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更新日:2026年3月19日
野菜花き試験場
平成19年(2007年)に長野県内のブナシメジ生産施設内で、ブナシメジを食害するキノコバエ科の被害(食害、異物混入)が国内で初めて確認されました。国の研究機関に同定していただいた結果、種類はヤマタナミキノコバエ(写真1)であることが分かりました。その後の現地調査の結果、本種の成虫が野外からブナシメジ施設のきのこ生育室内に侵入して、きのこに産卵、増殖して個体数が増え被害が拡大したと考えられました。対策としては、きのこ施設栽培では薬剤による防除は行っていませんので、①ブナシメジ施設周辺のキノコバエ科の発生状況を確認する、②生育室の出入り口や換気口等にある隙間を埋め、穴を塞ぐことが出来ない場所は防虫ネット等で覆い、施設へのハエの侵入を防いでいます。
菌茸部(長野市松代町大室)では、平成26年(2014年)から当部のきのこ栽培施設周辺に黄色粘着シートを設置して、シートに捕殺されるキノコバエ科の頭数を調査して(写真2)、現地に情報提供しています。その結果、キノコバエ科の発生は春と秋に多く、夏と冬は少ないまたは発生しないことがわかりました。しかし、近年では温暖化の影響で10年前とは異なる結果となっています。具体的には、秋の発生はこれまでより1カ月遅い10月から始まり、終わりは1カ月遅い12月下旬になっています。また、春の発生は1カ月早い3月から始まり、終わりは1カ月早い5月上旬となっています。
上記のことからキノコバエ科の発生は、1日の最高気温が影響すると考えられ、最高気温が10℃以上から20℃以下の日に発生が多く、20℃以上の日が続くと発生が少なくなり、25℃以上または5℃以下になる日が続くと発生しなくなる傾向がみられます。
菌茸部ではこれからも発生調査を続け、現地に情報提供を行うことで、きのこ生産者のキノコバエ科害虫の防除の一助になればと考えています。
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| 写真1 | 写真2 |