ホーム > 長野地域振興局 > 組織の概要 > 総務管理課 > 長野地域のNPO法人の活動を紹介します > NPO法人信州・川中島平ファクトリー

ここから本文です。

更新日:2023年2月7日

長野地域振興局

NPO法人信州・川中島平ファクトリー

~信州旬の味で、地域ブランド作り~

法人データ

名称

NPO法人信州・川中島平ファクトリー

設立

平成23年3月4日

所在地

長野市里島76番地2

HP

http://npo-skdf.com/(外部サイト)

お話しをお聞きした方

「NPO法人信州・川中島平ファクトリー」理事長:宮崎愛子様/専務理事:宮﨑由紀美様

商品の数々

(商品の数々)

「川中島白桃」発祥の地、長野市川中島地区で、地元の農産物をジュレなどの加工品にして販売を行っている「NPO法人信州・川中島平ファクトリー」。

地域資源を活用した新しい取り組みが評価され、平成25年度長野県「地域発元気づくり支援金」知事賞を受賞しています。

川中島の事務所及び工房を訪ね、理事長の宮崎愛子様、専務理事の宮﨑由紀美様にお話しを伺いました。

法人設立に至った経緯

長野市川中島地区は、「川中島白桃」発祥の地であり、現在も原木が存在するだけでなく、実も結びます。しかし、農家の高齢化は深刻であり、後継者不足による桃畑の宅地化が進んでいました。

平成26年度川中島白桃収穫ツアーに於いて、川中島公民館での試食会

(平成26年川中島白桃収穫ツアー:川中島公民館での試食会)

伝統と歴史のある「川中島白桃」を守れないと危機感を持った地元有志により、平成20年「白桃の里プロジェクト」を発足。

川中島住民自治協議会主催の「原木を巡るツアー」への協力をはじめ、規格外や捨ててしまう桃を減らすため、川中島白桃のジャム作りを始めました。

その後、非営利活動法人の法人格を取得し、地元農産物の加工・販売を柱に、農家支援を目的として、地域住民が自分たちの手で地域の資源を守ろうと、平成23年「信州・川中島平ファクトリー」を設立しました。

活動内容

地域の農産物をジュレ、ジャム、コンフィチュール、ドライフルーツへ加工

産地工房でドライフルーツ用の加工作業

(産地工房でドライフルーツ用の加工作業)

長野の地で地域産商品を作りたいと、平成23年産地工房を立ち上げます。

「川中島白桃」などの桃や、林檎、ラ・フランス、ぶどう、杏などの農産物を直接農家から買い取り、ジュレ、ジャムの加工を始め、かけ合わせが面白いミックスジャムのコンフィチュールや、現在ではドライフルーツなども加工しています。

原料となる農産物の基準や提携農家

原料となる桃

原料は、川中島地区及び近隣の農家から季節ごとに木で熟した農産物を購入しています。

農家が意欲的に栽培を取り組めるよう、加工に適した良質な農産物を出来るだけ高く買い取り、また例年買い取り値を変動させず農家の収入安定を目指しています。提携農家は年々増え続けており、現在は35農家を抱えます。

平成25年に国土交通省観光庁が主催した「世界に誇る究極のおみやげ」に選出された際も、全国の有名目利きに「長野の農産物が持つポテンシャルは高い。」と言わしめました。農産物への評価が高いことから、活動に参加したいと希望する農家が増えているそうです。

たとえば桃の場合、加工しても食感が失われない固さで、しかも木で完熟し糖度がのった桃だけを使用しています。

年々農家の商品に対する思いや意識が向上しており、「もっといい農産物を作らないと自分たちのプライドが許さない。」と考えてくれる農家が増えています。

川中島白桃をはじめ、こだわりの加工品

素材そのものの「うまみ」を確実に引き出せるように、手作業で加工を行っています。

川中島白桃ジュレ、ジャム

(川中島白桃ジュレ&ジャム)

桃の中でも、8月下旬から9月初旬と収穫期が短い「川中島白桃」をジュレで優しく包んで瓶詰したのが「川中島白桃ジュレ」です。

新鮮な桃の美味しさが最大限に引き出せるように、日々変化する桃の糖度に合わせその都度調整し、瓶の中で二か月かけて熟成していきます。

木で熟した果実のみを使用しているので、桃本来の甘さと果肉の歯ざわりが生きているのが最大の特徴です。都市部を始め、全国へ、長野県が誇る果物本来の良さをアピールできる商品です。

農家間の勉強会

「信州・川中島平ファクトリー」では、農家間のネットワークを構築していくことで農作物の品質や地位の向上をめざそうと、桃農家を中心に、林檎、ブルーベリー、銀杏などの農家間をつなぐ勉強会を年数回開催しており、農家以外にも、住民・販売・行政・メーカーなど様々な業種の方が積極的に参加しています。

農家が作りたいものや販売を行う中で、消費者が本当に欲しい商品や農産物は何なのかを話し合い意見交換をして、売り込むべき商品を明確にしています。

また、パティシエ自ら畑に出向くのも「信州・川中島平ファクトリー」の特徴です。パティシエは、実際に畑を見て農家の方と話し合いながら、農産物の作り方についてアドバイスをしています。

新商品の開発と地域へ伝える使命

一年で数点新商品を開発し、発表を行っています。果物だけでなく、ここ数年は野菜を使った新商品も開発しています。

長野市信更の銀杏を使ったピクルスジュレが好評なのを受け、翌年は伝統野菜である長野市東福寺の小森丸ナスを使ったジュレも開発しました。フルーツ感覚で食べられると若い女性やナスが苦手な男性にも、「ラ・フランスだと思った。」「ナスの苦手意識が変わった。」と好評だといいます。

平成24年度より「地域発元気づくり支援金」の採択を受け、新商品発表会や新商品開発に向けた勉強会なども実施しています。

平成25年度新商品試食会、創作ビュッフェ

(平成25年度新商品試食会、創作ビュッフェ)

平成25年度に長野市で開催された新商品発表会では、ホテルの料理長がアレンジを加えて、商品を使ったアミューズや肉料理、スイーツをなど様々な料理がビュッフェ形式で並びました。

「商品を通じて地元の魅力を多くの人に知ってもらい、地域の元気につなげたい。」と、新商品発表会に向けて思いを語ってくれた宮崎愛子さん。料理を食べながら、新商品開発秘話や一年の活動報告などの発表があり、活発な意見交換が行われて、県内外を問わず多くの人が参加する会になっています。

飯山産「スノーキャロット」を使ったジュレ

(平成26年度「地域発元気づくり支援金」の採択を受け、開発中の商品)

平成26年度は、北陸新幹線の飯山開通(平成27年3月14日)に合わせ、飯山産の「スノーキャッロット」を使った商品の開発を手がけ、地元飯山の農家が大事に育て雪の下で一冬寝かせた、甘みの濃い人参をジュレにしました。

スノーキャロットを収穫する飯山の生産農家

すでに商品は、商談会などで発表され、バイヤーをはじめとした関係者が一定の評価をしており、引き合いも多くきているということです。

販路開拓に向けて

各種イベントへの出品

(各種イベント、コーナーへの出品)

商品の県内外での需要を掘り起こして、農家の方が無理なく農産物の栽培を続けられるよう、「信州・川中島平ファクトリー」では販路開拓にも熱心に取り組んでおり、都内の大手百貨店などでも取り扱われるようになりました。

また、売り込みだけでなく、様々な場面でバイヤーなどと意見交換も行っており、都市部でさらに受け入れやすい商品にするための仕様改善やラインナップの充実を図り、常に求められる商品づくりを行っています。

「私達の商品は丸ごと食べることができ、開封後は冷蔵庫で一週間日持ちします。基本的に添加物やお砂糖を使わず、果実本来の味を楽しめます。美味しさに加え、分けやすく、使いやすく、消費しやすいところが受け入れられている理由ではないでしょうか。」と、宮﨑由紀美さん。

今後の抱負

今後の抱負について、「桃の木のオーナー制度導入や、実店舗づくり、工場見学や農家体験など広く農業を身近に感じてもらう機会を増やしたい。また、若い人が興味を持ってくれる様な活動にしたいと思っています。」と、宮﨑由紀美さん。活動を長続きさせるコツについては、「新しい商品を作りながら常にチャレンジを続けることだと考えています。」と。

地元産にこだわった高品質の商品を展開して地域のブランド力向上につなげたいという「信州・川中島平ファクトリー」。地域住民が地域の資源を守るための挑戦は、これからも続きます。

 

(取材:平成26年9月10日地域政策課県民生活係,麻田真里子)

ページの先頭へ戻る

 

お問い合わせ

所属課室:長野県長野地域振興局総務管理課

長野県長野市大字南長野南県町686-1

電話番号:026-234-9500

ファックス番号:026-234-9504

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?