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更新日:2024年10月16日

ライチョウ保護スクラムプロジェクト

守ろう、つなごう、ライチョウの未来。

 長野県の「県鳥」で絶滅危惧種でもあるライチョウはここ50年で半減し、2000年代初頭には生息数が約1700羽と推定されました。さらに、地球温暖化の影響による生息環境の縮小等も予測されており、現段階から詳細な調査や保全事業が必要な状況です。
 長野県では令和2年度から「ライチョウ保護スクラムプロジェクト」を開始し、環境省が主導する「中央アルプスでのライチョウ復活事業」への協力と支援や、全国初のライチョウ目撃情報投稿アプリ「ライポス」の開発・普及啓発を行っています。
 その結果、中央アルプスでは生息数が大きく回復するなど、一部の山域では生息数の回復が見られますが、依然として地球温暖化や高山帯へ侵入する動物の影響を受け、絶滅の危険性が高まっています。

 絶滅危惧の要因が人間の活動によるものだとしたら、私たちみんなで守っていかなければなりません。

 皆様のご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

ライチョウ保護スクラムプロジェクト紹介WEBページ(別ウィンドウで外部サイトが開きます)

ライチョウを絶滅から守りたい!

ライチョウ生息数は危機的状況 ~サポートしようライチョウの仔育て~

 上記のとおり、高山帯のライチョウはここ50年で半減と、生息数が著しく減少しています。

 こうした中、絶滅したとされていた中央アルプスで平成30年7月にライチョウのメス1羽が確認されました。これを受け、長野県では環境省が中央アルプスなどで実施するケージ保護(※)による保護増殖事業と連携し、ライチョウの生育環境に悪影響を及ぼすニホンザルの群れの追い払いなどに取り組んでいます。

 中央アルプスでのケージ保護は令和2年度から実施されております。この他、動物園などで育てた個体を野生に返す生息域外保全などの取組により、令和6年7月の環境省の速報値では120羽まで増加しました。

  ※ケージ保護
    ライチョウの生存率が極端に低い生後4週の間、日中はライチョウに付き添って天敵から守り、夜間は生息地内に設置し
   たケージ(鳥小屋)に入れて保護する手法。主な死因である降雨による低体温や捕食者の危険を避けることができます。
    環境省が南アルプスで実施した実証試験では、孵化後3ヵ月の生存率はケージ保護しなかったヒナが平均25%であるのに
   対して、ケージ保護したヒナの生存率は平均65%になるなど、その効果が確かめられています。

ライチョウの保護対策について

ライチョウはそっと見守ってください

がんばれ ライチョウ保護のエキスパート

 3人1チームで行われる「ケージ保護」活動は、高山帯での足場の不安定な環境でライチョウの天敵の出現を察知しながらヒナを安全な方向に誘導し、夕方にはライチョウの雛を寒さから守るために小屋に追い込みます。この活動は技術としては確立していますが、登山技術や体力だけでなくライチョウ保護経験も必要な過酷な任務であり、実践できる技術者の養成が必要です。

 このため、県では、環境省が行う「ライチョウ復活プロジェクト」と連携し、専門家の指導を受けながらライチョウのケージ保護経験を積むOJT(実地研修)を通じて、高度技術者「長野県ライチョウサポーターズエース」を養成しました。(令和2年度~令和4年度計15名)

 

 見たぞ 送ろう ライチョウの目撃データ

  ~ライチョウ目撃情報投稿アプリ「ライポス」の活用~

 ライチョウ保護のためには、ライチョウの生息状況を正確に把握する必要があります。
 長野県では、かつて、ボランティアや登山者のライチョウ目撃情報をメールやFaxで集めていましたが、件数や地域に偏りがあるほか正確な位置の把握が困難でした。

 このため、登山者をはじめ様々な方々から数多くのライチョウ目撃情報を集めるため、クラウドファンディングによる寄付金を利用して、スマートフォン用のライチョウ目撃情報投稿アプリ「ライポス」を令和2年度に開発し、令和3年度から運用を開始しました。
<ライポスの機能>
・目撃したライチョウ情報(性別、羽数、ヒナ数など)をスマートフォンから投稿
・観察者の現在位置を自動表示
・下山後に目撃場所を地図上で登録
・撮影した写真をアップロード
・季節ごとに異なるライチョウの特徴や識別ポイントについての紹介

 ライチョウを目撃した登山者から正確かつ数多くの情報を集めることができ、さらにデータを蓄積することで、次のような効果が得られます。

・新規生息地の発見
・主要生息地での個体数の増減を把握
・生息区域の拡大や縮小を把握
・保護増殖事業の効果判定

 以前は年間150件程度寄せられていたライチョウ目撃情報が、「ライポス」運用後は年間約400件と大幅に増えました。

 ライポスについては、こちらのページをご覧ください。

 https://www.pref.nagano.lg.jp/shizenhogo/documents/raipos.html

楽しく 学ぼう ライチョウ学習動画

 多くの皆様に、ライチョウの生息状況や基本的な生態等を学んでいただき、保護への理解を深めていただくための動画を制作しました。

 実際のライチョウの映像やキャラクターの解説により、どなたでも分かりやすく、楽しく学べる動画を公開しています。

 動画はこちらから視聴できます。

自然保護課YouTubeページ(別ウィンドウで外部サイトが開きます)

これまでいただいたライチョウ保護のための寄付

ライチョウ保護に関心を持っていただくとともに、県内外の多くの皆様にライチョウ保護スクラムプロジェクトにご参加いただくため、寄付金を募集しました。

 令和5年から令和6年の寄付結果について

 令和5年11月30日から令和6年8月31日まで、クラウドファンディング(長野県直営共創型ふるさと納税サイト「ガチなが」)で寄付を募集した結果、目標金額の1,300万円を大きく上回るご寄付を賜りました。関係者一同心から感謝申し上げます。寄付金募集状況は以下のとおりとなりました。 

寄付金募集の状況
実施時期 募集方法 寄付金額 支援人数 使途

R5.11.30 

~R6.8.31

クラウドファンディング

14,703,159円

(目標額:1,300万円)

416人

・ライチョウの生息状況調査及び捕食者の行動調査

(北アルプス南部)

・中央アルプスでのサルの追い払い

R3.6.8 

~R3.9.5

クラウドファンディング

7,752,575円

(目標額:200万円)

378人

・ライチョウ保護の高度技術者

 「長野県ライチョウサポーターズエース」4名の養成

・ライチョウ目撃情報投稿アプリ「ライポス」の運用

・ライチョウ学習動画の制作、公開

 自然保護課YouTubeページ(別ウィンドウで外部サイトが開きます)

R2.6.5 

~R2.8.31

クラウドファンディング

4,939,300円

(目標額:270万円)

335人

・ライチョウ保護の高度技術者

 「長野県ライチョウサポーターズエース」6名の養成

・ライチョウ目撃情報投稿アプリ「ライポス」の開発


皆様の寄付金を活用し、今後もライチョウ保護に積極的に取り組んでまいりますので、引き続き御支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

お問い合わせ

環境部自然保護課

電話番号:026-235-7178

ファックス:026-235-7498

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