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更新日:2025年3月31日
野尻湖では、流域の社会経済活動に伴う富栄養化の進行により、淡水赤潮の発生等水質の悪化が問題となりました。このため、平成6年に湖沼水質保全特別措置法に基づく指定を受け、以降6期30年にわたり湖沼水質保全計画を策定し、総合的な水質保全対策を実施してきました。その結果、CODは平成17年度以降上昇傾向がみられたものの、その後は1.8~2.5mg/L前後で推移しています。全りんは環境基準である0.005mg/Lをほぼ達成するなどの改善傾向が見られ、全窒素についても環境基準が達成されていませんが、0.1~0.15mg/Lの範囲で概ね横ばいとなっており、当初問題となった淡水赤潮は見られなくなっています。
このような状況から、引き続き野尻湖の水質改善を図るため、野尻湖に関わる人々と水環境の調和に配慮して、「第7期野尻湖水質保全計画」を定め、関係市町村、団体及び県民の理解と協力を得て、浄化対策を総合的かつ計画的に推進します。
野尻湖が担う3つのはたらき“湖や流域が豊かな自然を育む”“湖に親しみ、学び、癒し、憩う”“湖に関わる人々に持続的な恵みをもたらす”を将来にわたって享受できるよう、「みんなの野尻湖美しい姿を次世代に」をキャッチフレーズとして、野尻湖に関わる多くの人々や事業者が長期ビジョンを共有し、日常生活や事業活動の中で野尻湖に親しみを持ち、水質保全を自らの役割と認識し、実践することでその実現を目指します。
野尻湖に係る水質保全計画に基づく対策の着実な実施と、同計画の定期的な見直しにより、令和20年度を目途に長期ビジョンの実現を目指します。
長期ビジョンの実現に向け段階的に水質の改善を図るため、計画期間内(令和6年度から令和10年度)では、引き続き下水道への接続促進等により特定汚染源負荷の削減を図るとともに、環境にやさしい農業や森林整備の推進等により流出水負荷の削減を図ります。また、引き続き水生植物の生育状況等についてモニタリングを実施するとともに、新たに植物プランクトンの調査手法の開発を目指し、野尻湖における水生植物のあり方等に関する研究を進めます。
令和6年度から令和10年度までの5年間
信濃町全体における生活排水施設整備率を83%に向上させるとともに、直接流域内には単独処理浄化槽が残っているため、生活雑排水対策として、重点的に下水道への接続を求めていきます。
・信州の環境にやさしい農産物認証の取得、有機農業の導入などの各種制度普及啓発を図るとともに、環境にやさしい地域ぐるみの取組を支援します。
・森林等自然地域の持つ多面的な機能を発揮させるため、森林整備等の維持管理に努めます。
・野尻湖沿岸帯の水生植物等の生物多様性を確保し、自然の浄化能力の活用を図ります。
・水草帯回復が水質の改善や植物プランクトンの動態に及ぼす影響を把握するため、水草のモニタリングに加え、植物プランクトンの調査手法を開発し、その結果を今後に活かします。
・スポーツ大会などの機会に野尻湖の良好な水質や水質保全の取組などについて情報発信を行うことにより、地域住民や野尻湖を訪れた方の環境保全意識の醸成及び観光地の魅力向上を図ります。
・関係する行政機関等で構成する既存の連絡会議に加え、新たに信濃町と協議の上、地元関係者との意見交換会を開催します。
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