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更新日:2024年4月1日

動物愛護センター

動物相談Q&A~犬~

質問内容

 人を咬む

Q:雑種の子犬を貰ってきました。飛びついたり咬みついたりする癖があり、だんだん大きくなってきて、最近は怖いくらいです。どうしつけをすれば良いか悩んでいます。

A:飛びつくことや咬むことなど、飼い主が望まない行動(問題行動)の多くは、飼い主自身がその行動を気がつかないうちに強化していることが原因である場合があります。飛びつかれたり咬まれたりした時に、犬が喜んでしまうような対応をしてはいませんか。

犬は自分のした行動の中で、「この行動をしたら楽しかった、良い事があった」と思った行動を繰り返すようになっていきます。やめてほしい行動を教えるのではなく、してほしい行動を教えることが重要です。例えば、飛びついてきた時(やめてほしい行動)には相手にせず、おすわり(してほしい行動)をしたら遊んであげる、犬が喜ぶことをしてあげるといったことなどです。

最近は子犬のためのしつけ方教室なども開催されていますので、このような場所に参加するなどして社会性を身につけさせていく事も重要だと思います。

 散歩中引っ張る

Q:メスの雑種で、2歳になる犬を飼っています。毎日、散歩に行く時に犬に引っ張られて困っています。散歩から帰ってくると腕が痛くなるほどです。どうしたら引っ張られないで上手に散歩ができるでしょうか。

A:毎日の散歩は犬の運動のためだけではなく、飼い主との絆を強めたり、いろいろな場所に慣れさせる社会化のためにも大切です。

犬は散歩が大好きですが、活動的な犬や好奇心の旺盛な犬が、飼い主を引っ張って困らせることが良くあります。犬に引っ張られるからといって飼い主がリード引けば引くほど、犬は強く引っ張り返すという習性があるので、引っ張らせないようにすることを教えるよりも、飼い主の近くにいると良いことがあるということを教えていってください。

方法としては、どこかに行こうとする犬を後から一生懸命呼ぶのではなく、リードはやや短めに持ち、飼い主は引っ張られても動かないようにします。どこにも行くことができない犬は、飼い主の近くに来ようとしたり、飼い主を見上げようとすることがあります。そのタイミングを逃さずに、美味しいおやつをあげたり、声をかけてあげたり、撫でてあげるなど犬が嬉しいと思うことをしてあげてください。

ただし、すでに飼い主を引っ張って歩くことが習慣になっていると思いますので、散歩の最中に教えるよりも先に、まずは刺激の少ない場所で教えていきましょう。

飼い主がすでに腕が痛いということですが、引っ張ることだけやめさせる道具もありますが、使い方や装着の仕方などに注意が必要な道具もありますので、専門家の指導の元に使うようにしてください。

 人に向かって吠える

Q:11ヶ月になる柴犬のオスです。去勢をするか悩んでいます。家でつながれている時に、道を通る人に向かって吠えます。散歩の時は、子どもや老人に対して激しく吠えます。時々、じゃれて噛んできます。

A:人に対して犬が吠える原因として、様々な理由が考えられます。

生まれつき臆病な性格の犬もいますが、生後3週齢から12週齢の社会化期に様々な経験をする機会を十分に与えられなかったりすると、慣れていないものに対して過度の不安や恐怖を感じるようになる場合があります。

また、大きな声を出して近づかれたり突然耳や尾を引っ張ったりされる経験をすると、人が近づいてくることに対して警戒心を強める犬もいます。つながれている時に吠えるのは、縄張りを守ろうとしているのかもしれません。

去勢手術おこなうことでストレスやまわりへの興味が軽減され、問題が改善される可能性もあります。しかしそれ以外にも犬がおかれている環境が問題行動の原因になっていることも考えられますので、次のことを行ってみてください。

  • 犬をつなぐ場所を道や玄関などの近くではなく、静かで刺激の少ない落ち着ける場所にする。
  • 地域で開催しているしつけ方教室に参加することや、いろんな所に犬を連れて行き多くの経験をさせる。
  • 周囲を気にするよりも飼い主を気にしていた方が良いことがあることを教えていく。
  • 散歩中などに犬に触りたいからと近づいてくる人がいるかもしれませんが、事故を防ぐためにも、自分の飼っている犬を守るためにも、急に近づかないようにしてもらったり、触り方を説明することなどもしていくと良いでしょう。

 歯磨きについて

Q:犬の歯磨きはしなくてはいけないのでしょうか。

A:歯磨きは必要です。

歯石が溜まったまま放置すると歯周炎や歯周病の原因となり、歯の健康だけでなく身体全体の健康維持に大きく影響します。現在の歯石の状態や歯石の除去などについては、動物病院に相談しましょう。

日常的に歯ブラシで磨いたり、ガーゼ等で拭いたり、ガムを噛ませたりして、歯石が付着するのを予防することが大切です。

 暑さ対策

Q:6ヶ月になる雑種を屋外で飼っています。最近気温が上がっているせいか、ハァハァいって暑そうにしています。これから夏に向けて注意することがあったら教えてください。

A:湿気が高くなる梅雨や気温が高くなる夏の時期は、犬にとって苦手な季節です。人間は気温が上がると汗を出して体温を下げることができますが、犬は汗腺(汗を出す腺)が少ないため汗で体温の調節をすることができないため、暑くなると口を大きく開けて舌を出し、ハァハァあえぎながら空気を体内に入れては出すことで体温を調節します。温度が高く換気の良くない場所に入れられたり、暑い日に直射日光に当たりながら長時間の散歩をした時など、犬の体温が急激に上昇し熱射病(又は日射病)になることがあります。

夏の暑さから犬を守るために、次のことに注意してください。

  • 屋外で飼育されている場合は、犬舎を風通しの良い涼しい場所に移し、直射日光が当たらないようにする。室内で飼育している場合も、室温の上昇に注意する。
  • 日中の暑い時間に、車の中に犬を置いたままにしない。
  • 道路の照り返しや暑くなったアスファルトは犬にとっては大変つらいので、散歩は気温が低めの時間にする。
  • 気温が上がってくると食べ物が腐敗しやすくなるので、食器の食べ残しはそのままにせず、片づけて清潔にする。
  • 水はこまめに取り替え、いつでも新鮮な水が飲めるようにしておく。
  • 特に肥満や高齢、心臓に病気を持っている犬は暑さに弱いので要注意。体調の変化に気づいたらすぐに動物病院に相談する。

 寒さ対策

Q:小型の室内犬を飼いはじめました。夜など寒さ対策はどうすれば良いのでしょうか。冬に注意する病気についても教えてください。

A:朝夕の気温が下がり寒さが気になる季節は、暖房が切れる夜間は気温が下がるので、ペット用のヒーターなどを使って暖かいベッドを用意してあげると良いでしょう。犬は寒さに対して我慢強いと考えられていますが、そうとも言い切れません。被毛(身体を覆う毛)が薄く、寒さに弱い犬種もいます。また、子犬や病気の犬、老犬は特に寒さには弱いので、生活の場をいつも暖かくしてあげてください。屋外で飼育している場合は、冷たい風に当たらないようにしたり、日当たりの良い場所に生活スペースを設けたりすることも考えましょう。寒い夜には玄関など屋内に入れるなどしてあげると良いでしょう。

また、冬は空気も乾燥してウィルスによる病気、例えばジステンパーやパルボウィルス感染症などにかかりやすくなります。予防のためにはワクチンの接種をしましょう。食欲が無かったり、吐いたり、ひどい下痢などの症状が見られたら、動物病院に相談しましょう。

寒くなると運動不足になりがちです。室内で遊んであげたり、日中の暖かい時間に散歩に出かけましょう。

 伝染病ワクチン

Q:生後2ヶ月の子犬を譲り受けました。伝染病のワクチンを接種するように勧められましたが、狂犬病の予防接種とは違うのですか。

A:おたずねのワクチンは、任意の予防ワクチンのことと思われます。犬の伝染病で子犬の時期にかかると死亡率が高い病気に、ジステンパー、伝染性肝炎、パルボウィルス感染症、レプトスピラ病などがあります。これらの病気を予防するためには、ワクチンの接種が必要です。接種時期は、母犬からの抗体が切れ始める生後2ヶ月頃に1回目、その1ヶ月後に2回目の接種をします。完全に免疫を作るためには、さらに1ヶ月後に3回目の接種が必要です。ワクチンの種類や接種時期についての詳細は、動物病院にご相談ください。

また、狂犬病予防接種は海外から侵入する狂犬病に備えるために、年1回の接種が法律で義務づけられています。

登録と狂犬病の予防接種については、市町村役場にお問い合わせください。

 フィラリア

Q:自宅は山間なので蚊がいないような気がします。これから夏に向けてフィラリアの薬を飲ませなくても良いでしょうか。

A:飼い主が犬の健康を考える時に、忘れてはならない病気の一つとしてフィラリア症があります。フィラリア症は犬糸状虫症とも呼ばれ、蚊がフィラリア(犬糸状虫)に感染している犬の血を吸う時にその幼虫を一緒に吸い、他の犬の血を吸う時にその幼虫が体内にはいることで感染します。フィラリアは成長すると12~30cmにもなる細長い糸状の寄生虫で、犬の心臓や肺動脈に寄生して、心臓や肺、肝臓、腎臓などにも様々の病気を起こし、重症化すると死に至ります。従って、お住まいの山間部でも蚊の発生は考えられますので、必ず予防処置が必要です。

予防薬は1ヶ月に1回投与する飲み薬や6ヶ月間有効な注射薬など、数種類のタイプがあります。どのタイプにおいても、蚊が発生する前から蚊がいなくなるまでの間に効果が続くように投与し、感染を予防することが重要です。室内で飼育されている場合も、外に連れ出した時など蚊に刺されることが十分考えられるので、予防薬の投与をしてください。

安全に投薬するためには血液検査が必要になる場合がありますので、動物病院で診察を受けてください。

フィラリア症は愛犬の寿命を縮める重大な病気の一つです。飼い主の責任として予防することが大切です。

 しつけの時期

Q:犬のしつけはいつ頃から始めればいいですか。また、何歳までにしなければいけないのですか。「しつけ方教室」があったら教えてください。

A:「犬のしつけ」というのは特別な訓練のことではなく、犬が人間社会の中で、周囲に迷惑をかけることなく暮らしていくためのルールを教えることです。これから子犬を飼いたいと思われている場合、まず飼い主の家庭環境に合った犬種を選ぶことが第一です。子犬を選ぶ段階では、できれば両親(父犬・母犬)を見て、性格などを知ることができると良いでしょう。

子犬は生後8週齢頃までは母犬や兄弟・姉妹と共に過ごすことが大切ですので、飼育を始めるのはその後の方が良いでしょう。子犬が家に来たら、生後3ヶ月頃までに、他の犬や人、環境(テレビや車の音など)に少しずつ慣れさせましょう。

この時期の経験が将来、他の犬や人と良い関係を築く基礎になります。伝染病予防ワクチンが完了したら、外の環境も経験させ始めましょう。トイレのしつけも始めてください。失敗したことを叱るのではなく、飼い主がトイレの場所に連れて行き、その場所で成功したことをほめてあげましょう。

3ヶ月が過ぎたら、飼い主といると楽しいこと、良いことがあるということを日常の中で教えていきましょう。おすわりなどの行動を教えることもできます。6ヶ月頃までには、飼い主がしてほしい行動をすると自分に良いことがある、と理解できるようになっているのが理想です。

生後6ヶ月未満の子犬のしつけ方教室については、基礎的なことを学んでいただく教室をハローアニマルで開催していますので、お問い合わせください。

 避妊去勢手術について

Q:避妊・去勢手術のメリット・デメリットについて教えてください。

A:メリットとして、オス犬の場合は一般的に攻撃性が低下すると言われています。また、精巣腫瘍、前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺種などにかかりにくくなります。メス犬の発情期による放浪の可能性も低下し、それと同時にストレスも低下します。メス犬の場合は望まれない妊娠を防ぐことができ、子宮蓄膿症、卵巣腫瘍、乳腺腫瘍、そけいヘルニアなどを防ぐことができます。

デメリットとしては、手術を行う際に全身麻酔が必要となりますので、高齢である場合などにおいては注意が必要となります。処置をお願いする動物病院にお問い合せください。

 届けについて

Q:犬を飼い始めた時の届け出や手続きはどうしたらいいですか。

A:生後91日以上の犬を飼う場合、飼い始めてから30日以内(91日未満の子犬の場合には、91日を過ぎてから30日以内)にお住まいの市町村に登録をすることが法律(狂犬病予防法)で義務づけられています。飼い主が引っ越された場合や飼い主が替わられた場合も、30日以内に届け出が必要となります。

また、狂犬病予防注射を毎年4~6月に飼い犬に接種することも、法律で義務づけられています。

飼い犬の登録後に交付される「鑑札」と、狂犬病予防注射接種後に交付される「注射済票」を飼い犬に身につけさせておくことも、法律で義務づけられています。

登録や狂犬病予防接種については、市町村役場の担当課までお問い合わせください。

 子犬を飼いたい

Q:子どもが欲しがるので犬を飼おうと思いますが、どういう犬が良いでしょうか。

A:動物を飼うということは、子どもにおもちゃを買い与えるのとは違います。毎日の世話やしつけを子どもだけに任せることは不可能です。手間も時間もお金もかかります。子どもだけでなく親も責任を持って、長ければ15年以上家族の一員として、最後の瞬間まで面倒を見られるかを十分に話し合いましょう。

話し合いの結果、犬を飼うことを決めた時は、見た目や流行ではなく家族構成や飼育環境にあった犬種を選ぶことが重要です。純血種を選ぶ場合においては、その犬種がつくられた目的や気質、かかりやすい病気などについて正しい情報を得ることが重要です。

 子犬を母親から離す時期

Q:わが家のメス犬が出産して、子犬が5匹産まれました。差し上げる先は決まっているのですが、生後どのくらいでお渡しすれば良いのですか。

A:子犬はかわいいので、飼う側が小さい頃から買い始めたいと思うことなどから、早く母犬や兄弟・姉妹から引き離されてしまう傾向があります。しかし子犬の発育や性格に及ぼす影響などを考えると、最低でも生後8週齢までは親と一緒に飼育することが推奨されています。

子犬は親や兄弟・姉妹と一緒にいる間に、人間が教えていくことが困難な様々なことを学びます。小さい子犬の時期のことだけではなく、成長した後のことまで考えて、親元に置いておく期間を考えましょう。

 子犬を外に出しはじめる時期

Q:生後50日になる雑種の子犬を初めて飼います。公園などで遊ばせたいと思いますが、伝染病が心配です。いつ頃から外に連れ出しても良いのか教えてください。

A:犬は生後3週齢から12週齢までに目も見えて音も聞こえて、周りにある物や人、他の犬などいろいろなことに関心を示すようになります。この時期の経験が将来の子犬の性格に大きな影響を与えると言われています。

この期間は「社会化期」と呼ばれ、人や他の犬、環境の変化なども比較的受け入れるのが容易で、この期間の経験が将来、人や犬と良い関係を築いていく基礎となっていきます。

しかし、伝染病を予防するためのワクチン接種が完了していないうちに外に連れ出すと、パルボウィルス感染症などの伝染病に感染する恐れがあります。ご相談の子犬はまだ生後50日とのことですので、一回目のワクチン接種の時期です。抗体を上げるためには、まだ後1~2回の接種をおこなうことになります。詳しくは動物病院におたずねください。

外に出して自由に遊ばせる時期は、最後のワクチン接種から2週間ほどおいてからが良いと思われますが、その前でも自宅に来た人に会わせてみたり、窓の外を見させたりすることも社会化として大切なことです。

なお、生後91日を過ぎた犬は、狂犬病予防法に基づく市町村への登録と予防接種を受けることが必要となりますので、お住まいの市町村役場の担当窓口までご相談ください。

 受動喫煙による害

Q:犬や猫にはタバコの害は無いのでしょうか。

A:犬や猫に限らず、全てのペットが受動喫煙による健康被害を受ける可能性があります。タバコの煙(副流煙)に含まれる化学物質は、人間のみに害があるわけではありません。

もちろん、喫煙による煙の害だけではなく、タバコ自体を飲み込んでしまう事故等も考えられます。

人間の赤ちゃんがお家にいるのと同じだと考えてあげましょう。

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お問い合わせ

所属課室:長野県動物愛護センター 

長野県小諸市大字菱平字前新田2725

電話番号:0267-24-5071

ファックス番号:0267-26-3282

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