性が高いと思いますので、さらに攻めの姿勢でですね、この移住施策、取り組んでいきたいと思っています。
 それから、大きく2点目でございますけれども、「ワインフォーラム in NAGANO」の開催についてのお知らせでございます。来る1月22日にワインフォーラムをホテル国際21で開催致します。長野県、今、国内でのワインの品質、それからワイン用のブドウの生産、いずれも日本の中で、第一の地位を占めているわけでありますけれども、しかしながら、必ずしもですね、県民あるいは全国での認知度が、その実態に伴っているかというとまだまだそうではないんじゃないかと。例えば、お隣の山梨県はワイン・ぶどうというイメージが非常に強い県でありますので、そうした地域と比べると、長野県産のワインの発信は、まだ私は弱い、弱いというのは、本当の実力に伴った評価をまだまだされてきていないじゃないのかと思っています。そういう意味で、長野県のワインのブランド化をさらに進めていかなければいけないと思っておりますが、ワイン、ぶどうの栽培・醸造、そして販売、いろんな関係者がいるわけでありますので、ワイン関係者の意識の統一を図って、一体的な取り組みを今後進めていきたいと思っています。そうした取り組みを進めていく上で、今回のワインフォーラムでしっかりと意識統一をしていきたいと考えています。昨年から研究会を設置して、県産ワインの振興構想の検討を進めてきておりますので、その原案について、このフォーラムの場で発表していきたいと思っておりますし、県産ワインのオフィシャルサイトをプレオープンさせていきたいと思っております。パネルディスカッションでは、玉村豊男さんをコーディネーターとして、ワイン協会の塚原嘉章理事長、それからワイン専門誌「ワイナート」編集長の小松由加子さん、それから私の3人がパネリストとして参加をさせていただいて、「長野県をワインバレーに ~世界が恋する、NAGANO WINE~」をテーマに、ディスカッションしていきたいと思っています。また参加者の皆さま方には、パネルディスカッションの途中で、県産ワイン、そして県産チーズ、ジビエをテイスティングしていただく予定にしております。ワイン関係者を参加者ということにしておりますので、参加申し込みはすでに締め切っているところでありますけれども、ぜひメディアの皆さま方には積極的に取材をしていただいて、この県産ワインの情報発信に協力をいただければありがたいと思っております。県産ワイン振興キックオフイベントという位置付けでありますので、ぜひ皆さんのご協力・ご支援をお願いしたいと思います。
 それから3点目でありますけれども、災害時における協力についての協定締結を3団体と新たにしていきたいと思っております。1月24日に調印式を行いますが、長野県石油商業組合、それから長野県LPガス協会、さらには全国木造建設事業協会、この3者の皆さま方と協定の調印を行います。石油商業組合の皆さま方とは、災害時の応急復旧活動に必要な石油関係の燃料供給についてご協力いただくものであります。また、LPガス協会の皆さま方には、災害時のLPガスの緊急点検、あるいは供給についてご協力いただきます。木造建設事業協会の皆さま方には、応急仮設住宅を建設する際に県産材を使って木造の仮設住宅を建てることについてご協力をいただくものであります。災害時の対応は、行政だけでは、なかなか進まないわけでありますので、多くの関係者の皆さま方の力の中で、いざ災害という時に、安心・安全な長野県、しっかりとした対応ができる長野県を作っていきたいと思っています。今回3団体の皆さま方にご協力をいただけるということは、大変ありがたいことだと思っております。これまでも民間団体と災害時の応援協定を締結させていただいておりますが、今回の調印で121団体125協定という形になります。ぜひ、大勢の皆さま方の災害時の応援をこれからもお願いしていきたいと思っています。私の方からは以上でございます。よろしくお願い致します。

取材者からの質問

 1 県立大学の4年制化について

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 一つは、県短大4年制化の関係なんですけれども、昨日、県内の私大の学長さん等が集まって、県側で今、素案発表後に検討されている見直しについて、意見が交わされたようで、中身については競合する部分もあるということで、必ずしも賛同が得られるような状況ではなかったようにみているのですが、今の見直しの状況について、お話を知事の方でできることがあればお伺いしたいのと、私大側とどのような対話をとって、高等教育全体についても、どういった話を進めていきたいか、その辺の話を聞かせてください。

長野県知事 阿部守一
 はい。構想についての取りまとめをしていかなければいけない段階で、県立大学の検討を進めているわけですけれども、まず、パブリックコメント等でさまざまなご意見をいただいてきているわけですから、そうした意見に対して、幅広く真摯(しんし)に対応していくことが重要だろうと思っています。そういう中で、県内の私立大学の皆さんのご意見も、しっかりと承って、その上で対応を決めていくことが大変重要だと思っています。高等教育、長野県の大勢の大学進学者が、県外にほとんど行っているという現状があるわけであります。新しい中期計画の案の中にも、政策推進の基本方針として、「「人」と「知」の基盤づくり」を3つの柱の中の1つに位置付けているわけでありますけれども、私は教育全体、いわゆる今まで県が取り組んできた高校であったり、あるいは義務教育であったり、そういう部分だけではなくて、高等教育の振興ということもしっかり行っていく必要があると考えておりますし、高等教育の振興がまた初等中等教育にも影響してくると、あるいは産業の活力にもつながっていくと確信をしております。そういう観点で、4年制大学の今後の在り方を進めるに当たっても、県立の4年制大学だけが発展すれば良いという発想では私は全くなくて、長野県の高等教育全体が振興する形を併せて考えていかなければいけないと思っています。そういう意味で今、経済界それから大学関係者の皆さま方と一緒になって、高等教育の在り方を考える場を作りたいと思っておりますので、そうした取り組みをしっかり進める中で、長野県は教育県ではないと思っている方が増えてしまう残念な状況でありますけれども、義務教育、高校教育そして職業教育、さらには高等教育も含めて全体としてしっかりバランスの取れた教育県になるように私としては努力していきたいと思っています。そういう中で県立大学の話も考えていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 県立大学の基本構想については、年内には必ずしもこだわらないということで丁寧に議論するということだったと思いますが、目下、構想をまとめていく目途みたいなものを現時点で知事が例えば年度内とか持っていらっしゃるのか。

長野県知事 阿部守一
 これはいたずらに時間をかければいいというものではないと思いますが、反面、先ほど申し上げたように、パブリックコメント等でも非常に幅広いご意見をいただいているわけであります。大学関係者の皆さんのご意見も今伺っている最中でありますから、そうしたものをしっかり反映させていくという時間も取らなければいけないと思いますので、何度も申し上げていますけれども、広く大勢の皆さんに理解がいただけるような形、そして単に理解いただける形のみならず、50年後100年後、こうした設計をして良かったと評価されるようなものを目指していきたいと思っています。

 2 国の「地方公務員給与引き下げ及び地方交付税削減方針」について

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 国の方で、来年度について地方公務員の給与削減をはらんだ交付税削減についての方針はこの前6団体に対しても説明があったし、そうした方針を固めたというような報道も出てきていますけれども、改めてになりますが、地方側としてこの件についての知事としての立場をお伺いしたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 ひと言で言えば、いろいろ問題が多いのではないかと思っています。とかく給与とか、職員数の話、私もかつての自治省で公務員部というところに在職しておりまして、地方公務員の給与とかですね、定数とかですね、そういう部分に多く関わってまいりましたが、国が進んでいるとか、地方が進んでいるとか、そういう類いの議論にどうもここはなりがち、しかも本来の議論とは別の財政的な話が絡んで、そういう議論になることが国と地方の間では今回に限らずですね、これまでも潜在的には私は随分あったのではないかと、今回みたいなクリアな形はあまりないかも知れませんけれども、水面下ではそういう議論は国と地方の間では必ずですね、起きてきているという実情があります。地方の側からすれば、私はやっぱり行革努力を本当に国は今までしてきたのかと、正直思っていますし、いろんな規制をまだかけているわけですよね、こういう職員を置かなきゃいけないとかですね、地方はある程度自由を束縛されながらも、行革をやってきているわけでありますが、ある意味で逆に国は地方から制約をかけられてないので、そういう意味ではフリーハンドの状況の割には、行革できていないんじゃないのと、地方分権も本気で進める気あるのということは多くの地方公共団体関係者が思っているところでありまして、そういうことに対しての何らの、今回震災で2年間、時限的に7.8パーセント給与カットをしたと、それでラスパイレス指数が、表面上はですよ、逆転しているということだけを持って、そんなに強い姿勢で本当に地方に迫るというのが正しいやり方なのかというのは、私は大いなる疑問を正直持っています。加えて、地方交付税の削減ということに結び付けるというのは、地方交付税は地方の財政需要を確保するための制度ですから、別に国の意向を地方公共団体に強制するための手段ではないわけでありまして、地方交付税の本来の在り方という観点からもですね、さまざま議論があるところだと率直に思っています。もちろん国と地方の関係は、ある意味で、例えば国家公務員に準じて対応しなければいけないと法律で記載されているところもありますから、全く無関係でいいということにはならないわけですけれども、しかしながら、もう少し制度的な側面まで深く思いを致して、国も地方も本当の意味で、国民のため、住民のために働く組織でありますから、一緒になって行革に向かっていけるような工夫をですね、政府もしてもらう必要があるんじゃないかなと率直に思います。

 3 冬の観光誘客について

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 あとすいませんもう一点、冬の観光の誘客の関係で、特にスキーに関してなんですけれども、昨年は震災の反動もあって多少上向いたとはいえ、中長期的には下落傾向というのは変わっていない中で、観光部の方でもいろいろ施策を打っていると思いますけれども、スキーを中心とした冬の誘客に関しての、知事としてどのような点に力を入れていきたいか、どんな点がポイントになるか、その辺の見解をお伺いしたいなと思っています。

長野県知事 阿部守一
 今年は雪の降り始める時期が早かったので、スキー場も昨年に比べると早めにですね、お客さんにお越しいただけているという状況もあるわけでありますが、他方で笹子トンネルの事故もあってですね、影響も受けているスキー場もあるということで、いろんな報道等ではスキーも少し人が戻ってきているのではないかということも言われていますので、ぜひこの機会にですね、スノーリゾートとしての信州をしっかり発信をしていきたいと思っています。今年は信州全体としてはファミリースタイルということで、家族で楽しんでいただこうというPRを積極的にさせていただいているところでありまして、私自身も年末年始は家族でですね、子どもも連れて何度かスキー場に行かせていただいて、人に来てくれと言いながら自分が行かないわけにはいかないということもありますし、私もたまにはリフレッシュをさせてもらいたいということで、スキー場に行かせていただいて楽しませていただいていますけれども、本当にスノーリゾート、スキーというのは、まだまだこれから私は可能性がある分野だと思っています。国内では全体の人口が減っていくわけですが、海外はまだまだ、中国にも私も伺いましたけど、中国なんかまだまだスキー人口がこれから増えていく段階でもありますから、海外からのインバウンド等も含めてですね、長野県がスキー振興、スノーリゾートとしての地位がしっかり確立できるような取り組みを進めていきたいと思っています。

 4 国の生活保護支給額の見直しについて(1)

長野朝日放送(abn) 草田敏彦 氏
 生活保護の支給額の見直しが、今、進んでいますけれども、その支給水準を引き下げていくという方針について、知事は現段階ではどうお考えでしょうか。受給者への影響などについても、お考えを聞かせていただきたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 それは、ちょっと私は詳細を、今、把握していないのですけれど、どこまで議論が進んでいるのですかね。

長野朝日放送(abn) 草田敏彦 氏
 段階的に今の支給水準よりも引き下げていくと、要するに不公平感を無くしていこうという背景があると思うのですけれども。

長野県知事 阿部守一
 生活保護費がどんどん増大していくという状況に、いろんな形で歯止めを掛けていかなければいけないのではないかという問題意識は共有したいと思います。ただ、生活保護の問題は、生活保護費は上げるか下げるかということだけではなくて、そもそも生活保護を受けざるを得ないような状況の人たちが増えてしまう状況をどう食い止めるかというところが一番重要な視点だろうと思います。長野県は今回の中期計画の中でも雇用と社会参加の話は力を入れてやっていかなければいけないと思っていますけれども、まず生活保護の金額を減らすということだけではなくて、総体としての働く場の問題をどうするかとか、あるいはいろんな困難を抱えている方たちに少しでも社会参加をしてもらうにはどういうことができるのかということと、私は併せて考えていくべきものと思っています。先般、国にパーソナルサポートセンターの支援の継続を要請させていただきましたが、長野県パーソナルサポートセンターで、今まで一度も就労できなかった方が一般の就労に結び付いたというような事例もできているわけであります。そうしたサポート無しに、放置しておけば生活保護を受けざるを得ない方々も大勢いる中で、生活保護費の水準の議論だけをしていれば、私は社会全体がもっともっと活力が無くなってしまうのではないかと思いますので、少しでも、お年寄りでも、障害者でも、あるいはいろいろな病気を抱えている人でも、少しでも社会に参加して働けるそういう環境を作っていくということと、ぜひセットで国においても考えていただくという必要があると思っています。

 5 国の生活保護支給額の見直しについて(2)

日本放送協会(NHK) 梅村洋次 氏
 今の生活保護の関係で、補足でお伺いしたいんですが、おとといの厚労省の専門家会議で、要は公平感、世帯数が特に多い世帯が受けているという給付水準というのが、一般的に生活保護を受けていない世帯よりも多いというのが不公平感があるということでそこの見直しを進めていくと明確に大臣も方針を言っているんですけれども、このことについて知事はどういうふうにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 生活保護を受けている家庭と受けていない家庭の収入が逆転しているという、そういうことなんでしょうか。

日本放送協会(NHK) 梅村洋次 氏
 そうです。そういう逆転現象が一部であると。それを改善したいということで、それを今後法律改正してですね、やっていこうということなんですけれども。その点についてはどういうふうにお感じですか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。そこだけ切り取れば、不公平を解消するべきだという話になるんだろうと思いますけども、もう少し違った見方をすれば、そうするとどんどん格差が広がって、働いても働いても収入が低い人が増えれば、どんどんそれとパラレルで生活保護水準を引き下げると。健康で文化的な最低限度の生活を保障しますという日本国憲法がある中で、単純な比較だけで良いのかっていう部分はよく考えていかなかなければいけない部分があるんじゃないかなっていうのは、ちょっと私具体的な見直しの中身が分からないですけれども、今のお話を聞く限りでは、確かに目先の不公平感の解消は取り組むべきものだと思いますけれども、そこだけの、さっきも言いましたけども、雇用の問題とか、全体の話を抜きにそこだけにフォーカスして、議論していくべきものかどうかというのは慎重に考える必要があるんじゃないかというのは私の感覚としてはありますね。先ほども申し上げたように、パーソナルサポートセンターで30数歳まで、今まで一般就労できなかった方を一般就労に結び付けたような事例もありますので、やっぱりそういう部分にもっと力を入れていく、そして働いている皆さんが本当にしっかり真面目に働けば、生活を行っていける、暮らしが安定して維持できると、そういう社会を目指すことと並行で論議されるべきものじゃないかなと思います。

長野県知事 阿部守一
 はい、じゃあよろしくお願い致します。

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