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更新日:2023年4月15日
環境保全研究所
当研究所飯綱庁舎の植物標本庫は、1996年度の研究所発足と同時に設立されました。
主に、藤原陸夫コレクション約11万点、峯村まさコレクション約3万点がもととなり、本格的な運用が始まりました。2001年度に国際植物分類学連合が管理する“Index Herbariorum”に国際略号NACとして登録され、国際的にも認知される基盤ができました。
標本庫の面積は約115平方メートルで、庫内の温度や湿度を一定の範囲に保つため空気調節装置と除湿機が備えられています。
維管束植物標本収蔵用のキャビネット数は100個で、各キャビネットはスチール製、手動による可動式、4個ずつ25列に配列されています。キャビネット1個の高さは約2m、幅は約1m、内部は3列、12段に仕切られており、キャビネット1個の内枠数は36個です。1個の枠に、さく葉標本を50~60シートが収納できます。
ミズゴケ属植物標本収蔵用のキャビネット数は9個です。上記のものより小型のスチール製、約2万点の収納が可能です。
維管束植物標本収蔵用キャビネット
ミズゴケ属植物標本収蔵用キャビネット
さく葉標本(押し葉標本)約20万点、約4,550種が収蔵されています(2023年4月現在)。産地は日本全域、特に東日本が多いです。国外では少数ですが、ヨーロッパ、ロシア、中国、マレーシア、インドネシア、ハワイ、チリなどがあります。特に収蔵種数が多い分類群としてオシダ属、ヤナギ属、カエデ属、サクラ属、アザミ属、ササ類、スゲ属があります。
松田行雄氏が寄贈した約16,000点42種2亜種の標本が収蔵されています。産地は日本全国、特に長野県産が多く、北欧、ネパール、インドネシアなどの国外産も含まれます。ミズゴケ類標本コレクションとしては、日本国内では有数であるといえます。
タイプ標本とは、新種などが発表される時につけられる学名の証拠となる標本を言います。世界でただ一つだけの標本がタイプとして指定され、公共の標本庫に永続的に保管することが決められています。非常に貴重な標本です。
本植物標本庫では、現在までに以下の12種類21点のタイプ標本を収蔵しています。
標本庫の運営にはボランティアさんのご協力が不可欠です。作業内容は、押し葉の台紙への貼り付けることや標本庫への配架を主に行います。植物に興味のある方、標本作成に興味のある方大歓迎です。
〒381-0075 長野市北郷2054-120
TEL:026-239-1031、FAX:026-239-2929
又はページ下部の「お問い合わせフォーム」からご連絡ください。
初心者の方でも構いません。職員が作業方法をお伝えします
1名~数名のグループでも参加可能です
飯綱庁舎の自然観察路で植物の観察も行えます
尾関雅章(主任研究員)
高野宏平(研究員)
荒井沙由理(環境保全研究員、標本庫管理主担当者)
押し葉の台紙への貼り付け
標本庫への配架
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