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更新日:2024年3月7日

環境保全研究所

「山と自然のサイエンスカフェ@信州」を開催しました:令和5年度(2023年度)

「山と自然のサイエンスカフェ@信州」は、当研究所の研究員や外部からお招きした研究者が、信州の大きな特色と魅力の源である“山と自然”に関する話題や社会的な注目度が高まっている“気候変動“に関する話題を提供し、参加者のみなさまとともに気軽に語り合うというイベントです。

ここでは、令和5年度(2023年度)の開催の様子をお伝えします。

令和5年度(2023年度)の開催日程

テーマ 開催日 備考
1(通算58) 土壌からみた今昔 令和5年5月31日(水曜日) 開催済み
2(通算59) シカのはかり方 令和5年6月28日(水曜日) 開催済み
3(通算60) 花の上で数万年暮らし続けるとどうなるか 令和5年10月12日(水曜日) 開催済み
4(通算61) 野火と縄文草原 令和6年2月14日(水曜日) 開催済み

 

 第4回(通算第61回)「野火と縄文草原」

概要

  • 日時:令和6年(2024年)2月14日(水曜日)17時30分~18時30分
  • 場所:県立長野図書館(長野市若里1-1-4)3階「信州・学び創造ラボ」
  • 話題提供者:須賀丈(環境保全研究所・自然環境部・部長)、浦山佳恵(同・研究員)/司会:高野宏平(同・研究員)
  • 参加人数:22名

山カフェ61チラシ

内容

  • 去年(2023年)の春、霧ヶ峰の草原で大規模な山火事が起こりました。この火事の原因は、自然発火によるのか人の火の不始末によるのか、わかっていませんが、霧ヶ峰をはじめ日本各地の草原では、春先に人が火を入れることが歴史的に長く行われてきました。
  • 火を入れることで森林化が妨げられ、草原が保たれます。霧ヶ峰をはじめ歴史の古い草原では、縄文時代から火事が起こり続けてきたことが、土壌の分析などからわかっています。草原の火事、野火はなぜ起こり続けてきたのでしょうか。そこに人間活動はどのようにかかわってきたのでしょうか。そうした野火は草原の生きもの、草花や昆虫などにどんな影響をあたえてきたのでしょうか。
  • 前半部分では、ファイア・エコロジー(火の生態学)という野火に適応した生物や生態系の特性について解説しました。後半では、霧ヶ峰の草原の来歴を諏訪地域の遺跡(図)や小字名(近世の通称地名)の分布から調べた結果を解説しました。旧石器時代に霧ヶ峰の草原で狩猟をしながら移動生活をしていた人々が、縄文以降森林化が進むなか火を用いて草原維持活動を始め山麓に進出し、霧ヶ峰では狩猟場として火入れが続けられ、それは近世初頭まで続いたと考えられました。

当日の様子

会場からも随時多くの質問が出て、活発なやり取りが行われました。アンケートでは

  • 縄文時代から野焼が行われていたことに感動。草原の価値、今は森林のところも昔は草地だったことも良くわかりました。
  • 小字名の話とても興奮しました。「原」の数が諏訪市と茅野市で全く違うこと、その発見!とってもおもしろかったです!!
  • 現在大学生で、動物考古学に興味のあるものです。とてもすばらしいお話ありがとうございました。
  • 霧ヶ峰でガイドをしています。参考になりました。
  • 高原での火災発生後の植生の変化について、もう少し伺いたかったです。

などの反響をいただき、「満足(10名)」と「おおむね満足(3名)」を合わせ100%となりました(無回答9名を除く)。一方で、

  • せっかくサイエンス「カフェ」と名付けているのでもっとくだけて話をしたいです

とのご意見もいただいたので、今後の改善に繋げたいと思います。

多くの方にご参加いただきありがとうございました。

Venue_on_the_YamaCafe61

会場の様子。質疑応答が盛んにおこなわれました。

 第3回(通算第60回)「花の上で数万年暮らし続けるとどうなるか」

概要

  • 日時:令和5年(2023年)10月18日(水曜日)17時30分~19時00分
  • 場所:くらしふと信州(長野市問御所町1250-1)
  • 話題提供者:高野宏平(環境保全研究所・自然環境部・研究員)/司会:尾関雅章(同・主任研究員)
  • 参加人数:24名

山カフェ60「ハエ」チラシ

内容

  • 動物が花粉を運ぶ換わりに、植物が蜜などの報酬を提供することを「送粉共生」といい、これは、生き物が多様化した要因の一つと考えられています。
  • 今回のテーマであるタロイモショウジョウバエの仲間とサトイモ科植物の間には緊密かつ多様な送粉共生関係が進化しています。
  • 数万年以上にわたる昆虫と植物の「送粉共生」を通じた共進化が辿り着いた色や形、匂いや行動の特殊化に魅せられた研究員が熱く語りました。

Colocasiomyia_Flies_on_Colocasia_esculenta_in_Sumatra_Indonesia

インドネシア・スマトラ島のサトイモ(Colocasia esculenta)を訪花する6種のタロイモショウジョウバエ

Colocasiomyia_cristata_on_Alocasia_alba_in_Java_indonesia

インドネシア・ジャワ島のクワズイモ(Alocasia alba)を訪花する、タロイモショウジョウバエ属の基準種Colocasiomyia cristata

Colocasiomyia_steudnerae_Steudnera_colocasiifolia_Yunnan_China

中国雲南省のSteudnera colocasiifolia(サトイモ科)を訪花するタロイモショウジョウバエの1種Colocasiomyia steudnerae

当日の様子

会場からも随時多くの質問が出て、活発なやり取りが行われました。多くの方にご参加いただきありがとうございました。

Venue_on_the_YamaCafe60

会場の様子。質疑応答が盛んにおこなわれました。

 第2回(通算第59回)「シカのはかり方」

概要

  • 日時:令和5年(2023年)6月28日(水曜日)17時30分~18時30分
  • 場所:県立長野図書館(長野市若里1-1-4)3階「信州・学び創造ラボ」
  • 話題提供者:黒江美紗子(環境保全研究所・自然環境部・研究員)/司会:堀田昌伸(同・研究員)
  • 参加人数:17名

配布資料(PDF:1,371KB)

59回山カフェ「シカ」チラシ

内容

ニホンジカは現在、日本の生態系を大きく変える野生動物として注目されています。

  • 【シカの増減傾向を測る】地域によりシカの増減傾向は異なります。傾向を知る方法の一つが、ライトセンサスという調査です(下写真)。夜、観察しやすい場所に出てきたシカにライトをあてると、シカの目が光を反射し、何頭いるかを数えることができます。これを同じコースで継続すると、大まかな傾向を把握できます。最近では、赤外線カメラ付きドローンで上空から撮影し、シカを数えることもできます。ドローンの活用で、人が到達しにくい場所での調査も進むかもしれません。
  • 【食痕からシカの採餌影響を測る】シカは1日数kgの植物を消費し、その積み重ねにより生態系を大きく変えてしまいます。シカによる生態系への影響は、シカが食べた植物の種類や本数を調べることで知ることができます。八ヶ岳や南アルプスでは、低木や草本の多くが消えてしまい、高密度なシカが森や高山植生を変容させたことが分かりました。北アルプス後立山連峰でも、シカが好まない植物が増えてきました。険しい山岳地で、シカが少ない生態系を維持するにはどのような方法があるのか、難しい局面にあります。

シカのライトセンサス

当日の様子

会場からも随時多くの質問が出て、活発なやり取りが行われました。アンケートでは

  • ニュースで「シカによる食害」というのはよく聞いていたが、希少植物を減らしたり、森林を破壊したりすることが聞け、大変興味深かった。
  • 現状におけるシカの生態(長野県下)とその様々なはかり方を知ることができ、シカにまるわる課題などについてもうきぼりとなり、興味深かった。
  • 信州の自然がいろいろな面からわかるので大変勉強になる
  • シカの密度を測るデータを得るまでの苦労話をもっと聞きたかった

などの反響をいただき、「満足(8名)」と「おおむね満足(1名)」を合わせ82%となりました(無回答5名を除く)。一方で、

  • ホームページ1か月前に載せてほしい

とのご意見もいただきました。年間計画は学習交流事業のページに掲載してありますので、ご参照いただければ幸いです。

多くの方にご参加いただきありがとうございました。

Venue_on_the_YamaCafe59

会場の様子。質疑応答が盛んにおこなわれました。

 第1回(通算第58回)「土壌からみた今昔」

概要

  • 日時:令和5年(2023年)5月31日(水曜日)17時30分~19時
  • 場所:くらしふと信州(長野市問御所町1250-1)
  • 話題提供者:葉田野 希(環境保全研究所・自然環境部・技師)/司会:浜田 崇(同・主任研究員)
  • 参加人数:30名
  • 内容:「土壌とは?」「現在の土壌区分」「土壌の化石=古土壌」「古土壌からわかること」に始まり、「梅雨はいつからあったのか?」というお題に対して「ヒマラヤ・チベット高原の形成後(1200万年前)から」という答えに至る壮大なスケールのお話でした。

配布資料(PDF:4,961KB)

チラシ

当日の様子

  • 2023年1月に開設された「くらしふと信州」で初めて開催しました。冒頭で、くらしふと信州のねらいや概要が説明されました。
  • 資料を配布の上、大型ディスプレイで話題提供し、司会が頻繁に解説と質問を差し込むことで、会場からも随時多くの質問が出て、活発なやり取りが行われました。

アンケートでは

  • 古土壌という言葉を初めて知り、昔の環境を知る指標となることがわかりとても興味深かった
  • ?がいっぱいでしたが、全く日常と違う話が聞けて、皆さんが一生懸命質問していておもしろかった
  • 久しぶりのサイエンスをエンジョイした気分です。時間も十分あり良かった
  • サイエンスカフェというゆるふわな感じのタイトルですが、毎回、新しい知識が得られて楽しませて頂いています

などの反響をいただき、「満足(11名)」と「おおむね満足(8名)」を合わせ100%となりました(無回答5名を除く)。

一方で、道路の騒音や音声、座席配置や広報についてのご意見もいただいたので、今後の改善に繋げたいと思います。

多くの方にご参加いただきありがとうございました。

会場外観

↑くらしふと信州で初めて開催

会場の様子

会場の様子。質疑応答が盛んにおこなわれました。

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お問い合わせ

所属課室:長野県環境保全研究所 

長野県長野市大字安茂里字米村1978

電話番号:026-227-0354

ファックス番号:026-224-3415

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