指定管理者制度導入施設における令和5年度の管理運営状況

指定管理者制度導入施設の管理運営状況と評価の概要

1.指定管理者制度について

（1）指定管理者制度とは

指定管理者制度とは、地方公共団体やその外郭団体に限定していた公の施設の管理・運営を、株式会社をはじめとした営利企業・財団法人・NPO法人・市民グループなど法人その他の団体に包括的に代行させることができる制度で平成15年9月に地方自治法が改正され導入されました。

(※)公の施設：住民福祉の増進を目的として住民の皆様に利用していただくため、地方公共団体が設ける施設

（2）制度導入の趣旨

多様化する住民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間事業者のノウハウを活用しつつ、住民サービスの向上や、経費の節減等を図ることを目的に導入しています。

導入のメリット

〇利用者のニーズに柔軟な発想で対応することで、より質の高いサービスの提供が期待される。

〇特色のある事業を自主的に企画し実施することで、施設の魅力がアップし、利用の促進が図られる。

〇民間事業者のノウハウを活用し効率的な施設運営を行うことで、管理運営経費の縮減が期待される。

 

（3）制度導入状況

令和5年度末時点で27の施設に導入

区分	施設数	施設例
レクリエーション・スポーツ施設	10	都市公園、県営野球場等
産業振興施設	1	県営総合射撃場
文教施設	11	文化会館、美術館、少年の家等
医療・社会福祉施設	5	西駒郷、信濃学園等
計	27

 

2.管理運営状況と評価

（1）対象施設

指定管理者制度を導入している27施設

（2）対象年度

令和5年度

（3）管理運営状況の評価

令和5年度の管理運営状況は、総合評価でAが5施設、Bが22施設となっており、おおむね良好な状況にあります。

項目別の評価結果

 

項目	A	B	C	D	対象外
施設の目的に沿った管理運営	6	20	1	0	0
平等な利用の確保（※）	4	23	0	0	0
利用者サービス向上の取組み	17	10	0	0	0
自主事業	16	7	0	0	4
職員・管理体制	2	25	0	0	0
収支状況	3	23	0	1	0
総合評価	5	22	0	0	0

 

A：仕様書等の内容を上回る成果があり、優れた管理運営が行われている。

B：おおむね仕様書等の内容どおりの成果があり、適正な管理運営が行われている。

C：仕様書等の内容を下回る項目があり、さらなる工夫・努力が必要である。

D：仕様書等の内容に対し、重大な不適切な事項が認められ改善を要する。

（※）信濃学園は「在宅障がい児支援」

 

総合評価でA評価となった施設の主な取組み

〇長野県山岳総合センター（山岳高原観光課）

既存の取組に加え、シニア向け講座の開催や安全登山動画の制作、ホームページのリニューアル等を新たに実施するほか、小中高生がクライミングや登山に親しむ機会を拡大するなど、その時々の課題や状況に対応し、創意工夫をもって取り組んだ点が評価できる。

〇長野県立武道館（スポーツ振興課）

利用者の意見・要望を積極的に取り入れ、利用者サービスの向上が図られ、自主事業収入が昨年度比で約倍増するなど、自主事業の取組強化が認められる。利用料金収入が予算額には届かない中で、施設管理のノウハウを生かした空調管理の工夫等により支出の削減に努めるなどし、適正な管理運営が行われていると認められる。

〇南信州広域公園（都市・まちづくり課）

回答生成AI導入やWeb予約・決済を24時間可能とするなど、利用者の利便性向上に努めている。運営2年度に入り、利用者や地域住民のニーズを反映した取組（アーリーチェックイン、レイトチェックアウトの受付開始、高速無料Wi-Fiの整備、うるぎラボでの特産品やクラフト品の販売等）も積極的に行われている。

〇松本平広域公園（都市・まちづくり課）

通信環境の向上等、公園利用者の立場に立った環境整備やまつもと空港と協力した各種イベントの開催など幅広い分野での賑わい創出が取り組まれている。SNSの活用や園内整備工事に関する情報周知に努めるなど、公園利用者がより利用しやすい管理運営が行われていると認められる。

〇烏川渓谷緑地（都市・まちづくり課）

安曇野市内および近隣市町村からは環境学習の場として不可欠な存在として頼りにされており、他箇所からの環境学習の依頼も多く、引き続き良好な管理運営をしていただきたい。また、収支状況等資料からも、優れた管理運営がなされていると判断できる。

（4）利用者数等の状況

指定管理料

令和4年度に比べ指定管理料が減少した施設…12施設

令和4年度に比べ指定管理料が増加した施設…9施設

令和4年度に比べ指定管理料が同額等の施設…6施設

⇒全体では、令和4年度に比べ約4,988万円の増額

（※）指定管理料：施設の修繕及び管理に必要な経費に係る県からの支出金

 

施設の利用者数等

令和4年度に比べ利用者数、稼働率等が増加した施設…19施設

（理由）新型コロナウイルス感染症の感染症法の位置づけが5類移行されたことに伴う利用増など

令和4年度に比べ利用者数、稼働率等が減少した施設…8施設

（理由）前年度、注目度の高いイベント等により伸びていた利用者数を上回ることができなかったためなど

利用者数の集計等をしていない施設…1施設

（※）松本あさひ学園は、入所・通所別に集計

 

利用料金収入

令和4年度に比べ利用料金収入が増加した施設…12施設

令和4年度に比べ利用料金収入が減少した施設…9施設

利用料金制度を導入していない、又は利用無料の施設…6施設

⇒全体では、令和4年度に比べ4.33%の減収

（※）利用料金収入：指定管理料のほか、指定管理者の収入となる施設の利用料金

 

 

〈導入施設の管理運営状況の評価結果一覧表（PDF：170KB）〉はこちらをご覧ください。

＜施設ごとの管理運営状況と評価＞

施設名	指定管理者	所管課
飯田創造館	（一財）長野県文化振興事業団	県民文化部 文化振興課
佐久創造館	（株）フードサービスシンワ	県民文化部 文化振興課
ホクト文化ホール（県民文化会館）	（一財）長野県文化振興事業団	県民文化部 文化振興課
伊那文化会館	（一財）長野県文化振興事業団	県民文化部 文化振興課
キッセイ文化ホール（松本文化会館）	（一財）長野県文化振興事業団	県民文化部 文化振興課
長野県立美術館	（一財）長野県文化振興事業団	県民文化部 文化振興課
松本あさひ学園	（社福）長野県社会福祉事業団	県民文化部 こども・家庭課
西駒郷	（社福）長野県社会福祉事業団	健康福祉部 障がい者支援課
障がい者福祉センター	（社福）長野県社会福祉事業団	健康福祉部 障がい者支援課
聴覚障がい者情報センター	（社福）長野県聴覚障がい者協会	健康福祉部 障がい者支援課
信濃学園	（社福）長野県社会福祉事業団	健康福祉部 障がい者支援課
御嶽山ビジターセンター	（一社）木曽おんたけ観光局	環境部 自然保護課 （木曽地域振興局）
霧ヶ峰自然保護センター	（一社）諏訪観光協会	環境部 自然保護課 （諏訪地域振興局）
戸倉野外趣味活動センター	千曲市	産業労働部 労働雇用課
山岳総合センター	（一社）長野県山岳協会事業管理	観光スポーツ部 山岳高原観光課
長野運動公園（野球場）	長野市	観光スポーツ部 スポーツ振興課
県営上田野球場	上田市	観光スポーツ部 スポーツ振興課
白馬ジャンプ競技場	白馬村	観光スポーツ部 スポーツ振興課
長野県立武道館	シンコースポーツ・NTTファシリティーズ 共同事業体	観光スポーツ部 スポーツ振興課
県営総合射撃場	（一社）長野県猟友会	林務部 森林づくり推進課
飯田運動公園	飯田市	建設部 都市・まちづくり課 （飯田建設事務所）
若里公園	（公社）長野シルバー人材センター	建設部 都市・まちづくり課 （長野建設事務所）
南信州広域公園	（特非）Nature Service	建設部 都市・まちづくり課 （飯田建設事務所）
松本平広域公園	TOYBOX	建設部 都市・まちづくり課 （松本建設事務所）
烏川渓谷緑地	（一財）公園財団	建設部 都市・まちづくり課 (安曇野建設事務所)
望月少年自然の家	信州リゾートサービス(株)	教育委員会事務局 生涯学習課
阿南少年自然の家	阿南町	教育委員会事務局 生涯学習課

 

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