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更新日:2020年4月1日

 労働相談Q&Aその2

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 Q11 パートタイマーです。6ヶ月ごとの契約を繰り返し、もうじき2年になりますが、突然、今度の契約更新はないと言われました。しかたがないのでしょうか。

A11
契約期間を定めた労働契約は、契約期間の満了をもって、労働契約が終了します。しかし、何度も契約更新が行われ、労働者が契約更新を期待している場合や実質的に期間の定めのない雇用となっている場合には、いわゆる「雇止め」の問題となり、契約更新を拒否する具体的な理由(期間満了以外の理由)が必要であるとされています(労働契約法第19条)。また、有期労働契約であっても、更新回数、継続雇用期間などの一定の条件を満たした場合、少なくとも雇止めの30日前までに雇止めの予告が必要になります。

従って、次のような対応をとることが考えられます。
(1) 契約更新の意志を使用者に伝え、契約更新をしない具体的理由を尋ねる。
(2) 使用者の説明に納得できない場合は、使用者に、雇い止めの理由を記載した証明書の発行を要求する。
(3) 証明書に記載された雇止めの理由(証明書が発行されないときには、口頭で説明された理由)が納得できない場合は、解雇権の濫用であり雇止めは無効であると主張して、Q&Aの冒頭に記載した、個別労働紛争のあっせん等の手段により解決を図る。

労働契約法第19条(「雇止め法理の法定化」)について、もう少し詳しく説明します。
有期労働契約は、使用者が更新を拒否したときは、契約期間の満了により雇用が終了します。これを「雇止め」といいます。雇止めについては、労働者保護の観点から、過去の最高裁判例により一定の場合にこれを無効とする判例上のルール(雇止め法理)が確立しています。平成24年8月に成立した「改正労働契約法」は、雇止め法理の内容や適用範囲を変更することなく、労働契約法に条文化されました。

対象となる
有期労働契約
次の(1)、(2)のいずれかに該当する有期労働契約が対象になります。
(1)過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの
(2)労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの
要件と効果 上記(1)、(2)のいずれかに該当する場合に、使用者が雇止めをすることが、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、雇止めが認められません。従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新されます。
必要な手続き 条文化されたルールが適用されるためには、労働者からの有期労働契約の更新の申込みが必要です。だたし、こうした申込みは、使用者による雇止めの意思表示に対して、「嫌だ、困る」と言うなど、労働者による何らかの反対の意思表示が使用者に伝わるものでも構わないと解されます。


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 Q12 使用者ですが、パート・契約社員等有期労働契約で多数従業員を雇用しています。5年後には無期労働契約へ転換しなければならないと聞きましたが、どのような対応をとればよいでしょうか。

A12
平成25年4月に施行された改正労働契約法では、同一の使用者との間で、有期雇用契約が通算5年を超えて繰り返し更新された場合には、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換できることとされています。(労働契約法第18条)

詳しく説明すると
(1)同一の事業主との間で締結された2以上の有期労働契約期間を通算した期間が5年を超える有期労働契約者であって
(2)使用者に契約期間満了日までの間に無期労働契約締結の申込みをした場合、使用者はこの申し込みを承諾したものとみなされて、契約期間満了日の翌日から無期労働契約が成立するとされました。
通算契約期間のカウントは、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約からが対象で、平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は、含まれません。
なお、カウントにあたって、有期労働契約とその次の有期労働契約の間に、同一の使用者の下で働いていない空白期間が6ヶ月以上あるときは、その空白期間より前の有期契約期間は5年のカウントに通算せずリセットされます。(これをクーリングといいます。)
また、空白期間以前の有期契約期間が1年未満(例えば、6ヶ月契約など)のケースでは、クーリング期間が6ヶ月以上ではなく、“厚生労働省令で定める期間以上”となりますので注意が必要です。
無期労働契約に転換した場合の労働条件(職務・勤務地・賃金・労働時間など)は、別段の定め(就業規則、労働協約、労働者との合意による個々の労働契約等)がない限り、直前の有期労働契約と同一となります。
また別段の定めをする場合、職務内容が変わらないのに労働条件を従前より低下させることは望ましくないと通達されています。
以上から、事業主としては下記のような対応をとることをお勧めします。
(1)労働者と使用者との間でのトラブルを防止するため、無期転換後の労働条件について、労使間の認識にくい違いがないようによく確認しあう。
(2)無期転換前と異なる労働条件を適用する必要があるときには、あらかじめ「別段の定め」として労働協約、就業規則等により無期転換労働者の労働条件を定めておき、労働契約締結や契約更新の際に、労働者が転換を行使するか否かを適切に判断できるように条件を明示する。

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 Q13 使用者ですが、業務量によって就業時間が一定ではない短時間労働者の勤務については、就業規則にどのように規定すればよいのでしょうか。

A13
就業時間等、労働条件については、就業規則への記載が必要とされています。また、それらについての変更も可能です。
短時間労働者の就業規則については、例えば次のような対応をとることが考えられます。
(1) 正社員とは別の就業規則を作成する。
・短時間労働者について、始業及び終業が一律である場合は、その時刻を記載する。
・勤務形態、職種、曜日等により就業のパターンが決まっている場合は、それを就業規則に列挙する。
・労働者によってそれぞれ異なる場合は、就業規則に基本となる始業及び終業の時刻を定め、具体的には個別の労働契約等によって定める旨の規定を設ける。
(2) 短時間労働者の就業規則を作成することにより、会社の就業規則を変更することになるため、労働者の過半数で組織する労働組合、該当する組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聴かねばならない。(労働基準法第90条)
(3) 短時間労働者に適用される就業規則の作成又は変更に当たっては、短時間労働者の過半数を代表すると認められる者の意見を聴くよう努める。(パート労働法第7条)

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 Q14 休憩時間に工場を出て戻ってきたところ、外出願いを出してないと上司に怒られました。休憩時間は自由なのに、会社の許可をもらわなければいけないのですか。

A14
休憩時間とは、労働時間の途中に置かれた、労働者が権利として労働から離れることを保障された時間であって、その時間を自由に利用できるものでなくてはなりません。(労働基準法第34条)
使用者が休憩中の外出を制約できるかどうかですが、事業場内において自由に休憩できるかぎりは、外出許可制(許可制とは、原則的禁止を前提に、許可がある場合に禁止を解除するものです)をとっても差し支えないという通達があります。(昭和23年10月30日基発1575号)
施設管理や職場規律の維持を行う必要があることから、休憩時間の自由利用についても、合理的な制約を受けることになります。

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 Q15 正社員として入社し5年になりますが、今まで有給休暇を取得したことがありません。今まで取れなかった分を手当として清算して欲しいのですが。

A15
年次有給休暇制度は、労働者の心身を回復させ、労働力の維持・増進を図ることを目的としており、年次有給休暇の買上げは認めることができないとされています。一方で、付与後2年を経過して時効により消滅した分や退職者の未消化分など、制度の趣旨に反しないものについては買上げをしても差し支えないとされています。就業規則等に、失効した年次有給休暇の買い上げが規定されていればその分を請求することができますので、まずは確認してみましょう。規定のない場合は交渉次第となり、法律で義務付けられているものではありません。

年次有給休暇について、もう少し詳しく説明します。
・年次有給休暇は、雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して最低10日を付与しなければならず、勤続年数に応じて加算されます。パートタイム労働者も原則として同様に扱われますが、週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者については、所定労働日数に応じて比例付与されます。(労働基準法第39条)
・年次有給休暇の請求権は2年間で時効により消滅します。(労働基準法第115条)

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 Q16 有給休暇を申し入れたのに、受け入れてもらえませんでした。有給休暇は自分の希望する日に取得できないのでしょうか。

A16
有給休暇の取得は、原則労働者が時季を指定できます。(労働基準法第39条第5項)
しかし、請求された時季に有給休暇を与えることが、事業の正常な運営を妨げる場合においては、会社側に時季変更権があります。
※時季変更権とは、指定された年休取得日を変更する権利のことです。

従って、対応としては指定した日に有給休暇を取得できない理由を使用者に確認し、自分が休むことによって事業場に何か不都合があるのか、そのようなことが無ければ休ませてもらいたいと話し合ってみてはいかがでしょうか。
希望する日時に有給休暇を取ると職場に大きな支障が出るのかどうか、使用者とよく話し合い、その時季に休んではまずいと理解できるのならば、使用者の指示に従うようにしてください。

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 Q17 妊娠したことを会社に告げると、うちの会社には産休制度がないので仕事に支障が出る前に辞めて欲しいと言われました。

A17
使用者は、会社で産休制度を設けていなくても、産前産後休業を拒むことはできません。さらに、妊娠や産前産後休業取得を理由に、解雇を含む不利益取り扱いをしてはなりません。(男女雇用機会均等法第9条第3項)
また、上司・同僚が妊娠・出産や育児休業・介護休業等に関する言動により、妊娠・出産等した女性や育児休業の申出・取得者等の就業環境を害することがないよう、事業主として防止措置を講じることが義務付けられています。(男女雇用機会均等法第11条の2、育児・介護休業法第25条)

従って、次のような対応をとることが考えられます。
(1) 出産後も勤務を続けたい場合は、その意思をはっきりと伝える。
(2) 産前産後休業は法律で定められた権利であり労働者が請求できることを伝える。
(3) 解雇を迫られた場合は、法律で産前産後期間に係る解雇制限があることを伝える。

その他、以下のような妊産婦を保護する法律を確認しながら、会社と十分に話し合ってください。
・6週間(多胎妊娠の場合に当たっては、14週間)以内に出産する予定の女性および産後8週間を経過しない女性は、産前産後休業を請求することができると定められています。また、産後6週間を経過した女性が就業を請求した場合は、医師が支障なしと認めた業務に就かせることは差し支えありません。ただし、産後6週間については、請求の有無にかかわらず当該女性労働者を就業させてはなりません。(労働基準法第65条)
・妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければならず(労働基準法第65条)、妊産婦が請求した場合には、時間外・休日・深夜労働をさせてはならないことになっています。(労働基準法第66条)
・産前産後休業中とその後30日間は、この労働者を解雇することはできません。(労働基準法第19条)
・労働者が妊娠、出産、産前産後休業を取得(請求)したことを理由に、解雇をしたり不利益な取り扱いをしたりすることも禁止されています。(男女雇用機会均等法第9条)

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 Q18 先日妊娠していることが分かり、「産後休暇に引き続き、育児休業をとりたい」と申し出たところ、「休まれると困るので、育児休業はとらないで欲しい。」と言われました。どうすれば良いでしょうか。

A18
「育児休業」は1歳(一定の要件を満たせば1歳6ヶ月)未満の子を養育する男女労働者のための制度で、「育児・介護休業法(略称)」という法律に定められています。
父母がともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2ヶ月に達するまで取得できる特例もあります。
会社は要件を満たす労働者から育児休業や介護休業の申出があったときには、経営困難、人手不足等の理由があっても拒むことはできません。

正社員だけではなく、契約期間の定めのある労働者であっても、次の条件を満たしていれば、育児休業を取る事が出来ます。
(1)同一の事業主に引き続き雇用された期間が過去1年以上であること。
(2)子が1歳6ヶ月に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでないこと。

産休・育児休業や介護休業については、必ず就業規則に記載しなければいけないこととされています。また、仮に記載されていなくても、対象となる労働者が申し出た場合は、事業主は拒むことはできません。
就業規則をよく確認し、要件に当てはまることを確認の上、事業主に労働者の申出は拒めない制度であることを説明し、業務の分担も含めてよく話し合ってみてはいかがでしょうか。
なお、取得対象者であるのに会社がその申出を認めない場合には、事業所の所在地を所管する県労政事務所や長野労働局雇用環境・均等室にご相談ください。

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 Q19 育児中なので、残業は免除して欲しいのですが、申し出ることは出来ますか。

A19
育児・介護休業法における時間外労働等に関する制度には
1 所定外労働の免除
2 時間外労働の制限
があります。以下で詳しく説明します。

1 所定外労働の免除
3歳未満の子どもを育てる従業員は、事業主に請求することにより、事業の正常な運営を妨げる場合を除いて、所定外労働(就業規則で定めた所定労働時間を超える労働)を免除してもらうことができます。
ただし、次のいずれかに該当する場合は、所定外労働免除の対象外とされています。
(1) 日々雇用される者
(2) 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
(3) 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
なお、(2)・(3)は、労使協定により所定外労働の免除の対象外とできるとされています。

2時間外労働の制限
小学校入学前の子を養育する労働者が、養育のために請求した場合は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、1ヶ月24時間、1年150時間を超える時間外労働を制限するよう請求することができる。
ただし、次のいずれかに該当する場合は、時間外労働の制限の対象外とされています。
(1) 日々雇用される者
(2) 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
(3) 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
なお、(2)・(3)は、労使協定により時間外労働の制限の対象外とできるとされています。

上記要件に当てはまる場合は所定外労働や時間外労働の免除を事業主に請求することができます。請求する場合は1回につき、1ヶ月以上1年以内の期間について、開始・終了の日を明らかにして、開始予定日の1ヶ月前までに請求します。この請求は何回でもすることができ、事業主が適当と認める場合にはファックス又は電子メール等によることも可能です。

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 Q20 使用者ですが、介護休業について申請があり従業員が取得した場合、有給とすべきでしょうか、無給とすべきでしょうか。また、諸手当の支払いはどうなりますか。

A20
介護休業中の賃金については、法律上支払いを義務付けてはいませんので、諸手当ともに、支払いの義務はありません。

無給とする場合は、次のような対応を取ってみてはいかがでしょうか。
(1) 労働者には、制度の説明をしっかりして、理解を得る。
(2) 就業規則に明記しておく。
(3) 一定の条件を満たしていると、雇用保険の介護休業給付金を受けることができるので、併せてその制度についても説明する。

介護休業給付金は、介護休業を取った場合に、原則として「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」が支給されます。詳細は管轄するハローワークに照会してください。

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 Q21 入社後6ヶ月たって「試用期間が終了したので辞めろ」と言われました。どうしたらいいでしょうか。

A21
試用期間とは、労働者を採用する場合に、通常3ヶ月から6ヶ月程度の間、基本的な教育訓練を行うとともに、労働者の職務遂行能力や適格性を判断するために設けられる期間のことをいいます。
この試用期間中の労働契約の法的な性格は、「解約権留保付労働契約」であると解されています。この解約権の行使は、「解約権行使の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存在し、社会通念上相当として是認される場合にのみ許される。」とされています。
会社が試用期間の終了を理由にあなたを解雇する場合には、あなたの求めに応じ、あなたに社員としての適格性がないという判断を下す具体的な理由(例えば、勤務成績や勤務態度の不良など)を示す必要があります。

従って、次のような対応をとることが考えられます。
(1) 労働契約で、試用期間と本採用に関する規定を確認する。
(2) 就業規則の試用期間や解雇に関する規定を確認し、コピーする。
(3) 解雇理由を記載した証明書の交付を会社に求める。
(4) 解雇理由とその根拠(試用期間中の評価等)について会社に説明を求める。
(5) 解雇理由に異議があれば、解雇無効を主張して、Q&Aの冒頭に記載した、個別労働紛争のあっせん等の手段により解決を図る。
異議がなければ、解雇予告手続の適否を確認する。

試用期間と解雇について、もう少し詳しく説明します。
・試用期間中であっても労働契約は締結されており、本採用を拒否することは解雇に当たります。労働契約法第16条では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合はその権利を濫用したものとして、無効とする。」とされています。
・最高裁の判例では、本採用を拒否できるのは、「企業が採用後の調査により、または試用期間中の勤務状況等により、採用時に知ることができない事実を知り、その事実に照らし、引き続き雇用することが適当でないと判断することが解約権保留の主旨、目的に客観的に相当であると認められる場合」としています。(昭和48年12月12日三菱樹脂事件)
・労働者が退職の事由(解雇理由を含む)について証明書を請求した場合、使用者は遅滞なく交付しなければなりません。(労働基準法第22条)
・試用開始から14日を超えて使用されている労働者を解雇するには、解雇予告の手続きが義務づけられています。(労働基準法第20条)
・解雇予告手続きとは、解雇の30日以上前に労働者に解雇を予告すること又は30日に不足する日数分の平均賃金を支払うことを使用者に義務づけた制度です。(日々雇用の者、2ヶ月以内の期間で使用される者、4ヶ月以内の季節的業務の従事者、試用期間中で14日以内の者を除く。)(労働基準法第20条、第21条)

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 Q22 1年間の契約社員で働いていましたが、契約途中の7ヶ月で解雇と言われ、さらに退職届を提出するように言われましたが、違和感があり提出しませんでした。今後、どのように対応すればよいでしょうか。

A22
民法によれば、
・有期契約は労使ともに、原則としてその期限を守る義務がある。
・会社側は、真に「やむを得ない事情」がない限り、途中解約はできない。
・解約事項が会社の事情による場合は、労働者に対する損害賠償の責任を負う。(民法第628条)
とされています。
契約期間の定めのあるものは、解約について特約がない限り労働者、使用者を問わず、勝手にその期間満了前に契約を解約することは出来ません。どうしても契約を続けられない「やむを得ない事情」がある場合に限って中途解約が認められます。
また、合意解約の申入れの場合は、あくまでも申込みに過ぎませんので、労働者が「ノー」と言えば、契約関係は維持されます。

従って、次のような対応をとることが考えられます。
(1) 人事権のある者の発言なのか、会社の真意を確かめる。
(2) 真にやむを得ない事情があるのか確かめる。
(3) 労働者から申し出たものでないので、退職を認める文書に安易に署名捺印しない。
(4) 賠償条件等で折り合いがついて合意解約する場合は、その内容を盛り込んだ文書を作成することも必要です。
※解決手段としては、Q&Aの冒頭に記載した、個別労働紛争のあっせん等があります。

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 Q23 不当解雇されたので会社へ損害賠償を請求したいのですが。

A23
不当解雇を争う場合には、解雇権の濫用による解雇無効(復職)を求めることが一般的ですが、復職に代えて、金銭的なもので解決を図る場合もあります。
いずれにせよ、不当解雇であるとして争うためには、その事実を明らかにする証拠(書証、人証)が必要です。

従って、次のような対応をとることが考えられます。
(1) 会社に解雇理由の証明書の交付を求める。
(2) 解雇理由が就業規則の解雇事由に該当するか否か、解雇理由が事実か否かを確認する。
(3) 解決の方法として、Q&Aの冒頭に記載した、個別労働紛争のあっせん等を選択する。

不当解雇による損害賠償について、もう少し詳しく説明します。
・金銭請求としては、退職しなければ得られたであろう賃金相当額の逸失利益、精神的損害が発生し不法行為の要件を満たす場合は慰謝料、自己都合の退職金しか支払われていない場合は会社都合の退職金との差額、弁護士費用などが考えられます。
・裁判等で不当解雇であることが認められたとしても、どれだけの額の損害賠償が認められるかは未知数です。特に、慰謝料は著しい不法行為がないと認められないようです。

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 Q24 使用者ですが、無断欠勤が5日になる社員がいます。一向に電話が繋がらないので、1ヶ月後に解雇すると通知書を自宅に郵送しましたが、解雇の手続きとして問題が生じないでしょうか。

A24
無断欠勤が続いて、電話でも連絡が取れず、自宅に訪問しても本人の居場所が分からないような場合には、就業規則の解雇事由に該当するものと思われます。ただし、解雇が有効に成立するためには、その意思が本人に到達しなければなりません。
本人の所在が不明で解雇したいときには、「公示による意思表示」(民法98条)を行うことです。労働者の最後の住所地である簡易裁判所に申立てを行い、裁判所が掲示場に掲示し、かつ、掲示があったことを官報に少なくとも一回掲載(裁判所が相当と認めるときは、官報への掲載に代えて市役所・町村役場等へ掲示)することで、最後に官報に掲載など行った日付から2週間を経過した日に、相手方に意思表示が到達したものとみなされます。
この手続きによらず、解雇の通知書を送って、後日本人が現れ通知を受け取っていないと主張した場合には、先の解雇通知は無効となるため、改めて解雇通知を行う必要があります。その際には、労働基準法第20条により、少なくとも30日以上の解雇予告期間を設けるか、解雇予告の期間が30日に満たないならば、足りない日数分の平均賃金を解雇予告手当として支払わなければなりません。
※解雇予告手続きについてはQ21を参照してください。

なお、解雇の意思表示はあくまで本人に対してなされなければならないので、失踪した労働者の家族等に対して解雇の意思表示を行ったとしても、法的な効力は生じません。
また、無断欠勤が5日続いたときに解雇(懲戒解雇)できるかは、難しいところなので、2週間程度を目安とされてはいかがでしょうか。
また、解雇を前提に考えられていますが、このような場合には解雇ではなく、退職と扱うこともできます。無断欠勤が続くということは、労働契約に基づく労務を提供する意思がないものと判断されてもやむを得ない状況なので、あらかじめ就業規則の退職事由にその旨を記載しておけば、退職扱いも可能となります。

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 Q25 採用時に提出した履歴書に、実際には勤務したことのない会社名を記載したことを理由に懲戒解雇されました。仕事は何の支障もなく行っていたので、納得できません。

A25
使用者が作成した就業規則の懲戒解雇として、「重大な経歴詐称」、「労使間の信頼関係を喪失せしめるとき」などの事由を規定していなければ、本来懲戒解雇にはできません。
経歴詐称に関してどのようなときに懲戒解雇ができるのか、その判断の基準として、「雇入れの際の採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合及び雇入れの際、使用者の行う調査に対し、不採用の原因となるような経歴を詐称した場合」(昭和23年11月11日基発1637号他)という通達があります。これは、労働基準法第20条の解雇予告除外の認定を行う上での解釈ですが、ひとつの目安になります。つまり、それが事実でなかったならば、採用していなかっただろうという事柄について虚偽の記載、申立てをしていた場合です。
職歴が採用を左右する重要な要素になっていたかどうかは、それぞれの労働契約で異なってくるため、職歴を偽ったことでの懲戒解雇が不当であると一概には判断できませんが、まずは、就業規則の提示を求めどのような理由で懲戒解雇となったのか、具体的に説明してもらうようにしましょう。
使用者の対応に納得できないときには、Q&Aの冒頭に記載した、個別労働紛争のあっせん等の解決手段があります。

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 Q26 態度が悪いことと、少し前にミスをして不良品をかなり出してしまったことを理由に、社長から一方的に懲戒解雇だと言われました。

A26
会社が労働者を懲戒解雇するには、次のような要件を備えなければなりません。
1 処分理由とこれに対する懲戒の種類・程度が、就業規則上明記されていること。また、規定が設けられる以前に遡って適用はできず、同一事由に対し、再度処分を行うこともできない。
2 同一事由に対する処分の種類・程度は、同じものであること。
3 処分は違反の種類・程度等に照らして、相当なものであること。
4 就業規則上、定められた手続きを、守らなくてはならない。規定がないときも、労働者に弁明の機会を与えることが必要となる。

従って、次のような対応をとることが考えられます。
(1) 就業規則を見せてもらい、その写しをとる。
(2) 懲戒解雇理由を記載した解雇通知書の交付を求め、それがなされない時は、労働基準法第22条に基づく退職時の証明を請求するとともに、会社側に説明を求めその記録を残しておく。
(3) 会社に懲戒解雇の理由を明確にしてもらい、具体的な理由がない時や、理由に納得できない場合には懲戒解雇の無効を主張する。
(4) (3)の主張が受け入れられない場合は、Q&Aの冒頭に記載した、個別労働紛争のあっせん等の解決手段があります。

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 Q27 正社員になって1年になります。どうも自分にはこの仕事が合わないので会社を辞めたいのですが、どうすればいいでしょう。

A27
退職には、一定のルールがあり、それに従わなければなりません。円満に退職するには、後任の手配や仕事の引継ぎなどの会社の都合を考慮し、事前に人事権のある上司に申し出ることが必要です。

次に就業規則がある場合は、その規定に従って退職の手続きをします。
就業規則に記載された、退職できる期日前より早く退職したい場合には、上司と話し合って了解が得られたときには、希望する日に退職することができます。
なお、就業規則がなく労働契約期間の定めがない場合は、退職しようとする日の2週間以上前に、使用者に退職する意思を表示しなければなりません。(民法第627条)
ただし、月給制では、賃金の支払い計算期間の前半に申し出た場合は、その期間が満了するまで、後半に申し出た場合は、次の支払い計算期間の満了までは退職できません。

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 Q28 パートタイマーで働き始めました。労働時間が契約と違って長くなっているので直してもらいたいのですが、直らないなら辞めたいと思います。

A28
労働時間については、採用時に交付された労働条件通知書(雇入れ通知書)に、始業・終業時間や所定時間外労働(残業)の有無が記載されており、それによって労働契約が締結されているので、双方これを遵守しなければならないものです。また、事業主はパートタイム労働者の事情を十分考慮し所定労働時間を超えて労働させないよう努めなければならないとされています。実際に働いてみて、明示された労働条件と事実が相違する場合は、労働者はただちに労働契約を解除できます。

従って、次のような対応が考えられます。
(1) 人事担当責任者に労働時間が契約と相違していることを説明し、契約どおりの労働時間にするよう求める。
(2) 労働時間が是正されないときは、それを退職理由に明記した退職届けを提出する。

本来、退職理由を明らかにする必要はないが、雇用保険の受給に影響することがあるので、退職届に理由を明記しそのコピーを保管しておくこと。

パートタイム労働者の中途退職等について、もう少し詳しく説明します。
・労働契約期間の定めがある場合は、やむを得ない事由がない限り、その契約期間中は退職できません。(民法第628条) ただし、契約期間が1年を超える場合は、民法の規定にかかわらず、1年を超えた日以降はいつでも退職することができます。(労働基準法第137条)
・労働契約期間の定めがある場合でも、例外的に直ちに退職できる場合があります。契約で明示された労働条件と実際の労働条件が違う場合です。(労働基準法第15条第2項)
・「事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針」では、事業主は、短時間労働者の労働時間を定め、又は変更するに当たっては、当該短時間労働者の事情を十分考慮すること、短時間労働者についてできるだけ所定労働時間を超えて労働させないよう努めることとされています。
・労働時間が契約と違う場合は、その部署の責任者が、パートタイムの労働時間を知らずに働かせてしまう場合や、知っていても、仕事が忙しく説明責任を果たさず残業を命じてしまう場合もあるようです。まずは、人事担当責任者に実情を訴えるのが大切です。

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 Q29 競業他社に再就職しないという誓約書を出さなければ、退職を認めないし、離職証明書も渡さないと言われています。書かずに退職したいのですが、可能ですか。

A29
競業(競合)する会社への就職や就労によって習得した技術や知識を基に独立して開業することを一定期間禁止するという競業避止を就業規則に定めたり、労働者に誓約させる事業場があります。ただし、このような競業避止義務を定めていた場合でも、退職後は労働者に職業選択の自由(憲法第22条1項)があり、労働者が一律的に競業避止義務を負うものではありません。
判例では、必要最小限で合理的なものなら競業避止義務は有効であるとされています。競業避止の期間や地域・職種の範囲、使用者の利益と労働者の不利益とのバランスなどを考慮し判断されます。
雇用期間が定められているときには、やむを得ない事由がない限り、あるいは事業場の合意が無い限り原則として退職はできません。片や雇用期間が定められていない場合には、遅くとも退職日の2週間前までに退職の意思を伝えれば、退職することができます。(民法第627条。ただし、月給制では、賃金の支払い計算期間の前半に申し出た場合は、その期間が満了するまで、後半に申し出た場合は、次の支払い計算期間の満了までは退職できません)一般的には、就業規則の退職規定に則った手続きで退職するようにします。
求められた誓約書を提出しなくとも、民法により退職は有効(雇用期間が定められていないとき)となりますが、退職金が払われなくなったり、減額される恐れがあるので、留意した方がよいでしょう。
また、誓約書の有無に関係なく、競業他社への就職または開業が事業場に対する顕著な背信行為などに該当した場合には、損害賠償を請求されることがありますので、十分注意しなければなりません。
雇用保険を受給するために必要となる離職証明書(離職票)がもらえないときには、所轄のハローワークに申立てます。国民健康保険などの加入手続きで必要な退職証明書がもらえなければ、労働基準法第22条1項の違反となりますので、労働基準監督署に相談してみましょう。

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