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更新日:2019年2月8日
平成30年12月13日(木曜日)午前11時から12時15分まで
茅野市役所
[茅野市教委]教育長、教育長職務代理者、教育委員、関係課長以下計12名
[県教委]教育長、教育長職務代理者、教育委員、教育次長、関係課長以下計10名
「育ちあいちのの運用後の成果と今後の展開について」
(茅野市教委教育長)
茅野市は、国宝の土偶「縄文のビーナス」「仮面の女神」の2体を有し、また縄文の遺跡が二百数十か所あり、その頃の人々の暮らし・子育てに対する考え方が「育ちあいちの」の原点になっている。今の時代は何か問題が起こると、それを不都合なものとして考え、解決(排除)しようとする。しかし、縄文時代の人々は、生きるために問題はあったかもしれないが、それを乗り越え、それを楽しむように前向きに捉えていたのではないかと思っている。「育ちあいちの」も、縄文時代から培われてきた子育てに対する考え方を大切にしながら、子ども達のために質の高い授業、質の高い学校、質の高い子ども家庭支援を実施していきたい。
(茅野市教委統括コーディネーター)
各学校の統括コーディネーターは、教務主任と並ぶ立場で活動し、市教委の統括コーディネーターと連携し、相談に応じて市の福祉関係者と支援体制を構築していく。育ちあいちのを立ち上げてから相談件数が増加し、各学校だけで対応するのではなく、育ちあいちのと連携することで各学校に係る負担を軽減できているのではないかと考えている。また、「育ちあいちの」という相談窓口を整備したことで、相談しやすい環境となったと感じている。課題としては、各学校に配置している統括コーディネーターは専任と兼務がおり、兼務となるとどうしても、活動に制約が出てきてしまうところ。
(耳塚教育長職務代理者)
育ちあいちののモデルは、各学校と市側の課題と2つあると思うが、他の自治体が類似の取組をする場合に、一番悩むところや課題は何か。また、育ちあいちのとして未完成だと感じているところはどこか。
(茅野市教委統括コーディネーター)
学校側としては、専任か兼任で異なるが、統括コーディネーターがしっかりとその活動を行える校務分掌とする必要がある。
(茅野市教委学校教育課長)
茅野市の場合は、こども部ということで、0歳から18歳まで一つの部局で対応している。他の自治体でも、連携はしていると思うが、学校という括りになってしまいがちなので、その辺りをどう体制を組んでいくかだと思う。
(茅野市教委こども部長)
課題が多い子どもの支援というのは、育ちあいちので情報共有しうまくいっていると思うが、少し課題がある子も大勢いるので、その子どもたちの支援というのが今後のテーマだと思っている。
(茅野市教委教育長)
教育委員会と学校との関係が重要で、上下関係ではなく対等の立場で考える必要がある。また、学校の中だけで考えるのではなく、開かれた環境をつくっていかなければならない。子育てネットワークとどう関連付けていくのかを含め、地域で子育てをしていく体制を少しずつ整備していきたい。
(矢島委員)
(1)時間外の相談体制はどうなっているのか、(2)要保護児童対策地域協議会(要対協)の数字はどうなっているのか、(3)統括コーディネーターが兼務の理由、(4)学校内での支援会議の運営等について、(5)高校生への支援はどうなっているのか。
(茅野市教委統括コーディネーター)
(4)校内の支援会議の構成員は、状況によって必要な方に入ってもらっている。また、支援会議は定期的にやっている学校が多い。(3)コーディネーター2名は加配という形で、他は定数内でやっているので兼務となっている。
(茅野市教委こども・家庭相談係長)
(1)時間外の対応については、24時間携帯による対応を取らせていただいている。(2)要対協の数字は、その機能を有効活用するという意味で、今まで対象としてこなかったような案件も扱っているため増加している。(5)「茅野市こども館CHUKOらんどチノチノ」というところで高校生の相談はいくつかあるが、茅野市以外へ進学した子など全て対応できているわけではない。また、高校側も要対協代表者会議に出席していただいているので、理解していただいていると思うが、高校進学後、中途退学した子については、把握が困難となっており今の課題となっている。
(茅野市教委教育長)
義務と高校をどう繋げていくかというところで、県のSSWを市に常駐させるというのは是非やってほしい。
(原山教育長)
予算の問題も関わってくるが、義務と高校の連携に重要な役割を果たしてくれると思っているので、市レベルには県のSSWを配置できるように考えていきたい。
(矢島委員)
高校生への支援というところで、民間と連携できればいいのではないかと考えている。民間の居場所など、公的の機関から離れたところで、虐待事案に関する親への支援なども含め活用できればいいのではないか。また、支援会議については、個別の子どものためにやるという方法もあるが、学校でコア会議(核となる先生)を1週間に1回設けて要保護・要支援の子どもの状況確認をし、必要に応じて担任を交えて支援会議を開催する方法もある。
(中澤委員)
幼保小の連携について、どのような取組をしているのか。
(茅野市教委幼児教育課長)
当初は、担当の指導主事は生涯学習課に籍を置いていて、学校教育課と幼児教育課の三課に跨っていたような形だったが、幼児教育課に指導主事が入ってから、学校との繋がりがよくなった。学校の先生は異動で市外からくるので、小学校区ごとの合同職員会で意識統一を進めている。また、学校の夏休みに1日保育士体験を学校の先生にやっていただいて、子どもたちの様子を把握する機会を設けている。
(中澤委員)
園長レベルだといろいろ繋がりがあると聞くが、保育士一人一人の関わり方や学びという機会はあるのか。
(茅野市教委幼児教育課長)
学校側、保育園側それぞれの接続カリキュラムを活用し、双方で交流し理解する機会を設けている。
(三輪教育次長)
冒頭にも少し話があったが、育ちあいちのという取組にどうやってたどり着いたのか。また、苦労した点などあれば教えていただきたい。
(茅野市教委こども課長)
平成14年から、茅野市独自の「こども・家庭応援計画」(通称:どんぐりプラン)を作成し、0歳から18歳まで保健・医療・福祉・教育が一体となって取り組んでいくことになった。そういった取組を進めていく中で、平成24年、組織的にも子どもに関係する部門を1か所に集めることになり「こども部」が設置された。そこで、児童福祉部門を教育委員会に持ってきたというのが、茅野市の取組の大きな特徴。国や県の部門が違うというところは苦慮しているところではある。
(茅野市教委こども部長)
福祉と教育が一緒になるということは、新しいことをするということなので、なかなか理解が得られない状況があった。特に教育委員会の福祉はだれが責任を取るのか、という議論がなかなかか解決せず、最終的に2人の福祉事務所長を置けばいいのではないかという話になり、現在は私がその1人で福祉事務所長となっている。市町村によってさまざまな事情があると思うが、工夫すれば乗り越えていくことはできると思っている。
(耳塚教育長職務代理者)
例えば30人規模学級による加配をもらった場合に、その加配の枠を統括コーディネーターとして活用することはできるのか。
(義務教育課長)
今までの話を聞いて、成果が上がるのであれば、統括コーディネーターの専任化も検討しなければいけないと感じた。30人規模学級の加配については、市町村に加配をしているので、その使い方は市町村の判断にゆだねている。そのため、市町村で加配の枠を使って、統括コーディネーターの配置が有効と判断するのであれば、現在も加配を活用することは可能となっている。
(矢島委員)
学校の先生は、子どもも家庭も多様化している中で、適切な支援をしていくというのは難しくなっている。特別支援コーディネーター等も配置されているが、子どもを中心に見ていけるように、統括コーディネーターには、いじめ、不登校、虐待等を包括的に支援できるような、専門性を高めていってもらいたいと思っている。
(三輪教育次長)
今までの各役割がある中で、実際の相談があった場合は、統括コーディネーターはどのような動きをしていくのか。
(茅野市教委統括コーディネーター)
市教委の統括コーディネーターと学校の統括コーディネーターがそれぞれの窓口になることで統一している。学校では、統括コーディネーターに全て情報が集まるような仕組みづくりをしているので、相談があった場合は、その事案に応じて、市の統括コーディネーターと学校の統括コーディネーターが情報を共有し、保護者との間に入ったり、SSWを活用したりしながら、徐々に相談体制を構築していくようになっている。
(茅野市教委教育長)
不登校の問題一つにしても、本人の特性の問題、家庭の夫婦仲の問題、家庭の誰かが病気がある場合、勉強の問題、友達との関係の問題、先生との関係の問題など多岐にわたる。それらを総合的に見ていくことを考えた場合に、統括コーディネーターも我々職員も子どもを見る目をしっかり身につけていかなければいけない。
(矢島委員)
茅野市には、特別支援コーディネーターは配置されているか。
(茅野市教委統括コーディネーター)
配置されている。その情報も統括コーディネーターに入るような仕組みになっている。
(矢島委員)
特別支援コーディネーターは、兼任であるため専門性が高くない場合もある。統括コーディネーターがトータルで子どもを見られる方がいいと思っているので、何人も特別支援コーディネーターがいるよりは、1人の専門性の高いコーディネーターがフリーで動ける方がいいではないかと考えるがいかがか。
(茅野市教委統括コーディネーター)
今までの体制の中に統括コーディネーターが位置付けていることもあり、特別支援コーディネーターの役割、生徒指導主事の役割があり、それを統括コーディネーターが総合的に見ていく体制づくりをしている。
(原山教育長)
統括コーディネーターに全てを任せるということになってしまうと、今までと同じようなことになってしまうのではないか。ある程度の役割分担というものはしていかなければいけないと感じている。日本人的な感覚で、自分たちだけで解決することが責任ある対応と考えがち。そういうことをするというのは何かを隠しているのではないか、というように意識を転換しなければいけない。必要な支援は外に求めていき、それぞれがリーダーシップを発揮し、問題解決に導いていくことが必要ではないか。
(塚田委員)
企業でも、合理化していかなければ、人口減少、少子化の中では生き残っていけない。生徒数に対して、この育ちあいちのの体制というのは適正規模と感じているか。
(茅野市教委こども部長)
人員体制については、統括コーディネーターが1名増員になったのみ。今後は、相談件数の増加及び相談内容の複雑化も多くなっている状況の中で、専門性のある職員を増やしていく必要があると考えている。
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