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更新日:2024年9月1日
伊那保健福祉事務所
エムポックスは、国内では2022年7月に1例目の患者が確認され、その後は散発的に発生が報告されていました。しかし2023年に入り、患者の報告数は増加しています。
そこで正しい知識の普及啓発のために、エムポックスについてご紹介します。
※(サル痘は令和5年5月26日に感染症法上の名称が「サル痘」から「エムポックス」に変更されました。)
エムポックスとは、ウイルスによって感染する病気です。
アフリカに生息するリスなどの齧歯類をはじめ、サルやウサギなどウイルスを保有する動物との接触によりヒトに感染します。
感染した人や動物の皮膚の病変・体液・血液に触れた場合(性的接触を含む)、患者と近くで対面し、長時間の飛沫にさらされた場合、患者が使用した寝具等に触れた場合等により感染します。
一般的には発熱や発疹、リンパ節のはれ等の症状がみられます。体の部位に関係なく、発疹や水ぶくれ等がないかどうか注意してください。(特に顔、口、手足、肛門、性器、臀部(尻))多くの場合は数週間で自然に治ります。
しかし、健康状態によって重症化することがあります。
国内で利用可能な治療薬はなく、対症療法となります。重症例になると入院が必要になることもあります。
エムポックスを疑う症状が出現した場合、最寄りの医療機関に相談してください。医療機関を受診する際には、マスクの着用や発疹部分をガーゼなどでおおう等の対策をした上で受診してください。
天然痘のワクチンである痘そうワクチンがエムポックス予防にも有効ですが、日本では1976年以降、痘そうワクチンの接種は行われていません。流行地では感受性のある動物や感染者との接触を避けることが大切です。また、マスク着用、咳エチケット、手指衛生や性行為におけるコンドームの適切な使用により、感染のリスクを減らすことができます。