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野菜花き試験場
センブリはリンドウ科の2年草で、収穫まで2年かかり、草丈10~50cm、9~10月に白色の花を咲かせます。北海道から九州まで日本各地の山野に自生し、長野県内にも広く自生しています。全草に苦み成分を含み、開花時に根を付けたまま全草を収穫して出荷します。薬草として健胃、整腸、養毛に利用されています。
センブリは当初、薬草原料として山野で採取されましたが、自生株を集めるのは大変で、必要な量を十分に確保できませんでした。また、センブリの種子は微小で、発芽が安定せず、雑草にも負けやすいため栽培化は難しいと考えられていました。
野菜花き試験場佐久支場では、モミガラ被覆による保湿、遮光ネット被覆による雑草の抑制、種子を水に拡散させジョロでまく均一播種、冬季の凍み上がりを防止するネット被覆など、体系的な栽培技術を開発し、昭和50年代にセンブリの栽培化に成功しました。センブリは東信地方を中心に栽培が拡がり、オタネニンジン(別名:薬用にんじん)とともに長野県にとって重要な薬草となっています。
開花時の様子
1年目遮光ネット
2年目
出荷時箱詰め
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